2014年11月07日
夏鳥はいついなくなったか?
01
久し振りの「非イメージ映像」・・・
毎年春になると、夏鳥がいつ来るか、
わくわくしながら毎朝目覚めます。
一方、秋になると、夏鳥がいついなくなるかに注目します。
A公園の場合、夏鳥がやって来るのは分かりやすい。
着くともう囀りをする鳥がほとんどだから、昨日までは
聞いていなかった囀りを聞くとそれが初日と考えていい。
ウグイスの場合、囀りを聞く前日に姿を確認したことがありましたが、
1、2日の違いは誤差の範囲内と考えているので特に問題はない。
ただし「初鳴き」という言葉があるように、ウグイスの場合は
囀りを初めて聞いた日を初認日というべきかもしれないですが。
しかし、夏鳥がいなくなる日となると、確認が難しい。
繁殖を終えると囀りをしなくなる鳥がほとんどである上、
地鳴きもあまり聞かれない鳥となると、たまたま姿を見ない限り、
いるかどうかがまるで分らなくなる。
コルリがそうですね、囀りをやめるともうお手上げで、
この鳥はいまだに、いつまでいるかを把握していません。
それでも、地鳴きが分かりやすい鳥については記録をとり、
いなくなる日の把握に努めています。
方法としては、A公園に行ってその鳥の声や姿を確認した記録を
取り続け、記録が途絶えた日をその日とするしかない。
ただし、今年のメジロのように、一度記録が途絶えたと思ったら、
3日後にまたいたということもあるので、僕は、1日2日ではなく、
5日確認できなかったら、最後に記録した日をその日としています。
今は毎日A公園に行けるわけではないので厳密なものでは
ないかもしれないけれど、でもN公園など市内別の場所の記録も
参考にはなります。
もうひとつ、実は、「いなくなる」という判断が難しい。
体調が悪い、群れに合流できなかった、一匹狼、など
何かの理由で渡りをしないで留まる個体が1羽でもいた場合、
種としてのその鳥の記録はずっと続いてしまう。
しかも、その1羽しかいないかどうかもはっきり分からない。
(ただおそらく、その1羽は越冬できずに命を終えることになる)。
過去に、メジロとトラツグミを2月に見たことがありますが、
秋からの連続ではなく、冬にぽつりと出た場合は、
その種の全体の動きとは切り離して考えていますが。
まあ、夏鳥の南帰行は、越冬先で繁殖するわけではなく、
生き延びられればいいわけで、こちらとしてもそんな厳格に
「記録」として構えず、だいたいこの頃、と話すことにしています。
前振りが長くなりましたが、最後の日、というか
「だいたいこの頃」が分かりやすい鳥を幾つか取り上げ、
今年は「いつ頃」だったかを見てゆきます。
02 ウグイスをもう一度
◎センダイムシクイ
2014年最後の記録:8月22日
センダイムシクイはスズメ目の夏鳥では最も早く南に渡ります。
その上、いなくなる日が分かりやすい鳥でもあります。
センダイムシクイはだいたい8月第2週目になると、「チヨチヨビー」と
囀りながら、群れで木から木へと動き回るようになります。
木々の葉が多い時期で姿は見つけにくいですが、声で分かります。
7月上旬に囀りをやめますが、渡りの前になるとまた囀りを
始めるのは、渡りの合図なのかもしれないですね。
◎キビタキ
2014年最後の記録:9月7日
キビタキはほぼ毎年、9月になると雌か幼鳥の姿を見ます。
巣立つと林内を動き回るので見つけやすいのかもしれない。
それでも確実に見られるというよりは、たまたま、ですね。
一方でキビタキは渡りの前でもほとんど地鳴きをしないため、
たまたま姿を見られなかった場合はこの記録はあてにならず、
もう少し後までとどまっている可能性もあります、念のため。
◎オオルリ
2014年最後の記録:9月11日
オオルリも繁殖が終わると地鳴きをほとんど聞きません。
だからいついなくなるかを把握しにくい鳥ですが、幸い今年は
幼鳥が目立つ木でぐぜり=囀りの真似事をする日が続き、
その記録を取り続けることができました。
幼鳥の記事はこちらですが、記事を上げた日から、
3週間ほど残っていたということになりますね。
◎ウグイス
2014年最後の記録:10月29日
ウグイスも10月に入る頃から「ヂッヂッ」と笹の中でよく鳴き、
行動を追いやすく、笹の合間に姿も見つけやすくなります。
いると必ず鳴くので、このデータは、まあ信頼できるかな。
今年3月、東京に行った際に、上野不忍池にいましたが、
今や、ウグイスに会うのも冬に東京に行く楽しみのひとつです。
◎アオジ
2014年最後の記録:10月30日
アオジは「チッ チッ」とよく鳴くので分かりやすい。
A公園で最後に声を聞いたのは、今年はこの日でした。
アオジはしかし、声の数が少しずつ減って行くと感じており、
一度にすべてが渡るのではなく、幾つかの群れが
時間差で渡って行くのかもしれない、と、考えました。
◎メジロ
2014年最後の記録:11月2日
メジロは10月27日の後で声が聞かれなくなったので、
もういなくなったかと思ったところ、11月2日に数羽の群れが
高らかに鳴いているのを確認しました。
しかし翌日からまた今朝までは確認できず、2日を最後としました。
メジロは秋になると数羽の群れで行動し、木の上の方で
「チューイッ」という地鳴きに囀りを交えて鳴くので分かりやすい。
メジロも冬に東京に行くと普通にいますね。
03
さて、夏鳥のうちまだ触れていない、
キジバト、モズ、ホオジロ、イカルについて。
キジバトは11月になってもまだ見られる年がありますが、
今年は秋以降A公園ではなぜかほとんど存在を確認できず、
記録が取れていません。
この写真は8月に家の前で撮影したものですが、この先、
市内別の場所で確認できるか、もう少し注意してみます。
モズ、一昨日、A公園で声を聞きました。
秋のモズの声は「モズの高鳴き」として知られていますが、
A公園では、「高鳴き」はほとんど聞かれません。
春にはやって来て繁殖しているらしいのですが、雛が巣立つと、
公園外の場所に移動するため秋にはいない、と考えています。
なぜそうかというと、A公園は開けた場所が少ない上にそこは
人が多い場所だから避けている、といのが仮説です。
雛の巣立ちまでは餌さえ取れれば林内でも構わないのでしょう。
一方で、毎年ではないけれど、「高鳴き」が散発的に聞かれ、
今年も一昨日と、10月に1回ありました。
数年前には12月にも記録があり、モズは環境に対する
適応性が高いのかもしれません。
ホオジロもA公園ではもう1週間ほど存在を確認していません。
ただ、こちらも12月に苫小牧で見たことがあるように、
もう少しいる可能性もあるので保留としています。
(苫小牧と札幌は厳密には気候が少し違うのですが)。
イカルは10月に群れで囀りしながら飛ぶ姿を何度か見ました。
以前、11月後半にも囀りを聞いたことがあるため、
こちらも保留としています。
イカルは春にやって来るのも今年は3月16日と、僕がA公園で
記録を取り始めてから最も早かったように、その年の気候に
合わせて行動できる鳥なのだと思います。
04 ホオジロ雌 2014年10月15日撮影
夏鳥が南に去って行く一方で、
ヒレンジャク10月15日、ツグミ10月27日、ベニヒワ10月28日、
イスカ11月5日と、冬鳥たちも次々ときています。
夏鳥が去るのは寂しいですが、これも自然だから、
やって来た冬鳥たちを歓迎しつつ、長い冬を楽しみましょう。
もちろん、留鳥たちはいつも通りよく見られる。
冬は木々の葉が落ちて鳥が見易くなることだし。
そして今日は立冬ですね。
札幌は日中雪が舞い、風が強く、とても寒かった。
雪は積もるようなものでは中たけれど。
ただ、明日は晴れて気温が上がるそうです。
今朝見た風景から一句。
立冬の夜明けを告げる鶫かな
最後は昨日の続きというか、
カラマツの葉を踏みしめるマーサの写真です。
05
久し振りの「非イメージ映像」・・・
毎年春になると、夏鳥がいつ来るか、
わくわくしながら毎朝目覚めます。
一方、秋になると、夏鳥がいついなくなるかに注目します。
A公園の場合、夏鳥がやって来るのは分かりやすい。
着くともう囀りをする鳥がほとんどだから、昨日までは
聞いていなかった囀りを聞くとそれが初日と考えていい。
ウグイスの場合、囀りを聞く前日に姿を確認したことがありましたが、
1、2日の違いは誤差の範囲内と考えているので特に問題はない。
ただし「初鳴き」という言葉があるように、ウグイスの場合は
囀りを初めて聞いた日を初認日というべきかもしれないですが。
しかし、夏鳥がいなくなる日となると、確認が難しい。
繁殖を終えると囀りをしなくなる鳥がほとんどである上、
地鳴きもあまり聞かれない鳥となると、たまたま姿を見ない限り、
いるかどうかがまるで分らなくなる。
コルリがそうですね、囀りをやめるともうお手上げで、
この鳥はいまだに、いつまでいるかを把握していません。
それでも、地鳴きが分かりやすい鳥については記録をとり、
いなくなる日の把握に努めています。
方法としては、A公園に行ってその鳥の声や姿を確認した記録を
取り続け、記録が途絶えた日をその日とするしかない。
ただし、今年のメジロのように、一度記録が途絶えたと思ったら、
3日後にまたいたということもあるので、僕は、1日2日ではなく、
5日確認できなかったら、最後に記録した日をその日としています。
今は毎日A公園に行けるわけではないので厳密なものでは
ないかもしれないけれど、でもN公園など市内別の場所の記録も
参考にはなります。
もうひとつ、実は、「いなくなる」という判断が難しい。
体調が悪い、群れに合流できなかった、一匹狼、など
何かの理由で渡りをしないで留まる個体が1羽でもいた場合、
種としてのその鳥の記録はずっと続いてしまう。
しかも、その1羽しかいないかどうかもはっきり分からない。
(ただおそらく、その1羽は越冬できずに命を終えることになる)。
過去に、メジロとトラツグミを2月に見たことがありますが、
秋からの連続ではなく、冬にぽつりと出た場合は、
その種の全体の動きとは切り離して考えていますが。
まあ、夏鳥の南帰行は、越冬先で繁殖するわけではなく、
生き延びられればいいわけで、こちらとしてもそんな厳格に
「記録」として構えず、だいたいこの頃、と話すことにしています。
前振りが長くなりましたが、最後の日、というか
「だいたいこの頃」が分かりやすい鳥を幾つか取り上げ、
今年は「いつ頃」だったかを見てゆきます。
02 ウグイスをもう一度
◎センダイムシクイ
2014年最後の記録:8月22日
センダイムシクイはスズメ目の夏鳥では最も早く南に渡ります。
その上、いなくなる日が分かりやすい鳥でもあります。
センダイムシクイはだいたい8月第2週目になると、「チヨチヨビー」と
囀りながら、群れで木から木へと動き回るようになります。
木々の葉が多い時期で姿は見つけにくいですが、声で分かります。
7月上旬に囀りをやめますが、渡りの前になるとまた囀りを
始めるのは、渡りの合図なのかもしれないですね。
◎キビタキ
2014年最後の記録:9月7日
キビタキはほぼ毎年、9月になると雌か幼鳥の姿を見ます。
巣立つと林内を動き回るので見つけやすいのかもしれない。
それでも確実に見られるというよりは、たまたま、ですね。
一方でキビタキは渡りの前でもほとんど地鳴きをしないため、
たまたま姿を見られなかった場合はこの記録はあてにならず、
もう少し後までとどまっている可能性もあります、念のため。
◎オオルリ
2014年最後の記録:9月11日
オオルリも繁殖が終わると地鳴きをほとんど聞きません。
だからいついなくなるかを把握しにくい鳥ですが、幸い今年は
幼鳥が目立つ木でぐぜり=囀りの真似事をする日が続き、
その記録を取り続けることができました。
幼鳥の記事はこちらですが、記事を上げた日から、
3週間ほど残っていたということになりますね。
◎ウグイス
2014年最後の記録:10月29日
ウグイスも10月に入る頃から「ヂッヂッ」と笹の中でよく鳴き、
行動を追いやすく、笹の合間に姿も見つけやすくなります。
いると必ず鳴くので、このデータは、まあ信頼できるかな。
今年3月、東京に行った際に、上野不忍池にいましたが、
今や、ウグイスに会うのも冬に東京に行く楽しみのひとつです。
◎アオジ
2014年最後の記録:10月30日
アオジは「チッ チッ」とよく鳴くので分かりやすい。
A公園で最後に声を聞いたのは、今年はこの日でした。
アオジはしかし、声の数が少しずつ減って行くと感じており、
一度にすべてが渡るのではなく、幾つかの群れが
時間差で渡って行くのかもしれない、と、考えました。
◎メジロ
2014年最後の記録:11月2日
メジロは10月27日の後で声が聞かれなくなったので、
もういなくなったかと思ったところ、11月2日に数羽の群れが
高らかに鳴いているのを確認しました。
しかし翌日からまた今朝までは確認できず、2日を最後としました。
メジロは秋になると数羽の群れで行動し、木の上の方で
「チューイッ」という地鳴きに囀りを交えて鳴くので分かりやすい。
メジロも冬に東京に行くと普通にいますね。
03
さて、夏鳥のうちまだ触れていない、
キジバト、モズ、ホオジロ、イカルについて。
キジバトは11月になってもまだ見られる年がありますが、
今年は秋以降A公園ではなぜかほとんど存在を確認できず、
記録が取れていません。
この写真は8月に家の前で撮影したものですが、この先、
市内別の場所で確認できるか、もう少し注意してみます。
モズ、一昨日、A公園で声を聞きました。
秋のモズの声は「モズの高鳴き」として知られていますが、
A公園では、「高鳴き」はほとんど聞かれません。
春にはやって来て繁殖しているらしいのですが、雛が巣立つと、
公園外の場所に移動するため秋にはいない、と考えています。
なぜそうかというと、A公園は開けた場所が少ない上にそこは
人が多い場所だから避けている、といのが仮説です。
雛の巣立ちまでは餌さえ取れれば林内でも構わないのでしょう。
一方で、毎年ではないけれど、「高鳴き」が散発的に聞かれ、
今年も一昨日と、10月に1回ありました。
数年前には12月にも記録があり、モズは環境に対する
適応性が高いのかもしれません。
ホオジロもA公園ではもう1週間ほど存在を確認していません。
ただ、こちらも12月に苫小牧で見たことがあるように、
もう少しいる可能性もあるので保留としています。
(苫小牧と札幌は厳密には気候が少し違うのですが)。
イカルは10月に群れで囀りしながら飛ぶ姿を何度か見ました。
以前、11月後半にも囀りを聞いたことがあるため、
こちらも保留としています。
イカルは春にやって来るのも今年は3月16日と、僕がA公園で
記録を取り始めてから最も早かったように、その年の気候に
合わせて行動できる鳥なのだと思います。
04 ホオジロ雌 2014年10月15日撮影
夏鳥が南に去って行く一方で、
ヒレンジャク10月15日、ツグミ10月27日、ベニヒワ10月28日、
イスカ11月5日と、冬鳥たちも次々ときています。
夏鳥が去るのは寂しいですが、これも自然だから、
やって来た冬鳥たちを歓迎しつつ、長い冬を楽しみましょう。
もちろん、留鳥たちはいつも通りよく見られる。
冬は木々の葉が落ちて鳥が見易くなることだし。
そして今日は立冬ですね。
札幌は日中雪が舞い、風が強く、とても寒かった。
雪は積もるようなものでは中たけれど。
ただ、明日は晴れて気温が上がるそうです。
今朝見た風景から一句。
立冬の夜明けを告げる鶫かな
最後は昨日の続きというか、
カラマツの葉を踏みしめるマーサの写真です。
05
Posted by guitarbird at 20:38
│鳥情報板
この記事へのコメント
読んでいて、「ある」ことの証明は簡単だけど、「ない」ことの証明は難しい、という話を思い出しました。
私自身は毎日通うフィールドがないので記録したことはないですが、終認日の確定は難しいですね。
宇治川には越冬ツバメが飛んでいるので、ツバメの初認日や終認日が不明です(笑)。
私自身は毎日通うフィールドがないので記録したことはないですが、終認日の確定は難しいですね。
宇治川には越冬ツバメが飛んでいるので、ツバメの初認日や終認日が不明です(笑)。
Posted by fagus06 at 2014年11月08日 06:45
fagus06さん、こんばんわ
「ないことの証明は難しい」ということについて、私は以前、
「太陽にほえろ!」で山さんが言っていたのが印象的でした。
実は、今日、アオジが1羽だけN公園にいたのですが、
ほんとうに1羽だけならやはり全体の動きとは切り離して
考えるべきかなあ、と悩んでいました。
ましてやこの記事を上げたまさに翌日・・・(笑)。
宇治川には越冬ツバメが飛んでいるのですね。
その越冬ツバメを一度見てみたいです。
「ないことの証明は難しい」ということについて、私は以前、
「太陽にほえろ!」で山さんが言っていたのが印象的でした。
実は、今日、アオジが1羽だけN公園にいたのですが、
ほんとうに1羽だけならやはり全体の動きとは切り離して
考えるべきかなあ、と悩んでいました。
ましてやこの記事を上げたまさに翌日・・・(笑)。
宇治川には越冬ツバメが飛んでいるのですね。
その越冬ツバメを一度見てみたいです。
Posted by guitarbird at 2014年11月08日 20:40