2017年11月01日
今月の読書2017年10月号
01

今月の読書です。
もう11月なので、正確には「先月の読書」ですが・・・
2017年10月は4冊、再読もあります。
☆1冊目
続日本人の英語
マーク・ピーターセン
岩波新書
先月読み返した「実践 日本人の英語」の前著というべきか。
かつて読んだことは覚えているけれど、内容は覚えていない。
それもそのはずというか、これ刊行されたのは1990年、
大学生の「乱読」時代だから覚えているわけがない。
ということでほぼ新しい本と同じ感覚で読みましたが、
「実践」がその通り英文ライティングの実践的なこつを説いて
いるのと違い、こちらは英語の考え方を日本人に理解して
もらうことを主眼として書かれた本であると読みました。
もちろん「実践」でもそれがベースにはなっていますが、
今回は例文は少なくマーク・ピーターセンさんの説明により
進められています。
ここで僕は、"through"の使い方がよく分かりました。
ビートルズにもI'm Looking Through Youという曲がありますが、
中学の頃からずっと、この、"through"のニュアンス的なものが、
なんとなく分かっているようで分かっていなかった。
"through"には「成し遂げる」というニュアンスが多く含まれる。
「ずっと探していたけど見つからない」という感じですが、
そこにはきっと彼女の「本心」が見えないという意味があるのだと。
"meadow"の話はCD-Rの記事(こちら)でしましたが、
今回もやっぱり英語の歌詞に引き寄せて考える僕がいました。
マークさんは日本語でこの本を書いており、母国語の英語で
書いて翻訳しているのではないというのはすごいなと。
「実践」のあとがきでマークさんは、前著つまりこの本から
四半世紀が経って自分の日本語は少しはよくなったと思う
と書いていましたが、もうこの頃から学術的ではない
文章を書くには十分すぎるほどだったとあらためて思いました。
このさらに前、「続」がつかないものもかつて読みましたが、
今はもう家の中を探すのが大変だから、買い直して読むかな。
実はこれも買い直したものでした。
英語の本を読むと、英語以前に言葉についての考え方に
大いに刺激を受けるのがいいですね。
☆2冊目
天気のしくみ
森田正光・森さやか・川上智裕
共立出版
HBCラジオ平日8時「森本毅郎のおはよう日本」、
水曜日のコメンテーターは気象予報士の森田正光さん。
そこでこの本を知り買って読みましたが、その通り、
ほんとうに基礎の基礎の「しくみ」がよく分かる1冊。
この本の売りは、各事象を説明するイラストの横に
QRコードがあって、それを読み取るとスマホなどで
動画として見ることができより理解が進むというもの。
ところが、僕は自分のi-PhoneにQRコードを読み取る
アプリを入れていないのでそこは恩恵に与れなかった。
以前auのキャンペーンでもQRコードアプリがないために
応募できなかったということもあったのですが、必要かな・・・
まあそれはともかく、この本はいつも手の届くところに置いて、
天気の話題を観たり聞いたりする度にページをめくって
覚えてゆければと思います。
☆3冊目
風のガーデン 貞三先生の花言葉365篇
倉本聰
エフジー武蔵
ドラマ「風のガーデン」を観て2ヶ月余り。
少しずつ読み進めてようやく終わりました。
幸いなことにその間にドラマに飽きることはなくて、
まだBDに焼いたのを観たいと思うことしばしば。
実際に「ガーデン」やドラマに出てくる場所にも行ったし。
ただ、残念ながら花の季節はこちらではもう終わり。
一度読んで、来年の春にはまた忘れているだろうから、
これを読み返して庭に植える花を選ぶかもしれない。
☆4冊目
写真構図のルールブック
内地秀人・福井麻衣子
マイナビ
美瑛などで風景写真を撮る機会が増えてから、
写真について考えることも増え、
もう一度この本を読み返すことにしました。
フェイスブックで彼女の知り合いのプロ写真家の方と
お友達になっていただき、その写真を拝見していると、
やはり構図は大きな要素であると再認識もしました。
例えば光が平板でつまらない時でも、構図により
面白く見せる写真を撮ることができる、と。
ただし構図については、自分で撮っていても、
特に焦って撮った時など、何か居心地悪さを感じる
というものが誰にでもあると思います。
人間、「観る」方の能力はそうとう高いものがあるけれど、
それを実際に自分で表現するとなるとまた別の能力が必要。
僕はそんな風に思うのですが、そうしたとっ散らかった考えを
まとめるためにも本を読むことは必要だと考えます。
それはもちろん写真についてのみならず。
この本は自然風景写真のみならず、人物、街中や
テーブルフォトなども考察の対象として挙げられています。
例えば「放射」「S字」「黄金比率」などといった技法の説明では
写真に線を引いてどこにものを配せばよいかを細かく
指摘してくれるのも見やすいし、一度読み通せば、
作例写真だけをさっと見直すことができるのもいいです。
手元に置いておいて何度も目を通したい1冊ですね。
続いて【guitarbirdの書架より】
☆
100問100答 クジラの謎イルカの秘密
宮崎信之(監修)
河出書房新社
今日は海が見える場所、八雲に行って来ました。
冒頭の虹と最後のJR車両の写真はそこで撮りました。
海を見ながら、クジラやイルカ、アザラシはいないかなぁと。
そこで思い出したのがこの本。
家のいつも目に留まる場所に置いてあって、
また読みたいまた読みたいとずっと思っていますが、
これで勢いがつくか?
一問一答形式の本で読みやすく内容も分かりやすい。
少しずつ読み進めるにもいい本です。
帯に書いてある項目を書き出します。
●クジラといるかはどこが違うのか?
●クジラはなぜジャンプする?
●ザトウクジラはなぜ歌を歌うのか?
●潮吹きは何を吹き上げているのか?
●クジラは潜水病にならないのか?
●イルカと会ったらどうすればよいか?
●クジラの祖先はどんな動物だった?
●イルカは人間の心を癒せるか?
興味をそそられる話ばかりですよね。
最後は購入して未読の本を3冊ほど。
★
日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語
山崎晴雄、久保純子
講談社ブルーバックス
昔からこういう本を待っていた。
書店の平台で見つけた瞬間そう思いました。
どうして日本列島は今のような状態なのか。
知りたいですよね。
まだ購入前にぱらぱらと中を見ただけですが、
期待が高まっています。
★
私の好きな曲
吉田秀和
ちくま文庫
吉田秀和さんが亡くなられてすぐに購入した未読のこの本。
はて、いつ亡くなられたんだっけと調べると、なんと2012年。
ええっ、5年も、ほんとうに齢をとると月日の経つのが早いこと。
最初2曲分の話だけ読みましたが、これは実際にその曲を
聴きながら読みたいと思いつついまだできず。
少し前に丸谷才一さんの本を読みましたが、そこでも
吉田秀和さんについて触れられていて、その時にも
またこの本を読むのを再開しようかと思ったのですが・・・
★
文庫手帳2018
安野光雅
ちくま文庫
未読というか・・・毎年購入しているこれ、買いました。
そして毎年のように来年はこれを活用しようと思うのですが、
2017は今のところ真っ白なままです・・・
ちくま文庫2冊紹介しましたが、はい、密かなファンなんです。
02

八雲の写真、虹についてもう1枚。
札幌発函館行き特急「北斗」。
雨の中流し撮り、そこそこいい感じで撮れましたが、
左端に橋の欄干の一部が入ってしまって残念。
今日はこの後晴れて虹が出ました。
さて、11月もなんとか4冊読んで記事を上げたいです。
あ、最後に忘れてた・・・
2日に犬たちを撮影して、写真を追加させていただきますね。

今月の読書です。
もう11月なので、正確には「先月の読書」ですが・・・
2017年10月は4冊、再読もあります。
☆1冊目
続日本人の英語
マーク・ピーターセン
岩波新書
先月読み返した「実践 日本人の英語」の前著というべきか。
かつて読んだことは覚えているけれど、内容は覚えていない。
それもそのはずというか、これ刊行されたのは1990年、
大学生の「乱読」時代だから覚えているわけがない。
ということでほぼ新しい本と同じ感覚で読みましたが、
「実践」がその通り英文ライティングの実践的なこつを説いて
いるのと違い、こちらは英語の考え方を日本人に理解して
もらうことを主眼として書かれた本であると読みました。
もちろん「実践」でもそれがベースにはなっていますが、
今回は例文は少なくマーク・ピーターセンさんの説明により
進められています。
ここで僕は、"through"の使い方がよく分かりました。
ビートルズにもI'm Looking Through Youという曲がありますが、
中学の頃からずっと、この、"through"のニュアンス的なものが、
なんとなく分かっているようで分かっていなかった。
"through"には「成し遂げる」というニュアンスが多く含まれる。
「ずっと探していたけど見つからない」という感じですが、
そこにはきっと彼女の「本心」が見えないという意味があるのだと。
"meadow"の話はCD-Rの記事(こちら)でしましたが、
今回もやっぱり英語の歌詞に引き寄せて考える僕がいました。
マークさんは日本語でこの本を書いており、母国語の英語で
書いて翻訳しているのではないというのはすごいなと。
「実践」のあとがきでマークさんは、前著つまりこの本から
四半世紀が経って自分の日本語は少しはよくなったと思う
と書いていましたが、もうこの頃から学術的ではない
文章を書くには十分すぎるほどだったとあらためて思いました。
このさらに前、「続」がつかないものもかつて読みましたが、
今はもう家の中を探すのが大変だから、買い直して読むかな。
実はこれも買い直したものでした。
英語の本を読むと、英語以前に言葉についての考え方に
大いに刺激を受けるのがいいですね。
☆2冊目
天気のしくみ
森田正光・森さやか・川上智裕
共立出版
HBCラジオ平日8時「森本毅郎のおはよう日本」、
水曜日のコメンテーターは気象予報士の森田正光さん。
そこでこの本を知り買って読みましたが、その通り、
ほんとうに基礎の基礎の「しくみ」がよく分かる1冊。
この本の売りは、各事象を説明するイラストの横に
QRコードがあって、それを読み取るとスマホなどで
動画として見ることができより理解が進むというもの。
ところが、僕は自分のi-PhoneにQRコードを読み取る
アプリを入れていないのでそこは恩恵に与れなかった。
以前auのキャンペーンでもQRコードアプリがないために
応募できなかったということもあったのですが、必要かな・・・
まあそれはともかく、この本はいつも手の届くところに置いて、
天気の話題を観たり聞いたりする度にページをめくって
覚えてゆければと思います。
☆3冊目
風のガーデン 貞三先生の花言葉365篇
倉本聰
エフジー武蔵
ドラマ「風のガーデン」を観て2ヶ月余り。
少しずつ読み進めてようやく終わりました。
幸いなことにその間にドラマに飽きることはなくて、
まだBDに焼いたのを観たいと思うことしばしば。
実際に「ガーデン」やドラマに出てくる場所にも行ったし。
ただ、残念ながら花の季節はこちらではもう終わり。
一度読んで、来年の春にはまた忘れているだろうから、
これを読み返して庭に植える花を選ぶかもしれない。
☆4冊目
写真構図のルールブック
内地秀人・福井麻衣子
マイナビ
美瑛などで風景写真を撮る機会が増えてから、
写真について考えることも増え、
もう一度この本を読み返すことにしました。
フェイスブックで彼女の知り合いのプロ写真家の方と
お友達になっていただき、その写真を拝見していると、
やはり構図は大きな要素であると再認識もしました。
例えば光が平板でつまらない時でも、構図により
面白く見せる写真を撮ることができる、と。
ただし構図については、自分で撮っていても、
特に焦って撮った時など、何か居心地悪さを感じる
というものが誰にでもあると思います。
人間、「観る」方の能力はそうとう高いものがあるけれど、
それを実際に自分で表現するとなるとまた別の能力が必要。
僕はそんな風に思うのですが、そうしたとっ散らかった考えを
まとめるためにも本を読むことは必要だと考えます。
それはもちろん写真についてのみならず。
この本は自然風景写真のみならず、人物、街中や
テーブルフォトなども考察の対象として挙げられています。
例えば「放射」「S字」「黄金比率」などといった技法の説明では
写真に線を引いてどこにものを配せばよいかを細かく
指摘してくれるのも見やすいし、一度読み通せば、
作例写真だけをさっと見直すことができるのもいいです。
手元に置いておいて何度も目を通したい1冊ですね。
続いて【guitarbirdの書架より】
☆
100問100答 クジラの謎イルカの秘密
宮崎信之(監修)
河出書房新社
今日は海が見える場所、八雲に行って来ました。
冒頭の虹と最後のJR車両の写真はそこで撮りました。
海を見ながら、クジラやイルカ、アザラシはいないかなぁと。
そこで思い出したのがこの本。
家のいつも目に留まる場所に置いてあって、
また読みたいまた読みたいとずっと思っていますが、
これで勢いがつくか?
一問一答形式の本で読みやすく内容も分かりやすい。
少しずつ読み進めるにもいい本です。
帯に書いてある項目を書き出します。
●クジラといるかはどこが違うのか?
●クジラはなぜジャンプする?
●ザトウクジラはなぜ歌を歌うのか?
●潮吹きは何を吹き上げているのか?
●クジラは潜水病にならないのか?
●イルカと会ったらどうすればよいか?
●クジラの祖先はどんな動物だった?
●イルカは人間の心を癒せるか?
興味をそそられる話ばかりですよね。
最後は購入して未読の本を3冊ほど。
★
日本列島100万年史 大地に刻まれた壮大な物語
山崎晴雄、久保純子
講談社ブルーバックス
昔からこういう本を待っていた。
書店の平台で見つけた瞬間そう思いました。
どうして日本列島は今のような状態なのか。
知りたいですよね。
まだ購入前にぱらぱらと中を見ただけですが、
期待が高まっています。
★
私の好きな曲
吉田秀和
ちくま文庫
吉田秀和さんが亡くなられてすぐに購入した未読のこの本。
はて、いつ亡くなられたんだっけと調べると、なんと2012年。
ええっ、5年も、ほんとうに齢をとると月日の経つのが早いこと。
最初2曲分の話だけ読みましたが、これは実際にその曲を
聴きながら読みたいと思いつついまだできず。
少し前に丸谷才一さんの本を読みましたが、そこでも
吉田秀和さんについて触れられていて、その時にも
またこの本を読むのを再開しようかと思ったのですが・・・
★
文庫手帳2018
安野光雅
ちくま文庫
未読というか・・・毎年購入しているこれ、買いました。
そして毎年のように来年はこれを活用しようと思うのですが、
2017は今のところ真っ白なままです・・・
ちくま文庫2冊紹介しましたが、はい、密かなファンなんです。
02

八雲の写真、虹についてもう1枚。
札幌発函館行き特急「北斗」。
雨の中流し撮り、そこそこいい感じで撮れましたが、
左端に橋の欄干の一部が入ってしまって残念。
今日はこの後晴れて虹が出ました。
さて、11月もなんとか4冊読んで記事を上げたいです。
あ、最後に忘れてた・・・
2日に犬たちを撮影して、写真を追加させていただきますね。
2017年09月30日
今月の読書2017年9月号
01

今月の読書2017年9月号
今月は多く読めたので(再読ありますが)、
先月に引き続き記事にまとめて上げることができました。
☆1冊目
実践 日本人の英語
マーク・ピーターゼン
岩波新書
再読ですがぜひまた紹介したいので取り上げました。
今回は「英語は論理的思考に基づく言語である」
という部分が重たく響いてきました。
日本人がよく使う"so"という単語、英語ネイティヴの人は
そう軽々しく使う単語ではないことと後に"that"節を取ることで
「論理的思考」に基づくきっちりとした文章になる、という。
そうなんだ。
と駄洒落を言いたくなるほど日本人には身近な単語にも
小さな落とし穴が潜んでいることが分かりました。
この本は傍らに置いてもっと気軽に目を通すようにしたいです。
というのも、今回、読んでいてあやまって黒マッキーの線を
書き込んでしまったのです・・・
でも、だから書き込みもする勢いで気軽に読もうと。
☆2冊目
ソクラテスの弁明 関西弁訳
プラトン(著)/北口裕康(訳)
PARCO出版
哲学書としてあまりにも有名な「ソクラテスの弁明」。
それを関西弁で翻訳したのが本書。
2009年出版当時結構話題になり売れたと記憶しており、
だから僕も買って家にあったのでしょうけれど未読のまま、
先日家の棚を整理していたら目についてすぐに読みました。
これが面白い。
これって落語? それとも哲学?
生きることの意味、善と悪、国家と法、死の捉え方・・・
賢人ソクラテスのメッセージが、
生きた言葉として、いま私たちに届きます。
でも、なんで関西弁!?
なんでと言われて気になる方もいらっしゃるでしょう。
ここはひとつ意地悪せず、訳者の北口さんの言葉から拾うと、
ソクラテスは難しいことを並べて信念を貫く
「めんどくさい人」であり、この本を書いた弟子のプラトンも
そんなソクラテスを理想化している面はあるだろうけれど、
実際はソクラテスも「俗人」であったに違いないというのが
北口さんの読み。
その「俗人っぽさ」を表現し伝えるには関西弁がいい、
とのことでこの発想につながったとのこと。
この本の関西弁は桂米朝師匠の大阪弁「船場ことば」
をイメージしたものということですが、関西弁には疎い僕は
残念ながら、そういうものなのか、と思うだけでした。
どんな文章か気になると思いますが、今回はサービス、
帯に記された本文の一部も引用します。
せやけど、その帰り道に思ったんです。
確かにあの人よりもわたしの方が知恵があるかもしれんと。
ちゅうのは、あの人もわたしも、お互いに善についても
美についても、ようわかってないと思うんやけど、
あの人は九割方わかってるっちゅうことでわかった気に
なってはる。
「ソクラテスの弁明」は何を隠そう僕も大学時代に
岩波文庫で読むだけ読んだ口ですが、確かに、
それに比べればはるかにとっつきやすかった。
(というか岩波文庫版はまるで覚えていない・・・)
でもそれが関西弁だからかなのかは、正直いまいち分からない。
僕は関西に住んだことがないので、生の言葉としての実感は、
こちらに来ている関西弁を話す人からしか分からない。
岩波文庫の文章が堅苦しかっただけで、関西弁ではなくても
砕けた文章で書かれていれば同じように感じたかもしれない。
と考えて、いや、やっぱり、砕けた感じには関西弁がいいのでは、
関西弁だからより多く伝わってきたのでは、と思い直しました。
それにしても、青年に悪影響を与えたということで裁判にかけられ、
多数決により死刑宣告を受け、それをを受け入れてしまう。
死ぬことが理想であるかのような考えにまで至ってしまう。
というのはやはり少なくとも凡人である僕には理解できない、
不条理すら感じてしまいますが、まあだからソクラテスは
2000年以上経った今でも尊敬されているのでしょうね。
いろいろ考えさせられる1冊、読んでよかったです。
☆3冊目
物情騒然。 -人生は五十一から ④-
小林信彦
文春文庫
久し振り小林信彦のエッセイですが、僕は、新刊以外の場合、
読む時はいつも仕事の休み時間や家にいるちょっとした時間に
ゆっくり読み進め最後1/3くらいは一気に読んでいます。
今回はここ4日で2/3を一気に読みました。
(読書の記事に合わせるためというのはもちろんあった正直)。
今回のは2001年の連載ですが、このシリーズはいつも、
その時僕はどうしていたかを思い出したり、その時世の中で
もてはやされていたことや事件に対してこんな見方もあったんだ、
などと自分に反映させながら読んでいます。
2001年はあの「同時多発テロ」があった年ですが、
そのこともやはり冷静に情勢を見て書いていたのが、
「人とは基本的に距離を置きたい」という小林さんらしいところ。
またこの頃は小泉元首相がまあ全盛期といえる頃でしたが、
当時の小林さんを知らない僕として意外なことにというか、
小林さんも最初は小泉首相を支持していたことが分かりました。
でも、自民党の守旧派を「ぶっ壊す」という小泉首相の姿勢は、
考えてみれば小林さんの考えとも一致するわけで。
が、読み進めていくうちに考えが揺らいでいくのは、
読んでいてリアルな感覚でした。
小泉首相は一時支持率が9割を超えていましたが、
そうなると全体主義的のようで恐くなってくるというのが、
戦争経験者の小林さんらしい感覚だなと。
今回印象的だったのは、喫煙に関する話題。
2001年当時は電車のホームでたばこを吸い電車が来ると
投げ捨てて乗る人がまだ結構いたらしく(少なくとも東京では)、
それから見れば今はまだだいぶ喫煙マナーが改善している、
まだだいぶ、というくらいですが、と思いました。
ただ、2001年の喫煙率は男性約52%女性約14%とありますが、
2017年を調べてみると男性約28%女性約9%と、当時の
6割ぐらいまで減っているので、そうはなるでしょうね。
数が減ったのでマナーが悪いとより目立つ、だから抑える、
ということもあるでしょうし。
もうひとつ。
小林信彦さんはエッセイなどにタイトルをつけるのが下手と
自認しているという話が面白かった。
小説は書き終ってから考えればいいから楽だけど、とりわけ
締め切りがあるエッセイなどは急かされたり先にタイトルを
決め(られ)たりすることがあるので困るという。
本書「物情騒然。」はエッセイをまとめて書籍化する際に
つけられたもので、後といえば後だけど、でも小説と違い、
内容に一本スジが通っているわけではないので、
考えるのにやはり苦労したのだろうと僕は思いました。
このシリーズには「出会いがしらのハッピーデイズ」というのも
ありましたが、それは実際に意味が分からないと
直接言われたことがあったのだとか。
そうですね、確かに僕も正直、この2つのタイトルは、
ひとひねりがある以上のちょっとした手強さを感じます。
コピーライターのものとは違う何か。
話はそこから太宰治に流れてゆきますが、太宰治こそ
「キャッチコピーの名手」だったという。
「富士山には、月見草がよく似合う。」
なんて文章はそのままキャッチコピーになっている。
太宰治が今でも読み継がれているのはなぜだろうと
漠然と思っていましたが、なるほど、そういう感覚、
とっつきやすさが今でも受け入れられているからなのだと。
太宰は生前は一部を除く作家達に馬鹿にされていましたが、
後世に残ったのは逆に太宰の方だったという皮肉。
僕もまた太宰治を何か読みたくなってきました。
映画やドラマの話が多いのはもちろんですが、
今回も僕が好きな事象に対して別の角度から見せて
読ませてくれたことに感謝です。
☆4冊目
日本人のための英文ライティング即効薬
内藤由美子
角川書店
店頭で本を探していた時ふとこれが目に留まり、
まさにこういう本が欲しかったと一瞬で決まった本。
読んでみると実際その通りで、英文ライティングに関して
知りたいことがほぼすべて簡潔にまとめられている、
非常に便利で使い勝手のいい本でした。
これも傍らに置いて頻繁にページをめくる1冊になりそうです。
続いて【guitarbirdの書架より】
☆
星の神話・伝説
野尻抱影
講談社学術文庫
最近凝り始めているのが、星座、星空。
先日A公園で「星空観察会」が行われました。
トラックの荷台に口径30cmほどの天体望遠鏡を備えた
「移動天文台」と天文指導員さんをお招きしてのもので、
惑星は土星しか見えなかったけれど、はくちょう座のアルビレオや、
ヘルクレス座のラス・アルゲティ(初めて聞いた名前)といった
二重星を見ることができました。
この本は大学生の頃に買ったもので、たまたま観察会の
数日前に書棚で見つけ懐かしくなって取り出しました。
ですが、読んだという確かな記憶はあるものの、
内容についてはほぼまったく覚えていない・・・
だから「書架」で紹介するのもどうかと思いましたが、まあ、
読んだらまたここでご報告させていただくということで。
著者の野尻抱影さんは1977年に亡くなられた方であり、
僕がこの本を買ったのも没後10年以上経った頃でしたが、
当時は星座に関する本の名著と言われていました。
今ページをぱらぱらとめくりました、読みたいです。
さて、読みかけの本などを。
☆
風のガーデン 貞三先生の花言葉365篇
倉本聰
エフジー武蔵
「風のガーデン鑑賞記」(記事こちら)でも触れた、
ドラマで出てきた「風のガーデン」の花言葉をまとめた本。
まだ半分くらいしか読んでいないので、
面白かった花言葉などは(多分)来月また紹介します。
☆
たったひとりの反乱
丸谷才一
講談社文芸文庫
この本は先日、北海道新聞の「親と子のサンデー・ほん」
というコーナーで中学生向きとして紹介されていました。
丸谷さんの本が取り上げられるなんて嬉しくて、その新聞記事を
切り抜いてこの本と一緒に取っておくことにしました。
が、ですね、僕はまだ読んでいないので読まなければ、読みたい。
でも長いんですよね・・・
なんてこと言うと中学生に笑われそうですね。
どんな内容か、裏表紙のあらすじを書き出します。
出向を拒否して通産省をとび出し民間会社に就職した
馬淵英介は若いモデルと再婚する。殺人の刑期を終えた
妻の祖母が同居し始めたことから、新家庭はとめどなく
奇妙な方向へ傾き、ついに周囲の登場人物がそれぞれ
勝手な「反乱」を企てるに到る。=現代的な都会の
風俗を背景に、市民社会と個人の関係を知的ユーモア
たっぷりに描いた現代の名作。谷崎潤一郎賞受賞。
読みたいです、ほんとうに。
02

いかがでしたか。
A公園で星空写真を試しに撮ってみましたが、やはりというか、
地上が明るすぎて星空は上手く撮れなかった。
地上というか、公園内の外灯ですが、でも、写真をしていえば
これはこれで面白いかもと思い敢えてここで取り上げました。
ちなみに、写っている藻岩山頂上の明かりの右横にある星が、
「みなみのうお座」の一等星「フォーマルハウト」という星。
結構目立つのですが、実は知らなくて、、、ごめんなさい。
覚えました、見やすい位置にあるし、「フォーマルハウト」でした。
さて、来月は記事にできるほど読めるかな。
再読も含め、なんとか読みたいです。

今月の読書2017年9月号
今月は多く読めたので(再読ありますが)、
先月に引き続き記事にまとめて上げることができました。
☆1冊目
実践 日本人の英語
マーク・ピーターゼン
岩波新書
再読ですがぜひまた紹介したいので取り上げました。
今回は「英語は論理的思考に基づく言語である」
という部分が重たく響いてきました。
日本人がよく使う"so"という単語、英語ネイティヴの人は
そう軽々しく使う単語ではないことと後に"that"節を取ることで
「論理的思考」に基づくきっちりとした文章になる、という。
そうなんだ。
と駄洒落を言いたくなるほど日本人には身近な単語にも
小さな落とし穴が潜んでいることが分かりました。
この本は傍らに置いてもっと気軽に目を通すようにしたいです。
というのも、今回、読んでいてあやまって黒マッキーの線を
書き込んでしまったのです・・・
でも、だから書き込みもする勢いで気軽に読もうと。
☆2冊目
ソクラテスの弁明 関西弁訳
プラトン(著)/北口裕康(訳)
PARCO出版
哲学書としてあまりにも有名な「ソクラテスの弁明」。
それを関西弁で翻訳したのが本書。
2009年出版当時結構話題になり売れたと記憶しており、
だから僕も買って家にあったのでしょうけれど未読のまま、
先日家の棚を整理していたら目についてすぐに読みました。
これが面白い。
これって落語? それとも哲学?
生きることの意味、善と悪、国家と法、死の捉え方・・・
賢人ソクラテスのメッセージが、
生きた言葉として、いま私たちに届きます。
でも、なんで関西弁!?
なんでと言われて気になる方もいらっしゃるでしょう。
ここはひとつ意地悪せず、訳者の北口さんの言葉から拾うと、
ソクラテスは難しいことを並べて信念を貫く
「めんどくさい人」であり、この本を書いた弟子のプラトンも
そんなソクラテスを理想化している面はあるだろうけれど、
実際はソクラテスも「俗人」であったに違いないというのが
北口さんの読み。
その「俗人っぽさ」を表現し伝えるには関西弁がいい、
とのことでこの発想につながったとのこと。
この本の関西弁は桂米朝師匠の大阪弁「船場ことば」
をイメージしたものということですが、関西弁には疎い僕は
残念ながら、そういうものなのか、と思うだけでした。
どんな文章か気になると思いますが、今回はサービス、
帯に記された本文の一部も引用します。
せやけど、その帰り道に思ったんです。
確かにあの人よりもわたしの方が知恵があるかもしれんと。
ちゅうのは、あの人もわたしも、お互いに善についても
美についても、ようわかってないと思うんやけど、
あの人は九割方わかってるっちゅうことでわかった気に
なってはる。
「ソクラテスの弁明」は何を隠そう僕も大学時代に
岩波文庫で読むだけ読んだ口ですが、確かに、
それに比べればはるかにとっつきやすかった。
(というか岩波文庫版はまるで覚えていない・・・)
でもそれが関西弁だからかなのかは、正直いまいち分からない。
僕は関西に住んだことがないので、生の言葉としての実感は、
こちらに来ている関西弁を話す人からしか分からない。
岩波文庫の文章が堅苦しかっただけで、関西弁ではなくても
砕けた文章で書かれていれば同じように感じたかもしれない。
と考えて、いや、やっぱり、砕けた感じには関西弁がいいのでは、
関西弁だからより多く伝わってきたのでは、と思い直しました。
それにしても、青年に悪影響を与えたということで裁判にかけられ、
多数決により死刑宣告を受け、それをを受け入れてしまう。
死ぬことが理想であるかのような考えにまで至ってしまう。
というのはやはり少なくとも凡人である僕には理解できない、
不条理すら感じてしまいますが、まあだからソクラテスは
2000年以上経った今でも尊敬されているのでしょうね。
いろいろ考えさせられる1冊、読んでよかったです。
☆3冊目
物情騒然。 -人生は五十一から ④-
小林信彦
文春文庫
久し振り小林信彦のエッセイですが、僕は、新刊以外の場合、
読む時はいつも仕事の休み時間や家にいるちょっとした時間に
ゆっくり読み進め最後1/3くらいは一気に読んでいます。
今回はここ4日で2/3を一気に読みました。
(読書の記事に合わせるためというのはもちろんあった正直)。
今回のは2001年の連載ですが、このシリーズはいつも、
その時僕はどうしていたかを思い出したり、その時世の中で
もてはやされていたことや事件に対してこんな見方もあったんだ、
などと自分に反映させながら読んでいます。
2001年はあの「同時多発テロ」があった年ですが、
そのこともやはり冷静に情勢を見て書いていたのが、
「人とは基本的に距離を置きたい」という小林さんらしいところ。
またこの頃は小泉元首相がまあ全盛期といえる頃でしたが、
当時の小林さんを知らない僕として意外なことにというか、
小林さんも最初は小泉首相を支持していたことが分かりました。
でも、自民党の守旧派を「ぶっ壊す」という小泉首相の姿勢は、
考えてみれば小林さんの考えとも一致するわけで。
が、読み進めていくうちに考えが揺らいでいくのは、
読んでいてリアルな感覚でした。
小泉首相は一時支持率が9割を超えていましたが、
そうなると全体主義的のようで恐くなってくるというのが、
戦争経験者の小林さんらしい感覚だなと。
今回印象的だったのは、喫煙に関する話題。
2001年当時は電車のホームでたばこを吸い電車が来ると
投げ捨てて乗る人がまだ結構いたらしく(少なくとも東京では)、
それから見れば今はまだだいぶ喫煙マナーが改善している、
まだだいぶ、というくらいですが、と思いました。
ただ、2001年の喫煙率は男性約52%女性約14%とありますが、
2017年を調べてみると男性約28%女性約9%と、当時の
6割ぐらいまで減っているので、そうはなるでしょうね。
数が減ったのでマナーが悪いとより目立つ、だから抑える、
ということもあるでしょうし。
もうひとつ。
小林信彦さんはエッセイなどにタイトルをつけるのが下手と
自認しているという話が面白かった。
小説は書き終ってから考えればいいから楽だけど、とりわけ
締め切りがあるエッセイなどは急かされたり先にタイトルを
決め(られ)たりすることがあるので困るという。
本書「物情騒然。」はエッセイをまとめて書籍化する際に
つけられたもので、後といえば後だけど、でも小説と違い、
内容に一本スジが通っているわけではないので、
考えるのにやはり苦労したのだろうと僕は思いました。
このシリーズには「出会いがしらのハッピーデイズ」というのも
ありましたが、それは実際に意味が分からないと
直接言われたことがあったのだとか。
そうですね、確かに僕も正直、この2つのタイトルは、
ひとひねりがある以上のちょっとした手強さを感じます。
コピーライターのものとは違う何か。
話はそこから太宰治に流れてゆきますが、太宰治こそ
「キャッチコピーの名手」だったという。
「富士山には、月見草がよく似合う。」
なんて文章はそのままキャッチコピーになっている。
太宰治が今でも読み継がれているのはなぜだろうと
漠然と思っていましたが、なるほど、そういう感覚、
とっつきやすさが今でも受け入れられているからなのだと。
太宰は生前は一部を除く作家達に馬鹿にされていましたが、
後世に残ったのは逆に太宰の方だったという皮肉。
僕もまた太宰治を何か読みたくなってきました。
映画やドラマの話が多いのはもちろんですが、
今回も僕が好きな事象に対して別の角度から見せて
読ませてくれたことに感謝です。
☆4冊目
日本人のための英文ライティング即効薬
内藤由美子
角川書店
店頭で本を探していた時ふとこれが目に留まり、
まさにこういう本が欲しかったと一瞬で決まった本。
読んでみると実際その通りで、英文ライティングに関して
知りたいことがほぼすべて簡潔にまとめられている、
非常に便利で使い勝手のいい本でした。
これも傍らに置いて頻繁にページをめくる1冊になりそうです。
続いて【guitarbirdの書架より】
☆
星の神話・伝説
野尻抱影
講談社学術文庫
最近凝り始めているのが、星座、星空。
先日A公園で「星空観察会」が行われました。
トラックの荷台に口径30cmほどの天体望遠鏡を備えた
「移動天文台」と天文指導員さんをお招きしてのもので、
惑星は土星しか見えなかったけれど、はくちょう座のアルビレオや、
ヘルクレス座のラス・アルゲティ(初めて聞いた名前)といった
二重星を見ることができました。
この本は大学生の頃に買ったもので、たまたま観察会の
数日前に書棚で見つけ懐かしくなって取り出しました。
ですが、読んだという確かな記憶はあるものの、
内容についてはほぼまったく覚えていない・・・
だから「書架」で紹介するのもどうかと思いましたが、まあ、
読んだらまたここでご報告させていただくということで。
著者の野尻抱影さんは1977年に亡くなられた方であり、
僕がこの本を買ったのも没後10年以上経った頃でしたが、
当時は星座に関する本の名著と言われていました。
今ページをぱらぱらとめくりました、読みたいです。
さて、読みかけの本などを。
☆
風のガーデン 貞三先生の花言葉365篇
倉本聰
エフジー武蔵
「風のガーデン鑑賞記」(記事こちら)でも触れた、
ドラマで出てきた「風のガーデン」の花言葉をまとめた本。
まだ半分くらいしか読んでいないので、
面白かった花言葉などは(多分)来月また紹介します。
☆
たったひとりの反乱
丸谷才一
講談社文芸文庫
この本は先日、北海道新聞の「親と子のサンデー・ほん」
というコーナーで中学生向きとして紹介されていました。
丸谷さんの本が取り上げられるなんて嬉しくて、その新聞記事を
切り抜いてこの本と一緒に取っておくことにしました。
が、ですね、僕はまだ読んでいないので読まなければ、読みたい。
でも長いんですよね・・・
なんてこと言うと中学生に笑われそうですね。
どんな内容か、裏表紙のあらすじを書き出します。
出向を拒否して通産省をとび出し民間会社に就職した
馬淵英介は若いモデルと再婚する。殺人の刑期を終えた
妻の祖母が同居し始めたことから、新家庭はとめどなく
奇妙な方向へ傾き、ついに周囲の登場人物がそれぞれ
勝手な「反乱」を企てるに到る。=現代的な都会の
風俗を背景に、市民社会と個人の関係を知的ユーモア
たっぷりに描いた現代の名作。谷崎潤一郎賞受賞。
読みたいです、ほんとうに。
02

いかがでしたか。
A公園で星空写真を試しに撮ってみましたが、やはりというか、
地上が明るすぎて星空は上手く撮れなかった。
地上というか、公園内の外灯ですが、でも、写真をしていえば
これはこれで面白いかもと思い敢えてここで取り上げました。
ちなみに、写っている藻岩山頂上の明かりの右横にある星が、
「みなみのうお座」の一等星「フォーマルハウト」という星。
結構目立つのですが、実は知らなくて、、、ごめんなさい。
覚えました、見やすい位置にあるし、「フォーマルハウト」でした。
さて、来月は記事にできるほど読めるかな。
再読も含め、なんとか読みたいです。
2017年08月25日
今月の読書2017年8月号
01

今月の読書2017年8月号
「今月の」といいながら3カ月振り。
☆1冊目
すごい進化 ~一見すると不合理の謎を解く
鈴木紀之
中公新書
生物の進化の話が好きです。
最近ご無沙汰でしたが、久しぶりに読みました。
手軽な新書ということもありましたが、読み応え十分。
本書は、例えばてんとう虫、ナミテントウとよく似た近縁種の
クリサキテントウの生活戦略の違いから始まり、主に昆虫が
どのように適応し制約を受けながら進化したかを綴っていますが、
事例を羅列していくのではなく、幾つかに絞って理論を
解説しています。
だからフィールドガイドではなく思考で遊ぶ本といえるでしょう。
その点で違和感を覚える人はいるかもしれない。
かくなる僕がそうでした。
この本は新刊平台で見つけた瞬間買うと決めたので
店頭でぱらぱらと見ることもなかったのですが、
どんな生き物の事例が出てくるのか楽しみに読み始めたところ、
事例よりも考え方に重きを置いていることが分かりました。
でも読み進めるうちに、考えることを楽しんでいる自分に気づきました。
これは著者の狙いだったようで、あとがきで説明されていました。
もっとも印象的だったのは、アブとハチの話。
アブはハエ目で毒はない、ハチはハチ目で毒がある。
アブは自らの保身のために危険なハチに動きや行動を似せている。
でも実は、アブとハチ、ぱっと見似ているけれど、
よく観察するとそれほど似ていない。
それでは意味がないのではと考えるかもしれないですが、
自分自身のことを考えてみると、意味があると分かる。
野外で「ぶぅーん」と羽音を鳴らして大きめの虫が近寄って来ると、
人は避けたり払ったり逃げたりする。
それがスズメバチなどハチであれば刺されると痛いから。
たまにとまられてしまうこともあるけれど、見るとそれはアブ、
かまれて痛いけれど刺したりするわけではない。
アブにとってみれば、近くで見られなくても全体のイメージと羽音で
ハチだと思われて外敵が避けてくれればそれで目的は達成、
ハチそっくりに似せるには何十何百世代とコストがかかるが、
それほどコストをかけなくても今で十分効果がある、というわけ。
この本では進化における「制約」をひとつのテーマとしていて、
その視点で見ると生き物もまた違って見えてくる。
そんなこともよく分かりました。
ちなみに、アブがハチに似すぎてしまうと、本物のハチの雄が
間違ってアブの雌に求愛してしまって無駄が生じる
というのも似すぎていない理由として考えられるというから、
やっぱり生物進化の話は考えれば考えるほど面白い。
自分で観察し写真を撮っていてもそんなことを考えることが
ありますが、その楽しさを再認識できる良書です。
ところで、この本は6月の早いうちに読了し文章を書きましたが、
まだ記事として上げていなかったことすら忘れていました・・・
☆2冊目
バロック音楽
皆川達夫
講談社学術文庫
正直に書くとこちらも6月中に読了していました。
しかし感想文は後回しにしてあったので、今(8/25)書きました。
というのもこれは書くことが決まっていたからです。
内容はその通りで、バロック音楽の流れを分かりやすく作曲家や
作品名を明記しながら説明するもの。
もうそれだけで価値十分。
印象的だったことがふたつ。
ひとつは、音楽は1600年から150年ごとに大きな流れが
訪れているという。
バロック音楽が始まったとされているのがちょうど西暦1600年、
バロック音楽の象徴にして集大成というべき人物「大バッハ」、
J.S.バッハが亡くなったのが1750年、その間ちょうど150年。
そこからハイドン、モーツアルト、ベートーヴェンの「古典派」、
さらにシューベルトやブラームスなどの「ロマン派」と、
いわゆる「クラシック」らしい音楽の盛衰が1900年までの
150年で起った、というもの、なるほど。
本文では明記されていなかったのでですが、次の150年に
含まれる現在は「ポピュラー音楽」の時代。
それが終わるのが2050年、あと33年。
その後また新しい音楽の流れが起るのでしょうかね、僕は
生きているかどうか分からないけれど、興味深いですね。
もうひとつ、「音楽における聴き手と演奏者の関係」。
曰く、バロック音楽は現在ではクラシック音楽として
ある程度の「しきたり」「縛り」「伝統」の中で演奏されますが、実は
バロック音楽というのは、演奏会において演奏者と客との間に起こる
「化学反応」、いわゆるアドリブで盛り上がったものだったということ。
だからバロック音楽の楽譜にはフリーのパートもあるのだそうで、
へえなるほど、とまず本文中で思いました。
そして最後、まとめの部分で皆川達夫さんは、音楽聴きにとって
きわめて重たい提言をしています。
曰く、今の日本のクラシック音楽は演奏者と聴き手との乖離が激しい。
分かりやすい例を挙げると、例えばロックでは今は「親父バンド」
などというようにアマチュアが普通に演奏して楽しむことができる
音楽として広まり定着していますよね。
ところが、クラシック音楽の場合、一般の人で集まって演奏する、
という話はあまり聴きません。
セミプロの人が街中のカフェなどで演奏会を行うことはありますが、
それだって例えば僕のようなずぶの素人ではなく、ある程度以上
音楽教育を受けた人がやるものだと思います。
皆川達夫さんは、そこから来る弊害として、クラシック音楽というのは
「かしこまって聴かなければいけないもの」という概念が
日本には広まっているということ。
恥ずかしながら、僕はまったくその通りに感じていました。
クラシック音楽を聴いて自分で演奏してみようとはあまり思わない。
クラシックは難しくて素人がやるものではない、やってはいけない、
とすら思っている節があります、認めます。
ただですね、でも僕は、少なくともCDで聴くにあたっては、
かしこまって聴いているつもりはありません。
「未完成」「新世界」などの印象的な旋律をハミングするし、
結構気軽に聴いています。
こういうのもおこがましいですが、皆川達夫さんとしては、
僕のような人間がもっとクラシック音楽を演奏するようになれば、
日本のクラシック音楽を取り巻く環境も良くなると考えている、かな。
いや実は、僕もクラシックを聴いて演奏してみたいと思うこと、
ありますよ、ベートーヴェンの「クロイツェル」のピアノとか
弾けるようになれたらなあと思ったことがあります(今でも)。
この本を読んでよりクラシックが気軽に楽しく聴けるようになった、
それがいちばんよかったところですね、はい。
☆3冊目
別れの挨拶
丸谷才一
集英社文庫
丸谷さん、集英社からの最後の文庫本。
「日本における書評という文芸ジャンルの確立」
丸谷さんが心血を注いでいた分野であり、実際のところ
丸谷さんのおかげで書評が広まった。
それまで僕が読んだ本では、そのことについて触れはするものの、
控えめに書いているに過ぎなかったのですが、この本では珍しく、
書評を確立させた人間としての自負と自信が文章や行間から
ひしひしと伝わってきました。
ただそれは、死後出版ということで丸谷さん本人の意志とは
少し離れたところにあって、後輩たちが丸谷さんの偉業に
もっと光を当ててほしいという思いで編集したのかもしれない。
まあでも文章自体は丸谷さんのものですからね、丸谷さん自身も
矜持を持って臨んでいたことは間違いない。
だから余計に、亡くなられたのは残念で悲しいですね。
この本ではクラシック音楽についてのエッセイが幾つか
まとめられているのが特徴です。
僕が特に嬉しかったのは「クヮルテットを聴かう」と題し、
弦楽四重奏に焦点を当てていること。
そうなんです、僕も弦楽四重奏曲には強い思い入れがあり、
エマーソン四重奏団のボックスセットを買ったくらい。
もっといえば室内楽曲が好きで、寝る前には必ず
室内楽曲のCDをかけているくらい。
寝る前に交響曲などオーケストラの曲を聴くと気持ちが
落ち着かない、というのもあるのですが。
中でも弦楽四重奏曲はスリリングさが魅力、でも、
少なくとも日本ではそれほど重きを置かれていないし、
(僕のように)大好きと公言する人も少なそう、というもので、
丸谷さんも僕と一緒だったんだって、もう嬉しくて嬉しくて。
ひと段落だけ引用します(引用者は改行などを施しています)。
この弦楽四重奏団、すなはちクヮルテットは、
クラシック音楽にとってじつに重要なものですよ。
クラシック音楽の一方の端にオペラといふ善美を盡した
贅沢で豪奢な形式があるとすれば、もう一方の端に、
その基本といふか、精髄といふか、要約といふか、
本質みたいなものとしてクヮルテットという形式がある。
この引用文、実は次につながっていることを、
その時はもちろん知る由もなかったのですが・・・
しかし今回は、うん、やはり、丸谷さんが亡くなられたことにより
未完のままだったエッセイを収録しているのが、
今更ながら丸谷さん亡くなられてしまったことを実感しました。
生前に一度お話したかったなあ。
つても何もないけれど、きっと丸谷さんも、僕とのお喋りを
それなりに楽しんでくれただろうという密かな自信があります。
他の出版社からはまだ新しい文庫本が出るかな。
出てほしい、寂しい。
丸谷さんはもちろん一度読んだ本をまた読み返したいです。
☆4冊目
小澤征爾さんと、音楽について話をする
小澤征爾・村上春樹
新潮文庫
丸谷さんの「別れの挨拶」でこの本の話が紹介されていたのを知り、
もう居ても立ってもいられなくなり即注文しました。
この本は少し前なら読了後すぐにひとつの独立した記事に
していたであろうくらい興味深く感銘を受けたのですが、
内容としては指揮者小澤征爾さんと作家村上春樹さんが行った
音楽についての対談を本としてまとめたもの。
内容紹介の代わりに、各章の見出しを書き出します。
第一回 ベートーヴェンのピアノ協奏曲第三番をめぐって
・インターリュード1 レコード・マニアについて
第二回 カーネギー・ホールのブラームス
・インターリュード2 文章と音楽との関係
第三回 一九六〇年代に起ったこと
・インターリュード3 ユージン・オーマンディのタクト
第四回 グスタフ・マーラーの音楽をめぐって
・インターリュード4 森進一からシカゴ・ブルーズまで
第五回 オペラは楽しい
・スイスの小さな町で
第六回 「決まった教え方があるわけじゃありません
その場その場で考えながらやっているんです」
ざっと触れると、第1回は村上春樹さんの家で実際に
彼が所有しているベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番の
第2楽章を中心に次々と聴いて感想を述べるもの。
これを読んでいる時に音楽を聴けない状況にあったのですが
帰宅してすぐに聴きたくなりました。
第3回はレコードを通してクラシックを聴くことが広まり
定着した1960年代の話で、もろ僕がしていることにも
直結することだからとても興味深く、背景が分かりました。
第4回、僕は実はマーラーが苦手ですが、村上春樹さんも
以前はあまり聴かなかったという。
あ、書き忘れましたが、小澤征爾さんはあのカラヤンの弟子
であり、レナード・バーンスタインの「副指揮者」として
陰で支えていたという人でありますが、そのバーンスタイン、
本文で小澤征爾さんは「レニー」と呼んでいましたが、
レニーがマーラーに力を注いだおかげで1960年代から
徐々にマーラーが広まり、今ではすっかり定着。
村上春樹さんも実感としてレコードを聴き始めた頃の
1960年代にはまだマーラーはあまり聴かれていなかったという。
うん、僕もマーラー、少しずつまた聴き直し始めようかな。
今回耳に痛かったのが、
インターリュード1 レコード・マニアについて。
小澤征爾さんはいわゆる「収集家」としてのレコード・マニアが
あまり好きではないとはっきりと書いていました。
もっと音楽を深く聴いてほしい、という。
それに対して村上春樹さんは、行間のニュアンスからですが、
なんとなく自分のことを言われているように感じている部分も
あると思いつつ、でも好きな曲は聴き込むと話していました。
僕もかつてはレコード(CD)の「マニア」だったので、
やはりというか耳が痛かった。
しかし一方、これまたおこがましいですが村上春樹さんと
同じく、好きな音楽は聴き込むたちだから、小澤征爾さんにも
半分は許してもらえるかな、と。
CDを買う枚数がめっきり減ったいまならなおのこと。
特に家ではクラシックばかり聴くようになったことだし。
そして弦楽四重奏曲。
「スイスの小さな町で」と題した章では、小澤征爾さんが毎年
スイスに若手の弦楽器演奏者を集めたアカデミーを主催していて、
そこに村上春樹さんが同行取材に行ったという興味深い話。
いみじくも小澤征爾さんも、弦楽四重奏曲は演奏の基本である
という解釈を披露していて、丸谷さんが指摘した通りだと。
さらにですが、実は小澤征爾さんがで桐朋女子高校音楽科で
学んでいた頃の英語の先生がなんと丸谷才一さんだったそうで、
こんなところでこの2人、連続した2冊がつながっていたとは!
もっとも、丸谷さんは、この本を読んだことで触発されて
弦楽四重奏曲の話を書いたのかもしれないですが、まあでも
こうしてつながるのは嬉しいですね。
小澤征爾さんは信念を決して曲げない人であり、
自分が行うことに対しては揺るぎない自信を持っていて、
かつ、まっすぐにものを言う人。
人懐っこい人であり、好かれる人には徹底的に好かれる反面、
敵も多く作ってしまいがちなひとかもしれないと思いました。
事実カラヤン、バーンスタインに気に入られていたのをはじめ、
あのカルロス・クライバーは友だちで、小澤征爾さんが
ウイーン歌劇場の音楽監督への就任が決まった時真っ先に
祝辞を送ってきたのがクライバーだったそうな。
曰く、クライバーはほんとうに変わった人だったらしい・・・(笑)。
この本はほんとうに興味深く、愛着が持てる1冊。
また読み返したいですね。
そしてあらためてこの本と出会うきっかけをいただいた
丸谷さんにも感謝です。
そしてそして、また村上春樹も何か読みたくなってきました。
今回は長いので【guitarbirdの書架より】はお休み。
すぐに「積ん読」候補、じゃない、購入してまだ読んでいない
本を2冊ほど紹介します。
☆
ヴァン・モリソン 魂の道のり
ジョニー・ローガン(著)/丸山京子(訳)
大栄出版
ヴァン・モリソンの伝記、1994年に出ていた翻訳本、
状態がいいものが古本で漸く見つかって購入できました。
帯付、封入物も揃いビニールカバーがかけられたまさに良品。
まだ著者による序章しか読んでいないのですが、やはりというか
ヴァン・モリソンとの付き合いは難しかったようで、
ある程度まで進んだところでいきなりダメ出しとか・・・
でも著者曰く、一風変わった伝記に仕上がったという。
少しずつ読んでいきます。
そうそう、ヴァン・モリソンは9月に新譜が出ますよ!
こちらは早いうちに記事を上げたいと思っています。
☆
天気の仕組み:雲のでき方からオーロラの正体まで
森田正光
共立出版
テレビなどでおなじみ気象予報士森田正光さんの本。
彼が出演する(パーソナリティは森本毅郎さん)ラジオ番組
「日本全国八時です」で自ら紹介していて、面白そうなので
注文しましたがまだ手元には届いていません。
次回のこの記事までに読了できればと思っています。
☆
増補版 いちばんわかりやすい俳句歳時記
辻桃子・安部元気
主夫の友社
僕が一昨年買って愛用(とまではいかないかも)している
辻桃子さんと安部元気さんの俳句歳時記ですが、
知らぬ間に増補版が出ていました。
と思って奥付を見ると、平成29年8月20日となっている、
奥付にはひと月後の日付を記す出版社も多いので、
つまり先月出たばかりだったんだ。
Amazonでたまたま知ったのですが、よかった気づいて。
今回はカバーが萌黄色できれい、心も華やぎますね。
さていきなり一句。
短冊にWorld Peaceと書くこの夜 樹翔
七夕に詠んだ句、厳密にいえば季語はないけれど。
そして英語交じり、邪道かもですが・・・(笑)。
◇
本自体は結構読んでいるのですが、必要な部分だけ読むことが多く、
1冊読了までたどり着いたのは3か月でこの4冊にとどまりました。
まあでも本は読んでいます、変わらず。
最後は3ショットをもう1枚。
02


今月の読書2017年8月号
「今月の」といいながら3カ月振り。
☆1冊目
すごい進化 ~一見すると不合理の謎を解く
鈴木紀之
中公新書
生物の進化の話が好きです。
最近ご無沙汰でしたが、久しぶりに読みました。
手軽な新書ということもありましたが、読み応え十分。
本書は、例えばてんとう虫、ナミテントウとよく似た近縁種の
クリサキテントウの生活戦略の違いから始まり、主に昆虫が
どのように適応し制約を受けながら進化したかを綴っていますが、
事例を羅列していくのではなく、幾つかに絞って理論を
解説しています。
だからフィールドガイドではなく思考で遊ぶ本といえるでしょう。
その点で違和感を覚える人はいるかもしれない。
かくなる僕がそうでした。
この本は新刊平台で見つけた瞬間買うと決めたので
店頭でぱらぱらと見ることもなかったのですが、
どんな生き物の事例が出てくるのか楽しみに読み始めたところ、
事例よりも考え方に重きを置いていることが分かりました。
でも読み進めるうちに、考えることを楽しんでいる自分に気づきました。
これは著者の狙いだったようで、あとがきで説明されていました。
もっとも印象的だったのは、アブとハチの話。
アブはハエ目で毒はない、ハチはハチ目で毒がある。
アブは自らの保身のために危険なハチに動きや行動を似せている。
でも実は、アブとハチ、ぱっと見似ているけれど、
よく観察するとそれほど似ていない。
それでは意味がないのではと考えるかもしれないですが、
自分自身のことを考えてみると、意味があると分かる。
野外で「ぶぅーん」と羽音を鳴らして大きめの虫が近寄って来ると、
人は避けたり払ったり逃げたりする。
それがスズメバチなどハチであれば刺されると痛いから。
たまにとまられてしまうこともあるけれど、見るとそれはアブ、
かまれて痛いけれど刺したりするわけではない。
アブにとってみれば、近くで見られなくても全体のイメージと羽音で
ハチだと思われて外敵が避けてくれればそれで目的は達成、
ハチそっくりに似せるには何十何百世代とコストがかかるが、
それほどコストをかけなくても今で十分効果がある、というわけ。
この本では進化における「制約」をひとつのテーマとしていて、
その視点で見ると生き物もまた違って見えてくる。
そんなこともよく分かりました。
ちなみに、アブがハチに似すぎてしまうと、本物のハチの雄が
間違ってアブの雌に求愛してしまって無駄が生じる
というのも似すぎていない理由として考えられるというから、
やっぱり生物進化の話は考えれば考えるほど面白い。
自分で観察し写真を撮っていてもそんなことを考えることが
ありますが、その楽しさを再認識できる良書です。
ところで、この本は6月の早いうちに読了し文章を書きましたが、
まだ記事として上げていなかったことすら忘れていました・・・
☆2冊目
バロック音楽
皆川達夫
講談社学術文庫
正直に書くとこちらも6月中に読了していました。
しかし感想文は後回しにしてあったので、今(8/25)書きました。
というのもこれは書くことが決まっていたからです。
内容はその通りで、バロック音楽の流れを分かりやすく作曲家や
作品名を明記しながら説明するもの。
もうそれだけで価値十分。
印象的だったことがふたつ。
ひとつは、音楽は1600年から150年ごとに大きな流れが
訪れているという。
バロック音楽が始まったとされているのがちょうど西暦1600年、
バロック音楽の象徴にして集大成というべき人物「大バッハ」、
J.S.バッハが亡くなったのが1750年、その間ちょうど150年。
そこからハイドン、モーツアルト、ベートーヴェンの「古典派」、
さらにシューベルトやブラームスなどの「ロマン派」と、
いわゆる「クラシック」らしい音楽の盛衰が1900年までの
150年で起った、というもの、なるほど。
本文では明記されていなかったのでですが、次の150年に
含まれる現在は「ポピュラー音楽」の時代。
それが終わるのが2050年、あと33年。
その後また新しい音楽の流れが起るのでしょうかね、僕は
生きているかどうか分からないけれど、興味深いですね。
もうひとつ、「音楽における聴き手と演奏者の関係」。
曰く、バロック音楽は現在ではクラシック音楽として
ある程度の「しきたり」「縛り」「伝統」の中で演奏されますが、実は
バロック音楽というのは、演奏会において演奏者と客との間に起こる
「化学反応」、いわゆるアドリブで盛り上がったものだったということ。
だからバロック音楽の楽譜にはフリーのパートもあるのだそうで、
へえなるほど、とまず本文中で思いました。
そして最後、まとめの部分で皆川達夫さんは、音楽聴きにとって
きわめて重たい提言をしています。
曰く、今の日本のクラシック音楽は演奏者と聴き手との乖離が激しい。
分かりやすい例を挙げると、例えばロックでは今は「親父バンド」
などというようにアマチュアが普通に演奏して楽しむことができる
音楽として広まり定着していますよね。
ところが、クラシック音楽の場合、一般の人で集まって演奏する、
という話はあまり聴きません。
セミプロの人が街中のカフェなどで演奏会を行うことはありますが、
それだって例えば僕のようなずぶの素人ではなく、ある程度以上
音楽教育を受けた人がやるものだと思います。
皆川達夫さんは、そこから来る弊害として、クラシック音楽というのは
「かしこまって聴かなければいけないもの」という概念が
日本には広まっているということ。
恥ずかしながら、僕はまったくその通りに感じていました。
クラシック音楽を聴いて自分で演奏してみようとはあまり思わない。
クラシックは難しくて素人がやるものではない、やってはいけない、
とすら思っている節があります、認めます。
ただですね、でも僕は、少なくともCDで聴くにあたっては、
かしこまって聴いているつもりはありません。
「未完成」「新世界」などの印象的な旋律をハミングするし、
結構気軽に聴いています。
こういうのもおこがましいですが、皆川達夫さんとしては、
僕のような人間がもっとクラシック音楽を演奏するようになれば、
日本のクラシック音楽を取り巻く環境も良くなると考えている、かな。
いや実は、僕もクラシックを聴いて演奏してみたいと思うこと、
ありますよ、ベートーヴェンの「クロイツェル」のピアノとか
弾けるようになれたらなあと思ったことがあります(今でも)。
この本を読んでよりクラシックが気軽に楽しく聴けるようになった、
それがいちばんよかったところですね、はい。
☆3冊目
別れの挨拶
丸谷才一
集英社文庫
丸谷さん、集英社からの最後の文庫本。
「日本における書評という文芸ジャンルの確立」
丸谷さんが心血を注いでいた分野であり、実際のところ
丸谷さんのおかげで書評が広まった。
それまで僕が読んだ本では、そのことについて触れはするものの、
控えめに書いているに過ぎなかったのですが、この本では珍しく、
書評を確立させた人間としての自負と自信が文章や行間から
ひしひしと伝わってきました。
ただそれは、死後出版ということで丸谷さん本人の意志とは
少し離れたところにあって、後輩たちが丸谷さんの偉業に
もっと光を当ててほしいという思いで編集したのかもしれない。
まあでも文章自体は丸谷さんのものですからね、丸谷さん自身も
矜持を持って臨んでいたことは間違いない。
だから余計に、亡くなられたのは残念で悲しいですね。
この本ではクラシック音楽についてのエッセイが幾つか
まとめられているのが特徴です。
僕が特に嬉しかったのは「クヮルテットを聴かう」と題し、
弦楽四重奏に焦点を当てていること。
そうなんです、僕も弦楽四重奏曲には強い思い入れがあり、
エマーソン四重奏団のボックスセットを買ったくらい。
もっといえば室内楽曲が好きで、寝る前には必ず
室内楽曲のCDをかけているくらい。
寝る前に交響曲などオーケストラの曲を聴くと気持ちが
落ち着かない、というのもあるのですが。
中でも弦楽四重奏曲はスリリングさが魅力、でも、
少なくとも日本ではそれほど重きを置かれていないし、
(僕のように)大好きと公言する人も少なそう、というもので、
丸谷さんも僕と一緒だったんだって、もう嬉しくて嬉しくて。
ひと段落だけ引用します(引用者は改行などを施しています)。
この弦楽四重奏団、すなはちクヮルテットは、
クラシック音楽にとってじつに重要なものですよ。
クラシック音楽の一方の端にオペラといふ善美を盡した
贅沢で豪奢な形式があるとすれば、もう一方の端に、
その基本といふか、精髄といふか、要約といふか、
本質みたいなものとしてクヮルテットという形式がある。
この引用文、実は次につながっていることを、
その時はもちろん知る由もなかったのですが・・・
しかし今回は、うん、やはり、丸谷さんが亡くなられたことにより
未完のままだったエッセイを収録しているのが、
今更ながら丸谷さん亡くなられてしまったことを実感しました。
生前に一度お話したかったなあ。
つても何もないけれど、きっと丸谷さんも、僕とのお喋りを
それなりに楽しんでくれただろうという密かな自信があります。
他の出版社からはまだ新しい文庫本が出るかな。
出てほしい、寂しい。
丸谷さんはもちろん一度読んだ本をまた読み返したいです。
☆4冊目
小澤征爾さんと、音楽について話をする
小澤征爾・村上春樹
新潮文庫
丸谷さんの「別れの挨拶」でこの本の話が紹介されていたのを知り、
もう居ても立ってもいられなくなり即注文しました。
この本は少し前なら読了後すぐにひとつの独立した記事に
していたであろうくらい興味深く感銘を受けたのですが、
内容としては指揮者小澤征爾さんと作家村上春樹さんが行った
音楽についての対談を本としてまとめたもの。
内容紹介の代わりに、各章の見出しを書き出します。
第一回 ベートーヴェンのピアノ協奏曲第三番をめぐって
・インターリュード1 レコード・マニアについて
第二回 カーネギー・ホールのブラームス
・インターリュード2 文章と音楽との関係
第三回 一九六〇年代に起ったこと
・インターリュード3 ユージン・オーマンディのタクト
第四回 グスタフ・マーラーの音楽をめぐって
・インターリュード4 森進一からシカゴ・ブルーズまで
第五回 オペラは楽しい
・スイスの小さな町で
第六回 「決まった教え方があるわけじゃありません
その場その場で考えながらやっているんです」
ざっと触れると、第1回は村上春樹さんの家で実際に
彼が所有しているベートーヴェンのピアノ協奏曲第3番の
第2楽章を中心に次々と聴いて感想を述べるもの。
これを読んでいる時に音楽を聴けない状況にあったのですが
帰宅してすぐに聴きたくなりました。
第3回はレコードを通してクラシックを聴くことが広まり
定着した1960年代の話で、もろ僕がしていることにも
直結することだからとても興味深く、背景が分かりました。
第4回、僕は実はマーラーが苦手ですが、村上春樹さんも
以前はあまり聴かなかったという。
あ、書き忘れましたが、小澤征爾さんはあのカラヤンの弟子
であり、レナード・バーンスタインの「副指揮者」として
陰で支えていたという人でありますが、そのバーンスタイン、
本文で小澤征爾さんは「レニー」と呼んでいましたが、
レニーがマーラーに力を注いだおかげで1960年代から
徐々にマーラーが広まり、今ではすっかり定着。
村上春樹さんも実感としてレコードを聴き始めた頃の
1960年代にはまだマーラーはあまり聴かれていなかったという。
うん、僕もマーラー、少しずつまた聴き直し始めようかな。
今回耳に痛かったのが、
インターリュード1 レコード・マニアについて。
小澤征爾さんはいわゆる「収集家」としてのレコード・マニアが
あまり好きではないとはっきりと書いていました。
もっと音楽を深く聴いてほしい、という。
それに対して村上春樹さんは、行間のニュアンスからですが、
なんとなく自分のことを言われているように感じている部分も
あると思いつつ、でも好きな曲は聴き込むと話していました。
僕もかつてはレコード(CD)の「マニア」だったので、
やはりというか耳が痛かった。
しかし一方、これまたおこがましいですが村上春樹さんと
同じく、好きな音楽は聴き込むたちだから、小澤征爾さんにも
半分は許してもらえるかな、と。
CDを買う枚数がめっきり減ったいまならなおのこと。
特に家ではクラシックばかり聴くようになったことだし。
そして弦楽四重奏曲。
「スイスの小さな町で」と題した章では、小澤征爾さんが毎年
スイスに若手の弦楽器演奏者を集めたアカデミーを主催していて、
そこに村上春樹さんが同行取材に行ったという興味深い話。
いみじくも小澤征爾さんも、弦楽四重奏曲は演奏の基本である
という解釈を披露していて、丸谷さんが指摘した通りだと。
さらにですが、実は小澤征爾さんがで桐朋女子高校音楽科で
学んでいた頃の英語の先生がなんと丸谷才一さんだったそうで、
こんなところでこの2人、連続した2冊がつながっていたとは!
もっとも、丸谷さんは、この本を読んだことで触発されて
弦楽四重奏曲の話を書いたのかもしれないですが、まあでも
こうしてつながるのは嬉しいですね。
小澤征爾さんは信念を決して曲げない人であり、
自分が行うことに対しては揺るぎない自信を持っていて、
かつ、まっすぐにものを言う人。
人懐っこい人であり、好かれる人には徹底的に好かれる反面、
敵も多く作ってしまいがちなひとかもしれないと思いました。
事実カラヤン、バーンスタインに気に入られていたのをはじめ、
あのカルロス・クライバーは友だちで、小澤征爾さんが
ウイーン歌劇場の音楽監督への就任が決まった時真っ先に
祝辞を送ってきたのがクライバーだったそうな。
曰く、クライバーはほんとうに変わった人だったらしい・・・(笑)。
この本はほんとうに興味深く、愛着が持てる1冊。
また読み返したいですね。
そしてあらためてこの本と出会うきっかけをいただいた
丸谷さんにも感謝です。
そしてそして、また村上春樹も何か読みたくなってきました。
今回は長いので【guitarbirdの書架より】はお休み。
すぐに「積ん読」候補、じゃない、購入してまだ読んでいない
本を2冊ほど紹介します。
☆
ヴァン・モリソン 魂の道のり
ジョニー・ローガン(著)/丸山京子(訳)
大栄出版
ヴァン・モリソンの伝記、1994年に出ていた翻訳本、
状態がいいものが古本で漸く見つかって購入できました。
帯付、封入物も揃いビニールカバーがかけられたまさに良品。
まだ著者による序章しか読んでいないのですが、やはりというか
ヴァン・モリソンとの付き合いは難しかったようで、
ある程度まで進んだところでいきなりダメ出しとか・・・
でも著者曰く、一風変わった伝記に仕上がったという。
少しずつ読んでいきます。
そうそう、ヴァン・モリソンは9月に新譜が出ますよ!
こちらは早いうちに記事を上げたいと思っています。
☆
天気の仕組み:雲のでき方からオーロラの正体まで
森田正光
共立出版
テレビなどでおなじみ気象予報士森田正光さんの本。
彼が出演する(パーソナリティは森本毅郎さん)ラジオ番組
「日本全国八時です」で自ら紹介していて、面白そうなので
注文しましたがまだ手元には届いていません。
次回のこの記事までに読了できればと思っています。
☆
増補版 いちばんわかりやすい俳句歳時記
辻桃子・安部元気
主夫の友社
僕が一昨年買って愛用(とまではいかないかも)している
辻桃子さんと安部元気さんの俳句歳時記ですが、
知らぬ間に増補版が出ていました。
と思って奥付を見ると、平成29年8月20日となっている、
奥付にはひと月後の日付を記す出版社も多いので、
つまり先月出たばかりだったんだ。
Amazonでたまたま知ったのですが、よかった気づいて。
今回はカバーが萌黄色できれい、心も華やぎますね。
さていきなり一句。
短冊にWorld Peaceと書くこの夜 樹翔
七夕に詠んだ句、厳密にいえば季語はないけれど。
そして英語交じり、邪道かもですが・・・(笑)。
◇
本自体は結構読んでいるのですが、必要な部分だけ読むことが多く、
1冊読了までたどり着いたのは3か月でこの4冊にとどまりました。
まあでも本は読んでいます、変わらず。
最後は3ショットをもう1枚。
02

2017年05月29日
今月の読書2017年5月号
01

今月の読書2017年5月号
先月は2冊しか読了できず、記事を上げませんでした。
断りがなかったですが、申し訳ないです。
今月は4冊、先月からの分を含めてですが、
まあ結局は月2冊しか読了できなかったわけで・・・
能書きはともかくもう進みます。
☆1冊目
実践 日本人の英語
マーク・ピーターゼン
岩波新書
この本を途中まで読んだところで、派生する話題として
「洋楽におけるマイフレンド問題」という記事(こちら)を上げました。
この本では、分かっているようで意識と無意識の間にあった
英語の常識を確認することができました。
正直、読んでいて「へえそうだったんだ」というよりは、
「なんとなくそう思っていた」ということがほとんどでしたが、
でもやはり本を読むことの利点は、なんとなく思っていたことを
文字として読んで理解し頭に固着させることだと
あらためて思いました。
もちろん、へえそうだったんだという事例もあって、例えば
"Staff Only"という日本でもよく使われる表現。
これ、厳密に文法的にいえば間違いだだそうで、
"only"という単語は必ずそれが修飾する言葉の前につくのが鉄則、
だから"Only Staff"となる、はず。
でもじゃあなぜ大丈夫なのかといえば、レトリックとして
認められているということなのだそうです。
まあこの場合単語2つしかないので、意味を取り違うことは
ほとんど想定できないので問題ないのでしょうね。
あと、洋楽歌詞好き人間として言わせてもらえば、
"Staff Only"の方が語呂がいいですよね(笑)。
ついでにいえば"only"の発音は「オンリー」では通じない
無理矢理カタカナで書くと「おぅんりぃ」になる。
この本は日本語を英文に訳す勉強をしている大学生の授業を基に
書かれたものですが、この日本語英訳についても考えさせられた。
そう、「日本語を英語に訳す」のではなく、
「日本語で考えたことを英語で考え直してから文章にする」
という感覚で臨むとすんなりと英文が書けるようですね。
そこもなるほどと思いましたが、この本を読んでから、
何かを見るとそうする癖がだんだんとついてきました。
ただ、今の僕はその速度があまりにも遅くて鈍い。
だから使い物にならないでしょうね、現時点では(笑)。
ともかく、英語に興味がある人は必読本といえそうです。
と書いてしめようと思いましたが最後にもうひとつ。
この本、マーク・ピーターゼンさんは日本語で考えて書いている
らしいのですが、とてもそうは思えない。
下手な日本人よりよほどうまい、というか、この人より
日本語の文章が下手な日本人の方が多いのではないか、と。
この本はマーク・ピーターゼンさんが、日本に四半世紀以上住んで、
日本語のスキルがどれだけ上達したかを逆に読者に問いたい、
という思いもあったようで、すごい人だと思いました。
☆2冊目
TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ
(TOEIC TEST 特急シリーズ)
TEX加藤
朝日新聞出版社
最近英語頭になったようで、続けてTOEICの問題集も読みました。
というか問題集だから、やりました、が正しいかな、今2回目。
さて、しかしやっぱりどうしても洋楽のことを考えてしまう(笑)。
さすがにTOEIC試験になると、歌詞に出てこない単語が多い。
もちろん歌詞のすべて知っているわけでは当然ないけれど、
歌詞はやはり日常的な生活感のある言葉が選ばれていて、
堅苦しい表現は英語ネイティヴの人も避けているのでしょうね。
(スティングみたいにあえて使いたがる人もいますが・・・)
でも幸か不幸か、単語そのものをまったく知らなかったという
単語は両手では収まらないくらいで、救われた気分になりました。
また、日本語に採り入れられていたり或いは日本で日常的に
カタカナ語として使われている単語も多かったですね。
中には和製英語的な「リニューアル」というものもあるけれど、
これはそもそも別の意味で使われていて、日本で外来語として
使われる意味の「リニューアル」とは少し違うのだそうで。
はては日本語では別の英語に置き換えられた外来語も
あったりして、言葉ってつくづく面白いと思いました。
そんなことを思うのも、問題集だけど、本の楽しさですね。
さて、3回読んだら全部覚えられるかな、挑戦しよう。
☆3冊目
鳥ってすごい!
樋口広芳
ヤマケイ新書
積読だったものが、やはり夏鳥が来たこの時期読みたくなりました。
樋口広芳さんの本は、結構難しいことを言っていると思うけれど、
難しいことを平易に説明しようというよりは、難しいことを
それなりに難しいまま伝えようとしているように感じました。
もちろん言葉遣いは(学者や役人とは違って)堅苦しくはないですが、
だから僕も何度も読み返すくだりがあったりしまして、でも、
それもまた読書の楽しみだと思いました。
樋口さんは、僕が中学で鳥に本格的に興味を持ち始めた頃、
既に鳥の本を多数書いたりテレビに出る人として有名だったので、
そこは無理に今風にしていないのが、僕は頼もしかったです。
中身は、鳥の体のつくりからはじまり、鳥の飛翔能力、
そして繁栄戦略など生態の基本を詳しく解説するもの。
僕がいちばん勉強になったのはカッコウ科の鳥たちの「托卵」。
例えば、カッコウ科の鳥たちは体の大きさ(ハトくらい)の割に
卵が小さいのは、他の鳥の巣の状況をうかがいながら自身の卵を
そこに産み落とすタイミングを見計らって行動しなければならない、
つまり自分のペースで産卵することができないので、すぐに対応
できるように卵が小さくなっているのだという。
もちろん托卵相手の卵より異様に大きいと気づかれて排除され
やすくなることもあるでしょうけれど、うまくできているものだと。
などなど、鳥の雑学は観察会でも話したりするので、これからも
まだまだ貪欲に取り入れてゆきたいと思っています。
今はそういう本が増えましたからね。
あ、でも、かといって買い過ぎも注意ですが(笑)。
☆4冊目
石田波郷集 ~朝日文庫 現代の俳句
石田波郷
朝日文庫
最後は俳句の本、絶版になったものをネット中古で購入。
とにかく俳句をたくさん読まなきゃ、今はそういう時期、というか
それをあまりしてこなかった反省から、買うだけ買って
積読ではなく棚の肥やしになっていたこれを引っ張り出しました。
石田波郷について、僕自身の勉強の意味も込め、
ウィキペディアより引用します。
なお、引用者は適宜表記変更などを施しています。
石田 波郷(いしだ はきょう
1913年(大正2年)3月18日 - 1969年(昭和44年)11月21日)
愛媛県出身の俳人。本名は哲大(てつお)。
水原秋桜子に師事、「馬酔木」に拠ったのち、「鶴」を創刊・主宰。
初期の青春性のあふれる叙情句からはじまり、
自己の生活を見つめる、人間性に深く根ざした作風を追求、
加藤楸邨、中村草田男らとともに人間探求派と呼ばれた。
昭和戦前に流行した新興俳句運動を批判し、
韻文精神の尊重を説き切れ字を重視。
戦中には結核を発病し、戦後は病と対峙する自身の生活を
題材とする境涯俳句を詠み続けた。
読むと、病気療養中の俳句はさすがに重たかったし、
いかにも日本文学的(=私小説的)だと思いましたが、
でも一方で事実の重みを大切にする人だと感じました。
感想はここまでにして、気に入った句を幾つか紹介します。
霜林俳句は切字響きけり
木葉木莵(このはずく)梧堂先生眠りけり
ジャズの音をふみ急ぎたる初時雨
夾竹桃戦後の病みな長し
風くれば檜原したたり山椒喰い
鷹の巣のひとり高志や芽立ち前
鳥に関する句が3句ありますが、梧堂先生とは、
日本野鳥の会の礎を築いた中西梧堂さんのことで、
石田波郷も師匠である水原秋櫻子とともに、中西梧堂主催の
日本で最初の探鳥会に参加したとのこと。
他1句めは俳句の魅力を俳句で説くユーモアがいい。
ジャズはまだ新鮮な魅力として世に広まった頃だったのでしょうね。
石田波郷は大好きな俳人になりました。
また他の人の句集も読みます。
続いて【guitarbirdの書架より】
☆
鳥の巣の絵本
鈴木まもる
岩崎書店
やはり5月は鳥に忙しい時期。
エナガの巣は木の股に土や苔や蜘蛛の巣の糸などで
かためたドーム状のものであると聞き、持っていた
この本で確かめるのに出したところ、結局また読了。
先日記事にした「優しいホオジロ」(こちら)で書いた、
ホオジロは雌のみが巣造りをして雄は周りで囀りするだけ、
というのもこの本で(再度)読んでいたものですが、
それを実際に自分の目で確かめられたのは収穫でした。
やはり絵本は勉強になりますね。
秋には笹薮の中に入っていろいろな鳥音巣を探してみるつもりで、
その際にまたじっくりと読むというか見ることになるでしょう。
☆
海野和男の昆虫撮影テクニック 増補改訂版
海野和男
誠文堂新光社
今年も本格的な昆虫撮影の季節が来ました。
となるとこれをまた引っ張り出す。
しかし、僕が買って読んだのは増補改訂になる前の版。
新版を書店でぱらぱらと見たところ、大きな違いはなさそうだけど、
でもやっぱり欲しくなる。
いや、我慢しよう・・・今年も葛藤が始まりました(笑)。
そして最後は積読候補(!?)
☆
ヴェルディ オペラ変革者の素顔と作品
加藤浩子
平凡社新書
ヴェルディは好きですが、最近はオペラは聴いていない。
(今は家ではほとんど言葉がない音楽を聴いているので)。
でもまたいつか聴く時が来るだろうしそうなるとヴェルディのことを
知りたくなるだろうと、これをネットで見つけて買っておきました。
さて、それはいつのことになるかな。
もうあと50ページで読了する新書があるのですが、
それは今回取り上げないで、来月に話します。
来月はそれも含めてまた月5冊は読みたいです。
02


今月の読書2017年5月号
先月は2冊しか読了できず、記事を上げませんでした。
断りがなかったですが、申し訳ないです。
今月は4冊、先月からの分を含めてですが、
まあ結局は月2冊しか読了できなかったわけで・・・
能書きはともかくもう進みます。
☆1冊目
実践 日本人の英語
マーク・ピーターゼン
岩波新書
この本を途中まで読んだところで、派生する話題として
「洋楽におけるマイフレンド問題」という記事(こちら)を上げました。
この本では、分かっているようで意識と無意識の間にあった
英語の常識を確認することができました。
正直、読んでいて「へえそうだったんだ」というよりは、
「なんとなくそう思っていた」ということがほとんどでしたが、
でもやはり本を読むことの利点は、なんとなく思っていたことを
文字として読んで理解し頭に固着させることだと
あらためて思いました。
もちろん、へえそうだったんだという事例もあって、例えば
"Staff Only"という日本でもよく使われる表現。
これ、厳密に文法的にいえば間違いだだそうで、
"only"という単語は必ずそれが修飾する言葉の前につくのが鉄則、
だから"Only Staff"となる、はず。
でもじゃあなぜ大丈夫なのかといえば、レトリックとして
認められているということなのだそうです。
まあこの場合単語2つしかないので、意味を取り違うことは
ほとんど想定できないので問題ないのでしょうね。
あと、洋楽歌詞好き人間として言わせてもらえば、
"Staff Only"の方が語呂がいいですよね(笑)。
ついでにいえば"only"の発音は「オンリー」では通じない
無理矢理カタカナで書くと「おぅんりぃ」になる。
この本は日本語を英文に訳す勉強をしている大学生の授業を基に
書かれたものですが、この日本語英訳についても考えさせられた。
そう、「日本語を英語に訳す」のではなく、
「日本語で考えたことを英語で考え直してから文章にする」
という感覚で臨むとすんなりと英文が書けるようですね。
そこもなるほどと思いましたが、この本を読んでから、
何かを見るとそうする癖がだんだんとついてきました。
ただ、今の僕はその速度があまりにも遅くて鈍い。
だから使い物にならないでしょうね、現時点では(笑)。
ともかく、英語に興味がある人は必読本といえそうです。
と書いてしめようと思いましたが最後にもうひとつ。
この本、マーク・ピーターゼンさんは日本語で考えて書いている
らしいのですが、とてもそうは思えない。
下手な日本人よりよほどうまい、というか、この人より
日本語の文章が下手な日本人の方が多いのではないか、と。
この本はマーク・ピーターゼンさんが、日本に四半世紀以上住んで、
日本語のスキルがどれだけ上達したかを逆に読者に問いたい、
という思いもあったようで、すごい人だと思いました。
☆2冊目
TOEIC L & R TEST 出る単特急 金のフレーズ
(TOEIC TEST 特急シリーズ)
TEX加藤
朝日新聞出版社
最近英語頭になったようで、続けてTOEICの問題集も読みました。
というか問題集だから、やりました、が正しいかな、今2回目。
さて、しかしやっぱりどうしても洋楽のことを考えてしまう(笑)。
さすがにTOEIC試験になると、歌詞に出てこない単語が多い。
もちろん歌詞のすべて知っているわけでは当然ないけれど、
歌詞はやはり日常的な生活感のある言葉が選ばれていて、
堅苦しい表現は英語ネイティヴの人も避けているのでしょうね。
(スティングみたいにあえて使いたがる人もいますが・・・)
でも幸か不幸か、単語そのものをまったく知らなかったという
単語は両手では収まらないくらいで、救われた気分になりました。
また、日本語に採り入れられていたり或いは日本で日常的に
カタカナ語として使われている単語も多かったですね。
中には和製英語的な「リニューアル」というものもあるけれど、
これはそもそも別の意味で使われていて、日本で外来語として
使われる意味の「リニューアル」とは少し違うのだそうで。
はては日本語では別の英語に置き換えられた外来語も
あったりして、言葉ってつくづく面白いと思いました。
そんなことを思うのも、問題集だけど、本の楽しさですね。
さて、3回読んだら全部覚えられるかな、挑戦しよう。
☆3冊目
鳥ってすごい!
樋口広芳
ヤマケイ新書
積読だったものが、やはり夏鳥が来たこの時期読みたくなりました。
樋口広芳さんの本は、結構難しいことを言っていると思うけれど、
難しいことを平易に説明しようというよりは、難しいことを
それなりに難しいまま伝えようとしているように感じました。
もちろん言葉遣いは(学者や役人とは違って)堅苦しくはないですが、
だから僕も何度も読み返すくだりがあったりしまして、でも、
それもまた読書の楽しみだと思いました。
樋口さんは、僕が中学で鳥に本格的に興味を持ち始めた頃、
既に鳥の本を多数書いたりテレビに出る人として有名だったので、
そこは無理に今風にしていないのが、僕は頼もしかったです。
中身は、鳥の体のつくりからはじまり、鳥の飛翔能力、
そして繁栄戦略など生態の基本を詳しく解説するもの。
僕がいちばん勉強になったのはカッコウ科の鳥たちの「托卵」。
例えば、カッコウ科の鳥たちは体の大きさ(ハトくらい)の割に
卵が小さいのは、他の鳥の巣の状況をうかがいながら自身の卵を
そこに産み落とすタイミングを見計らって行動しなければならない、
つまり自分のペースで産卵することができないので、すぐに対応
できるように卵が小さくなっているのだという。
もちろん托卵相手の卵より異様に大きいと気づかれて排除され
やすくなることもあるでしょうけれど、うまくできているものだと。
などなど、鳥の雑学は観察会でも話したりするので、これからも
まだまだ貪欲に取り入れてゆきたいと思っています。
今はそういう本が増えましたからね。
あ、でも、かといって買い過ぎも注意ですが(笑)。
☆4冊目
石田波郷集 ~朝日文庫 現代の俳句
石田波郷
朝日文庫
最後は俳句の本、絶版になったものをネット中古で購入。
とにかく俳句をたくさん読まなきゃ、今はそういう時期、というか
それをあまりしてこなかった反省から、買うだけ買って
積読ではなく棚の肥やしになっていたこれを引っ張り出しました。
石田波郷について、僕自身の勉強の意味も込め、
ウィキペディアより引用します。
なお、引用者は適宜表記変更などを施しています。
石田 波郷(いしだ はきょう
1913年(大正2年)3月18日 - 1969年(昭和44年)11月21日)
愛媛県出身の俳人。本名は哲大(てつお)。
水原秋桜子に師事、「馬酔木」に拠ったのち、「鶴」を創刊・主宰。
初期の青春性のあふれる叙情句からはじまり、
自己の生活を見つめる、人間性に深く根ざした作風を追求、
加藤楸邨、中村草田男らとともに人間探求派と呼ばれた。
昭和戦前に流行した新興俳句運動を批判し、
韻文精神の尊重を説き切れ字を重視。
戦中には結核を発病し、戦後は病と対峙する自身の生活を
題材とする境涯俳句を詠み続けた。
読むと、病気療養中の俳句はさすがに重たかったし、
いかにも日本文学的(=私小説的)だと思いましたが、
でも一方で事実の重みを大切にする人だと感じました。
感想はここまでにして、気に入った句を幾つか紹介します。
霜林俳句は切字響きけり
木葉木莵(このはずく)梧堂先生眠りけり
ジャズの音をふみ急ぎたる初時雨
夾竹桃戦後の病みな長し
風くれば檜原したたり山椒喰い
鷹の巣のひとり高志や芽立ち前
鳥に関する句が3句ありますが、梧堂先生とは、
日本野鳥の会の礎を築いた中西梧堂さんのことで、
石田波郷も師匠である水原秋櫻子とともに、中西梧堂主催の
日本で最初の探鳥会に参加したとのこと。
他1句めは俳句の魅力を俳句で説くユーモアがいい。
ジャズはまだ新鮮な魅力として世に広まった頃だったのでしょうね。
石田波郷は大好きな俳人になりました。
また他の人の句集も読みます。
続いて【guitarbirdの書架より】
☆
鳥の巣の絵本
鈴木まもる
岩崎書店
やはり5月は鳥に忙しい時期。
エナガの巣は木の股に土や苔や蜘蛛の巣の糸などで
かためたドーム状のものであると聞き、持っていた
この本で確かめるのに出したところ、結局また読了。
先日記事にした「優しいホオジロ」(こちら)で書いた、
ホオジロは雌のみが巣造りをして雄は周りで囀りするだけ、
というのもこの本で(再度)読んでいたものですが、
それを実際に自分の目で確かめられたのは収穫でした。
やはり絵本は勉強になりますね。
秋には笹薮の中に入っていろいろな鳥音巣を探してみるつもりで、
その際にまたじっくりと読むというか見ることになるでしょう。
☆
海野和男の昆虫撮影テクニック 増補改訂版
海野和男
誠文堂新光社
今年も本格的な昆虫撮影の季節が来ました。
となるとこれをまた引っ張り出す。
しかし、僕が買って読んだのは増補改訂になる前の版。
新版を書店でぱらぱらと見たところ、大きな違いはなさそうだけど、
でもやっぱり欲しくなる。
いや、我慢しよう・・・今年も葛藤が始まりました(笑)。
そして最後は積読候補(!?)
☆
ヴェルディ オペラ変革者の素顔と作品
加藤浩子
平凡社新書
ヴェルディは好きですが、最近はオペラは聴いていない。
(今は家ではほとんど言葉がない音楽を聴いているので)。
でもまたいつか聴く時が来るだろうしそうなるとヴェルディのことを
知りたくなるだろうと、これをネットで見つけて買っておきました。
さて、それはいつのことになるかな。
もうあと50ページで読了する新書があるのですが、
それは今回取り上げないで、来月に話します。
来月はそれも含めてまた月5冊は読みたいです。
02

2017年03月31日
今月の読書2017年3月号
01

今月の読書です。
今月も結局4冊しか読めませんでした。
しかも1冊は写真集、1冊は図版、と。
☆1冊目
シマエナガちゃん
小原玲(写真)
講談社
シマエナガの写真集が初めて出たというので購入しました。
亜種シマエナガは日本では北海道にのみ生息するエナガの亜種、
という話はここでは何度もしてきましたが、写真集が初というのは
意外な気もします。
ところで、これを購入したのにはわけがあります。
昨年12月から、A公園でシマエナガを撮りたいけどどこにいるの?
と質問する人が急に増えたんです。
シマエナガが数年前からネット上で人気であるのはもちろん
知っていましたが、昨年からの動きは顕著なもので、
他に何かきっかけがあるのかもしれないと漠然と思っていたところ、
この写真集が出たことを知り合点がいきました。
しかも道内ではなくあの最大手講談社から全国に出ている本で、
テレビでも取り上げられて話題が広まったのだということです。
さらには、この写真種のカメラマンの方がA公園にいらしている
と聞いて、それではということで購入したしだい。
その小原さん、僕は姿は見ましたが、話はしませんでした。
内容についてはシマエナガがイタヤカエデの樹液のつららを
すすろうとしたり、幼鳥が枝に横並びになったりとかわいらしいし、
シマエナガの生態を捉えたものとして勉強にもなります。
こういう写真を撮るのはやっぱり粘っていないとできないわけで、
根気のない僕には撮れない、うん、それは思いましたね正直に。
それにしても若者がテレビを観なくなったと言われている今、
それ以上の年代にはまだまだテレビの影響力は大きいと
あらためて今回分かりました。
そうなんです、昨年11月以降、「シマエナガいますか?」
と聞かれるようになったのです。
それまでは「エナガいますか?」だったのですが。
シマエナガ、もうすっかりおなじみの鳥になったようです。
☆2冊目
「アレの名前大百科」
みうらじゅん(監修)
PHP文庫
この本については先に記事(こちら)で紹介しました。
もちろん読了しましたが、まとめの意味でもう一度取り上げます。
覚えましたよ「クロージャー」、重宝しています、
この本に出てきた物でいちばんよく使っています。
「ツイストタイ」もその次によく使いますね。
街中で見るものもこの本のおかげで「アレ」ではなく
ずいぶんと名前で言えるようになってきました。
ここで復習問題。
Q:ガソリンスタンドの給油装置がある少し高くなった場所を
何というでしょう?
A:アイランド
島、そのままですね。
☆3冊目
広重名所江戸百景 望月義也コレクション
合同出版
神田地区で弁当屋を営んでいた望月義也氏が、
平成10年に店を閉め、念願であった広重「名所江戸百景」の
浮世絵収集を始め、1点ずつ初摺を揃えていたところで
全点揃いが古書市場に出て集めることができた。
それを1冊にまとめたのがこの本。
縦長の四六判ほどの本1ページに図版が1点と大きくは
ないですが、全108景を1冊で見られしかも2000円で
お釣りがくるというコストパフォーマンスの高い1冊。
より多くの人の目に触れてもらいたいという望月氏の思いが、
合同出版55周年と相まってこの本を作らせたのでしょう。
僕がこの本を買ったきっかけは、テレビ東京系番組
「Youは何しに日本へ?」でした。
僕がたまたま観た(といって録画ですが)の回では、
「広重江戸名所百景」に魅せられた若いイタリア男性が、
現在の日本で広重の絵を今風に解釈するとどう見えるか
という独自の視点で東京の街並みの写真を撮るという話。
その人は東京でミュージシャンをしている友人の家に泊まり込んで
東京を歩き回り、ひとつずつ、1枚ずつ、フィルムカメラで
写真を撮っていく。
当然1回や2回では終わらない。
今回もあと15景ほどを残しての帰国となりましたが、
そのアイディアを応援したいのと、その視点に興味があり、
ネットで探すとこの素晴らしい本が見つかったというわけ。
いずれ日本で個展を開きたいとのことで、そうなればぜひ行きたい。
さてこの本、地名としてはよく知っている場所が多く
出てくるわけですが、その昔の姿を見せてくれることで、
当時の人々の生活や景色などに想像が及び膨らみます。
中でも35景「真乳山の三谷堀夜景」が印象的でした。
現在では「真乳山」は「待乳山」、「三谷」は「山谷」と
表記されますが、僕が小学生時代に生活していた辺り。
「待乳山聖天」の近くの隅田公園で野球をしていましたが、
自転車で通る度に面白い名前だなと思っていました。
そしてこの辺りは吉原の近く、広重の絵には花魁。
今と昔がつながりました。
一方、101景にはそのもの「よし原日本堤」もあって、
今はもうない「堤」が広重の絵には確かにある。
どうしてこんな地名何だろうって思っていたことを思い出し、
懐かしくもなりました。
46景「昌平橋聖堂神田川」、これは僕が東京にいた頃、
御茶ノ水駅から坂を下って昌平橋の横を通って
秋葉原でCDを見て帰宅していたことを思い出した。
今ではJRの高架の陰に収まる目立たない橋ですが、
江戸名所のひとつであったことも分かりました。
古地図とはまた違う昔をしのぶ本。
これはほんとうによい買い物でした。
そして、このコレクションは神田古書店街の浮世絵の店で
入手したとのことですが、神田神保町界隈も
懐かしく思い出しました。
☆4冊目
夏井いつきの365日季語手帖
夏井いつき
マルコボ・コム
先月紹介した「赤ペン先生」夏井さんの本、読みました。
時節に合わせた季語使った句を毎日1句ずつ紹介。
同じ季語が二度使われることもあれば無季の句もあって、
取り上げ方に工夫を凝らしていて楽しめます。
例句を読むだけでも楽しいし勉強になりますが、
初心者向きということで有名な句を取っているのも安心感がある。
例えば
春風や闘志抱きて丘に立つ 高浜虚子
菜の花や月は東に日は西に 与謝蕪村
花の雲鐘は上野か浅草か 松尾芭蕉
付属の専用ハガキで投句して「才能アリ」と夏井さんに言われると
来年度版のこの本の閉じ込みで紹介されるというから、
やってみるかな、と思う人も多いでしょうね。
僕もちょっとだけ思いましたが、でもその場合ここに句を載せると
未発表の作品ではなくなるのかな、どうなんだろう、
商業誌とか公式HPでなければいいのかな。
俳句を楽しむ人が増えてほしいというのが夏井さんの
かねてからの思いですが、それがかない形となった1冊。
それがこの本でしょう。
そうそう、僕はまだそれほど齢をとったとは思っていないのですが、
この本は季語が大きな文字で記されているのがありがたいです。
はい、探しやすいから、ですよ、一応(笑)。
なお、「洋楽における「マイフレンド」問題」の記事(こちら)で
触れた「実践 日本人の英語」は読了できなかったので、
来月あらためて述べさせていただきます。
(読了できると見越しての記事だったのですが・・・)
続いて未読の本。
そうだ、このコーナーにタイトルをつけようか、題して
【積読候補といわないで】
☆
別れの挨拶
丸谷才一
集英社文庫
3月に出た丸谷さんのこの本、帯の背に「最後の新刊」と。
寂しいですね、書名からしても。
書評を主なものとしていますが、裏表紙の紹介文を書き出すと、
読書の快楽がここにある。
作家、翻訳家、評論家として半世紀以上に亘って執筆、
研究を続けた知の巨人が、その叡智を未来に託した
最後のエッセイ集。
読みたい。
でも、読むともう終わり、次はない。
寂しいですね。
☆
ブラウン神父の無心
G.K. チェスタトン/南條竹則・ 坂本あおい (翻訳)
ちくま文庫
ええ、はい、「候補」ではなくもう立派な「積読」です。
もう5年以上。
英国ミステリの傑作で、創元推理文庫から出ているものは
「ブラウン神父の無知」として知られていますが、
僕は読んだことがなく、5年前に書店でこれを見つけ、
大好きなちくま文庫から出ているならと買ったのでした。
これが不思議、読みたいという気持ちは低レベルでも
常に持ち続けている。
あとはちょっとしたきっかけと時間だけ、ですかね。
ミステリも久し振りだし、読めるといいなぁ(いつか・・・)
そして【guitarbirdの書架より】
☆
桜
勝木 俊雄
岩波新書
桜の季節、こちらではまだ始まっていませんが、東京も今年は
遅いようで、なんでも4月2日が満開の予想なのだとか。
まだ間に合う。
僕は今年もまたこの本が読みたくなってきた。
一昨年新刊として買って読み、昨年再読し、今年と
これで3年連続この本を紹介していることになります。
文化面も抑えていますが、何より樹木として、植物として、
生物としての桜に焦点を当てた画期的な1冊。
もう名著といっていい、と僕は勝手に思っています。
☆
日本野鳥歳時記
大橋弘一
ナツメ社
そしていよいよ北海道も夏鳥がやって来る季節!
そこであらためてこの本を紹介。
鳥の名前の由来をきれいな写真とともに紹介しつつ、
「歳時記」というだけあって俳句や和歌も紹介されている
とても充実した1冊。
ところで、この本を以前ここで取り上げたのは「つい最近」
と思っていたのですが、見直すと昨年の1月、
もう1年以上前のことだったんだ・・・つくづく、早いなあ。
来月は5冊を目指します。
何もそんな肩肘張らなくても、気楽に読めるだけ読めば
いいのではないかと言われるかもしれないですが、
でもやっぱり本好きとしては目標を掲げたいものなのです、はい。
最後は4日前の3ショット。
02

01、02、どちらも斜光で撮っていますが、
結果として似たイメージの写真になってしまいました。
こういう季節だ、ということは言えるのですが。

今月の読書です。
今月も結局4冊しか読めませんでした。
しかも1冊は写真集、1冊は図版、と。
☆1冊目
シマエナガちゃん
小原玲(写真)
講談社
シマエナガの写真集が初めて出たというので購入しました。
亜種シマエナガは日本では北海道にのみ生息するエナガの亜種、
という話はここでは何度もしてきましたが、写真集が初というのは
意外な気もします。
ところで、これを購入したのにはわけがあります。
昨年12月から、A公園でシマエナガを撮りたいけどどこにいるの?
と質問する人が急に増えたんです。
シマエナガが数年前からネット上で人気であるのはもちろん
知っていましたが、昨年からの動きは顕著なもので、
他に何かきっかけがあるのかもしれないと漠然と思っていたところ、
この写真集が出たことを知り合点がいきました。
しかも道内ではなくあの最大手講談社から全国に出ている本で、
テレビでも取り上げられて話題が広まったのだということです。
さらには、この写真種のカメラマンの方がA公園にいらしている
と聞いて、それではということで購入したしだい。
その小原さん、僕は姿は見ましたが、話はしませんでした。
内容についてはシマエナガがイタヤカエデの樹液のつららを
すすろうとしたり、幼鳥が枝に横並びになったりとかわいらしいし、
シマエナガの生態を捉えたものとして勉強にもなります。
こういう写真を撮るのはやっぱり粘っていないとできないわけで、
根気のない僕には撮れない、うん、それは思いましたね正直に。
それにしても若者がテレビを観なくなったと言われている今、
それ以上の年代にはまだまだテレビの影響力は大きいと
あらためて今回分かりました。
そうなんです、昨年11月以降、「シマエナガいますか?」
と聞かれるようになったのです。
それまでは「エナガいますか?」だったのですが。
シマエナガ、もうすっかりおなじみの鳥になったようです。
☆2冊目
「アレの名前大百科」
みうらじゅん(監修)
PHP文庫
この本については先に記事(こちら)で紹介しました。
もちろん読了しましたが、まとめの意味でもう一度取り上げます。
覚えましたよ「クロージャー」、重宝しています、
この本に出てきた物でいちばんよく使っています。
「ツイストタイ」もその次によく使いますね。
街中で見るものもこの本のおかげで「アレ」ではなく
ずいぶんと名前で言えるようになってきました。
ここで復習問題。
Q:ガソリンスタンドの給油装置がある少し高くなった場所を
何というでしょう?
A:アイランド
島、そのままですね。
☆3冊目
広重名所江戸百景 望月義也コレクション
合同出版
神田地区で弁当屋を営んでいた望月義也氏が、
平成10年に店を閉め、念願であった広重「名所江戸百景」の
浮世絵収集を始め、1点ずつ初摺を揃えていたところで
全点揃いが古書市場に出て集めることができた。
それを1冊にまとめたのがこの本。
縦長の四六判ほどの本1ページに図版が1点と大きくは
ないですが、全108景を1冊で見られしかも2000円で
お釣りがくるというコストパフォーマンスの高い1冊。
より多くの人の目に触れてもらいたいという望月氏の思いが、
合同出版55周年と相まってこの本を作らせたのでしょう。
僕がこの本を買ったきっかけは、テレビ東京系番組
「Youは何しに日本へ?」でした。
僕がたまたま観た(といって録画ですが)の回では、
「広重江戸名所百景」に魅せられた若いイタリア男性が、
現在の日本で広重の絵を今風に解釈するとどう見えるか
という独自の視点で東京の街並みの写真を撮るという話。
その人は東京でミュージシャンをしている友人の家に泊まり込んで
東京を歩き回り、ひとつずつ、1枚ずつ、フィルムカメラで
写真を撮っていく。
当然1回や2回では終わらない。
今回もあと15景ほどを残しての帰国となりましたが、
そのアイディアを応援したいのと、その視点に興味があり、
ネットで探すとこの素晴らしい本が見つかったというわけ。
いずれ日本で個展を開きたいとのことで、そうなればぜひ行きたい。
さてこの本、地名としてはよく知っている場所が多く
出てくるわけですが、その昔の姿を見せてくれることで、
当時の人々の生活や景色などに想像が及び膨らみます。
中でも35景「真乳山の三谷堀夜景」が印象的でした。
現在では「真乳山」は「待乳山」、「三谷」は「山谷」と
表記されますが、僕が小学生時代に生活していた辺り。
「待乳山聖天」の近くの隅田公園で野球をしていましたが、
自転車で通る度に面白い名前だなと思っていました。
そしてこの辺りは吉原の近く、広重の絵には花魁。
今と昔がつながりました。
一方、101景にはそのもの「よし原日本堤」もあって、
今はもうない「堤」が広重の絵には確かにある。
どうしてこんな地名何だろうって思っていたことを思い出し、
懐かしくもなりました。
46景「昌平橋聖堂神田川」、これは僕が東京にいた頃、
御茶ノ水駅から坂を下って昌平橋の横を通って
秋葉原でCDを見て帰宅していたことを思い出した。
今ではJRの高架の陰に収まる目立たない橋ですが、
江戸名所のひとつであったことも分かりました。
古地図とはまた違う昔をしのぶ本。
これはほんとうによい買い物でした。
そして、このコレクションは神田古書店街の浮世絵の店で
入手したとのことですが、神田神保町界隈も
懐かしく思い出しました。
☆4冊目
夏井いつきの365日季語手帖
夏井いつき
マルコボ・コム
先月紹介した「赤ペン先生」夏井さんの本、読みました。
時節に合わせた季語使った句を毎日1句ずつ紹介。
同じ季語が二度使われることもあれば無季の句もあって、
取り上げ方に工夫を凝らしていて楽しめます。
例句を読むだけでも楽しいし勉強になりますが、
初心者向きということで有名な句を取っているのも安心感がある。
例えば
春風や闘志抱きて丘に立つ 高浜虚子
菜の花や月は東に日は西に 与謝蕪村
花の雲鐘は上野か浅草か 松尾芭蕉
付属の専用ハガキで投句して「才能アリ」と夏井さんに言われると
来年度版のこの本の閉じ込みで紹介されるというから、
やってみるかな、と思う人も多いでしょうね。
僕もちょっとだけ思いましたが、でもその場合ここに句を載せると
未発表の作品ではなくなるのかな、どうなんだろう、
商業誌とか公式HPでなければいいのかな。
俳句を楽しむ人が増えてほしいというのが夏井さんの
かねてからの思いですが、それがかない形となった1冊。
それがこの本でしょう。
そうそう、僕はまだそれほど齢をとったとは思っていないのですが、
この本は季語が大きな文字で記されているのがありがたいです。
はい、探しやすいから、ですよ、一応(笑)。
なお、「洋楽における「マイフレンド」問題」の記事(こちら)で
触れた「実践 日本人の英語」は読了できなかったので、
来月あらためて述べさせていただきます。
(読了できると見越しての記事だったのですが・・・)
続いて未読の本。
そうだ、このコーナーにタイトルをつけようか、題して
【積読候補といわないで】
☆
別れの挨拶
丸谷才一
集英社文庫
3月に出た丸谷さんのこの本、帯の背に「最後の新刊」と。
寂しいですね、書名からしても。
書評を主なものとしていますが、裏表紙の紹介文を書き出すと、
読書の快楽がここにある。
作家、翻訳家、評論家として半世紀以上に亘って執筆、
研究を続けた知の巨人が、その叡智を未来に託した
最後のエッセイ集。
読みたい。
でも、読むともう終わり、次はない。
寂しいですね。
☆
ブラウン神父の無心
G.K. チェスタトン/南條竹則・ 坂本あおい (翻訳)
ちくま文庫
ええ、はい、「候補」ではなくもう立派な「積読」です。
もう5年以上。
英国ミステリの傑作で、創元推理文庫から出ているものは
「ブラウン神父の無知」として知られていますが、
僕は読んだことがなく、5年前に書店でこれを見つけ、
大好きなちくま文庫から出ているならと買ったのでした。
これが不思議、読みたいという気持ちは低レベルでも
常に持ち続けている。
あとはちょっとしたきっかけと時間だけ、ですかね。
ミステリも久し振りだし、読めるといいなぁ(いつか・・・)
そして【guitarbirdの書架より】
☆
桜
勝木 俊雄
岩波新書
桜の季節、こちらではまだ始まっていませんが、東京も今年は
遅いようで、なんでも4月2日が満開の予想なのだとか。
まだ間に合う。
僕は今年もまたこの本が読みたくなってきた。
一昨年新刊として買って読み、昨年再読し、今年と
これで3年連続この本を紹介していることになります。
文化面も抑えていますが、何より樹木として、植物として、
生物としての桜に焦点を当てた画期的な1冊。
もう名著といっていい、と僕は勝手に思っています。
☆
日本野鳥歳時記
大橋弘一
ナツメ社
そしていよいよ北海道も夏鳥がやって来る季節!
そこであらためてこの本を紹介。
鳥の名前の由来をきれいな写真とともに紹介しつつ、
「歳時記」というだけあって俳句や和歌も紹介されている
とても充実した1冊。
ところで、この本を以前ここで取り上げたのは「つい最近」
と思っていたのですが、見直すと昨年の1月、
もう1年以上前のことだったんだ・・・つくづく、早いなあ。
来月は5冊を目指します。
何もそんな肩肘張らなくても、気楽に読めるだけ読めば
いいのではないかと言われるかもしれないですが、
でもやっぱり本好きとしては目標を掲げたいものなのです、はい。
最後は4日前の3ショット。
02

01、02、どちらも斜光で撮っていますが、
結果として似たイメージの写真になってしまいました。
こういう季節だ、ということは言えるのですが。
2017年03月07日
アレの名前大百科
01

今回は読了した本に関する話題です。
読んだのはこの本。
「アレの名前大百科」
みうらじゅん(監修)
PHP文庫
みうらじゅん氏が「アレ」などというとなんだか危ない方向性の
ものを想像してしまいますよね・・・(笑)。
ご安心ください。
この本は、世の中に跋扈する「アレ」、
見知っているけれど名前を知らないものを集めて
名前とそれにまつわる話を紹介するという本。
本はクイズ形式でお題が出され、
みうらじゅん氏がそれに答えながら進むという形式で、
話も面白く解説もためになり絵があって分かりやすい。
ちなみにみうらじゅん氏は「100問中93問不正解」
と帯にありますが、僕もそんなものでした。
読むと、僕も人間だ、蘊蓄を傾けたくなる1冊。
だから早速こうして記事にしています(笑)。
今回は僕が特に印象的だったものを幾つか取り上げます。
最初は写真で出題。
これの名前は何でしょう・・・?
02

正解:クロージャー
パンなどを留めるのによく見るものですが、
英国人が1950年頃に発明し特許を取ったもので、
日本でもその会社の日本法人1社が独占生産販売し、
埼玉県川口市に工場があるのだそうです。
僕は、名前や発明の経緯よりも日本では1社が作っている
というところに「へえ~」を連発してしまいました。
ところで、これって捨てずに取っておいてたまりませんか?
僕はそうです。
だからこうしてすぐに用意できて写真が撮れました。
折れたり曲がったところが白くなった場合は捨てますが、
そうなるまでは取っておいて何かに使っています。
便利ですね。
最近は、例えばローソンの小さいクロワッサンとか、
留めるものがついていない袋だけのパンもあって、
「クロージャー」の出番となりますね。
次、パン絡みでこれもいきましょうか。
名前は?
03

正解:ツイストタイ
これ、僕は以前記事を上げていました。
名前がわからなかったねじって留めるやつ
というタイトルですが、まさに「ねじって留める」直訳ですね。
その記事はこちらです、ご興味がある方はご一読ください。
ただしその記事では「タイエース」という名前であり、
登録商標かなと書いていますが、そうかもしれないですね。
そしてその記事のものは園芸用品売り場で見つけたのですが、
これはまさに元々は園芸用品として作られたものだそうです。
針金が濡れないように外側をコーティングしていますが、
それが料理、野菜やパンなどにも使えるということになったのだと。
続いて写真がなくてすいませんが、
お葬式などに使われる白と黒の縦じまの幕を何という?
正解:鯨幕
黒と白のストライプが鯨のお腹のように見えるので
「鯨幕」と呼ぶのだそうですが、なかなか洒落ているし、
いかにも捕鯨で鯨に慣れ親しんできた日本人らしい発想ですね。
クイズ形式は終わって、次は「ユンボ」
小型のパワーショベルですが、これは僕も知っていました。
しかし名前の由来は知らなかった。
これ、「ウォークマン」「プラモデル」等と同じで、
最初はある1社の商品の名前だったのですね。
フランスのメイカーが作ったショベルがユンボという名前で、
(後のそのメイカーの会社名がユンボになった)、
戦後しばらくは多くが輸入され「ユンボ」という呼び方も
広まりましたが、そのうち国産製品が増えて輸入が減り、
本家本元の「ユンボ」は見なくなった。
しかし名前は残り、受け継がれてきた。
面白いですね。
主に60代以上の人は今でもよく言いますね、
僕の仕事の知り合いで70前の方も言っていました。
言葉という点で興味深いのが「法令線」、顔の頬の横に出るしわ。
これ僕は知っていましたが、でも知ったのはここ数年のこと。
この本は最初2010年に著されていますが(文庫化は2016年)、
その頃の僕は知らなかったと思う。
テレビやラジオの通販CMなどで「ほうれい線」を耳にするようになった
のもここ数年のことだと記憶しているし、この言葉はつい最近
多くの人に知られるところとなったのではないかと考えました。
僕が知っていたのは以下の13点です。
・ジャック・オ・ランタン=ハロウィーンのかぼちゃ
※2010年頃はまだ一般的ではなかったのでしょう。
僕も知ったのはその後のように思います。
・がいし=電線についている非金属の楕円形の絶縁体
※業界人ではない僕がなぜ知っているのか自分でも不明。
・ガラポン=福引の回して玉が出てくるアレ
・ユンボ
・ドゴール帽=昔営団地下鉄の職員が被っていた帽子
・テンガロンハット=カウボーイハット
・スパー=カウボーイの靴の踵についているバッヂのような金属
※昔NBAのサンアントニオ・スパーズの名前を調べて知りました。
・ソンブレロ=メキシコの帽子
※なぜか中学生の頃には知っていた。
・カラピナ=登山でも使う金属の輪っか
・猫(車)=工事現場で土砂などを運ぶ一輪車
※逆さまに置いたら猫のように見えるかららしい。
・盆の窪=「必殺仕事人」で三田村邦彦がかんざしを刺す部位
・法令線
・りゅうず=時計の出っ張り(ねじ)
※外来語のようですが語源は「竜頭」。
いやあ、面白いしためになるし考えさせられた。
久し振りの大ヒット書籍でした。
もちろん一度ですべてを覚えられるわけがないので、
これからも部屋の辞書コーナーに置いて
折に触れて見返すことになると思います。
最後はいつもの3ショット。
04


今回は読了した本に関する話題です。
読んだのはこの本。
「アレの名前大百科」
みうらじゅん(監修)
PHP文庫
みうらじゅん氏が「アレ」などというとなんだか危ない方向性の
ものを想像してしまいますよね・・・(笑)。
ご安心ください。
この本は、世の中に跋扈する「アレ」、
見知っているけれど名前を知らないものを集めて
名前とそれにまつわる話を紹介するという本。
本はクイズ形式でお題が出され、
みうらじゅん氏がそれに答えながら進むという形式で、
話も面白く解説もためになり絵があって分かりやすい。
ちなみにみうらじゅん氏は「100問中93問不正解」
と帯にありますが、僕もそんなものでした。
読むと、僕も人間だ、蘊蓄を傾けたくなる1冊。
だから早速こうして記事にしています(笑)。
今回は僕が特に印象的だったものを幾つか取り上げます。
最初は写真で出題。
これの名前は何でしょう・・・?
02

正解:クロージャー
パンなどを留めるのによく見るものですが、
英国人が1950年頃に発明し特許を取ったもので、
日本でもその会社の日本法人1社が独占生産販売し、
埼玉県川口市に工場があるのだそうです。
僕は、名前や発明の経緯よりも日本では1社が作っている
というところに「へえ~」を連発してしまいました。
ところで、これって捨てずに取っておいてたまりませんか?
僕はそうです。
だからこうしてすぐに用意できて写真が撮れました。
折れたり曲がったところが白くなった場合は捨てますが、
そうなるまでは取っておいて何かに使っています。
便利ですね。
最近は、例えばローソンの小さいクロワッサンとか、
留めるものがついていない袋だけのパンもあって、
「クロージャー」の出番となりますね。
次、パン絡みでこれもいきましょうか。
名前は?
03

正解:ツイストタイ
これ、僕は以前記事を上げていました。
名前がわからなかったねじって留めるやつ
というタイトルですが、まさに「ねじって留める」直訳ですね。
その記事はこちらです、ご興味がある方はご一読ください。
ただしその記事では「タイエース」という名前であり、
登録商標かなと書いていますが、そうかもしれないですね。
そしてその記事のものは園芸用品売り場で見つけたのですが、
これはまさに元々は園芸用品として作られたものだそうです。
針金が濡れないように外側をコーティングしていますが、
それが料理、野菜やパンなどにも使えるということになったのだと。
続いて写真がなくてすいませんが、
お葬式などに使われる白と黒の縦じまの幕を何という?
正解:鯨幕
黒と白のストライプが鯨のお腹のように見えるので
「鯨幕」と呼ぶのだそうですが、なかなか洒落ているし、
いかにも捕鯨で鯨に慣れ親しんできた日本人らしい発想ですね。
クイズ形式は終わって、次は「ユンボ」
小型のパワーショベルですが、これは僕も知っていました。
しかし名前の由来は知らなかった。
これ、「ウォークマン」「プラモデル」等と同じで、
最初はある1社の商品の名前だったのですね。
フランスのメイカーが作ったショベルがユンボという名前で、
(後のそのメイカーの会社名がユンボになった)、
戦後しばらくは多くが輸入され「ユンボ」という呼び方も
広まりましたが、そのうち国産製品が増えて輸入が減り、
本家本元の「ユンボ」は見なくなった。
しかし名前は残り、受け継がれてきた。
面白いですね。
主に60代以上の人は今でもよく言いますね、
僕の仕事の知り合いで70前の方も言っていました。
言葉という点で興味深いのが「法令線」、顔の頬の横に出るしわ。
これ僕は知っていましたが、でも知ったのはここ数年のこと。
この本は最初2010年に著されていますが(文庫化は2016年)、
その頃の僕は知らなかったと思う。
テレビやラジオの通販CMなどで「ほうれい線」を耳にするようになった
のもここ数年のことだと記憶しているし、この言葉はつい最近
多くの人に知られるところとなったのではないかと考えました。
僕が知っていたのは以下の13点です。
・ジャック・オ・ランタン=ハロウィーンのかぼちゃ
※2010年頃はまだ一般的ではなかったのでしょう。
僕も知ったのはその後のように思います。
・がいし=電線についている非金属の楕円形の絶縁体
※業界人ではない僕がなぜ知っているのか自分でも不明。
・ガラポン=福引の回して玉が出てくるアレ
・ユンボ
・ドゴール帽=昔営団地下鉄の職員が被っていた帽子
・テンガロンハット=カウボーイハット
・スパー=カウボーイの靴の踵についているバッヂのような金属
※昔NBAのサンアントニオ・スパーズの名前を調べて知りました。
・ソンブレロ=メキシコの帽子
※なぜか中学生の頃には知っていた。
・カラピナ=登山でも使う金属の輪っか
・猫(車)=工事現場で土砂などを運ぶ一輪車
※逆さまに置いたら猫のように見えるかららしい。
・盆の窪=「必殺仕事人」で三田村邦彦がかんざしを刺す部位
・法令線
・りゅうず=時計の出っ張り(ねじ)
※外来語のようですが語源は「竜頭」。
いやあ、面白いしためになるし考えさせられた。
久し振りの大ヒット書籍でした。
もちろん一度ですべてを覚えられるわけがないので、
これからも部屋の辞書コーナーに置いて
折に触れて見返すことになると思います。
最後はいつもの3ショット。
04

2017年02月28日
今月の読書2017年2月号
01

今月の読書です。
今月は「読了」3冊とざっと目を通したのが1冊。
早速いきます。
☆1冊目
笑う洋楽展
みうらじゅん・安斎肇
マイクロマガジン
読了していないどころかまだ最後しか読んでおらず、
飛ばし読みで少しずつ読み進めていくつもりですが、
「笑う洋楽展」ファンとしてはまた紹介したいということで。
読んだのが巻末の部分、プロデューサーとみうらじゅんと
安斎肇の鼎談というか雑談が面白い。
番組誕生までの経緯などが語られていますが、
MTVでやっていた「ビーバス&バットヘッド」というアニメ、
2人の少年がビデオクリップを観ながら語り合うものですが、
それへの言及があり、この番組が始まった頃それに似ているなあと
思ったのですが、やっぱり影響はあったようです。
やはりというか、なぜ1980年代は面白いのかという話題。
80年代人間としては特にみうらじゅん氏が1980年代に
引っかかっているのが僕としても面白いのですが、
80年代は真剣にやっているから可笑しい、という。
なるほどそうですよね。
そして「笑う洋楽展」という番組について。
日本人には洋楽には真面目に接しなくてはいけないという思いが
あったのですがそこを敢えて笑ってしまおうという姿勢、という。
これですが、実は僕は自称最初のMTV世代で中高生の頃に
テレビから流れてくるビデオクリップを観て笑っていました。
だって可笑しいものは可笑しいから。
ブルース・スプリングスティーンがステージで笑顔で口パクしたり、
ビリー・ジョエルが目をむきながら椅子で金縛りに遭ったり、
ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのメンバーが海岸で首だけ出てたり、
エイジアのジョン・ウェットンの靴が妙だったり(ださい)、
ジョージ・ハリスンがミエミエのスタントでバック転したり、
マイケル・ジャクソンがバーで腰を振りながら歩いて踊ったりとか、
可笑しくないですか?
でも、それを可笑しいと言ってはいけないような雰囲気は確かに
あって、洋楽は真面目に接しなくてはいけないという日本人の
気持ちも分かることは分かります。
ああやっぱりそうだったか、と思わされる部分ですね。
僕がこの番組を初めて観た時「こういう番組が欲しかった」
「やっとこういう番組が出てきたか」と思ったものですが、
それはこういう下地があってのことだと再認識できました。
そしてますます僕はこの番組が大好きになったのでした。
番組は今公開録画で行われていますが、定員250人のところに
10倍以上の応募があるそうで、僕も一度参加してみたいですが、
難しいかな。
そして1980年代はなぜ笑えるのかの2人の見方。
真剣にやっているから可笑しい。
☆2冊目
手ぶくろを買いに
新見南吉(著) 黒井健(イラスト)
偕成社
絵本の名作ですが、A公園「森の家」にずっとあるものの、
読んだことがなかったので昼休みに読みました。
絵本って、大人の視点でいえばツッコミどころ満載ですよね。
例えばこの本であれば、子ぎつねは冬になるまでには
親別れをして独立して生きていくようになるはずなのに、とか、
親が恐い思いをしたところに子供だけ行かせるのか、とか。
でも、そういう自分を見つけて、ああ現実に囚われすぎている、
時には心を開放しなければ、と思う。
大人が絵本を読むのはそういう部分があるのではないかな。
絵本は心が洗われるのがいいですね。
この本は狐の絵がとてもかわいくてよかったです。
☆3冊目
返品のない月曜日
井狩春男
ちくま文庫
井狩春男さんとは誰?
鈴木書店で仕入れを担当している人。
鈴木書店って?
出版物取次書店。
取次って?
本の問屋で東販と日販が2大大手、鈴木書店は中堅どころ。
どこにあるの?
神田村。
それはどこ?
東京は神田神保町にある村。
そんな村あった?
書店や取次が集結するこの辺りを出版書店業界ではそう言う。
とまあ問答のようになってしまいましたが、この本は、
1980年代前半の書店業界の様子を綴ったエッセイ。
鈴木書店。
実は僕、書店員時代に毎朝行っていました。
注文があった本の短冊を渡し時々自分でも本を探し、
さらには書店より安い卸値でしかも発売前に本を買っていた。
家の片づけ物をしていた時ふと目に留まったこの本。
当時が懐かしくなり、読み返しました。
しかし、やっぱり30年の月日は長い。
この本が著されたおよそ30年前と僕が書店員だった20年前では
まだあまり世の中が変わっておらず、ここで書かれていることの
多くはそのままの感覚で通じたものでした。
しかしその後ネット時代が訪れ、本を取り巻く環境が大きく変わった。
今や本が売れなくなり、書店の数は当時の半分。
取次の鈴木書店も数年前に店をたたんだとニュースで見て、
僕はかなりのショックを受けたことも思い出しました。
本を取り巻く状況の変化でもうひとつ大きく変わったのは、調べもの。
今はネットで誰もが簡単にすぐに調べられますが、この本では、
本の版型つまり形や大きさについての考察の章で、調べものを
するのに図書館に通ったりたまたま読んだ本に情報があったりと、
結論に行き着くまで日数を費やしていることが記されています。
そうだよなあ、昔はそうだった。
本や新聞テレビやラジオなどでたまたま行き当たった情報の
なんと嬉しくありがたかったことか。
調べものに関しては便利になったし僕もBLOGで活用しているので
昔の方がよかったとは言わ(え)ないですが、でも、
そういう部分もまた懐かしくもありました。
もうひとつ興味深い、井狩さんの慧眼とでもいうか。
古書の話、希少本などが欲しいという人と持っていて売りたい人が
つながればいいというのは、今まさにネット通販やオークションなどで
個人間で売買できるようになり、井狩さんの思いが実った。
この部分に関しては井狩さんも喜んでいるのではないかと。
しかし皮肉ですね、本の勢いをそいだネットのおかげで、
本と人がつながっていくというのも。
この本は1990年代書店最後の輝きの時代を知っている、
40歳くらいまでの本好きの人なら共感を得られるでしょうけれど、
ネット時代以降に生まれ育った人には実感が伴わない、
単なる昔話、おとぎ話としか映らないかもしれないですね。
その証拠にというか、この本は僕が読んだちくま文庫とは別の
版元から2003年に刊行されましたが(僕は今回まで知らなかった)、
新品はもう流通しておらず、Amazonの古本の価格も1円からで、
あまり興味を持たれていないのかなと思いました。
まあだから敢えて僕は取り上げるのですが、読了したし。
でも、そういう時代の記録としては意味がある1冊だと思います。
ところで、僕は鈴木書店に毎日のように行き、ここでも紹介される
井狩さんが手書きで毎日書いていた「まるすニュース」も毎号
読んでいたのに、井狩さんご本人とは一度もお会いしたことがない。
店同士お付き合いがあったのだから(しかもお得意様)、一度くらい、
井狩さんと話させてくださいと言ってみてもよかったのかな。
そこが今となっては残念でならない部分です。
☆4冊目
絵本たんけん隊
椎名誠
角川文庫
椎名誠が1990年代後半、表参道の教会で2か月に一度行っていた
絵本に関する講演を書籍にまとめたもの。
椎名さんは子どもさんが小さい頃に毎晩絵本を読んであげていたり、
奥さんも絵本を著したりと絵本に詳しい、ということを僕は
知っていましたが、それが本にまとまっているのは知らなかった。
といってこれ買ったのもう半年以上前ですが、漸く読みました。
内容については講演を文章にしているので余計に漢字が少なく
平易な文章で書かれていて読みやすかった。
話で触れた絵本やその他書籍が各章の最後に写真付きで
まとめて紹介されているのはブックガイドとしても役に立ちます。
いいですね、文庫だし、本としては。
でも。
本って、自分の考えと違う、ぶつかる人の本を読むというのは
それはそれで刺激的であると思いました。
椎名さん僕は昔は愛読者であり、根本的な部分で
考え方が違うとまではいかないのですが、でも昔は
気にならなかった部分が妙に気になったり。
こちらが変わったのかな。
とにかく日本を貶めて海外がいいという姿勢に、
今の僕は共感できないし、かつてもそうではなかったような。
そりゃ椎名さんは世界を広く見てきた人でもあり世代的にも
そうなるのでしょうけれど、でも、昔と変わらない椎名さんの
書き方ものの言い方が、今は引っかかる。
ひとつの例として、フランスでは食事の時にも平気で「下」の話、
排泄物の話をするのが当たり前だけど日本では
そういう話はご法度となっている、おかしくないか、という話。
おかしくない。
僕はやっぱり、そういう話を食事中にはされたくないです。
だってそういう国で生まれ育って躾けられたのだから。
おまけに僕は外国を知らないし。
そもそも僕は食事中ではなくてもスカトロ系のそういう話自体が
苦手というか嫌いでもあるし。
食べたら出るのは生き物で以上当たり前であるという考えは
理解できますが、それとこれとは話が別ではないかと。
もうひとつ、椎名さんで昔から気になっていたことが。
AとBはどっちがエライ、という話を椎名さんは極めてよくします。
先に挙げた例でも、日本よりフランスがエライ、といったように。
しかしこれ、この本では、椎名さんはそうやって物事を比べて
ランク付けしてしまう癖があると自ら書いていて、
ああそれは意識してのことだったんだって分かりました。
つまり僕は椎名さんに乗せられていたというわけなんですね。
この中でも椎名さんの本が幾つか紹介されていますが、
やっぱりこの人の本は今後も折を見て読み返していくだろうな
ということを思いました。
続いて購入して読んでいない本の紹介。
「積読」にはしたくない・・・(笑)。
☆
糖質量ハンドブック 改訂版(7訂)
牧田善二
新星出版社
以前僕は、体重が2年間で10kg以上減ったと話しました。
最近、体重が下げ止まってきました。
お正月には逆に1kg増えたり・・・
今の体を維持するにはそれだけ必要というレベルまで
落ちたということなのかな。
いや、でもそこで安心してはいけないと思い直し、
またもう少し考えてみようと思いこの本を買いました。
これで塩分に加えて糖分の本も揃ったわけですが、
読むというよりパラパラと見て覚えて意識してゆくものですね。
だから読了の方には入れなかったのですが、
結局僕は本がないと動けないのかな、と・・・(笑)。
☆
夏井いつきの365日季語手帖
夏井いつき
マルコボ・コム
もやはすっかり有名人「赤ペン先生」夏井さん。
NHK俳句でも季語に力を入れていますが、
この本も出ていることが分かってすぐに注文しました。
季語に沿った例句も紹介されていてもちろん勉強にもなる。
応募葉書がついていて、来年のこの本に掲載される可能性もある。
うまいですね、毎年買わなければ、と思う(笑)。
で、これといい「笑う」といい、僕が書店員時代にはなかった、
知らない出版社が増えたなあ、と井狩さんの本を読んだだけ
余計にそう思いました、とこれは余談。
続いて
【guitarbirdの書架より】
☆
シーラカンスの謎
キス・トムソン/清水長(訳)
河出書房新社
☆
オウムガイの謎
ピーター・D・ウォード/小畠郁生(訳)
河出書房新社
2冊紹介。
実は、恥ずかしい話ですが、家の中を整理し模様替えを
していますが、これらの本が入ったキャスター付きの書棚が、
ここ数年普段は見えない状態の場所に置いてあったのです。
自然科学関係の本を集めていた棚で、見える場所に
置いたところ、もう宝の山というか、嬉しい本たちと再会。
やっぱり僕はこの手の本が大好きなようですね。
時間を割いて再読もしくは未読の本を読んでゆきたい。
これら2冊はもう15年以上前に読了しました。
どちらも「生きた化石」、その存在が明らかになる経緯の話は
臨場感があり読んでいてスリリングなものでした。
オウムガイといえばシチズン腕時計ATTESAにはかつて
オウムガイのイラストが文字盤にデザインされていて
僕も愛用しているのですが、現行モデルいはないんですよね。
またヤフオクで探して腕時計欲しくなってしまいました(笑)。
02

「オウムガイの謎」のみAmazonのリンクに
写真がなかったので、ポーラと一緒に撮りました。
四六版ハードカバーの本も
そういえば久しく読んでいないかも。
今月は短かった割には結構読めました。
来月は3日増えるので、もう1、2冊読みたいですね。
では最後はハウとマーサの2ショットで終わります。
03


今月の読書です。
今月は「読了」3冊とざっと目を通したのが1冊。
早速いきます。
☆1冊目
笑う洋楽展
みうらじゅん・安斎肇
マイクロマガジン
読了していないどころかまだ最後しか読んでおらず、
飛ばし読みで少しずつ読み進めていくつもりですが、
「笑う洋楽展」ファンとしてはまた紹介したいということで。
読んだのが巻末の部分、プロデューサーとみうらじゅんと
安斎肇の鼎談というか雑談が面白い。
番組誕生までの経緯などが語られていますが、
MTVでやっていた「ビーバス&バットヘッド」というアニメ、
2人の少年がビデオクリップを観ながら語り合うものですが、
それへの言及があり、この番組が始まった頃それに似ているなあと
思ったのですが、やっぱり影響はあったようです。
やはりというか、なぜ1980年代は面白いのかという話題。
80年代人間としては特にみうらじゅん氏が1980年代に
引っかかっているのが僕としても面白いのですが、
80年代は真剣にやっているから可笑しい、という。
なるほどそうですよね。
そして「笑う洋楽展」という番組について。
日本人には洋楽には真面目に接しなくてはいけないという思いが
あったのですがそこを敢えて笑ってしまおうという姿勢、という。
これですが、実は僕は自称最初のMTV世代で中高生の頃に
テレビから流れてくるビデオクリップを観て笑っていました。
だって可笑しいものは可笑しいから。
ブルース・スプリングスティーンがステージで笑顔で口パクしたり、
ビリー・ジョエルが目をむきながら椅子で金縛りに遭ったり、
ヒューイ・ルイス&ザ・ニュースのメンバーが海岸で首だけ出てたり、
エイジアのジョン・ウェットンの靴が妙だったり(ださい)、
ジョージ・ハリスンがミエミエのスタントでバック転したり、
マイケル・ジャクソンがバーで腰を振りながら歩いて踊ったりとか、
可笑しくないですか?
でも、それを可笑しいと言ってはいけないような雰囲気は確かに
あって、洋楽は真面目に接しなくてはいけないという日本人の
気持ちも分かることは分かります。
ああやっぱりそうだったか、と思わされる部分ですね。
僕がこの番組を初めて観た時「こういう番組が欲しかった」
「やっとこういう番組が出てきたか」と思ったものですが、
それはこういう下地があってのことだと再認識できました。
そしてますます僕はこの番組が大好きになったのでした。
番組は今公開録画で行われていますが、定員250人のところに
10倍以上の応募があるそうで、僕も一度参加してみたいですが、
難しいかな。
そして1980年代はなぜ笑えるのかの2人の見方。
真剣にやっているから可笑しい。
☆2冊目
手ぶくろを買いに
新見南吉(著) 黒井健(イラスト)
偕成社
絵本の名作ですが、A公園「森の家」にずっとあるものの、
読んだことがなかったので昼休みに読みました。
絵本って、大人の視点でいえばツッコミどころ満載ですよね。
例えばこの本であれば、子ぎつねは冬になるまでには
親別れをして独立して生きていくようになるはずなのに、とか、
親が恐い思いをしたところに子供だけ行かせるのか、とか。
でも、そういう自分を見つけて、ああ現実に囚われすぎている、
時には心を開放しなければ、と思う。
大人が絵本を読むのはそういう部分があるのではないかな。
絵本は心が洗われるのがいいですね。
この本は狐の絵がとてもかわいくてよかったです。
☆3冊目
返品のない月曜日
井狩春男
ちくま文庫
井狩春男さんとは誰?
鈴木書店で仕入れを担当している人。
鈴木書店って?
出版物取次書店。
取次って?
本の問屋で東販と日販が2大大手、鈴木書店は中堅どころ。
どこにあるの?
神田村。
それはどこ?
東京は神田神保町にある村。
そんな村あった?
書店や取次が集結するこの辺りを出版書店業界ではそう言う。
とまあ問答のようになってしまいましたが、この本は、
1980年代前半の書店業界の様子を綴ったエッセイ。
鈴木書店。
実は僕、書店員時代に毎朝行っていました。
注文があった本の短冊を渡し時々自分でも本を探し、
さらには書店より安い卸値でしかも発売前に本を買っていた。
家の片づけ物をしていた時ふと目に留まったこの本。
当時が懐かしくなり、読み返しました。
しかし、やっぱり30年の月日は長い。
この本が著されたおよそ30年前と僕が書店員だった20年前では
まだあまり世の中が変わっておらず、ここで書かれていることの
多くはそのままの感覚で通じたものでした。
しかしその後ネット時代が訪れ、本を取り巻く環境が大きく変わった。
今や本が売れなくなり、書店の数は当時の半分。
取次の鈴木書店も数年前に店をたたんだとニュースで見て、
僕はかなりのショックを受けたことも思い出しました。
本を取り巻く状況の変化でもうひとつ大きく変わったのは、調べもの。
今はネットで誰もが簡単にすぐに調べられますが、この本では、
本の版型つまり形や大きさについての考察の章で、調べものを
するのに図書館に通ったりたまたま読んだ本に情報があったりと、
結論に行き着くまで日数を費やしていることが記されています。
そうだよなあ、昔はそうだった。
本や新聞テレビやラジオなどでたまたま行き当たった情報の
なんと嬉しくありがたかったことか。
調べものに関しては便利になったし僕もBLOGで活用しているので
昔の方がよかったとは言わ(え)ないですが、でも、
そういう部分もまた懐かしくもありました。
もうひとつ興味深い、井狩さんの慧眼とでもいうか。
古書の話、希少本などが欲しいという人と持っていて売りたい人が
つながればいいというのは、今まさにネット通販やオークションなどで
個人間で売買できるようになり、井狩さんの思いが実った。
この部分に関しては井狩さんも喜んでいるのではないかと。
しかし皮肉ですね、本の勢いをそいだネットのおかげで、
本と人がつながっていくというのも。
この本は1990年代書店最後の輝きの時代を知っている、
40歳くらいまでの本好きの人なら共感を得られるでしょうけれど、
ネット時代以降に生まれ育った人には実感が伴わない、
単なる昔話、おとぎ話としか映らないかもしれないですね。
その証拠にというか、この本は僕が読んだちくま文庫とは別の
版元から2003年に刊行されましたが(僕は今回まで知らなかった)、
新品はもう流通しておらず、Amazonの古本の価格も1円からで、
あまり興味を持たれていないのかなと思いました。
まあだから敢えて僕は取り上げるのですが、読了したし。
でも、そういう時代の記録としては意味がある1冊だと思います。
ところで、僕は鈴木書店に毎日のように行き、ここでも紹介される
井狩さんが手書きで毎日書いていた「まるすニュース」も毎号
読んでいたのに、井狩さんご本人とは一度もお会いしたことがない。
店同士お付き合いがあったのだから(しかもお得意様)、一度くらい、
井狩さんと話させてくださいと言ってみてもよかったのかな。
そこが今となっては残念でならない部分です。
☆4冊目
絵本たんけん隊
椎名誠
角川文庫
椎名誠が1990年代後半、表参道の教会で2か月に一度行っていた
絵本に関する講演を書籍にまとめたもの。
椎名さんは子どもさんが小さい頃に毎晩絵本を読んであげていたり、
奥さんも絵本を著したりと絵本に詳しい、ということを僕は
知っていましたが、それが本にまとまっているのは知らなかった。
といってこれ買ったのもう半年以上前ですが、漸く読みました。
内容については講演を文章にしているので余計に漢字が少なく
平易な文章で書かれていて読みやすかった。
話で触れた絵本やその他書籍が各章の最後に写真付きで
まとめて紹介されているのはブックガイドとしても役に立ちます。
いいですね、文庫だし、本としては。
でも。
本って、自分の考えと違う、ぶつかる人の本を読むというのは
それはそれで刺激的であると思いました。
椎名さん僕は昔は愛読者であり、根本的な部分で
考え方が違うとまではいかないのですが、でも昔は
気にならなかった部分が妙に気になったり。
こちらが変わったのかな。
とにかく日本を貶めて海外がいいという姿勢に、
今の僕は共感できないし、かつてもそうではなかったような。
そりゃ椎名さんは世界を広く見てきた人でもあり世代的にも
そうなるのでしょうけれど、でも、昔と変わらない椎名さんの
書き方ものの言い方が、今は引っかかる。
ひとつの例として、フランスでは食事の時にも平気で「下」の話、
排泄物の話をするのが当たり前だけど日本では
そういう話はご法度となっている、おかしくないか、という話。
おかしくない。
僕はやっぱり、そういう話を食事中にはされたくないです。
だってそういう国で生まれ育って躾けられたのだから。
おまけに僕は外国を知らないし。
そもそも僕は食事中ではなくてもスカトロ系のそういう話自体が
苦手というか嫌いでもあるし。
食べたら出るのは生き物で以上当たり前であるという考えは
理解できますが、それとこれとは話が別ではないかと。
もうひとつ、椎名さんで昔から気になっていたことが。
AとBはどっちがエライ、という話を椎名さんは極めてよくします。
先に挙げた例でも、日本よりフランスがエライ、といったように。
しかしこれ、この本では、椎名さんはそうやって物事を比べて
ランク付けしてしまう癖があると自ら書いていて、
ああそれは意識してのことだったんだって分かりました。
つまり僕は椎名さんに乗せられていたというわけなんですね。
この中でも椎名さんの本が幾つか紹介されていますが、
やっぱりこの人の本は今後も折を見て読み返していくだろうな
ということを思いました。
続いて購入して読んでいない本の紹介。
「積読」にはしたくない・・・(笑)。
☆
糖質量ハンドブック 改訂版(7訂)
牧田善二
新星出版社
以前僕は、体重が2年間で10kg以上減ったと話しました。
最近、体重が下げ止まってきました。
お正月には逆に1kg増えたり・・・
今の体を維持するにはそれだけ必要というレベルまで
落ちたということなのかな。
いや、でもそこで安心してはいけないと思い直し、
またもう少し考えてみようと思いこの本を買いました。
これで塩分に加えて糖分の本も揃ったわけですが、
読むというよりパラパラと見て覚えて意識してゆくものですね。
だから読了の方には入れなかったのですが、
結局僕は本がないと動けないのかな、と・・・(笑)。
☆
夏井いつきの365日季語手帖
夏井いつき
マルコボ・コム
もやはすっかり有名人「赤ペン先生」夏井さん。
NHK俳句でも季語に力を入れていますが、
この本も出ていることが分かってすぐに注文しました。
季語に沿った例句も紹介されていてもちろん勉強にもなる。
応募葉書がついていて、来年のこの本に掲載される可能性もある。
うまいですね、毎年買わなければ、と思う(笑)。
で、これといい「笑う」といい、僕が書店員時代にはなかった、
知らない出版社が増えたなあ、と井狩さんの本を読んだだけ
余計にそう思いました、とこれは余談。
続いて
【guitarbirdの書架より】
☆
シーラカンスの謎
キス・トムソン/清水長(訳)
河出書房新社
☆
オウムガイの謎
ピーター・D・ウォード/小畠郁生(訳)
河出書房新社
2冊紹介。
実は、恥ずかしい話ですが、家の中を整理し模様替えを
していますが、これらの本が入ったキャスター付きの書棚が、
ここ数年普段は見えない状態の場所に置いてあったのです。
自然科学関係の本を集めていた棚で、見える場所に
置いたところ、もう宝の山というか、嬉しい本たちと再会。
やっぱり僕はこの手の本が大好きなようですね。
時間を割いて再読もしくは未読の本を読んでゆきたい。
これら2冊はもう15年以上前に読了しました。
どちらも「生きた化石」、その存在が明らかになる経緯の話は
臨場感があり読んでいてスリリングなものでした。
オウムガイといえばシチズン腕時計ATTESAにはかつて
オウムガイのイラストが文字盤にデザインされていて
僕も愛用しているのですが、現行モデルいはないんですよね。
またヤフオクで探して腕時計欲しくなってしまいました(笑)。
02

「オウムガイの謎」のみAmazonのリンクに
写真がなかったので、ポーラと一緒に撮りました。
四六版ハードカバーの本も
そういえば久しく読んでいないかも。
今月は短かった割には結構読めました。
来月は3日増えるので、もう1、2冊読みたいですね。
では最後はハウとマーサの2ショットで終わります。
03

2017年01月30日
今月の読書2017年1月号
01

今月の読書です。
今月は2冊。
お正月休みがあった割には少なかった。
2冊だと記事にするのもためらわれますが
今月はどうしてもお伝えしたいことがあるので
あえて記事にしました。
ではいきます。
☆1冊目
日本人のための日本語文法入門
原沢 伊都夫
講談社現代新書
日本語って不思議ですよね。
いや外国の人も母国語についてそう感じるのかもしれないけれど、
僕たち普通に使っている日本語も、実は決まりのようなものがあり、
半ば無意識にその決まりを意識して自ら話し人の話を聞く。
この本は話し手と聞き手の心を中心に文法を読み解くもので、
そういうことだったのかと納得させられること多数。
帯の文句を書き出してみます。
言葉に込められた日本人の心を読む
●日本語に主語は必要か?
●「は」と「が」はどこが違う?
●受身文に秘められた日本人の世界観とは?
●「私を生んで、ありがとう」はなぜおかしい?
●「ら抜き言葉」「さ入れ言葉」の真相は?
僕が特に目から鱗だったのは第3章
「自動詞」と「他動詞」の文化論
英語を学ぶと出てくる「自動詞」と「他動詞」。
例えばこのように(下線部)
電気が消える。=「自動詞」
電気を消す。=「他動詞」
「自動詞」は自然中心、「他動詞」は人間中心の動詞である、
という説明がなされて僕は膝を9回くらい打ちました。
その他、各章の見出しだけ書き出します。
第1章 学校で教えられない「日本語文法」
第2章 「主題と解説」という構造
第3章 「自動詞」と「他動詞」の文化論
第4章 日本人の心を表す「ボイス」
第5章 動詞の表現を豊かにする「アスペクト」
第6章 過去・現在・未来の意識「テンス」
第7章 文を完結する「ムード」の役割
第8章 より高度な文へ、「複文」
そしてこの本を読み進めれば進めるほど、こんなことを
無意識に頭の中で瞬時に処理しながら話している人間の脳って
なんて不思議なんだろうと思ったのです。
分かっていることなのに簡単には説明がつかない。
読むまでは単に日本語についてもっと知りたいだけでしたがm
読み終わると結局は人間考察をしていた、というわけですね。
もちろん教科書的ではなく日本語のツボを押さえた本が
傍にあればと思っている、そこにも叶う本でした。
余談ですが、著者は学校における国語教育についても幾つか
疑問を呈しているのは、「やっぱり」、と思いました。
いい本です。
☆2冊目
アイドル女優に乾杯! 本音を申せば10
小林信彦
文春文庫
1月といえば小林信彦のこの文庫、もう風物詩になりました。
いつものように「週刊文春」の連載をまとめたもので、
今回は2013年、文庫になるまで4年かかるわけですね。
この年はなんといっても「あまちゃん」、小林信彦さんも
何度もページを割いて絶賛しています。
「あまちゃん」はなぜ面白いか、小林信彦さんによれば、
1960年代にも日本で取り入れられ流行していたアメリカの
音楽エンターテインメントが下地にあるからだという。
なるほどそうですね。
もちろん小ネタに凝るとか他にも要素はあるのですが、
その頃テレビに関わっていた小林信彦さんならではの視点、
録画したものをまたあらためて観てみたいと思いました。
タイトルのごとく小林信彦さんは今でも若い女優を
熱心に追いかけていて、能年玲奈はもちろんのこと、
小島瑠璃子の写真集を買ったというくだりもあって、
正直僕は少々驚きました。
気持ちが若いですよね、この時でもう80歳ですよ。
僕なんてそれより30歳若いのに、最近は若い女優さんに
胸がときめかない。
そういう気持ちの若さはあっていい、いや必要なのかも、
と自分自身に振り返って考えさせられました。
他、ヒット作ではない洋画中心の映画の話題が増えています。
これはその映画を好きだったり観たことがあったり観たい
というのではなければ「へえそうなんだ」で終わってしまいますが、
でもこれは映画の話として貴重ではあります。
小林信彦さんは常々日本の映画を取り巻く環境について
疑問を呈し不満を述べています。
要は「ほんとうにいい作品」」が分かる人が少ない、と。
そんな思いがあって、どうしても文字として書き留めて後世に
残したいという思いが強くなっているのでしょうね。
読んでいて正直健康の不安を口にされるとこちらも不安になる。
どうかまだまだ書き続けてください、と今年も思いました。
続いて【guitarbirdの書架より】
☆
2010年宇宙の旅
アーサー・C・クラーク/伊藤典夫(訳)
早川書房(ハヤカワ文庫SF)
家の中を整理していて久し振りに目にしたので紹介します。
名画『2001年:宇宙の旅』の続編として書かれたもので、
後に映画化されています。
2001年は小説では土星が目的地であったのが映画では木星に
変更されていますが、2010年では映画の方に合わせ、
木星を舞台とした話として進行してゆきます。
大学時代、長い通学電車の中でまずは2001年の文庫を読み、
続けて当時はまだ単行本だけだった2010年を読みましたが、
小説としては2010年の方が面白かった。
映画では2010年には2001年のような張り詰めた空気感がなく、
面白いけれど全く別物という仕上がりではあるのですが。
(ただ映画2010年は期待値が低かったので意外と面白かった)。
しかし。
ではなぜ、どこがどう面白かったのか。
それが言えない、思い出せません。
それじゃあ書評にならないじゃんとお嘆きの貴方。
すいません、ここは書評ではないと言い張ってみても虚しいだけ・・・
読んだのはもう30年近く前、久しぶりに読もうかな、文庫もあるし。
というわけで読み直すか。
☆
虫たちの越冬戦略 ~昆虫はどうやって寒さに耐えるか
朝比奈英三
北海道大学出版会
雪の上にもガガンボやトビケラの仲間がいます。
昆虫は寒いと動けないという固定概念をあざ笑うかのように
自由に雪の上を動き回るそれらを見ると、毎年この本を開きます。
他にも凍結対策など、昆虫はただ隠れて冬眠するだけではなく、
様々な方法で越冬していることに感動を覚えます。
そしてこの本があってよかった。
自然系の本を1冊は入れなければという使命感もあって、
今月はこの本を書架から出してきました。
続いて「積読」、購入して未読の本の紹介。
☆
笑う洋楽展
みうらじゅん
マイクロマガジン社
こんな本が昨年10月に出ていたんですね。
実は僕も今年に入って半月ほど前に知りました。
今はまだ注文中で手元にはないのですが、届き次第読んで
来月ここで取り上げます、これはお約束。
☆
じゅん散歩(ブルーガイド・ムック)
実業之日本社
テレビの本をもう1冊。
これも届いたばかりでまだ開いていませんが、
番組の楽しさがどこまで再現されているかな。
やっぱり高田純次のあの語りがあっての番組だから。
読んでみますか。
☆
方丈記
鴨長明/浅見和彦(訳)
ちくま学芸文庫
この本はもう3年くらい「積読」です。
丸谷才一さんが何かで触れていたのを読み、そういえば
学校で出た以上は読んだことがないと思って購入したもの。
うまい具合にちくま学芸文庫から出ているし。
ではなぜ今ここで取り上げたかというと・・・
そろそろ読むぞという決意のようなものです、はい(笑)。
★
今月は残念なお知らせをしなければなりません。
東京の僕の親友Hが経営している書店の1軒が
2月に閉店することになりました。
詳しく知りたい方はこちらのリンクの記事をご覧ください。
杉並区の西武線沿線に2軒あるうち
小さい方のお店1軒を閉めることになりました。
まちの小さな書店の存続問題についてはもう数年前から
言われてきたことであり、Hも僕が東京で会う度に厳しいと
言っていたのですが、でもこの日が現実に訪れるとは。
残念でならないですね。
僕はそこのお店で買ったことはないので、
何かが出来たかといわれれば悲しいかなNoですが。
残った本店でも書籍以外に力を入れてゆくとのことですが、
新たなまちの文化発信地点として賑わうことを願うばかり。
僕も次に東京に行ったらHの店で本を買うのが楽しみです。
まちの小さな書店がお近くにある方、
ぜひ、ぜひ、利用してくださいね。
と、Hに代わってのひとことでした。
03

2月は3日短い、でも読みたい。
読みたい本はたくさんあるけど・・・
明日は久し振りに雪かきかもしれません。
では、また!

今月の読書です。
今月は2冊。
お正月休みがあった割には少なかった。
2冊だと記事にするのもためらわれますが
今月はどうしてもお伝えしたいことがあるので
あえて記事にしました。
ではいきます。
☆1冊目
日本人のための日本語文法入門
原沢 伊都夫
講談社現代新書
日本語って不思議ですよね。
いや外国の人も母国語についてそう感じるのかもしれないけれど、
僕たち普通に使っている日本語も、実は決まりのようなものがあり、
半ば無意識にその決まりを意識して自ら話し人の話を聞く。
この本は話し手と聞き手の心を中心に文法を読み解くもので、
そういうことだったのかと納得させられること多数。
帯の文句を書き出してみます。
言葉に込められた日本人の心を読む
●日本語に主語は必要か?
●「は」と「が」はどこが違う?
●受身文に秘められた日本人の世界観とは?
●「私を生んで、ありがとう」はなぜおかしい?
●「ら抜き言葉」「さ入れ言葉」の真相は?
僕が特に目から鱗だったのは第3章
「自動詞」と「他動詞」の文化論
英語を学ぶと出てくる「自動詞」と「他動詞」。
例えばこのように(下線部)
電気が消える。=「自動詞」
電気を消す。=「他動詞」
「自動詞」は自然中心、「他動詞」は人間中心の動詞である、
という説明がなされて僕は膝を9回くらい打ちました。
その他、各章の見出しだけ書き出します。
第1章 学校で教えられない「日本語文法」
第2章 「主題と解説」という構造
第3章 「自動詞」と「他動詞」の文化論
第4章 日本人の心を表す「ボイス」
第5章 動詞の表現を豊かにする「アスペクト」
第6章 過去・現在・未来の意識「テンス」
第7章 文を完結する「ムード」の役割
第8章 より高度な文へ、「複文」
そしてこの本を読み進めれば進めるほど、こんなことを
無意識に頭の中で瞬時に処理しながら話している人間の脳って
なんて不思議なんだろうと思ったのです。
分かっていることなのに簡単には説明がつかない。
読むまでは単に日本語についてもっと知りたいだけでしたがm
読み終わると結局は人間考察をしていた、というわけですね。
もちろん教科書的ではなく日本語のツボを押さえた本が
傍にあればと思っている、そこにも叶う本でした。
余談ですが、著者は学校における国語教育についても幾つか
疑問を呈しているのは、「やっぱり」、と思いました。
いい本です。
☆2冊目
アイドル女優に乾杯! 本音を申せば10
小林信彦
文春文庫
1月といえば小林信彦のこの文庫、もう風物詩になりました。
いつものように「週刊文春」の連載をまとめたもので、
今回は2013年、文庫になるまで4年かかるわけですね。
この年はなんといっても「あまちゃん」、小林信彦さんも
何度もページを割いて絶賛しています。
「あまちゃん」はなぜ面白いか、小林信彦さんによれば、
1960年代にも日本で取り入れられ流行していたアメリカの
音楽エンターテインメントが下地にあるからだという。
なるほどそうですね。
もちろん小ネタに凝るとか他にも要素はあるのですが、
その頃テレビに関わっていた小林信彦さんならではの視点、
録画したものをまたあらためて観てみたいと思いました。
タイトルのごとく小林信彦さんは今でも若い女優を
熱心に追いかけていて、能年玲奈はもちろんのこと、
小島瑠璃子の写真集を買ったというくだりもあって、
正直僕は少々驚きました。
気持ちが若いですよね、この時でもう80歳ですよ。
僕なんてそれより30歳若いのに、最近は若い女優さんに
胸がときめかない。
そういう気持ちの若さはあっていい、いや必要なのかも、
と自分自身に振り返って考えさせられました。
他、ヒット作ではない洋画中心の映画の話題が増えています。
これはその映画を好きだったり観たことがあったり観たい
というのではなければ「へえそうなんだ」で終わってしまいますが、
でもこれは映画の話として貴重ではあります。
小林信彦さんは常々日本の映画を取り巻く環境について
疑問を呈し不満を述べています。
要は「ほんとうにいい作品」」が分かる人が少ない、と。
そんな思いがあって、どうしても文字として書き留めて後世に
残したいという思いが強くなっているのでしょうね。
読んでいて正直健康の不安を口にされるとこちらも不安になる。
どうかまだまだ書き続けてください、と今年も思いました。
続いて【guitarbirdの書架より】
☆
2010年宇宙の旅
アーサー・C・クラーク/伊藤典夫(訳)
早川書房(ハヤカワ文庫SF)
家の中を整理していて久し振りに目にしたので紹介します。
名画『2001年:宇宙の旅』の続編として書かれたもので、
後に映画化されています。
2001年は小説では土星が目的地であったのが映画では木星に
変更されていますが、2010年では映画の方に合わせ、
木星を舞台とした話として進行してゆきます。
大学時代、長い通学電車の中でまずは2001年の文庫を読み、
続けて当時はまだ単行本だけだった2010年を読みましたが、
小説としては2010年の方が面白かった。
映画では2010年には2001年のような張り詰めた空気感がなく、
面白いけれど全く別物という仕上がりではあるのですが。
(ただ映画2010年は期待値が低かったので意外と面白かった)。
しかし。
ではなぜ、どこがどう面白かったのか。
それが言えない、思い出せません。
それじゃあ書評にならないじゃんとお嘆きの貴方。
すいません、ここは書評ではないと言い張ってみても虚しいだけ・・・
読んだのはもう30年近く前、久しぶりに読もうかな、文庫もあるし。
というわけで読み直すか。
☆
虫たちの越冬戦略 ~昆虫はどうやって寒さに耐えるか
朝比奈英三
北海道大学出版会
雪の上にもガガンボやトビケラの仲間がいます。
昆虫は寒いと動けないという固定概念をあざ笑うかのように
自由に雪の上を動き回るそれらを見ると、毎年この本を開きます。
他にも凍結対策など、昆虫はただ隠れて冬眠するだけではなく、
様々な方法で越冬していることに感動を覚えます。
そしてこの本があってよかった。
自然系の本を1冊は入れなければという使命感もあって、
今月はこの本を書架から出してきました。
続いて「積読」、購入して未読の本の紹介。
☆
笑う洋楽展
みうらじゅん
マイクロマガジン社
こんな本が昨年10月に出ていたんですね。
実は僕も今年に入って半月ほど前に知りました。
今はまだ注文中で手元にはないのですが、届き次第読んで
来月ここで取り上げます、これはお約束。
☆
じゅん散歩(ブルーガイド・ムック)
実業之日本社
テレビの本をもう1冊。
これも届いたばかりでまだ開いていませんが、
番組の楽しさがどこまで再現されているかな。
やっぱり高田純次のあの語りがあっての番組だから。
読んでみますか。
☆
方丈記
鴨長明/浅見和彦(訳)
ちくま学芸文庫
この本はもう3年くらい「積読」です。
丸谷才一さんが何かで触れていたのを読み、そういえば
学校で出た以上は読んだことがないと思って購入したもの。
うまい具合にちくま学芸文庫から出ているし。
ではなぜ今ここで取り上げたかというと・・・
そろそろ読むぞという決意のようなものです、はい(笑)。
★
今月は残念なお知らせをしなければなりません。
東京の僕の親友Hが経営している書店の1軒が
2月に閉店することになりました。
詳しく知りたい方はこちらのリンクの記事をご覧ください。
杉並区の西武線沿線に2軒あるうち
小さい方のお店1軒を閉めることになりました。
まちの小さな書店の存続問題についてはもう数年前から
言われてきたことであり、Hも僕が東京で会う度に厳しいと
言っていたのですが、でもこの日が現実に訪れるとは。
残念でならないですね。
僕はそこのお店で買ったことはないので、
何かが出来たかといわれれば悲しいかなNoですが。
残った本店でも書籍以外に力を入れてゆくとのことですが、
新たなまちの文化発信地点として賑わうことを願うばかり。
僕も次に東京に行ったらHの店で本を買うのが楽しみです。
まちの小さな書店がお近くにある方、
ぜひ、ぜひ、利用してくださいね。
と、Hに代わってのひとことでした。
03

2月は3日短い、でも読みたい。
読みたい本はたくさんあるけど・・・
明日は久し振りに雪かきかもしれません。
では、また!
2016年12月28日
今月の読書2016年12月号
01

今月の読書の記事です。
気がつくと28日。
今日上げないと、12月は月末に加えて年末の記事もあるから。
今月は3冊読了、他も紹介、早速行きます。
☆1冊目
コーヒーの科学
旦部幸博
講談社ブルーバックス
最近またよくコーヒーを飲むようになりました。
外で飲む機会が増えるのに連れ、家でも粉から
ドリップして飲むことが多くなりました。
まあその粉はもう3年くらい或いはもっと前からあるもので、
通の人から見れば、いや普通の人からでもとうに賞味期限切れ
という代物なのですが、コーヒーに新たに興味が高まったことで、
その粉を早くなくしてしまって新しい粉を買いたい、
というのもあるんですね、はい。
そんな折、夏前に書店で見つけて買っておいたこの本を思い出し、
ようやく読んだというわけ。
この本、ひとことでいえば「看板に偽りまったくなし」
コーヒーがなぜおいしいかをほんとうに科学的に分析しています。
しかも植物としてのコーヒーを生物学的、豆の味の要素を化学的、
そして焙煎や抽出を物理学的と、科学全方位的にコーヒーを
分析しているというからとんでもなく優れた本。
最後は医学的な考察も付け加えられていますが、これは
はっきり言ってしまうことはできないし個人差があるものなので、
参考程度に読めるものです(それでも十分ためになりましたが)。
植物好きの僕としては最初のコーヒーという植物の話が
とっても興味深く面白く読めました。
コーヒーはアカネ科の樹木、というのはご存知でしたか?
僕はちょっと前に別の本で知りましたが知らないも同然でした。
アカネ科って身近なものではクルマバソウやオククルマムグラ、
でも札幌ではそれ以外はあまりお目にかからない。
それが植物界全体では4番目に種数が多いと聞いて驚いた。
(ちなみにTop3は順にキク科、マメ科、ラン科)。
南方系の植物が多いみたいですね、どうりで。
コーヒーの産地の話も面白かった。
スリランカはかつてコーヒーの大産地でしたが、18世紀に
コーヒーの木が病で全滅してしまい、代わりに植えたのが
チャノキ=紅茶、それが成功して世界の大産地になったという話。
ちょっと以上にへえのトリビアですね。
そして個人的に嬉しいのは、僕がかつて住んでいた台東区にある
カフェ「バッハ」の田口護さんの話が何度か出てくること。
著者も田口さんを師と仰ぐひとりであり、日本のコーヒー界に
確固たる思想をもたらしたのは田口さんの功績であるという。
僕は小6の頃に一度お話をしたことがあるのですが、
向こうはもう覚えていないだろうなあ。
でも父はよく店に行っていたそうで、その息子といえば通じるかな。
また東京に行って「バッハ」に行きたくなりました。
ともかく、コーヒー好きには一度は読んでいただきたい本ですね。
僕もここであらためてコーヒー好きを宣言したいと思います。
☆2冊目
クリスマス・ウォッチング
デズモンド・モリス/屋代通子(訳)
扶桑社
12月、クリスマスが近づき、そもそもクリスマスって何だろうと
知りたくなってネットで検索したところ、動物行動学者でもあり、
動物としての人間観察が得意なデズモンド・モリスが書いた
本が出ていることが分かって古本で即注文。
もう20年ほど前に出た本で今は品切れ(絶版)。
すぐに読み始めましたが、先に本として話すと、53の事象について
1から6ページで簡潔に楽しく説明していて読みやすい。
1.なぜわたしたちは12月25日にクリスマスを祝うのか?
から始まり、サンタクロース、靴下、七面鳥、ヤドリギなど、
クリスマスで目にするおよそのことが説明されていて目から鱗。
来年以降も目を通すことでしょう。
はしがきで思いました。
日本人の多くはクリスチャンでもないのにクリスマスを祝う、
いや正しくはクリスマスを楽しむことが定着している。
何を隠そう無宗教の僕でもそうですから。
しかしこれについてやっぱり多少の罪悪感のようなものはあるし、
ネットでもクリスチャンじゃないくせにという意見がいまだに多い。
ところが、欧米でも、一部の敬虔なクリスチャンはもちろん
宗教儀式としてのクリスマスを過ごすものの、多くの人は
クリスマスの名を語る「商業主義」に乗せられているのだという。
へえ、そうなんだ。
そう思うと気が楽になり、よりクリスマスが楽しめますね(笑)。
そもそも今あるクリスマスというのは、すべてがキリスト教に
由来するものではなく、北欧などの話から採り入れたれたものが
多いというのも知らなかった、なるほどと思いました。
サンタクロースについての興味深い話を2点。
先ず、サンタクロースにはモデルとなる実在の人物がいて、
紀元280年に生まれたニコラウス司教がその人。
ニコラウス司教は貧しい人に物を供していたことが
プレゼントを運ぶサンタクロースの話の元になりました。
しかし、サンタクロースは北欧の人というイメージですが、
ニコラウス司教がいた場所は今のトルコになるという。
ちなみにサンタクロースがのるそりを引くトナカイは、
キリスト教とは別のフィンランドの言い伝えから採用されたもの。
そしてサンタクロースのあの赤と白の独特の服の由来。
これが実はまだ100年も経っていない、1937年、アメリカの
コカコーラ社が販売促進キャンペーンのマスコットとして
サンタクロースを採用し、その際にデザイナーに依頼して
赤白の服を着せ、それが世界的に広まり定着したとのこと。
それまでのサンタクロースは、残された絵などから見ると
服装はまちまちで、緑だったり茶色だったりレザージャケット
のようなものだったりしたそうです。
確かに赤と白はコカコーラのイメージカラーですね。
その他、なぜ靴下なのか(ニコラウス司教に由来する)、
なぜポインセチアなのか(メキシコから広まった)、など、
この本を読むとクリスマスで身の周りにあるものの
由来が分かって楽しくなること間違いなし。
イヴの日に紹介したケーキの「ビッシュ」も実は、
クリスマスに燃やす大きな薪を元にフランスで考案された
お菓子である、と、食べる前日にこの本で読んでいて、
ああなるほどと大きく肯いたものでした(笑)。
しかし、この素晴らしい本がもう20年も絶版状態で、
古本でしか手に入らないというのが惜しい。
どこかの出版社で文庫を出すとそこそこ売れそうですけどね。
本質的な部分を書いているので内容も古くはないし。
余談、この本はAmazonの古本で買いましたが、
状態が「よい」だったものの、実際に届いて開封すると
帯付でとってもきれいで感動しました。
この状態で「非常によい」で出しても文句は出ないくらい。
あまりにも感動したので敢えて名前を挙げさせTいただくと、
「もったいない本舗」さんでした、ありがとうございます。
☆3冊目
超辛口先生の赤ペン俳句教室
夏井いつき
朝日出版社
この秋から、「プレバト」という番組を録画で観ています。
ダウンタウンの浜ちゃんが司会のこの番組、芸能人や
スポーツ選手が日本の伝統文化を実践し学びながら
先生に採点してもらうというもので、その中に俳句もあります。
芸能人が俳句に挑戦、ひねった句の点数により、
「才能あり」「凡人」「才能なし」と分類される。
そのコーナーの「赤ペン先生」が夏井いつきさんですが、
この人こんなに喋りが面白かったのかと最初驚きました。
あの浜ちゃんともやり合えるくらいだから。
あとがきにありますが、夏井さんはとにかく俳句のすそ野を
広げるためにこの役割を引き受けたものの、最初は赤ペンすら
入れたくないひどい句を詠む芸能人もいたそうですね。
一方で上手い人もいて、何度か「才能あり」になると有段者になる
というもので、梅沢富美男、三遊亭圓楽、ミッツ・マングローブ等。
ミッツさんはNHKの俳句の番組にも出ているように俳句が好きで、
そう聞くと3人とも納得の人たち。
(実は僕はミッツ・マングローブをこの番組で初めて見ました)。
この本はそこで作られた俳句を例題に、初心者向けに
俳句のコツを赤ペンを入れながら教えていくというもので、
いわゆる「メディアミックス」のよい例ではありますね。
ほんとうに要点をついていて分かりやすい。
書かれていることは、一応僕はクリアしているのですが、
でも確認のためにまたここで読んだのは有意義でした。
面白いのは、俳句らしく作るカタが最後に紹介されていること。
ここで密かに、ではないけれど(笑)初回すると、俳句の
五七五のうち五+七の十二音で自分流の韻律がよくて
楽しいフレーズを作り、最後その十二音のフレーズに合った
五音の季語を探してつける、というもの。
十二音は「上五」「中七」でも「中七」「下五」でもいい。
ただしこの「合った」というのがひねりどころでして、
十二音の流れをそのままフォローする自然なものか、
取り合わせの妙で違う要素を入れてはっとさせる効果を狙うのか、
そこは個人の考えがよく出るところかもしれない。
で、実はですね、27日の「なめろう」の記事で詠んだ句は、
これをそのままやってみたものなんですね、一応もう一度書くと、
なめろうの箸より滑る年の暮 樹翔
ね、いつもの僕の句よりも俳句らしいでしょ(笑)。
コツはコツとして覚えておくといいし、それが分かったのは
この本を読んでよかったところです、はい。
最後に、この本で紹介されている芸能人やスポーツ選手が詠んだ
中で僕がいちばん気に入った句を紹介します。
花火果て星のひとつを探し行く 杉山愛
花火が終わり、ふと見上げるとそこには星がある。
探しているのはデネブでしょうかね、アルタイルかな。
とっても気に入りました。
杉山愛さんは他にも一句が秀句として紹介されていたので、
「才能あり」なのでしょうね。
さて、今月は読了3冊と書きましたが、実際は4冊。
もう1冊は既読を読み返したものだから、
【guitarbirdの書架より】
として紹介します。
☆
クレーの絵本
谷川俊太郎
講談社
ここふた月くらいの間に、僕の周りの別の3人から
谷川俊太郎さんの名前が次々と出てきたのを聞いて、
そうだこれをまた読み返そうと思って出してきました。
この本はパウル・クレーの絵に谷川俊太郎さんが詩をつける
というまあ企画ものですが、どちらも楽しめて
ちょっとしたアート気分を味わえるのがいいところ。
僕が気に入った詩を書いてみます。
黒い王様 谷川俊太郎
おなかをすかせたこどもは
おなかがすいているのでかなしかった
おなかがいっぱいのおうさまは
おなかがいっぱいなのでかなしかった
こどもはかぜのおとをきいた
おうさまはおんがくをきいた
ふたりともめになみだをうかべて
おなじひとつのはしのうえで
ひとつ前の夏井いつきさんの本に絡めて、
「赤ペン先生」は番組でよく「詩がある・詩がない」
という表現を使います。
そうです俳句も「詩」であり、「詩心」があるほうがいい。
僕もそこに気づきました。
だからこの本を今読み返したのはちょうどよかった。
谷川俊太郎さんは岩波文庫の自選詩集もあるので、
少しずつ読んでゆこうと思いました。
続いて「積読」、購入して未読の本の紹介。
☆
日本語で一番大事なもの
大野晋・丸谷才一
中公文庫
丸谷さんの文庫新刊が久し振りに出ました。
でもこれは改版、新しい内容のものではありません。
まあしかし買うのですけどね。
これを買ってきれいに保存して、古い方を読むかな。
なんて、読むなら新しいのを読みますが。
☆
ねこ検定 公式ガイドBOOK
神保町にゃんこ堂
廣済堂ベストムック 346号
この秋から猫とお近づきになり、猫への興味が増してきました。
そんな折に書店で見つけたのがこの本。
「この1冊で猫のすべてが分かる」とは、
猫をまるで知らなかった僕にはまさにうってつけ。
その上著者が「神保町にゃんこ堂」
神保町は僕が20代を過ごした街ですからね、
その文字を見るだけで無意識に反応してしまう。
これは買うしかない。
ところがまだぜんぜん読んでいないので、今回は
未読の本(ムック)として紹介させていただきます。
今度東京に行ったら「神保町にゃんこ堂」に行ってみないと。
☆
藤井旭の天文年鑑 2017年版
藤井旭
誠文堂新光社
毎年12月に新年度版を買っていて今年で4年目。
僕のようなちょっとばかり興味があるけど本格的ではない、
という人にはこの本は必携といえますね。
来年度の天体ショーの見どころが「見ものがいっぱい!」
として表紙にあるので書き出してみます。
4月1日 アルデバランの食
7月25日 水星の食
8月8日 部分月食
10月17日 土星環が最も開く
11月12日 レグルスの食
土星を見たいですね。
☆
文庫手帳2017
安野光雅(絵)
ちくま文庫
そして毎年購入しているものといえばこれ。
実は過去3年分は何も書き込んでいません。
もったいないからというよりは、手帳をあまり使わないので・・・
しかし来年から使うことにしよう、と、今は思っています。
今月は文芸ものが少ないですかね、読了も未読も。
小説はまた今月も読めなかったし。
正月休みには小説をと、毎年思うのですが、来年はどうだろう。
年末ですが、この記事はその年のまとめなどをしないで
毎年来ているので、今回も特にシメもまとめもせず、
このまま終わりたいと思います。
そうそう、3ショットはもう1枚ありますよ。
02

本を読むには眩しすぎる!

今月の読書の記事です。
気がつくと28日。
今日上げないと、12月は月末に加えて年末の記事もあるから。
今月は3冊読了、他も紹介、早速行きます。
☆1冊目
コーヒーの科学
旦部幸博
講談社ブルーバックス
最近またよくコーヒーを飲むようになりました。
外で飲む機会が増えるのに連れ、家でも粉から
ドリップして飲むことが多くなりました。
まあその粉はもう3年くらい或いはもっと前からあるもので、
通の人から見れば、いや普通の人からでもとうに賞味期限切れ
という代物なのですが、コーヒーに新たに興味が高まったことで、
その粉を早くなくしてしまって新しい粉を買いたい、
というのもあるんですね、はい。
そんな折、夏前に書店で見つけて買っておいたこの本を思い出し、
ようやく読んだというわけ。
この本、ひとことでいえば「看板に偽りまったくなし」
コーヒーがなぜおいしいかをほんとうに科学的に分析しています。
しかも植物としてのコーヒーを生物学的、豆の味の要素を化学的、
そして焙煎や抽出を物理学的と、科学全方位的にコーヒーを
分析しているというからとんでもなく優れた本。
最後は医学的な考察も付け加えられていますが、これは
はっきり言ってしまうことはできないし個人差があるものなので、
参考程度に読めるものです(それでも十分ためになりましたが)。
植物好きの僕としては最初のコーヒーという植物の話が
とっても興味深く面白く読めました。
コーヒーはアカネ科の樹木、というのはご存知でしたか?
僕はちょっと前に別の本で知りましたが知らないも同然でした。
アカネ科って身近なものではクルマバソウやオククルマムグラ、
でも札幌ではそれ以外はあまりお目にかからない。
それが植物界全体では4番目に種数が多いと聞いて驚いた。
(ちなみにTop3は順にキク科、マメ科、ラン科)。
南方系の植物が多いみたいですね、どうりで。
コーヒーの産地の話も面白かった。
スリランカはかつてコーヒーの大産地でしたが、18世紀に
コーヒーの木が病で全滅してしまい、代わりに植えたのが
チャノキ=紅茶、それが成功して世界の大産地になったという話。
ちょっと以上にへえのトリビアですね。
そして個人的に嬉しいのは、僕がかつて住んでいた台東区にある
カフェ「バッハ」の田口護さんの話が何度か出てくること。
著者も田口さんを師と仰ぐひとりであり、日本のコーヒー界に
確固たる思想をもたらしたのは田口さんの功績であるという。
僕は小6の頃に一度お話をしたことがあるのですが、
向こうはもう覚えていないだろうなあ。
でも父はよく店に行っていたそうで、その息子といえば通じるかな。
また東京に行って「バッハ」に行きたくなりました。
ともかく、コーヒー好きには一度は読んでいただきたい本ですね。
僕もここであらためてコーヒー好きを宣言したいと思います。
☆2冊目
クリスマス・ウォッチング
デズモンド・モリス/屋代通子(訳)
扶桑社
12月、クリスマスが近づき、そもそもクリスマスって何だろうと
知りたくなってネットで検索したところ、動物行動学者でもあり、
動物としての人間観察が得意なデズモンド・モリスが書いた
本が出ていることが分かって古本で即注文。
もう20年ほど前に出た本で今は品切れ(絶版)。
すぐに読み始めましたが、先に本として話すと、53の事象について
1から6ページで簡潔に楽しく説明していて読みやすい。
1.なぜわたしたちは12月25日にクリスマスを祝うのか?
から始まり、サンタクロース、靴下、七面鳥、ヤドリギなど、
クリスマスで目にするおよそのことが説明されていて目から鱗。
来年以降も目を通すことでしょう。
はしがきで思いました。
日本人の多くはクリスチャンでもないのにクリスマスを祝う、
いや正しくはクリスマスを楽しむことが定着している。
何を隠そう無宗教の僕でもそうですから。
しかしこれについてやっぱり多少の罪悪感のようなものはあるし、
ネットでもクリスチャンじゃないくせにという意見がいまだに多い。
ところが、欧米でも、一部の敬虔なクリスチャンはもちろん
宗教儀式としてのクリスマスを過ごすものの、多くの人は
クリスマスの名を語る「商業主義」に乗せられているのだという。
へえ、そうなんだ。
そう思うと気が楽になり、よりクリスマスが楽しめますね(笑)。
そもそも今あるクリスマスというのは、すべてがキリスト教に
由来するものではなく、北欧などの話から採り入れたれたものが
多いというのも知らなかった、なるほどと思いました。
サンタクロースについての興味深い話を2点。
先ず、サンタクロースにはモデルとなる実在の人物がいて、
紀元280年に生まれたニコラウス司教がその人。
ニコラウス司教は貧しい人に物を供していたことが
プレゼントを運ぶサンタクロースの話の元になりました。
しかし、サンタクロースは北欧の人というイメージですが、
ニコラウス司教がいた場所は今のトルコになるという。
ちなみにサンタクロースがのるそりを引くトナカイは、
キリスト教とは別のフィンランドの言い伝えから採用されたもの。
そしてサンタクロースのあの赤と白の独特の服の由来。
これが実はまだ100年も経っていない、1937年、アメリカの
コカコーラ社が販売促進キャンペーンのマスコットとして
サンタクロースを採用し、その際にデザイナーに依頼して
赤白の服を着せ、それが世界的に広まり定着したとのこと。
それまでのサンタクロースは、残された絵などから見ると
服装はまちまちで、緑だったり茶色だったりレザージャケット
のようなものだったりしたそうです。
確かに赤と白はコカコーラのイメージカラーですね。
その他、なぜ靴下なのか(ニコラウス司教に由来する)、
なぜポインセチアなのか(メキシコから広まった)、など、
この本を読むとクリスマスで身の周りにあるものの
由来が分かって楽しくなること間違いなし。
イヴの日に紹介したケーキの「ビッシュ」も実は、
クリスマスに燃やす大きな薪を元にフランスで考案された
お菓子である、と、食べる前日にこの本で読んでいて、
ああなるほどと大きく肯いたものでした(笑)。
しかし、この素晴らしい本がもう20年も絶版状態で、
古本でしか手に入らないというのが惜しい。
どこかの出版社で文庫を出すとそこそこ売れそうですけどね。
本質的な部分を書いているので内容も古くはないし。
余談、この本はAmazonの古本で買いましたが、
状態が「よい」だったものの、実際に届いて開封すると
帯付でとってもきれいで感動しました。
この状態で「非常によい」で出しても文句は出ないくらい。
あまりにも感動したので敢えて名前を挙げさせTいただくと、
「もったいない本舗」さんでした、ありがとうございます。
☆3冊目
超辛口先生の赤ペン俳句教室
夏井いつき
朝日出版社
この秋から、「プレバト」という番組を録画で観ています。
ダウンタウンの浜ちゃんが司会のこの番組、芸能人や
スポーツ選手が日本の伝統文化を実践し学びながら
先生に採点してもらうというもので、その中に俳句もあります。
芸能人が俳句に挑戦、ひねった句の点数により、
「才能あり」「凡人」「才能なし」と分類される。
そのコーナーの「赤ペン先生」が夏井いつきさんですが、
この人こんなに喋りが面白かったのかと最初驚きました。
あの浜ちゃんともやり合えるくらいだから。
あとがきにありますが、夏井さんはとにかく俳句のすそ野を
広げるためにこの役割を引き受けたものの、最初は赤ペンすら
入れたくないひどい句を詠む芸能人もいたそうですね。
一方で上手い人もいて、何度か「才能あり」になると有段者になる
というもので、梅沢富美男、三遊亭圓楽、ミッツ・マングローブ等。
ミッツさんはNHKの俳句の番組にも出ているように俳句が好きで、
そう聞くと3人とも納得の人たち。
(実は僕はミッツ・マングローブをこの番組で初めて見ました)。
この本はそこで作られた俳句を例題に、初心者向けに
俳句のコツを赤ペンを入れながら教えていくというもので、
いわゆる「メディアミックス」のよい例ではありますね。
ほんとうに要点をついていて分かりやすい。
書かれていることは、一応僕はクリアしているのですが、
でも確認のためにまたここで読んだのは有意義でした。
面白いのは、俳句らしく作るカタが最後に紹介されていること。
ここで密かに、ではないけれど(笑)初回すると、俳句の
五七五のうち五+七の十二音で自分流の韻律がよくて
楽しいフレーズを作り、最後その十二音のフレーズに合った
五音の季語を探してつける、というもの。
十二音は「上五」「中七」でも「中七」「下五」でもいい。
ただしこの「合った」というのがひねりどころでして、
十二音の流れをそのままフォローする自然なものか、
取り合わせの妙で違う要素を入れてはっとさせる効果を狙うのか、
そこは個人の考えがよく出るところかもしれない。
で、実はですね、27日の「なめろう」の記事で詠んだ句は、
これをそのままやってみたものなんですね、一応もう一度書くと、
なめろうの箸より滑る年の暮 樹翔
ね、いつもの僕の句よりも俳句らしいでしょ(笑)。
コツはコツとして覚えておくといいし、それが分かったのは
この本を読んでよかったところです、はい。
最後に、この本で紹介されている芸能人やスポーツ選手が詠んだ
中で僕がいちばん気に入った句を紹介します。
花火果て星のひとつを探し行く 杉山愛
花火が終わり、ふと見上げるとそこには星がある。
探しているのはデネブでしょうかね、アルタイルかな。
とっても気に入りました。
杉山愛さんは他にも一句が秀句として紹介されていたので、
「才能あり」なのでしょうね。
さて、今月は読了3冊と書きましたが、実際は4冊。
もう1冊は既読を読み返したものだから、
【guitarbirdの書架より】
として紹介します。
☆
クレーの絵本
谷川俊太郎
講談社
ここふた月くらいの間に、僕の周りの別の3人から
谷川俊太郎さんの名前が次々と出てきたのを聞いて、
そうだこれをまた読み返そうと思って出してきました。
この本はパウル・クレーの絵に谷川俊太郎さんが詩をつける
というまあ企画ものですが、どちらも楽しめて
ちょっとしたアート気分を味わえるのがいいところ。
僕が気に入った詩を書いてみます。
黒い王様 谷川俊太郎
おなかをすかせたこどもは
おなかがすいているのでかなしかった
おなかがいっぱいのおうさまは
おなかがいっぱいなのでかなしかった
こどもはかぜのおとをきいた
おうさまはおんがくをきいた
ふたりともめになみだをうかべて
おなじひとつのはしのうえで
ひとつ前の夏井いつきさんの本に絡めて、
「赤ペン先生」は番組でよく「詩がある・詩がない」
という表現を使います。
そうです俳句も「詩」であり、「詩心」があるほうがいい。
僕もそこに気づきました。
だからこの本を今読み返したのはちょうどよかった。
谷川俊太郎さんは岩波文庫の自選詩集もあるので、
少しずつ読んでゆこうと思いました。
続いて「積読」、購入して未読の本の紹介。
☆
日本語で一番大事なもの
大野晋・丸谷才一
中公文庫
丸谷さんの文庫新刊が久し振りに出ました。
でもこれは改版、新しい内容のものではありません。
まあしかし買うのですけどね。
これを買ってきれいに保存して、古い方を読むかな。
なんて、読むなら新しいのを読みますが。
☆
ねこ検定 公式ガイドBOOK
神保町にゃんこ堂
廣済堂ベストムック 346号
この秋から猫とお近づきになり、猫への興味が増してきました。
そんな折に書店で見つけたのがこの本。
「この1冊で猫のすべてが分かる」とは、
猫をまるで知らなかった僕にはまさにうってつけ。
その上著者が「神保町にゃんこ堂」
神保町は僕が20代を過ごした街ですからね、
その文字を見るだけで無意識に反応してしまう。
これは買うしかない。
ところがまだぜんぜん読んでいないので、今回は
未読の本(ムック)として紹介させていただきます。
今度東京に行ったら「神保町にゃんこ堂」に行ってみないと。
☆
藤井旭の天文年鑑 2017年版
藤井旭
誠文堂新光社
毎年12月に新年度版を買っていて今年で4年目。
僕のようなちょっとばかり興味があるけど本格的ではない、
という人にはこの本は必携といえますね。
来年度の天体ショーの見どころが「見ものがいっぱい!」
として表紙にあるので書き出してみます。
4月1日 アルデバランの食
7月25日 水星の食
8月8日 部分月食
10月17日 土星環が最も開く
11月12日 レグルスの食
土星を見たいですね。
☆
文庫手帳2017
安野光雅(絵)
ちくま文庫
そして毎年購入しているものといえばこれ。
実は過去3年分は何も書き込んでいません。
もったいないからというよりは、手帳をあまり使わないので・・・
しかし来年から使うことにしよう、と、今は思っています。
今月は文芸ものが少ないですかね、読了も未読も。
小説はまた今月も読めなかったし。
正月休みには小説をと、毎年思うのですが、来年はどうだろう。
年末ですが、この記事はその年のまとめなどをしないで
毎年来ているので、今回も特にシメもまとめもせず、
このまま終わりたいと思います。
そうそう、3ショットはもう1枚ありますよ。
02

本を読むには眩しすぎる!
2016年11月28日
今月の読書2016年11月号
01

今月の読書の記事。
先月はお休み、2カ月振り。
といって今月は劇的に増えているということもなく4冊。
ではいきます。
☆1冊目
新・風景ガイド 美瑛・富良野
高橋真澄
北海道新聞社
富良野美瑛撮影旅行の際に"Woman"が持って来た本で、
道中僕もぱらぱらと目を通していましたが、写真がきれいな上に
場所のガイドとして非常に有用なので僕も買い求めました。
高橋真澄さんは「青い池」を発見し広めた人だそうです。
ところで、この本は「美瑛・富良野」となっていますが、
僕は昔から「富良野美瑛」と言って書いてきたので、
この語順に最初はなじめませんでした。
高橋さんが美瑛在住だからというのもあるのでしょうけど、
実際に撮影に行ってみて、写真という観点でいえば、
美瑛の方が撮影地が多いのでそうなるのかなと納得しました。
あとは何度も行って撮るだけです。
まあ、時々行って撮るだけであればいい写真が撮れる
チャンスに恵まれる確率が低いことは分かっているのですが。
☆2冊目
外来種は本当に悪者か?
フレッド・ピアス/藤井留美(訳)
草思社
タイトルを見てはっと思われる方も多いかもしれない。
この問題は僕にとっても身近で考えさせられる部分があり、
本書の存在を知ってすぐに買い求めました。
読んでみてやはりいろいろと考えさせられました。
そもそも「外来種は自然なのか?」という考えが、
在来種を保全する活動などを行う側の人、ひいては
多くの人々の間にはあるのではないかと。
本書でまず紹介されるのは、南太平洋のアセンション島。
イメージだけでいえば「原始の自然」が残っている場所、
となるかもしれないですが、実はアセンション島は人間の手で
元々あった自然のほとんどが壊され、そこを利用する人間が
持ち込んだ外来の樹木が森をなすほどに育った場所なのです。
アフリカでもアマゾンでも、世界には「原始の自然」なんて
実はほとんどない、というのも著者の主張であって、実際に
そうした形跡が調査で見つかる場所もあるのだという。
ここでまず「外来種は悪者」という考えが揺らぎます。
英国の火力発電所の跡では、発電に使われた石炭の灰の山に
新たな「自然」が回復し、そこにも「外来種」が定着する一方、
「在来種」の希少な昆虫なども見られるようになった。
これは「外来種」がはげ山から「自然」を作り上げたことにより
「在来種」の生息にも適する環境になったことによるもの。
さらには、「在来種」といっても適応力が強い動植物は、
元々あった自然が壊された時に希少種=弱い種を押しのけて
入り込んで占領してしまうということもあって、「悪者」は
「外来種」だけではないという事例も紹介される。
そうですよね、例えばですが、知床半島では今キク科の
「在来種」ハンゴンソウが増えているそうですが、これは、
エゾシカが食べない植物であるために、餌とする他の植物が
減ったりなくなったところに入り込むことにより起った現象。
そもそも「外来種」といっても、人間活動に伴って入ってきたものは、
カヌーで海を渡っていた太古の時代からあったわけで、
人間がいる以上必ず発生するものだ、だからこれからは
「ニューワイルド」として外来種も受け入れていけるのではないか、
というのが著者の主張です。
と書いて、それをすんなりと受け入れられる人は多くないのでは。
僕もやっぱり、少なからぬ抵抗があります。
しかし著者の主張は、自然を、「種」という小さな枠ではなく、
地球上の環境として捉えて初めて理解できるのかもしれない。
「外来種」ではあっても「地球外」ではないのだから。
読み易い文章で内容も事例報告と解説がほとんどですが、
読み終わって残るものが大きく、考えさせられる1冊でした。
☆3冊目
快楽としての読書 日本篇
丸谷才一
ちくま文庫
久し振りの丸谷才一。
この本を読了するまで足かけ5カ月かかりました。
6月に病院の待ち時間で読み始め、いつものように
ゆっくりと読み進め、途中ひと月ほどまったく読まず、
10月に入ってまた読み進めて最後までたどり着きました。
すごい本。
本人は一言も触れていないけれど、日本に本格的な
書評なるものが定着したのは丸谷才一さんの功績が大きい。
最初に道をつけたのは週刊朝日だったが、そこに参加した
丸谷さんが、英国の書評を参考に文芸ジャンルとして
確立させるべくペンを走らせていたことが解説で紹介されていて、
あらためてすごい人だけど謙虚な人だったのだと分かりました。
いつも意識しているわけではないジャンルの本でも
読んでみたいと思わされる、これが書評なのでしょう。
また「評」であるからには「批評」も忘れてはならない。
丸谷さんは気に入った本でもよくない点を挙げてゆく。
批判の仕方が納得させられる。
本書の帯にはこのようなことが書かれています。
***
小説、エッセーから詩歌、批評、辞書や絵本まで、
読めば本屋さんまで走りたくなる
花やかな読書案内
決定版! 自選書評集
***
「はなやか」に「華」ではなく「花」という漢字を使っているのが、
謙虚な丸谷さんのイメージにつながる。
吉田秀和の『このディスクがいい*25選』があるのも嬉しい。
僕が読んだことがある本は5冊しかなかった。
後半では「書架」のコーナーとしてその5冊を紹介します。
やっぱり僕は丸谷さんの文章が大好き。
これはまだ「海外編」「ミステリー編」とあるので、
続けてどちらかを読み始めるつもりです。
読了はまた少し先になるでしょうけれど。
☆4冊目
俳句、はじめました
岸本葉子
角川ソフィア文庫
NHK教育、いや今はEテレというのか、ともかく
NHK「俳句講座」の司会を務める岸本葉子が、
自らが俳句を始めた頃の顛末を書き綴った1冊。
エッセイストの岸本さんはかつてテレビの取材で俳句に触れ、
自分でも詠むようになり、番組の司会を務めるようになった。
本書は岸本さんが句会に参加した様子を具に綴っていて、
どこがだめだったか、どういうことがよかったかといった体験が
説明されていて初心者の僕には(もう2年経っているけれど)
目から鱗、とっても親切な人であり本だと思いました。
中でも、句会で発表した句を推敲する過程が書かれていて、
この言葉だとイメージが違う、助詞ひとつでも捉え方が違う、
などなど、興味深いことが次々と書かれていたのがよかった。
しかし僕との絡みでいえば、やっぱり句会に参加して
他の人の評をいただくことでもっと前に進めるのだろうな
ということが分かり、やはり句会に参加しなければ、と。
俳句の技法を教えるものではないけれど、俳句の在り方など、
とっても勉強になる1冊であり、恥を忍んでこの本を著してくれた
岸本葉子さんに感謝の念を抱きました。
角川ソフィア文庫から出ている意味がよく分かりました。
しかし今この本がAmazonで新刊が買えないっていったい・・・
最近ほんとうに本の「寿命」が短いですね。
02

続いて【guitarbirdの書架より】
丸谷さんの本で取り上げられていた5冊。
★1冊目
母なる自然のおっぱい
池澤夏樹
(新潮社)
この本を僕は単行本で読みました、もう20年くらい前。
今は紙の本は出ておらずKindle版のリンクになります。
本書の書評で丸谷さんは書名についてこう書いています。
なお、「さういふ」というのは、池澤夏樹さんが理系の大学を
出た小説家であることを指しています。
***
『母なる自然のおっぱい』は、
さういふ小説家の書いた自然と人間の研究で、
昔なら『自然と人間』といふ題になるところだ。
それなのに冗談ぽい題にする。
ふざけるのは、言ふまでもなく、
その自然が環境汚染で失はれようとして、
しかもそれを悲憤慷慨する手は効果がないと
わかつてゐるからだ。
***
この本で印象深かった話は、富士山が日本一高い山という話。
たまたま火山で目立つ場所にあるので高いことが分かるが、
もしかすると北アルプスなど他の場所に富士山よりも高い
山があったなら、近年まで分からなかったのではないか、ということ。
久し振り読んでみたくなってきました。
★2冊目
私家版日本語文法
井上ひさし
新潮文庫
この本は「今月の読書2012年4月号」で取り上げています。
(そうかこのシリーズもう4年以上やっていたのか・・・)
この書評は最後のひと段落を引用します。
***
さうさう、言ひ落としたが、
国文法の時間と大違ひのところがもう一つあった。
文法の話だけではすまなくなり、日本語論、言語論、
日本人論にまで発展してしまふことである。
(中略)
その点でも『私家版日本語文法』は
文法教室への痛烈な批判となつてゐる。
***
★3冊目
日本語の起源 新版
大野晋
岩波新書
日本語の起源はタミル語であるという説を唱えるこの本。
丸谷さんはここでは細かく例を挙げて説明しています。
★4冊目
磯野家の謎
東京サザエさん学会
この本は流行りましたよね。
ここからの派生でゴジラとかウルトラマンとか
フィクションを実生活に当てはめた本も出たりして。
丸谷さんはこれを「学術的な遊び」として楽しみながら
評しています。
英国のシャーロック・ホームズに関して「ホームズ学」が
あることから話を引っ張ってきて、こう書いています。
***
同種の遊びが成立するためには、全国民的に親しまれてゐる、
長い長いテクストが必要である。
その点、サザエさん漫画といふ対象を発見した
岩松研吉郎とその友人たちは賢かった。
いや、サザエさん漫画に対する愛情のせいで、ごく自然に、
ホームズ学と似たものを成立させたのかもしれないけれど。
***
★5冊目
装丁物語
和田誠
白水社
丸谷さんの本のイラストを手掛けてきた和田誠のこの本が
最後に紹介されているのは本としてすわりがいい。
単純に著者の五十音順に並んでいるだけなのですが、
ここには編集者の意図が見え隠れしている気もします。
この本はいつか「書架」のコーナーで紹介したいと思っていたのが、
今回このようなかたちでできて僕もよかったです。
この本の書評では冒頭部分をぜひとも紹介したい。
***
よく言はれることだが、日本美のあり方は西洋の場合と違ふ。
向うは純粋な藝術性を求めるのに対して、
こちらは生活化された藝術、藝術化された生活を喜ぶ。
(中略)
わたしたちの国においては美術と工藝のあひだに境界がなく、
藝術家はデザイナーを兼ねてゐた。
(中略)
そして今、わたしたちの生活を最も自然な形で藝術化してゐるのは
本の装丁だらう。
***
まさに。
読書とは、本を読むことのみならず、本を持つことの喜び、
読み終わった本を飾る楽しみまで込みで趣味といえるのでは。
だからやっぱり本は本としてあり続けてほしいですね。
電子書籍やネットを否定するものではないけれど。
03

来月はもう師走。
記事が上げられないということはないように読み進めたいですね。

今月の読書の記事。
先月はお休み、2カ月振り。
といって今月は劇的に増えているということもなく4冊。
ではいきます。
☆1冊目
新・風景ガイド 美瑛・富良野
高橋真澄
北海道新聞社
富良野美瑛撮影旅行の際に"Woman"が持って来た本で、
道中僕もぱらぱらと目を通していましたが、写真がきれいな上に
場所のガイドとして非常に有用なので僕も買い求めました。
高橋真澄さんは「青い池」を発見し広めた人だそうです。
ところで、この本は「美瑛・富良野」となっていますが、
僕は昔から「富良野美瑛」と言って書いてきたので、
この語順に最初はなじめませんでした。
高橋さんが美瑛在住だからというのもあるのでしょうけど、
実際に撮影に行ってみて、写真という観点でいえば、
美瑛の方が撮影地が多いのでそうなるのかなと納得しました。
あとは何度も行って撮るだけです。
まあ、時々行って撮るだけであればいい写真が撮れる
チャンスに恵まれる確率が低いことは分かっているのですが。
☆2冊目
外来種は本当に悪者か?
フレッド・ピアス/藤井留美(訳)
草思社
タイトルを見てはっと思われる方も多いかもしれない。
この問題は僕にとっても身近で考えさせられる部分があり、
本書の存在を知ってすぐに買い求めました。
読んでみてやはりいろいろと考えさせられました。
そもそも「外来種は自然なのか?」という考えが、
在来種を保全する活動などを行う側の人、ひいては
多くの人々の間にはあるのではないかと。
本書でまず紹介されるのは、南太平洋のアセンション島。
イメージだけでいえば「原始の自然」が残っている場所、
となるかもしれないですが、実はアセンション島は人間の手で
元々あった自然のほとんどが壊され、そこを利用する人間が
持ち込んだ外来の樹木が森をなすほどに育った場所なのです。
アフリカでもアマゾンでも、世界には「原始の自然」なんて
実はほとんどない、というのも著者の主張であって、実際に
そうした形跡が調査で見つかる場所もあるのだという。
ここでまず「外来種は悪者」という考えが揺らぎます。
英国の火力発電所の跡では、発電に使われた石炭の灰の山に
新たな「自然」が回復し、そこにも「外来種」が定着する一方、
「在来種」の希少な昆虫なども見られるようになった。
これは「外来種」がはげ山から「自然」を作り上げたことにより
「在来種」の生息にも適する環境になったことによるもの。
さらには、「在来種」といっても適応力が強い動植物は、
元々あった自然が壊された時に希少種=弱い種を押しのけて
入り込んで占領してしまうということもあって、「悪者」は
「外来種」だけではないという事例も紹介される。
そうですよね、例えばですが、知床半島では今キク科の
「在来種」ハンゴンソウが増えているそうですが、これは、
エゾシカが食べない植物であるために、餌とする他の植物が
減ったりなくなったところに入り込むことにより起った現象。
そもそも「外来種」といっても、人間活動に伴って入ってきたものは、
カヌーで海を渡っていた太古の時代からあったわけで、
人間がいる以上必ず発生するものだ、だからこれからは
「ニューワイルド」として外来種も受け入れていけるのではないか、
というのが著者の主張です。
と書いて、それをすんなりと受け入れられる人は多くないのでは。
僕もやっぱり、少なからぬ抵抗があります。
しかし著者の主張は、自然を、「種」という小さな枠ではなく、
地球上の環境として捉えて初めて理解できるのかもしれない。
「外来種」ではあっても「地球外」ではないのだから。
読み易い文章で内容も事例報告と解説がほとんどですが、
読み終わって残るものが大きく、考えさせられる1冊でした。
☆3冊目
快楽としての読書 日本篇
丸谷才一
ちくま文庫
久し振りの丸谷才一。
この本を読了するまで足かけ5カ月かかりました。
6月に病院の待ち時間で読み始め、いつものように
ゆっくりと読み進め、途中ひと月ほどまったく読まず、
10月に入ってまた読み進めて最後までたどり着きました。
すごい本。
本人は一言も触れていないけれど、日本に本格的な
書評なるものが定着したのは丸谷才一さんの功績が大きい。
最初に道をつけたのは週刊朝日だったが、そこに参加した
丸谷さんが、英国の書評を参考に文芸ジャンルとして
確立させるべくペンを走らせていたことが解説で紹介されていて、
あらためてすごい人だけど謙虚な人だったのだと分かりました。
いつも意識しているわけではないジャンルの本でも
読んでみたいと思わされる、これが書評なのでしょう。
また「評」であるからには「批評」も忘れてはならない。
丸谷さんは気に入った本でもよくない点を挙げてゆく。
批判の仕方が納得させられる。
本書の帯にはこのようなことが書かれています。
***
小説、エッセーから詩歌、批評、辞書や絵本まで、
読めば本屋さんまで走りたくなる
花やかな読書案内
決定版! 自選書評集
***
「はなやか」に「華」ではなく「花」という漢字を使っているのが、
謙虚な丸谷さんのイメージにつながる。
吉田秀和の『このディスクがいい*25選』があるのも嬉しい。
僕が読んだことがある本は5冊しかなかった。
後半では「書架」のコーナーとしてその5冊を紹介します。
やっぱり僕は丸谷さんの文章が大好き。
これはまだ「海外編」「ミステリー編」とあるので、
続けてどちらかを読み始めるつもりです。
読了はまた少し先になるでしょうけれど。
☆4冊目
俳句、はじめました
岸本葉子
角川ソフィア文庫
NHK教育、いや今はEテレというのか、ともかく
NHK「俳句講座」の司会を務める岸本葉子が、
自らが俳句を始めた頃の顛末を書き綴った1冊。
エッセイストの岸本さんはかつてテレビの取材で俳句に触れ、
自分でも詠むようになり、番組の司会を務めるようになった。
本書は岸本さんが句会に参加した様子を具に綴っていて、
どこがだめだったか、どういうことがよかったかといった体験が
説明されていて初心者の僕には(もう2年経っているけれど)
目から鱗、とっても親切な人であり本だと思いました。
中でも、句会で発表した句を推敲する過程が書かれていて、
この言葉だとイメージが違う、助詞ひとつでも捉え方が違う、
などなど、興味深いことが次々と書かれていたのがよかった。
しかし僕との絡みでいえば、やっぱり句会に参加して
他の人の評をいただくことでもっと前に進めるのだろうな
ということが分かり、やはり句会に参加しなければ、と。
俳句の技法を教えるものではないけれど、俳句の在り方など、
とっても勉強になる1冊であり、恥を忍んでこの本を著してくれた
岸本葉子さんに感謝の念を抱きました。
角川ソフィア文庫から出ている意味がよく分かりました。
しかし今この本がAmazonで新刊が買えないっていったい・・・
最近ほんとうに本の「寿命」が短いですね。
02

続いて【guitarbirdの書架より】
丸谷さんの本で取り上げられていた5冊。
★1冊目
母なる自然のおっぱい
池澤夏樹
(新潮社)
この本を僕は単行本で読みました、もう20年くらい前。
今は紙の本は出ておらずKindle版のリンクになります。
本書の書評で丸谷さんは書名についてこう書いています。
なお、「さういふ」というのは、池澤夏樹さんが理系の大学を
出た小説家であることを指しています。
***
『母なる自然のおっぱい』は、
さういふ小説家の書いた自然と人間の研究で、
昔なら『自然と人間』といふ題になるところだ。
それなのに冗談ぽい題にする。
ふざけるのは、言ふまでもなく、
その自然が環境汚染で失はれようとして、
しかもそれを悲憤慷慨する手は効果がないと
わかつてゐるからだ。
***
この本で印象深かった話は、富士山が日本一高い山という話。
たまたま火山で目立つ場所にあるので高いことが分かるが、
もしかすると北アルプスなど他の場所に富士山よりも高い
山があったなら、近年まで分からなかったのではないか、ということ。
久し振り読んでみたくなってきました。
★2冊目
私家版日本語文法
井上ひさし
新潮文庫
この本は「今月の読書2012年4月号」で取り上げています。
(そうかこのシリーズもう4年以上やっていたのか・・・)
この書評は最後のひと段落を引用します。
***
さうさう、言ひ落としたが、
国文法の時間と大違ひのところがもう一つあった。
文法の話だけではすまなくなり、日本語論、言語論、
日本人論にまで発展してしまふことである。
(中略)
その点でも『私家版日本語文法』は
文法教室への痛烈な批判となつてゐる。
***
★3冊目
日本語の起源 新版
大野晋
岩波新書
日本語の起源はタミル語であるという説を唱えるこの本。
丸谷さんはここでは細かく例を挙げて説明しています。
★4冊目
磯野家の謎
東京サザエさん学会
この本は流行りましたよね。
ここからの派生でゴジラとかウルトラマンとか
フィクションを実生活に当てはめた本も出たりして。
丸谷さんはこれを「学術的な遊び」として楽しみながら
評しています。
英国のシャーロック・ホームズに関して「ホームズ学」が
あることから話を引っ張ってきて、こう書いています。
***
同種の遊びが成立するためには、全国民的に親しまれてゐる、
長い長いテクストが必要である。
その点、サザエさん漫画といふ対象を発見した
岩松研吉郎とその友人たちは賢かった。
いや、サザエさん漫画に対する愛情のせいで、ごく自然に、
ホームズ学と似たものを成立させたのかもしれないけれど。
***
★5冊目
装丁物語
和田誠
白水社
丸谷さんの本のイラストを手掛けてきた和田誠のこの本が
最後に紹介されているのは本としてすわりがいい。
単純に著者の五十音順に並んでいるだけなのですが、
ここには編集者の意図が見え隠れしている気もします。
この本はいつか「書架」のコーナーで紹介したいと思っていたのが、
今回このようなかたちでできて僕もよかったです。
この本の書評では冒頭部分をぜひとも紹介したい。
***
よく言はれることだが、日本美のあり方は西洋の場合と違ふ。
向うは純粋な藝術性を求めるのに対して、
こちらは生活化された藝術、藝術化された生活を喜ぶ。
(中略)
わたしたちの国においては美術と工藝のあひだに境界がなく、
藝術家はデザイナーを兼ねてゐた。
(中略)
そして今、わたしたちの生活を最も自然な形で藝術化してゐるのは
本の装丁だらう。
***
まさに。
読書とは、本を読むことのみならず、本を持つことの喜び、
読み終わった本を飾る楽しみまで込みで趣味といえるのでは。
だからやっぱり本は本としてあり続けてほしいですね。
電子書籍やネットを否定するものではないけれど。
03

来月はもう師走。
記事が上げられないということはないように読み進めたいですね。