2017年06月24日
Proud Mary クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル
01

Proud Mary
Creedence Clearwater Revival
(1969)
今日は洋楽の1曲の話。
このところ車でクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル、
C.C.R.のベストをずっと聴いていますが、
少し前に記事にしたBad Moon Rising(記事こちら)の
ひとつ前に入っているのがこの曲。
Bad...を繰り返しかけているうちにこちらも聴きたくなり、
いつしか2曲続けて繰り返すようになりました。
元々大好きな曲ですからね、でもまた「はまった」、という感じ。
さて、まずはProud Maryの楽曲の概要ついて。
さすがにこれくらい有名な曲だと日本語のウィキペディアにも
ページがあるので、そこから摘要を。
Proud MaryはC.C.R.通算3枚目のシングルで、2枚目の
アルバムBAYOU COUNTRYからの最初のシングル曲。
ビルボード誌最高2位を記録。
この後4曲の最高2位の曲を出し、合計5曲も2位の曲が
ありながらついに1位にはなれなかったC.C.R.の
悲運の始まりのようなことはウィキにも書かれています。
次のBad Moon Risingが2位の2曲目であることは書きました。
この曲は「メアリー・エリザベス」"Mary Elizabeth"という
蒸気船をイメージしてジョン・フォガティが書いたものだという。
しかし彼は曲を書くまで実際にその蒸気船を見たことがなく、
曲がヒットしてから見に行ったとの逸話も紹介されています。
Proud Maryは『ローリング・ストーン』誌が選ぶ最も偉大な500曲
(the 500 greatest songs of all time)の
第155位にランクインしています。
まあ、155位がどれくらい高いか高くないかはお任せしますが。
曲を。
☆
Proud Mary
Creedence Clearwater Revival
(1969)
さてここからは僕がこの曲の歌詞について思っていたこと。
僕はですね、最初これを「プロ」の人の曲かと思いました。
「プロ」つまり"prostitute"、意味は各自お調べいただくとして、
そういう仕事をしつつも誇りは忘れない女性のことかと。
僕が初めて聴いたのはまだ10代、そういう考えが
「ロック的」なものであると信じていた頃のことでした。
でも、歌詞をよく読むと、そうではないらしい。
最初のヴァースでは、街での仕事を辞め、どこか小さな町で
昼夜を問わず働く女性が主人公であることが分かります。
ここの「街」はニューヨークかな、とにかく大都会。
今働いているのはそれほど都会ではないところ(=片田舎)。
蒸気船のイメージでいうなら、ミシシッピー川流域など
南部ということになるでしょう。
実際歌詞にはMemphisやNew Orleansが出てきます。
余談で、スティーヴィー・ワンダーのLiving For The Cityは
逆にミシシッピーの田舎からニューヨークに出てきた話ですね。
メアリーさんは何のために働いているのか?
気になるくだりがあります。
"working for "the" man every night and day"
"the"がついているので特定の男性ということになりますが、
その男性が歌詞の中に出てきたのはここが初めてなのに、
最初っから"the"がついているというのは、
誰か有名な人のことを指していると考えられます。
そうではなく歌詞に普遍性を持たせたいのであればここは
"working for "a" man"となるはず。
じゃあ誰?
可能性のひとつは、当時世の中で話題になっていた誰か。
大統領でもいい、俳優でも歌手でもいい、「あの人」
"the man"といえばたいていの人が思い浮かべる誰か。
しかしこれは、当時の社会情勢が分からない上に
(今はネットで調べれば察しくらいはつくかもだけど)、
歌詞の中にも特定の男性は出てこないので分からない。
次に考えられる可能性は、ジョン・フォガティ自身。
そうであるなら、もう分かっている誰かということになり、
"the"が最初からついていることに違和感はない。
ジョン・フォガティの話としてこの歌詞を考えるとどうなる?
プラウド・メアリーさんは、プロになるためにバンド活動をする
夫なり恋人を支えて一生懸命働く女性ということかもしれない。
そうであるなら、いつかはスターになるであろう男性を
支えていることに誇らしさがある="proud"であるのも分かる。
でも、これはジョン・フォガティの自伝的な内容ではなく、
ミュージシャンの一般的なイメージを表現しただけかもしれない。
クリーデンスでは後のTraveling Bandも、
ツアーで回る一般的なロックバンドのイメージを、
クリーデンス自身の体験と重ね合わせて読み取れるような
歌詞になっていますから。
或いはもっと広げて、音楽活動をしている人に限らず、
放浪癖があって定職につかない恋人か旦那かもしれない。
どさ周りするミュージシャンもある意味放浪の人ですが。
しかしこの男性はなんとも楽天的。
1番のヴァースの後半には
(それまでは)このままではどうなってしまうのだろうと心配して
寝付けなかったなんてことなんてなかった、というくだりが。
さらに2番では、川の女王でもあるクイーン・メアリーの
働きっぷりを実際に見るまで、それがいかにつらくて、
街の生活の方がよいこともあったことに気づかなかったとも。
放浪癖がある男性というイメージはここのくだりの、
"till I hitch a ride"という言葉ていることから感じます。
なお、クリーデンスにはSweet Hitch-Hiker(記事こちら)
という曲もあって、ヒッチハイクのイメージは強いですね。
とにかくメアリーさんは男のために働いている。
さびの前のパッセージに出てくる"Big wheel"というのは、
僕は最初、人生が大きく巡ることの比喩かと思っていましたが、
何かのきっかけでこれが蒸気船のイメージの歌だと知り、
ああそうか絵などでよく見る蒸気船のあの大きな輪っかで、
単にそれが回っている視覚的表現かと気づきました。
カルチャー・クラブの「カーマは気まぐれ」のPVに
蒸気船が出てきますが、歌詞の意味が分かってそれを
最初に思い浮かべたのは僕の年代だからでしょうね(笑)。
さて、この男性は楽天的と書きましたが、間奏の後の
3番の歌詞は植木等を思い浮かべます。
川を下ったところにたくさんの人がいる
お金がなくても心配しなくていい、人々が喜んでくれるから、
というのが3番の内容ですが、
「金がない奴ぁ俺んとこ来い、俺もないけどなんとかなるさ」
という精神構造と似ていませんか?
南部の人々の持つ開放的な雰囲気ということでしょうけれど、
でもほんとうに喜んでお金をくれるのかな?
そうではなく、都会のようにお金のためにあくせく働くことはない、
お金なんてあまり意味がない、心が満たされるのがいちばんいい、
南部ではそれができる、といいたいのかもしれない。
で、ここのくだり、
"You don't have to worry, thought you have no money"
で'You"と呼びかけているのは、ある特定の男性だけではなく、
あなたたちみんながそうなるかもしれないんだよという
メッセージに昇華されていると感じられます。
要するに楽天的なことを肯定している曲、簡単にいえば
人生に前向きなメッセージを発する曲といえるでしょう。
実際歌詞に関係なく曲だけ聴いてもそう感じますよね。
そこが魅力なのでしょう。
02

音楽面についてもひとつだけ。
イントロがとにかく印象的。
C-A C-A C-A-G-F F-F6- F-D D
コード進行だけで聴かせるものですが、
CからAにシンコペーションで移るのがとにかくいい。
歌のバックで楽天的に鳴り続けるDコードがまたいい。
コード進行だけで聴かせる曲の筆頭格と僕は思います。
この曲は自分で弾いていてもしびれますね。
間奏のギターソロもソロとして主張するのではなく、
「ビートルズ的」に歌の続きとして鳴っているもので
曲に親しみを覚えやすいですね。
このコード進行について、英語のWikipediaに
興味深いことが書かれていたので摘要を書きます。
ジョン・フォガティはベートーヴェン交響曲第5番が大好きで、
日本では「運命」として知られるその曲のあまりにも有名な
冒頭のフレーズと同じ音を出してみたくて
Proud Maryのあのイントロになったのだという。
そうなんだ。
試しに「運命」の「ジャジャジャジャーン」と
Proud MaryのC-Aを重ねてみると・・・
どうだろう?
似てるといえば似てるし、違うといえば違う。
でも、完全には似ていないのが優れたソングライターの
センスなのかもしれないですね。
さてここからあと2曲
まずはC.C.R.自身による1969年のライヴ。
☆
Proud Mary
Creedence Clearwater Revival
続いてジョン・フォガティによるFarm Aid 1997のライヴ。
☆
Proud Mary
John Fogerty
ジョン・フォガティは、完全復活した1990年代以降、
「ザ・ブラック・ビューティ」黒のギブソン・レスポール・カスタム
を使っているんですよね、これがまたいい。
そしてこの曲といえばこの人たちを忘るべからず。
☆
Proud Mary
Ike & Tina Turner
アイク&ザ・ティナ・ターナーの名カヴァー。
前半はゴスペルを彷彿とさせるおとなしいバラード調、
しかし途中からアップテンポの快活すぎる曲に。
大胆なアレンジで好き嫌いが別れるかもしれないですが、
自分たちのものにしていますね。
ティナ・ターナーのキャラクターがこの曲の内容に
合っているというのもあるかと思います。
最近はクリーデンスの記事が多いですが、
うん、やっぱりいい、最高にいい、としか言えないですね。
かろうじて10代、若くて頭が柔らかい頃から聴いている
クリーデンスは、僕の体にしみ込んでいるのでしょうね。
03


Proud Mary
Creedence Clearwater Revival
(1969)
今日は洋楽の1曲の話。
このところ車でクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル、
C.C.R.のベストをずっと聴いていますが、
少し前に記事にしたBad Moon Rising(記事こちら)の
ひとつ前に入っているのがこの曲。
Bad...を繰り返しかけているうちにこちらも聴きたくなり、
いつしか2曲続けて繰り返すようになりました。
元々大好きな曲ですからね、でもまた「はまった」、という感じ。
さて、まずはProud Maryの楽曲の概要ついて。
さすがにこれくらい有名な曲だと日本語のウィキペディアにも
ページがあるので、そこから摘要を。
Proud MaryはC.C.R.通算3枚目のシングルで、2枚目の
アルバムBAYOU COUNTRYからの最初のシングル曲。
ビルボード誌最高2位を記録。
この後4曲の最高2位の曲を出し、合計5曲も2位の曲が
ありながらついに1位にはなれなかったC.C.R.の
悲運の始まりのようなことはウィキにも書かれています。
次のBad Moon Risingが2位の2曲目であることは書きました。
この曲は「メアリー・エリザベス」"Mary Elizabeth"という
蒸気船をイメージしてジョン・フォガティが書いたものだという。
しかし彼は曲を書くまで実際にその蒸気船を見たことがなく、
曲がヒットしてから見に行ったとの逸話も紹介されています。
Proud Maryは『ローリング・ストーン』誌が選ぶ最も偉大な500曲
(the 500 greatest songs of all time)の
第155位にランクインしています。
まあ、155位がどれくらい高いか高くないかはお任せしますが。
曲を。
☆
Proud Mary
Creedence Clearwater Revival
(1969)
さてここからは僕がこの曲の歌詞について思っていたこと。
僕はですね、最初これを「プロ」の人の曲かと思いました。
「プロ」つまり"prostitute"、意味は各自お調べいただくとして、
そういう仕事をしつつも誇りは忘れない女性のことかと。
僕が初めて聴いたのはまだ10代、そういう考えが
「ロック的」なものであると信じていた頃のことでした。
でも、歌詞をよく読むと、そうではないらしい。
最初のヴァースでは、街での仕事を辞め、どこか小さな町で
昼夜を問わず働く女性が主人公であることが分かります。
ここの「街」はニューヨークかな、とにかく大都会。
今働いているのはそれほど都会ではないところ(=片田舎)。
蒸気船のイメージでいうなら、ミシシッピー川流域など
南部ということになるでしょう。
実際歌詞にはMemphisやNew Orleansが出てきます。
余談で、スティーヴィー・ワンダーのLiving For The Cityは
逆にミシシッピーの田舎からニューヨークに出てきた話ですね。
メアリーさんは何のために働いているのか?
気になるくだりがあります。
"working for "the" man every night and day"
"the"がついているので特定の男性ということになりますが、
その男性が歌詞の中に出てきたのはここが初めてなのに、
最初っから"the"がついているというのは、
誰か有名な人のことを指していると考えられます。
そうではなく歌詞に普遍性を持たせたいのであればここは
"working for "a" man"となるはず。
じゃあ誰?
可能性のひとつは、当時世の中で話題になっていた誰か。
大統領でもいい、俳優でも歌手でもいい、「あの人」
"the man"といえばたいていの人が思い浮かべる誰か。
しかしこれは、当時の社会情勢が分からない上に
(今はネットで調べれば察しくらいはつくかもだけど)、
歌詞の中にも特定の男性は出てこないので分からない。
次に考えられる可能性は、ジョン・フォガティ自身。
そうであるなら、もう分かっている誰かということになり、
"the"が最初からついていることに違和感はない。
ジョン・フォガティの話としてこの歌詞を考えるとどうなる?
プラウド・メアリーさんは、プロになるためにバンド活動をする
夫なり恋人を支えて一生懸命働く女性ということかもしれない。
そうであるなら、いつかはスターになるであろう男性を
支えていることに誇らしさがある="proud"であるのも分かる。
でも、これはジョン・フォガティの自伝的な内容ではなく、
ミュージシャンの一般的なイメージを表現しただけかもしれない。
クリーデンスでは後のTraveling Bandも、
ツアーで回る一般的なロックバンドのイメージを、
クリーデンス自身の体験と重ね合わせて読み取れるような
歌詞になっていますから。
或いはもっと広げて、音楽活動をしている人に限らず、
放浪癖があって定職につかない恋人か旦那かもしれない。
どさ周りするミュージシャンもある意味放浪の人ですが。
しかしこの男性はなんとも楽天的。
1番のヴァースの後半には
(それまでは)このままではどうなってしまうのだろうと心配して
寝付けなかったなんてことなんてなかった、というくだりが。
さらに2番では、川の女王でもあるクイーン・メアリーの
働きっぷりを実際に見るまで、それがいかにつらくて、
街の生活の方がよいこともあったことに気づかなかったとも。
放浪癖がある男性というイメージはここのくだりの、
"till I hitch a ride"という言葉ていることから感じます。
なお、クリーデンスにはSweet Hitch-Hiker(記事こちら)
という曲もあって、ヒッチハイクのイメージは強いですね。
とにかくメアリーさんは男のために働いている。
さびの前のパッセージに出てくる"Big wheel"というのは、
僕は最初、人生が大きく巡ることの比喩かと思っていましたが、
何かのきっかけでこれが蒸気船のイメージの歌だと知り、
ああそうか絵などでよく見る蒸気船のあの大きな輪っかで、
単にそれが回っている視覚的表現かと気づきました。
カルチャー・クラブの「カーマは気まぐれ」のPVに
蒸気船が出てきますが、歌詞の意味が分かってそれを
最初に思い浮かべたのは僕の年代だからでしょうね(笑)。
さて、この男性は楽天的と書きましたが、間奏の後の
3番の歌詞は植木等を思い浮かべます。
川を下ったところにたくさんの人がいる
お金がなくても心配しなくていい、人々が喜んでくれるから、
というのが3番の内容ですが、
「金がない奴ぁ俺んとこ来い、俺もないけどなんとかなるさ」
という精神構造と似ていませんか?
南部の人々の持つ開放的な雰囲気ということでしょうけれど、
でもほんとうに喜んでお金をくれるのかな?
そうではなく、都会のようにお金のためにあくせく働くことはない、
お金なんてあまり意味がない、心が満たされるのがいちばんいい、
南部ではそれができる、といいたいのかもしれない。
で、ここのくだり、
"You don't have to worry, thought you have no money"
で'You"と呼びかけているのは、ある特定の男性だけではなく、
あなたたちみんながそうなるかもしれないんだよという
メッセージに昇華されていると感じられます。
要するに楽天的なことを肯定している曲、簡単にいえば
人生に前向きなメッセージを発する曲といえるでしょう。
実際歌詞に関係なく曲だけ聴いてもそう感じますよね。
そこが魅力なのでしょう。
02

音楽面についてもひとつだけ。
イントロがとにかく印象的。
C-A C-A C-A-G-F F-F6- F-D D
コード進行だけで聴かせるものですが、
CからAにシンコペーションで移るのがとにかくいい。
歌のバックで楽天的に鳴り続けるDコードがまたいい。
コード進行だけで聴かせる曲の筆頭格と僕は思います。
この曲は自分で弾いていてもしびれますね。
間奏のギターソロもソロとして主張するのではなく、
「ビートルズ的」に歌の続きとして鳴っているもので
曲に親しみを覚えやすいですね。
このコード進行について、英語のWikipediaに
興味深いことが書かれていたので摘要を書きます。
ジョン・フォガティはベートーヴェン交響曲第5番が大好きで、
日本では「運命」として知られるその曲のあまりにも有名な
冒頭のフレーズと同じ音を出してみたくて
Proud Maryのあのイントロになったのだという。
そうなんだ。
試しに「運命」の「ジャジャジャジャーン」と
Proud MaryのC-Aを重ねてみると・・・
どうだろう?
似てるといえば似てるし、違うといえば違う。
でも、完全には似ていないのが優れたソングライターの
センスなのかもしれないですね。
さてここからあと2曲
まずはC.C.R.自身による1969年のライヴ。
☆
Proud Mary
Creedence Clearwater Revival
続いてジョン・フォガティによるFarm Aid 1997のライヴ。
☆
Proud Mary
John Fogerty
ジョン・フォガティは、完全復活した1990年代以降、
「ザ・ブラック・ビューティ」黒のギブソン・レスポール・カスタム
を使っているんですよね、これがまたいい。
そしてこの曲といえばこの人たちを忘るべからず。
☆
Proud Mary
Ike & Tina Turner
アイク&ザ・ティナ・ターナーの名カヴァー。
前半はゴスペルを彷彿とさせるおとなしいバラード調、
しかし途中からアップテンポの快活すぎる曲に。
大胆なアレンジで好き嫌いが別れるかもしれないですが、
自分たちのものにしていますね。
ティナ・ターナーのキャラクターがこの曲の内容に
合っているというのもあるかと思います。
最近はクリーデンスの記事が多いですが、
うん、やっぱりいい、最高にいい、としか言えないですね。
かろうじて10代、若くて頭が柔らかい頃から聴いている
クリーデンスは、僕の体にしみ込んでいるのでしょうね。
03

Posted by guitarbird at
21:58
│John Fogery-C.C.R.
2017年06月10日
Bad Moon Rising クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル
01

本日は洋楽の1曲の話。
Bad Moon Rising
Creedence Clearwater Rivival
(1969)
最近よく口ずさみ、時にギターで弾いて歌い遊んでいる曲。
車に積んであるクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルの
ベスト盤CDを久しぶりに聴いてはまった。
クリーンデンスはずっと好きだったけど、今回はまさに「はまった」。
3コードの単純なロックンロールですが、
歌メロが素晴らしい上に歌詞が示唆に富んでいる。
先ずは曲から。
☆
Bad Moon Rising
Creedence Clearwater Revival
(1969)
このYou-Tube映像は歌詞が出ているので選びました。
この曲を初めて聴いたのは19歳の頃。
大学入学が決まり、記念ではないけれど買って聴いた
クリーデンスのベスト盤に入っていた1曲。
歌詞の内容は、タイトルから想像したほぼその通りでした。
悪い月は不吉な予兆であると。
1番のヴァース(8小節が2回ある)では、
悪い月を見た、問題が起りそう、地震や雷、悪い時が来る
と羅列していますが、悪い月を見た「から」そうなるという
予兆であるとの解釈です。
ヴァースを先に話を進めると、2番では、
ハリケーン来襲、終末は近い、洪水が来る、怒りと破滅の声がする
とここまでは自然災害への恐れを描いていると捉えられます。
(ウディ・ガスリー等の災害もののフォークソングの影響か)。
ところが3番では
荷物をまとめておけ、そして死の覚悟を、
われわれは悪天候の中にいるようだ、しっかりと見ていよう
災害に備えているようで、よくよく考えると、
男女の仲が怪しくなっていることの比喩だったのか、
ということが分かってきます。
サビ(8小節)は3番まで同じ、最後にもう1回入りますが、こう
(僕の周りを)回らないでくれよ
君の命を奪うことになるかもしれない
だって悪い月が昇っているのだから
これですが、僕は若い頃、悪い月に対して呼びかけていて
「どうかそんな悪いことは起こさないでくれ」
と訴えかけているのかと思っていました。
しかしそうであるなら、「君」の命を奪うことになる
というのは不自然だし、
月を「君」と呼んで月を消したいというには大袈裟すぎる。
ここは素直に、サビで曲の流れが変わったところで一転して
恋愛対象である「君」に話しかけていると捉えるとどうか。
「僕の周りにいないでくれ、君を殺してしまうかもしれない、
だって悪い月が昇っているのだから」
となればすんなり腑に落ちます。
まあいずれにせよ、なんだか物騒な歌ではある。
そこを突き詰めて、この曲もやはりというか、
ジョン・フォガティの戦争体験から来ていると考えると、
これもまたなるほどと思える部分がありますね。
死にまつわる記述が3回(サビは1回と考える)あるというのも、
死の臭いが近かったことが想像されます。
ジョン・フォガティの歌詞はいろいろな解釈ができるのが魅力だ、
と、Have You Ever Seen The Rainの時に、
スチュ・クックが話していたことを紹介しました。
音楽面の話をすると、先にも触れたように
キィがDの単純な3コードのロックンロール。
でも、ヴァースでD-G-Aと進むのではなく、
D-A-Gとなるのがひと捻りあるところ。
全体にカントリー風味で特に間奏で強くなりますね。
歌メロはほんとうに素晴らしくて、
シンプルで素晴らしいからついつい繰り返し口ずさむ。
しかし、物騒で不安なことを歌っている割には
どこか明るく脳天気なところがあるのは、
自然災害に対しては受け入れざるを得ないという
人間の心持ちがあるのかもしれないですね。
ふと思い出した、「北の国から」の大滝秀治も、
そんなことを言っていた。
クリーデンスの曲はそれが魅力だとあらためて思いました。
いい意味で軽く聴ける。
一時洋楽から気持ちが離れかけていた僕ですが、
やっぱクリーデンスのようにいい意味で軽く聴けて
口ずさめる歌はありがたいですね。
今はもううるさいほど繰り返し繰り返し口ずさんでいます(笑)。
ヒットチャートの話をすると、これは最高2位。
Proud Maryに続いて2曲目のNo.2ヒットソングですが、
ついに一度も1位になれなかったC.C.R.の歴史が
続いてゆくことになった、そんな曲でもありますね。
さて、この記事はほんとうは、昨日、
「ストロベリー・ムーン」を撮影した上で上げるつもりでいましたが、
それではまるで「ストロベリー・ムーン」がまるで「悪い月」
であるかのようにとられてしまうので、1日遅らせました。
では以前撮った他の月の写真をとも思いましたが、
僕は蟹座で、蟹座の守護星は月だから、
なんだか月を悪者にするのは気が引ける。
というのは半分言い訳、昨夜はクラシックのコンサートに行って
帰宅が遅かった上に「ストロベリー・ムーン」は見えたり隠れたりで、
撮影し記事を編集する時間がなかったのでした。
というわけで昨日はほんとうの「開店休業」でした。
最後は犬たち3ショット。
02

Bad Moon Risingを待っているわけではありませんよ。

本日は洋楽の1曲の話。
Bad Moon Rising
Creedence Clearwater Rivival
(1969)
最近よく口ずさみ、時にギターで弾いて歌い遊んでいる曲。
車に積んであるクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァルの
ベスト盤CDを久しぶりに聴いてはまった。
クリーンデンスはずっと好きだったけど、今回はまさに「はまった」。
3コードの単純なロックンロールですが、
歌メロが素晴らしい上に歌詞が示唆に富んでいる。
先ずは曲から。
☆
Bad Moon Rising
Creedence Clearwater Revival
(1969)
このYou-Tube映像は歌詞が出ているので選びました。
この曲を初めて聴いたのは19歳の頃。
大学入学が決まり、記念ではないけれど買って聴いた
クリーデンスのベスト盤に入っていた1曲。
歌詞の内容は、タイトルから想像したほぼその通りでした。
悪い月は不吉な予兆であると。
1番のヴァース(8小節が2回ある)では、
悪い月を見た、問題が起りそう、地震や雷、悪い時が来る
と羅列していますが、悪い月を見た「から」そうなるという
予兆であるとの解釈です。
ヴァースを先に話を進めると、2番では、
ハリケーン来襲、終末は近い、洪水が来る、怒りと破滅の声がする
とここまでは自然災害への恐れを描いていると捉えられます。
(ウディ・ガスリー等の災害もののフォークソングの影響か)。
ところが3番では
荷物をまとめておけ、そして死の覚悟を、
われわれは悪天候の中にいるようだ、しっかりと見ていよう
災害に備えているようで、よくよく考えると、
男女の仲が怪しくなっていることの比喩だったのか、
ということが分かってきます。
サビ(8小節)は3番まで同じ、最後にもう1回入りますが、こう
(僕の周りを)回らないでくれよ
君の命を奪うことになるかもしれない
だって悪い月が昇っているのだから
これですが、僕は若い頃、悪い月に対して呼びかけていて
「どうかそんな悪いことは起こさないでくれ」
と訴えかけているのかと思っていました。
しかしそうであるなら、「君」の命を奪うことになる
というのは不自然だし、
月を「君」と呼んで月を消したいというには大袈裟すぎる。
ここは素直に、サビで曲の流れが変わったところで一転して
恋愛対象である「君」に話しかけていると捉えるとどうか。
「僕の周りにいないでくれ、君を殺してしまうかもしれない、
だって悪い月が昇っているのだから」
となればすんなり腑に落ちます。
まあいずれにせよ、なんだか物騒な歌ではある。
そこを突き詰めて、この曲もやはりというか、
ジョン・フォガティの戦争体験から来ていると考えると、
これもまたなるほどと思える部分がありますね。
死にまつわる記述が3回(サビは1回と考える)あるというのも、
死の臭いが近かったことが想像されます。
ジョン・フォガティの歌詞はいろいろな解釈ができるのが魅力だ、
と、Have You Ever Seen The Rainの時に、
スチュ・クックが話していたことを紹介しました。
音楽面の話をすると、先にも触れたように
キィがDの単純な3コードのロックンロール。
でも、ヴァースでD-G-Aと進むのではなく、
D-A-Gとなるのがひと捻りあるところ。
全体にカントリー風味で特に間奏で強くなりますね。
歌メロはほんとうに素晴らしくて、
シンプルで素晴らしいからついつい繰り返し口ずさむ。
しかし、物騒で不安なことを歌っている割には
どこか明るく脳天気なところがあるのは、
自然災害に対しては受け入れざるを得ないという
人間の心持ちがあるのかもしれないですね。
ふと思い出した、「北の国から」の大滝秀治も、
そんなことを言っていた。
クリーデンスの曲はそれが魅力だとあらためて思いました。
いい意味で軽く聴ける。
一時洋楽から気持ちが離れかけていた僕ですが、
やっぱクリーデンスのようにいい意味で軽く聴けて
口ずさめる歌はありがたいですね。
今はもううるさいほど繰り返し繰り返し口ずさんでいます(笑)。
ヒットチャートの話をすると、これは最高2位。
Proud Maryに続いて2曲目のNo.2ヒットソングですが、
ついに一度も1位になれなかったC.C.R.の歴史が
続いてゆくことになった、そんな曲でもありますね。
さて、この記事はほんとうは、昨日、
「ストロベリー・ムーン」を撮影した上で上げるつもりでいましたが、
それではまるで「ストロベリー・ムーン」がまるで「悪い月」
であるかのようにとられてしまうので、1日遅らせました。
では以前撮った他の月の写真をとも思いましたが、
僕は蟹座で、蟹座の守護星は月だから、
なんだか月を悪者にするのは気が引ける。
というのは半分言い訳、昨夜はクラシックのコンサートに行って
帰宅が遅かった上に「ストロベリー・ムーン」は見えたり隠れたりで、
撮影し記事を編集する時間がなかったのでした。
というわけで昨日はほんとうの「開店休業」でした。
最後は犬たち3ショット。
02

Bad Moon Risingを待っているわけではありませんよ。
Posted by guitarbird at
22:56
│John Fogery-C.C.R.
2016年08月01日
雨を見たかい クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル
01

Have You Ever Seen The Rain Creedence Clearwater Revival
雨を見たかい クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル
(1970)
今日は1曲のお話。
Have You Ever Seen The Rain
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル
先ずは曲から。
☆
Have You Ever Seen The Rain
Creedence Clearwater Revival
(1970)
BS-TBSで毎週水曜23時から
「SONG TO SOUL ~ One piece of the eternyty 永遠の1曲」
という番組が放送されています。
主に洋楽の名曲にまつわる逸話とそのアーティストの活動を
短くまとめた、見応え聴き応え歌い応え(?)のある番組です。
詳しくはこちらのリンクからどうぞ。
僕が録画で観ているのは再放送分ですが、
先日、「雨を見たかい」が放送されました。
曲についてもはや多くを語る必要はないでしょう。
日本で洋楽を聴くある年齢層以上の人なら知らない人はいないのでは、
というくらいに有名、「洋楽」という言葉を象徴する曲のひとつでしょう。
1970年に発売されたクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル
6枚目のアルバムPENDULUMから71年1月にシングルカットされ
ビルボード最高8位を記録した曲。
番組ではベースのスチュ・クックとドラムスのダグ・クリフォードが、
曲やクリーデンスについて語っていました。
なぜジョン・フォガティではないのかと思う反面、
ジョン・フォガティではないから聞けた話もあって、
僕は興味深く観ていました。
2人はクリーデンスの基になるバンドの創設メンバーで、
中学のクラスメイト。
中学で最初、苗字が近いので隣りになり話していると
お互いにロックンロールが大好きでレコードを集めていることを知って
仲良くなったのだという。
番組でも特に興味深かったのが、取材陣のある質問でした。
「雨を見たかい」は日本ではベトナム戦争の反戦歌として
知られているが、それは本当か?
彼らの答えは「それは聞いたことがない」
「雨を見たかい」は、雨をナパーム弾に喩えた
ベトナム戦争反戦歌であることはずっと言われてきていて、
今ではそれが定着しているように思います。
彼らは、1作前の同じ雨をテーマにしたWho'll Stop The Rainこそが
雨の隠喩を用いた反ベトナム戦争反ニクソンのメッセージソングだと
話していましたが、こちらは違うと。
Have You Ever Seen The Rainは、バンド内に生じた亀裂が
もうどうしようもなくなってしまい、バンドの解散を意識し始めたことを、
晴れ(よい状態)と雨=悪い状態の間で
揺れ動く心の隠喩として表したものだという。
そもそもこれが収録されたアルバムのタイトル
"pendulum"は「振り子」ですからね、なるほどと思いました。
僕も最初に聴いた時、明るいようで何か陰りのようなものがある
不思議な歌だと感じたものでした。
亀裂の原因は、ジョンとトム・フォガティ兄弟の仲違い。
兄のトムはもっと歌いたかったらしく、実際トムはこの曲が
シングルカットされた1971年1月に脱退しています。
バンドは当時、レコード会社とももめていましたが、
ジョン・フォガティが連れて来たマネージャーが
「ビートルズを解散に追い込んだ男」アラン・クライン。
番組を観ながら僕は、彼の名前が出た瞬間、思わず苦笑い・・・
というのが、この曲の実際の「意味」だったようです。
◇
ところがですね、実は僕、この曲を最初
「干ばつにあえぐ農民が雨乞いする曲」と解釈していたのです。
それはおそらく、クリーデンスが「南部出身」を装っていたことに
釣られたのだと思う。
見事に引っかかりましたね、まだ10代だったし(笑)。
なぜそう感じたのか。
歌詞を僕が訳したものをみてあらためて考えます。
***
「嵐の前の静けさ」って昔からいうけれど
そうだね、そんなことよくあるよね
その後は天気雨になるみたいだけれど
ううん、でも、お日様が水のように降り注いでいるよね
君は雨を見たことがあるのかい?
雨ってどんなものか知っている?
晴れた日ばかりが続いているけれど
昨日も何日か前も太陽がかげり雨がひどかったね
だけどさ、もうずっとそうだった気もしてきたよ
これからもずっと四季を通して降り注ぐんだろうね
そうそう、もう雨はやまないんじゃないかって思う
***
訳の「四季」というのは"circles"に僕があてた言葉で、
真意は違うかもしれません。
特に僕が思ったのは最後のヴァース
"Here forever on it goes, through the circles fast and slow
I know, it can't stop I wonder"
雨乞いをしても雨が降らなくてどうしようもなくなり、雨の幻覚を見た、
夢の中で雨を降らせてしまったのではないかと。
人間、うまくゆかないと笑ってしまうこともある。
やるせなさ、どうしようもない心情を描いたのだと僕は感じたのです。
僕はこの曲を19歳の時に初めて聴き、このように思い、
それから3年くらいして「ベトナム戦争の反戦歌」であると
言われていることを知りました。
その時は、なるほどそういう手があったかと唸らされたものです。
だから僕の解釈を読んで、こいつバカじゃないか、
と思われる方も多いかもしれない。
でも、僕はいまだにこの曲を聴くと、最初に聴いて
解釈した風景が頭の中に浮かんできます。
それは決してベトナム戦争ではない、南部の「コットンフィールズ」、
もちろん実際に見たことはない映画か何かで見た風景ですが。
番組では、スチュ・クックがジョン・フォガティの歌に対して
次のように説明していました。
「曖昧な表現を上手く使うので聴き手の解釈が広がる」
まさにそれが僕の身に起った、ただそれだけのことだと思います。
曲ができるきっかけとなった思いは間違いなくあるに違いない、
それが人間だから。
でも、一度曲として表現されると、聴き手に解釈が委ねられる。
そこが楽しみだと僕はずっと思ってポピュラーソングを聴いてきました。
だから、間違っていると言われても気にしません(笑)。
02

ところで、番組に出ていたスチュ・クックとダグ・クリフォードは現在、
Creedence Clearwater Revisitedというバンドで
C.C.R.の曲をコンサートで演奏し、人気を博しているのだそうです。
知らなかった、しかも16年前から、
ダグ曰く「4年しか活動しなかったC.C.R.の4倍の長さ」。
メンバーは、
ダグ・クリフォード (Ds)
スチュ・クック (Bs, Backing Vocal)
カート・グリフィ (Lead Guitar)
スティーヴ・「ザ・キャプテン」・ガナー (Gt,Key, Harmonica, etc)
ジョン・「ブルドッグ」・トリスタオ (Vocal, Gt)
番組ではこの曲のライヴが一部演奏されていました。
ヴォーカルの「ブルドッグ」さんはその名の通りスキンヘッドの大男で、
ジョン・フォガティと同じだけ高い声が出せましたが、
高音は少し金切声系でメタルも歌えるのではないかと思いました。
名前が同じ「ジョン」なのは偶然なのかな。
番組で紹介されていたライヴ映像は、"I know"の後に
シンコペーションで「ジャン」とひとつギターを入れることと、
サビでオリジナルにはないスチュのコーラスも入っていることなど、
ちょっとしたことだけど斬新なアレンジでよかった。
僕がアメリカ人で地元の街に来るならぜひ行ってみたいと
素直に思いましたね。
☆
Have You Ever Seen The Rain
Creedence Clearwater Revisited
クリーデンス・クリアウォーター・リヴィジッティドのライヴ。
この曲について語りたいことは雨ほどにたくさんある。
今日はしかし話題をテレビ番組に絞って、この辺で終わります。
大好きな曲だから間違いなくまた記事にしたいと思う。
BS-TBSは「吉田類の酒場放浪記」もあるし(今ちょうどOAですね)、
洋楽が好きなスタッフが多いのかもしれないですね。
そういうところがあるのは嬉しいものです。
最後は3ショット。
03

君たちは今日雨を見たかい?
降ってたみたいだけど、家の中にいたからワカンナイ。

Have You Ever Seen The Rain Creedence Clearwater Revival
雨を見たかい クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル
(1970)
今日は1曲のお話。
Have You Ever Seen The Rain
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル
先ずは曲から。
☆
Have You Ever Seen The Rain
Creedence Clearwater Revival
(1970)
BS-TBSで毎週水曜23時から
「SONG TO SOUL ~ One piece of the eternyty 永遠の1曲」
という番組が放送されています。
主に洋楽の名曲にまつわる逸話とそのアーティストの活動を
短くまとめた、見応え聴き応え歌い応え(?)のある番組です。
詳しくはこちらのリンクからどうぞ。
僕が録画で観ているのは再放送分ですが、
先日、「雨を見たかい」が放送されました。
曲についてもはや多くを語る必要はないでしょう。
日本で洋楽を聴くある年齢層以上の人なら知らない人はいないのでは、
というくらいに有名、「洋楽」という言葉を象徴する曲のひとつでしょう。
1970年に発売されたクリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル
6枚目のアルバムPENDULUMから71年1月にシングルカットされ
ビルボード最高8位を記録した曲。
番組ではベースのスチュ・クックとドラムスのダグ・クリフォードが、
曲やクリーデンスについて語っていました。
なぜジョン・フォガティではないのかと思う反面、
ジョン・フォガティではないから聞けた話もあって、
僕は興味深く観ていました。
2人はクリーデンスの基になるバンドの創設メンバーで、
中学のクラスメイト。
中学で最初、苗字が近いので隣りになり話していると
お互いにロックンロールが大好きでレコードを集めていることを知って
仲良くなったのだという。
番組でも特に興味深かったのが、取材陣のある質問でした。
「雨を見たかい」は日本ではベトナム戦争の反戦歌として
知られているが、それは本当か?
彼らの答えは「それは聞いたことがない」
「雨を見たかい」は、雨をナパーム弾に喩えた
ベトナム戦争反戦歌であることはずっと言われてきていて、
今ではそれが定着しているように思います。
彼らは、1作前の同じ雨をテーマにしたWho'll Stop The Rainこそが
雨の隠喩を用いた反ベトナム戦争反ニクソンのメッセージソングだと
話していましたが、こちらは違うと。
Have You Ever Seen The Rainは、バンド内に生じた亀裂が
もうどうしようもなくなってしまい、バンドの解散を意識し始めたことを、
晴れ(よい状態)と雨=悪い状態の間で
揺れ動く心の隠喩として表したものだという。
そもそもこれが収録されたアルバムのタイトル
"pendulum"は「振り子」ですからね、なるほどと思いました。
僕も最初に聴いた時、明るいようで何か陰りのようなものがある
不思議な歌だと感じたものでした。
亀裂の原因は、ジョンとトム・フォガティ兄弟の仲違い。
兄のトムはもっと歌いたかったらしく、実際トムはこの曲が
シングルカットされた1971年1月に脱退しています。
バンドは当時、レコード会社とももめていましたが、
ジョン・フォガティが連れて来たマネージャーが
「ビートルズを解散に追い込んだ男」アラン・クライン。
番組を観ながら僕は、彼の名前が出た瞬間、思わず苦笑い・・・
というのが、この曲の実際の「意味」だったようです。
◇
ところがですね、実は僕、この曲を最初
「干ばつにあえぐ農民が雨乞いする曲」と解釈していたのです。
それはおそらく、クリーデンスが「南部出身」を装っていたことに
釣られたのだと思う。
見事に引っかかりましたね、まだ10代だったし(笑)。
なぜそう感じたのか。
歌詞を僕が訳したものをみてあらためて考えます。
***
「嵐の前の静けさ」って昔からいうけれど
そうだね、そんなことよくあるよね
その後は天気雨になるみたいだけれど
ううん、でも、お日様が水のように降り注いでいるよね
君は雨を見たことがあるのかい?
雨ってどんなものか知っている?
晴れた日ばかりが続いているけれど
昨日も何日か前も太陽がかげり雨がひどかったね
だけどさ、もうずっとそうだった気もしてきたよ
これからもずっと四季を通して降り注ぐんだろうね
そうそう、もう雨はやまないんじゃないかって思う
***
訳の「四季」というのは"circles"に僕があてた言葉で、
真意は違うかもしれません。
特に僕が思ったのは最後のヴァース
"Here forever on it goes, through the circles fast and slow
I know, it can't stop I wonder"
雨乞いをしても雨が降らなくてどうしようもなくなり、雨の幻覚を見た、
夢の中で雨を降らせてしまったのではないかと。
人間、うまくゆかないと笑ってしまうこともある。
やるせなさ、どうしようもない心情を描いたのだと僕は感じたのです。
僕はこの曲を19歳の時に初めて聴き、このように思い、
それから3年くらいして「ベトナム戦争の反戦歌」であると
言われていることを知りました。
その時は、なるほどそういう手があったかと唸らされたものです。
だから僕の解釈を読んで、こいつバカじゃないか、
と思われる方も多いかもしれない。
でも、僕はいまだにこの曲を聴くと、最初に聴いて
解釈した風景が頭の中に浮かんできます。
それは決してベトナム戦争ではない、南部の「コットンフィールズ」、
もちろん実際に見たことはない映画か何かで見た風景ですが。
番組では、スチュ・クックがジョン・フォガティの歌に対して
次のように説明していました。
「曖昧な表現を上手く使うので聴き手の解釈が広がる」
まさにそれが僕の身に起った、ただそれだけのことだと思います。
曲ができるきっかけとなった思いは間違いなくあるに違いない、
それが人間だから。
でも、一度曲として表現されると、聴き手に解釈が委ねられる。
そこが楽しみだと僕はずっと思ってポピュラーソングを聴いてきました。
だから、間違っていると言われても気にしません(笑)。
02

ところで、番組に出ていたスチュ・クックとダグ・クリフォードは現在、
Creedence Clearwater Revisitedというバンドで
C.C.R.の曲をコンサートで演奏し、人気を博しているのだそうです。
知らなかった、しかも16年前から、
ダグ曰く「4年しか活動しなかったC.C.R.の4倍の長さ」。
メンバーは、
ダグ・クリフォード (Ds)
スチュ・クック (Bs, Backing Vocal)
カート・グリフィ (Lead Guitar)
スティーヴ・「ザ・キャプテン」・ガナー (Gt,Key, Harmonica, etc)
ジョン・「ブルドッグ」・トリスタオ (Vocal, Gt)
番組ではこの曲のライヴが一部演奏されていました。
ヴォーカルの「ブルドッグ」さんはその名の通りスキンヘッドの大男で、
ジョン・フォガティと同じだけ高い声が出せましたが、
高音は少し金切声系でメタルも歌えるのではないかと思いました。
名前が同じ「ジョン」なのは偶然なのかな。
番組で紹介されていたライヴ映像は、"I know"の後に
シンコペーションで「ジャン」とひとつギターを入れることと、
サビでオリジナルにはないスチュのコーラスも入っていることなど、
ちょっとしたことだけど斬新なアレンジでよかった。
僕がアメリカ人で地元の街に来るならぜひ行ってみたいと
素直に思いましたね。
☆
Have You Ever Seen The Rain
Creedence Clearwater Revisited
クリーデンス・クリアウォーター・リヴィジッティドのライヴ。
この曲について語りたいことは雨ほどにたくさんある。
今日はしかし話題をテレビ番組に絞って、この辺で終わります。
大好きな曲だから間違いなくまた記事にしたいと思う。
BS-TBSは「吉田類の酒場放浪記」もあるし(今ちょうどOAですね)、
洋楽が好きなスタッフが多いのかもしれないですね。
そういうところがあるのは嬉しいものです。
最後は3ショット。
03

君たちは今日雨を見たかい?
降ってたみたいだけど、家の中にいたからワカンナイ。
Posted by guitarbird at
21:21
│John Fogery-C.C.R.
2015年12月21日
Sweet Hitch-Hiker クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル
01

Sweet Hitch-Hiker
Creedence Clearwater Revival
スウィート・ヒッチハイカー
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル
(1971)
今日は1曲の話です。
Sweet Hitch-Hiker
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル C.C.R.
先ずは曲からどうぞ
久し振り「笑う洋楽展」の話題。
先週土曜日のお題は「のりものあつまれ」
プロモに乗りものが出てくる作品を集めたもので、5曲の最初に紹介。
見事最優秀作品に選ばれました。
ちなみにその5曲は以下の通り。
☆Sweet Hitch-Hiker クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル
☆Volare アル・マルティーノ
☆I Got A Line On You スピリット
☆NOTHING'S GONNA STOP ME NOW サマンサ・フォックス
☆I I Could Turn Back Time シェール
ほんとうは長々と語りたいのですが、今回はC.C.R.に話を絞ります。
曲の話を先にすると、Sweet Hitch-Hikerは1971年、
彼らの最後のアルバムMARDI GRASから、
通算20枚目のシングルとしてリリース。
ビルボード誌最高6位とヒットしました。
意外なことにというか、かの「雨を見たかい」
Have You Ever Seen The Rainの8位よりも上でした。
番組では、曲が流れいる間、みうらじゅん氏が
このようなことを言っていました。
「C.C.R.はベスト盤で聴く方がいいよね」
それを聞いて、「あっ、やっぱりそうか」と。
僕も、実はそう思っていました。
ただ、僕は「アルバム至上主義者」だから、それをあまり言いたくない。
みうらじゅん氏も「泣く泣く」ベスト盤を買ったと話していて、
オリジナルアルバムを重視する姿勢は僕と同じで共感しました。
何だろう、妙な言い方だけど、ベスト盤がの方がいいというのは
なんだか負けたような気分になってしまうんですよね、愚かなことに。
ある曲を気に入りベスト盤買っても、結局、ほとんどの場合、
オリジナルアルバムも買い直すんですよね。
僕も、初めて聴いたC.C.R.は、19歳の時に買った
日本編集のベスト盤CDでした。
僕が最初に買った10枚に入る、ごく初期に買ったCD。
Have You Ever Seen The Rainをラジオで聴いてバンド名を覚えて
すぐにCDを買ったものですが、ほんとうに最初から最後まで
あまりにも素晴らしい曲ばかりで感動しました。
オリジナルアルバムは大学生になってから買い揃えましたが、
なんだろう、正直、期待がものすごく高かっただけに、
拍子抜けした部分はありました。
最初に買ったのはWILLIE & THE POOR BOYSでしたが、
これはある種のコンセプトアルバムだから、まだよかった、
こういう人たちなんだと分かったから。
でも、COSMO'S FACTORYはヒット曲も多くて期待が高かった分、
アルバムとして聴いて、「あれれっ???」で終わってしまいました。
曲と曲のつながりがあまりよくないんですよね。
Have You Ever Seen The Rainが入ったPENDULUMになると、
いい歌「も」あるというくらいでもう散漫。
Before You Accuse Meを知ったのが収穫だったくらいかな。
最後のMARDI GRASはトム・フォガティがいない上に曲も弱く、
誰が聴いてもこれが最後と思えるだろうという寂しさもありました。
「マルディグラ」というのはニューオーリンズのお祭りのことだと知って、
それだけですごく期待したものですが。
余談ですが、C.C.R.は2009年にPENDULUMまでの
6枚のリマスターリイシュー盤が出たのですが、
なぜか最後のMARDI GRASだけそのシリーズで再発されておらず、
ひとつ前のリマスターリイシュー盤が現時点での最終形となっています。
出ないのかな、抹殺された・・・!?・・・
02 今朝もほのかにフラッシュ撮影

閑話休題。
C.C.R.はベスト盤の方がいい理由を、みうら氏と安斎肇さんは、
シングル曲はいろんなスタイルがあるけれど
アルバムは同じような曲が並んでいるから、と話していました。
恐れ多いとは思いつつ、ここで僕が補足します。
C.C.R.の曲は基本的に3コード4コードで展開があまりなく単純で、
実際に曲の中で一度しか出てこないブリッジがある曲もほとんどない。
また曲のスタイルが違ってもアレンジは大きく変わることがないから、
単純に曲そのものの良さに左右されることが多い。
ジョン・フォガティほどの作曲家でもやはり
1枚のアルバムすべていい曲で埋めるのは難しい。
だからアルバムで聴くとどうしても曲の良し悪しだけに耳がいってしまう。
ベスト盤はヒット曲を集めているのだから当然、
良し悪しという判断にはならない、多少の好き嫌いはあっても。
ずっといい歌を聴いていられる。
もうひとつ、C.C.R.は、ほとんどのアルバムに
ジャムセッション風の長い曲が入っている。
これが引っかかるのではないかと思います。
Commotionのようにいい曲もあるし、マーヴィン・ゲイのカヴァー
I Heart It Through The Grape Vineなどは短くしてシングルヒットを
記録しているけれど、やはりアルバムで聴くと長い。
C.C.R.に長い曲は求められていないのかもしれない。
逆を言えば、C.C.R.は「ヒットシングル向きロックバンド」としては
最高級の存在なのではないかと、そこの部分は再評価しました。
その割に最高2位の曲が5曲もありながら、
No.1ヒットがないという悲劇のバンドなのですが。
というわけで、C.C.R.をこれから聴くという人に、
僕は迷わずベスト盤をおすすめします。
今回笑うを観てというのではなく、昔からそうでした。
03 僕の車は今犬の毛がひどくヒッチハイクには向きません・・・

Sweet Hitch-Hikerの話をもう一度。
僕が最初に聴いたベスト盤CDでは「雨を見たかい」の次に
入っていますが、僕はその曲が大好きなだけに、
ここに来てがくんと曲が落ちる、と感じていました。
だから先ほど僕は「意外にも」「雨を見たかい」より
チャートが上だったんだと書きました。
しかも、ベスト盤では最後にSomeday Never Comesで
大きな返し波に襲われしんみりと終わるんだけど、
この曲は名曲の間に挟まれてかわいそう、とすら思ったことも。
でも、番組で単独で聴くとやっぱり素晴らしい曲だった。
ジョン・フォガティの曲の特徴で、歌メロがきれいに流れ
耳について離れないですよね。
サビのところは無意識に口ずさんでしまう。
これぞ「ヒットチャートロック」の真髄といったところか。
ところでこれ、「スウィーティッチハイカー」に聴こえるのが
妙にかっこいいのですが、
"sweet"の"t"と"hitch"の"h"がくっついてそう聴こえるのでしょうね。
映像も、時代を反映していわゆる「ニューシネマ」風。
短いカットとコマ送りをつないでゆくもので、
番組の2人も「映像がいいよね」と話していました。
僕はこの映像は初めて観たのですが、そう思いました。
ただ、メンバー3人は顔のアップでしか写らなくて、
カウボーイハットのジョン・フォガティが一瞬誰だか分からなかった。
全体的に赤っぽいのが、なんとなくアメリカの土埃を感じさせます。
番組では、60歳を過ぎたジョン・フォガティは
今でもまだ大型バイクに乗ってみたい、
奥さんを後ろに乗せてドライブしたいと思っている、
という話が紹介されていました。
気持ちが若いですね、しかも奥さんをというのがいい
(奥さん若いのかもしれないけれど)。
ジョン・フォガティはなんとなく長生きしそうだな、と、
番組の数日前にたまたま思ったばかりだったので、
その話を聞いてほっとしました。
ただ、番組ではみうら氏と安斎さんは、
バイク乗ると事故起こすから危ないよと心配していましたが、
バイクに乗らないのであれば大丈夫かな(笑)。
でも、あれ、待てよ。
ジョン・フォガティ2004年のソロアルバム
DEJA VU ALL OVER AGAINのジャケットで、
ジョンはバイクに乗ってなかったか・・・!?
ただ「乗ってた」だけだったのか?
と思ってCDを取り出して見ると、バイクに暗い僕が見る限り、
「大型」バイクには見えない。
バイクには乗れるけれど、大型に乗ってみたい、ということのようですね。
余談ですが、僕はバイクは無理、自転車ですらまともに乗れないので・・・
というわけで今日のまとめ。
「C.C.R.はベスト盤で聴くのがいちばん」
かもしれない、と、アルバム至上主義者の僕は
敢えて付け加えておきますが(笑)。
いやあそれにしても、
「クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル」
という名前は自分で言っていてもカッコよくてしびれます(笑)。
最後は昨日の3ショットにて。
04


Sweet Hitch-Hiker
Creedence Clearwater Revival
スウィート・ヒッチハイカー
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル
(1971)
今日は1曲の話です。
Sweet Hitch-Hiker
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル C.C.R.
先ずは曲からどうぞ
久し振り「笑う洋楽展」の話題。
先週土曜日のお題は「のりものあつまれ」
プロモに乗りものが出てくる作品を集めたもので、5曲の最初に紹介。
見事最優秀作品に選ばれました。
ちなみにその5曲は以下の通り。
☆Sweet Hitch-Hiker クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル
☆Volare アル・マルティーノ
☆I Got A Line On You スピリット
☆NOTHING'S GONNA STOP ME NOW サマンサ・フォックス
☆I I Could Turn Back Time シェール
ほんとうは長々と語りたいのですが、今回はC.C.R.に話を絞ります。
曲の話を先にすると、Sweet Hitch-Hikerは1971年、
彼らの最後のアルバムMARDI GRASから、
通算20枚目のシングルとしてリリース。
ビルボード誌最高6位とヒットしました。
意外なことにというか、かの「雨を見たかい」
Have You Ever Seen The Rainの8位よりも上でした。
番組では、曲が流れいる間、みうらじゅん氏が
このようなことを言っていました。
「C.C.R.はベスト盤で聴く方がいいよね」
それを聞いて、「あっ、やっぱりそうか」と。
僕も、実はそう思っていました。
ただ、僕は「アルバム至上主義者」だから、それをあまり言いたくない。
みうらじゅん氏も「泣く泣く」ベスト盤を買ったと話していて、
オリジナルアルバムを重視する姿勢は僕と同じで共感しました。
何だろう、妙な言い方だけど、ベスト盤がの方がいいというのは
なんだか負けたような気分になってしまうんですよね、愚かなことに。
ある曲を気に入りベスト盤買っても、結局、ほとんどの場合、
オリジナルアルバムも買い直すんですよね。
僕も、初めて聴いたC.C.R.は、19歳の時に買った
日本編集のベスト盤CDでした。
僕が最初に買った10枚に入る、ごく初期に買ったCD。
Have You Ever Seen The Rainをラジオで聴いてバンド名を覚えて
すぐにCDを買ったものですが、ほんとうに最初から最後まで
あまりにも素晴らしい曲ばかりで感動しました。
オリジナルアルバムは大学生になってから買い揃えましたが、
なんだろう、正直、期待がものすごく高かっただけに、
拍子抜けした部分はありました。
最初に買ったのはWILLIE & THE POOR BOYSでしたが、
これはある種のコンセプトアルバムだから、まだよかった、
こういう人たちなんだと分かったから。
でも、COSMO'S FACTORYはヒット曲も多くて期待が高かった分、
アルバムとして聴いて、「あれれっ???」で終わってしまいました。
曲と曲のつながりがあまりよくないんですよね。
Have You Ever Seen The Rainが入ったPENDULUMになると、
いい歌「も」あるというくらいでもう散漫。
Before You Accuse Meを知ったのが収穫だったくらいかな。
最後のMARDI GRASはトム・フォガティがいない上に曲も弱く、
誰が聴いてもこれが最後と思えるだろうという寂しさもありました。
「マルディグラ」というのはニューオーリンズのお祭りのことだと知って、
それだけですごく期待したものですが。
余談ですが、C.C.R.は2009年にPENDULUMまでの
6枚のリマスターリイシュー盤が出たのですが、
なぜか最後のMARDI GRASだけそのシリーズで再発されておらず、
ひとつ前のリマスターリイシュー盤が現時点での最終形となっています。
出ないのかな、抹殺された・・・!?・・・
02 今朝もほのかにフラッシュ撮影

閑話休題。
C.C.R.はベスト盤の方がいい理由を、みうら氏と安斎肇さんは、
シングル曲はいろんなスタイルがあるけれど
アルバムは同じような曲が並んでいるから、と話していました。
恐れ多いとは思いつつ、ここで僕が補足します。
C.C.R.の曲は基本的に3コード4コードで展開があまりなく単純で、
実際に曲の中で一度しか出てこないブリッジがある曲もほとんどない。
また曲のスタイルが違ってもアレンジは大きく変わることがないから、
単純に曲そのものの良さに左右されることが多い。
ジョン・フォガティほどの作曲家でもやはり
1枚のアルバムすべていい曲で埋めるのは難しい。
だからアルバムで聴くとどうしても曲の良し悪しだけに耳がいってしまう。
ベスト盤はヒット曲を集めているのだから当然、
良し悪しという判断にはならない、多少の好き嫌いはあっても。
ずっといい歌を聴いていられる。
もうひとつ、C.C.R.は、ほとんどのアルバムに
ジャムセッション風の長い曲が入っている。
これが引っかかるのではないかと思います。
Commotionのようにいい曲もあるし、マーヴィン・ゲイのカヴァー
I Heart It Through The Grape Vineなどは短くしてシングルヒットを
記録しているけれど、やはりアルバムで聴くと長い。
C.C.R.に長い曲は求められていないのかもしれない。
逆を言えば、C.C.R.は「ヒットシングル向きロックバンド」としては
最高級の存在なのではないかと、そこの部分は再評価しました。
その割に最高2位の曲が5曲もありながら、
No.1ヒットがないという悲劇のバンドなのですが。
というわけで、C.C.R.をこれから聴くという人に、
僕は迷わずベスト盤をおすすめします。
今回笑うを観てというのではなく、昔からそうでした。
03 僕の車は今犬の毛がひどくヒッチハイクには向きません・・・

Sweet Hitch-Hikerの話をもう一度。
僕が最初に聴いたベスト盤CDでは「雨を見たかい」の次に
入っていますが、僕はその曲が大好きなだけに、
ここに来てがくんと曲が落ちる、と感じていました。
だから先ほど僕は「意外にも」「雨を見たかい」より
チャートが上だったんだと書きました。
しかも、ベスト盤では最後にSomeday Never Comesで
大きな返し波に襲われしんみりと終わるんだけど、
この曲は名曲の間に挟まれてかわいそう、とすら思ったことも。
でも、番組で単独で聴くとやっぱり素晴らしい曲だった。
ジョン・フォガティの曲の特徴で、歌メロがきれいに流れ
耳について離れないですよね。
サビのところは無意識に口ずさんでしまう。
これぞ「ヒットチャートロック」の真髄といったところか。
ところでこれ、「スウィーティッチハイカー」に聴こえるのが
妙にかっこいいのですが、
"sweet"の"t"と"hitch"の"h"がくっついてそう聴こえるのでしょうね。
映像も、時代を反映していわゆる「ニューシネマ」風。
短いカットとコマ送りをつないでゆくもので、
番組の2人も「映像がいいよね」と話していました。
僕はこの映像は初めて観たのですが、そう思いました。
ただ、メンバー3人は顔のアップでしか写らなくて、
カウボーイハットのジョン・フォガティが一瞬誰だか分からなかった。
全体的に赤っぽいのが、なんとなくアメリカの土埃を感じさせます。
番組では、60歳を過ぎたジョン・フォガティは
今でもまだ大型バイクに乗ってみたい、
奥さんを後ろに乗せてドライブしたいと思っている、
という話が紹介されていました。
気持ちが若いですね、しかも奥さんをというのがいい
(奥さん若いのかもしれないけれど)。
ジョン・フォガティはなんとなく長生きしそうだな、と、
番組の数日前にたまたま思ったばかりだったので、
その話を聞いてほっとしました。
ただ、番組ではみうら氏と安斎さんは、
バイク乗ると事故起こすから危ないよと心配していましたが、
バイクに乗らないのであれば大丈夫かな(笑)。
でも、あれ、待てよ。
ジョン・フォガティ2004年のソロアルバム
DEJA VU ALL OVER AGAINのジャケットで、
ジョンはバイクに乗ってなかったか・・・!?
ただ「乗ってた」だけだったのか?
と思ってCDを取り出して見ると、バイクに暗い僕が見る限り、
「大型」バイクには見えない。
バイクには乗れるけれど、大型に乗ってみたい、ということのようですね。
余談ですが、僕はバイクは無理、自転車ですらまともに乗れないので・・・
というわけで今日のまとめ。
「C.C.R.はベスト盤で聴くのがいちばん」
かもしれない、と、アルバム至上主義者の僕は
敢えて付け加えておきますが(笑)。
いやあそれにしても、
「クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル」
という名前は自分で言っていてもカッコよくてしびれます(笑)。
最後は昨日の3ショットにて。
04

Posted by guitarbird at
21:04
│John Fogery-C.C.R.
2015年05月16日
WILLIE AND THE POOR BOYS
01

WILLIE AND THE POOR BOYS
Creedence Clearwater Revival (C.C.R.)
ウィリー・アンド・ザ・プア・ボーイズ
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル (1969)
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル、C.C.R.
僕は大好きであるのはもう幾度か記事で触れてきましたが、
意外にもC.C.R.のアルバムの記事は今回が初めて。
別に思い当たる理由は特にないのですが、ではということで、
僕が初めて買ったC.C.R.のオリジナルアルバムに触れます。
C.C.R.は大学入学が決まった3月に初めてベスト盤を買いましたが、
このアルバムはそれを聴いた上で何を買うか考えていたところ、
アルバムとしてはこれが最高傑作と言われているということを
何かで読んだのが決め手となって買いました。
ただ、普通であれば、ベスト盤でいちばん気に入った
「雨を見たかい」が入ったアルバムを買いそうなものですが
それを選ばなかったのは、どうやらその頃はもうC.C.R.は
下り坂に差し掛かっていたという風の噂のようなものを聞いていて、
最初にそれはちょっと恐かったのでした。
聴いてみると、これはほんとに素晴らしかった。
ベスト盤に入っていたのは2曲しかないのですが、これは
いい曲がたくさん入っているというよりは(もちろんいいんだけど)、
アルバム全体の流れを楽しむものだと感じました。
当時の僕はもうアルバム至上主義者に成りかかっていたので、
これこれこういうアルバムを求めていたと一発で気に入りました。
このアルバムはアメリカ音楽の勉強になりました。
当時は僕はもうアメリカンロック人間と化していたのですが、
その中でも特にC.C.R.やジョン・フォガティはアメリカ音楽の要素を
色濃く感じる存在として注目し始めました。
当時は僕もまだ向学心があって(笑)、このアルバムはそんな彼らの
背景を知りたくてライナーノーツがある国内盤を買いました。
輸入盤も当時は高かったですが、でも国内盤ほどではなく、
ほんとに当時は力が入っていたんだなと今にして思います。
勉強というか、なんとなく感じていた雰囲気を言葉として著された
ものに触れて頭の中に固着した、という感じでしょうか。
彼らは「南部で生まれた」と歌っているのに南部出身ではないことは、
当時の僕はもう知っていましたが、僕自身もちろん、それ以前に
アメリカ人ではないので、南部出身ではない者が南部の音楽を
再現するという距離感が自分に近くて共感を持てました。
このアルバムは、C.C.R.が「ウィリー・アンド・ザ・プア・ボーイズ」
というバンドに扮して南部音楽を探求すするというのがテーマで、
他のバンドに扮するのはビートルズの影響かもしれません。
彼らが求めたのは、貧しくてもつらくても楽しもうじゃないかという、
ブルーズの魂を今(当時)のロックで再現してみることで、
その心意気がほぼ達成され作られていると僕は考えています。
実際にトラディショナルソングのカバーも入っていますが、
あくまでも庶民の目線で書かれた曲ばかりが並んでいます。
まあそれはこれに限ったことではないのですが、彼らの音楽の
背景にはベトナム戦争が色濃く影を落としていて、実際に出兵した
ジョン・フォガティの庶民目線はそこが大元になっているのでしょう。
ジャケットは南部の街角で楽しげに演奏するバンドの4人が
写し出されていて、雰囲気は伝わってきますね。
ただし、4人の服装、色使いは地味だけどどこかパリッとしている、
どこか浮いた感じがあって、これはやはり南部出身ではない
彼らの距離感を微妙に表しているようにも思います。
ロックという音楽は、本物になろうとするところが魅力だけど、
決して本物になってはいけない、ということも僕は学びました。
だからここでは変名バンドを名乗る必要があったのでしょう。
後にローリング・ストーンズのビル・ワイマンとチャーリー・ワッツが
まさに「ウィリー・&・ザ・プア・ボーイズ」というプロジェクトバンドを
立ち上げて古い音楽を焼き直したのは、C.C.R.がここで再現した
魂が受け継がれていることを物語っていますね。
僕はそれが出た時はうれしくてすぐにCDを買いました。
久しぶりに引っ張り出して聴いてみようかな。
曲は明記してたもの以外はジョン・フォガティが書いています。
(All songs written by John Fogerty except as noted)
02

Tr1:Down On The Corner
童謡のようなフォークソング的な楽しいギターのイントロは、
ベスト盤で聴いた瞬間からギターで弾いていました。
これはとにかく楽しいですね。
歌詞の前半はジャケットをそのまま説明しているようであり、
このアルバムは表題曲がないですがこの曲の歌詞の中に
"Willie & the poor boys"と出てくる、表題曲代わりの曲です。
また"kalamazoo"歌うのが最初から印象に残っていたんだけど、
「カラマズー」が何かずっと分からなくて、それがつい数年前、
Kalamazooは地名でありそこにGibsonの工場があると知って、
そういうことかとつながったのでした。
でも、調べるとKalamazooはミシガン州つまり北部の州で、
じゃあこれは南部じゃないのではないかとまた別の疑念が。
でも、歌詞をよく読むと楽器のことを表しているようで、
それであるならやっぱりそうかと再び納得しました。
ともあれ、僕の中でこの曲はそれから、Gibsonのギターの
テーマ曲的な存在になりました。
Tr2:It Came Out Of The Sky
ジョン・フォガティが空のことを歌うとどうしても空爆を思い出す。
典型的なC.C.R.スタイルの爽快なロックンロールだけど、
歌っていることはかなり辛辣で時代を感じます。
Tr3:Cotton Fields
(Huddie Ledbetter)
この曲を初めてCDで聴いた時に叫びました、これ知ってる!
僕の洋楽原初体験の一つが「ひらけ! ポンキッキ」でした。
ポンキッキではコーナーとコーナーの間に、ラジオでいうと
ジングルのような短い映像のお遊びコーナーがあったのですが、
そこでかかっていたのが今思うとすべて洋楽の古い曲で、実は
ビートルズの数曲もそこで耳にしていたものを、自らの意志で
ビートルズを聴くようになって分かったのでした。
懐かしなあ、そしていかにも1970年代洋楽の時代だなあ、って。
曲は1940年代の古いブルーズの焼き直しで、僕はオリジナルは
聴いたことがないのですが、ここでの音がぱらぱらした感じの
ギターのイントロはいかにも綿花の花を想起させて面白い。
歌い出しが1拍多いのが歌っていていつもあれっと思う(笑)。
辛辣さを表に出さない心意気の陽気なこの曲は、
ブルーズの魂をロックで甦らせるのにこれ以上ない選曲。
Tr4:Poorboy Shuffle
プア・ボーイズによるインストゥルメンタル。
ベースはたらいに棒を立てて糸を張ったもの、
打楽器は洗濯板と、身の周りにあるものを何でも
楽器にして楽しもうという心意気を再現。
アクセントとして効いている曲ですね。
Tr5:Feelin' Blue
前の曲の途中でフェイドインしてくる流れがいい。
ブルーな気分と歌っていてブルージーな雰囲気だけど、
ブルーズではないロック、そこが当時は新しかったのかも。
これはいいですよ、よく口ずさみます。
03 夜は明ける

Tr6:Fortunate Son
C.C.R.のロックンロールサイドの代表曲の一つ。
これは明確にベトナム戦争の体験を心情として綴ったもので、
「俺は大金持ちの息子じゃねえ、軍幹部の息子じゃねえ、
上院議員の息子じゃねえ、運がいい奴じゃねえ」
と戦争に行かねばならない身の人間が、戦争に行かなくても済む
人間を皮肉たっぷりに歌うこの曲には異様な爽快感があります。
そして注目すべきはこの曲のサウンド。
重たいリズムに金属的な響きのこの曲の音は、
ヘリコプターの音をイメージしているのではないかな。
映画「フォレスト・ガンプ:一期一会」ではまさにベトナム戦争の
ヘリコプターのシーンで使われていて効果満点。
以降、この曲はヘリコプターのイメージの曲になりました。
歌詞の中では"fortunate one"と歌っているのですが、
最後の最後、フェイドアウトで消える直前だけ曲名の通り
"fortunate son"と一度だけ歌うのが面白い。
とにかくカッコいい、壮絶なまでにカッコいい。
そしてこの曲で僕はロックの歌詞の面白さに完全に目覚めました。
ところで余談。
この曲はTr1のB面として最高14位と中ヒットしたのですが、
これがシングルとして出ている間にビルボードのチャートの
編集方法が変わり、A面B面の区別なく1枚のシングルとして
扱うようになったということです。
ビートルズのSomethingとCome Togetherもまさに
そのタイミングで1位になっていたので両方が1位として記録
されたのですが、ということはそうか、このアルバムは
ABBEY ROADと同じ頃に出ていたんだ、と、
僕の頭の中でまたひとつつながりました。
Tr7:Don't Look Now
これはロカビリー、リッキー・ネルソン辺りを思い出します。
この手の曲は何かほっとするものがあります。
Tr8:The Midnight Special
(Traditional arranged by John Fogerty)
僕が思うにトラッドソングのカバーとしてロック界でも随一。
ギターの演奏だけでバラード風にヴァースが始まり、
バンドの演奏になるとまずは裏打ちの波打つリズム、
続いてロックンロールという3段変則リズムのアレンジもいいし、
ブルージーなジョンのヴォーカルも最高にいい。
もうこれは完全にロックとして甦っているし、C.C.R.の代表曲の
ひとつにも挙げられるのではないかな。
コード進行が簡単なだけにすぐにギターを弾いて歌っていました。
この曲は映画「トワイライト・ゾーン」において、ダン・エイクロイドが
出ているの地の部分で効果的に使われていました。
映画は4人の監督が1つずつ短編を制作してひとつのストーリー
としてつなげたもので、地の部分というのは、最初の切り出しと、
最後のしめの部分のことです。
救急車に運び込まれたダン・エイクロイドは、ラジオでかかっていた
この曲を耳にして"I love Creedence"と言ったのですが、
字幕ではそれが「この曲は最高だね」となっていて、
僕は、当時はC.C.R.はで日本では当時は人気がないというか
知名度が低いことを知りました。
Tr9:Side O' The Road
LPでいうB面にもインストゥルメンタルの曲がありますが、
僕は当時は今よりもっと歌人間だったのに、今ふと思った、
どうしてこのアルバムをそこまで気に入ったのだろう(笑)。
C.C.R.はすごいというマジックにかかっていたのかな、と。
ハードでシャープな演奏のこの曲を聴くと、
ジョン・フォガティが卓越したギタリストであり、
ギターサウンドもC.C.R.の魅力のひとつであること、そして
サウンドクリエイターとしても秀でていることが分かります。
先ほどどうして僕は気に入ったんだろうって書いたけど、
これはほんとに素晴らしくて、若い頃だから逆に邪念が
あまりなくて素直に気に入ったのかもしれない(笑)。
Tr10:Effigy
最後はマイナー調のブルージーな重たい曲。
最初に聴いて、ビートルズのSexy Sadieに似ているなと。
ここまでつらいことも明るく歌ってきたのに、最後の最後で
これだけ重たく歌うのは、やはり現実から目をそむけるな
というメッセージなのかもしれません。
"effigy"とは「肖像、(憎むべき)ひとがた」とありますが、
いったい誰を憎むのだろう。
怨念、という言葉がまさにぴったりの曲で、C.C.R.というバンド、
ジョン・フォガティのすごみを感じる曲ですね。
僕はアルバムの最後は明るい曲で終わってほしいのですが、
後を引く曲もまたありなのかな、とも思いました。
現行のCDには3曲のボーナストラックが入っています。
Tr11:Fortunate Son
これは1971年9月1日のマンチェスターでのライヴテイク。
コンサートでも盛り上がる曲であるのがよく分かります。
Tr12:It Came Out Of The Sky
これは1971年9月16日のベルリンでのライヴテイク。
どちらもアメリカのものではないのは何か意図があるのかな。
あるとすれば、アメリカの音楽をヨーロッパの人が聴くと
どんな反応があるのか、それを見せたかったのかもしれない。
Tr13:Down On The Corner
そしてこれ、ブッカー・T・&・ジ・MGズとの
ジャムセッションによるアウトテイクです。
最初はこれ「なぜC.C.R.と彼らが?」と思ったのですが、
ロッド・スチュワートも大西洋を渡って彼らと録音したように、
白人ミュージシャンには憧れのような存在だったのでしょうね。
そしてC.C.R.はそんな彼らにも一目置かれていたのでしょう。
こんな音源が残っていたのはうれしいですね。
確かにオルガンが歌ってます。
ところで、ブッカー・T・&・ジ・MGズといえば・・・
ベーシストであったドナルド・ダック・ダンが、5月13日、
コンサートのために来日していた東京のホテルで亡くなりました。
享年70歳。
先日上げた旧譜CDの記事(こちら)において、僕は最近、
ブッカー・T・&・ジ・MGズに凝っていると書いたばかりで、
亡くなられたのはショックでしたし残念でなりません。
僕は、映画「ブルース・ブラザース」で、バンドのメンバーとして
出ていたのをテレビで見てドナルド・ダック・ダンを知りました。
それからエリック・クラプトンのアルバムに参加したり、
後にもちろんスタックスのソウルを聴くようになって
密かに好きなベーシストのひとりでした。
彼らはスタックスの数多の名曲で演奏をしているので、
それと意識していなくても、普通に洋楽を好きな人であれば
必ずや彼らの演奏を耳にしているはず。
このアルバムの記事は先週くらいから上げようと思っていて、
そんな矢先にこのようなことになってしまいました。
こんな偶然はうれしくないですね。
「空から出てきた」、ではなく、「空に召された」。
昔から知っていたミュージシャンがまたひとり鬼籍りしました。
ご冥福をお祈りします。
04


WILLIE AND THE POOR BOYS
Creedence Clearwater Revival (C.C.R.)
ウィリー・アンド・ザ・プア・ボーイズ
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル (1969)
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル、C.C.R.
僕は大好きであるのはもう幾度か記事で触れてきましたが、
意外にもC.C.R.のアルバムの記事は今回が初めて。
別に思い当たる理由は特にないのですが、ではということで、
僕が初めて買ったC.C.R.のオリジナルアルバムに触れます。
C.C.R.は大学入学が決まった3月に初めてベスト盤を買いましたが、
このアルバムはそれを聴いた上で何を買うか考えていたところ、
アルバムとしてはこれが最高傑作と言われているということを
何かで読んだのが決め手となって買いました。
ただ、普通であれば、ベスト盤でいちばん気に入った
「雨を見たかい」が入ったアルバムを買いそうなものですが
それを選ばなかったのは、どうやらその頃はもうC.C.R.は
下り坂に差し掛かっていたという風の噂のようなものを聞いていて、
最初にそれはちょっと恐かったのでした。
聴いてみると、これはほんとに素晴らしかった。
ベスト盤に入っていたのは2曲しかないのですが、これは
いい曲がたくさん入っているというよりは(もちろんいいんだけど)、
アルバム全体の流れを楽しむものだと感じました。
当時の僕はもうアルバム至上主義者に成りかかっていたので、
これこれこういうアルバムを求めていたと一発で気に入りました。
このアルバムはアメリカ音楽の勉強になりました。
当時は僕はもうアメリカンロック人間と化していたのですが、
その中でも特にC.C.R.やジョン・フォガティはアメリカ音楽の要素を
色濃く感じる存在として注目し始めました。
当時は僕もまだ向学心があって(笑)、このアルバムはそんな彼らの
背景を知りたくてライナーノーツがある国内盤を買いました。
輸入盤も当時は高かったですが、でも国内盤ほどではなく、
ほんとに当時は力が入っていたんだなと今にして思います。
勉強というか、なんとなく感じていた雰囲気を言葉として著された
ものに触れて頭の中に固着した、という感じでしょうか。
彼らは「南部で生まれた」と歌っているのに南部出身ではないことは、
当時の僕はもう知っていましたが、僕自身もちろん、それ以前に
アメリカ人ではないので、南部出身ではない者が南部の音楽を
再現するという距離感が自分に近くて共感を持てました。
このアルバムは、C.C.R.が「ウィリー・アンド・ザ・プア・ボーイズ」
というバンドに扮して南部音楽を探求すするというのがテーマで、
他のバンドに扮するのはビートルズの影響かもしれません。
彼らが求めたのは、貧しくてもつらくても楽しもうじゃないかという、
ブルーズの魂を今(当時)のロックで再現してみることで、
その心意気がほぼ達成され作られていると僕は考えています。
実際にトラディショナルソングのカバーも入っていますが、
あくまでも庶民の目線で書かれた曲ばかりが並んでいます。
まあそれはこれに限ったことではないのですが、彼らの音楽の
背景にはベトナム戦争が色濃く影を落としていて、実際に出兵した
ジョン・フォガティの庶民目線はそこが大元になっているのでしょう。
ジャケットは南部の街角で楽しげに演奏するバンドの4人が
写し出されていて、雰囲気は伝わってきますね。
ただし、4人の服装、色使いは地味だけどどこかパリッとしている、
どこか浮いた感じがあって、これはやはり南部出身ではない
彼らの距離感を微妙に表しているようにも思います。
ロックという音楽は、本物になろうとするところが魅力だけど、
決して本物になってはいけない、ということも僕は学びました。
だからここでは変名バンドを名乗る必要があったのでしょう。
後にローリング・ストーンズのビル・ワイマンとチャーリー・ワッツが
まさに「ウィリー・&・ザ・プア・ボーイズ」というプロジェクトバンドを
立ち上げて古い音楽を焼き直したのは、C.C.R.がここで再現した
魂が受け継がれていることを物語っていますね。
僕はそれが出た時はうれしくてすぐにCDを買いました。
久しぶりに引っ張り出して聴いてみようかな。
曲は明記してたもの以外はジョン・フォガティが書いています。
(All songs written by John Fogerty except as noted)
02

Tr1:Down On The Corner
童謡のようなフォークソング的な楽しいギターのイントロは、
ベスト盤で聴いた瞬間からギターで弾いていました。
これはとにかく楽しいですね。
歌詞の前半はジャケットをそのまま説明しているようであり、
このアルバムは表題曲がないですがこの曲の歌詞の中に
"Willie & the poor boys"と出てくる、表題曲代わりの曲です。
また"kalamazoo"歌うのが最初から印象に残っていたんだけど、
「カラマズー」が何かずっと分からなくて、それがつい数年前、
Kalamazooは地名でありそこにGibsonの工場があると知って、
そういうことかとつながったのでした。
でも、調べるとKalamazooはミシガン州つまり北部の州で、
じゃあこれは南部じゃないのではないかとまた別の疑念が。
でも、歌詞をよく読むと楽器のことを表しているようで、
それであるならやっぱりそうかと再び納得しました。
ともあれ、僕の中でこの曲はそれから、Gibsonのギターの
テーマ曲的な存在になりました。
Tr2:It Came Out Of The Sky
ジョン・フォガティが空のことを歌うとどうしても空爆を思い出す。
典型的なC.C.R.スタイルの爽快なロックンロールだけど、
歌っていることはかなり辛辣で時代を感じます。
Tr3:Cotton Fields
(Huddie Ledbetter)
この曲を初めてCDで聴いた時に叫びました、これ知ってる!
僕の洋楽原初体験の一つが「ひらけ! ポンキッキ」でした。
ポンキッキではコーナーとコーナーの間に、ラジオでいうと
ジングルのような短い映像のお遊びコーナーがあったのですが、
そこでかかっていたのが今思うとすべて洋楽の古い曲で、実は
ビートルズの数曲もそこで耳にしていたものを、自らの意志で
ビートルズを聴くようになって分かったのでした。
懐かしなあ、そしていかにも1970年代洋楽の時代だなあ、って。
曲は1940年代の古いブルーズの焼き直しで、僕はオリジナルは
聴いたことがないのですが、ここでの音がぱらぱらした感じの
ギターのイントロはいかにも綿花の花を想起させて面白い。
歌い出しが1拍多いのが歌っていていつもあれっと思う(笑)。
辛辣さを表に出さない心意気の陽気なこの曲は、
ブルーズの魂をロックで甦らせるのにこれ以上ない選曲。
Tr4:Poorboy Shuffle
プア・ボーイズによるインストゥルメンタル。
ベースはたらいに棒を立てて糸を張ったもの、
打楽器は洗濯板と、身の周りにあるものを何でも
楽器にして楽しもうという心意気を再現。
アクセントとして効いている曲ですね。
Tr5:Feelin' Blue
前の曲の途中でフェイドインしてくる流れがいい。
ブルーな気分と歌っていてブルージーな雰囲気だけど、
ブルーズではないロック、そこが当時は新しかったのかも。
これはいいですよ、よく口ずさみます。
03 夜は明ける

Tr6:Fortunate Son
C.C.R.のロックンロールサイドの代表曲の一つ。
これは明確にベトナム戦争の体験を心情として綴ったもので、
「俺は大金持ちの息子じゃねえ、軍幹部の息子じゃねえ、
上院議員の息子じゃねえ、運がいい奴じゃねえ」
と戦争に行かねばならない身の人間が、戦争に行かなくても済む
人間を皮肉たっぷりに歌うこの曲には異様な爽快感があります。
そして注目すべきはこの曲のサウンド。
重たいリズムに金属的な響きのこの曲の音は、
ヘリコプターの音をイメージしているのではないかな。
映画「フォレスト・ガンプ:一期一会」ではまさにベトナム戦争の
ヘリコプターのシーンで使われていて効果満点。
以降、この曲はヘリコプターのイメージの曲になりました。
歌詞の中では"fortunate one"と歌っているのですが、
最後の最後、フェイドアウトで消える直前だけ曲名の通り
"fortunate son"と一度だけ歌うのが面白い。
とにかくカッコいい、壮絶なまでにカッコいい。
そしてこの曲で僕はロックの歌詞の面白さに完全に目覚めました。
ところで余談。
この曲はTr1のB面として最高14位と中ヒットしたのですが、
これがシングルとして出ている間にビルボードのチャートの
編集方法が変わり、A面B面の区別なく1枚のシングルとして
扱うようになったということです。
ビートルズのSomethingとCome Togetherもまさに
そのタイミングで1位になっていたので両方が1位として記録
されたのですが、ということはそうか、このアルバムは
ABBEY ROADと同じ頃に出ていたんだ、と、
僕の頭の中でまたひとつつながりました。
Tr7:Don't Look Now
これはロカビリー、リッキー・ネルソン辺りを思い出します。
この手の曲は何かほっとするものがあります。
Tr8:The Midnight Special
(Traditional arranged by John Fogerty)
僕が思うにトラッドソングのカバーとしてロック界でも随一。
ギターの演奏だけでバラード風にヴァースが始まり、
バンドの演奏になるとまずは裏打ちの波打つリズム、
続いてロックンロールという3段変則リズムのアレンジもいいし、
ブルージーなジョンのヴォーカルも最高にいい。
もうこれは完全にロックとして甦っているし、C.C.R.の代表曲の
ひとつにも挙げられるのではないかな。
コード進行が簡単なだけにすぐにギターを弾いて歌っていました。
この曲は映画「トワイライト・ゾーン」において、ダン・エイクロイドが
出ているの地の部分で効果的に使われていました。
映画は4人の監督が1つずつ短編を制作してひとつのストーリー
としてつなげたもので、地の部分というのは、最初の切り出しと、
最後のしめの部分のことです。
救急車に運び込まれたダン・エイクロイドは、ラジオでかかっていた
この曲を耳にして"I love Creedence"と言ったのですが、
字幕ではそれが「この曲は最高だね」となっていて、
僕は、当時はC.C.R.はで日本では当時は人気がないというか
知名度が低いことを知りました。
Tr9:Side O' The Road
LPでいうB面にもインストゥルメンタルの曲がありますが、
僕は当時は今よりもっと歌人間だったのに、今ふと思った、
どうしてこのアルバムをそこまで気に入ったのだろう(笑)。
C.C.R.はすごいというマジックにかかっていたのかな、と。
ハードでシャープな演奏のこの曲を聴くと、
ジョン・フォガティが卓越したギタリストであり、
ギターサウンドもC.C.R.の魅力のひとつであること、そして
サウンドクリエイターとしても秀でていることが分かります。
先ほどどうして僕は気に入ったんだろうって書いたけど、
これはほんとに素晴らしくて、若い頃だから逆に邪念が
あまりなくて素直に気に入ったのかもしれない(笑)。
Tr10:Effigy
最後はマイナー調のブルージーな重たい曲。
最初に聴いて、ビートルズのSexy Sadieに似ているなと。
ここまでつらいことも明るく歌ってきたのに、最後の最後で
これだけ重たく歌うのは、やはり現実から目をそむけるな
というメッセージなのかもしれません。
"effigy"とは「肖像、(憎むべき)ひとがた」とありますが、
いったい誰を憎むのだろう。
怨念、という言葉がまさにぴったりの曲で、C.C.R.というバンド、
ジョン・フォガティのすごみを感じる曲ですね。
僕はアルバムの最後は明るい曲で終わってほしいのですが、
後を引く曲もまたありなのかな、とも思いました。
現行のCDには3曲のボーナストラックが入っています。
Tr11:Fortunate Son
これは1971年9月1日のマンチェスターでのライヴテイク。
コンサートでも盛り上がる曲であるのがよく分かります。
Tr12:It Came Out Of The Sky
これは1971年9月16日のベルリンでのライヴテイク。
どちらもアメリカのものではないのは何か意図があるのかな。
あるとすれば、アメリカの音楽をヨーロッパの人が聴くと
どんな反応があるのか、それを見せたかったのかもしれない。
Tr13:Down On The Corner
そしてこれ、ブッカー・T・&・ジ・MGズとの
ジャムセッションによるアウトテイクです。
最初はこれ「なぜC.C.R.と彼らが?」と思ったのですが、
ロッド・スチュワートも大西洋を渡って彼らと録音したように、
白人ミュージシャンには憧れのような存在だったのでしょうね。
そしてC.C.R.はそんな彼らにも一目置かれていたのでしょう。
こんな音源が残っていたのはうれしいですね。
確かにオルガンが歌ってます。
ところで、ブッカー・T・&・ジ・MGズといえば・・・
ベーシストであったドナルド・ダック・ダンが、5月13日、
コンサートのために来日していた東京のホテルで亡くなりました。
享年70歳。
先日上げた旧譜CDの記事(こちら)において、僕は最近、
ブッカー・T・&・ジ・MGズに凝っていると書いたばかりで、
亡くなられたのはショックでしたし残念でなりません。
僕は、映画「ブルース・ブラザース」で、バンドのメンバーとして
出ていたのをテレビで見てドナルド・ダック・ダンを知りました。
それからエリック・クラプトンのアルバムに参加したり、
後にもちろんスタックスのソウルを聴くようになって
密かに好きなベーシストのひとりでした。
彼らはスタックスの数多の名曲で演奏をしているので、
それと意識していなくても、普通に洋楽を好きな人であれば
必ずや彼らの演奏を耳にしているはず。
このアルバムの記事は先週くらいから上げようと思っていて、
そんな矢先にこのようなことになってしまいました。
こんな偶然はうれしくないですね。
「空から出てきた」、ではなく、「空に召された」。
昔から知っていたミュージシャンがまたひとり鬼籍りしました。
ご冥福をお祈りします。
04

Posted by guitarbird at
20:54
│John Fogery-C.C.R.
2014年10月14日
クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル C.C.R.
いつものように
写真への書き込みも
大歓迎です
今回の記事の写真、CD関係以外は、
遠征先の黒松内で撮った
「初秋の名もない滝」の写真でまとめました!
なぜその写真なのかというと・・・
そして今日紹介するバンドは、
僕が、十指に入るくらいに大好きで
思い入れも愛着もたくさんあるバンドです。
01

CHRONICLE Creedence Clearwater Revival C.C.R.
クロニクル クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル C.C.R.
クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル C.C.R.
1968年~1972年の実動5年でありながら、
ロックの世界に残した功績はあまりにも大きいアメリカのバンド。
音楽的なことから触れます。
CCRの魅力は、カントリー、ブルーズ、フォークそしてR&Rなどなど、
アメリカの(特に南部の)音楽の消化吸収の良さでしょう。
分かりやすくいえば、「〇〇っぽいけど〇〇じゃない」。
これはブルーズっぽい、これはカントリーっぽいと、
聴いていてそういう「香り」は確かに感じるのですが、
でもじゃあ、カントリーのアーティストかといえば、さにあらず、
もちろんブルーズでもなく、あくまでもポップなロックバンド。
自ら「リバイバル」と名乗っているように、
まだロックが発展途上の1960年代後半当時において、
既に郷愁を誘う音楽を提示していた(多分)のですが、
かといって、決して焼き直しではなく、新しい感覚を持ち、
オリジナル曲によって表現した、まさに「CCR」としかいえない音楽。
僕も、最初に聴いた時、
「初めてなのに、なんだか懐かしい」と思いました。
ただし、カバーの上手さにも秀でたバンドであって、
ほんとに消化吸収の良さには舌を巻くばかりです。
オールディーズとして結構有名な曲もカバーしています。
ただし彼らには、こんな逸話もあります。
彼らは、そのものずばりBAYOU COUNTRYというアルバムがあり、
アメリカ南部のテイストを前面に出した音楽を繰り広げていましたが、
実は、カリフォルニアの都会出身で大卒のインテリだったのだとか。
不良のイメージを押し出していたローリング・ストーンズの
ミックとキースがやはり大学出だったということもありますが、
そんな「すかした態度」もまた、いかにもロックではありますね(笑)。
(bayouとはアメリカ南部を指す言葉です)
02 名もない滝の全景

リーダーでヴォーカルのジョン・フォガティの声も魅力です。
エモーショナルでブルージーでパワフルな、
いかにも黒人っぽいフィーリングの声の持ち主ですが、
彼の場合、当時の英国のバンドによくあったような、
無理に真似て歌おうという意気込みはあまり感じられず、
あくまでも自然体でやって出ている声として響いてきます。
それにしてもすごい迫力の声。
そして、それらにより、ロックという音楽自体が、
白人による黒人音楽の下手くそな真似から一歩前進し、
白人による黒人音楽へのリスペクトという位置に押し上げた、
その契機が、或いは、彼らの出現によるのかもしれません。
ジョン・フォガティについて、もう少し触れます。
彼を語る上で欠かせないのが、
「ベトナム戦争出兵の経験」です。
時に反戦メッセージ色の濃い曲を作りましたが、
ベトナム戦争がまだ行われていた当時、彼らの音楽が
どのように受け止められていたのか・・・
もうひとつ、彼は、キャリアの絶頂期に、
レコード会社との契約トラブルに巻き込まれ、ついには
レコードが出せないという状況に追い込まれてしまいました。
バンドの解散はそのせいだけではなかったのですが、
実動わずか5年という短命さの一因ではあるでしょう。
そして、ジョン・フォガティは、本来の契約期間が満了するまで、
レコードを出すことが難しい状況に陥り、一時は、
変名でレコードを出したことさえあったくらいです。
さらには、1985年にようやくレコード会社を移籍して
新譜をリリースしたと思ったら、その中に入っていた曲が
CCR時代の曲に似ているということで盗作だと訴えられ、彼は、
法廷でギターを持って歌い「証言」したという話まで残っています。
その2曲はどちらもジョン自身が(ひとりで)作った曲ですが、
著作権を有する者が違うがために、
自分の曲が自分の曲に似ていると訴えられたのであって、
「契約社会アメリカ」の恐ろしさを知る思いです。
僕は、彼の契約問題のことを思う度に、嘆かざるを得ません。
いうなれば「アメリカロックの汚点」ですね。
もしその期間、CCRが存続し、順調にレコードを出していれば、
もっとたくさんの名曲が聴けただろうに・・・ああ、もったいない!
ジョン・フォガティは、多分ですが、出兵という経験もあってか、
薬など不健康なイメージがない「善良なお坊ちゃま」として
アメリカでは認知されているのではないかな、と思います。
音楽的な面では「超」がいくつあっても足りないくらいの大物だけど、
飾らなくてセレブじゃない人「地味な人」・・・そこもまた魅力。
03 僕が初めて買ったCCRのCD

僕のCCRとの出会いを話します。
確か高3の頃、サザン・オールスターズの桑田佳祐が
クワタ・バンドというバンドを結成し、洋楽のカバーをしていて、
ディープ・パープルのSmoke On The Waterのカバーが
何かのCMで使われていたかと思います。
そのカバーの中に、「雨を見たかい」もありましたが、この曲は、
TDKだったかな、のCMで使われていて、いい曲だなと思いました。
(なお、クワタバンドを好んで聴いていたわけではなかったです)。
しかし、誰の曲かが分からず、1年くらい経ってそれが
「クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル」という
長ったらしい名前のバンドの曲だとラジオで聞いて知りました。
そしてすぐに、札幌地下街オーロラタウンの玉光堂に行き、
その曲が入った、写真3の、ベスト盤CDを買い求めました。
そして、そのCDを聴いて、完全にノックアウトされたのです。
ただし、そのCDは現在は入手不可能であるため、
この記事では別のベスト盤を紹介することとしますが、
やはり最初に聴いた14曲には特別の思い入れがあるため、
そのCDに入っていた曲は、曲紹介の中で☆印を付してゆきます。
余談ですが、この長ったらしい
Creedence Clearwater Revival
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル
がすらすらと言えて書けるようになった時、僕は、
「ああ、これで俺も一人前のロック聴きになれたな」、
と、妙にうれしく思ったものでした(笑)。
長いけど、すんごぉ~くカッコいい名前だと思いませんか!?
曲紹介の前に、もうひとつ、CCRの逸話を。
彼らは、ビルボード誌シングルヒットチャートにおいて、
最高位2位になった曲が5曲もありながら、1位が1曲もない
「悲劇のアーティスト」として、マニアの間では有名です。
具体的には、Tr3、Tr4、Tr6、Tr10、Tr14が最高位2位の曲です。
アルバムは1枚が1位に輝いています。
またまた余談、意外に思われるかもしれないですが、
ボブ・ディランもブルース・スプリングスティーンも、
個人アーティストとしては、シングル1位が1曲もないんです。
ただし2人とも、「グループ」としては1位の曲がありますが、
それは、かの、We Are The Worldなのです・・・
(ちなみにディランは、他人がカバーした曲が1位になっています)。
04 滝に少し寄ってみた

Tr1:Suzie Q
☆最初にこれを聴いて、一発でノックアウトされました。
ひとことでいうと、荒々しさ、ワイルドさ。
それは、ビートルズにはまったくない要素でした。
でもかといって、音楽的には整っていてきれいに響く。
デイル・ホーキンスという人の57年の曲のカバーですが、
最初は、彼らのオリジナルだと思ったくらい。
Tr2:I Put A Spell On You
☆続いてカバー。
こちらのオリジナルはスクリーミング・ジェイ・ホーキンスという人。
この曲も、おどろおどろしいとさえいえる重苦しさに、
まるで呪縛のように引き込まれ、夢中になりました。
なお、この曲のオリジナルは、ジム・ジャームッシュ監督の
映画「ストレンジャー・ザン・パラダイス」で、
主役の女性が持ち歩いているラジカセからいつも流れていて、
それが映画の節目節目で効果的でした。
Tr3:Proud Mary
☆「壁に耳あり、プラウド・メアリー」・・・(笑)。
植木等じゃないけど、「そのうちなんとかなるさ」という
楽観的な、前向きな、ひたすら「ごきげんな」楽しい曲。
C→Aというイントロのコードがとにかく印象的。
歌メロの素晴らしさは言うに及ばず。
ロック史に燦然と輝く名曲中の名曲で、
アイク&ティナ・ターナーのカバーでも(のほうが!?)有名。
Tr4:Bad Moon Rising
☆シンプルなコード進行の明るいミドルテンポのロックンロール。
イントロのギターなんて、一発で耳コピーできましたし(笑)。
ただ、歌っている内容は、自然現象の不吉なことばかりを挙げて、
かなりしんどそうですが、そこがまたシニカルな部分。
そして、自然を愛する者としては、当然すぐにひかれました。
CCRの魅力のひとつは、特にテクニカルでもないんだけど、
軽快にメロディアスに響くリズムギターと歌との絡みでしょうね。
カラカラと鳴るギター、コードを弾くだけで楽しくなる曲が多いこと。
Tr5:Lodi
カントリー色が濃いミドルテンポのポップソング。
というか、僕は最初にこの曲を聴いた時は、
これこそカントリー、と思ったものです(笑)。
Tr6:Green River
☆アーシーな響きの、Tr4とは違った重たいロックンロール。
歌とギターの絡みも、ギターを弾く人間にはお手本。
「ウシガエルが俺を呼ぶ声が聞こえる!」
やっぱり自然と自然を意識する(笑)。
Tr7:Commotion
ジャムセッションをそのまま曲に発展させて、
分かりやすい歌メロをつけた、そんな雰囲気の曲。
CCRの曲は、一見荒々しいようでいて、実は端正に整った
いかにも「ポップソング然」とした曲が多いんですが、
これはそうではない、ロックのスリリングさに溢れた曲ですね。
情景としては、長い貨物列車を眺めているような雰囲気かも。
Tr8:Down On The Corner
☆まるで童謡のようなギターのイントロのメロディが印象的。
CCRの曲は、トゲがある曲とない曲が割と分かれますが、
これはトゲがない、まろやかな、和やかな気持ちになれる曲。
余談、この曲を、リズム楽器なしのギターだけで弾いていると、
演奏がだんだんとずれていくんですよね・・・
Tr9:Fortunate Son
一転してかなり辛辣な社会風刺を込めた歌詞。
戦争に行かなければならない、いち市民の悲哀。
「俺は上院議員の息子じゃねえ」
「俺は百万長者の息子じゃねえ」
「俺は軍幹部の人間の息子じゃねえ」
「俺は運がいいやつじゃねえ」
曲自体はシンプルに響くロックンロールで、歌メロが素晴らしい。
この曲はまた、映画「フォレスト・ガンプ~一期一会~」で、
ベトナム戦争でヘリが飛んでいるシーンで使われていますが、
ヘリの音とこの曲のサウンドが妙にマッチして、カッコいいですし、
そういう使われ方はジョンの本望かもしれません。
いやとにかくカッコいい曲のお手本。
U2がカバーしていました。
05 滝の上には浅いながらも色づいた木が

Tr10:Travelin' Band
☆またまたカッコいいロックンロール。
「お前、さっきからそれしか言えんのかっ」と突っ込まれたら、
「はい、言えません」としか答えられません(笑)。
ギターソロもシンプルだけど攻撃的で、興奮します。
そしてやっぱりジョンのヴォーカルの迫力といったら!
かなりハードな曲で、ボン・ジョヴィがカバーしていたのには、
あ、やっぱり、と納得しました。
Tr11:Who'll Stop The Rain
☆ソフトな、バラードといっていいミドルテンポの曲。
この妙な寂寥感、しみてきます。
カッコいいロックンロールと悲哀を感じるバラードが
CCRの核となる路線、そのどちらも素晴らしい!
Tr12:Up Around The Bend
☆この曲のカッコよさは、あらゆるものを突き抜けている!
ギターのイントロからしてもう気持ちが昂りっぱなし。
爽快な夏の風を浴びて疾走する、そんな雰囲気。
この曲を聴くと、ウェストコーストサウンドの原点は、
CCRだったんじゃないか、とも思えてきます。
言葉にならないほどカッコいい曲。
ん、だったら、くどくど説明しないほうが良かったかな・・・(笑)。
ギターのイントロは自分で弾いててもしびれます!
ハノイ・ロックスのカバーは、カッコよさが強調されています。
Tr13:Run Through The Jungle
タイトルと音の重たさ・・・戦争の経験から来ているのでしょう。
なお、先に触れた盗作訴訟問題において、
似ていると「訴えた」側の曲はこれでした。
Tr14:Lookin' Out My Back Door
いかにもアメリカ人好みの音に、これもカントリーだ、と思った曲。
明るくて素軽いポップソング。
この曲、先に触れた最高位2位の曲のひとつですが、
僕が最初に買ったCDにはこの曲が入っていなかったのが、
唯一、惜しまれる点ですね。
Tr15:Long As I Can See The Light
感傷的かつ感動的な、サザンソウル風のバラード。
これが出来てしまうジョン・フォガティの才能には、舌を巻くばかり。
しかも、さらっとかつエモーショナルに歌っているし。
Tr16:I Heard It Through The Grapevine
マーヴィン・ゲイの68年から69年にかけてのNo.1ヒット曲
「悲しいうわさ」を、70年のアルバムで早くもカバー。
オリジナルも有名ですが、このカバーもまた有名。
ジャムセッション風に展開してトータルタイムが10分以上。
マーヴィンの音が、時代より少し先に行った「ソウル」だとすれば、
CCRのバージョンは、時代を少し戻した「R&B」という感じがします。
マーヴィンを意識していないかのような
オリジナリティあるサウンドがまた魅力で、
彼らの消化吸収のよさを再認識します。
Tr17:Have You Ever Seen The Rain?
☆「雨を見たかい」
CCRの日本でいちばん有名な曲は、間違いなくこれでしょうね。
近年も日産のCMで使われていました。
ただ、この曲を聞いたことはあっても、
誰の曲かまでは、ほとんど知られていないでしょうね・・・
僕のこの曲との出会いは、前述の通りです。
この曲は、ジョン・フォガティが
ベトナムに出兵した際の体験を基にしていて、
この場合の「雨」とは「空からの爆弾」であると言われています。
「君は空からの爆弾を経験したことがあるかい?」
僕も今は、そうであると思うようになりました。
しかし、僕が最初にこの曲を聴いて歌詞を理解した時、これはきっと、
「雨が降らない地域の農民が雨乞いしている歌」、と思ったんです。
そうです、僕も「南部」というイメージに惑わされていました。
でも、ロックの歌詞は聴いた人が思い思いに解釈するのが
楽しみのひとつでもあるので、僕は今でもそう思っています。
05 近寄って見回すと、なんと別のさらに小さな滝が!

Tr18:Hey Tonight
☆ジョンの曲では珍しく、あまりすっきりしない歌メロ。
このベスト盤は基本的には年代順に曲が並んでいますが、
そのことを頭に入れて「CCRの歴史」として聴いてゆくと、
この辺りでそろそろいろんな面で疲れてきたのかな、
と思わなくもないです・・・決して悪い曲じゃないんだけど・・・
僕の中では、名曲Tr17ががピークで、
それからは下がっているな、そんな印象も受けました。
でもやっぱり、誘っているはずなのに、妙に切なく響く、
この感情表現のうまさは、ジョン・フォガティならでは。
Tr19:Sweet Hitch-Hiker
☆CCRはパワーポップの元祖でもある、
とでも言いたくなるようなパワフルでアップテンポな、
しかしあくまでもポップな曲。
ただしやはり前曲同様、疲れた感じというか、
歌メロがいま0.5くらいの感じもします。
Tr20:Someday Never Comes
☆CCR最後の輝き、泣けてくるバラード。
「いつかきっと、大人になったら分かるよ」
だけど、いつまでたっても分からない・・・
虚しさが胸にしみてきます。
そして、バンドも終わり・・・
僕は最初にこの曲のタイトルを見た時は、
「バンドが終わる日なんて来ないよね」
という皮肉かと思っていました。
最後の最後に名曲を残すあたり、さすがです。
◇
そして、僕が最初に買ったベスト盤CDに入っていた曲が、
1曲だけ、これには入っていないのですが、
ここで紹介したCDの続編というか、補完の意味を成すCD
CHRONICLE, VOLUME TWO GREAT CLASSICSがあり、
そちらに入っているので、その1曲だけ紹介します。
Tr11:The Midnight Special
☆この曲はトラディショナルをアレンジしたものですが、
もう完全に彼らの曲といってもいいくらい、素晴らしい!
僕は、10代に聴いたこの曲で、ブルーズと何かを学んだ気がします。
ほんとうはつらい状況に置かれていることが
歌詞から読み取れるのですが、曲を聴いていると、
むしろその先に楽しいことがある、だからこそこのつらい状況も楽しもう、
みたいな前向きさを感じ、それが力強くもあります。
この曲は、映画「トワイライト・ゾーン」の最初と最後の、
物語ではない「地」の部分で使われていて、最後、
ダン・エイクロイドが救急車に運ばれたシーンで
ラジオからこの曲がかかり、ダンは「I love Creedence」と言います。
しかし、僕が大学時代に劇場で観た時のそのセリフの字幕は
「この曲はいいねぇ」でした。
まあ、「クリーデンスは大好きだ」じゃ、意味通じないですからね・・・
この時僕は、CCRが日本では人気がないことを悟りました(笑)。
左が正編、右が続編のリンク。
なお、こちら2枚は現在、国内盤では、
高音質のSHM-CDが出ています。
日本ではアメリカンロック自体があまりメジャーではなく、
その煽りをくっていますが、CCRの歌メロの良さは一級品で、
そこだけをとればもっともっと人気が出てもいいのでは・・・
残念でなりません。
今回の遠征では、アルバムを聴くほど時間がない移動時間には、
車の中でいつもこのCHRONICLEを聴いて歌っていました。
CCRは、ミュージシャンにも、評論家にも、音楽マニアにも、
そうではない大衆のリスナーにも同様に受けがよいという、
きわめて稀な存在感を放つバンドです。
まあそんなこんなで、CCRは10代の頃から聴いてきているので、
僕の中ではきわめて古くからの付き合い、ということになり、
必然、愛着も思い入れもたくさんある、というわけです。
近々、CCRのオリジナルアルバムが、
リマスター再発されるので、近いうちにまた、
CCRやジョン・フォガティをプッシュしたいと思います!
で。
この記事の写真を「滝」でまとめたのは、そうです、もちろん、
clearwaterだからです・・・(笑)。
07 樹間からのぞく滝

最後に。
クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル
と10回言ってみてください!
あ、CCR、を10回じゃだめですよ(笑)。
写真への書き込みも
大歓迎です
今回の記事の写真、CD関係以外は、
遠征先の黒松内で撮った
「初秋の名もない滝」の写真でまとめました!
なぜその写真なのかというと・・・
そして今日紹介するバンドは、
僕が、十指に入るくらいに大好きで
思い入れも愛着もたくさんあるバンドです。
01

CHRONICLE Creedence Clearwater Revival C.C.R.
クロニクル クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル C.C.R.
クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル C.C.R.
1968年~1972年の実動5年でありながら、
ロックの世界に残した功績はあまりにも大きいアメリカのバンド。
音楽的なことから触れます。
CCRの魅力は、カントリー、ブルーズ、フォークそしてR&Rなどなど、
アメリカの(特に南部の)音楽の消化吸収の良さでしょう。
分かりやすくいえば、「〇〇っぽいけど〇〇じゃない」。
これはブルーズっぽい、これはカントリーっぽいと、
聴いていてそういう「香り」は確かに感じるのですが、
でもじゃあ、カントリーのアーティストかといえば、さにあらず、
もちろんブルーズでもなく、あくまでもポップなロックバンド。
自ら「リバイバル」と名乗っているように、
まだロックが発展途上の1960年代後半当時において、
既に郷愁を誘う音楽を提示していた(多分)のですが、
かといって、決して焼き直しではなく、新しい感覚を持ち、
オリジナル曲によって表現した、まさに「CCR」としかいえない音楽。
僕も、最初に聴いた時、
「初めてなのに、なんだか懐かしい」と思いました。
ただし、カバーの上手さにも秀でたバンドであって、
ほんとに消化吸収の良さには舌を巻くばかりです。
オールディーズとして結構有名な曲もカバーしています。
ただし彼らには、こんな逸話もあります。
彼らは、そのものずばりBAYOU COUNTRYというアルバムがあり、
アメリカ南部のテイストを前面に出した音楽を繰り広げていましたが、
実は、カリフォルニアの都会出身で大卒のインテリだったのだとか。
不良のイメージを押し出していたローリング・ストーンズの
ミックとキースがやはり大学出だったということもありますが、
そんな「すかした態度」もまた、いかにもロックではありますね(笑)。
(bayouとはアメリカ南部を指す言葉です)
02 名もない滝の全景

リーダーでヴォーカルのジョン・フォガティの声も魅力です。
エモーショナルでブルージーでパワフルな、
いかにも黒人っぽいフィーリングの声の持ち主ですが、
彼の場合、当時の英国のバンドによくあったような、
無理に真似て歌おうという意気込みはあまり感じられず、
あくまでも自然体でやって出ている声として響いてきます。
それにしてもすごい迫力の声。
そして、それらにより、ロックという音楽自体が、
白人による黒人音楽の下手くそな真似から一歩前進し、
白人による黒人音楽へのリスペクトという位置に押し上げた、
その契機が、或いは、彼らの出現によるのかもしれません。
ジョン・フォガティについて、もう少し触れます。
彼を語る上で欠かせないのが、
「ベトナム戦争出兵の経験」です。
時に反戦メッセージ色の濃い曲を作りましたが、
ベトナム戦争がまだ行われていた当時、彼らの音楽が
どのように受け止められていたのか・・・
もうひとつ、彼は、キャリアの絶頂期に、
レコード会社との契約トラブルに巻き込まれ、ついには
レコードが出せないという状況に追い込まれてしまいました。
バンドの解散はそのせいだけではなかったのですが、
実動わずか5年という短命さの一因ではあるでしょう。
そして、ジョン・フォガティは、本来の契約期間が満了するまで、
レコードを出すことが難しい状況に陥り、一時は、
変名でレコードを出したことさえあったくらいです。
さらには、1985年にようやくレコード会社を移籍して
新譜をリリースしたと思ったら、その中に入っていた曲が
CCR時代の曲に似ているということで盗作だと訴えられ、彼は、
法廷でギターを持って歌い「証言」したという話まで残っています。
その2曲はどちらもジョン自身が(ひとりで)作った曲ですが、
著作権を有する者が違うがために、
自分の曲が自分の曲に似ていると訴えられたのであって、
「契約社会アメリカ」の恐ろしさを知る思いです。
僕は、彼の契約問題のことを思う度に、嘆かざるを得ません。
いうなれば「アメリカロックの汚点」ですね。
もしその期間、CCRが存続し、順調にレコードを出していれば、
もっとたくさんの名曲が聴けただろうに・・・ああ、もったいない!
ジョン・フォガティは、多分ですが、出兵という経験もあってか、
薬など不健康なイメージがない「善良なお坊ちゃま」として
アメリカでは認知されているのではないかな、と思います。
音楽的な面では「超」がいくつあっても足りないくらいの大物だけど、
飾らなくてセレブじゃない人「地味な人」・・・そこもまた魅力。
03 僕が初めて買ったCCRのCD

僕のCCRとの出会いを話します。
確か高3の頃、サザン・オールスターズの桑田佳祐が
クワタ・バンドというバンドを結成し、洋楽のカバーをしていて、
ディープ・パープルのSmoke On The Waterのカバーが
何かのCMで使われていたかと思います。
そのカバーの中に、「雨を見たかい」もありましたが、この曲は、
TDKだったかな、のCMで使われていて、いい曲だなと思いました。
(なお、クワタバンドを好んで聴いていたわけではなかったです)。
しかし、誰の曲かが分からず、1年くらい経ってそれが
「クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル」という
長ったらしい名前のバンドの曲だとラジオで聞いて知りました。
そしてすぐに、札幌地下街オーロラタウンの玉光堂に行き、
その曲が入った、写真3の、ベスト盤CDを買い求めました。
そして、そのCDを聴いて、完全にノックアウトされたのです。
ただし、そのCDは現在は入手不可能であるため、
この記事では別のベスト盤を紹介することとしますが、
やはり最初に聴いた14曲には特別の思い入れがあるため、
そのCDに入っていた曲は、曲紹介の中で☆印を付してゆきます。
余談ですが、この長ったらしい
Creedence Clearwater Revival
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル
がすらすらと言えて書けるようになった時、僕は、
「ああ、これで俺も一人前のロック聴きになれたな」、
と、妙にうれしく思ったものでした(笑)。
長いけど、すんごぉ~くカッコいい名前だと思いませんか!?
曲紹介の前に、もうひとつ、CCRの逸話を。
彼らは、ビルボード誌シングルヒットチャートにおいて、
最高位2位になった曲が5曲もありながら、1位が1曲もない
「悲劇のアーティスト」として、マニアの間では有名です。
具体的には、Tr3、Tr4、Tr6、Tr10、Tr14が最高位2位の曲です。
アルバムは1枚が1位に輝いています。
またまた余談、意外に思われるかもしれないですが、
ボブ・ディランもブルース・スプリングスティーンも、
個人アーティストとしては、シングル1位が1曲もないんです。
ただし2人とも、「グループ」としては1位の曲がありますが、
それは、かの、We Are The Worldなのです・・・
(ちなみにディランは、他人がカバーした曲が1位になっています)。
04 滝に少し寄ってみた

Tr1:Suzie Q
☆最初にこれを聴いて、一発でノックアウトされました。
ひとことでいうと、荒々しさ、ワイルドさ。
それは、ビートルズにはまったくない要素でした。
でもかといって、音楽的には整っていてきれいに響く。
デイル・ホーキンスという人の57年の曲のカバーですが、
最初は、彼らのオリジナルだと思ったくらい。
Tr2:I Put A Spell On You
☆続いてカバー。
こちらのオリジナルはスクリーミング・ジェイ・ホーキンスという人。
この曲も、おどろおどろしいとさえいえる重苦しさに、
まるで呪縛のように引き込まれ、夢中になりました。
なお、この曲のオリジナルは、ジム・ジャームッシュ監督の
映画「ストレンジャー・ザン・パラダイス」で、
主役の女性が持ち歩いているラジカセからいつも流れていて、
それが映画の節目節目で効果的でした。
Tr3:Proud Mary
☆「壁に耳あり、プラウド・メアリー」・・・(笑)。
植木等じゃないけど、「そのうちなんとかなるさ」という
楽観的な、前向きな、ひたすら「ごきげんな」楽しい曲。
C→Aというイントロのコードがとにかく印象的。
歌メロの素晴らしさは言うに及ばず。
ロック史に燦然と輝く名曲中の名曲で、
アイク&ティナ・ターナーのカバーでも(のほうが!?)有名。
Tr4:Bad Moon Rising
☆シンプルなコード進行の明るいミドルテンポのロックンロール。
イントロのギターなんて、一発で耳コピーできましたし(笑)。
ただ、歌っている内容は、自然現象の不吉なことばかりを挙げて、
かなりしんどそうですが、そこがまたシニカルな部分。
そして、自然を愛する者としては、当然すぐにひかれました。
CCRの魅力のひとつは、特にテクニカルでもないんだけど、
軽快にメロディアスに響くリズムギターと歌との絡みでしょうね。
カラカラと鳴るギター、コードを弾くだけで楽しくなる曲が多いこと。
Tr5:Lodi
カントリー色が濃いミドルテンポのポップソング。
というか、僕は最初にこの曲を聴いた時は、
これこそカントリー、と思ったものです(笑)。
Tr6:Green River
☆アーシーな響きの、Tr4とは違った重たいロックンロール。
歌とギターの絡みも、ギターを弾く人間にはお手本。
「ウシガエルが俺を呼ぶ声が聞こえる!」
やっぱり自然と自然を意識する(笑)。
Tr7:Commotion
ジャムセッションをそのまま曲に発展させて、
分かりやすい歌メロをつけた、そんな雰囲気の曲。
CCRの曲は、一見荒々しいようでいて、実は端正に整った
いかにも「ポップソング然」とした曲が多いんですが、
これはそうではない、ロックのスリリングさに溢れた曲ですね。
情景としては、長い貨物列車を眺めているような雰囲気かも。
Tr8:Down On The Corner
☆まるで童謡のようなギターのイントロのメロディが印象的。
CCRの曲は、トゲがある曲とない曲が割と分かれますが、
これはトゲがない、まろやかな、和やかな気持ちになれる曲。
余談、この曲を、リズム楽器なしのギターだけで弾いていると、
演奏がだんだんとずれていくんですよね・・・
Tr9:Fortunate Son
一転してかなり辛辣な社会風刺を込めた歌詞。
戦争に行かなければならない、いち市民の悲哀。
「俺は上院議員の息子じゃねえ」
「俺は百万長者の息子じゃねえ」
「俺は軍幹部の人間の息子じゃねえ」
「俺は運がいいやつじゃねえ」
曲自体はシンプルに響くロックンロールで、歌メロが素晴らしい。
この曲はまた、映画「フォレスト・ガンプ~一期一会~」で、
ベトナム戦争でヘリが飛んでいるシーンで使われていますが、
ヘリの音とこの曲のサウンドが妙にマッチして、カッコいいですし、
そういう使われ方はジョンの本望かもしれません。
いやとにかくカッコいい曲のお手本。
U2がカバーしていました。
05 滝の上には浅いながらも色づいた木が

Tr10:Travelin' Band
☆またまたカッコいいロックンロール。
「お前、さっきからそれしか言えんのかっ」と突っ込まれたら、
「はい、言えません」としか答えられません(笑)。
ギターソロもシンプルだけど攻撃的で、興奮します。
そしてやっぱりジョンのヴォーカルの迫力といったら!
かなりハードな曲で、ボン・ジョヴィがカバーしていたのには、
あ、やっぱり、と納得しました。
Tr11:Who'll Stop The Rain
☆ソフトな、バラードといっていいミドルテンポの曲。
この妙な寂寥感、しみてきます。
カッコいいロックンロールと悲哀を感じるバラードが
CCRの核となる路線、そのどちらも素晴らしい!
Tr12:Up Around The Bend
☆この曲のカッコよさは、あらゆるものを突き抜けている!
ギターのイントロからしてもう気持ちが昂りっぱなし。
爽快な夏の風を浴びて疾走する、そんな雰囲気。
この曲を聴くと、ウェストコーストサウンドの原点は、
CCRだったんじゃないか、とも思えてきます。
言葉にならないほどカッコいい曲。
ん、だったら、くどくど説明しないほうが良かったかな・・・(笑)。
ギターのイントロは自分で弾いててもしびれます!
ハノイ・ロックスのカバーは、カッコよさが強調されています。
Tr13:Run Through The Jungle
タイトルと音の重たさ・・・戦争の経験から来ているのでしょう。
なお、先に触れた盗作訴訟問題において、
似ていると「訴えた」側の曲はこれでした。
Tr14:Lookin' Out My Back Door
いかにもアメリカ人好みの音に、これもカントリーだ、と思った曲。
明るくて素軽いポップソング。
この曲、先に触れた最高位2位の曲のひとつですが、
僕が最初に買ったCDにはこの曲が入っていなかったのが、
唯一、惜しまれる点ですね。
Tr15:Long As I Can See The Light
感傷的かつ感動的な、サザンソウル風のバラード。
これが出来てしまうジョン・フォガティの才能には、舌を巻くばかり。
しかも、さらっとかつエモーショナルに歌っているし。
Tr16:I Heard It Through The Grapevine
マーヴィン・ゲイの68年から69年にかけてのNo.1ヒット曲
「悲しいうわさ」を、70年のアルバムで早くもカバー。
オリジナルも有名ですが、このカバーもまた有名。
ジャムセッション風に展開してトータルタイムが10分以上。
マーヴィンの音が、時代より少し先に行った「ソウル」だとすれば、
CCRのバージョンは、時代を少し戻した「R&B」という感じがします。
マーヴィンを意識していないかのような
オリジナリティあるサウンドがまた魅力で、
彼らの消化吸収のよさを再認識します。
Tr17:Have You Ever Seen The Rain?
☆「雨を見たかい」
CCRの日本でいちばん有名な曲は、間違いなくこれでしょうね。
近年も日産のCMで使われていました。
ただ、この曲を聞いたことはあっても、
誰の曲かまでは、ほとんど知られていないでしょうね・・・
僕のこの曲との出会いは、前述の通りです。
この曲は、ジョン・フォガティが
ベトナムに出兵した際の体験を基にしていて、
この場合の「雨」とは「空からの爆弾」であると言われています。
「君は空からの爆弾を経験したことがあるかい?」
僕も今は、そうであると思うようになりました。
しかし、僕が最初にこの曲を聴いて歌詞を理解した時、これはきっと、
「雨が降らない地域の農民が雨乞いしている歌」、と思ったんです。
そうです、僕も「南部」というイメージに惑わされていました。
でも、ロックの歌詞は聴いた人が思い思いに解釈するのが
楽しみのひとつでもあるので、僕は今でもそう思っています。
05 近寄って見回すと、なんと別のさらに小さな滝が!

Tr18:Hey Tonight
☆ジョンの曲では珍しく、あまりすっきりしない歌メロ。
このベスト盤は基本的には年代順に曲が並んでいますが、
そのことを頭に入れて「CCRの歴史」として聴いてゆくと、
この辺りでそろそろいろんな面で疲れてきたのかな、
と思わなくもないです・・・決して悪い曲じゃないんだけど・・・
僕の中では、名曲Tr17ががピークで、
それからは下がっているな、そんな印象も受けました。
でもやっぱり、誘っているはずなのに、妙に切なく響く、
この感情表現のうまさは、ジョン・フォガティならでは。
Tr19:Sweet Hitch-Hiker
☆CCRはパワーポップの元祖でもある、
とでも言いたくなるようなパワフルでアップテンポな、
しかしあくまでもポップな曲。
ただしやはり前曲同様、疲れた感じというか、
歌メロがいま0.5くらいの感じもします。
Tr20:Someday Never Comes
☆CCR最後の輝き、泣けてくるバラード。
「いつかきっと、大人になったら分かるよ」
だけど、いつまでたっても分からない・・・
虚しさが胸にしみてきます。
そして、バンドも終わり・・・
僕は最初にこの曲のタイトルを見た時は、
「バンドが終わる日なんて来ないよね」
という皮肉かと思っていました。
最後の最後に名曲を残すあたり、さすがです。
◇
そして、僕が最初に買ったベスト盤CDに入っていた曲が、
1曲だけ、これには入っていないのですが、
ここで紹介したCDの続編というか、補完の意味を成すCD
CHRONICLE, VOLUME TWO GREAT CLASSICSがあり、
そちらに入っているので、その1曲だけ紹介します。
Tr11:The Midnight Special
☆この曲はトラディショナルをアレンジしたものですが、
もう完全に彼らの曲といってもいいくらい、素晴らしい!
僕は、10代に聴いたこの曲で、ブルーズと何かを学んだ気がします。
ほんとうはつらい状況に置かれていることが
歌詞から読み取れるのですが、曲を聴いていると、
むしろその先に楽しいことがある、だからこそこのつらい状況も楽しもう、
みたいな前向きさを感じ、それが力強くもあります。
この曲は、映画「トワイライト・ゾーン」の最初と最後の、
物語ではない「地」の部分で使われていて、最後、
ダン・エイクロイドが救急車に運ばれたシーンで
ラジオからこの曲がかかり、ダンは「I love Creedence」と言います。
しかし、僕が大学時代に劇場で観た時のそのセリフの字幕は
「この曲はいいねぇ」でした。
まあ、「クリーデンスは大好きだ」じゃ、意味通じないですからね・・・
この時僕は、CCRが日本では人気がないことを悟りました(笑)。
左が正編、右が続編のリンク。
なお、こちら2枚は現在、国内盤では、
高音質のSHM-CDが出ています。
日本ではアメリカンロック自体があまりメジャーではなく、
その煽りをくっていますが、CCRの歌メロの良さは一級品で、
そこだけをとればもっともっと人気が出てもいいのでは・・・
残念でなりません。
今回の遠征では、アルバムを聴くほど時間がない移動時間には、
車の中でいつもこのCHRONICLEを聴いて歌っていました。
CCRは、ミュージシャンにも、評論家にも、音楽マニアにも、
そうではない大衆のリスナーにも同様に受けがよいという、
きわめて稀な存在感を放つバンドです。
まあそんなこんなで、CCRは10代の頃から聴いてきているので、
僕の中ではきわめて古くからの付き合い、ということになり、
必然、愛着も思い入れもたくさんある、というわけです。
近々、CCRのオリジナルアルバムが、
リマスター再発されるので、近いうちにまた、
CCRやジョン・フォガティをプッシュしたいと思います!
で。
この記事の写真を「滝」でまとめたのは、そうです、もちろん、
clearwaterだからです・・・(笑)。
07 樹間からのぞく滝

最後に。
クリーデンス・クリアウォーター・リバイバル
と10回言ってみてください!
あ、CCR、を10回じゃだめですよ(笑)。
Posted by guitarbird at
19:29
│John Fogery-C.C.R.
2013年07月26日
CENTERFIELD ジョン・フォガティ
01

CENTERFIELD John Fogerty released in 1985
センターフィールド ジョン・フォガティ
ジョン・フォガティの80年代の名盤が、
25周年記念盤として、ボーナス・トラックが2曲追加されて出ました。
このアルバムは僕のリアルタイムの中でも特に意味が大きく、
いつか記事にしようとずっと思ってきていたのですが、
ちょうどいいきっかけがあったので、ついに書きました。
ジョン・フォガティは、言わずと知れた、C.C.R.
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル
Creedence Clearwater Revivalのフロントマン。
僕はC.C.R.が大好きといつも言っていますが、
実は、順序としてはジョン・フォガティのソロを先に聴き、
後からC.C.R.のすごさを知ったのでした。
85年のこれは僕のリアルタイムで、ジョンが「復活」したアルバム。
当時高3の僕はまだジョン・フォガティは知らなかったのですが、
ベスト・ヒットUSAで最初にTr1のビデオクリップが流れた際に、
小林克也さんが、彼がいかに大物かをいつも以上に熱く語っていて、
そんなにすごい人なの、と頭に「???」3つくらい並びました。
曲は、重たくてちょっとブルージーでカントリーっぽい響きで、
いかにもアメリカ人が好きそうな音楽だなと思い、
当時は既にアメリカン・ロック人間と化しつつあった僕は、
大物の件と絡めて、かなり気になり、少しして、
当時の僕としては思い切ってLPを買いました。
聴いたところ、音楽的なことももちろんですが、
この人の声のキレがとにかくものすごいと思いました。
それまで聴いたことがない、とにかく凄い声の人だと。
ジョン・フォガティがなぜ「復活」したかというのは
これまたいつも言う、アメリカのロック史における汚点のひとつ、
契約問題のこじれによるものでした。
C.C.R.は、所属していたFantasyとの契約が残ったまま解散してしまい、
ジョンも最初は別レーベルからソロを出していましたが、やがて
C.C.R.の契約期間が満了するまでレコードを出すことができない
という事態に陥り、活動休止を余儀なくされてしまいました。
それでもレコードを出したかったジョン、苦肉の策として、
ブルー・リッジ・レンジャーズ The Blue Ridge Rangers
という変名を使ってリリースもしましたが、
それについてはこちらもご参照ください。
時は経ち、ジョンはWarnerと契約し、晴れて活動再開となりました。
アメリカの人がどれだけ彼の復帰を待ち望んでいたかは、
「C.C.R.サウンド復活」と大きな話題となった上に、
アルバムがビルボードでNo.1に輝いたことからも分かります。
今回のリイシュー盤では、当時の新聞記事の切り抜きが
コラージュ風に並べられ、当時の様子をうかがい知ることができます。
アルバムタイトルの「センターフィールド」は、野球が大好きなジョンが
小さい頃からの野球とロックへの思いを込めて表現したものでしょうけど、
ロックのアルバムというのはダブルミーニングのものが多く、これは
「音楽の真ん中に戻ってきた」ことの宣言とも受け取れますね。
まさに、「C.C.R.の音が復活」したのです!
その後のジョン・フォガティは、売れ線に微妙に色目を使いつつも、
そこに走ることなく自分らしい音楽を発表し続けています。
よかった、と思うのですが、でもやはりしつこい僕は、
暗黒の契約期間がなければな・・・と、思わなくもないです。
しかし、逆に、休めたことがその後の活力につながっている部分も
あるでしょうし、外野の僕がとやかく言うことではないですかね。
なお、アルバム本編すなわちTr9までの曲は、すべて、作詞作曲、
歌、楽器演奏、アレンジなどをジョン・フォガティひとりが行っており、
彼の才人ぶりもよく分かります。
(All songs written by John Fogerty)
02 LPはポーラより大きい・・・後ろのハウは白トビで見えない・・・

Tr1:The Old Man Down The Road
晴れて活動再開となったはずのジョン・フォガティ、
しかし、またまたトラブルに見舞われます。
復活作の1stシングルであるこの曲が、C.C.R.時代の
Run Through The Jungleに酷似しているとして、
C.C.R.の曲の版権所有者から訴えられたのです。
これ、どちらもジョン・フォガティ自身が作曲しているので、
自分で作った曲が自分で作った曲の盗作と言われた、というわけ。
僕は、それは個性の範囲内でいいのではないかと思うのですが、
版権所有者が違うため、訴訟社会アメリカでは、
このような事態に発展したのでしょう。
しかも、ジョンがギターを持って法廷の場に立ち、
自ら歌って証言するということにまでなりました。
繰り返します、僕としては、同じ人が作っているのだから、
ある程度似るのは当たり前というか、それが個性だと思います。
実際、僕は、この2曲は似ていると思うのですが、
だからといってそれでジョン・フォガティの評価がどうということもなく、
むしろユーモアの範囲で彼が好きと言える部分でもあります。
それはともかく、シングルチャートでも10位を記録するヒット曲をもって、
ジョン・フォガティは華々しく復活したのは間違いないことでした。
この曲は間奏のギターソロが、テクニック的には難しくないけど、
「ギターソロは歌の流れ」という見識にのっとった印象的なもので、
高校生の僕には、そのことがよく分かるギタープレイでした。
Tr2:Rock And Roll Girls
当時、レコードの針がここに来た瞬間、うれしさ爆発しましたね。
タイトルのごとくシンプルなGの3コードのロックンロールで、
すぐにギターを持って弾き始めていました。
歌いだしの部分の歌詞を書き出すと
♪ Sometimes I think life is just a rodeo
「人生はロデオみたいだと思うことがある」
ううん、そうきたか、さすがアメリカ、と僕は唸りました。
その"rodeo"の部分で声がヨーデル風に引っくり返るのが印象的です。
この曲、3コードと書きましたが、サックスのソロが入る間奏のみ
Emが入って4コードになっていたり、そもそも同じコード進行で
AメロとBメロを用意したりと、シンプルなようで実は結構凝った曲です。
ロックンロールだけど激しくなく、人を見る目の優しさを感じる曲です。
Tr3:Big Train (From Memphis)
この曲の2つの偶然。
ひとつは「てっちゃんソング"train"編」で取り上げましたが、
その記事を書いた時はまだ、この25周年記念盤が出ることを知らず、
少しして、弟がこのCDを持っていたのを見て驚きました。
もうひとつはもちろん、シェリル・クロウの新譜との偶然。
メンフィスは名前は当時から知っていましたが、しかし、
ソウルのメッカであることは、ずっと後になってから知りました。
だからこのLPを聴いた当時は、ただなんとなく、
少年が列車を見つめている情景だけを思い浮かべました。
これもやっぱりどう聴いてもC.C.R.風、もちろんいい意味で。
Tr4:I Saw It On T.V.
テレビで見た政治経済社会そして音楽にまつわる思い出を
実名を出さずに振り返ってゆく、ノスタルジックな曲。
1コーラス目の最後、ビートルズ The Beatlesの
Please Please Meのイントロのあのハーモニカの旋律を
ベースで奏でているのがうれしい限り。
後にはそれを受けて、"four guys from England"という歌詞も。
そして最後は自分の曲であるWho'll Stop The Rainの
イントロのアルペジオを彷彿とさせる音で終わっていて、
60-70年代ノスタルジーに浸れる曲。
テレビがノスタルジックというのは、今の僕はそう感じますね。
このアルバムを知った深夜のMTV番組、タイヤのCM、
続けて見ていた白バイ野郎、共産圏の国の臨時ニュース、
吹き替えの映画、ローカルCM、夜中の静止画・・・
音楽は思い出と深く結びついていますね。
Tr5:Mr. Greed
これが当時は話題になった曲。
「ミスター・グリード」つまり「強欲さん」とは、
自分がレコードを出せないように手を施した
Fantasyレーベルの社長を指していますが、僕は後に、その人物が
ソウル・ゼインツ Saul Zaentzなる人であることを知ります。
僕も、これはよっぽどひどい人なんだなとこの曲で思ったのですが、
何年かして、僕にしては意外なところでその人の名前に接します。
僕が好きな映画十指に入る1本である「アマデウス」を手がけた人、
それが、ソウル・ゼインツだったのです。
ちなみに、このアルバムよりその映画のほうが先ですが、
僕は映画をアルバムより後に観ていました。
彼が手がけた映画では、「アマデウス」「カッコーの巣の上で」
「イングリッシュ・ペイシェント」と3本がアカデミー賞に輝いているように、
ソウル・ゼインツ氏は映画製作者としては有能な人です。
でも、ジョンにはとにかく許せない人だったのでしょうね。
ただ、ゼインツ氏も、Fantasyレーベルの社長になった頃は、
まだまだショウビジネスのことがよく分かっていなくて、
とにかく契約社会だからそれを優先させただけなのかもしれません。
とはいえ僕は、後からそのことを知ったのですが、それ以降、
「アマデウス」が大好きというのはなんとなく
ジョンに申し訳ないと感じるようにも、少しですが、なりました。
曲はまさに強欲一直線の重たいロックンロールで分かりやすいです。
そして今回聴き直すと、これがかなりカッコいい曲。
高音を張り上げて歌うジョン節が炸裂していますが、
それが決して爽快には聴こえないのがミソ。
こうして考えると、やはり聴きどころが多いアルバムです。
03 札幌ドームのセンターフィールドは・・・B.B.!?

Tr6:Searchlight
思わせぶりなイントロからしてもうC.C.R.の世界が炸裂!
カントリーとソウル(R&B)とロックがうまく混ざり合っている
ジョン・フォガティの音楽世界がよく分かる1曲。
まあ、混ざり合っているというよりは、むしろ
それらは不可分なものかもしれないのですが。
Tr7:Centerfield
今や札幌ドームではおなじみの曲。
といって、曲名までは知られていないかな・・・
この曲、札幌ドームのファイターズ戦の試合中、回と回との間に、
エレクトーンで演奏されて場内に流れています。
もしかしてカントリー系の音楽が大好きで自らCDも出している
ヒルマン前監督の選曲かもしれないですね。
僕は、これがあるから札幌ドームが好き、ともいえます。
ハンドクラップで軽快に始まる、心が小躍りする楽しげな曲。
歌詞にはJoe DiMaggioが出てきますが、ジョー・ディマジオは、
サイモン&ガーファンクルのMrs. Robinsonと
ビリー・ジョエルのWe Didn't Start The Fireにも出てくるように、
アメリカでは最高の野球選手のひとりなのでしょうね。
歌詞にはまた、Brown-Eyed Handsome Manと
チャック・ベリー Chuck Berryの曲のタイトルも出てくるに及んで、
この曲はまさにロックと野球へのオマージュといえるでしょう。
そしてジョンは、昨年、ヤンキー・スタジアムが新装された際に、
最初の試合のセレモニーでこの曲を歌ったということです。
このようにこの曲は、音楽の世界を飛び出て親しまれており、
まだまだ年を経るごとに広がっている、そんな曲でしょうね。
そんな名曲が最初に出てきたところに僕は立ち会い、
その後もだんだん広がってゆくのを見て感じていたのは
ファンとしてもうれしい限りです。
ギター弾きのはしくれともしてひとこと、この曲は、
リズムギター、歌のバックの演奏の部分が聴きどころ満載で、
まさにこういう風に弾けると楽しい、というギターになっています。
バットがボールに当たる瞬間のSEも入って、ひたすら楽しい曲。
さて、ここで写真を1枚。
04

これは、今回の25周年記念盤のブックレットにある写真で、
おそらくこの曲のビデオクリップの1シーンだと思われますが、
おい、いくら野球とロックを愛しているからといって、
ストラトキャスターを持って打席に立つなんて!
と突っ込みたくなりますよね(笑)。
でも、スウィングするのは大変でしょうね、打っても壊れるでしょうし。
もしかしてバント専用かな(笑)。
ただ、ストラトのネックに使われているのはメイプル材で、
アメリカではバットにも使われていて、松井秀樹選手が、
日本で使っていたバットがアオダモだったのを
アメリカでメイプルに変えたという話を聞いたことがあります。
ジョンが着ているユニフォームがぴちぴちでヘルメットが小さい、
そんなところにも僕は時代を感じました、懐かしい。
横に立てかけてあるのは、ファイターズが札幌ドームに移転して
5周年の時にもらった記念のボールペンです。
ファイターズのセンターフィールドは糸井選手でもう不動ですね。
あんなに化けるとは、正直、思っていませんでした(笑)。
今回は糸井選手の写真を使いたかったのですが、
探したところ、うまく撮れた写真がなかったのが残念でした。
Tr8:I Can't Help Myself
疾走系のシンプルなロックンロール。
アルバムの最後の前にアップテンポでささっとまとめに入る
という流れが僕は大好きだったりします。
これももろC.C.R.路線ですが、盗作問題に絡めて補足すれば、
ジョン・フォガティの曲はコード進行もシンプルなものが多いし、
基本的にはブリッジがなく展開しない曲ばかりな上に個性が強いので、
他の人よりも似てしまいやすいかな、と僕は考えます。
繰り返しますが、ファンとしては、そここみで大好きなのですから。
Tr9:Vanz Kant Danz
そして最後はとにかく印象的な曲。
当時は僕はLPをカセットテープに録音して寝る前に聴いていたことは
今まで何度か書き、その際に、B面の最後のほうの曲は
たいがい寝ていて覚えていないと言っていました。
しかしこのアルバムは、最後のこの曲がいちばん印象的でした。
なんというのかな、不気味だったんです。
歌メロが呪文みたいで、コーラスともども、全体的にねちっとした曲。
寝る前に聴くだけ余計に、それが至って感覚的に響いてきました。
それもそのはず、この曲も、ゼインツ氏を豚に喩えて皮肉ったものです。
踊りは出来ないけど人のお金を盗む豚、というモチーフで
強引にいえば、ビートルズのYou Never Give Me Your Moneyの
ジョン・フォガティ版と言えるかもしれません(笑)。
よっぽど腹にすえかねていたのでしょうね。
この曲、最初は"Zanz Kant Danz"と
Zaentz氏の苗字を彷彿とさせるものだったのが、
やはりそれではということで"Vanz"に変えられたということです。
なお"Kant Danz"は"Can't Dance"の発音の訛りだと思われます。
当時、シングルカットされた際に作られた、
豚のクレイアニメのビデオクリップが話題にもなりました。
そのようなどろどろした内容だから余計に恐かったのかもしれません。
しかしこれ、インパクトは大きな曲ではあると思います。
「踊れない」と歌いながら心地よく踊れそうなミドルテンポの曲。
ソウルっぽいけどソウルじゃない、そして何でもない、
ジョン・フォガティの咀嚼力の大きい音楽世界を堪能できます。
ただ、今回はボーナスが2曲入りましたが、
それがなければアルバムは35分くらいしかなくて、
もっと聴いていたい、短すぎるのが最大の不満ですね(笑)。
さて、ここから2曲は25周年記念盤のボーナストラックですが、
どちらも自作ではなく、また他のメンバーも演奏に加わっています。
Tr10:My Toot Toot
これは調べたところ、Rockin' Sidneyの1984年の曲で、
作曲者自身もアコーディオンでここに参加しています。
テックス・メックスというかロス・ロボスっぽい感じの楽しい曲。
この曲は多くの人にカバーされているようですが、
僕は今回初めて聴いて知りました。
Tr11:I Confess
こちらは作曲者が(T.Vann-N.Nathan)となっていますが、
僕の力では調べがつきませんでした。
パワフルに歌いまくるR&BでCDが終わります。
25周年記念盤とはいっても、2曲追加になっただけで、
価格も安く、こちらがこれからは通常盤になるのでしょう。
Amazonのランクは7/26時点で1820位、意外と高いですね。
やっぱり名盤は聴き継がれてゆくのかな。
ほっとしました、うれしいです。
そして当時は、札幌にプロ野球チームができるなんて
夢にも思っていなかった。
ファイターズが北海道にやって来て、僕の中では
このアルバムの意味はさらにますます高まりました。
時は更に流れ、先ほどこれはWarnerから出たと書きましたが、
現在のジョン・フォガティは、元の鞘というか、
Fantasyレーベルが所属しているUniversalから、
C.C.R.時代など過去のカタログを再リリースしていて、
このアルバムはGeffenレーベルとなっています。
僕と弟は、リマスター盤がFantasyから出ると聞いて、
信じられない、嘘だろ、と話したものですが、
ジョンはジョンで人間が丸くなり、レーベルのほうは、
もはやアメリカの宝物であるC.C.R.をようやく正当に評価し始めた、
というところだと思いたいです。
最後に、このLPを買った頃の思い出話をひとつ。
僕がこのLPを買った高校生の頃は、当時は五番街ビルにあった
初代のタワーレコード札幌店にそれこそ入り浸っていました。
当時は、僕より若い人は弟以外は一度も見かけたことがなく、
それが密かな自慢だったのですが、ある日、年末のセールの時、
当時中学生と思われる、僕より若い人を店で初めて見ました。
レジに並んでいたその人が手に持っていたLPが、
このCENTERFIELDだったのですが、それを見て、
なんだか負けたぁ、と、僕は意味もなく思いましたとさ(笑)。
05

今朝の記事のグローブとハウは、
この記事のちょっとした予告編でした。
いつかこのグローブで
札幌ドームのファウルボールを捕るぞ!
なんて、高いのか低いのか、よく分からない志ですかね(笑)。

CENTERFIELD John Fogerty released in 1985
センターフィールド ジョン・フォガティ
ジョン・フォガティの80年代の名盤が、
25周年記念盤として、ボーナス・トラックが2曲追加されて出ました。
このアルバムは僕のリアルタイムの中でも特に意味が大きく、
いつか記事にしようとずっと思ってきていたのですが、
ちょうどいいきっかけがあったので、ついに書きました。
ジョン・フォガティは、言わずと知れた、C.C.R.
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル
Creedence Clearwater Revivalのフロントマン。
僕はC.C.R.が大好きといつも言っていますが、
実は、順序としてはジョン・フォガティのソロを先に聴き、
後からC.C.R.のすごさを知ったのでした。
85年のこれは僕のリアルタイムで、ジョンが「復活」したアルバム。
当時高3の僕はまだジョン・フォガティは知らなかったのですが、
ベスト・ヒットUSAで最初にTr1のビデオクリップが流れた際に、
小林克也さんが、彼がいかに大物かをいつも以上に熱く語っていて、
そんなにすごい人なの、と頭に「???」3つくらい並びました。
曲は、重たくてちょっとブルージーでカントリーっぽい響きで、
いかにもアメリカ人が好きそうな音楽だなと思い、
当時は既にアメリカン・ロック人間と化しつつあった僕は、
大物の件と絡めて、かなり気になり、少しして、
当時の僕としては思い切ってLPを買いました。
聴いたところ、音楽的なことももちろんですが、
この人の声のキレがとにかくものすごいと思いました。
それまで聴いたことがない、とにかく凄い声の人だと。
ジョン・フォガティがなぜ「復活」したかというのは
これまたいつも言う、アメリカのロック史における汚点のひとつ、
契約問題のこじれによるものでした。
C.C.R.は、所属していたFantasyとの契約が残ったまま解散してしまい、
ジョンも最初は別レーベルからソロを出していましたが、やがて
C.C.R.の契約期間が満了するまでレコードを出すことができない
という事態に陥り、活動休止を余儀なくされてしまいました。
それでもレコードを出したかったジョン、苦肉の策として、
ブルー・リッジ・レンジャーズ The Blue Ridge Rangers
という変名を使ってリリースもしましたが、
それについてはこちらもご参照ください。
時は経ち、ジョンはWarnerと契約し、晴れて活動再開となりました。
アメリカの人がどれだけ彼の復帰を待ち望んでいたかは、
「C.C.R.サウンド復活」と大きな話題となった上に、
アルバムがビルボードでNo.1に輝いたことからも分かります。
今回のリイシュー盤では、当時の新聞記事の切り抜きが
コラージュ風に並べられ、当時の様子をうかがい知ることができます。
アルバムタイトルの「センターフィールド」は、野球が大好きなジョンが
小さい頃からの野球とロックへの思いを込めて表現したものでしょうけど、
ロックのアルバムというのはダブルミーニングのものが多く、これは
「音楽の真ん中に戻ってきた」ことの宣言とも受け取れますね。
まさに、「C.C.R.の音が復活」したのです!
その後のジョン・フォガティは、売れ線に微妙に色目を使いつつも、
そこに走ることなく自分らしい音楽を発表し続けています。
よかった、と思うのですが、でもやはりしつこい僕は、
暗黒の契約期間がなければな・・・と、思わなくもないです。
しかし、逆に、休めたことがその後の活力につながっている部分も
あるでしょうし、外野の僕がとやかく言うことではないですかね。
なお、アルバム本編すなわちTr9までの曲は、すべて、作詞作曲、
歌、楽器演奏、アレンジなどをジョン・フォガティひとりが行っており、
彼の才人ぶりもよく分かります。
(All songs written by John Fogerty)
02 LPはポーラより大きい・・・後ろのハウは白トビで見えない・・・

Tr1:The Old Man Down The Road
晴れて活動再開となったはずのジョン・フォガティ、
しかし、またまたトラブルに見舞われます。
復活作の1stシングルであるこの曲が、C.C.R.時代の
Run Through The Jungleに酷似しているとして、
C.C.R.の曲の版権所有者から訴えられたのです。
これ、どちらもジョン・フォガティ自身が作曲しているので、
自分で作った曲が自分で作った曲の盗作と言われた、というわけ。
僕は、それは個性の範囲内でいいのではないかと思うのですが、
版権所有者が違うため、訴訟社会アメリカでは、
このような事態に発展したのでしょう。
しかも、ジョンがギターを持って法廷の場に立ち、
自ら歌って証言するということにまでなりました。
繰り返します、僕としては、同じ人が作っているのだから、
ある程度似るのは当たり前というか、それが個性だと思います。
実際、僕は、この2曲は似ていると思うのですが、
だからといってそれでジョン・フォガティの評価がどうということもなく、
むしろユーモアの範囲で彼が好きと言える部分でもあります。
それはともかく、シングルチャートでも10位を記録するヒット曲をもって、
ジョン・フォガティは華々しく復活したのは間違いないことでした。
この曲は間奏のギターソロが、テクニック的には難しくないけど、
「ギターソロは歌の流れ」という見識にのっとった印象的なもので、
高校生の僕には、そのことがよく分かるギタープレイでした。
Tr2:Rock And Roll Girls
当時、レコードの針がここに来た瞬間、うれしさ爆発しましたね。
タイトルのごとくシンプルなGの3コードのロックンロールで、
すぐにギターを持って弾き始めていました。
歌いだしの部分の歌詞を書き出すと
♪ Sometimes I think life is just a rodeo
「人生はロデオみたいだと思うことがある」
ううん、そうきたか、さすがアメリカ、と僕は唸りました。
その"rodeo"の部分で声がヨーデル風に引っくり返るのが印象的です。
この曲、3コードと書きましたが、サックスのソロが入る間奏のみ
Emが入って4コードになっていたり、そもそも同じコード進行で
AメロとBメロを用意したりと、シンプルなようで実は結構凝った曲です。
ロックンロールだけど激しくなく、人を見る目の優しさを感じる曲です。
Tr3:Big Train (From Memphis)
この曲の2つの偶然。
ひとつは「てっちゃんソング"train"編」で取り上げましたが、
その記事を書いた時はまだ、この25周年記念盤が出ることを知らず、
少しして、弟がこのCDを持っていたのを見て驚きました。
もうひとつはもちろん、シェリル・クロウの新譜との偶然。
メンフィスは名前は当時から知っていましたが、しかし、
ソウルのメッカであることは、ずっと後になってから知りました。
だからこのLPを聴いた当時は、ただなんとなく、
少年が列車を見つめている情景だけを思い浮かべました。
これもやっぱりどう聴いてもC.C.R.風、もちろんいい意味で。
Tr4:I Saw It On T.V.
テレビで見た政治経済社会そして音楽にまつわる思い出を
実名を出さずに振り返ってゆく、ノスタルジックな曲。
1コーラス目の最後、ビートルズ The Beatlesの
Please Please Meのイントロのあのハーモニカの旋律を
ベースで奏でているのがうれしい限り。
後にはそれを受けて、"four guys from England"という歌詞も。
そして最後は自分の曲であるWho'll Stop The Rainの
イントロのアルペジオを彷彿とさせる音で終わっていて、
60-70年代ノスタルジーに浸れる曲。
テレビがノスタルジックというのは、今の僕はそう感じますね。
このアルバムを知った深夜のMTV番組、タイヤのCM、
続けて見ていた白バイ野郎、共産圏の国の臨時ニュース、
吹き替えの映画、ローカルCM、夜中の静止画・・・
音楽は思い出と深く結びついていますね。
Tr5:Mr. Greed
これが当時は話題になった曲。
「ミスター・グリード」つまり「強欲さん」とは、
自分がレコードを出せないように手を施した
Fantasyレーベルの社長を指していますが、僕は後に、その人物が
ソウル・ゼインツ Saul Zaentzなる人であることを知ります。
僕も、これはよっぽどひどい人なんだなとこの曲で思ったのですが、
何年かして、僕にしては意外なところでその人の名前に接します。
僕が好きな映画十指に入る1本である「アマデウス」を手がけた人、
それが、ソウル・ゼインツだったのです。
ちなみに、このアルバムよりその映画のほうが先ですが、
僕は映画をアルバムより後に観ていました。
彼が手がけた映画では、「アマデウス」「カッコーの巣の上で」
「イングリッシュ・ペイシェント」と3本がアカデミー賞に輝いているように、
ソウル・ゼインツ氏は映画製作者としては有能な人です。
でも、ジョンにはとにかく許せない人だったのでしょうね。
ただ、ゼインツ氏も、Fantasyレーベルの社長になった頃は、
まだまだショウビジネスのことがよく分かっていなくて、
とにかく契約社会だからそれを優先させただけなのかもしれません。
とはいえ僕は、後からそのことを知ったのですが、それ以降、
「アマデウス」が大好きというのはなんとなく
ジョンに申し訳ないと感じるようにも、少しですが、なりました。
曲はまさに強欲一直線の重たいロックンロールで分かりやすいです。
そして今回聴き直すと、これがかなりカッコいい曲。
高音を張り上げて歌うジョン節が炸裂していますが、
それが決して爽快には聴こえないのがミソ。
こうして考えると、やはり聴きどころが多いアルバムです。
03 札幌ドームのセンターフィールドは・・・B.B.!?

Tr6:Searchlight
思わせぶりなイントロからしてもうC.C.R.の世界が炸裂!
カントリーとソウル(R&B)とロックがうまく混ざり合っている
ジョン・フォガティの音楽世界がよく分かる1曲。
まあ、混ざり合っているというよりは、むしろ
それらは不可分なものかもしれないのですが。
Tr7:Centerfield
今や札幌ドームではおなじみの曲。
といって、曲名までは知られていないかな・・・
この曲、札幌ドームのファイターズ戦の試合中、回と回との間に、
エレクトーンで演奏されて場内に流れています。
もしかしてカントリー系の音楽が大好きで自らCDも出している
ヒルマン前監督の選曲かもしれないですね。
僕は、これがあるから札幌ドームが好き、ともいえます。
ハンドクラップで軽快に始まる、心が小躍りする楽しげな曲。
歌詞にはJoe DiMaggioが出てきますが、ジョー・ディマジオは、
サイモン&ガーファンクルのMrs. Robinsonと
ビリー・ジョエルのWe Didn't Start The Fireにも出てくるように、
アメリカでは最高の野球選手のひとりなのでしょうね。
歌詞にはまた、Brown-Eyed Handsome Manと
チャック・ベリー Chuck Berryの曲のタイトルも出てくるに及んで、
この曲はまさにロックと野球へのオマージュといえるでしょう。
そしてジョンは、昨年、ヤンキー・スタジアムが新装された際に、
最初の試合のセレモニーでこの曲を歌ったということです。
このようにこの曲は、音楽の世界を飛び出て親しまれており、
まだまだ年を経るごとに広がっている、そんな曲でしょうね。
そんな名曲が最初に出てきたところに僕は立ち会い、
その後もだんだん広がってゆくのを見て感じていたのは
ファンとしてもうれしい限りです。
ギター弾きのはしくれともしてひとこと、この曲は、
リズムギター、歌のバックの演奏の部分が聴きどころ満載で、
まさにこういう風に弾けると楽しい、というギターになっています。
バットがボールに当たる瞬間のSEも入って、ひたすら楽しい曲。
さて、ここで写真を1枚。
04

これは、今回の25周年記念盤のブックレットにある写真で、
おそらくこの曲のビデオクリップの1シーンだと思われますが、
おい、いくら野球とロックを愛しているからといって、
ストラトキャスターを持って打席に立つなんて!
と突っ込みたくなりますよね(笑)。
でも、スウィングするのは大変でしょうね、打っても壊れるでしょうし。
もしかしてバント専用かな(笑)。
ただ、ストラトのネックに使われているのはメイプル材で、
アメリカではバットにも使われていて、松井秀樹選手が、
日本で使っていたバットがアオダモだったのを
アメリカでメイプルに変えたという話を聞いたことがあります。
ジョンが着ているユニフォームがぴちぴちでヘルメットが小さい、
そんなところにも僕は時代を感じました、懐かしい。
横に立てかけてあるのは、ファイターズが札幌ドームに移転して
5周年の時にもらった記念のボールペンです。
ファイターズのセンターフィールドは糸井選手でもう不動ですね。
あんなに化けるとは、正直、思っていませんでした(笑)。
今回は糸井選手の写真を使いたかったのですが、
探したところ、うまく撮れた写真がなかったのが残念でした。
Tr8:I Can't Help Myself
疾走系のシンプルなロックンロール。
アルバムの最後の前にアップテンポでささっとまとめに入る
という流れが僕は大好きだったりします。
これももろC.C.R.路線ですが、盗作問題に絡めて補足すれば、
ジョン・フォガティの曲はコード進行もシンプルなものが多いし、
基本的にはブリッジがなく展開しない曲ばかりな上に個性が強いので、
他の人よりも似てしまいやすいかな、と僕は考えます。
繰り返しますが、ファンとしては、そここみで大好きなのですから。
Tr9:Vanz Kant Danz
そして最後はとにかく印象的な曲。
当時は僕はLPをカセットテープに録音して寝る前に聴いていたことは
今まで何度か書き、その際に、B面の最後のほうの曲は
たいがい寝ていて覚えていないと言っていました。
しかしこのアルバムは、最後のこの曲がいちばん印象的でした。
なんというのかな、不気味だったんです。
歌メロが呪文みたいで、コーラスともども、全体的にねちっとした曲。
寝る前に聴くだけ余計に、それが至って感覚的に響いてきました。
それもそのはず、この曲も、ゼインツ氏を豚に喩えて皮肉ったものです。
踊りは出来ないけど人のお金を盗む豚、というモチーフで
強引にいえば、ビートルズのYou Never Give Me Your Moneyの
ジョン・フォガティ版と言えるかもしれません(笑)。
よっぽど腹にすえかねていたのでしょうね。
この曲、最初は"Zanz Kant Danz"と
Zaentz氏の苗字を彷彿とさせるものだったのが、
やはりそれではということで"Vanz"に変えられたということです。
なお"Kant Danz"は"Can't Dance"の発音の訛りだと思われます。
当時、シングルカットされた際に作られた、
豚のクレイアニメのビデオクリップが話題にもなりました。
そのようなどろどろした内容だから余計に恐かったのかもしれません。
しかしこれ、インパクトは大きな曲ではあると思います。
「踊れない」と歌いながら心地よく踊れそうなミドルテンポの曲。
ソウルっぽいけどソウルじゃない、そして何でもない、
ジョン・フォガティの咀嚼力の大きい音楽世界を堪能できます。
ただ、今回はボーナスが2曲入りましたが、
それがなければアルバムは35分くらいしかなくて、
もっと聴いていたい、短すぎるのが最大の不満ですね(笑)。
さて、ここから2曲は25周年記念盤のボーナストラックですが、
どちらも自作ではなく、また他のメンバーも演奏に加わっています。
Tr10:My Toot Toot
これは調べたところ、Rockin' Sidneyの1984年の曲で、
作曲者自身もアコーディオンでここに参加しています。
テックス・メックスというかロス・ロボスっぽい感じの楽しい曲。
この曲は多くの人にカバーされているようですが、
僕は今回初めて聴いて知りました。
Tr11:I Confess
こちらは作曲者が(T.Vann-N.Nathan)となっていますが、
僕の力では調べがつきませんでした。
パワフルに歌いまくるR&BでCDが終わります。
25周年記念盤とはいっても、2曲追加になっただけで、
価格も安く、こちらがこれからは通常盤になるのでしょう。
Amazonのランクは7/26時点で1820位、意外と高いですね。
やっぱり名盤は聴き継がれてゆくのかな。
ほっとしました、うれしいです。
そして当時は、札幌にプロ野球チームができるなんて
夢にも思っていなかった。
ファイターズが北海道にやって来て、僕の中では
このアルバムの意味はさらにますます高まりました。
時は更に流れ、先ほどこれはWarnerから出たと書きましたが、
現在のジョン・フォガティは、元の鞘というか、
Fantasyレーベルが所属しているUniversalから、
C.C.R.時代など過去のカタログを再リリースしていて、
このアルバムはGeffenレーベルとなっています。
僕と弟は、リマスター盤がFantasyから出ると聞いて、
信じられない、嘘だろ、と話したものですが、
ジョンはジョンで人間が丸くなり、レーベルのほうは、
もはやアメリカの宝物であるC.C.R.をようやく正当に評価し始めた、
というところだと思いたいです。
最後に、このLPを買った頃の思い出話をひとつ。
僕がこのLPを買った高校生の頃は、当時は五番街ビルにあった
初代のタワーレコード札幌店にそれこそ入り浸っていました。
当時は、僕より若い人は弟以外は一度も見かけたことがなく、
それが密かな自慢だったのですが、ある日、年末のセールの時、
当時中学生と思われる、僕より若い人を店で初めて見ました。
レジに並んでいたその人が手に持っていたLPが、
このCENTERFIELDだったのですが、それを見て、
なんだか負けたぁ、と、僕は意味もなく思いましたとさ(笑)。
05

今朝の記事のグローブとハウは、
この記事のちょっとした予告編でした。
いつかこのグローブで
札幌ドームのファウルボールを捕るぞ!
なんて、高いのか低いのか、よく分からない志ですかね(笑)。
Posted by guitarbird at
20:53
│John Fogery-C.C.R.
2013年06月02日
ジョン・フォガティの新譜が出た
01

WROTE A SONG FOR EVERYONE John Fogerty
ソング・フォー・エヴリワン ジョン・フォガティ (2013)
ジョン・フォガティの新譜の記事です。
先週出たばかりのものを早速取り上げます。
彼にとって、C.C.R.解散後、
リリースされたものとしては9枚目のアルバムになります。
出たばかりなのにもう記事にできるのは、
自らの曲をゲストを招いて再録音したものであり、
つまり僕は新たに曲を覚える必要がないから。
ジョン・フォガティはアメリカのロックにおいて
最も重要な作曲家のひとり。
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル時代から、
シンプルで口ずさみやすくてとにかく耳に心に残る
しかも奥深い曲をたくさん書いてきた人。
だからこのアルバム、曲の良さについては
聴く前から100点満点が保証されています。
ジョン・フォガティの輝かしい楽曲を、
曲ごとにゲストを迎えて再録音した
いわばセルフトリビュートアルバム。
ロックを超えて広く迎えたゲストを立てて少し遠慮がちに
むしろサポートしており、どうだ俺はすごいんだ、
といった嫌みはまったく感じない。
そんなところに彼の人柄を感じました。
ほんとうはとんでもなくすごいシンガーソングライターなんですよ、
どんなに言葉を使っても言い尽くせないくらいに。
カントリー系のゲストが多いせいか、全体的に
オリジナルよりもカントリーっぽさを強く感じます。
それでは聴いてゆきますか。
02 ポーラはCDなしで

Tr1:Fortunate Son (with Foo Fighters)
ゲストはフー・ファイターズ。
オリジナルはC.C.R.のWILLIY AND THE POOR BOYS収録。
冒頭にふさわしく、突っ走るロックンロールを
さらにテンポを上げ、これでもかと押しまくる。
元気の塊のようなフー・ファイターズと組み、まるで
疲れを知らずに永遠に走り続ける、そんな曲に仕上がっています。
ジョン・フォガティのソウルフルな歌声は
以前より高くは感じるけれどまだまだ健在。
フー・ファイターズのデイヴ・グロールは、自らが監督した
映画『ロック・シティ-リアル・トゥ・リール』を完成させたばかり。
その映画はまだ見ておらず、ジョン・フォガティが出ているか分からない、
サウンドトラックのCDにも曲は収められていないのですが、
そのつながりと考えるとこれはきわめて自然ですね。
この曲は、映画『フォレスト・ガンプ』での
ヘリコプターのシーンで印象的に使われたおかげか、
近年になってぐっと人気が上がってきた感があります。
Tr2:Almost Saturday Night (with Keith Urban)
ゲストは都会派カントリーのキース・アーバン、あ、都会派とは
ただ名前から勝手に言ってみただけです念のため・・・
オリジナルはソロのJOHN FOGERTY収録。
ロデオ大会のテーマ曲のようなカントリータッチのイントロから、
やや甘い声のキース・アーバンが歌い始めるともう
ジョン・フォガティの世界が満開。
当たり前のことを普通に歌うんだけど歌として深みがある、
というのがジョン・フォガティの曲。
Tr3:Lodi (with Shane Fogerty and Tyler Fogerty)
ゲストは息子さんでしょうか、きっとそうでしょう。
オリジナルはC.C.R.のGREEN RIVER収録。
さすがというか声は似ていて、特に"Oh Lord!"と
高音で歌う部分はそっくり、似せているのかな。
C.C.R.のこの曲を若い頃に最初に聴いた時に、これって
いかにもカントリーらしい曲というんだろうなと学んだ、というもの。
ところでこれ、「ローディ」ではなく「ローダイ」と発音していますね。
僕は今まで歌詞を見たことがなかったんだけど、今、気づきました。
だから、曲の中のどこでも「ローディ」って歌ってないんだ、納得(笑)。
ついでにいえば、昔は日立のオーディオを「ローディ」と称してましたよね。
ナショナルは「テクニクス」、懐かしい。
Tr4:Mystic Highway
ゲストはなし、これは新曲。
ただしブックレットには30年以上前に一節を思いついて
ノートしておいたと書いてあります。
これが今のジョン・フォガティであるなら、
やはり彼の心の中心にはカントリーがあるんだなと。
最後のほうでゴスペル的に盛り上がる部分が自然でありかっこいい。
Tr5:Wrote A Song For Everyone
(with Miranda Lambert featl Tom Morello)
ゲストはミランダ・ランバートfeat.トム・モレロ。
オリジナルは2曲目と同じくC.C.R.のGREEN RIVER収録。
ミランダ・ランバートは僕は名前も知らなかった、アメリカの
カントリー系の歌手、もしかして「ランベール」と読ませるのかも。
トム・モレロは元、は要らないのか、
レイジ・アゲンスト・ザ・マシーンのギタリスト。
この曲を最初に聴いた時、この人ならきっとこんな曲を書いて
いるんだろうと漠然と思っていたことが実際にこの曲があるのを
知り、頭の中でつながった、そんな思い出があります。
ベトナム戦争当時の反戦メッセージを込めた曲、
人間生活でのちょっとした疑問を描いた曲、などなど、彼の曲は
世の中について考えさせられるものが多いのも頷けます。
こんな曲を書くなんて、やっぱりすごい人だと思ったものです。
ここでのアレンジはやはりというか基本カントリーっぽいんだけど、
間奏でリズムが速くなり、トム・モレロのギターが
キャンディでできた釘のように刺さり込んでくる。
ミランダ・ランバートは女性としてはかなりワイルドな歌声で、
豪快かつポップな仕上がり。
03 今朝の大通公園の風景その1

Tr6:Bad Moon Rising (with Zac Brown Band)
ゲストはザック・ブラウン・バンド。
オリジナルはこれまたC.C.R.のGREEN RIVERに。
この曲はフィドルが入ってカントリーっぽさが増した以外は
この中ではいちばんオリジナルに近いかな。
あ、それでは大違いだろと言われそうなので弁解すると、
歌の部分のリズム、キーなど基本は同じという意味です。
それでも最後のほうでマーチ風にリズムを崩したり、
間奏がカントリー大会だったり、アレンジは凝らしています。
ザック・ブラウン・バンドはそのうち聴いてみたいと
去年辺りから思い始めたんですが、ここで遭遇してしまった以上は
早く買って聴きたくなりました。
Tr7:Long As I Can See The Light
(with My Morning Jacket)
ゲストはマイ・モーニング・ジャケット。
このバンドは知らない、と思ってウィキペディアを調べると、
ロックバンドとあり、中心人物がジム・ジェイムス、
どこかで聞いたことがあるとしばし考え、ブッカー・T.・ジョーンズの
ROAD FROM MEMPHISに参加していた人と思い出した。
オリジナルはC.C.R.のCOSMO'S FACTORY収録。
ジョン・フォガティが書く曲はタイトルから
光景を想像しやすいですよね。
これは、具体的な光景としては、馬が最良だけど車でもいい、
夜の夜中にひとりで眠らないよう気持ちを張りながら走り続ける。
そんな情景に、自分の人生を重ね合わせて聴くと、
歌にぐんと味わいが出てくる、それがジョン・フォガティの曲。
ここでのアレンジはオリジナルよりもエレクトリック・ギターの
音色を強調していてなかなかいい。
この曲はサザンソウルにしたければ立派なサザンソウルにもなるという、
要は曲そのものが素晴らしいということ。
Tr8:Born On The Bayou (with Kid Rock)
ゲストはキッド・ロック。
オリジナルはC.C.R.のBAYOU COUNTRY収録。
キッド・ロックはシェリル・クロウのベスト盤の新録曲にも
参加していたけれど、そこから先を聴いたことはまだない人。
でも、骨太のロックを演じることができる人なんだな、
というのはこれまでのイメージ通りでした。
この曲はギターの、リフともいえないけれどただのコード弾きでもない
その音色がとにかく素晴らしくて、そこをそのまま生かしたのは正解。
Tr9:Train Of Fools
ゲストはなし、こちらも新曲。
重たいビートに重たい演奏、怒りをぐっと抑えたような歌い方が
胸に迫ってくる。
途中で明るくハミングはしてみるけれど、
怒りをそのまま音にしたような響き。
それにしてもこのアルバムはエレクトリックギターの音色がいい。
Tr10:Someday Never Comes (with Dawes)
ゲストはドーズ。
アメリカのロックバンド、僕は名前も知りませんでした。
オリジナルはC.C.R.のラストアルバムMARDI GRAS収録。
この曲のオリジナルは、一聴するとのどかに響いてくるけれど
厭世的しかしその実達観したようなジョン・フォガティの
歌い方が素晴らしい。
ここでのヴォーカルは、間延びしたように響いてはくるけれど、
オリジナルのそこまではとうてい成り得ていない、
そうするしかなかったというところで収めています。
ただ、ジョン・フォガティ本人ももうそれはできないと分かっているのか、
盛り上がるBメロだけを本人は歌っています。
曲についていつか記事で詳しく書きますが、これは僕が初めて買った
C.C.R.のベスト盤の最後に入っているのがとっても胸にしみてきて、
しかも本当に最後のアルバムに入っているのが、泣けてきますね。
このタイトル自体が人生訓ようなもの。
彼の曲にはそれが多い、だから大好き。
05 今朝の大通公園の風景その2、ライラック満開

Tr11:Who'll Stop The Rain (with Bob Seger)
ゲストは、来た来た来ましたよアメリカンロックの大将こと
ボブ・シーガー。
ロック系の大物もいないとね。
オリジナルはC.C.R.のCOSMO'S FACTORY収録。
ボブ、まさにアメリカの演歌といった豪快かつ哀愁を帯びた
歌いっぷり、と書いてみたけど、その両方の要素を同時に
出来る人なんて、この人しかいないんじゃないかな。
ボブの声の響き、肺からお腹にかけての空間が広そう(笑)。
ここで初めてジョン・フォガティの声が子供っぽく聞こえてきた。
これも寂寥感に襲われる曲だけど、テンポを落としてさらにそこを
深めているのは、重ねてきた齢を反映させているように感じます。
Tr12:Hot Rod Heart (with Brad Paisley)
ゲストはブラッド・ペイズリー。
オリジナルはソロのBLUE MOON SWAMP収録。
1997年とこの中では新曲を除いて最も新しい曲。
ブラッド・ペイズリーは名前だけ知っている人で、
カントリーっぽいサザンロック或いはその逆、という人のようで、
この曲もまさにそんな味わい。
そんな音楽の人にこの選曲とはまた絶妙。
多分テレキャスターだと思う、ギターの音色がとってもいい、
やはりスワンプロックにはテレキャスターが似合う。
ブラッド・ペイズリー、聴いてみたい人がまた現れました。
Tr13:Have You Ever Seen The Rain
(with Alan Jackson)
ゲストはカントリー界の(多分)大御所アラン・ジャクソン。
最近よく僕が買ったCDに名前が出てくる人だけど、
やはりまだ聴いたことがない。
彼の声はバリトンでいかにもカントリーといった声の出し方、
オリジナルのジョン・フォガティとは逆で、
テンポは遅くはないけれど全体的に妙に落ち着いている感じ。
これは大好きでよく聴いてきた曲であるだけに、
最初は、な、な、なんだといった感じ。
でも慣れると声自体がいいので、これはこれでいいかと。
ペダルスティールやフィドルが入っているけれど違和感がないのは
やはり、ジョン・フォガティという人の基本がその辺りなのでしょうね。
ところで、C.C.R.といえばアメリカでもやっぱり
この曲がいちばん膾炙しているのかな。
日本では、CMでも使われていたし、曲は有名でも
誰の曲かは知らない、という存在でしょうか・・・
この曲は特に思い入れが深く、話し出すと切りがないので
また別の機会として、この辺で次へ。
Tr14:Proud Mary (with Jennifer Hudson
feat. Allen Toussaint and Rebirth Brass Band)
最後の曲のゲスト、ヴォーカルはジェニファー・ハドソン。
今年のスーパーボウルの試合前のショーでも感動的な歌を
聴かせてくれた彼女、映画『ドリーム・ガールズ』の後に出して
話題になったデビュー作、まだ買ってない、そろそろ聴かなきゃ。
演奏にはなんとあのアラン・トゥーサンの名前が。
リバース・ブラス・バンドは名前をちらと聞いたくらいだけど、
もうこうなるとニューオーリンズ風になるのは定石。
C.C.R.の最後のアルバムもニューオーリンズの謝肉祭である
「マルディ・グラ」からとっているくらいだから、ジョン・フォガティとしても
憧れのようなものがあったのでしょう。
一応書いておくと、"Born on the Bayou"「南部で生まれた」などと
ぬけぬけと歌っていますが、ジョン・フォガティはカリフォルニアの人。
そうそう、この曲のオリジナルはC.C.R.のBAYOU COUNTRY収録。
C.C.R.としても最大のヒット曲でありますが、残念ながら最高2位、
彼らは2位の曲が5曲ありながら1位がないのです。
話は逸れましたが、ここで面白いのは、
ジェニファー・ハドソンを招いていること。
この曲はアイク&ティナ・ターナーの曲としても
よく知られていますよね、どっちがどっちか分からないくらいに。
そのイメージを、パワフルな黒人女性ヴォーカルで継承していることが、
うまい、さすがはポップソングの世界で生きてきた人と感心しきり。
歌の内容も、植木等じゃないけれど「そのうちなんとかなるだろう」
その通り明るく楽しく意味もなく盛り上がってアルバムは終わります。
左が国内盤、右が輸入盤。
国内盤も出るんですね、なんだかうれしい。
やはり、ジョン・フォガティには敬意を表してもらわないと。
まあ、言ってしまえば、最近流行りの
大物によるカヴァーアルバムの流れではあるのですが。
ジョン・フォガティが好きな人なら何も言うことはない。
ゲスト目当てで聴くのも面白いかもしれない。
曲がいいのでかけておくと楽しいし気分がよくなる、間違いない。
真面目に聴き込む、もちろんいい、BGM的にもそれはそれでいい。
ジョン・フォガティの書く曲は、印象に残りやすいけれど、
こちらが聴き込む気にならなければさらりと流れて行く、
かといって軽いわけではない、という絶妙な味わいがまたいい。
これはなかなかできるものではないでしょう、
軽いだけでも、重いだけでもない。
ジャケットのジョン・フォガティの写真がなんともいえない味わい。
これだけの功績を上げた人なのに奢ることなく、なんとなく誇らしい、
くらいの控えめな笑顔、やっぱり人間性を感じますね。
見ようによっては狐のお面みたいだけど(笑)。
やっぱりいいものはいい、ですね。
最後は、ハウのアウトテイク写真にて。
06


WROTE A SONG FOR EVERYONE John Fogerty
ソング・フォー・エヴリワン ジョン・フォガティ (2013)
ジョン・フォガティの新譜の記事です。
先週出たばかりのものを早速取り上げます。
彼にとって、C.C.R.解散後、
リリースされたものとしては9枚目のアルバムになります。
出たばかりなのにもう記事にできるのは、
自らの曲をゲストを招いて再録音したものであり、
つまり僕は新たに曲を覚える必要がないから。
ジョン・フォガティはアメリカのロックにおいて
最も重要な作曲家のひとり。
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル時代から、
シンプルで口ずさみやすくてとにかく耳に心に残る
しかも奥深い曲をたくさん書いてきた人。
だからこのアルバム、曲の良さについては
聴く前から100点満点が保証されています。
ジョン・フォガティの輝かしい楽曲を、
曲ごとにゲストを迎えて再録音した
いわばセルフトリビュートアルバム。
ロックを超えて広く迎えたゲストを立てて少し遠慮がちに
むしろサポートしており、どうだ俺はすごいんだ、
といった嫌みはまったく感じない。
そんなところに彼の人柄を感じました。
ほんとうはとんでもなくすごいシンガーソングライターなんですよ、
どんなに言葉を使っても言い尽くせないくらいに。
カントリー系のゲストが多いせいか、全体的に
オリジナルよりもカントリーっぽさを強く感じます。
それでは聴いてゆきますか。
02 ポーラはCDなしで

Tr1:Fortunate Son (with Foo Fighters)
ゲストはフー・ファイターズ。
オリジナルはC.C.R.のWILLIY AND THE POOR BOYS収録。
冒頭にふさわしく、突っ走るロックンロールを
さらにテンポを上げ、これでもかと押しまくる。
元気の塊のようなフー・ファイターズと組み、まるで
疲れを知らずに永遠に走り続ける、そんな曲に仕上がっています。
ジョン・フォガティのソウルフルな歌声は
以前より高くは感じるけれどまだまだ健在。
フー・ファイターズのデイヴ・グロールは、自らが監督した
映画『ロック・シティ-リアル・トゥ・リール』を完成させたばかり。
その映画はまだ見ておらず、ジョン・フォガティが出ているか分からない、
サウンドトラックのCDにも曲は収められていないのですが、
そのつながりと考えるとこれはきわめて自然ですね。
この曲は、映画『フォレスト・ガンプ』での
ヘリコプターのシーンで印象的に使われたおかげか、
近年になってぐっと人気が上がってきた感があります。
Tr2:Almost Saturday Night (with Keith Urban)
ゲストは都会派カントリーのキース・アーバン、あ、都会派とは
ただ名前から勝手に言ってみただけです念のため・・・
オリジナルはソロのJOHN FOGERTY収録。
ロデオ大会のテーマ曲のようなカントリータッチのイントロから、
やや甘い声のキース・アーバンが歌い始めるともう
ジョン・フォガティの世界が満開。
当たり前のことを普通に歌うんだけど歌として深みがある、
というのがジョン・フォガティの曲。
Tr3:Lodi (with Shane Fogerty and Tyler Fogerty)
ゲストは息子さんでしょうか、きっとそうでしょう。
オリジナルはC.C.R.のGREEN RIVER収録。
さすがというか声は似ていて、特に"Oh Lord!"と
高音で歌う部分はそっくり、似せているのかな。
C.C.R.のこの曲を若い頃に最初に聴いた時に、これって
いかにもカントリーらしい曲というんだろうなと学んだ、というもの。
ところでこれ、「ローディ」ではなく「ローダイ」と発音していますね。
僕は今まで歌詞を見たことがなかったんだけど、今、気づきました。
だから、曲の中のどこでも「ローディ」って歌ってないんだ、納得(笑)。
ついでにいえば、昔は日立のオーディオを「ローディ」と称してましたよね。
ナショナルは「テクニクス」、懐かしい。
Tr4:Mystic Highway
ゲストはなし、これは新曲。
ただしブックレットには30年以上前に一節を思いついて
ノートしておいたと書いてあります。
これが今のジョン・フォガティであるなら、
やはり彼の心の中心にはカントリーがあるんだなと。
最後のほうでゴスペル的に盛り上がる部分が自然でありかっこいい。
Tr5:Wrote A Song For Everyone
(with Miranda Lambert featl Tom Morello)
ゲストはミランダ・ランバートfeat.トム・モレロ。
オリジナルは2曲目と同じくC.C.R.のGREEN RIVER収録。
ミランダ・ランバートは僕は名前も知らなかった、アメリカの
カントリー系の歌手、もしかして「ランベール」と読ませるのかも。
トム・モレロは元、は要らないのか、
レイジ・アゲンスト・ザ・マシーンのギタリスト。
この曲を最初に聴いた時、この人ならきっとこんな曲を書いて
いるんだろうと漠然と思っていたことが実際にこの曲があるのを
知り、頭の中でつながった、そんな思い出があります。
ベトナム戦争当時の反戦メッセージを込めた曲、
人間生活でのちょっとした疑問を描いた曲、などなど、彼の曲は
世の中について考えさせられるものが多いのも頷けます。
こんな曲を書くなんて、やっぱりすごい人だと思ったものです。
ここでのアレンジはやはりというか基本カントリーっぽいんだけど、
間奏でリズムが速くなり、トム・モレロのギターが
キャンディでできた釘のように刺さり込んでくる。
ミランダ・ランバートは女性としてはかなりワイルドな歌声で、
豪快かつポップな仕上がり。
03 今朝の大通公園の風景その1

Tr6:Bad Moon Rising (with Zac Brown Band)
ゲストはザック・ブラウン・バンド。
オリジナルはこれまたC.C.R.のGREEN RIVERに。
この曲はフィドルが入ってカントリーっぽさが増した以外は
この中ではいちばんオリジナルに近いかな。
あ、それでは大違いだろと言われそうなので弁解すると、
歌の部分のリズム、キーなど基本は同じという意味です。
それでも最後のほうでマーチ風にリズムを崩したり、
間奏がカントリー大会だったり、アレンジは凝らしています。
ザック・ブラウン・バンドはそのうち聴いてみたいと
去年辺りから思い始めたんですが、ここで遭遇してしまった以上は
早く買って聴きたくなりました。
Tr7:Long As I Can See The Light
(with My Morning Jacket)
ゲストはマイ・モーニング・ジャケット。
このバンドは知らない、と思ってウィキペディアを調べると、
ロックバンドとあり、中心人物がジム・ジェイムス、
どこかで聞いたことがあるとしばし考え、ブッカー・T.・ジョーンズの
ROAD FROM MEMPHISに参加していた人と思い出した。
オリジナルはC.C.R.のCOSMO'S FACTORY収録。
ジョン・フォガティが書く曲はタイトルから
光景を想像しやすいですよね。
これは、具体的な光景としては、馬が最良だけど車でもいい、
夜の夜中にひとりで眠らないよう気持ちを張りながら走り続ける。
そんな情景に、自分の人生を重ね合わせて聴くと、
歌にぐんと味わいが出てくる、それがジョン・フォガティの曲。
ここでのアレンジはオリジナルよりもエレクトリック・ギターの
音色を強調していてなかなかいい。
この曲はサザンソウルにしたければ立派なサザンソウルにもなるという、
要は曲そのものが素晴らしいということ。
Tr8:Born On The Bayou (with Kid Rock)
ゲストはキッド・ロック。
オリジナルはC.C.R.のBAYOU COUNTRY収録。
キッド・ロックはシェリル・クロウのベスト盤の新録曲にも
参加していたけれど、そこから先を聴いたことはまだない人。
でも、骨太のロックを演じることができる人なんだな、
というのはこれまでのイメージ通りでした。
この曲はギターの、リフともいえないけれどただのコード弾きでもない
その音色がとにかく素晴らしくて、そこをそのまま生かしたのは正解。
Tr9:Train Of Fools
ゲストはなし、こちらも新曲。
重たいビートに重たい演奏、怒りをぐっと抑えたような歌い方が
胸に迫ってくる。
途中で明るくハミングはしてみるけれど、
怒りをそのまま音にしたような響き。
それにしてもこのアルバムはエレクトリックギターの音色がいい。
Tr10:Someday Never Comes (with Dawes)
ゲストはドーズ。
アメリカのロックバンド、僕は名前も知りませんでした。
オリジナルはC.C.R.のラストアルバムMARDI GRAS収録。
この曲のオリジナルは、一聴するとのどかに響いてくるけれど
厭世的しかしその実達観したようなジョン・フォガティの
歌い方が素晴らしい。
ここでのヴォーカルは、間延びしたように響いてはくるけれど、
オリジナルのそこまではとうてい成り得ていない、
そうするしかなかったというところで収めています。
ただ、ジョン・フォガティ本人ももうそれはできないと分かっているのか、
盛り上がるBメロだけを本人は歌っています。
曲についていつか記事で詳しく書きますが、これは僕が初めて買った
C.C.R.のベスト盤の最後に入っているのがとっても胸にしみてきて、
しかも本当に最後のアルバムに入っているのが、泣けてきますね。
このタイトル自体が人生訓ようなもの。
彼の曲にはそれが多い、だから大好き。
05 今朝の大通公園の風景その2、ライラック満開

Tr11:Who'll Stop The Rain (with Bob Seger)
ゲストは、来た来た来ましたよアメリカンロックの大将こと
ボブ・シーガー。
ロック系の大物もいないとね。
オリジナルはC.C.R.のCOSMO'S FACTORY収録。
ボブ、まさにアメリカの演歌といった豪快かつ哀愁を帯びた
歌いっぷり、と書いてみたけど、その両方の要素を同時に
出来る人なんて、この人しかいないんじゃないかな。
ボブの声の響き、肺からお腹にかけての空間が広そう(笑)。
ここで初めてジョン・フォガティの声が子供っぽく聞こえてきた。
これも寂寥感に襲われる曲だけど、テンポを落としてさらにそこを
深めているのは、重ねてきた齢を反映させているように感じます。
Tr12:Hot Rod Heart (with Brad Paisley)
ゲストはブラッド・ペイズリー。
オリジナルはソロのBLUE MOON SWAMP収録。
1997年とこの中では新曲を除いて最も新しい曲。
ブラッド・ペイズリーは名前だけ知っている人で、
カントリーっぽいサザンロック或いはその逆、という人のようで、
この曲もまさにそんな味わい。
そんな音楽の人にこの選曲とはまた絶妙。
多分テレキャスターだと思う、ギターの音色がとってもいい、
やはりスワンプロックにはテレキャスターが似合う。
ブラッド・ペイズリー、聴いてみたい人がまた現れました。
Tr13:Have You Ever Seen The Rain
(with Alan Jackson)
ゲストはカントリー界の(多分)大御所アラン・ジャクソン。
最近よく僕が買ったCDに名前が出てくる人だけど、
やはりまだ聴いたことがない。
彼の声はバリトンでいかにもカントリーといった声の出し方、
オリジナルのジョン・フォガティとは逆で、
テンポは遅くはないけれど全体的に妙に落ち着いている感じ。
これは大好きでよく聴いてきた曲であるだけに、
最初は、な、な、なんだといった感じ。
でも慣れると声自体がいいので、これはこれでいいかと。
ペダルスティールやフィドルが入っているけれど違和感がないのは
やはり、ジョン・フォガティという人の基本がその辺りなのでしょうね。
ところで、C.C.R.といえばアメリカでもやっぱり
この曲がいちばん膾炙しているのかな。
日本では、CMでも使われていたし、曲は有名でも
誰の曲かは知らない、という存在でしょうか・・・
この曲は特に思い入れが深く、話し出すと切りがないので
また別の機会として、この辺で次へ。
Tr14:Proud Mary (with Jennifer Hudson
feat. Allen Toussaint and Rebirth Brass Band)
最後の曲のゲスト、ヴォーカルはジェニファー・ハドソン。
今年のスーパーボウルの試合前のショーでも感動的な歌を
聴かせてくれた彼女、映画『ドリーム・ガールズ』の後に出して
話題になったデビュー作、まだ買ってない、そろそろ聴かなきゃ。
演奏にはなんとあのアラン・トゥーサンの名前が。
リバース・ブラス・バンドは名前をちらと聞いたくらいだけど、
もうこうなるとニューオーリンズ風になるのは定石。
C.C.R.の最後のアルバムもニューオーリンズの謝肉祭である
「マルディ・グラ」からとっているくらいだから、ジョン・フォガティとしても
憧れのようなものがあったのでしょう。
一応書いておくと、"Born on the Bayou"「南部で生まれた」などと
ぬけぬけと歌っていますが、ジョン・フォガティはカリフォルニアの人。
そうそう、この曲のオリジナルはC.C.R.のBAYOU COUNTRY収録。
C.C.R.としても最大のヒット曲でありますが、残念ながら最高2位、
彼らは2位の曲が5曲ありながら1位がないのです。
話は逸れましたが、ここで面白いのは、
ジェニファー・ハドソンを招いていること。
この曲はアイク&ティナ・ターナーの曲としても
よく知られていますよね、どっちがどっちか分からないくらいに。
そのイメージを、パワフルな黒人女性ヴォーカルで継承していることが、
うまい、さすがはポップソングの世界で生きてきた人と感心しきり。
歌の内容も、植木等じゃないけれど「そのうちなんとかなるだろう」
その通り明るく楽しく意味もなく盛り上がってアルバムは終わります。
左が国内盤、右が輸入盤。
国内盤も出るんですね、なんだかうれしい。
やはり、ジョン・フォガティには敬意を表してもらわないと。
まあ、言ってしまえば、最近流行りの
大物によるカヴァーアルバムの流れではあるのですが。
ジョン・フォガティが好きな人なら何も言うことはない。
ゲスト目当てで聴くのも面白いかもしれない。
曲がいいのでかけておくと楽しいし気分がよくなる、間違いない。
真面目に聴き込む、もちろんいい、BGM的にもそれはそれでいい。
ジョン・フォガティの書く曲は、印象に残りやすいけれど、
こちらが聴き込む気にならなければさらりと流れて行く、
かといって軽いわけではない、という絶妙な味わいがまたいい。
これはなかなかできるものではないでしょう、
軽いだけでも、重いだけでもない。
ジャケットのジョン・フォガティの写真がなんともいえない味わい。
これだけの功績を上げた人なのに奢ることなく、なんとなく誇らしい、
くらいの控えめな笑顔、やっぱり人間性を感じますね。
見ようによっては狐のお面みたいだけど(笑)。
やっぱりいいものはいい、ですね。
最後は、ハウのアウトテイク写真にて。
06

Posted by guitarbird at
20:29
│John Fogery-C.C.R.
2009年09月14日
THE BLUE RIDGE RANGERS RIDE AGAIN ジョン・フォガティ
いつものように
写真へのコメントも
大歓迎です!
時にはカントリーもいい。
01

THE BLUE RIDGE RANGERS RIDE AGAIN John Fogerty
ブルー・リッジ・レンジャーズ・ライド・アゲイン ジョン・フォガティ
released in 2009
ジョン・フォガティの新譜が出ました。
昨年も出ていたので、2年連続のリリースは、
ファンとしてはうれしいことですが、今回はカバーアルバム、
しかも、「カントリーとその周辺の曲」ばかり集めています。
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル C.C.R.
時代から一貫してよい曲を作り続けてきたジョンですが、
カバーアルバムであると知った僕は、
正直、最初は少しがっかりしました。
しかし、一度アルバムを聴くと、その素晴らしさに圧倒されて、
そのことは気にならなくなりました。
というよりむしろ、今この時期に、自分が知らない
「カントリーとその周辺の曲」を素晴らしい演奏で再現して
聴かせてくれたことこそがうれしいと思うようになりました。
アルバムタイトルの解題から先にいきましょう。
ブルー・リッジ・レンジャーズとは。
C.C.R.を「打ち切る」かたちで解散させた後のジョン・フォガティ、
1970年代にはレコード会社との契約闘争に明け暮れてしまい、
自分やバンドの名前を使ってレコードが出せなくなりました。
そんな1973年に、ブルー・リッジ・レンジャーズという
「変名バンド」として、カントリー系のカバー曲を録音し
なんとかアルバムをリリースしました。
そこには有名なJambalayaも収録されていますが、
カバー曲を録音したのはおそらく、
著作権の問題が発生しないから、もしくはあてつけでしょう。
しかし、カントリー系の音楽も愛していて、
自らの音楽に反映させていたジョンにとって、
それはちょうどいいタイミングだったのかもしれません。
02

これがそのブルー・リッジ・レンジャーズのCD。
このアルバムのリンクは、後に、新譜と一緒に設けました。
いろいろな楽器を演奏するジョン・フォガティの顔が見えないように、
彼の写真がシルエットになっているところに、苦労の跡が見えます。
また、その姿が、今回のアルバムジャケットにも再登場していて、
なにより今回、36年振りにそれを名乗ったということは、
ジョンもその頃をまともに振り返られるようになったのかな、
と、ファンとしてはひとまずよかったところです。
そして、だから今回はタイトルもRIDE AGAIN。
ちなみに、ジェイムズ・ギャングにも
RIDES AGAINというアルバムがありますが、
この言葉はアメリカの、カウボーイの常套句なのかもしれません。
とここで少しまた話がそれて、いつも言うことですが、
僕は、このジョン・フォガティの契約問題は、
ロック史上の悲劇のひとつだと思っています。
もしこれがなければ、C.C.R.がもっと続いていたかどうかは
バンド内の問題もあるから無理だったとしても、
ジョン・フォガティという稀代の作曲家が、もっとたくさんの曲を、
人生でも油が乗った時期にリリースできたのかもしれない
と思うと残念でなりません。
まあ、歴史のifは語ってもしょうがないのでやめますが。
なお、C.C.R.クリーデンスの記事はこちらへどうぞ。
本題に戻って、今回のアルバムは全曲が、
「カントリーとその周辺の曲」で構成されています。
ただし1曲のみ自作の曲をリメイクしていますが、
よくよく考えると、ジョン・フォガティも(こそ)、その
「カントリーとその周辺の人」であるので、納得、
というより、入っていて当たり前だと思います。
このアルバムの音そして魅力を一言で表すと、
僕が描いている、そしておそらく世の中でイメージされている
カントリー&ウェスタン(以降これを「カントリー」と表する)を
奇を衒わずにまっすぐに表現したアルバム、です。
しかも、演奏もプロ中のプロにして成し得るもので、
そうした点でも中途半端な部分がない音作りが素晴らしい。
ジョン自身こそがとても楽しそうに演奏している様子が、
CDのどの瞬間からも伝わってきて、こちらも楽しくなりますね。
そうですカントリーは楽しいです。
ただ、ジョン・フォガティの声は、結構癖があって、
むしろソウル向きの黒っぽいフィーリングに溢れた人で、
「正調カントリー」という感じとは少し違うかもしれないですが、
しかしここではそれは問題ではありません。
とにかく聴いて楽しんで歌ってみてください。
なお、僕はカントリー系には詳しくないので、
この中では2曲しか知らなかったのですが、今回は、
読まれたかたの参考になるかもしれないという意味も含めて、
全曲、作曲者の名前を()の中に記しておき、
調べて分かったことについてはそれも記してゆきます。
03 このポニーには乗れるのか・・・

Tr1:Paradice
(John Prine)
ワルツでゆったりとアルバムが幕を開けます。
なんだかほっとする。
作曲者のジョン・プラインは、1946年生まれ、
カントリー系のシンガー・ソングライターということです。
Tr2:Never Ending Song Of Love
(Bonnie Bramlett / Delaney Bramlett)
これはデラニー&ボニーの曲だと分かりました。
ということは純然たるカントリーではないのでしょうけど、
「カントリーの周辺の曲」として違和感はないです。
でも、そう聞くと、曲が少しポップに聞こえてくるから
人間の心理というのは不思議なものです(笑)。
イントロなしに歌い始めるジョンの声がよい響き。
4ビートのゆったりとしたよく歌っている曲。
Tr3:Garden Party
featuring Don Henley and Timothy B. Schmit
(Rick Nelson)
これは有名、リック(リッキー)・ネルソンの曲、ネルソンの親父。
ゲストはいきなり超大物が2人、
イーグルスのドン・ヘンリーとティモシー・シュミット。
いかにも田舎の町のパーティという、こじんまりとした雰囲気、
少ししんみりとしたノスタルジーを煽られる曲。
ドンの声が大好き、それはベスト盤の記事でも言いましたが、
今回、ティモシー、いいヴォーカリストになったなぁと感じました。
元々柔らかい口調で繊細な心をうまく表していましたが、
ここでは、言いだしたいけど言えないもどかしさ、
青春の傷痕みたいなものが、ストレートに伝わってきます。
ところで、Merrylouって名前は歌によく出てくるけど、
日本でいうところの「花子さん」みたいなものなのかな(笑)。
Tr4:I Don't Care (Just As Long As You Love Me)
(Buck Owens)
バック・オーウェンスは、
ビートルズがカバーしたAct Naturallyを作曲して歌い、
前北海道日本ハムファイターズ、現カンザス・シティ・ロイヤルズ
の監督であるヒルマン監督が大好きなカントリー歌手、
ということくらいは知っています(笑)。
でも、編集盤以外で彼の歌はまだ聴いたことがありません。
やっぱりCD買って聴こうかな。
エレクトリック・ギターが小躍りする、シャッフルの軽快な曲。
ここでは、as long as you love meの部分の特にmeが、
とにかく耳につくように印象的に歌われています。
エレクトリックギターの間奏、テレキャスターの音かな、
やっぱりこの音とフィドルそしてジョンの掛け声が、いい雰囲気。
Tr5:Back Home Again
(John Denver)
ジョン・デンヴァーはなんとか知っています、
あのCountry Roadを歌っている人・・・
でも残念ながら、CDは持っていません。
少し前に中古でベスト盤を見つけたのですが、
どうせ誰も買わないだろうと思っていたら売れてしまい、
買う機会を逸してしまいました・・・
そのうち必ずCDを買って聴きたい人のひとりです(ずっと前から)。
ブルーグラスの香りが色濃く漂う大人しい曲。
Tr6:I'll Be There
(Ray Price / Rusty Gabbard)
レイ・プライスは1926年生まれ、カントリーのシンガー、
ソングライター、ギタリスト。
ラスティ・ガバードは、検索しても最初のほうに当たるのが、
このアルバムのこの曲で、調べがつきませんでした。
この曲の歌詞にはriverが出てきますが、やっぱり、
アメリカ人はriverが好きなんだなぁ、と。
これもブルーグラスっぽい感じ。
04 アオサギがいる風景・・・

Tr7:Change In The Weather
(John Fogerty)
これはジョン・フォガティ名義のソロ3作目、1986年の
EYE OF THE ZOMBIE収録の曲のリメイク。
ただし僕は、そのアルバムはあまり聴いていなかったので、
曲を覚えていなくて、ブックレットを見てから調べて分かりました。
だからか、この中ではいちばんロックっぽい重たさがある曲。
曲自体はオリジナルとあまり変わっていないのですが、
よりカントリー色が濃い味付けになっていて、これを聴くと、
曲以外で、演奏や使われている楽器も
カントリーらしさを醸し出す重要な要素であると感じます。
Tr8:Moody River
(Gary Bruce)
ゲイリー・ブルースなる人も調べがつきませんでしたが、
このタイトルの曲は、パット・ブーンやジョニー・リヴァースが
歌っていることがHMVの曲目検索で分かり、この曲は、
1960年代に活躍した人には耳になじんだ曲なのでしょうか。
マンドリンが奏でる、イントロからずっと流れる旋律が印象的で、
曲のイメージをうまくまとめて進めています。
そしてやっぱりアメリカ人はriverが好きなんだな。
moody river, muddy waterの部分の語呂がいい響き。
ちょっと切ない感じが胸に押し寄せる曲。
カントリー・ブルーズのちょっと手前という感じで、
曲だけとるとむしろブルーズっぽい感じもします。
このアルバムの僕が選ぶベスト曲は、これか、次の曲です。
Tr9:Heaven's Just A Sin Away
(Jerry Gillespie)
これは、ケンドールズ Kendallsという
カントリーの男女デュオの代表作であることが分かりましたが、
ジェリー・ギレスピーという人はプロデューサーのようです。
このアルバムは全体を通して、ジョディ・ケネディという女性が
コーラスをとっているのですが、この曲はデュオということで、
ジョンとジョディのツインヴォーカルがとっても魅力的。
ビートルズで育った僕はやっぱり、このように2人で歌ったり、
コーラスが楽しい曲は無条件で大好きですね。
2人で、「ほぉおぅほぅ」と掛声をハモるところも息ぴったりで、
そこもまた印象に残ります。
Tr10:Fallin' Fallin' Fallin'
(D.Deckleman / J. Guillot / J. D. Miller)
曲目検索をかけたところ、前述のレイ・プライスが当たりましたが、
しかしHMVの検索は、「'」が入った省略形を受け付けないので、
それ以上調べるのは断念しました。
ホップした歌い方が楽しく、さびがとにかく印象的な曲。
曲の展開もいかにもカントリーっぽいし、
間奏は、フィドルやギターが技を競うような楽しさがあって、
ああ、カントリーもいいなぁと思い直す曲。
Tr11:Haunted House
(Robert L. Geddins)
ロバート・L・ゲディンズは1913年生まれのブルーズマン。
曲目検索をかけたところ、ロイ・ブキャナンも演奏していて、
それは僕が持っているアルバムに入っていました・・・
余談ですがロイ・ブキャナンのそれは雰囲気が好きなので、
これを機にまた聴き直そうかな。
これは最初に聴いた時から、曲自体はブルーズっぽい雰囲気だと
思いましたが、まだブルーズとカントリーが近かった、
そんな時代の名残りの曲なのかもしれません。
間奏のせり上がるようなフィドルと、ロイ・ブキャナンつながりか、
テレキャスターの音が華やかに踊りまくっています。
なんだか楽しい曲。
僕は、ラストの前に軽やかに盛り上げる曲を置くという
アルバムの流れが実は大好きだったりします。
Tr12:When Will I Be Loved
featuring Bruce Springsteen
(Phil Everly)
最後の最後によく知っている曲が出てきました(笑)。
これは「Phil & Don」のエヴァリー・ブラザーズの曲で、
リンダ・ロンシュタットのカバーも有名。
僕はリンダのを先に聴きましたが、エヴァリーも大好きです。
そして聴き応えたっぷりのアルバムの最後の曲のゲストは、
な、な、なんと、ブルース・スプリングスティーン。
アメリカを代表するシンガーソングライターの共演!
もうそれだけで鳥肌もの、僕は満足(笑)。
それまでコーラスだけで「この人誰だろう」と思わせたところに、
間奏でいきなりジョンが喋り出し、それに応えたのが、
誰がどう聴いてもボスの声、ちょっと漫談のような雰囲気。
そしてボスの独唱が始まる。
この登場の仕方、もうカッコよくて背筋がぞくぞくします!
喋りで出てくるのがカッコいいし、ボスの声の質というか存在感、
もうそれだけでもすごい。
そしてボスの独唱を聴いて勝手に想像したのですが、
ボスという人は、「ここをこうして歌ってください」と指示しても
絶対にその通りにしなそうな人、そんな感じもしました(笑)。
エヴァリー・ブラザーズの曲ということで、
ヴォーカルが2人必要だったのでしょうけど、
その相手としてボスを選んでくれたのは、
ファンとして、音楽好きとして、もうこれ以上ない贈り物ですね。
最後まで楽しいままアルバムが終わります。
左が今年の新譜AGAIN、右が1973年の「1st」。
曲がシンプルなだけに、歌メロの素晴らしさが
ストレートに伝わってきて、ついつい歌ってしまいます。
世の中にはまだまだ「鼻歌によい曲」がたくさんあるんだな、
と、歌メロには人百倍こだわる僕としては(笑)、
うれしい発見があったアルバムですね。
歌っていいなぁ。
そして、そんな音楽を見せて聴かせてくれた、
ジョン・フォガティ。
僕の敬意はますます大きくなりました。
秋の陽気がいい日のドライブにはいいですよ。
特に、北海道にはぴったりのアルバムです。
写真へのコメントも
大歓迎です!
時にはカントリーもいい。
01

THE BLUE RIDGE RANGERS RIDE AGAIN John Fogerty
ブルー・リッジ・レンジャーズ・ライド・アゲイン ジョン・フォガティ
released in 2009
ジョン・フォガティの新譜が出ました。
昨年も出ていたので、2年連続のリリースは、
ファンとしてはうれしいことですが、今回はカバーアルバム、
しかも、「カントリーとその周辺の曲」ばかり集めています。
クリーデンス・クリアウォーター・リヴァイヴァル C.C.R.
時代から一貫してよい曲を作り続けてきたジョンですが、
カバーアルバムであると知った僕は、
正直、最初は少しがっかりしました。
しかし、一度アルバムを聴くと、その素晴らしさに圧倒されて、
そのことは気にならなくなりました。
というよりむしろ、今この時期に、自分が知らない
「カントリーとその周辺の曲」を素晴らしい演奏で再現して
聴かせてくれたことこそがうれしいと思うようになりました。
アルバムタイトルの解題から先にいきましょう。
ブルー・リッジ・レンジャーズとは。
C.C.R.を「打ち切る」かたちで解散させた後のジョン・フォガティ、
1970年代にはレコード会社との契約闘争に明け暮れてしまい、
自分やバンドの名前を使ってレコードが出せなくなりました。
そんな1973年に、ブルー・リッジ・レンジャーズという
「変名バンド」として、カントリー系のカバー曲を録音し
なんとかアルバムをリリースしました。
そこには有名なJambalayaも収録されていますが、
カバー曲を録音したのはおそらく、
著作権の問題が発生しないから、もしくはあてつけでしょう。
しかし、カントリー系の音楽も愛していて、
自らの音楽に反映させていたジョンにとって、
それはちょうどいいタイミングだったのかもしれません。
02

これがそのブルー・リッジ・レンジャーズのCD。
このアルバムのリンクは、後に、新譜と一緒に設けました。
いろいろな楽器を演奏するジョン・フォガティの顔が見えないように、
彼の写真がシルエットになっているところに、苦労の跡が見えます。
また、その姿が、今回のアルバムジャケットにも再登場していて、
なにより今回、36年振りにそれを名乗ったということは、
ジョンもその頃をまともに振り返られるようになったのかな、
と、ファンとしてはひとまずよかったところです。
そして、だから今回はタイトルもRIDE AGAIN。
ちなみに、ジェイムズ・ギャングにも
RIDES AGAINというアルバムがありますが、
この言葉はアメリカの、カウボーイの常套句なのかもしれません。
とここで少しまた話がそれて、いつも言うことですが、
僕は、このジョン・フォガティの契約問題は、
ロック史上の悲劇のひとつだと思っています。
もしこれがなければ、C.C.R.がもっと続いていたかどうかは
バンド内の問題もあるから無理だったとしても、
ジョン・フォガティという稀代の作曲家が、もっとたくさんの曲を、
人生でも油が乗った時期にリリースできたのかもしれない
と思うと残念でなりません。
まあ、歴史のifは語ってもしょうがないのでやめますが。
なお、C.C.R.クリーデンスの記事はこちらへどうぞ。
本題に戻って、今回のアルバムは全曲が、
「カントリーとその周辺の曲」で構成されています。
ただし1曲のみ自作の曲をリメイクしていますが、
よくよく考えると、ジョン・フォガティも(こそ)、その
「カントリーとその周辺の人」であるので、納得、
というより、入っていて当たり前だと思います。
このアルバムの音そして魅力を一言で表すと、
僕が描いている、そしておそらく世の中でイメージされている
カントリー&ウェスタン(以降これを「カントリー」と表する)を
奇を衒わずにまっすぐに表現したアルバム、です。
しかも、演奏もプロ中のプロにして成し得るもので、
そうした点でも中途半端な部分がない音作りが素晴らしい。
ジョン自身こそがとても楽しそうに演奏している様子が、
CDのどの瞬間からも伝わってきて、こちらも楽しくなりますね。
そうですカントリーは楽しいです。
ただ、ジョン・フォガティの声は、結構癖があって、
むしろソウル向きの黒っぽいフィーリングに溢れた人で、
「正調カントリー」という感じとは少し違うかもしれないですが、
しかしここではそれは問題ではありません。
とにかく聴いて楽しんで歌ってみてください。
なお、僕はカントリー系には詳しくないので、
この中では2曲しか知らなかったのですが、今回は、
読まれたかたの参考になるかもしれないという意味も含めて、
全曲、作曲者の名前を()の中に記しておき、
調べて分かったことについてはそれも記してゆきます。
03 このポニーには乗れるのか・・・

Tr1:Paradice
(John Prine)
ワルツでゆったりとアルバムが幕を開けます。
なんだかほっとする。
作曲者のジョン・プラインは、1946年生まれ、
カントリー系のシンガー・ソングライターということです。
Tr2:Never Ending Song Of Love
(Bonnie Bramlett / Delaney Bramlett)
これはデラニー&ボニーの曲だと分かりました。
ということは純然たるカントリーではないのでしょうけど、
「カントリーの周辺の曲」として違和感はないです。
でも、そう聞くと、曲が少しポップに聞こえてくるから
人間の心理というのは不思議なものです(笑)。
イントロなしに歌い始めるジョンの声がよい響き。
4ビートのゆったりとしたよく歌っている曲。
Tr3:Garden Party
featuring Don Henley and Timothy B. Schmit
(Rick Nelson)
これは有名、リック(リッキー)・ネルソンの曲、ネルソンの親父。
ゲストはいきなり超大物が2人、
イーグルスのドン・ヘンリーとティモシー・シュミット。
いかにも田舎の町のパーティという、こじんまりとした雰囲気、
少ししんみりとしたノスタルジーを煽られる曲。
ドンの声が大好き、それはベスト盤の記事でも言いましたが、
今回、ティモシー、いいヴォーカリストになったなぁと感じました。
元々柔らかい口調で繊細な心をうまく表していましたが、
ここでは、言いだしたいけど言えないもどかしさ、
青春の傷痕みたいなものが、ストレートに伝わってきます。
ところで、Merrylouって名前は歌によく出てくるけど、
日本でいうところの「花子さん」みたいなものなのかな(笑)。
Tr4:I Don't Care (Just As Long As You Love Me)
(Buck Owens)
バック・オーウェンスは、
ビートルズがカバーしたAct Naturallyを作曲して歌い、
前北海道日本ハムファイターズ、現カンザス・シティ・ロイヤルズ
の監督であるヒルマン監督が大好きなカントリー歌手、
ということくらいは知っています(笑)。
でも、編集盤以外で彼の歌はまだ聴いたことがありません。
やっぱりCD買って聴こうかな。
エレクトリック・ギターが小躍りする、シャッフルの軽快な曲。
ここでは、as long as you love meの部分の特にmeが、
とにかく耳につくように印象的に歌われています。
エレクトリックギターの間奏、テレキャスターの音かな、
やっぱりこの音とフィドルそしてジョンの掛け声が、いい雰囲気。
Tr5:Back Home Again
(John Denver)
ジョン・デンヴァーはなんとか知っています、
あのCountry Roadを歌っている人・・・
でも残念ながら、CDは持っていません。
少し前に中古でベスト盤を見つけたのですが、
どうせ誰も買わないだろうと思っていたら売れてしまい、
買う機会を逸してしまいました・・・
そのうち必ずCDを買って聴きたい人のひとりです(ずっと前から)。
ブルーグラスの香りが色濃く漂う大人しい曲。
Tr6:I'll Be There
(Ray Price / Rusty Gabbard)
レイ・プライスは1926年生まれ、カントリーのシンガー、
ソングライター、ギタリスト。
ラスティ・ガバードは、検索しても最初のほうに当たるのが、
このアルバムのこの曲で、調べがつきませんでした。
この曲の歌詞にはriverが出てきますが、やっぱり、
アメリカ人はriverが好きなんだなぁ、と。
これもブルーグラスっぽい感じ。
04 アオサギがいる風景・・・

Tr7:Change In The Weather
(John Fogerty)
これはジョン・フォガティ名義のソロ3作目、1986年の
EYE OF THE ZOMBIE収録の曲のリメイク。
ただし僕は、そのアルバムはあまり聴いていなかったので、
曲を覚えていなくて、ブックレットを見てから調べて分かりました。
だからか、この中ではいちばんロックっぽい重たさがある曲。
曲自体はオリジナルとあまり変わっていないのですが、
よりカントリー色が濃い味付けになっていて、これを聴くと、
曲以外で、演奏や使われている楽器も
カントリーらしさを醸し出す重要な要素であると感じます。
Tr8:Moody River
(Gary Bruce)
ゲイリー・ブルースなる人も調べがつきませんでしたが、
このタイトルの曲は、パット・ブーンやジョニー・リヴァースが
歌っていることがHMVの曲目検索で分かり、この曲は、
1960年代に活躍した人には耳になじんだ曲なのでしょうか。
マンドリンが奏でる、イントロからずっと流れる旋律が印象的で、
曲のイメージをうまくまとめて進めています。
そしてやっぱりアメリカ人はriverが好きなんだな。
moody river, muddy waterの部分の語呂がいい響き。
ちょっと切ない感じが胸に押し寄せる曲。
カントリー・ブルーズのちょっと手前という感じで、
曲だけとるとむしろブルーズっぽい感じもします。
このアルバムの僕が選ぶベスト曲は、これか、次の曲です。
Tr9:Heaven's Just A Sin Away
(Jerry Gillespie)
これは、ケンドールズ Kendallsという
カントリーの男女デュオの代表作であることが分かりましたが、
ジェリー・ギレスピーという人はプロデューサーのようです。
このアルバムは全体を通して、ジョディ・ケネディという女性が
コーラスをとっているのですが、この曲はデュオということで、
ジョンとジョディのツインヴォーカルがとっても魅力的。
ビートルズで育った僕はやっぱり、このように2人で歌ったり、
コーラスが楽しい曲は無条件で大好きですね。
2人で、「ほぉおぅほぅ」と掛声をハモるところも息ぴったりで、
そこもまた印象に残ります。
Tr10:Fallin' Fallin' Fallin'
(D.Deckleman / J. Guillot / J. D. Miller)
曲目検索をかけたところ、前述のレイ・プライスが当たりましたが、
しかしHMVの検索は、「'」が入った省略形を受け付けないので、
それ以上調べるのは断念しました。
ホップした歌い方が楽しく、さびがとにかく印象的な曲。
曲の展開もいかにもカントリーっぽいし、
間奏は、フィドルやギターが技を競うような楽しさがあって、
ああ、カントリーもいいなぁと思い直す曲。
Tr11:Haunted House
(Robert L. Geddins)
ロバート・L・ゲディンズは1913年生まれのブルーズマン。
曲目検索をかけたところ、ロイ・ブキャナンも演奏していて、
それは僕が持っているアルバムに入っていました・・・
余談ですがロイ・ブキャナンのそれは雰囲気が好きなので、
これを機にまた聴き直そうかな。
これは最初に聴いた時から、曲自体はブルーズっぽい雰囲気だと
思いましたが、まだブルーズとカントリーが近かった、
そんな時代の名残りの曲なのかもしれません。
間奏のせり上がるようなフィドルと、ロイ・ブキャナンつながりか、
テレキャスターの音が華やかに踊りまくっています。
なんだか楽しい曲。
僕は、ラストの前に軽やかに盛り上げる曲を置くという
アルバムの流れが実は大好きだったりします。
Tr12:When Will I Be Loved
featuring Bruce Springsteen
(Phil Everly)
最後の最後によく知っている曲が出てきました(笑)。
これは「Phil & Don」のエヴァリー・ブラザーズの曲で、
リンダ・ロンシュタットのカバーも有名。
僕はリンダのを先に聴きましたが、エヴァリーも大好きです。
そして聴き応えたっぷりのアルバムの最後の曲のゲストは、
な、な、なんと、ブルース・スプリングスティーン。
アメリカを代表するシンガーソングライターの共演!
もうそれだけで鳥肌もの、僕は満足(笑)。
それまでコーラスだけで「この人誰だろう」と思わせたところに、
間奏でいきなりジョンが喋り出し、それに応えたのが、
誰がどう聴いてもボスの声、ちょっと漫談のような雰囲気。
そしてボスの独唱が始まる。
この登場の仕方、もうカッコよくて背筋がぞくぞくします!
喋りで出てくるのがカッコいいし、ボスの声の質というか存在感、
もうそれだけでもすごい。
そしてボスの独唱を聴いて勝手に想像したのですが、
ボスという人は、「ここをこうして歌ってください」と指示しても
絶対にその通りにしなそうな人、そんな感じもしました(笑)。
エヴァリー・ブラザーズの曲ということで、
ヴォーカルが2人必要だったのでしょうけど、
その相手としてボスを選んでくれたのは、
ファンとして、音楽好きとして、もうこれ以上ない贈り物ですね。
最後まで楽しいままアルバムが終わります。
左が今年の新譜AGAIN、右が1973年の「1st」。
曲がシンプルなだけに、歌メロの素晴らしさが
ストレートに伝わってきて、ついつい歌ってしまいます。
世の中にはまだまだ「鼻歌によい曲」がたくさんあるんだな、
と、歌メロには人百倍こだわる僕としては(笑)、
うれしい発見があったアルバムですね。
歌っていいなぁ。
そして、そんな音楽を見せて聴かせてくれた、
ジョン・フォガティ。
僕の敬意はますます大きくなりました。
秋の陽気がいい日のドライブにはいいですよ。
特に、北海道にはぴったりのアルバムです。
Posted by guitarbird at
22:45
│John Fogery-C.C.R.