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Posted by naturum at

2017年04月05日

OUT OF TIME R.E.M.

01


OUT OF TIME
R.E.M.
アウト・オヴ・タイム
R.E.M.
(1991)

R.E.M.のロック史に残る名盤にして大傑作アルバム
OUT OF TIMEの25周年記念盤が昨秋(ひっそりと)出ました。

買って一度聴き、すぐにクリスマスソングの流れがきて暫く聴かず、
それからクラシックに入り込みとなんだかんだで3月下旬。
これが目に留まり、そういえばと聴くと、これがはまりました。
もちろんこのアルバムはリリース当時聴き込んでいて、
全曲のすべての流れがそらで思い出せるほどなのですが、
今回また新たな魅力を発見し、当時気づかなかったことに
気づいてこれは記事にしなければと思いました。

結論からいうと、出来という点でR.E.M.の最高傑作は
このアルバムOUT OF TIMEである、と。

音楽的には88年の前作GREENで初期のビートルズのような
音楽的情熱をエレクトリックギターにぶつけたのとは対照的に、
生ギターやマンドリンそれにストリングスなどを用い、
アコースティックな音の響きを活かしている。

でも、かといって完全なアコースティックサウンドではない。
核はしっかりとした少しハード目のロック。
そこがいい、ロックバンドとしての面目躍如。

時代はこの少し前にMTV Unpluggedが始まり、
アコースティックサウンドが音楽ファンやミュージシャンの間で
少しずつ盛り上がって来た頃。
実際R.E.M.もこのアルバムの後にUnpluggedに出演。
流れはさらに大きくなり、翌年あのエリック・クラプトンが出演、
アルバムも大いにに売れ、Unpluggedは時代の音になっていった。
Unpluggedについて細かくは話しませんが、R.E.M.はその流れを
感じていて、僕らが元々やっていたことと似ているけど少し違う、
と気づかされたのがこのアルバムの原動力ではないだろうか。
そう、完全なアコースティックサウンドではなく、
アコースティックなロック。
時代がこの後完全なアコースティックサウンドになりましたが、
このアルバムのサウンドは古くなるどころかより新しく感じられ、
時代がアコースティックに「戻る」ことでR.E.M.の先進性が
あらためて浮き彫りになったといえるでしょう。
R.E.M.は次作AUTOMATIC FOR THE PEOPLEでさらに
アコースティックな響きを極めたアルバムを作りましたが、
そこで時代の音に「戻って」人々に歓迎された、というくらい。

先進性と書きましたが、違う。
「時代を超越してしまった音」
まさにアルバムタイトルの如し。
前でも後でもない、この世の他にはどこにもない音。
R.E.M.の中でもこの音は他にはない、浮いています。

このアルバムが出た頃僕はまだ「ロッキング・オン」誌を
読んでいました、もう毎号ではなかったと思うけれど。
このアルバムの評が載った号はこれとは別の目的で
買いましたが、それを書いた人、名前を忘れてしまいました、が、
「この音はあの世に行ってしまっている」と書いていたのが
印象的でした。
爾来そのことが僕の頭に固着されてしまって離れない。
今回このリイシュー盤を聴き直して、やっぱり。
が、それは他の人が言い始めたこと。
これがもし音楽や文芸なら「盗作」と捉えられかねない。
一方でジョン・レノンもよくAという曲は誰それの何々をヒントに
作ったと発言しているので、大元のアイディアでは
許される部分もあるのかもしれない。
などとひとり葛藤しつつ、でも、確かにそう聴こえるのだから、
R.E.M.も意図して作っているに違いないと開き直り、
僕も今回その考えに従って記事を書き進めることにしました。

しかし、そこに僕はオリジナルの言葉をつけることにしました。
「あの世感」

このアルバムにある「あの世感」、具体的に曲のどこの
どの音に表現されているかを考えながら書いてゆきます。


01


1曲目:Radio Song feat. KRS-One
世界が僕らの耳の周りから壊れてゆく
ラジオをつけたけれどそれが何かは聞こえてこない
正しく合わせると正しいとみなされる情報を得られるラジオも、
チューニングがずれると雑音だったり「他の世界」の音だったり。
ラジオの終わりは社会問題。
ラジオが終わった。
重たいメッセージを軽やかな音にのせて発信する。
もちろん、例えばクイーンのRadio Ga-Gaのように、ラジオで
音楽を聴いていた時代を懐かしむという意味もあるけれど、
ビデオクリップによる映像表現に積極的だったR.E.M.だから、
懐古趣味よりも皮肉の方がより大きく感じられます。
ラップを取り入れて時代の先を行っているのが余計、皮肉に。
皮肉というより、ラジオを見放したことへの謝罪かもしれない。
もちろん根底でラジオが好きなのは変わらないのだけど、彼らは
売れて、もはやそうは見なしてくれなくなっていたのかもしれない。
この曲の「あの世感」は、ラジオが現実世界ではなく
どこか別の世界とつながってしまう窓口であるという認識。
イントロの優しいギターのアルペジオと、歌のバックに入る
「カラカラカラッ」という強いエレクトリックギターの音がいい。
ピーター・バックはやはり曲に表情をつけるのが上手いギタリスト。
そしてギターに絡んでホップするようなベースラインの動きが、
もはや1曲目にして「あの世感」を作り上げている。

この曲でもうひとつ、ゲスト参加のKRS-Oneのラップが
なんというか「芋っぽい」のが妙に引っかかる。
都会的スマートさがないという意味ですが、彼の出自を見ると
ニューヨーク出身だから都会人中の都会人ということになる。
でも、発音の仕方、リズムの載せ方がやっぱいスマートじゃない。
社会的メッセージを荒々しく強く発する人ということでそうなるの
でしょうけれど、実はその「芋っぽい」ところが南部ジョージア州
出身のR.E.M.には合っているのでしょうね。
昔から引っかかりながらも聴き惚れてしまうのはそんなところから。




 Radio Song
 R.E.M.
 (1991)


2曲目:Losing My Religion
このアルバムからのファーストシングルとして大ヒット。
結果としてR.E.M.最高のビルボード誌チャート4位を記録。
前々作DOCUMENTからのThe One I Loveから
ヒット曲も出るようになった彼らもついにここまで来たか、
と当時の僕は思ったものでしたが、シングルヒットについていえば
R.E.M.は時代が悪かった。
1980年代末からだんだんとラップ・ヒップホップ系やR&B系が
ヒットチャートを席巻するようになり、ロック系の特にベテランの
ヒット曲が出にくくなっていった、と僕は感じていました。
R.E.M.はこの頃既に若手ではなく、悪いタイミングで
その2つの条件に引っかかってしまったのでした。
まあそれでもこの曲はチャートとは別にもてはやされました。
ビデオクリップは当時宗教的側面から問題になったそうですが、
見事1991年度MTVビデオ大賞に輝きました。
曲の歌詞をただなぞるのではなく視覚から曲のイメージを
訴える彼らのビデオクリップは評価されるべきものでしょう。
この曲の「あの世感」は曲以上にビデオクリップからの
イメージ派生が大きいように思います。

曲について歌詞を具に追っていくと記事ひとつ分でも
足りないくらいになるのでまた別の機会に取り上げるとして、
ものすごく簡単にいえば失恋の歌。
それをまるでこの世の終わりのように大袈裟に表現して、
きれいさっぱり忘れたい、でも尾を引いている、といったところ。
尾を引くんです、R.E.M.は、決して爽やかじゃないし。

音楽面ではマンドリンを使用していることが新鮮ですが、
マイク・ミルズのベースの動きが最初から好きで、このアルバムから
僕はマイクをベーシストとして注目するようになりました。





 Losing My Religion
 R.E.M.
 (1991)


3曲目:Low
このアルバムのもうひとつの特徴は、売れ線ロックという
範疇にあってインストゥルメンタル部分のイメージを
強化したことにあるでしょう。
当時の僕はそこも変った響きだと感じながら聴いていました。
ハミングや台詞があるので完全なインストゥルメンタル曲では
ないし、この曲は普通に歌が入っていますが、でも
前2曲のように歌らしい歌ではない、演奏が強く耳に残る。
この曲はオルガンとストリングス「あの世感」を演出。
そしてやっぱりベースラインの動き、口ずさめるほどにいい。
上がろうかこのままとどまろうか迷っている、そんな歌。


4曲目:Near Wild Heaven
そしてついにあの世へ、タイトルも「近くて野性的な天国」
「あの世感」を醸し出す新たな装置として、
マイク・ミルズの歌が駆り出されてきました。
元々マイクは何曲か歌ってきていたし、このアルバム1曲目でも
ふわふわとした響きのコーラスが目立っていましたが、この前作まで
暫く封印していた彼のヴォーカルをここで出してきたのは芸が細かい。
彼の声は、天国ではみんなのんびりしていることを想像させる。
きらびやかで広がりのあるギターサウンドも「あの世感」。
そういえば今作はアルペジオが印象的な曲が多いですね。
裏声を駆使したコーラス、特に「パパパパーパーパー」という声も、
もうどっかに行っちゃってる。
曲としては普通なんだけど、そんなわけでの「あの世感」満載。


5曲目:Endgame
"heaven"感覚の曲が続く。
ハミングというか掛け声が入っているのでこれも
厳密にはインストゥルメンタル曲ではないけれど、
ハミングだけだから声も楽器の一部と認識されて
結局はインストゥルメンタル曲という解釈になってしまう。
そのハミング、低音から高音に上がる生ギターのアルペジオ、
Bメロの大仰なストリングス、管楽器、その部分のコード進行。
これがどうして「あの世感」以外であろうか。
多くの人が、天国を題にとった短編映画を作るとなると、
この曲を選びたがるのではないかというくらいに。

この曲はUnpluggedのエンディングで効果的に使われていて
僕も当時番組を観てはっとさせられた覚えがあります。



6曲目:Shiny Happy People
そしてついに「あの世感」を演出する奥の手を繰り出す。
B-52'sのケイト・ピアソンのヴォーカル。
彼女の声は「あの世感」にこれ以上ないほどにぴったり。

ストリングスに彩られたイントロからしてもう「あの世感」。
サビでマイクとケイトがひとりで歌う部分も効果的。
Aメロがマイナー調でBメロ=サビがメジャー調と、
曲の中でイメージを変えていますが、その間に4小節ほど
開放感あるパッセージを入れているのがさらに効果的。
イントロのテンポが遅い部分が中間にも挿入される、
このテンポチェンジも効いている。
ギター弾きとしてはイントロのギターフレーズが最高に好きだし、
Aメロの部分のコード進行も弾いていて気持ちがいい。
そして今回聴いて、マイク・ミルズのベースのグルーヴ感が
この優しくて楽し気な曲を包み込んでいることに
いまさらながら気づかされましたが、この話の続きは11曲目にて。

この曲は当時、R.E.M.もハッピーなんて陳腐な言葉を
口にするようになったか(それだけ売れたのか)といった
声があったことをかすかに覚えていますが、出自や媒体が
分からないので、そんなこともあったとしておきます。

PVの話をすればマイケル・スタイプのガキのような恰好なのは、
天国を前に子供帰りしたのかな。
PVでは妖艶な姿で踊りも披露していますが、そのなまめかしさが
なぜか現実的というよりは現実離れしたものに見える。
ビデオクリップではドラムスのビル・ベリーが妙に陽気なのが
いろんな意味で面白くて怖い、まさに「あの世感」。




 Shiny Happy People
 R.E.M.
 (1991)



7曲目:Belong
やっぱりね、ギターのアルペジオが「あの世感」を醸し出している。
マイケルのくぐもった声はどこかの小さな世界に閉じこもったように
響いてくる。
ここもマイクの抜けたようなコーラスの上に
ケイト・ピアソンの裏声のコーラスが重なってまさに天国。
しかし軽く弾むドラムスのリズム感が妙にクールで、
これは「あの世」と「この世」のどちらに属しているのか、
まだ分からないといった雰囲気。


8曲目:Half The World Away
ここまで来てこの曲名を見ると、彼ら自身が明確に
「あの世感」をテーマにしてアルバムを作っていたことが
確信されますね。
「半分だけ世界がどっか行っている」
この中では最も爽やかで心地が良い響きだけど、
その心地よさは、こっちの世界なのか、向うなのか。
そう考えるとイメージが膨らみますね。
そして今回気づいた、リズムがボレロだ。
正確にはボレロは3/4拍子だから、4/4にしたボレロ風リズム。
打楽器がないのでそこが強調されなくて、
今まで僕は意識しなかったのかもしれない。
そういうところもまた「あの世感」の演出につながる。

曲の終わり方がいいですね。
感激したかのように歌い終えるマイク、切れのいい演奏に
オルガンの音が静かに残る。


9曲目:Texarkana
もういちどマイクが頑張っている子どもみたいに歌う。
この曲は最初に聴いた時から妙に印象的でした。
マイクが歌っているからというのもあるんだけど、なんだろう、
自分の中の大切なツボに入った感じが当時からありました。
ベースが低く高く動き回るのがまたいい。
歌が終わったところのストリングス、曲の中で一度しか出てこない
中間部=ブリッジへの入り方(特にギターのアルペジオ)、
そこのマイケルのヴォーカルそしてストリングス、と。


10曲目:Country Feedback
この曲は最初にタイトルがとっても印象に残りました。
「カントリーのフィードバック」
確かにブルーグラスっぽい雰囲気の音にフィードバックを
かけたような不思議な音を出している。
もうこの音だけで「あの世感」。
あまりにも狂おしいこの曲は、このアルバムの「裏の主役」。
まだこの世に未練を残しているのでしょうね。
マイケルの歌い方も、実はこれだけ熱くなれる人なんだって。

1995年の武道館公演でこの曲が演奏され、ステージの
スクリーンにイメージ映像が流れていましたが、
女性の胸や局部がはっきりと写ったシーンがあって少々驚いた。
よく日本に持ち込めたなあ、もしかしてノーマークだった?
そんなことはないだろうけど、確認=検閲は
されていなかったのかもしれないといまだに思っています。




 Country Feedback
 R.E.M.
 (1991)


11曲目:Me In Honey
今回この曲を聴いて僕はこう呟いてしまいした。
「すごい、なんて曲なんだ!」
"Woman"がいる時に聴いていたので、実際に
言葉として口をついて出てきました。

なんだろう、このグルーヴ感。

同時に、R.E.M.が解散してしまった理由が分かった。
そしてこのアルバムが彼らの最高傑作であるということも。

彼らは売れてビッグになると共に凝った曲を多く作るようになる。
最後の前のACCELERATEでは実際に初期のパッションを
取り戻そうと明言し速くてシンプルな曲に取り組んでいた。
でも悲しいかな戻らなかった。
このバンドを支えていたのはマイク・ミルズのグルーヴ感だった。
それはビル・ベリーが相手だから成り立っていた。
ベースとドラムスはバンドの核であるのは
バンドをやったことがない僕でも聴いていて理解できる。
ビルが戻らない以上はあのグルーヴ感は戻らない。
マイクも気の合うミュージシャンとやってみたが、
あの時のグルーヴ感に達することはもうなかった。
ビルがいなくなってからは凝った曲をやらざるを得なかった、
ということが今になって見えてきた。
ビルのためにも続けたかったけれど、ビルがいないことの限界を
いちばん感じたのはマイク・ミルズだった。
R.E.M.は壁を破れなかった。
そういうことなのだと。

そういう意味でこのアルバムが最高傑作でもある、と。
「傑作」という意味でいえばこの曲がLosing My Religionと並んで
R.E.M.の最高傑作ではないかとすら今は思う。
Losing...よりポップさがない、実際にシングルヒットしていない、
だから「名曲度」といわれればLosing...だけど、
R.E.M.に限らずロックミュージックの中でも傑作だと、
一応それなりにロックを聴き続けてきた人間として思います。
「グルーヴ感とアート性の両立」。
ロックという音楽がついにここまで到達できたか。
ノリがいいだけではなく、鑑賞に値する芸術性も備わった音楽。

この曲は舞踊曲的でもありますね。
ブラームスが「ハンガリー舞曲集」を拾い集めて作った。
そこまで大がかりではないけれど、人間の感情の
奥底にある舞踏への憧れも表している。
「あの世感」とくどいほど書いてきましたが、
ここで到達したのはまさにこの世でもあの世でもない世界。
舞踏はその二つをつなぐもの。

何より歌メロがいいし、それを歌うマイケルのヴォーカルも
キャリアの中でこれとその次がベストの状態でしょう。
まあ、彼の場合は上手い下手が分かりにくい声では
ありますが・・・
ケイト・ピアソンの声が「あの世感」マックス。

こんなにまでもすごい曲を作った、それがR.E.M.なのです。

ビデオクリップがないので静止画ですが、最後にお聴きください。




 Me In Honey
 R.E.M.
 (1991)


 

今はもう1日1回聴かないと落ち着かなくなっています。
もちろん口ずさむ歌の半分以上はこのアルバムから。
昔あれだけ聴いたのに、やっぱり今でも新鮮に響いてくる。

このアルバムが時間の外なんてことにならないよう
R.E.M.ファンとして発信しなければならない。
というまあ妙な使命感を抱きながら記事を書きました。

実はまだR.E.M.の解散ショックから抜け出せていない
僕なのでした。


03


  


Posted by guitarbird at 22:29R.E.M.

2014年11月15日

R.E.M.の新しいベスト盤が本日発売!

01


PART LIES
PART HEART
PART TRUTH
PART GARBAGE
1982-2011

R.E.M.


2011年9月21日に解散を発表した
R.E.M.新しいベスト盤が本日発売となりました。


「一部は嘘、一部は心、一部は真実、一部は屑 1982-2011」
という長いタイトル、ここでは単に「新しいベスト盤」としました。

R.E.M.のオリジナルメンバーは
マイケル・スタイプ Michael Stipe (Vo)
ピーター・バック Peter Buck (Gt)
マイク・ミルズ Mike Mills (Bs、Key)
ビル・ベリー Bill Berry (Ds)

R.E.M.はI.R.S.からデビューし途中でWarnerに移籍しましたが、
このCDは両レーベルを跨いで1982年から2011年までの曲を集め、
さらに未発表の新曲3曲を加えて全40曲を年代順に並べた
画期的な編集の2枚組ベスト盤です。

15枚のアルバムとデビュー盤のEPプラスベスト盤にサントラと、
1曲も収められていないアルバムは1枚もなく、これさえあれば
R.E.M.の歴史がしっかりとつかめる、そんなCDです。
R.E.M.が心の支えである僕が言うのだから間違いありません!

なんて意気込んでいますが(笑)、今回はせっかくなので
全40曲について1曲につきなるべく2行以内で短く触れてゆきます。

各曲が収録されたアルバムは曲名の下に記しました。

また今回は曲のトラック番号はディスク1と2で分けずに
通算で数えてゆきます。
だから2枚目は見にくいかと思いますが、どうかご了承ください。

02


Disc1
Tr1:Gardening At Night
CRONIC TOWN (EP) (1982) 
デビュー盤のEP(ミニアルバム)から。
実はこの曲、いまだに何を言いたいか分からないのですよ。
ただ、夜に庭仕事をするのは怪しい人というだけで・・・。
なおこのEPの音源はすべて1987年に出た編集盤CD
DEAD LETTER OFFICEで聴くことができます。

Tr2:Radio Free Europe
MURMUR (1983) (Tr2-4)
マイクのベースとビルのドラムスが持つ冷ややかなグルーヴ感は
R.E.M.が最高のロックンロール・バンドだったことが分かります。

Tr3:Talk About The Passion
彼らは音楽で心を「説明」するのが上手いなと思う。
気持ちを伝えるだけでは足りない、でもそれは理屈っぽいのかも。

Tr4:Sitting Still
ピーターの激しいアルペジオは、彼が決してテクニック的に上手い
というのではなく聴かせるギタリストであることを物語っています。

Tr5:So. Central Rain
RECKONING (1984) (Tr5,6)
初期の典型的なスタイルで、ヴァースでマイケルがぶつぶつと歌い
サビで強烈な一発を入れ込む曲、でも最後なんだか不安に。

Tr6:(Don't Go Back To) Rockville
これはマイクが書いていると思うけど彼はピアノも弾いていて
マイクの音楽的センスはこのバンドの根幹だったんだなと。
そして彼らも根っからのアメリカン・ロックなんだな、とも。

Tr7:Driver 8
FABLES OF THE RECONSTRUCTION (1985) (Tr7,8)
決して暴力的じゃないけどじわじわとかつもわっと攻めてくる
R.E.M.の裏の顔の恐さがよく表れた曲。
ギターリフがオールディーズみたいな響きで印象的。

Tr8:Life And How To Live It
マイケルがあまりきれいじゃない声で唸るとこの曲いったい
どうなっちゃうんだろうと不安になる、でもなんだか印象的な曲。

Tr9:Begin The Begin
LIFES RICH PAGEANT (1986) (Tr9,10)
ほのかにラテンの香りがする不思議な曲。
ヴァースの歌メロが2種類あって交互に現れる小技がうまい。

Tr10:Fall On Me
ダイナミックに展開する歌メロを大がかりなコーラスで包み込む、
バラードといっていい曲で、彼らの中でもひとつの転機になった曲。

03


Tr11:Finest Worksong
DOCUMENT (1987) (Tr11-13)
仕事で疲れた後の爽快感や充実感を表すように高鳴りするギター。
彼らの中でも硬質な曲、でも歌メロは最上級。

Tr12:It's The End Of The World As We Know It
(And I Feel FIne)
武道館のコンサートに行った時、開演前の廊下で外国人の男女3人が
歩きながらこれを歌っていてさすがネイティヴと感心したっけ。
前期の最高傑作はこれかな、歌メロがいいラップでとにかく気持ちいい。
なんて思い出も書いてたら4行になってしまいましたね(笑)。

Tr13:The One I Love
僕が初めてそれと意識して聴いたR.E.M.の曲がこれ。
シングルも大ヒットし大物の仲間入りをした曲。
哀愁を帯びた歌メロに「ふぁいやぁ~あ~っ」。

Tr14:Stand
GREEN (1988) (Tr14-17)
Warnerに移籍した最初のシングルのこれも大ヒット。
そして僕が初めて買ったR.E.M.のアルバムもこれ。
Twist & Shoutの焼き直しという感覚の曲かな(笑)。

Tr15:Pop Song 89
そうなんですこのアルバムは、ビートルズの初期のパッションが
まるで1980年代後半に甦ったような雰囲気ですね。

Tr16:Get Up
個人的にとってもうれしいのは、僕が好きなR.E.M.の曲で
五指に入るだろうというこの曲が入っていること。
シニカルな歌詞なのに温かみを感じるのも彼ららしいところ。

Trt17:Orange Crush
ギターとベースがとにかく冴えていてコーラスワークも秀逸。
カッコよさでは彼らでいちばんの曲かな。

Tr18:Losing My Religion
OUT OF TIME (1991) (Tr18-20)
彼らのシングルでいちばん売れた、代表作といっていい曲。
MTVビデオ・ミュージック・アウォードの大賞も受賞しました。
歌詞も歌メロもR.E.M.の中でも最高の部類、もちろん音も。

Tr19:Country Feedback
彼らは基本は歌のバンドだけど、この曲の充実した演奏を聴くと、
演奏部分でももっと評価されていいのではないかなと思う。
まるでこの世のものではないようなこの恐さ、スリル。

Tr20:Shiny Happy People
B-52'sのケイト・ピアソンをゲストに迎えたポップな曲。
彼女の声がこの世とあの世の間に漂うような不思議な曲。

Tr21:The Sidewinder Sleeps Tonite
AUTOMATIC FOR THE PEOPLE (1992) (Tr21-24)
日常生活のちょっとした楽しみと不安を務めて明るく歌おうとする、
R.E.M.一流の湿り気のあるユーモア満載の曲。
ストリングスのアレンジはジョン・ポール・ジョーンズ、22、24とも。

04


Disc2
Tr22:Everybody Hurts
真に感動する曲とはまさにこのこと。
疲れ切った現代人の心の拠り所ともいえる彼らの代表曲。

Tr23:Man On The Moon
ビートルズのメンバーを除き、僕がリアルタイムで聴いた
世の中のすべての楽曲でこの曲がいちばん好きです。

Tr24:Nightswimming
タイトルだけでも彼らの持つ湿り気と皮膚感覚が伝わってくる。
きっと夜の水泳は冷たくないんだと思う。

Tr25:What's The Frequency, Kenneth ?
MONSTER (1994)
最初は単なるポップなロックンロールでつまらなかったけど、
何年か経つと単なるポップなR&Rだからこそいいと思った(笑)。

Tr26:New Test Leper
NEW ADVENTURES IN HI-FI (1996) (Tr26,27)
ディラン風のワルツのフォークソングに独特なセンスの歌メロをのせて。

Tr27:Electrolite
やっぱりこっちの世界にはない感覚の不思議な響きの曲。
でもなにかこう暖かいものを感じますね。
この後に脱退したビルにとって結果としては最後の曲。

Tr28:At My Most Beautiful
UP (1998)
タイトルが示すようにR.E.M.で最も美しい曲。
あれだけの大スターなのにこの心根の優しさ、感涙もの。

Tr29:The Great Beyond
MAN ON THE MOON (OST) (1999)
伝説のコメディアン、アンディ・コーフマンの伝記映画
「マン・オン・ザ・ムーン」のテーマ曲としてシングルリリース。
明るいんだけど明るくなりきれない、そこがR.E.M.の世界。

05


Tr30:Imitation Of Life
REVEAL (2001)
虚しさを歌わせたらR.E.M.は得意、何かこう胸に迫るものがある。
現実を直視して生きてゆくしかないというメッセージ。

Tr31:Bad Day
IN TIME : THE BEST OF R.E.M. 1988-2003 (2003)
Warner時代のベスト盤に収められた当時の新曲。
Tr12が時代に合わせて進化したようなシンプルな曲。

Tr32:Leaving New York
AROUND THE SUN (2004)
R.E.M.史上最も重たいアルバムから。
実は僕も当時これはちょっと作り込み過ぎと思っていた・・・

Tr33:Living Well Is The Best Revenge
ACCELERATE (2008) (Tr33,34)
重くて作り込み過ぎた前作を反省し原点回帰の姿勢を見せた
素軽いロックンロール・アルバムから、何か吹っ切れた、のか・・・

Tr34:Supernatural, Superserious
原点回帰はしたものの、やはり若い頃とは気持ちも体も何もかもが
違うことが逆に浮き彫りになってしまい、それが解散に向かった?
今となってはそんなことを考えてしまう、これは明るい曲だけど。

Tr35:Uberlin ("U"の上にウムラート)
COLLAPSE INTO NOW (2011) (Tr35-37)
R.E.M.最後のアルバムは、原点回帰した結果失われていた
湿り気が戻ってきたのがほっとした部分。

Tr36:Oh My Heart
最後のアルバムは内容の深刻さと音の軽さのバランスが絶妙で、
これは新しい路線を開拓できたと思っていたのに・・・

Tr37:Alligator_Aviator_Autopilot_Antimatter
言葉遊び感覚は最後まで超一級品だったんだな。
ピーチズというゲストの女性もまた変わった声の持ち主(笑)。

Tr38:A Month Of Saturdays
新曲1曲目はヴォーカルとギターとハンドクラップが前面に出た
空間が多く機械的な響きの曲だけど、なんというんだっけ・・・
U2のZOOROPEのような感じの音です、不勉強ですいません。

Tr39:We All Go Back To Where We Belong
新曲2曲目は静かなフォークソングをキーボードが覆っていて、
1960年代後半から70年代前半の雰囲気の曲。
つまりフラワー・ムーヴメントの末裔みたいな感じですね。
こんな芸の引き出しがあるならまだまだバンドを続けて欲しかった。

Tr40:Hallelujah
新曲3曲目、現時点でR.E.M.最後の曲はワルツのフォークソング。
このCDのライナーノーツは本人たちが曲ごとに交代で書いていて、
この曲はやはりヘンデルとレナード・コーエンが頭にあったという。
マイケルのあまりきれいじゃない声に導かれるコーラスが
最後の盛り上がりを見せてアルバムは、R.E.M.は終わります。



それにしても長いタイトルだ(笑)。

ベスト盤を話題にすると必ず選曲について考えますが、
このベスト盤は僕は不満はありません、とてもいい編集です。

例えば、シングル曲でいえば、異様に重たくて暗いDriveや
パティ・スミスが参加したE-Bow The Letterそれに
Daysleeperが入っていないけど、でもそれらが入っていないのは
なんとなくだけど考えが伝わるし支持できる部分でもあって、
「えっこの曲がないの?」というほどでもない曲だとは思います。
ただ、最後のアルバムから3曲入っているのは2曲でよかったかなと。
しかし最後だから逆に3曲入れたともいえるのでしょうし、まあ、
いちファンである僕が言うことでもないですね、失礼しました(笑)。

今回は新曲が3曲入っているということは、
もうこの先は未発表音源のアルバムは出ないのかな。
そんな気がする。
出るとしてもボックスセットに収められるとか。

今日はこのベスト盤を買いに行く時、複雑な気持ちでしたね。
もちろん早く欲しい、すぐに欲しい、早く聴きたかったけど、
もうこれで新しいCDを買う楽しみがなくなるのかと思うと。

正直言えばまだ解散ショックから立ち直っていない僕ですが、
でもいつまでもそれを言っていてもいけないかな。

だからベスト盤を買った今日、あらためて言っておきます。

ありがとう!

R.E.M.は死ぬまで聴き続けます!


07


  


Posted by guitarbird at 19:54R.E.M.

2014年10月05日

NEW ADVENTURES IN HI-FI R.E.M.

01


NEW ADVENTURES IN HI-FI R.E.M.
ニュー・アドヴェンチャーズ・イン・ハイ・ファイ R.E.M.
 (1996)

R.E.M.が解散してから2週間。
その間僕は、常にといっていいくらいに彼らが解散したことが
頭の中から離れることなく生きてきました。
彼らの解散を現実として受け入れたとは言えるのですが、
でもやはりまだ残念な思いばかりであることは否定しません。

しかし後ろ向きにばかり生きてゆくわけにもゆかない、
そろそろ前向きにと、今日は敢えてR.E.M.を記事にしました。

実は、解散してからR.E.M.を聴くのはこれがまったくの初めて。
今はMTVも見ていないしラジオも聴いていないので、
自分の意志ではないかたちですらR.E.M.を耳にしていなかった。
日本では街中で流れることもめったにないだろうから(笑)。

このアルバムを選んだのはちょっとしたわけがあります。
僕はWarnerに移籍してから彼らのファンになったのですが、
Warner時代のスタジオアルバムでは、これだけを
まだ記事にしていないからです。
僕だっていつBLOGを辞めるか分からないので、
これを上げておかないと心残りかなと思って(笑)。

このアルバムはオルタナティヴの時代がそろそろ終わりという
1996年にリリースされました。
オルタナティヴが何かという話はひとまず置いておくとして、
このアルバムを聴いた当時の僕の素直な感想はこうでした。
「彼らは時代と関係なく生きていくことにしたのかな」

R.E.M.は常に時代の先を行く音を作ってきましたが、
この前作のMONSTERでグランジ風の重たい音を出して
ついに時代に飲み込まれたという印象を受けました。
亡くなったカート・コバーンへの思いがそうさせたのかもしれないし、
実際リリース当時はその前作はカッコいいと思ったものですが、
後になって時代から離れると彼らのアルバムには珍しく
時代の匂いが強すぎるアルバムと思うようになりました。

このアルバムは全体の作りが緩いと感じます。
ツアーの間に録りためたものを基礎にして作り上げていて、
"Seattle Studio"などとブックレットには曲ごとに記されていますが、
いい意味でいえばそうした張りつめたスタジオの空気感ではなく
ツアーの合間の息抜き的な部分が緩さにつながっているのでしょう。
また、重大なメッセージを時代に発してやろうという意気込みは
さらさらなくて、ただ音楽を聴いてくれればという態度にも思えます。

02 ハウチワカエデが色づいてきた


このアルバムは音が面白い。
アコースティック・ギターで基礎を作りエレクトリック・ギターで
上っ面を装飾しているというのが基本ですが、両者の間に
妙な空間があるように感じるのです。
真ん中辺りの音がすこっと抜けているというか。
聴いていない時にこのアルバムの音について思い出して話すと
アコースティック・ギターの印象が強いのですが、でも実際に聴くと
エレクトリック・ギターが思いのほか目立っているという感じ。
まったくもって不思議な印象の音です。
その中で曲によりピアノ、ギター、コーラスなどの音が出てくる
タイミングとフレーズのセンスの良さが際立っています。
彼らのいうところの「ハイファイによる新しい冒険」なのでしょうか。
音として印象に残る個性的なアルバムといえるでしょう。

曲だってよくないわけではありません。
ただ、ヒット曲狙いのインパクトが大きい曲というよりは
アルバムを通して聴いてこその曲が並んでいると思います。
先ほど作りが緩いと書きましたが、そこから考えると
これも意図的なものかもしれません。
と同時に当時はロック系のシングルはもう売れなくなってきていたので
シングルという概念を取り払ってみたのかもしれない。
しかしそういう点で見れば時代を意識してはいたのでしょうけど。
断っておきますが曲は素晴らしくいいものばかりですよ。
ただ、インパクトの大きさでは彼らの中でも目立たないほうかなと。

音楽的な面を見ても、ロックンロールとかカントリーっぽいとか、
そういう程度のスタイル的な部分はもちろん感じますが、
でももはやこれはどう聴いてもR.E.M.の音でしかありません。
彼らが到達したのはまさにそこですが、それは前作で一度
時代の音に染まってみてたどり着いたのだと考えます。

しかしそのことで僕は当時、まだベテランというほどでもないのに、
趣味の世界に入ってしまったのかと少しがっかりした記憶があります。
やっぱりR.E.M.には先を行っていてほしかったのです。
なんだか取り残されたような気分にもなりました。

だけど今になって思うのは、時代の中にいることは楽だし、
先を行くことだって能力がある人であれば難しくないのだろうけど、
時代を超越するというのは誰にでもできるものでもありません。
その点でやっぱりR.E.M.は卓越した眼を持っていたんだなと思います。

そうです、このアルバムで彼らは時代を超越してしまったのです。
古くもなく新しくもなく、流行り廃りとは関係ない次元に
彼らはついに到達してしまったといっていいのかもしれません。
まったくもって不思議なアルバムであり、R.E.M.は不思議なバンドです。

でした、ですね、悲しいことに・・・

作曲者のクレジットはすべてメンバー4人の連名になっています。
(All songs written by Berry, Buck, Mills, Stipe)


03 おなじみ限定盤はシングルレコードサイズの箱入り


01:How The West Was Won And Where It Got Us
ゆったりとしたドラムスと緩いギターで曲が始まり、
マイケル・スタイプがずっと低音でくぐもって歌い続け、
最後に「あー」と無表情に声を伸ばして1コーラスが終わる。
その間に漂うようにピアノが時々入る。
R.E.M.は1曲目がセオリーを無視した入り方が多いんだけど、
これを最初に聴いた時僕は信じられない思いすらありました。
人を食っている、まさにその通り。
曲名の前半は映画「西部開拓史」の原題そのままであって、
そう考えるとこれはカントリーなのかなと思うんだけど
そういうカタにははまっていない不思議な曲。

02:Wake-Up Bomb
と思ったらガラスを割ったように超速のロックンロールが始まる。
そうだよ普通はこっちを1曲目にするだろと当時は思った。
歌メロは彼ららしくくねくねしているけど(笑)、素直にカッコいい。

03:New Test Leper
ワルツのフォークソングで軽やかな歌メロは彼ららしいところ。

04:Undertow
壁が崩れるみたいな大がかりなギターサウンドで
アルバムの中ではダイナミックな1曲。
最後は嵐が静まって風だけが残ったくかのように終わり、
次の曲にうまくつながっていきます。

05:E-Bow The Letter
パティ・スミスをゲストに招き話題を呼んだ最初のシングル曲。
これもカントリーっぽいといえばそうかもしれない。
E-Bowとは曲の中でも音が聞こえる「ぼわ~ん」という音を鳴らす
ギターのアタッチメントのことで曲の中でも大活躍しています。
この曲はですね、実は、当時は好きではなく、R.E.M.の新譜だから
当然ものすごく期待するわけですが、この曲が最初のシングル
というのは正直面喰らいました。
ヴァースの部分が歌メロがなくて喋りなのが主な理由かな。
パティ・スミスの歌声は雰囲気がとってもいいんだけど、でも当時は
このアルバムのサウンドの良さや緩さが理解できていなかったわけで、
3年くらい前からようやく普通に好きな曲になってきました。

06:Leave
狂おしいギターのイントロに哀愁を帯びた歌メロ。
R.E.M.お得意の自己憐憫ソング。
この曲こそが歌だけならアコースティックで通せるところをそこに
エレクトリックの音を加えて印象的な音に仕立てている曲。

07:Departure
「去る」そして「出発する」。
ハードロック調のギターリフで始まるこちらはひときわ明るい曲。
ヴァースのマイケルの喋りは言葉の生きがあまりにもよくて
口の中から飛び出してきてしまっているような勢いがあって、
サビの"Here it comes"という部分の爽快さははちきれんばかり。


04 今年のハウチワカエデは色づきがいいかも


08:Bittersweet Me
僕がこのアルバムでいちばん好きな曲はこれかな。
ちょっと懐かしい80年代風のポップロックソング。
サビに入るまでの特に直前の歌メロの流れが最高にいいんだけど、
惜しむらくはサビがばさっと切ったみたいに終わってしまうこと。
ただし曲の最後がそれであっさり終わってしまうのが逆に
余韻が残るので、彼らの狙い通り、それでいいんでしょうけどね。
いずれにせよ歌メロがとってもいい曲で、
ピーター・バックのエレクトリック・ギターもよく語っている。

09:Be Mine
エレクトリック・ギターのバッキングが印象的で、
高音でオルゴールのように鳴らしたり低音でザクザク刻んだり。
それがマイケルの声にかぶさると不思議とまろやかな響き。
マイケルはちょっと自信がないのかな、そんな感じがする。
でも曲の最後は手から風船を放したみたいに気持ちが
ふわっとなるような盛り上がりでほっとします。

10:Binky The Doormat
エレクトリック・ギターのアルペジオとドラムスが扇情的。
サビのマイク・ミルズのコーラスがいつも通り何かこう
間が抜けた感じがしてそれもいかにもR.E.M.らしいところ。

11:Zither
これまたオルゴール系のギターを中心としたインストゥルメンタル。
エレクトリック・ギターで強いけどまろやかな音を出すのは
ピーター・バックの得意技。
ところで彼らの曲はあまり使わない単語が多いなぁ。

12:So Fast, So Numb
英雄的な響きのカッコいい曲。
この曲のマイケルの声は言葉が口の中でチューインガムのように
粘つきつつも弾け飛んでいるかのような不思議な発声ですね。
このアルバムの曲はみんなサビが何か急に終わってしまうようで、
それもやっぱり狙ったものなのかな。
途中でアコースティック・ギターだけが残るところがカッコよくて
音づかいのセンスの良さを感じずにはいられません。

13:Low Desert
無理やりこじつければブルーズっぽい響きの重たい曲。
ずっと低く歌ってきたマイケルが突然高い声を出したところで
ギターが決めのリフを低音で入れくる、ここがしびれる。
ただアルバムがあと2曲で終わるという感じの響きではなくて、
その辺もやはり敢えてセオリー無視の姿勢を感じます。
そうか、だから終わりは突然やって来るように感じるのか・・・

14:Electrolite
最後が来てしまいました。
ドラムスのビル・ベリーはこのアルバムを最後に脱退します。
つまりこの曲はビル・ベリーの最後の曲です。
この曲のビデオクリップでビルがいつもより目立つのが面白くて
例えば野外でドラムスを叩いていたビルがだんだんと大きくなって
ビルくらいの高さになってしまってマイケルを見下ろしたり、
でもその後でビルの脱退を知ってもしかしてそれは彼らの
シークレットメッセージだったのかなと当時は勘ぐったりもしました。
この曲は、やっぱりこっちがこの中でいちばん好きかな(笑)、
歌メロがすっごくいいというわけではないんだけどとても印象的で、
かつなぜかこうぐっと胸にしみるものがあるのが不思議な響き。
間奏のフィドルの音ももはやあっちの世界という感じもする響きで、
このアルバムは結局最後まで不思議なまま終わりますね。
本人たちも気に入っているようで、ベスト盤に収録されたのみならず、
I.R.S.時代の曲を中心としたライヴ盤LIVE AT THE OLYMPIA
にも収録されていたのはファンとしてもうれしかった。
これはきっとビルも一緒にいてほしかったということだなと思って。
アルバムの最後はなんとなくしんみりして終わるのが心に残り
また聴きたいと思う部分でしょうね。

それにしてもこの曲の最後にマイケルがつぶやく言葉、
"I'm not scared, I'm out of here"
「恐くないよ、僕はここにいないんだから」
まさか解散したその時にこのアルバムを取り上げるなんて・・・

そして、ビルはいつか戻るかなとずっと期待していたけど、
ついに戻らないまま解散してしまったんだなぁ。



R.E.M.のマイケル・スタイプは「歌手100人」には入っていません。
そうですよね、ネイティヴの人でも何を言っているか分からない
という歌い方だから、それは僕もそうだろうなと思います。
むしろ、入っていないことが彼ららしいと言えるでしょうね。
あ、これは決して強がりじゃなくって、冷静に考えてもそう。

時代を超越したと書きましたが、このアルバムは1つだけ
時代に乗った部分があって、それは14曲で66分弱という長さです。
ただ彼らはCDの時代になってからもこの前までの4作で
せいぜい50分までの普通のLPの長さを作ってきていたので、
60分を越える長いアルバムはこれが初めてでした。
しかし1996年頃になると長いアルバムをたるみなく聴かせることが
難しいと分かった人が多かったのか、世の中では再び
50分を切るアルバムが増えてきていた頃でもありました。
そんな中敢えて逆に長くしたのは彼ららしいところですが、それを
可能にしたのはやはり超越してしまったという自信からでしょうね。
実際にこのアルバムは決して冗長には感じません。
インパクトが大きい曲がない割には、これができるのも芸でしょうね。

僕はR.E.M.のアルバムは買った時のことを覚えています。
このアルバムは、書店員だった頃に休みの日に新宿の
タワーレコードに行って買いました。
リリースがそろそろだと聞いていたのでそろそろないかと思い、
秋葉原から総武線に乗って行ったのですが、不思議というか、
その前後のことはまったく覚えていません。

さて、R.E.M.を記事にしたことで、少しは立ち直れるかな(笑)
本日は、個人的な精神的リハビリ記事におつきあいいただき
ありがとうございます。

お礼とお詫びのしるしに、犬たちをもう1枚で今日は終わります。

05


こちらを先に撮ったのですが、CDを正面向きに撮り直したのが
01というわけです。

ハウとポーラ、いつも協力ありがとう。


  


Posted by guitarbird at 19:54R.E.M.

2014年07月10日

R.E.M. UNPLUGGED 1991 & 2001

01


UNPLUGGED 1991 & 2001 THE COMPLETE SESSIONS R.E.M.
アンプラグド 1991/2001 コンプリート・セッションズ  R.E.M.
 (2014)

R.E.M.の新しいCDが出ました。
Warner系の再発レーベルRhinoからのリリースです。
2011年9月に解散した彼ら、未発表曲集や未発表ライヴ音源が
CDとしてリリースされることが予想されましたが、今回、
MTV Unpluggedに2度出演した模様が、2枚組のライヴ盤として、
漸く世に出ました。

MTVアンプラグドについてはもはや説明不要かもですが、一応。
アンプラグドは基本はエレクトリックの楽器を使わずに演奏する
ライヴを収録したMTVの番組。
1990年代前半にひとつのスタイルとして話題となり、その要素が
個々の演奏者の楽曲に反映され多くの人に聴かれたことで、
アコースティックギターの魅力が再評価され、今に至っています。
一応10代の頃からギターを弾き続けている僕としても、
それを境に日本でも生ギター熱が再興し、かつてはそうだった
ように再び生ギターが身近なものになったと感じています。
ポール・マッカートニーやスティングなど大物がこぞって出演。
エリック・クラプトンはそのライヴ盤でグラミー賞を獲得、
マライア・キャリーは本格派の歌手への足場を築き、
ニルヴァーナはそのアルバムが名盤とまで言われるようになり、
ロッド・スチュワートは生来のエンターテイメント性を評価されました。
キッスのUNPLUGGEDの邦題が「停電」とは面白い(笑)。
ライヴが生きがいのボブ・ディランもアルバムを残しており、そして
ブルース・スプリングスティーンはいつも通りにテレキャスターを
持ち出して"un-plugged"にしてしまいました。

アンプラグドは一般のコンサートホールより小さなテレビスタジオで
収録するため、演奏者と客の間が近く、一体感そして
温かい雰囲気が感じとれます。
普段はエレクトリックの楽器で演奏する曲をアコースティックで再現
することにより、普段とは違う姿に接することも魅力のひとつです。
ライヴゆえ、ハプニング的なことが起こるかもしれないという
わくわく感にも満ちています。
実際、ポール・マッカートニーはWe Can Work It Outの歌い出しで
歌詞を間違え、一度演奏を止めてやり直したりもしました。

1990年代前半にアンプラグドが受けたのは、あまりにも大きく
なりすぎた音楽業界に対して、基本に立ち返ることの重要性を、
生楽器による演奏というスタイルを通して見せてくれたのでしょう。
演奏者(=業界)の自浄作業が働いたというか。
ビートルズ時代後期に1000人も入らない小さい会場でまたライヴを
やりたいと願っていたポール・マッカートニーが出演したのは、
そのことを象徴的に表しています。
まあ、後年になると、世の中だいたいのことがそうであるように
アンプラグド自体がステイタス化して商業ベースにのってしまい、
そもそもの意味が感じられなくなってしまったのですが、最初の頃の
アンプラグドの功績は間違いなく大きいものだと今でも思います。

02 今朝のA公園


さてR.E.M.。
1991年の方はMTVで観たことがあるのですが、
公式のCDが発売されるのは今回が初めて。
さらには僕がMTVを観なくなった後の2001年にも出演していたのは
今回のCDが出るまで知りませんでした。

R.E.M.は、売れてWarnerに移籍してからは、
アリーナロックと呼ぶに十分なほどに集客力が上がりました。
しかし彼らは、大物になっても普通の人と変わらない姿勢で
あり続けらたことに対して、ニルヴァーナのカート・コベインが
生前憧れを示していたように、大きくなったからといって
音楽性はほとんど変わらなかったバンドでした。
もちろん、作曲能力は上がったのですが、それはまた別の話。

だから、このアンプラグドは、他の大物バンドに比べると
レコードとの違いがあまり感じられません。
彼らとしても、アンプラグドは自分たちの出発点のようなものであり、
いるべきところという思いがあったのではないかと。
だから、1989年に番組が始まって割と早くに出たのでしょう。
アンプラグドだから何かを変えてやろうというよりは、自分たちの
基本に忠実に演奏して聴いてもらおうという彼ららしい姿勢ですが、
でもよく聴くと、微妙なニュアンスの違いが随所に感じられ、
そこが楽しみでもあります。

また、演奏が薄い中で生で歌うため、マイケル・スタイプの声が
前面に出ることで、彼の歌手としての素晴らしさが分かります。
当時はサウンドに凝り始めた頃でしたが、だから逆に、
アンプラグドで歌うことでマイケルは歌手としての自らの立場を
再認識した、ということもあるのではないかと。

さて、今回はコンプリート・セッションズと謳っていますが、
2枚に収められた33曲のうち11曲が、テレビ放送では使われなかった
「未発表」テイクです。
Wikipediaを見ると早くもこのCDのページがありましたが、
その11曲がどれであるかは明示されていませんでした。
他のサイトも検索をかけましたが、必要な情報は得られなかった。
1991年のほうは録画したビデオテープが家のどこかにあるけれど、
すぐに出せない場所にありしかもβで調べることができず。
というわけで、申し訳ない、どれが放送されなかった曲かは
分からなかったのですが、このまま進めさせていただきます。


03 庭のユリが咲いた


Disc1:April 10,1991

Tr1 Half The World Away
Disc1は当時のスタジオアルバム最新作のOUT OF TIME
からの曲が中心となっていますが、1曲目は変化球というか、
ボレロのようなリズムのゆったりとしたこの曲から入ります。
この曲がり具合いがいかにもR.E.M.らしくて納得。
アルバムがアコースティックな要素を大胆に取り入れていて
この曲はほぼオリジナル通りのイメージで演奏されています。
オルガンの音色がまるでこっちとあっちの世界をつなぐようで、
お盆やお彼岸に聴くといい感じの曲。
そのオルガンはピーター・ホルサップル、と、この曲が終わり、
マイケル・スタイプがメンバー紹介する中で名を挙げています。
そうそうメンバーは、ピーター・バック、ビル・ベリー、
マイク・ミルズとマイケル・スタイプ。

Tr2 Disturbance At The Heron House
出世作DOCUMENTから。
曲名にある"heron"は「大型のサギ」のことで、あ鳥ですよ(笑)、
日本にもいるアオサギは英名を"Grey Heron"といいます。
鳥好きの僕は、そんなあまり有名ではない鳥の名前が出てくる
なんて、R.E.M.を聴くのは運命だと思ったものです。
しかし調べると、"Heron House"とは、アメリカはフロリダの
有名なリゾート地キーウェストにあるホテルのことだそうで。
つまり、ホテルで暴れた人の歌ですかね(笑)。
ところでこれ、曲名がヴァースの中で一度出てくるだけで、
僕は暫くこの曲のタイトルを、サビの中で繰り返し出てくる
"Something We Don't Know"だと思っていました。
オリジナル演奏はエレクトリックギターが通奏低音のように響く
のが、ここはアコースティックなだけに細かく刻んだ感じがします。

Tr3 Radio Song
OUT...の冒頭を飾る曲。
オリジナルではラッパーによるラップが入っていますが、
ここではそこはやり過ごしています。
これもオリジナルはエレクトリックギターのカウンターが印象的ですが、
こちらではちょっとエスニックな響きのリズムに凝っています。

Tr4 Low
OUT...はアコースティックな響きをいかにロックの中で生かすか、
それを人がやらなかった方法で実現できるか、という実験精神を、
その収録曲をアンプラグドで聴くことでよく理解できます。
これは曲自体も、もっと長い曲の一部を切り取ったような、
どこかから来てどこかへつながっていくその過程のようにも
感じられる不思議な響きの曲です。

Tr5 Perfect Circle
フルアルバム1作目のMURMURから。
この曲は90年代に入ってから彼らの中でも再評価されたようで、
後にライヴDVDのタイトルにもなっている、意味の大きな曲。
彼ららしい湿り気のあるうねうねした旋律が、アンプラグドでは
より克明に刻まれて心に響いてきます。

Tr6 Fall On Me
4作目LIFES RICH PAGEANTから。
その当時の彼らには迷いがあったのが、この曲を得たことで
迷いが吹っ切れて前に進めたという重要な曲。
サビの旋律と対位法によるマイク・ミルズのコーラスは、
アンプラグドならではの生々しさがあって素晴らしい。
僕が選ぶDisc1のベストトラックとさせていただきます。

Tr7 Belong
OUT...から。
この曲もやはり「途中」の感じと「彼岸」の雰囲気があります。
特にマイケルの喋りが、向こうから聞こえてくるようで。

Tr8 Love Is All Around
ザ・トロッグスが1967年にシングル発売した曲のカヴァー。
というよりこの曲は有名で、僕も、この曲を最初に聴いて、
ああこの曲か、と思ったものです。
彼らも10代の頃に聴いて育ったのでしょう。
マイク・ミルズが歌いますが、彼はこの頃までは時々
アルバムでも歌っていて、バンドとしての姿勢も感じられます。
それにしてもマイケル・スタイプの後追いコーラス、主役を
喰ってしまえという意気込みが十分すぎる(笑)。
ちなみに最初に聴いたのは、OUT...からのRadio Songの
シングルCDを当時買ったところ、B面曲としてまさに
Unpluggedからのこの曲が入っていたので、この曲のみ
CDで聴いたことがありました。

Tr9 It's The End Of The World As We Know It
    (And I Feel Fine)
DOCUMENTから、彼らの「前期」の魅力を凝縮した曲。
ヴァースはほとんどマイケルラップだから、ここでも
自由な感覚で崩して楽しげに歌っています。

Tr10 Losing My Religion
OUT...からのシングル第1弾、彼らの最大のヒット曲。
マイク・ミルズはベースもアコースティックのものを弾いていますが、
ここでは、エレクトリックのベースのどっしりとした落ち着きがなく、
余計に不安に聴こえてしまいます。

Tr11 Pop Song 89
Warner移籍第1弾GREENの1曲目。
オリジナルではエレクトリックギターの力強さが魅力であり、
チョーキングの音が印象的なだけに、このアンプラグドでは、
多少それに勝ってやろうという強引さがないでもないです。
まあ曲そのものがいいので文句はないのですが。

Tr12 Endgame
OUT...の「途中の曲」のひとつ。
つまりアルバムOUT...は幾つかの核となる曲を「途中の曲」で
つなぐことにより独自の世界観を表したものなのです。
この曲は♪ばっららららららら はぃはぃはぃ と歌いますが、
オリジナルより「はぃはぃはぃ」が強く聴こえるのが新鮮。
これはアコースティックベースの音色がとてもいい響き。
口笛はマイケルかな、あまり上手くないのかな・・・
途中で投げ出してしまったような響きがありますが、
まあこれもライヴならではのハプニングということで。

ところで、テレビで観た番組は確かこの曲がエンドロールであり、
画面に関係者の字幕が出て番組が終わった記憶があります。
ということは、次以降がオンエアで使わなかった曲かな。

Tr13 Fretless
1991年の映画"UNTIL THE END OF THE WORLD"に
提供された曲で、後に、この次年に出るアルバム
AUTOMATIC FOR THE PEOPLEからのシングルCD
The Sidewinder Sleeps Toniteにも収められました。
暗くて重たく引きずる漢字のこの曲はR.E.M.らしさであり、
アメリカ人のバンドには珍しい湿り気なのでしょう。
彼らのアルバムには収められていない曲だけに、
ここに収められて注目度が上がりました。

Tr14 Swan Swan H
これもLIFES...から。
歌の中では"swan, swan, hummingbird"と歌っているので、
この"H"は"hummingbird"つまりハチドリのこと。
飛ぶことができる鳥の中で最も重いハクチョウと最も軽い
ハチドリを対比させて、鳥=自由を切望する曲、と思う。
生物多様性のテーマ曲にも使えないかな(笑)。

Tr15 Rotary Eleven
Rotary Tenという曲がFall On MeのB面に収められていますが、
これはそれの改良版ということで11になったのでしょう。
ジャズっぽい雰囲気のインストゥロメンタル曲で、意外といえば
意外だけど、彼らの音楽性の深さも感じられます。
そしてやはり映画に使われるような視覚に訴える曲。

Tr16 Get Up
GREENから。
この曲は大好きで、ここで再会できたのはうれしい限りだし、
アンプラグドで取り上げるほど彼らがこの曲を好きだったと
分かったのもうれしいです。


Tr17 World Leader Pretend
最後もGREENから。
過程の話として、当時のオンエアで使われなかった5曲のうち2曲が
当時の最新作のひとつ前のアルバムからの曲というのは、
やっぱりアルバムのプロモーション的な部分があったんだなと。
まあ、仕方ないですね、売ってなんぼも世界だから。
この曲はアンプラグドで演奏することにより、機械文明への風刺、
「裸の王様」的な部分がしみ出ていて、寂しさが強調されています。


04


Disc2:May 21, 2001

Tr1 All The Way To Reno (You're Gonna Be A Star)
当時の最新アルバムはREVEALですが、日付を見ると
アルバムリリースの1週間後にこれは収録されています。
だからそのアルバムからのこの曲は世に出たての頃。
この曲は後にシングルカットしましたが、でもやはり、
少し変化球で入ってきたのは同じでした。
なお、この時はもうドラムスのビル・ベリーが脱退しており、
3人のミュージシャンを加えての演奏となっています。

Tr2 Electrolite
そのビルがいた最後のアルバムの最後の曲。
そういう思いもきっとあったのだと思いたいです。
この曲も「彼岸」シリーズの延長かな、歌としてもとてもいい。

Tr3 At My Most Beautiful
最新作のひとつ前のUPから、彼らの最も美しい曲。
ピアノの響きが美しさを引き出していますが、この曲は、
どんな形でも心根の美しさ、優しさを感じられるに違いない。

Tr4 Daysleeper
UPの最初のシングル、ワルツのいわばディラン風フォークソング。
この曲ですね、僕は、好きだけど大好きというわけでもなかったのが、
ここでシンプルなアレンジで聴くと歌メロの良さを意識されて、
今回、それまでと評価がいちばん変わった曲でした。

Tr5 So. Central Rain (I'm Sorry)
2作目のRECKONINGからの気持ちがあふれた曲。
そうか、この"So."というのは"sorry"の略というか、素直にいえなくて
こういう表現にしたんだな、きっと、今気づいた。
オリジナルではやり過ごした細かい心使いにも触れている感じだけど、
それはアンプラグドだからというよりは、彼らの年齢によるものかな。

Tr6 Losing My Religion
今回、どちらでも演奏しているのはこの曲だけですが、
まあ最大のヒット曲だからそれは納得ですね。
アレンジがほとんど変わらないのは、やはりそういう曲だからでしょう。

Tr7 Country Feedback
OUT...からはこれで10曲中7曲が演奏されたことになりますが、
そのアルバムが、アコースティックな響きのロックを作り上げた
という自負があってのことではないかと思いました。
この曲の無常観、厭世観、心が弱い時に聴くとあまりにも重い。
マイケルのヴォーカルも寂しさをなぞってくれるよう。

Tr8 Cuyahoga
LIFES...からはこれで3曲目。
悔しくて寂しい時に青空を見上げたような、そんな曲を
歌を中心に再構築して聴かせてくれています。

Tr9 Imitation Of Life
REVEALからの最初のシングル。
スターの生活がイミテーションであることを、自らをさらすことで
自嘲的に訴えた強烈なポップソング。
通奏低音的なオルガンがオリジナルと少し違った雰囲気に。

Tr10 Find The River
僕がリアルタイムで聴いた全てのロックアルバムでいちばん好きな
AUTOMATIC FOR THE PEOPLEからはこの曲だけ演奏。
単に年代というかリリースのタイミング(それは1992年)だけの
問題かもしれないけれど、残念といえば残念。
ただ、そのアルバムはアンプラグド的な要素を彼らなりに昇華した
アルバムだから、逆に敢えて演奏するものでもなかったのかな。

Tr11 The One I Love
DOCUMENTから、彼ら最初のTop10ヒットシングルとなった曲。
91年にこれをやらなかったのは、前に進みたかったからでしょう。
01年はそれから10年以上が経ち、彼らの中でも安定してきたのだと。
オリジナルと違いピアノを中心にしているのがいい響き。

Tr12 Disappear
最新作REVEALからですが、前作UPの重暗さを引きずっている。
これはオリジナルでもアコースティックギターが中心ですが、
こちらはピアノが前に出てギターが引き気味なのが面白い。

Tr13 Beat A Drum
REVEALから続きますが、この曲は歌詞に"dragonfly"つまり
「とんぼ」が出てくる、いかにもお盆を過ぎた8月といった風情。

Tr14 I've Been High
同じくREVEALから、この曲のオリジナルはヴォーカルの響きに
手を加えていかにも浮いている感じがしますが、アンプラグドでは
オルガンの響きが浮いた感じを醸し出しています。

Tr15 I'll Take The Rain
ほんとうに泣ける曲って、誰にも何曲かあると思います。
REVEALからのこの曲は、僕の本当に泣ける曲のひとつ。
今回も、やっぱり、でした(笑)。
ところで、マイケル・スタイプは英語の俳句を作る人なのですが、
下記のこの曲の歌い出しはまさに俳句的な情景なのだと、
自分が俳句をやるようになって気づきました。
"Rain came down, rain came down, rain came down on me"
それだけなのですが、曲を聴くともうそこで涙が出てしまいます。
なお、マイケル・スタイプと俳句については、いつか場をあらためて
記事で話題にしたいと思います。

Tr16 Sad Professor
最後の曲がひとつ前のアルバムからというのは91年と同じ。
ということは、偶然ではなく、考えがあってのことなのでしょう。
もうひとつ、REVEALでもそうですが、最後にしてはあまりにも
意味が大きく重たいTr15で終わらせるのではなく、少し軽い
曲を置くことで余韻を持たせたい、ということかもしれない。
マイケルの声を延ばす歌い方の無邪気さに、「悲しい教授」の
本性が見え隠れしていますが、でもこの曲はどこか愛嬌があり、
それがかえって救われた気分になるのがいい。

R.E.M.のアンプラグドはここに幕を閉じました。




国内盤もあまり時間を置かずに出ているということは、
日本でもそれなりの需要がまだある、ということでほっとしています。
(サラ・マクラクランの新譜はまだ国内盤未定ですから・・・)

解散を思い出して泣くようなことはさすがにもうなくなりましたが、
でも、Facebookでも記事が頻繁に上がっているのを見ると、
彼らが解散したことは、まだ信じられない部分があります。
そう、いつか再結成してくれることを。

過去の発掘音源を出してくれることももちろんうれしいですが、
当面は、次は何を出してくれるかを楽しみに生きてゆきます。


最後に、もちろんポーラもいますよ(笑)。

05





  


Posted by guitarbird at 19:29R.E.M.

2014年04月11日

ACCELERATE アクセラレイト R.E.M. 

遠征などですっかり遅れていた新譜の記事を早速。

なお、今回は新譜の記事なので、
風景写真は付しておりません、ご了承ください。

01


ACCELERATE R.E.M. アクセラレイト released in 2008

R.E.M.は昨年、「ロックンロールの殿堂」入りを果たしました。
「ロックンロールの殿堂」とは、アメリカのクリーヴランドにあり、
デビュー25年以上経過し、音楽や社会、そして
後続に大きな影響を与えたアーティストが入ります。
まあ、ビートルズやローリング・ストーンズはもちろんのこと、
25年以上の主だった大物アーティストはみな入っていますが、
若いと思っていたR.E.M.も、ついにその仲間入り、というわけ。

それを記念したかのように、この新譜は、とにかくまっすぐで
速くて若くてざらざらの感触の情熱的ではじけた
スリリングなロックンロールアルバムに仕上がっています。

なんといっても全11曲、34分41秒
あっという間に終わってしまいます。
あまりに短いので、僕は、車用に、CD-Rに2回入れました(笑)。
彼らが言っていた「新譜はとにかく速い」、これは本当でした。
詳しくは、こちらの記事をご覧ください。

「商業芸術」であるロックの世界に身を置くアーティストは、
キャリアが長くなると、僕が知るところ、ほぼ例外なく、
「原点帰り」を起こしています。
ポール・マッカートニーだってそのままBACK TO THE EGG
というアルバムを作っていますし、近年では、
デフ・レパードのEUPHORIAが、「原点帰り」で成功した例です。

R.E.M.もやはり例外ではなかったようで、
このアルバムはもろ、I.R.S.時代の、
「ガレージロック」と呼ばれていた頃の音を再現しています。

しかもこれが徹底したやりようで、
それまでの「原点帰り」をした他のどのアーティストよりも、
ほんとうに、物理的にも若返っている感じがします。
ガリガリゴリゴリ鳴るギターを強調した音がその証拠。
なにより、彼ら自身がほんとうに楽しみながらやっているのが、
ほぼ100%伝わってきます。
気持ちの若さは保つことができると思うと勇気も湧いてきます。

しかし。

大好きなR.E.M.だから、あえていいます。
このアルバム、とってもいい、という曲がありません。
その点、かなり大きかった期待に対し、大きく期待外れでした。


前のアルバムはまあ「努力して好きになった」
と書くといろいろ誤解を受けそうですが、ともかく、
聴いてゆくうちに、自分の中でもかなり上位に来るという
大好きな曲が幾つかできましたし、それ以外も、
曲としての印象度や自分の気持ちが深く入り込みました。

翻ってこの新譜、いい曲がないというのは語弊があるでしょう。
正しくは、自分の気持ちとの距離が近く感じる曲がない、です。

僕は、やっぱりR.E.M.は、
ワーナー時代の「売れてからの音」が好きなんです。

ロックが好きといいながら、僕は所詮「ヒット曲」が好きで、
10代の頃はそういう音楽ばかりを聴いて育ってきたんです。
最近でこそ、渋いロックも聴くようにはなりましたが、
それは、加齢による精神状態の変化なのでしょう。
R.E.M.の場合、ワーナー時代からが僕のリアルタイム
アルバムを買って聴いてきただけに、なおのこと。
それ以前のものを初めて聴いたのは、もっと後でした。
もちろん、ワーナー時代の最初の88年のGREENと、
I.R.S.時代の最後の86年のDOCUMANTの間に、
明確な違いがあるわけではなく、最初に「売れた」のは
DOCUMENTだったのですが、彼らの場合、そこで、
前期と後期に分けるのは割と分かりやすいと僕は考えます。

前期と後期といえばビートルズですね。
1962年から66年までの「赤盤」、67年から70年の「青盤」。
ビートルズの場合は、1966年にコンサート活動を止め、
レコード制作に専念するという明確な分岐点があるため、
この分けかたは一般化しています。
(もちろん仔細に見ればつながっている部分は多々ありますが)。
前期と後期の違い、端的に言えば「作り込み具合」の違いでしょう。
僕は、ビートルズも後期のほうが好きです。
これは、聴き始めた中学の頃からずっと変わっていないので、
きっと、僕の本来の音楽の志向に違いありません。
だから、このアルバムを聴いて感じたことは、
自分の中ではぶれても矛盾してもいないとういことで、
その面に関してはちょっと自信が持てました(笑)。

そんなこんなで僕は、
R.E.M.は圧倒的に「後期」のほうが好きです。

そういう言い方をすれば、「こいつ本物のファンじゃないな」
というコアなファンもいるのではないかと思いますが、でも、
僕のような人がいてもいいのではないか、と、僕は思います。


Tr1:Living Well Is The Best Revenge
気合い一発!
こういう曲はもう何年もなかったなぁ。
こういう曲は必要ですね。

Tr2:Man-sized Wreath
これなんか前期の特に初期の雰囲気たっぷり。

Tr3:Supernatural Superserious
シングル曲。
若返ったとは言いながらも、この曲なんて、
ここまでの経験がないと作れない味はあります。

Tr4:Hollow Man
最初はバラード風に始まり、ここでギアチェンジか、
と思わせておきながら曲の後半で加速。
加速した部分のメロディがソフトでいい感じ。
このタイトルのような人間にはなりたくないのだが・・・

Tr5:Houston
今度はほんとにフォーク風のワルツのバラード。
それってロックンロールじゃないじゃん、と言われそうですが、
こういう路線もデビュー当時からありましたね。

Tr6:Accelerate
このアルバムでは初めてのマイナー調の曲で、
速いんだけど、いわゆる「アメリカ人には珍しい湿り気」路線。
これがいちばん彼ららしい曲だと思いますが、
それがタイトル曲なのは必然ですね。
アルバムでいちばんかっこいい曲ですし。
ベースのマイク・ミルズのコーラスの声が相変わらずいいし、
コーラスとヴォーカルの掛け合いの見事さも、さすが、
ところでこの曲、なんとなく、ボクシングを想起させるものがあります。
関係はないようなのですが、でも、英雄的な響きがある曲です。

Tr7:Until The Day Is Gone
またまたワルツのアコースティックバラード。
徹底して基本に戻ってますね。
全11曲なので、真ん中をはさんでバラードという構成。
すがすがしさが漂う曲。

Tr8:Mr.Richards
アコースティックバラード以外では初めてのスローな曲。
物語風のいかにも彼らが好きそうなモチーフ。

Tr9:Sing For The Submarine
マイナー調のワルツのバラード。
バラードはワルツばかりなのはなぜ・・・?
でもこれはアコースティックではなくエレクトリックで攻めていて、
重苦しい響きのギターのアルペジオがまた印象的。
この曲だけむしろ、90年代以降の曲の面影を強く感じます。
僕みたいなファンへのサービスかな(笑)。
潜水艦だから暗いのか・・・!?・・・

Tr10:Horse To Water
ラストへ向けてフルスロットル再開。
流れるようなサビのメロディがいい。
なんといってもとにかくスリリングでかっこいい。
今のところこのアルバムで僕がいちばん好きな曲。

Tr11:I'm Gonna DJ
最後がいちばん盛り上がる、まさにライヴ感覚!
会場全体で歌える曲。
そしてあっという間にアルバムは終わり。



こちらのリンクは海外盤。
国内盤のリンクは左外にあります。

このアルバム、深みがある曲はないけど、
曲のフックが適度に心地よいものばかりで、
しかも前作と違っておしなべてみんな明るく、
聴きやすさという点では前作の10倍以上でしょう。

そして、若々しい彼らに接しているその瞬間は、
音楽は「芸術」ではなく「体験」と化しているのであって、
ロックのライヴ感覚が「体験」できる、うれしいアルバムです。

でも。
正直、僕にはそれ以上の存在にはなりにくいかな。
聴き込んでも、自分の気持ちになりきれそうな曲はないです。

もう10日以上聴いてきていて、いくら年で頭が固くなったとはいえ、
だいたいの感じは固まってきているのですが、
その上で、そう感じています。

だけど、そういうアルバムもあってもいいんでしょうね!

車には合います!
だけど、アクセルふかし過ぎにはご注意くださいね(笑)。



・・・写真はなしと思ったけど、最後に1枚、
携帯で撮った写真を整理していたところ出てきたものを。

02


羽幌で食べたラーメン。
だし系のあっさり醤油。

ラーメンの中にR.E.M.がいるんですよ!
ラーメン=Ramen→「R」「E」「M」

いや、ただそれだけですが・・・


  


Posted by guitarbird at 23:29R.E.M.

2014年04月09日

COLLAPSE INTO NOW R.E.M.

01


COLLAPSE INTO NOW R.E.M.
コラプス・イントゥ・ナウ R.E.M.
 (2011)

本体BLOGの音楽記事はビートルズ以外では久し振り(笑)。
今回は、R.E.M.の3月に出た新譜について話します。
僕が今年買ったロック系の新譜はこれが初めて。

一昨年の前作ACCELERATEは、勢いだけで突っ走っていて、
それはそれで聴いている瞬間は気持ちよかったんだけど、
後に残るものが少なかった、これが今にして思う正直なところです。
聴いている瞬間瞬間はとっても楽しいアルバムで、特に夏場に
車で聴くにはかなりいいです。
でも、その場で終わってしまう花火みたいなアルバムでもありました。
前作はそもそもが原点回帰をして初期の力を取り戻そうというのが
メンバーの合言葉でもあったので、それはそれで構わない。
でも正直、彼らがWarnerに移籍してからずっと聴いてきた僕にとっては、
なんと言ったらよいのか複雑な思いのアルバムではあります。
まあ、そうは言いつつも、この記事を書くにあたって聴き直すとやっぱり、
聴いている瞬間にはそれなり以上によいと感じますけどね(笑)。

勢いだけだった以上に前作に足りないものがありました。
「湿り気」。
暗い曲はあったけど、彼ららしい「湿り気」はなかった。
今度の新作では、うれしいことに、「湿り気」が戻ってきています。
元気なだけではその場で過ぎていってしまうけど、後ろ暗いところが
少しあってはじめて印象に残る。
R.E.M.はまさにその典型みたいな存在だから、余計に。
やっぱりR.E.M.は湿ってないと(笑)。

それに伴い、曲も今回は彼ららしくバラエティに富んでいます。
こうなるともう前作は意図的にいろいろなものを排除しまくった
としか思えないですね。
曲がいいので僕は、やはりすぐに気持ちが入ってゆきました。

ただし音的には、張りが強くてちょっとハードなギターを中心としていて、
1曲目のイントロのギターを聴いた時は、かすかに不安に陥りました。
でも、聴き進めてゆくとアコースティック・ギターもあってひと安心。
原点に戻った前作は単に通過しただけではなく、それを踏まえた上で
前に進んでいることが分かって心強くもあります。
つまり、前作は原点回帰のようで実はそれ以上に戻り過ぎていた、
R.E.M.の元々の音はむしろこうなのだと思わせる音作りです。

しかし、このアルバムはしかしやただが多いのですが(笑)、
今作は、前前作に充満していた重たく張り詰めた空気感ではない、
湿っているけどどこか軽さを感じさせる音になっています。
アレンジもさらっと仕上げてあまり練り上げている感じもしません。
グラウンドが狭くなったというか、世界を広げすぎていないというか、
やれることはやりつつ、音世界はコンパクトにまとめられています。
それは否定的に言っているのではなく、手を広げすぎずにさらっと、
シンプルに味付けして作ってみようという心構えだと思います。
前作の意気込みは前前作の作り込みすぎを反省してのものだったから、
それは当然のこととして受け止めています。
また、音楽のみならず実社会の問題としても話しますが、
これからの時代は「ダウンサイジング」が重要なキーワードになるはずで、
だから彼らはやはり時代の先を行っているのかもしれませんね。

簡単に言うとこのアルバムは、Warnerの前のI.R.S.時代に戻りつつ、
そこでやりたくてもできなかったことを追体験している感じがします。
これが、彼らが築いてきたキャリアが「崩壊した上での今」なのでしょう。
まだまだ前に進み続けている彼らには敬服するばかりで、
ファンとしてそれはとっても支持しています。

ただし、て、またそれかい(笑)、僕はWarnerに移ってから
ファンになった人間であり、練り上げられた曲も大好きだから、
いつかまた今から先に進んでその頃の音に「戻って」ほしい、かな(笑)。
まあ、こうなったら僕も、彼らがどう進んでも死ぬまで支持し続けますが。

ともあれこれはかなりいいアルバム、今でも毎日聴いています。


02 なぜか熊本産プチトマトと撮影
 

Tr1:Discoverer
高音で鳴り続けるギターの音で幕を開ける。
マイケル・スタイプも張り切りたいところを押さえた感じで歌い始める。
歌メロの最後の"now"という部分は、そこまでずっと音が高かったのが、
急に地下に潜るみたいに低音になり、またそこから音がせり上がり、
最後は声を思いっきり伸ばすのが面白くて印象的。
それは空に向かって叫ぶような、すがすがしさの中にある僅かな虚しさ。
先ほどは心配とかいたけど、1曲目としてはかなりいい。
というのもR.E.M.は、アルバム1曲目は少し外した曲を置くことが多い
と僕は感じていたんだけど、今回は割とまっすぐに入ってきたから(笑)。
パティ・スミス Patty Smithが参加しているのも、
原点に戻った上での再出発を象徴しているかのよう。
そしてタイトルの「発見者」も新たな宣言と解釈できます。
なおパティ・スミスはTr12にも参加しています。

Tr2:All The Best
これはつなぎというか1曲目の印象を受け継いで少し変えつつ、
次への変化に備えている感じの曲。
だからといって曲はもちろんいいんですけどね。

Tr3:Uberlin (Uの上にウムラート)
この湿り気を聴いてほっとしました。
ただ暗いだけではなく、ぬとっとした湿り気。
ああ、俺ってなんてだめな人間なんだろう、と思えることが、
僕にとってのR.E.M.を聴くひとつの意味であり価値でもあります(笑)。
アコースティック・ギター中心の間が多い音からもそう感じます。

Tr4:Oh My Heart
しかも湿り気が2曲続くのがほっとするところ。
こちらは湿り気よりはもうひとつの「得意技」、自己憐憫かな。
マイケルは低音で渋く歌おうとしつつどこか空回りしている上に、
バックのコーラスがずれているところにもどかしさを感じます。

Tr5:It Happened Today
落ちたところで彼らお得意の人間応援賛歌へ。
サビでも"hip hip hooray"つまり「フレーッフレーッ」と言っているし、
その後に「はぁー」「おぉーっ」という掛け合い声が長く続き、それは、
子どもの心を持って周りを盛り上げようという気持ちが伝わり感動的。
気持ちが弱い時に聴くと涙が出てくる。
こういう曲に出会えるのも、R.E.M.を聴いていてよかったと思える部分。
本当に彼らの音楽には優しさが溢れています。
そしてさらにこの曲が人間味あふれるものと感じさせる要素として、
パール・ジャムのエディ・ヴェッダー Eddie Vedderが参加、
これも大きいですね、曲も気持ちがうんと昂ります。
個人的にこのアルバムのベストトラックですね。

Tr6:Everyday Is Yours To Win
オルゴール風のこちらは音の響きが優しい曲。
この2曲は今は直接的に被災されたかたがたへの応援歌
という意味合いも感じられて胸に沁み込んできます。
毎日を続けていくと勝てるのですから。
なんとなく彼らの名曲Everybody Hurtsを意識したような曲。

03 今朝の北海道庁赤レンガ


Tr7:Mine Smell Like Honey
ここでまた元気になります。
一聴すると前作の延長線上にある剛球一直線の曲だけど、
音がソフトかつポップに聴きやすくなっている上に、曲自体のうねりも
大きくなってスケール感が上っています。
ボクシングの応援歌みたいな元気が出る曲だけど、
彼らはボクシングが好きなのかな、或いは僕の勝手なイメージ(笑)。
でも何かのライヴの映像で、歌の合間にボクサーの構えの真似をする
マイケル・スタイプを見たことがあるから、あながち外れじゃないかも。

Tr8:Walk It Back
ミドルテンポのポップソング然としたポップソング。
穏やかな歌メロをマイケルが穏やかに歌い続ける。
ヴォーカルのスタイルもだいぶ大人になったと感じさせます。

Tr9:Alligator_Aviator_Autopilot_Antimatter
彼ら一流の言葉遊び感覚がロックンロールで大爆発。
ピーチズ Peachesという女性ミュージシャンが客演していますが、
僕はこの人はここで初めて知りました。
彼らはちょっと変わった声の女性ヴォーカルが好きなようですね(笑)。
いずれにせよ気持ちがどんどん盛り上がっていく曲。
どうでもいいことだけど曲名に"_"を使ったのは今回が初めて(笑)。

Tr10:That Someone Is Now
「あのひとかどの人物は今は」というこの曲が、前の曲から続いた
力強いロックンロールであり、自らを茶化したようであるのはやはり、
くどいようだけど、一度原点に戻った上での前進の意味ととらえたい。
爽やか系で気持ちよい曲が2曲続いて、さてこの後どうなるか。

Tr11:Me, Marlon Brando, Marlon Brando And I
マーロン・ブランドも亡くなって久しいですね。
歌詞を読むとどうやら不眠症に陥った様を描いているようで、
でも、失ったものの大きさや虚しさを感じさせる観念的な曲。

Tr12:Blue
再びパティ・スミスが登場。
曲も1990年代に彼女が参加したE-Bow The Letterを彷彿とさせ、
彼ら自身も忘れかけていた引き出しを開けてみたという感じ。
具体的にはCountry Feedbackに雰囲気がよく似ている。
最後の2曲は暗くて重い上にざらざらとした手触りで、その前の
2曲が逆に軽くて切れがよかっただけ、より重たく響いてきます。
まあ、そういう効果を狙ったのでしょうけど、でも、
このままで終わるとちょっとつらいなぁ、と思ったら・・・

1曲目の明るいギターとヴォーカルの部分が再び始まって、
気持ちが高ぶり、あくまでも前向きに終わろうとしています。
よくある"reprise"ものという感じだけど、ちょっと強引かな、
アレンジに凝らなかったことのマイナス面が出ているかな
と思わなくもないんだけど、ここはひとつもっと素直になって(笑)、
彼らの前向きなメッセージをそのまま受け止めて終わりたいですね。



このリンクは国内盤で通常ケースのものですが、
デジパックの海外盤のリンクは左外にあります。

繰り返しになりますが、このアルバムはとってもいいんだけど、
名作を連発した90年代の頃のように「凄くいい」という感じではなく、
「それなりだけどやっぱりいい」という感じに落ち着きます。
彼らも年を取って年相応になったといえばそうかもしれないし、
聴き手も年を取った、そうかもしれません、そうだと思います。
しかし、このアルバムは、R.E.M.自身にとってもファンにとっても、
落ち着き過ぎず若すぎず、ちょうどいいところに収まった感じがします。
だからこのアルバムはこの先もずっと聴いてゆけそうです。
前作で「無理に」若く装って崩壊させたものが生きてきていて
その意味ではやはり前作の意味も大きかったと再認識しました。
そして前作をまた聴いています(笑)。

さて、最後に。

このアルバムは別BLOG(こちら)では既に取り上げていましたが、
その翌日に大地震が起こり、別BLOGも始めてすぐに休みました。
しかも、このタイトルにCollapse=「崩壊」という単語が入っているため、
僕は一種の自己嫌悪に陥り、アルバムも数日は聴きませんでした。
でももちろん彼らはそれを意識して書いたわけでもなく悪意も何もない、
まったくの偶然であり、誰も悪くはないんだと漸く思えるようになり、
アルバムを聴き直すと、前よりもうんとよく聴こえてきました。
特に本文でも触れた5曲目は勇気づけられる曲だと。

R.E.M.も大地震のチャリティ・アルバムSONGS FOR JAPANに
曲を提供したり、マイケル・スタイプがアメリカのラジオの大地震の
チャリティ番組に出演して電話で聴取者と話し募金を呼びかけたり
という話を聞き、やはり僕は彼らを信じていてよかったと思っています。

そんな彼らだから、やはり本体BLOGでも紹介したくて、
リリースからひと月、やっと記事を上げることができた次第です。

04


ここから先は、朝日へと続く道のり

  


Posted by guitarbird at 17:54R.E.M.

2014年03月02日

UP R.E.M.

いつものように
写真へのコメントも
大歓迎です!


今まででいちばん短いアルバム記事のタイトルでしょうね(笑)。

R.E.M.の新譜が出るまであとひと月。
そろそろ落ち着かなくなる頃です・・・

01


UP R.E.M. released in 1998

人間誰しも、
飽きるというか、「倦怠期」というか、
あると思うんです。


ビートルズが大好な僕も、中2で聴き始めて、
大学1年だから(1浪含め)、6年目くらいかな、
他のロックをむさぼるように聴き始めた頃には、
正直、あまり聴きたくはない、という時期がありました。

ただ僕の場合、幸運だったのは、
中学時代からの「ビートルズの親友」がいて、
彼は高卒で就職しましたが、一緒にドライブをするようになると、
その彼は車ではビートルズとジャーニーしか聴かなかったので、
ビートルズから離れるということはまったくなかったことです。

他に幾つか、マニアックな事情もありました。

そしてさらに僕の気持ちがぐいっと戻ったのは、
ちょうど心が離れかけた頃にビートルズのCDがリリースされ、
CDによって魅力を再発見した
、ということ。

後になって、心が離れていた時のことを「後悔」し、
自分がまるで裏切り者であるかのように感じたものです。

02 


R.E.M.にもそんな時期はもちろんありましたが、
それがちょうど、このアルバムがリリースされた頃でした。


R.E.M.は、1989年にGREENのCDを買って聴き始め、
1990年のOUT OF TIMEで大好きになり、
1992年のAUTOMATIC FOR THE PEOPLE
ビートルズ、Zepの次に大きな存在となりました。
どこを契機とすればいいのか分からないですが、
でもひとまず1990年として数えると、
R.E.M.の場合、8年目に「倦怠期」が訪れています。

ついでにいうと、レッド・ツェッペリンにもありましたが、
これは、人間である以上仕方のないことなのだと僕は思います。

だからこのアルバム、第一印象が良くなく、
それどころか、リリース後すぐに聴かなくなりました。
それはある意味、大好きなR.E.M.に対して、
これ以上悪く思いたくない、という防衛でもあったのでしょう。
でも今にして思えば、やはり、後悔の念が・・・

03


ただ、R.E.M.の場合、もうひとつ、
「倦怠期」が訪れた重要な理由があります。
そう、R.E.M.史上最も大きな出来事が。

ドラムスのビル・ベリーの脱退。

ショックでした。
あのひょうひょうとした味のあるビルがいなくなるなんて・・・

前のアルバム(そいえばまだ記事にしてなかった・・・)の後、
ビルは、主に体調面を理由に脱退してしまいました。
決して仲が悪くなったということではないのが、
ファンとしてはせめてもの救いでしたが、しかし一方、
病気ということで、心配も逆に増えました。

なお、ビルは、
一昨年発売されたI.R.S.時代のベスト盤の編集に参加し、
久しぶりに姿、というか名前を見せてくれて、ちょっと安心しました。

まあ、そんなこんなで、このアルバムは、
リリース後数年して、具体的にいえば次のアルバムが出てから
ようやく聴き込んだ、といういわくつきのアルバムです。

ファンとしてはほんとは、
そんな恥はさらしたくないのですが(笑)、
事実だから、これはしょうがないことです。

今は好きですよ、大好きですよ。

そして今、ここ数日、これを聴きたい気分でもあって。

そう、気分、気分です。
これを聴いて最初に思ったこと。
「なんて暗い、沈んだ、落ち込んだ音楽だろう・・・」
倦怠期にそれでは、心も離れるというものです。

しかし。
心が離れたようでいて実は、
これは、僕の心に近いものであったようです。

04


Tr1:Airportman
空港の様子を音で表したもので、歌というよりは台詞が入った、
半分インストゥロメンタルの曲。
雰囲気はまさに空港そのもの、見事!
昨日、空港帰りの車でこのアルバムを聴いただけに、なおのこと!
だが、これが1曲目でいいのか?
リリース当時、一聴してそれが引っかかりました。
今でも引っかかってますが。


Tr2:Lotus
Tr1を前奏曲と考えると、実質これがアルバムオープニング。
しかし、これがこういう位置にあっていいのか!?
Tr1以上に僕は混乱し困惑しました。
重くて暗くて粘ついた「怨念の塊」みたいな曲・・・
僕は、アルバムの最初の曲は、基本的に、明るいか、
そうじゃなくても、ABBEY ROADCome Together
LED ZEPPELIN IIWhole Lotta Loveのように
攻撃的であって欲しいと思っています。
あ、そうか、この曲は、攻撃的ではあるか・・・


Tr3:Suspicion
打って変わって、少なくとも曲調は明るい、
前向きさを感じさせるソフトなバラードの佳曲。
これはいいね。和むし。
前の曲と並ぶと、和み効果絶大。
タイトルがネガティブな言葉ではあるけど、
それを楽しんでいるような気持ちの余裕も感じられます。


Tr4:Hope
これも明るくて前向きな、アップテンポの軽快な曲。
なぜか気分がいい朝に、いつもの通勤列車に乗って外を眺めると、
いつもとは少し違って魅力的な眺めに見える・・・
というようなイメージを、僕はこの曲に対してずっと持っています。
2曲続けて、彼らの優しい視線を感じます。


05



Tr5:At My Most Beautiful
R.E.M.でもっとも美しい曲、と断言!
この曲はビデオクリップもあるんですが、
このアルバムの頃はもうMTVを観なくなっていたので、
そのビデオクリップの存在を知り、初めて観たのは、
3年前に彼らのビデオクリップ集のDVDを買った時でした。
この曲だけは最初から大好きでしたが、この曲に対して、
不器用だけどしっかりと前向きに生きている人を応援する、
みたいなイメージ
を持っていました。
そして、3年前にビデオクリップを観て驚きました。
まさにその通りの内容だったんです。
具体的にいうと、彼らがこの曲で使うチェロを演奏する人を
オーディションで募集するという設定の物語もので、
その1人の女性がオーディションに向かったところ、途中で転んだり
ひったくりに遭ったり喧嘩に巻き込まれたり車に泥をはねられたりと
さんざんな目に遭い、オーディションに遅刻してしまいます。
しかし彼ら、マイケル、ピーターとマイクは、遅れた彼女を待ち続け、
ほうほうの体でようやくやって来た彼女の演奏を聴いて気に入った、
そして彼女は颯爽と帰って行く、というもの。
彼らの温かさを最も感じる曲でもあり、名曲です!
今でも時々聴いていると涙が出そうになります。
そう、優しさは、美しさなんだ。


Tr6:The Apologist
と思ったところ、沈んだやるせない曲が・・・
もちろんアルバム全曲が同じイメージである必要はないけど、
この変わりようがまた、当時困惑した理由だった気がします。


Tr7:Sad Professor
彼らの音楽の特徴のひとつが「無邪気さ」だと思います。
いたずらっ子っぽい、しかし温かみがある眼差しで物事を見つめ、
それを明るい曲調で表現すると、まさに「無邪気」になります。
Tr4とこれが、今回では無邪気さを強く感じる曲で、ほっとします。
もちろん、皮肉たっぷりの視線も込めてますが。


Tr8:You're In The Air
これはTr5とは違った美しさを感じます。
ギターのアルペジオは、美しさを引き出すものですね。
ナイーヴさというか、耽美的というか。
切なさもまた、美しさでもあるんだなぁ。


Tr9:Walk Unafraid
このアルバムはそもそも、タイトルの言葉からして
不安な、沈んだ、重たい、暗い気持ちになるものが多いです。
「Un」afraidですが、これは強がっているようにしか聞こえない。
イントロのギターの音が、不安をさらにかきたてます。
そんなに弱さを見せてどうするんだ、って・・・


Tr10:Way Not Smile
フォーク弾き語り風に静かに始まり、だんだんと
ノイズも含めたいろいろな音で盛り上がる曲。
まさに「サウンド」という言葉がぴったりの音楽。
この曲だけ取り出すと明るく聞こえるけど、ここまでくると、
前向きなのかそうじゃないのか、もはや分からなくなります(笑)。
でも、次の曲へはうまくバトンを渡している気はします。


06



Tr11:Daysleeper
いつもいう(笑)、ディラン風フォーク調のワルツ。
このアルバム最初のシングルカット曲。
昼間に寝ているという曲がいちばん明るいのは、これいかに(笑)。
ミュージシャンは生活サイクルが12時間ずれてるとはよく聞くけど、
こういう仕事だと、そういう気分になるんでしょうかね。
ただ、僕も以前はよく、夜中に友達とドライブしていましたが、
空が白み始めた頃のすがすがしさは、なんともいいものであり、
そういう点では、気持ちが入りやすい曲ではあります。
と思いつつ、今は逆に、鳥見で未明に起きることがよくあるので、
今もまた、そのすがすがしさがよく分かります(笑)。


Tr12:Diminished
そしてこの曲にトドメを刺す!
消えちゃうんですよ!!
失敗したり、、自分はダメな人間だなぁと思ったり、
或いは冷遇されたり、バカにされたり、無視されたりという時、
こんなにも気持ちに寄り添ってくれる曲はありません。
カタルシス度満点。
自己憐憫の塊。
よくもこんな心の底まで響く音楽を表現できるなぁ、と。
倦怠期に出遭ったからこそ、逆に強く響いてきました。
そしてやっぱり彼らとは離れられない、と思った曲でしょうね。
でもやっぱり美しい!
マイケルのささやくようなつぶやくような、そして悲しげな声。
ベースの音が、歌と同じくらいにいろいろ語ってくれます。
そして、こんなに悲しい響きのスライドギターもない!
さらには、一度終わったと思わせて、
マイケルの悲しげなつぶやきが戻ってくる・・・
それにしても、絶望というか、すっごく暗い曲で、
前向きでうまく行っている人には絶対におすすめできません(笑)。


Tr13:Parakeet
これ、実は、当初はTr12と区別がつかず、
一緒の曲だと思ってました・・・
でもこの2曲は明らかに、2つで1つという感じだと思います。
ヴァースの部分の頼りなさ、サビの部分の切なさ・・・
やっぱり、切なさもまた美しさなんだな。


Tr14:Falls To Climb
最後は、絶望の淵でようやく声を絞り出したような
強がりでもいいから前向きになろうという意図を示した曲。
救いを求めているようで、ある意味ゴスペルっぽい感じも。
バラードだけどバラードじゃない。
歌だけど歌じゃない・・・なんのこっちゃ!?
ロックもまたひとつの立派なエンターテイメントであり、
「商業芸術」であって、聴く人からお金を貰うものだから、
最後まで沈んでいるのは申し訳ないという、
これもまた彼らのひとつの優しさ、温かさだと思います。

ふぅ、ようやく終わった。



と書くと、あまりいい印象を持たれないかもしれませんね。
アルバムのジャケットも寒色系だし・・・

しかし僕は、最初は嫌がっていた、その部分がまさに
聴き込めば聴き込むほど大好きな部分にもなってきました。
いや、好きじゃないな、やっぱり(笑)。
自分と近しい部分、というべきかな。

僕は自信家でもないし、前向きではあるつもりだけど、
でも、前に進むために必要以上に立ち止まる人間です。
ミエでも空威張りでもはったりでもいいから、
もっと自分に自信を持ったほうがいいと思うこともあります。
もちろん思うだけですが。
そして時々、かなり落ち込みます。
誰にでもあることかもしれませんが。

そんな時にこのアルバムを聴くと、
自分の弱い部分を見せてくれる気がします。
自己憐憫は好きじゃないですが、しかし、
外に出さない形での自己憐憫はままあることで、
そんな気分の時には、彼らの優しさが身にしみます。
そして、そういう現実に向き合う勇気を与えられる気がします。
僕にとってR.E.M.は、その点だけに限れば、
もはやビートルズよりも大切な存在なのです。


もちろん、落ち込んだ時だけ聴くわけでもなく、
逆に曲に気持ちが深入りすることがないほど元気な時、
このアルバムは、表面的なサウンドは心地よい響きなので、
気分よく聴くことが出来ます。


ビリー・ジョエルI Go To Extremes
「異様にハイか極度にロウのどちらかで、中間はない」
という歌詞がありますが、
僕のこのアルバムへの思いは、まさにそんなところです。

07


最後に余談ですが、これと前後して、
シャナイア・トウェインも、ピーター・ガブリエル
同じUPというタイトルのアルバムをリリースしています。
何かの偶然だとは思いますが、
それはもしかすると、時代の流れの中の言葉なのかもしれません。

このアルバムは特に、UPというタイトルもあって、
寒々しい青空がよく似合うと思います。
そこで今回の写真は、たまたま、2月のさる日に撮り、
いまだに使い道が見つからなかった青空の写真にしました。

08


最後は、このアルバムの箱入り限定盤。

犬たちの鼻が2つありますが、何かいい臭いでもしたのかな(笑)。

さて、これを聴いて記事にまとめたし、
這い上がるとするか(笑)。

R.E.M.の新譜、早く聴きたいなぁ。

  


Posted by guitarbird at 23:29R.E.M.

2014年01月22日

AROUND THE SUN R.E.M.

いつものように
写真へのコメントも
大歓迎です!


今回の写真はまた、撮るには撮ったけど
他に使い道が思い浮かばない「朝の風景」です。

01


AROUND THE SUN R.E.M.
アラウンド・ザ・サン R.E.M.
 released in 2004

R.E.M.の新譜が出るという情報を得ました。

ちょっと芸がないとは思いつつ、ここは敢えて、
僕が最初にその報に接したネット上のニュースを転載します。

R.E.M.の14枚目のスタジオ・アルバムのタイトルが決定した。
'04年の『Around The Sun』に続く新作は、
“加速する”を意味する『Accelerate』と名づけられたという。

アルバムのサウンドは、タイトル通り“速い”ものになるようだ。
ヴォーカルのマイケル・スタイプは
「この20年で作った中で1番速い」と話している。
「『Around The Sun』の曲も良かったと思うけど、
レコーディングの過程でバンドとしての焦点を失っていた。
今回は、その焦点が戻ってきた。カミソリのように鋭いよ」

バンドのほかのメンバーも、前作リリース後、
「『Around The Sun』にはタイトさもなければロックもしてなかった」
と度々インタヴューで言及していた。
新作でその欲求不満を解消したのだろう。

『Accelerate』は、4月1日に北米でリリース予定。
インターナショナル・リリースは数日早いといわれている


(ニュース元はBARKS、引用者が手を入れています)

02


もはや新譜か、うれしい限り!
話していることからも、内容も期待できそうだし。
10日くらい前になれば、気持ちも落ち着かなくなるかな(笑)。
今も、別の大好きなアーティストの新譜が出るまで
10日を切ったので、実は日々落ち着かないのですが・・・

しかしここは新作の話ではないので先に行くと
僕は、この記事を読んで、軽いショックを受けました。
つまりこれは、こういうことだろう。
前のアルバムは良くない、本人たちも気に入ってない・・・!?

僕の「努力」は、なんだったんだろう・・・

そこで今回は、このアルバムを記事にして
自分の気持ちの整理をつけた上で新作を迎えたい、
ということで、やや急に思いついて記事にしました。

僕は、ここで話題になった前作(現段階ではまだ最新作だが)の、
AROUND THE SUN、嫌いではありません。
普通に好きです。
というか、好きになりました、ようやくのことで・・・

最初に聴いた時はやはり、重たくて暗くて、冷たい感じもして、
少なくとも爽快な気分にはなれないアルバムだな、と。
なにより、大半の曲がとろぉ~としたミドルテンポの曲で、
けだるいというか、しゃきっとしない感覚が、聴いた後に残りますし。

でも、せっかく出た新譜だから、ずっと聴き込みました。
しかし、その間ずっと
「好きにならなければいけない」と思いながら聴いていた・・・
そんなことを、この記事を読んだ時に思い出しました。

そんなことする必要があるの・・・!?

そして少しずつ、1曲ずつ魅力を発見し、いいなと思うようになり、
そうなるとそれまで気づいていなかった、
冷たいようで実はそこに隠された彼らの温かみも
しっかりと感じられるようになりました。


なんでも許してしまう温かさじゃないんです。
本人がしっかりした気持ちになりさえすれば、
僕たちは君を、快く、温かく迎え入れる、という感じ。


反面、この記事を読んで、
僕が最初に抱いた印象や考えたこと、やっぱりそうだったんだ、
と、自分の耳に少し自信が持てた気もしました。

複雑な思いがあるアルバムです。

03


Tr1:Leaving New York
ミドルテンポの落ち着いた曲だけど、
これが最初のシングルと聞いて、正直、
がっかりはしなかったけど、どうかな、と思いました。
曲はいいけど、とにかく寂しい感じがして、
シングルには向かないのではないかと・・・
思えば、最初から違和感があったんだなぁ。
でも、最後のコードが、暗闇の中の明るさみたいで
気持ちがぐっと入ってゆく。

Tr2:Electron Blue
前曲の最後のコードを受けたかたちの
きらきらと輝くようなイントロの音に、ほっとする。
明るめのポップな曲で、マイケルの奔放さもうかがえる、
なかなかの佳曲。

Tr3:The Outsiders (feat. Q-Tip)
しかし。
ゲストを呼んでラップが入っている。
申し訳ないけどラップは好んでは聴かないので・・・
これはこれで聴いていて無理なく出来てるとは思いますが、
これ以上はコメントは控えておきます。

Tr4:Make It All Okay
このアルバムの曲は、とにかく寂しく聞こえます。
実際はそういう曲ばかりでもないはずが・・・
それはある意味、統一したイメージで進められており、
それが成功したのかもしれないですが。
一聴すると大人しいけど、よく聴くと結構ダイナミックな展開で、
好きな曲ではあります。

04


Tr5:Final Straw
いやね、この曲ね、出だしのアコースティックギターがね、
「ムーミン」のスナフキンの「おさびしやまよ~」という
あの曲に結構(とっても?かなり??)似てるんですよ(笑)。

曲自体もそういうイメージですね。
「最後の藁」というタイトルも、やっぱり寂しい・・・
そうそう、この曲の歌詞の
I can't believe where circumstances has thrown me
というくだりが印象的ですが、このアルバムは
ちょっとしたくだりが印象的なものが多いです。

Tr6:I Wanted To Be Wrong
続いてフォーク系の曲だけど、このアルバムで初めて
救われた、落ち着く、癒されるって感じのゆったりとした曲。

Tr7:Wanderlust
イントロと後半部の7拍子が印象的。
アルバムの中ではいちばん盛り上がる形態の曲で、
ブリッジ終わり部分のマイケルの「me,me,me,me」という叫びには、
強い訴求力があり、ヴォーカリストとしての凄みを感じます。
歌が始まって少しは静かに進むのですが、
9小節目の途中から突然音が上がり叫びだし、
以降は力強く歌うのが、強烈な印象を残します。
なお、ポール・マッカートニーに同名異曲があり、
それは僕が好きなポールの曲で五指に入りますが、
そんなことでもひいきしたくなる曲(笑)。

Tr8:Boy In The Well
しかし、前前曲の癒し、前曲の盛り上がりは
まるで嘘だったというかのように、やっぱり重たい出だし。
でもやっぱりほのかな明るさが漂っていて、
それなりに盛り上がる曲ではあります。
ただ、逆にラストのコードが少し暗い・・・
アルバムではいちばん印象が薄い曲かな。

Tr9:Aftermath
このアルバムでいちばん明るいのはこの曲かな。
この流れの中で聴くと、とりわけポジティブに響いてくる。
なんとなく、会ってみたいけどわざわざ連絡を取るほどでもない
昔のクラスメートに偶然会って、楽しい時間を過ごせた、
という感じがする曲、かな(笑)。
彼らの優しさがにじみ出た曲で、
ピアノの響きがそれを効果的にしていますね。
それと、サビの部分のworked it outという歌詞が、
どう聴いても何百回聴いてもそうは聞えません(笑)。
マイケルの発音は、ネイティブでも分かりにくいそうですので・・・
それにしても、記事にするのにまた聴いているけど、
これはほんとに彼らの温かさ、人間味、優しさを感じます。
でも、このアルバムでは浮いているかもしれません。

05


Tr10:High Speed Train
この曲のライヴ版を他のCDで聴いたところ、
テンポは同じものの、もっとタイトでスリリングな感じがして、
僕はこの曲を見直しました(嫌いではなかったですが)。
それを聴いたのは、リリース後1年くらい経った頃でしたが、
後に接した、上掲の引用記事の彼らのコメントが、
いみじくも、僕が感じたことを証明しているな、と。
決死の覚悟で鉄道に飛び乗るかのような、重たい、引きずる曲。

Tr11:The Worst Joke Ever
タイトルからして、悲しいもんなぁ。
サビの部分で鳴り続ける鐘の音が、
ある種、宗教的な響きで、厳かな気持ちにもなります。
同じことを繰り返しますが、このアルバム、
イメージとしては暗い感じの曲が多いですが、
曲のパーツごとにみるとむしろ明るい部分もあって、
この曲はまさにその代表。
それにしても、意味深な鐘の響き・・・

Tr12:The Ascent Of Man
サビが「yeah,yeah」を繰り返すだけなんだけど、
その声を聴いて思いました。
僕はやっぱり、マイケル・スタイプの声は好きじゃないかも・・・
僕の友達によれば、声が好きなのが、
音楽を聴く絶対の条件であり、嫌いなら聴かない、
ということですが、でも僕はR.E.M.が大好きで聴いている・・・
突然始まって突然終わるのが、
なんだか気持ちの整理がついていない、という感じ。
サビの対位法はなかなか素敵。

Tr13:Around The Sun
太陽を歌っていながら、ほの暗い感じがするのが、
ザ・ポリスInvisible Sunと共通するものがあります。
曲自体も結構似た感じ。
暗い中で太陽に当たるとどうなるだろう・・・というイメージか。
曲の出来としてはこのアルバム随一でしょうね。
じわじわっと盛り上がって、一度ブレイクしてから
余韻を引きずるように、静かな、厳かな感じで終わるのが、
その時の気分によっては、感涙もの!



曲に統一感があるせいか、
聴いていると時間が速く経過したように感じるアルバムです。

さて。

「好きになろうとしていた」なんて、
音楽に対して、そこまでする必要はないのでは・・・


自分でも、そう思わないこともないですね。

好きな音楽を、聴きたい音楽を聴いていればいい。
確かにその通りだと思うし、作り手からすれば、
気に入らないのをわざわざ聴いてほしくもないのかもしれない。

だけど。
大好きなバンドに対して僕が出来ることは、
たとえ気に入らなくても、新譜を聴き続ける・・・

それしかありません。
やっぱり、好きにならないといけない。
あまり自分にとっては好ましくない面があっても、
それを見逃したり無視したり目をつむるだけではいけない・・・
そういう使命感を持って聴いていたように思います。

その努力(というのか!?)が実り、
今でははっきり、好きといえるアルバムにはなりました。

でも、そういう経緯がある以上、
僕にとってのこのアルバムの真価は、
次のアルバムが出た時に見えてくるかもしれません。


仮に、次のアルバムがとっても気に入った場合、
やはりこのアルバムは聴く機会が今後は少なくなるかもしれない・・・

逆に、次のアルバムがそうでもないと感じた場合は、
このアルバムは相対的に評価が上がるかもしれないし。

でも、こうして書き上げてみると、
今と変わらないような気もしてきました。
だって、R.E.M.はR.E.M.でしかないから。

ああ、すっきり。
これで新たな気分で新譜を聴くことができるぞ!

06


そうそう、最後にもうひとつ。

このアルバム、いかにも冬って感じがしますね。
それは、秋にリリースされて、冬に向かって聴いていたという
当時の事情もあるのですが、
それ以上に、音楽的に、冬、ですね。


  


Posted by guitarbird at 23:29R.E.M.

2013年11月27日

RECKONING R.E.M.

いつものように
写真など音楽に関係ない書き込みも
大歓迎です!


デラックス・エディションが出ると
それまで取り上げていなかったアルバムを紹介する
ということがこのところ多くなっていて、
また近々それがある予定です。
まあ、聴き直すにはいい機会ですから。

01


RECKONING R.E.M.
レコニング R.E.M.
 released in 1984

R.E.M.の最新のライヴアルバムがとても気に入った!
ということは既にこちらの記事で熱く語りました。
ほんと気に入ったんですよ!
2時間半あっていつも聴き切れるわけではないのが唯一の欠点、
というくらいに大好きです(笑)。

その記事において、「前期」が本格的に好きになった勢いで、
「前期」のアルバムも近々記事にすると宣言していました。
今回は、それ、2ndアルバムのRECKONING
このアルバムのデラックス・エディション2枚組が出ました。
というのはもう6月、5か月も前のことですが、
その間はいろいろと忙しくて記事が先送りになっていました。
でもまあ、結果として、当時はライヴ盤が出ることは知らなくて、
そのライヴ盤の後になったので、よかったのでしょうね(笑)。
なお、1stアルバムの
MURMURのDEが昨年11月に出ていますが(記事こちら)、
今後も、3rd、4thと続いてリリースされるのか、楽しみです。

これは、1984年の彼らの2枚目のアルバムですが、
1984年、僕は高校2年生、既にロック人間と化していましたが、
このアルバムのことは、まったく何も覚えていません。
それどころかR.E.M.というバンドですら当時は知りませんでした。
彼らを知ったのは、1986年に、The One I Loveがヒットし、
ベストヒットUSAなどMTV番組で取り上げられてからのこと。
最初は、特に日本での扱いは小さかったのでしょうかね。
僕はあまり積極的に雑誌の情報を集めるほうでもなかったし、
レコード店でアルバムを見て印象に残ったということもありません。
思い出が何もなく、ゆえにあまり話せることもなくて、だから今回、
曲紹介までの間が異様に短くなってしまいました(笑)。

もちろんそれは仕方ないことですし、無理に長くする必要もないですが、
でも、いくらなんでもそれでは僕としてもつまらないので、今回は、
ギタリストとしてのピーター・バックの魅力に着目してみました。

ピーター・バックというギタリストは、
リードギターでぐいぐいと引っ張って目立とうとする
ギターヒーロー的な「バカテク」(もう死語か)ギタリストとは程遠い、
演奏のバックでこそ活きるタイプのギタリストです。
その点、ザ・ポリスアンディ・サマーズと同じタイプですが、
でも、アンディはそれはそれとしてテクニックも優れています。
あ、いや、もちろんピーターが下手だというつもりはないのですが、
でも、ピーター・バックのギターワークには、
アンディ・サマーズのような緻密に聴こえるという感じはなく、
アドリブとまではいかないですが、曲の流れや感興に応じて、
積極的にいろいろな音を出す工夫に長けていて、

そこが、ただ上手いだけの人よりも親近感を覚える部分です。
なお、アンディの緻密に聴こえるプレイもすごいと心底思いますが、
僕は、こういうタイプは好きだからそうじゃないものは好きじゃない、
とはならない、何でも貪欲に好きになるタイプです、念のため。
話は戻って、ピーターは主に
リッケンバッカーのギターを使っていましたが、
リッケンバッカーといえばやはり思い出すのがジョン・レノン
ピーターは、まさにジョンから「アイディアと創意工夫」を受け継ぎ
或いはジョン以上に表情豊かに聴かせるギタリストでしょう。
そんなピーターのギターワークは、人間的な魅力が溢れていて、
とにかく聴いていて楽しくなるものです。
武道館のコンサートで実際に見た時も、曲の間のMCで
マイケル・スタイプがメンバーを紹介する際に、ピーターが
メンバーに応じてちょっとしたテーマ曲をギターで入れていたように
飄々としつつ小さな笑顔は欠かせない、ユーモアたっぷりな人。
僕は、好きなギタリストのひとりには必ず
ピーター・バックの名前を挙げるくらいですが、ここでは、
ピーターのギターワークに注目して聴いてゆきます。


02 11/25、ウトナイ湖にまだホオジロがいてちょっと驚き



Tr1:Harborcoat
ビル・ベリーの軽快なドラムスから始まる、
いかにもアルバム1曲目という軽快なR&Rでスタート。
アップテンポだけどサビは音を伸ばすという独特のスタイル、
そしてサビのコーラスもなんだか合ってないように感じるのは、
彼らの人を食ったところが早くも全開。
よく聴くと当時流行っていたスカで、ピーターのギターも
時々あざといくらいにスカを強調した裏打ちになります。
最初からいい感じでギターが鳴っています。


Tr2:7 Chinese Bros.
童謡みたいに歌うギターフレーズのイントロから心を掴まれます。
実は僕は、ライヴ盤を買うまで、この曲はタイトルを知らなかったので、
まったく中国風とは思っていなかったのですが、それもそのはず、
演奏も旋律も決して中国風には感じないです(負け惜しみじゃなく)。
そういえばデヴィッド・ボウイChina Girlも、イントロくらいでしたね、
中国風かなぁ、と感じさせる部分は・・・
ヴァースの部分はイントロのフレーズがそのまま演奏され、
サビでアルペジオに展開、さらに間奏では低音弦のリフと、
小刻みに曲の進行に合わせていろいろな音を聴かせる、
これはピーターのプレイの一つの典型ですね。


Tr3:So. Central Rain
こちらはイントロからアルペジオ。
しかしこれは歌が始まるとギターの音がぐっと小さくなりますが、
他の曲ではそこまでは小さくならないのがまた面白いところ。
サビのSorryというところはとにかく印象的、少しじわっと系の曲。
最後のマイケル・スタイプの叫びは、ちょっと苦しそう。


Tr4:Pretty Persuasion
最新のLIVEでは見せ場だった、彼らの代表曲のひとつ。
この曲もギターの聴かせどころは満載で、イントロが先ず
高音で大きな音のアルペジオによる激しく攻撃的なフレーズ。
サビではザクザクと鋭く刻み込みスリリングな音を出し、
ヴァースとサビのつなぎの部分のほの暗い部分では
とろぉんとしたコードを奏で、ますます曲に表情がつきます。
イントロにハーモニカがスパイス程度に入っているのも面白い。
全般的にフラストレイションのようなものを感じる響き、
R.E.M.一流の「上滑りするロックンロール」の代表曲。


Tr5:Time After Time (Annelise)
最初に聴いて、R.E.M.も「普通の」バラードを書くんだ、と驚いた曲。
逆にいえばR.E.M.らしい「ひねり」がないともいえますが、
しかしこれは名曲といってよく、曲の力が外野の声をねじ伏せます。
じわっと聴かせるバラードで、マイケル・スタイプの声がしみてきます。
ピーターのギターは、イントロでジャーンとコードを奏でる際に、
弦のブリッジに近い側を弾いて固い音をだしているように聞こえ、
それがなんだか気持ちを引きずっているように感じます。
曲の前半は単音をずっと奏でるだけですが、
それにさえも表情がついていて引き込まれます。
そしてサビではアルペジオを少し入れますが、ピーターは、
強引にアルペジオを入れるのが好きみたいです(笑)。
ともあれ、前期の名曲のひとつでしょう。


03 ギンドロ=ウラジロハコヤナギの葉は裏が銀色



Tr6:Second Guessing
いつも僕がいう「照れ隠し」、深刻なバラードの後の軽い曲。
ギターもヴォーカルも楽しげに跳ねてますが、この曲では、
マイク・ミルズのベースの浮くような高音の連続がまた印象的。
しかし僕は最初に聴いた時、この曲のさびの
「ぶうぅ~ふぅ~ふぅ~」と唸るだけというのはいかがなものか、
と思ったものですが、後になって僕は、
マイケルは、無邪気さをうまく表現できるヴォーカリスト
だと思うようになりました。
そしてもちろん今はこの無邪気さが大好きです。
これは最新ライヴではより印象的に聴こえてくる曲。


Tr7:Letter Never Sent
この曲は小躍りするようなギターリフによるイントロで始まり、
マイケルが歌い始めて少しして「ふぅ~ふぅ」という掛け声とともに
またザクザクとコードを刻んでゆき、アルペジオも入り、
いろいろな音を聴かせ、やはりピーターの芸の広さや深さを感じます。
ミドルテンポの曲全体もわくわくしながら物語を紡いでゆくような
楽しい雰囲気に包まれています。
送られなかった手紙には、何が書いてあったのかな(笑)。


Tr8:Camera
これもじわっとしみてくるバラードではありますが、
Tr5と違って明確な歌メロよりは雰囲気で聴かせる曲。
サビもじわっとそれなりに盛り上がる感じですが、
マイケルの頼りなげなヴォーカルに喝を入れて支えるような
強いギターがまたとても印象的です。
そして引っ張るだけ引っ張り、最後はあっさりと終わる・・・
と思ったところで突然ラテン調のジャムセッション風の音と、
マイケルのとぼけた声が入り、やはり「照れ隠し」、
これはロックには欠かせないものだと分かります。


Tr9:(Don't Go Back To) Rockville
サビがとにかく印象的な作りとしてはシンプルな曲。
ホンキートンク調のピアノがすっとぼけた感じでいい味わい。
この曲はピアノが主で、ギターはアコースティックによるコードの副、
だからつなぎの部分にだけ出てくるエレクトリックギターの
ちょっとしたフレーズがまた印象的です。
そのピアノはマイク・ミルズの仕事で、さらにこの曲では
マイクのコーラスが他の曲よりも大きく聴こえますが、
多分これは、マイクが中心となって作曲したものでしょう。
というのも、マイクは後に時々リードヴォーカルをとるようになりますが、
それらはだいたいこのような、ストレートであまりひねりがなく、
ちょっと以上にカントリー調の曲だからです。
ビートルズGood NightキッスGod Of Thunder
クイーンRadio Ga-Gaのような例外も多くありますが、
複数の作曲者がいるバンドでは、リードヴォーカルをとる人が
その曲を作曲したと考えてよいと思います。
ともあれこれは彼らも好きなようで、ライヴでもよく演奏される、
前期の代表曲のひとつに挙げられる曲です。


Tr10:Little America
これはまた明確な旋律を持つギターリフで始まり、
歌が始まってもギターはそのメロディを奏で続け、やはり芸が細かい。
歌メロにおっそろしく抑揚がないのは、人を食った彼ららしいところで、
この無邪気さともども、彼らにしか出せない味。
まあだから、鼻歌には向かない曲、と断言しますが(笑)。
そしてこれも一度終わって、謎のジャムセッション風の音と、
くぐもったマイケルの声がフェイドインして復活します。
遊び心も満点ですね。


 

左が今回のデラックス・エディション、右が通常盤のリンク。

とまあ、終わってみれば、彼らの代表曲が3曲ある
充実したアルバムであることは分かりました。

DEの2枚目、肝心のボーナスディスクの内容は、
完全な未発表音源である当時のライヴが収録されています。
ファンにはうれしいですね。
曲目を書き出しました。

LIVE AT THE ARAGON BALLROOM
CHIKAGO, IL, JULY 7, 1984
Femme Fatale
Radio Free Europe
Gardening At Night
9-9
Windout
Letter Never Sent
Driver 8
So. Central Rain
7 Chinese Bros.
Harborcoat
Hyena
Pretty Persuasion
Little America
Second Guessing
(Don't Go Back To) Rockville

もちろんこのアルバム、前のアルバムからの曲が中心ですが、
次のアルバムの収録曲も積極的に演奏していて、
若い頃の意気込みと勢いを感じますね。

発掘音源ということで、今年のライヴ盤とは出来は違います。
まあ、年代が違うので当たり前でしょうけれど、
新しいライヴのほうが当然聴かせるのがうまくなっています。
ライヴ盤は、一応、コンサートの模様を録音してはいますが、
なんらかの手を施して売れるようにしている、ということでしょう。
でもそれがいけないとは僕は決していいません。
聴いていて気持ちよい質の高い音楽を提供するのは、
プロの、しかも売れっ子のバンドであれば当たり前でしょうから。
まあそれでも、ここすごい、ここ面白い、といったことや、
上手くなるのと引き換えに失った「若さ」がありますし、
ファンにはそれなり以上に楽しめるライヴではあります。

04 CDの一部が隠れたためにアウトテイクになった写真


ところでこのジャケットですが、多分、なのだと思います。
でも僕は、買ってすぐの頃は暫く、
人間の腸を絵にしたものだと思っていて、
さすがは人を食った彼ららしいと・・・

でも、よく考えると、蛇でも十分、ですかね(笑)。

いずれにせよ、お世辞にも
あまりきれいとは言えない絵ですかね・・・

それと、アルバムタイトルRECKONINGとは、
「勘定、予測」という意味ですが、
何を予測したのでしょうかね・・・
この単語はこのアルバムで初めて聞いて知りました。
  


Posted by guitarbird at 22:54R.E.M.

2013年08月24日

REVEAL R.E.M.

01


REVEAL R.E.M. released in 2001
リヴィール R.E.M.

今回はR.E.M.、まさにこの季節を心象描写したアルバムを。

僕は、洋楽は基本的に季節感があまりないものだと思っています。
ただし、クリスマス関係だけは別ですが。
日本のヒット曲は季節感があるものがよくあると思いますが、
洋楽では、少なくとも僕のリアルタイムの1980年代以降では
日本のように明らかなものはあまり思い当たりません。
もちろん、つぶさに見れば季節感がある曲はたくさんあります。
ビートルズのHere Comes The Sunは春、
ブライアン・アダムスのSummer Of '69は夏、
レッド・ツェッペリンのRamble Onは秋、
サイモン&ガーファンクルのHazy Shade Of Winterは冬
といった具合で、特に夏の曲は多いように思います。
上記の例でいえば、Zepのはその曲が入ったアルバムは10月、
S&Gのそれはシングルとして11月リリースで季節に合っていますが、
ビートルズのその曲は9月、ブライアン・アダムスは10月、
という具合に一貫性がありません。
ただし、ブライアン・アダムスのその曲は、アルバムの翌年の夏に
シングルカットされて大ヒットしたということがあるように、
季節を意識していないわけではないことも分かります。
それはそうですよね、人間の生活の中に季節は確かにあって、
曲を作る人がそれをまったく意識しないわけでもないでしょうから。
そして余談ですが、S&Gが日本でも人気があるのは、
件の曲を11月にリリースしているように
季節感があって共感を得やすいからなのかなと思いました。

ここで当初は、それがどうしてかと話すつもりでしたが、
いつものように長くなったのと、それだけで記事のテーマになるので、
また後日、割と早めに記事にしたいと思い、かいつまんで
少しだけ考えられることを挙げてみました。
・西洋人は日本人ほど季節に敏感ではない(という話ですが)
・制作にかける期間が長いので季節感が出にくい
・1枚のアルバムを1年以上持たせるのが今は常となっていて、
 季節感があると商業的には弊害になる可能性がある
 (そしてシングルカットで季節感を出す)
申し訳ないですが、この記事では、ここから先は、
そういうものなのだと思いながら読み進めてください。

話は戻って、だけど、はっきりそうだとは歌っていなくても、
これは夏、これは秋のイメージという曲を多くの人が同じように抱く、
そんな曲、アルバムも実は結構あると思います。
季節を表す単語が入った曲が収録されていればもちろんですが、
でも、それは、うまく表現できないのですが、作った人の肌の感覚が、
音楽ににじみ出ている、という感じなのかもしれません。
また、ジャケットのアートワークからも季節を感じるものありますが、
それは、最初から意図して音作りをした場合もあるでしょうし、
出来あがった曲を聴いてイメージする場合もあるでしょう。

さらにいえば、個人個人の体験から季節感に結びつくこともあります。
例えば、新譜の場合はリリースされた時期によく聴いていれば、
それがそのまま季節感に直結するのは分かりやすいですね。
これが旧譜となると、リリース当時の季節とは関係なく、
その人が初めて聴いたりよく聴き込んでいた時期の季節感と
結びついて、思い出になることもあると思います。
僕の例でいえば、ジョン・レノンのIMAGINE。
このアルバムは大学2年の夏休みに車で毎日聴いていたので、
夏、夏休み、7月から8月という季節感が今でも伴っています。
さらにいえば北海道の夏というイメージが。
そういう例は、意外と多いのではないかとも思います。

ここまで長々と話してきましたが、いよいよ今回のテーマ。
R.E.M.のこのアルバムREVEALは、
洋楽には珍しく、はっきりと季節を感じ共有できるアルバムです。

具体的な季節を言えば、ちょうど今の時期、残暑の季節です。
夏は夏でも真夏ではなく残暑、日本で言えば立秋の後に限定です。

そう感じさせるのは、寂寥感、そして、
何かやりたいことがあったけどやり残したという感覚が、
アルバム全体に漂っているからではないかと思います。

彼ら元々、元気いっぱいに頑張ったという部分よりは、
何か足りない、もう少しなんとかしたいという部分が伝わる
そんな感慨を音楽及び音の間から醸し出していたバンドですが、
このアルバムでは季節感を絞って表現した結果、
それが上手く作用し、彼らの音楽と残暑のイメージと結びついて、
残暑の時期のコンセプトアルバムという感じに仕上がっています。
そうだという確かな情報は得ていないのですが、
これがリリースされたのは5月のことで、少し早いですが、
やはり季節感を意識していたのではないかと思わせる部分です。

しかしここまで書いてきて、やはりというか、
曲から受ける季節感のイメージというのは、
音楽のどの部分が人間の心のどこに作用してそうなるのか、
それを考えないわけにもゆかなくなってきました。
しかも、それが僕一人の問題ではなく、音楽によっては
多くの人が同じく感じるのはどうしてだろうとも。
だけど、今の僕の語彙力表現力では、やはりというか、
それを上手く表現し伝えて理解してもらうことができなそうで、
これはまた今後のBLOGにおける課題としたいと思いました。

ともあれ、残暑の頃のアルバムを聴いてみるとしますか。

なお、このアルバムの曲はすべて、
ピーター・バック、マイク・ミルズ、マイケル・スタイプ
の連名のクレジットになっています。
(All songs Peter Buck, Mike Mills, Michael Stipe)

02 残暑の頃の風景


Tr1:The Lifting
この曲を最初に聴いて僕は空港をイメージしました。
R.E.M.のこのひとつ前のアルバム(記事はこちら)の1曲目が
Airportmanという空港の音を再現したSE的な音楽でしたが、
僕はこの曲はその発展形と思ったのです。
空港といえば、夏休み。
冬休みでもいいのですが、この曲の空気のぬるさはやっぱり夏。


Tr2:I've Been High
タイトルのごとくファルセット(っぽい)声で歌い通していて、
暑さで気持ちが自然と高揚する夏の感覚をよく表しています。
これは暑い日の午後のトンボ捕りのイメージかな。


Tr3:All The Way To Reno (You're Gonna Be A Star)
この曲は正直、アルバムとして聴いていた頃は、
まあそこそこいい曲かなくらいにしか思っていませんでしたが、
ビデオクリップを観ると、とっても温かい雰囲気が伝わってきて、
そこで一気に大好きになりました。
曲としては、歌をガイドするギターの旋律が印象的で、
特にBメロの部分の入り口
♪ You know what you are, you're gonna be a star
の歌メロを受けて入るギターの下降してゆく旋律が印象的。
ギターのフレーズは大好きですね。
歌詞では、♪ You don't have to go so farという部分が
いつ聴いても心にしみてきます、大好きなくだりです。
やっぱりR.E.M.は、人を見る目の優しさがいいなぁと思います。


Tr4:She Just Wants To Be
アコースティック・ギターで静かに始まる曲。
ここまで3曲は明るい曲でしたが、ここでようやくR.E.M.らしい
湿り気と粘りと重たさがある曲が出てきました。
自己憐憫に陥るけど無作法な慈悲はいらない。
R.E.M.の基本姿勢はそんなところだと思っています。


Tr5:Disappear
そしてR.E.M.の恨み節はエスカレイトし、絶望の世界へ。
ネガティヴな単語を使って心にしみる曲を作らせたら、
彼らの右に出るものはいないのではないかな。
消えたくないけど、消えざるを得ない・・・
ワルツのフォーク、不思議な音の広がりがある曲で、
イントロの音には宇宙を感じさせるものがあります。


Tr6:Saturn Return
恨み節は2曲で終わるかと思わせて終わらないのも彼ららしさ。
カタルシスというのですか、こうした暗い曲がしみてくるのです。
こうなったらもうR.E.M.の世界から抜け出せなくなります。
最後の裏声になる辺りを聴いていると、切なさが心の中にこもり、
もうどうあがいても抜け出せない・・・
ただこの曲は、このアルバムの中ではなく単独で聴くと、
夏よりは秋から冬というイメージに響くかもしれません。
この記事を書くのに聴いていてそのことに気づいたのですが、
だから、イメージというのはある意味恐いものだとも思います。


03 蝉の抜け殻も残暑の頃



Tr7:Beat A Drum
ようやくにして明るい曲が、子どもの心を持って戻ってきました。
この曲は、夏の楽しい1日を遊び疲れて、
ちょっとした感慨にふけっている感じがよく出ています。
歌詞には"dragonfly"=トンボも出てきて、季節感が固定されます。
そしてのどかな曲ですね、都会のイメージではないような。


Tr8:Imitation Of Life
シングルカットされた曲で、やはりほの暗くて重い中に、
まとわりつくようなポップさが漂っている彼ららしい曲。
夏の楽しさは「人生における作りもの」とでもいいたいかのよう。
この曲のビデオクリップは豪邸のプールが舞台で、
視覚的にもはっきりと夏の終わりを訴えていました。
だから実際この曲が言いたいのは、サビの歌詞に出てくるように
"Hollywood"の生活についての風刺かもしれないですが。
Like a goldfish in a bowl=鉢の中の金魚という歌詞も出てきて、
やはり日本の夏のイメージですね(多分違う意味の比喩ですが・・・)
歌詞ではもう一つ、"hurricane""tidal wave""avalanche"といった
自然現象の単語がたくさん出てくるのは、
人間はやはり自然にはかなわないと言いたいのかもしれません。
この曲には個人的な余談があります。
僕のメタル友だちで僕が聴く音楽を口うるさく言う奴が、
珍しく、ラジオでこの曲を聴いてとてもいいと思ったと言いました。
実は、この曲については、僕のほうが、最初に聴いた頃は、
シングルになった割にはどうだろう、と思っていたのです。
いい曲ですよ、もちろん、今は大好きです。


Tr9:Summer Turns To High
これは、日本人的感覚で言えば、お盆で帰省した時に、
縁側ですいかを食べながら青空と入道雲を眺める感じかな。
バラードとはいわないかもしれないけど、スロウな
しっとりとした抒情性があるふわふわした心地よい曲。


Tr10:Chorus And The Ring
歌うことの素晴らしさを歌った曲は多くのアーティストにありますが、
R.E.M.がそれをやるとは、僕には最初は意外でした。
これはバラードといっていいのかな、スロウな曲で、
彼らの優しさ、気持ちの大きさに触れて感動します。


Tr11:I'll Take The Rain
この曲は、ほろっと涙するという感動の曲という面では、
R.E.M.でもいちばんの曲だと思っています。
♪ Rain came down, rain came down, rain came down on me
歌い出しのたったこれだけの歌詞が、なんと多く語っていることか。
それしか言葉が思い浮かばない寂しさ、虚しさ、そして
ある意味それを受け入れようとするすがすがしさ。
僕は今でも、この曲は、気持ちを入れて聴いてしまうと
ほろりと涙が出てきます。
だからいつもはなるべく平素な心で聴くよう努めています(笑)。
雨の音を表したピーター・バックのギターも素晴らしい。
ピーターはほんとに心にまっすつに訴える音を出すギタリストです。


Tr12:Beachball
アルバムの流れとしていえば、もし前の曲で終わっていれば、
もう感動の巨編という感じで涙のうちに終わっていたと思います。
しかし、僕がいつも言うことですが、ロックという音楽には、
「真面目にやり過ぎた後の照れ隠し」というものがあって、
この曲はまさにその例ですね。
最後にふわっと軽い曲を置くのがここではさらに効果的です。
涼しくなってきた9月にふと物置を開けると、そこには
空気が少し抜けてしわが入ったビーチボールが。
それは、忘れかけていた夏の思い出。
思い出したくない思い出だったのかもしれません。
でも、この曲の印象は、ちょっとほろ苦いかもしれないけど、でも
決して良くないものではない、夏の小さな思い出という感じですね。
歌詞には"starfish"=ヒトデも出てきます。


 

リンクを施すのにAmazonでみたところ、このアルバム、
2010年8月19日朝の時点でなんと181542位!
そこまでランキングがあるのがすごい、としか言えない・・・
ブックオフにはたくさんあると思いますし・・・
なお、写真04はEPレコードサイズのジャケットの限定盤です。

ところで、欧米の人も昔よりは季節感を意識して
作るようになっているのかもしれません。
というのも、今年7月に出たシェリル・クロウの新譜にも
Summer Daysが入っているからです。
その曲のイメージと、7月に出てよく聴いていた新譜ということで、
そのアルバムは今後、夏というイメージが定着しそうです。

最後にこのアルバムについてまとめると、
全編通してイメージが固定されているだけに分かりやすく、
曲も粒揃いでとっても聴きやすい1枚だと思います。
僕は、最初に聴いた時に、これを待っていたと叫びました。
というのも、この前のアルバムUP(記事はこちら)はとっつきにくく、
その前のアルバムは気持ちの在り方が散漫に伝わってきて、
それはそれでいいけど、それ以上ではなかったからです。
ところで、UPは冬のイメージと記事では書いていますが、
間が数年あったとはいえ次のアルバムが残暑というのも面白いですね。
それはともかく、R.E.M.を何か聴いてみようと思った人には
積極的におすすめしたい1枚ではあります。

でも、僕はこの記事でイメージについて多くを書きましたが、
本来は、聴く人がその人なりのイメージを持って聴くものであり、
その点では僕は聴くことの邪魔をしてしまったかな、
と思わなくもなく、そこは少し反省しています。

ともあれ、いつものようにお読みいただきありがとうございます。

04


そしてこの記事の終わりに

残暑お見舞い申し上げます



  


Posted by guitarbird at 15:45R.E.M.