2015年06月20日
ボズ・スキャッグス札幌公演 2015年6月8日
01

ボズ・スキャッグス札幌公演 2015年6月8日
今回の日本ツアー、札幌は2番目の会場でしたが、
日本ツアーがすべて終わってから記事を上げるつもりでした。
6月18日が最後の東京公演、遅くなりましたが、記事を上げます。
もっとも、3曲ほど他の記事で触れてはいましたが。
コンサートの前に、今回の会場は「ニトリ文化ホール」
3000人くらいの大きくない会場でしたが、ほぼ埋まっていたかな。
後ろを見なかったので、あくまでも感じですが。
僕は14列目で前の方だったけど、肉眼で顔が見えなかった。
双眼鏡を持って行くべきだった、落とし穴でした。
ボブ・ディランの時はそこに気づいていたんですが。
客層は、20代の人はほとんどいなかった。
30代後半から40代前半の人は逆に思ったより多かったかな。
もちろん僕より年上の人は多く、僕がちょうど平均値くらいかな。
女性は3割くらいだったかな、意外といたと思いました。
黒のシャツにスラックスそしてピンクのジャケットで決めた
50代の男性がいて、おおぅ、なかなかよかったです。
声をかけて写真を撮らせてもらいたいくらいでした。
ボズ・スキャッグスはとても全曲空で思い出せないので、
今回はメモを取らず、知っている曲だけ思い出して家で書き留め、
残りは、今回初めて、LiveFansというセットリストをまとめたサイトの
札幌公演のリストを利用させていただきました。
02

1曲目 Runnin' Blue
19時開演予定、5分までには始まっていて、早い方ですね。
いきなり1曲目から分からなかったけど、、これだったんだ。
曲調から新譜に入ってそうだったけど、思い出せなかった。
新譜はそれなりに覚えたはずだったので。
初期のBOZ SCAGGS & BANDからのスウィンギーなR&B。
観客、戸惑っていたのか、慣れていないのか、静かでもちろん立たず。
2曲目 Mixed Up Shook Up Girl
前作MEMPHISからの曲。
この時にミス・モネーさんがステージに出てきましたが、ボズは多分、
ふくよかでどことなくユーモアのあるモネーさんの様子を
この曲に絡めてユーモラスな舞台にしたかったのだと思う。
しかし、新しい曲なので、お客さんはまだ固くてほとんど反応なし。
この曲は大好きで前作でも目立つし、この反応は僕には意外でした。
ボズの目論見は外れたかな。
でも、それも日本人らしいと思ってくれたに違いないけれど。
僕の中では存在感がますます高まった1曲です。
3曲目 JoJo
コンサートの前、JoJoはどのタイミングで演奏するかと予想しました。
演奏しない可能性はまったく考えなかった。
アンコールの最初くらいかな、というのが僕の結論。
違いました。
3曲目。
もうやるの?? と、僕は少々驚きました。
でも、結果としてこれが良かった。
札幌は洋楽のコンサートに慣れていないのか、
或いは単にボズに対して構えていたのか、
1曲目、2曲目と、みんな座っておとなしく聴いていました。
僕ですら体でリズムを取ったり頭を揺するのに気が引けるくらいに。
無理もない、最初の2曲は新し目の曲だったから。
そこでJoJo登場。
やはり知っている人が多く、曲が流れると大きな拍手が。
終わっても大きな拍手。
コンサートはそこから、ロックのコンサートらしい雰囲気になり、
僕も遠慮せずリズムを取るようになりました。
この曲は、なにか自然と心にすっと入って来て乗せられてしまう、
そんな魅力がある、と、あらためて思いました。
4曲目 I'm A Fool To Care
ボズが"From the new album"と紹介すると、なぜかそこで
観客から小さな拍手が起こりました。
新作が出ていたことを知らなかった、そしてまだ出しているんだ、
よかった、という安堵の拍手だと僕は解釈しました。
単純な12/8のリズム&ブルーズで掴みやすい曲ではあり、
反応も上々で僕はほっとしました。
5曲目 Some Change
ボズが「アルバムSOME CHANGEからの曲」と言った時、
大好きなI'll Be The Oneを期待したけど、それは叶わず。
しかしボズ自身もそのアルバムが気に入っているであろうことが
分かったのは、そのアルバムが大好きな僕には嬉しかった。
曲はブルーズの香りが強いR&B、今の彼の基本でもあるかな。
演奏がいかにも楽しそう、こっちも乗りました。
6曲目 Rainy Night In Georgia
こちらは先行で記事(こちら)を上げましたが、もう一度。
うん、やっぱり、「メンフィスで曲を探した」と話すくだり、
音楽が好きで、今でも音楽に対して少年のような憧れを抱いている、
そんなボズの気持ちがよく伝わって来る話でした。
ところでボズは、低音で歌い始めると声が軋んで微妙に音程が外れる、
という癖があることがこの曲の歌い出しで分かりました。
だからどうというわけではないけれど、そういうものなのだ、と。
7曲目 Heart Of Mine
「友人のボビー・コールドウェルと一緒に書いた曲」と紹介。
もうそこで分かりましたね。
この曲はボビー・コールドウェル自身のもよく知られているので、
ボズの曲として日本では2番目に有名でしょう、きっと。
もしかして僕よりも若い世代には1番かな。
で、実は、僕自身、ボズのこの曲が入ったアルバムはあまり
聴いてこなかったので、ボビーの曲という印象が強いのでした。
でもやっぱりいい歌で、タイトルを歌う部分は気がつくと
口ずさんでいる、ということがこの後よくあります、いまだに。
あ、今も口ずさんでしまった(笑)。
8曲目 Geogia
この曲は、SILK DEGREESに入っているまでは分かったけれど
曲名が思い出せなかった。
なんだ、Georgiaか、ボズが最初にそう歌ってるじゃないか(笑)。
やはりアルバムとしてはこれがいちばん人気なのでしょうね。
前とは打って変わって乗りがいい曲。
僕と同じく「確かあのアルバムの曲・・・」とまでは思った人が
多かったのか、曲の間も盛り上がり、拍手も多かったですね。
9曲目 Miss Sun
これはまるで分からず、調べると、ベスト盤HITS!の新曲。
ハードル高すぎる(笑)。
ちなみに作曲者はTOTOのデヴィッド・ペイチ。
申し訳ない、この曲は何だろうとずっと思っているうちに
曲が終わっていた、今はそんな印象です。
ただ、この頃はもう会場はどんな曲でも楽しく乗ってくる
という雰囲気になっていて、よかったぁ、と。
10曲目 Until You Come Back To Me (Ms. Monet)
ミス・モネーさんのほぼ独唱。
歌い方は正統派黒人女性ヴォーカリスト。
やっぱりゴスペルの影響が感じられますね。
アレサ・フランクリンの持ち歌と聞いて、納得。
ボズはギターで静かにバックアップ。
演奏することも大好きなんだろうなあ。
11曲目 Harbor Lights
SILK DEGREESからの曲で、確か日本では最初はこれが
シングルカットされたのではなかったか(違ったらごめんなさい)。
「あの曲」がなければもっと名曲としてもてはやされていたかも・・・
なんて言わない、僕は大好き、この曲は演奏するかどうか
頭の中でボーダーライン上だったので、聴けてうれしかった。
会場も嬉しそう、これが聴けてよかったという空気に感じました。
やっぱり、スロウな曲でのサビの歌メロがいいですね、ボズは。
12曲目 Low Down
続いてSDから、これはすぐに分かった。
ベースがバキバキいう、管楽器のようなキーボードが鳴る。
この曲は最初から乗ってしまう、体が勝手に反応する曲ですね。
僕はずっと足でリズムを取っていましたが、両隣の男性は
やっぱりこの曲でも静かに聴いていたのが、うん、不思議でした。
13曲目 What Can I Say
これもSDからじゃないか、いや、MIDDLE MANからだったか・・・
正解はSDから、ううん、かなり聴き込んだつもりだったんだけど。
しかもアルバム1曲目じゃないか。
まあそれはともかく、こうして書くとSDから3曲連続だったんだ。
さすがに拍手は大きかったですよ、この曲は。
ここでまた全員が袖に引き上げる。
ボズは、ステージの端まで歩み出て、会場に浅くお辞儀する。
これを左、中央、右と繰り返していて、律儀な人だなあと。
<アンコール 1回目>
14曲目 There's A Storma Coming
ボズとバンドが再び登場。
曲が始まったところで漸く観客が立ち上がりました。
それまでずっと座って聴いていて、楽は楽だったけど、
やっぱり少しは立ちたいですね(笑)。
最新作FOOL TO CAREから、は分かったんだけど、
曲名までは現地では思い出せなかった(またか)。
意外と新作からは少なかったという印象。
まあそうでしょうね、これくらいの人になると。
アンコールということで、ここまで来るといつの曲とか
あまり関係なく盛り上がっていました。
15曲目 Lido Shuffle
これもSDの曲だと分かったけど、タイトル思い出せず。
ううん、やっぱり35歳過ぎてから新たに聴いたものは、
曲名をなかなか覚えきれないですね。
まあそれはともかくアップテンポで盛り上がりました。
16曲目 We're All Alone
この曲だけギターを持たずに「歌手」としてステージに立ちました。
納得、それがこの歌だから。
キィを下げていましたが、まあ、オリジナルのレコードでも
高音きつそうだから仕方ないのかな。
僕は本来、キィを下げるのはあまり好きではないのですが、
この曲は、かえって下げてよかった、と、終わってから思いました。
高音のきついところがあると、今の、そしてこの会場の雰囲気には
なじまなかったのではないか、と感じたからです。
きつくないから自然に流れ、おおらかな雰囲気に包まれていた。
キィを下げて歌うことに、僕も少しは理解ができるようになりました。
演奏が終わってスタンディングオヴェイション。
曲自体もだけど、そのことにも感銘を受けました。
こういう曲がある人は強い。
ボズは、照れるでもなく、あくまでも自然な顔で受けていた。
この曲を演奏するのが好きなのだと実感しました。
そしてここ、、SILK DEGREESのアルバム最後の2曲を
続けて演奏したことになるんですね。
ここでまたバンドとメンバーが引き上げる。
ボズはまたお辞儀をしてから袖に向かって歩き始めましたが、
この時僕は、ボズのある癖に気づきました。
ボズは、右手で拳を作って口元にあてて咳払いをする。
お辞儀をする前と後で必ず咳払い、さらに歩きながらも。
こういうのって、男なら真似したくなりますよね(笑)。
僕も当然。
<アンコール2回目>
17曲目 Jump Street
再び全員がステージに登場。
さらにSILK DEGREESから。
これでアルバム10曲中7曲演奏したことになるんですね。
アップテンポの曲でみんなまた立ち上がりましたが、
この曲はなんだかわからないけれど盛り上がっていた、
そんな感じを受けました。
もちろん曲を知った人は多かったのでしょうけど、
最後が近いので乗らなきゃ損、みたいな(笑)。
そしてまた全員引き上げる。
ボズは咳払いをする。
<アンコール3回目>
18曲目 Last Tango On 16th Street
なんと、もう1回出てきました。
3回出て来た人は僕は初めてじゃないかな、いやあったかな。
まあ、それも込だったのは間違いないのですが、
やっぱり3回出てきてくれると嬉しいですよね。
曲は最新作からの印象的なタンゴ。
でも、コンサートの最後にこれはどうなのだろう。
終わってみて受けは悪くなかったみたいでほっとしましたが、
そんな余計なことを考えました。
ボズはサンフランシスコに住んでいて、これは僕の街の曲と
曲を始める前に話していたのが印象的で、そうか、この曲には
そういう意味があったんだってあらためて思いました。
新譜でも特に印象深い曲、さらに大切な曲になりました。
およそ1時間45分のステージ、楽しかった。
THE DIG Special Edition ボズ・スキャッグス
(シンコー・ミュージックMOOK)
来日を機に出たこの雑誌、僕も買いました。
まだ目を通していないのですが(いつものことだけど・・・)
冒頭写真、パンフレットの上に今回のチラシを置いて撮りました。
チラシはコンサート会場で当日配っていたもの。
チラシとは本来宣伝するための紙、終わってしまったものは
配っても意味がないように思わなくもない。
でも、このチラシをくれたのが、嬉しく、ありがたかった。
初めてじゃないかな、そのコンサートのチラシを配っていたのは。
無駄に捨てるよりずっといいし、記念にもなる。
逆に、事前にそのチラシをもらうことは少ない。
まあ、ある場所にはあるのでしょうけど。
今後、他のコンサートでもそうして欲しいです。
最後に、印象的だった話をふたつ。
ひとつ、僕の右隣の男性2人は会社の同僚のようで、
開演前にいろいろ話していたのが聞こえてきました。
彼らは僕より少し年下、40歳くらいに見えたんだけど、
ホワイトスネイクが札幌に来るんだってと話していたり、
デフ・レパード来日が決まったんだってと(札幌は来ない)、
いわゆるHR/HM系のバンドの話をしていましたが、
ボズのコンサートに来る人では割と少ないのではないかと。
いや、逆で、僕がそう勝手に思い込んでいただけかな。
もひとつ、札幌に来る洋楽アーティストは少ないので、
来るとなると行ってみようという人は意外といるのかもしれない。
洋楽好きとして、それはうれしかったですね。
もうひとつ、閉演後、コンサートグッズ売り場より、
CD売り場の方に多く人が並んでいた。
これ僕は初めての経験でした。
新譜が出たことを知らずに来た人が多かったのでしょうね。
新譜の曲をやる度にボズも"New record"と言っていたし、
その言葉で盛り上がったりしていたので、新譜が気になって
買って帰った人が多かったのではないか、と思いました。
そして前に別の記事でも書いたこと。
6月8日はボズ71歳の誕生日だったことを、帰宅して知りました。
会場では、バンドも客も、誰もそれを言う人はいなかった。
自分でも言わなかった。
なんて謙虚な人なんだと。
ただ、アーティストの誕生日にコンサートに行けるなんて、
滅多にない機会だから、バンドのメンバーや呼び屋が配慮して、
何らかの形で祝いたかった、と、そこが残念でした。
ボズ自身はバースデーケーキの写真をFacebookに上げていて、
とてもよい日だったと書いていたのでよかったのですが。
それにしても、そのケーキ、どこの店のかなあ、と地元ネタ(笑)。
ボズ・スキャッグス様
札幌へお越しいただきありがとうございました!
僕も強く印象に残りました。
思い出に残る誕生日だったことを願っています!
03


ボズ・スキャッグス札幌公演 2015年6月8日
今回の日本ツアー、札幌は2番目の会場でしたが、
日本ツアーがすべて終わってから記事を上げるつもりでした。
6月18日が最後の東京公演、遅くなりましたが、記事を上げます。
もっとも、3曲ほど他の記事で触れてはいましたが。
コンサートの前に、今回の会場は「ニトリ文化ホール」
3000人くらいの大きくない会場でしたが、ほぼ埋まっていたかな。
後ろを見なかったので、あくまでも感じですが。
僕は14列目で前の方だったけど、肉眼で顔が見えなかった。
双眼鏡を持って行くべきだった、落とし穴でした。
ボブ・ディランの時はそこに気づいていたんですが。
客層は、20代の人はほとんどいなかった。
30代後半から40代前半の人は逆に思ったより多かったかな。
もちろん僕より年上の人は多く、僕がちょうど平均値くらいかな。
女性は3割くらいだったかな、意外といたと思いました。
黒のシャツにスラックスそしてピンクのジャケットで決めた
50代の男性がいて、おおぅ、なかなかよかったです。
声をかけて写真を撮らせてもらいたいくらいでした。
ボズ・スキャッグスはとても全曲空で思い出せないので、
今回はメモを取らず、知っている曲だけ思い出して家で書き留め、
残りは、今回初めて、LiveFansというセットリストをまとめたサイトの
札幌公演のリストを利用させていただきました。
02

1曲目 Runnin' Blue
19時開演予定、5分までには始まっていて、早い方ですね。
いきなり1曲目から分からなかったけど、、これだったんだ。
曲調から新譜に入ってそうだったけど、思い出せなかった。
新譜はそれなりに覚えたはずだったので。
初期のBOZ SCAGGS & BANDからのスウィンギーなR&B。
観客、戸惑っていたのか、慣れていないのか、静かでもちろん立たず。
2曲目 Mixed Up Shook Up Girl
前作MEMPHISからの曲。
この時にミス・モネーさんがステージに出てきましたが、ボズは多分、
ふくよかでどことなくユーモアのあるモネーさんの様子を
この曲に絡めてユーモラスな舞台にしたかったのだと思う。
しかし、新しい曲なので、お客さんはまだ固くてほとんど反応なし。
この曲は大好きで前作でも目立つし、この反応は僕には意外でした。
ボズの目論見は外れたかな。
でも、それも日本人らしいと思ってくれたに違いないけれど。
僕の中では存在感がますます高まった1曲です。
3曲目 JoJo
コンサートの前、JoJoはどのタイミングで演奏するかと予想しました。
演奏しない可能性はまったく考えなかった。
アンコールの最初くらいかな、というのが僕の結論。
違いました。
3曲目。
もうやるの?? と、僕は少々驚きました。
でも、結果としてこれが良かった。
札幌は洋楽のコンサートに慣れていないのか、
或いは単にボズに対して構えていたのか、
1曲目、2曲目と、みんな座っておとなしく聴いていました。
僕ですら体でリズムを取ったり頭を揺するのに気が引けるくらいに。
無理もない、最初の2曲は新し目の曲だったから。
そこでJoJo登場。
やはり知っている人が多く、曲が流れると大きな拍手が。
終わっても大きな拍手。
コンサートはそこから、ロックのコンサートらしい雰囲気になり、
僕も遠慮せずリズムを取るようになりました。
この曲は、なにか自然と心にすっと入って来て乗せられてしまう、
そんな魅力がある、と、あらためて思いました。
4曲目 I'm A Fool To Care
ボズが"From the new album"と紹介すると、なぜかそこで
観客から小さな拍手が起こりました。
新作が出ていたことを知らなかった、そしてまだ出しているんだ、
よかった、という安堵の拍手だと僕は解釈しました。
単純な12/8のリズム&ブルーズで掴みやすい曲ではあり、
反応も上々で僕はほっとしました。
5曲目 Some Change
ボズが「アルバムSOME CHANGEからの曲」と言った時、
大好きなI'll Be The Oneを期待したけど、それは叶わず。
しかしボズ自身もそのアルバムが気に入っているであろうことが
分かったのは、そのアルバムが大好きな僕には嬉しかった。
曲はブルーズの香りが強いR&B、今の彼の基本でもあるかな。
演奏がいかにも楽しそう、こっちも乗りました。
6曲目 Rainy Night In Georgia
こちらは先行で記事(こちら)を上げましたが、もう一度。
うん、やっぱり、「メンフィスで曲を探した」と話すくだり、
音楽が好きで、今でも音楽に対して少年のような憧れを抱いている、
そんなボズの気持ちがよく伝わって来る話でした。
ところでボズは、低音で歌い始めると声が軋んで微妙に音程が外れる、
という癖があることがこの曲の歌い出しで分かりました。
だからどうというわけではないけれど、そういうものなのだ、と。
7曲目 Heart Of Mine
「友人のボビー・コールドウェルと一緒に書いた曲」と紹介。
もうそこで分かりましたね。
この曲はボビー・コールドウェル自身のもよく知られているので、
ボズの曲として日本では2番目に有名でしょう、きっと。
もしかして僕よりも若い世代には1番かな。
で、実は、僕自身、ボズのこの曲が入ったアルバムはあまり
聴いてこなかったので、ボビーの曲という印象が強いのでした。
でもやっぱりいい歌で、タイトルを歌う部分は気がつくと
口ずさんでいる、ということがこの後よくあります、いまだに。
あ、今も口ずさんでしまった(笑)。
8曲目 Geogia
この曲は、SILK DEGREESに入っているまでは分かったけれど
曲名が思い出せなかった。
なんだ、Georgiaか、ボズが最初にそう歌ってるじゃないか(笑)。
やはりアルバムとしてはこれがいちばん人気なのでしょうね。
前とは打って変わって乗りがいい曲。
僕と同じく「確かあのアルバムの曲・・・」とまでは思った人が
多かったのか、曲の間も盛り上がり、拍手も多かったですね。
9曲目 Miss Sun
これはまるで分からず、調べると、ベスト盤HITS!の新曲。
ハードル高すぎる(笑)。
ちなみに作曲者はTOTOのデヴィッド・ペイチ。
申し訳ない、この曲は何だろうとずっと思っているうちに
曲が終わっていた、今はそんな印象です。
ただ、この頃はもう会場はどんな曲でも楽しく乗ってくる
という雰囲気になっていて、よかったぁ、と。
10曲目 Until You Come Back To Me (Ms. Monet)
ミス・モネーさんのほぼ独唱。
歌い方は正統派黒人女性ヴォーカリスト。
やっぱりゴスペルの影響が感じられますね。
アレサ・フランクリンの持ち歌と聞いて、納得。
ボズはギターで静かにバックアップ。
演奏することも大好きなんだろうなあ。
11曲目 Harbor Lights
SILK DEGREESからの曲で、確か日本では最初はこれが
シングルカットされたのではなかったか(違ったらごめんなさい)。
「あの曲」がなければもっと名曲としてもてはやされていたかも・・・
なんて言わない、僕は大好き、この曲は演奏するかどうか
頭の中でボーダーライン上だったので、聴けてうれしかった。
会場も嬉しそう、これが聴けてよかったという空気に感じました。
やっぱり、スロウな曲でのサビの歌メロがいいですね、ボズは。
12曲目 Low Down
続いてSDから、これはすぐに分かった。
ベースがバキバキいう、管楽器のようなキーボードが鳴る。
この曲は最初から乗ってしまう、体が勝手に反応する曲ですね。
僕はずっと足でリズムを取っていましたが、両隣の男性は
やっぱりこの曲でも静かに聴いていたのが、うん、不思議でした。
13曲目 What Can I Say
これもSDからじゃないか、いや、MIDDLE MANからだったか・・・
正解はSDから、ううん、かなり聴き込んだつもりだったんだけど。
しかもアルバム1曲目じゃないか。
まあそれはともかく、こうして書くとSDから3曲連続だったんだ。
さすがに拍手は大きかったですよ、この曲は。
ここでまた全員が袖に引き上げる。
ボズは、ステージの端まで歩み出て、会場に浅くお辞儀する。
これを左、中央、右と繰り返していて、律儀な人だなあと。
<アンコール 1回目>
14曲目 There's A Storma Coming
ボズとバンドが再び登場。
曲が始まったところで漸く観客が立ち上がりました。
それまでずっと座って聴いていて、楽は楽だったけど、
やっぱり少しは立ちたいですね(笑)。
最新作FOOL TO CAREから、は分かったんだけど、
曲名までは現地では思い出せなかった(またか)。
意外と新作からは少なかったという印象。
まあそうでしょうね、これくらいの人になると。
アンコールということで、ここまで来るといつの曲とか
あまり関係なく盛り上がっていました。
15曲目 Lido Shuffle
これもSDの曲だと分かったけど、タイトル思い出せず。
ううん、やっぱり35歳過ぎてから新たに聴いたものは、
曲名をなかなか覚えきれないですね。
まあそれはともかくアップテンポで盛り上がりました。
16曲目 We're All Alone
この曲だけギターを持たずに「歌手」としてステージに立ちました。
納得、それがこの歌だから。
キィを下げていましたが、まあ、オリジナルのレコードでも
高音きつそうだから仕方ないのかな。
僕は本来、キィを下げるのはあまり好きではないのですが、
この曲は、かえって下げてよかった、と、終わってから思いました。
高音のきついところがあると、今の、そしてこの会場の雰囲気には
なじまなかったのではないか、と感じたからです。
きつくないから自然に流れ、おおらかな雰囲気に包まれていた。
キィを下げて歌うことに、僕も少しは理解ができるようになりました。
演奏が終わってスタンディングオヴェイション。
曲自体もだけど、そのことにも感銘を受けました。
こういう曲がある人は強い。
ボズは、照れるでもなく、あくまでも自然な顔で受けていた。
この曲を演奏するのが好きなのだと実感しました。
そしてここ、、SILK DEGREESのアルバム最後の2曲を
続けて演奏したことになるんですね。
ここでまたバンドとメンバーが引き上げる。
ボズはまたお辞儀をしてから袖に向かって歩き始めましたが、
この時僕は、ボズのある癖に気づきました。
ボズは、右手で拳を作って口元にあてて咳払いをする。
お辞儀をする前と後で必ず咳払い、さらに歩きながらも。
こういうのって、男なら真似したくなりますよね(笑)。
僕も当然。
<アンコール2回目>
17曲目 Jump Street
再び全員がステージに登場。
さらにSILK DEGREESから。
これでアルバム10曲中7曲演奏したことになるんですね。
アップテンポの曲でみんなまた立ち上がりましたが、
この曲はなんだかわからないけれど盛り上がっていた、
そんな感じを受けました。
もちろん曲を知った人は多かったのでしょうけど、
最後が近いので乗らなきゃ損、みたいな(笑)。
そしてまた全員引き上げる。
ボズは咳払いをする。
<アンコール3回目>
18曲目 Last Tango On 16th Street
なんと、もう1回出てきました。
3回出て来た人は僕は初めてじゃないかな、いやあったかな。
まあ、それも込だったのは間違いないのですが、
やっぱり3回出てきてくれると嬉しいですよね。
曲は最新作からの印象的なタンゴ。
でも、コンサートの最後にこれはどうなのだろう。
終わってみて受けは悪くなかったみたいでほっとしましたが、
そんな余計なことを考えました。
ボズはサンフランシスコに住んでいて、これは僕の街の曲と
曲を始める前に話していたのが印象的で、そうか、この曲には
そういう意味があったんだってあらためて思いました。
新譜でも特に印象深い曲、さらに大切な曲になりました。
およそ1時間45分のステージ、楽しかった。
THE DIG Special Edition ボズ・スキャッグス
(シンコー・ミュージックMOOK)
来日を機に出たこの雑誌、僕も買いました。
まだ目を通していないのですが(いつものことだけど・・・)
冒頭写真、パンフレットの上に今回のチラシを置いて撮りました。
チラシはコンサート会場で当日配っていたもの。
チラシとは本来宣伝するための紙、終わってしまったものは
配っても意味がないように思わなくもない。
でも、このチラシをくれたのが、嬉しく、ありがたかった。
初めてじゃないかな、そのコンサートのチラシを配っていたのは。
無駄に捨てるよりずっといいし、記念にもなる。
逆に、事前にそのチラシをもらうことは少ない。
まあ、ある場所にはあるのでしょうけど。
今後、他のコンサートでもそうして欲しいです。
最後に、印象的だった話をふたつ。
ひとつ、僕の右隣の男性2人は会社の同僚のようで、
開演前にいろいろ話していたのが聞こえてきました。
彼らは僕より少し年下、40歳くらいに見えたんだけど、
ホワイトスネイクが札幌に来るんだってと話していたり、
デフ・レパード来日が決まったんだってと(札幌は来ない)、
いわゆるHR/HM系のバンドの話をしていましたが、
ボズのコンサートに来る人では割と少ないのではないかと。
いや、逆で、僕がそう勝手に思い込んでいただけかな。
もひとつ、札幌に来る洋楽アーティストは少ないので、
来るとなると行ってみようという人は意外といるのかもしれない。
洋楽好きとして、それはうれしかったですね。
もうひとつ、閉演後、コンサートグッズ売り場より、
CD売り場の方に多く人が並んでいた。
これ僕は初めての経験でした。
新譜が出たことを知らずに来た人が多かったのでしょうね。
新譜の曲をやる度にボズも"New record"と言っていたし、
その言葉で盛り上がったりしていたので、新譜が気になって
買って帰った人が多かったのではないか、と思いました。
そして前に別の記事でも書いたこと。
6月8日はボズ71歳の誕生日だったことを、帰宅して知りました。
会場では、バンドも客も、誰もそれを言う人はいなかった。
自分でも言わなかった。
なんて謙虚な人なんだと。
ただ、アーティストの誕生日にコンサートに行けるなんて、
滅多にない機会だから、バンドのメンバーや呼び屋が配慮して、
何らかの形で祝いたかった、と、そこが残念でした。
ボズ自身はバースデーケーキの写真をFacebookに上げていて、
とてもよい日だったと書いていたのでよかったのですが。
それにしても、そのケーキ、どこの店のかなあ、と地元ネタ(笑)。
ボズ・スキャッグス様
札幌へお越しいただきありがとうございました!
僕も強く印象に残りました。
思い出に残る誕生日だったことを願っています!
03

2015年04月28日
ポール・マッカートニー東京公演2015年4月25日
01

ポール・マッカートニー東京公演2015年4月25日
行きました。
今回は、個人的な用事で東京に行くことになったところへ、
後からポールのコンサートが決まった、運が良かったです。
長いので早速本題に行きましょう。
なお、今回、グッズは東京から送ったのですが、
まだ届いておらず、ここでも写真を使うことができません。
せめてパンフレットくらいは送る前に撮っておくべきだった。
それと、今回はこの次の4月27日の公演に弟が行ったので、
弟に聞いたその日の話も交えながら進めてゆきます。
●コンサートの前に・・・
当日、16時半開場のはずが、サウンドチェックに時間がかったようで、
大幅に遅れ、17時15分過ぎにようやく開場となりました。
これは何かあるのかな、とその時は期待しました。
その影響か、演奏が始まったのは開演時間とされていた18時半より
これまた大きく遅れ、19時25分過ぎにやっと曲が聴けました。
前振りのビデオは19時10分過ぎから流れていたと思います。
01:Eight Days A Week
ポールはバイオリンベースを抱き自然体でステージに登場。
開演が遅かっただけに、会場の盛り上がりは異様ともいえました。
「めざましテレビ」で観て聴いた1曲目はMagical Mystery Tour
でしたが、この日は一昨年と同じこの曲でした。
もしや・・・と思いましたが結論から先に書くと、僕は、
MMTをコンサートで体験することができませんでした。
弟が行った27日はテレビ同様1曲目だったとのこと。
正直いえば、ちょっとばかり残念。
ただもちろんこの曲自体を演奏してくれたのは嬉しかった。
ポールはこの曲に思い入れが強いんだなあ、もしかすると、ポールが
作曲家としてやってゆける確信を得たのがこの曲だったのかな。
1年5か月前と同じ曲で始まった。
その時のコンサートが既に思い出になっていることも実感しました。
1曲目が終わり、ポールが日本語で挨拶。
「カエッテキタヨ」で盛り上がった後、得意げな顔で
「ユウゲンジッコウ」と言い、会場大爆笑。
確かにポールは「有言実行」という言葉が似合う。
そう思わされた瞬間、外国語でも自分のイメージに合う言葉を
選ぶポールのセンスにあらためて感服しました。
スタッフが探したのかもしれない、きっとそうに違いないけれど、
ポールのセンスは言語の壁も越えている、だから世界中で
ポールの音楽が愛される、そんなことも思いました。
02:Save Us
今回も、ほんとうはこれを1曲目にしたかったんだろうな、と思った。
それにしてもこの曲は素晴らしい、何度目かの再認識。
僕はCDを買うと、ひと月から3か月くらい聴き込んで、まあ俗にいえば
そこで一度飽きて聴かなくなりますが、出て半年くらい経ってから
聴き直すと、そのアルバムが自分にとってどれだけの意味と価値がある
かが分かり、そこでまたよく聴くようになる、という心の動きがあります。
ポールのNEWは最初に既に半年ずっと聴き続けていた上に、
出て1年以上経った今年に入ってまたよく聴くようになりました。
つまり、それだけ僕にとっては大きな存在となったアルバム。
この曲のシンプルさが、内容の充実さを物語っていますね。
コンサートが終わって今日で3日目、今いちばんよく思い出して
口ずさんでいるのがこの曲です。
03:All My Loving
この曲は弟が行った4/27には演奏しなかったとのこと。
1曲目でも書きましたが、前回と同じ流れ、もう既に懐かしさで一杯。
気がつくと例の3連符を刻むギターの人ばかり追っていたのは、
僕もギター弾きの端くれなんだと、恥ずかしながら思いました。
04:Jet
来たぁ~!!
一昨年僕が聴かなかった曲がこれ。
しかも僕がポールのソロとして初めて聴いたうちの1曲だから、
嬉しさひとしお!
しかし、ここで「事件」が。
ポール間違えた!!
最後のコーダの入口、オリジナルのCDでいえば、3'43"のところ、
それまで2回繰り返していたイントロのフレーズと"Jet"というコーラスを
1回だけにする部分、ポールはそのまま2回続けてしまった。
そこだけベースの音が外れ、バンドの音が明らかにおかしかった。
スクリーンに写ったギターの人が困ったような顔をして
ポールの方を見ていたのが印象的でした。
ポールは間違いに気づき、何事もなかったかのように1小節後に復帰。
1990年の「初の」来日公演の時、僕が行った3回目の公演で、ポールが
Hey Judeの歌詞を間違ったのを今でも鮮明に思い出しますが、
今回またあらたな「伝説」ができてしまいました。
ところで、前回は4曲目がListen To What The Man Saidで、
今回はこれと入れ替わった形になりますが、弟が行った27日は
これではなくListen To...に戻っていたそうです。
もしかして間違ったのが嫌だったのかな。
僕は「あの娘におせっかい」が大好きでそれを聴きたかったけれど、
弟はJetが大好きなようで(今回判明した)、Jetを聴けなかったことを
残念がっていました。
05:Let Me Roll It
今回もポールがラメ入りのフラワー柄の派手なレス・ポールに。
全曲がJetになったことで、BAND ON THE RUNから
2曲続いたのは、そのアルバム「命」の僕には嬉しかった。
前回はまさかこの曲がコンサートで聴けるなんて、興奮状態でしたが、
冷静になった今回は、この曲のベースが僕は大好きなので、
ポールは、ギターもいいけど、ベースを弾いて欲しかったなあ、と。
人間、贅沢になるものですね(笑)。
一度曲が終わり、ジミ・ヘンドリックスのFoxy Ladyのような
ブルーズセッションになったのも前回と同じ。
06:Paperback Writer
50年ほど前に東京で演奏した曲として紹介。
ははあ、意識しているな。
オリジナルにはない「4番」を付け加えて長くしていましたが、
ビートルズの曲で構成を変えたのはこの曲だけでした。
07:My Valentine
ポールがグランドピアノに移動。
ナンシーに捧げた曲、というのも前回と同じ。
スクリーンで、ビデオクリップにあるジョニー・デップと
ナタリー・ポートマンの手話の映像が写るのですが、
2人の仕草が違う部分があって、それでは手話としては
通じないのではないか、と、ふと思いました。
僕は手話を習ったことがなく印象で話しているのが申し訳ないですが、
言葉よりもイメージに頼る部分も多いのかな、手話というのは。
僕はこの曲好きなのですが、一緒に行った友だちが、この曲だけ
コンサートの雰囲気が合わないと感じた、と話していました。
08:Ninety-Hundred And Eighty-Five 1985
曲の前に「これはウィングス・ファンのため」と英語でポールが言い、
両手の親指を合わせて翼のような仕草を見せて演奏開始。
僕は前回の流れは忘れていたし、そのMCもなかったと思い、
だから何が始まるかと思えばこれで、もう最高に。
前回、この曲がコンサートでこんなに盛り上がるとは!
と書きましたが、今回はその思いを強くしました。
この曲が持つ"crazy"な感覚がそうさせたのでしょう。
曲が終わってポールが立ち上がり、鳥のような仕草を見せて
笑いに包まれましたが、「この曲で飛んでくれ!」
という意味もあったのかな、と。
そして「ウィングスファン」とわざわざ名指しをしたのは、これは
ベスト盤には入っていない曲だからで、それは納得でした。
09:The Long And Winding Road
この曲では、1990年のコンサートのことを思い出していました。
一昨年の記事でもそのことを書いていたのですが、そうか、
あれからもう四半世紀が経ったんだって、あらためて思いました。
今回もキーボードはウィックス・ウィケンズで、90年の時から
まだいるのはウィックスだけで、それも懐かしさが増した部分です。
ウィックスとポールは馬が合うようで、 バンドメンバーで
名前を挙げて紹介していたのは彼だけでした。
ちょっと皮肉屋のいかにも英国紳士らしいウィックス、いいですね。
ポールが気に入るのも大納得です。
10:Maybe I'm Amazed
前回は「この曲はリンダのために書きました」と日本語で力を込めて
言った ポールでしたが、今回は普通に英語で話していました。
もしかして、ここで笑いを取りたいわけではなかったのかな・・・
それにしても、スクリーンに写された1970年頃のポールとリンダさんと
ご家族の写真、あらためて、ポールはやっぱり今でもリンダさんを
愛しているんだなあと、なんだか胸にしみてきました。
11:I've Just Seen A Face
ここからアコースティックのセットに。
ほんと、この曲はコンサートにはいいですね!
12:We Can Work It Out
やはりこの曲は「歌」として最高にいいですね。
13:Another Day
前回、それまで好きではなかったけど翻意した曲。
今回は「安定して」聴けました(笑)。
繰り返し、嫌いだったのはもう過去のこと。
14:Hope For The Future
前回演奏しなかったもう1曲。
例の、ビデオゲームに提供した曲。
実は聴いたことがなかったのですが、曲名やネットで見た
アートワークから想像した、ほぼその通りの曲でした。
ただ、僕はいつも言うように曲の覚えが悪すぎるので、
今こうして記事を書いていて、曲を思い出せないのですが・・・
これ、CD出てないんですよね、12インチレコードだけ。
レコードを出すのは昔のファンのためにはいいし、逆に
ゲーム世代の若者には新鮮に映る、ということでしょう。
しかし、僕はCD世代、それはないだろう、と・・・
ポールのファンの方申し訳ない。
そういうわけでこれは、CDとして世の中に出るまでは、
この曲は「知らない」ものとさせていただきます。
ボーナストラックでもベスト盤でも何でもいいから。
そして、なんだかこの曲への恨み節になってしまいますが・・・
この曲の代わりに落とされたのが、Everybody Out There。
僕はそれが大好きなんですよね、だから落とされたのは残念。
構成上、新しい曲を増やすわけにはゆかないのは分かりますが、
一昨年ステージが印象的だった曲なだけに。
なんて、もう恨み節はやめましょう。
15:And I Love Her
前回最も感動したこの曲をまた聴ける。
前回は、会場の反応が大きく印象的だった曲と書きました。
曲が始まり、そのことを思い出しましたが、今回は
僕が思っていたほど大きな反応ではなく、普通、でした。
1年半と間が短く、前回言った人が多いことは想像に難くないですが、
もうひとつ、そう感じた理由を思いつきました。
今回の席はアリーナの前から3ブロック目と、割と前の方で、
肉眼でなんとかポールの表情が見えるくらいでした。
しかし前回はアリーナでも真ん中より後ろで、自分より前方にいた人が
今回より多くてそう感じたのかもしれない。
あれだけ大きな会場だと、横からの歓声はよく聞こえても、
後ろからは意外と音が小さくなるんだ、と感じました。
いずれにせよ、この曲は僕がビートルズを聴き始めた頃を思い出し、
とりわけ思いが深くなる1曲だと分かりました。
16:Blackbird
前回、映像が印象的だった曲のひとつ。
今回はちょうど夏鳥が来る時期に歌ってくれて、感謝。
17:Here Today
今回も、次の曲はジョン・レノンのため、と言って始めました。
この曲は当時、Yesterdayを意識したと言われていましたが、
ひとりで弾き語りで歌う姿は、まさにそう映りました。
これが入ったアルバムTUG OF WARのインナースリーヴに
ポールがひとりで作曲する写真があるのですが、曲の間、
僕はその写真をずっと思い浮かべていました。
18:New
今回もここでポールは、『マジカル・ミステリー・ツアー』の
メロトロンを彷彿とさせるレインボーカラーのキーボードの前に座る。
実は僕、この曲は前回よりいいと思いました。
前回は普通にいい、くらいだったのが、今回はとてもいい、と。
最後にキーボードの上に肘を立てて会場を見る仕草は前回と
同じでしたが、今回のジェスチャーは控えめでした、これに限らず。
19:Queenie Eye
続いて「疑似メロトロン」の前でNEWからの曲、も同じ。
前回のコンサートで、この曲は歌詞は「分かる」けど「歌えない」
ことが分かり、歌詞をちゃんと「覚えて」臨み、歌えました(笑)。
ほんとうにこの曲は「ビートルズファン」へのプレゼントですね。
この曲は前回大好きでしたが、今はもっと好きです(笑)。
20:Lady Madonna
前回の記事を見ると、ここの流れは同じでしたが、前回はポールが
グランドピアノに移って歌ったのが、今回は「疑似メロトロン」で演奏。
オリジナルはMMTの後の1968年ですが、アップル前最後の曲でもあり、
その辺のサイケなイメージを踏襲したかったのかな。
今回は、昨年出たポールのトリビュートアルバムで、この曲を
アラン・トゥーサンが歌っているのを思い浮かべて聴いていました。
もちろん「ブーブー紙」コーラス、僕も歌いましたよ(笑)。
スクリーンの映像で、"See how they run?"の部分になると、
陸上競技の走者が写るのが面白かった。
21:All Together Now
またアコースティックギターを持ったポール。
今回は「子どものための曲」として紹介。
昔「ピンポンパン」で日本語の歌詞をつけて流れていたっけ。
小学生だった僕は当然それがビートルズの曲とは知らず、
中学生の時にオリジナルを聴いて驚いたことを思い出しました。
ゲームのキャラクターのようなアニメの映像も前回同様面白い。
22:Lovely Rita
この曲もポールは思い入れが深いんでしょうね。
曲が終わって、僕の頭の中で「コケコッコーッ」と鳴り出したのは
言うまでもない(笑)。
もちろんその曲を演奏するはずもないのですが。
23:Eleanor Rigby
実は、僕が今のところ最後にCDで聴いたビートルズの曲がこれ。
何がどうということもなく、ただ聴いて歌いたくなり、CDでリピート。
車の中の取り出しやすい場所に1のCDを積んでおいてよかった。
そしてこの曲、あらためて、、アコースティックで映えるものなのだと。
トリビュートでアリス・クーパーが歌っていることを思い出したのは、
前回との大きな違い。
24:Being For The Benefit Of Mr. Kite!
ジョンの曲はやはり今回もこれ。
間奏のワルツで会場が意外と盛り上がっていました。
25:Something
そして次、ウクレレを持ち出し、ジョージ・ハリスンに捧げると話す。
今ではコンサートの「名物」「名シーン」となっていますね。
後半はベースに持ち替え、他のメンバーも加わりバンドの音に。
今回、バンドの演奏がしっかりとしていい音を聴かせてくれる、というこ
いてやはりビートルズファンへの思いを感じました。
そして僕はそれを聴きながら、その演奏にはなかった
ポールのベースを頭の中で付け加えていました。
26:Ob-La-Di, Ob-La-Da
「みんな一緒に歌って」と。
この曲を歌うのはみんなほんとに楽しそうでした。
27:Band On The Run
この曲がこれほどまでにコンサートに合うなんて。
前回、そう思ったのが、今回はさらに強く思いました。
コンサートが終わった帰り道、どの曲がいちばん印象的だったかと
友だちと話していて、僕は、これを挙げました。
28:Back In The U.S.S.R.
気分爽快!
前回はギターソロをだいぶ変えていたのですが、
今回はオリジナルに近いものになっていました。
29:Let It Be
前回、なぜか僕はこの曲では歌いませんでしたと書きました。
今回もそうでした。
実は、会場でも歌う人は意外と少ないと感じました。
これはやっぱり「聴く」曲なのかな、と。
30:Live And Let Die
今回は「パイロ多めに燃やしております」状態でした(笑)。
やはりその熱が自分たちのところにも伝わってきました。
これは一種のコメディ、ギャク、漫画ですね。
ポールの人を喜ばせたいという気持ちが詰まっている。
エンターテイナーとしてのポールらしい曲といえるでしょう。
ポール熱そうだったけど(笑)。
そしてギターのひとりが、アンプでフィードバックさせたところ、
死んでしまった、という小芝居は今回も面白かった。
31:Hey Jude
前回は、この曲が最後じゃないと驚いたと書きましたが、もう慣れた。
今回ポールは「男子」「女子」と指名して会場で歌いましたが、そこで、
女性の客が多いことにあらためて気づきました。
僕が行ったコンサートの中で間違いなく、女性率No.1でしょうね。
32:Day Tripper
アンコール1曲目も前回と同じ。
ギターの音の鋭さが印象的でした。
33:Hi-Hi-Hi
この曲を外さないでくれたのは、ただただ嬉しい。
僕の中で最強のマッカートニーソングのひとつになりました。
曲が終わってポールが「もっと聴きたい?」と言ったのはここだったか・・・
忘れてしまいましたが、そう言ったのは確かです。
34:Can't Buy Me Love
前回演奏しなかったもう1曲で、代わりにGet Backが落ちました。
ポールがバイオリンベースを持っていたので、てっきりGet Backだと。
1990年の時に僕の前のブロックの最後列にいた夫婦が、この曲が
かかった瞬間に踊り出したのが印象的で、今回それを思い出しました。
この曲、実は、その1990年まであまり好きではなかったのですが、
今は一転して歌うのに最高にいい曲のひとつになっていて、
だからやっぱり嬉しかった。
ところで、27日のコンサートではこれを3曲目に演奏し、
All My Lovingはやらなかった、と弟情報。
さらにネットで見ると、23日もそうだったみたいですね。
つまり、All My Lovingを聴けたのは今回25日だけ。
しかし、その代わりに23日と27日にここで演奏されたのが、
I Saw Her Standing Thereだったとは!
十指に入るくらい好きな曲だけに、聴けなくてちょっとがっかり。
35:Yesterday
ポールがエピフォンの右用ギターを持って出てきた。
この曲にはふさわしい、これも演出といっていいでしょう。
少なくない人が携帯の画面を明るくしてペンライト代わりに
振っていたのが面白かった、しかもほとんどが男性。
この曲が終わり、ポールはもう疲れた表情で袖に帰ろうとしたところ、
バイオリンベースを持ったローディさんが出てきて、ポールは
もうやめようと言い、でもローディさんにあと2曲と言われる。
やっぱりこの小芝居は可笑しかった。
ポールは曲が終わる度に何か笑いをとらないと気が済まないのかと
友だちに言われ、きっとポールは関西系なんだと僕は答えました。
関西の方、違ったらごめんなさい・・・
36:Helter-Skelter
疲れているのにこの曲をやらさらるのかい(笑)。
心配にもなりましたが、もちろん演奏は絶好調。
ところで、ポールは日本の後で韓国公演が控えていますが、
この曲の映像、流して大丈夫なのかな、と心配に・・・
37:Golden Slumbers-Carry That Weight-The End
そろそろみんな帰る時間だよ、と会場に呼びかけたポール。
もう最後だと分かっていたけれど、今回は意外と冷静に迎えました。
Golden...は90年のコンサートから、"Sleep pretty darling do not cry"
の"pretty"を"little"に変えて歌っているのですが、確かにその方が
音の収まりがいいと思い、今では僕もそう歌っています。
逆にいえば、どうして当時は"pretty"にこだわったのだろうって。
そして、コンサートの最後、みんな家に帰るという気持ちの上に、
これほどまでに余韻を持たせる、そんな状況にぴったりの曲を
持っているポール・マッカートニーという人の強さを感じました。
そして最後はポールもギターを持って3人のギターバトル。
ベースはどうしたのか・・・キーボードの低音で代用したのかな。
確かにベースらしい音は聴こえていたから。
そうそう、この曲を聴くとドラムスをやりたいと思うのは今回もでした(笑)。
ああ、終わってしまった。
楽しかった、感動した、ありがとうポール!
「マタネ」と言ったその言葉を信じたいです。
02

最後の曲が終わって、紙吹雪が舞う。
桜吹雪のようできれい、思わず撮影。
今回も携帯での静止画撮影は許されていました。
さて、ポール、今回、声量というか歌のパフォーマンスは、
正直、前回よりやや落ちていた感はあります。
まあ、病気をしたわけだし、そこは仕方ないですね。
1曲減らしたとはいえ、72歳で2時間半も歌い続けるのだから。
セットリストについて、どれくらい曲が入れ替わるかと期待しましたが、
実際は僕が行った日は3曲ということになりました。
そこはは期待外れでしたが、でも映像を観ていて分かりました。
同じツアーで間隔も短く、映像をしっかりと作っているので、
演奏する曲を大幅には変えられないのだなあ、と納得。
いろいろ書きましたが、コンサートそのものは大満足でした。
逆に、同じ体験を短い間で2度できたのは幸せですね。
ビリー・ジョエルが、ニューヨークのMSGで毎月コンサートをしていて、
チケットは発売後すぐに完売になるほど人気があるそうです。
まあそれは地元だから可能であって、日本でいわゆる「外タレ」が
それをするのは難しいというかほぼ不可能でしょう。
でも、今後のコンサートのあり方として、同じような内容を、
短い間に観られるというのは意味や価値があるのではないか。
と、思いました。
つまり何を言いたいかというと・・・
ポール、またきっと来てくれる!
今はそう信じたいです。
03

札幌に帰ると、桜が咲いていました。
あの紙吹雪を思い出しました。
今日はしかし、全体的にもやっていて、
風景としてはあまり撮る気になれない朝でした。
PM2.5が来ていたという話ですが・・・
そして最後は今朝の犬たち。
5日振りで嬉しそうでした。
ポーラが自分から車を降りたくらいに。
04

でも、マーサ、それはないでしょ・・・(笑)。

ポール・マッカートニー東京公演2015年4月25日
行きました。
今回は、個人的な用事で東京に行くことになったところへ、
後からポールのコンサートが決まった、運が良かったです。
長いので早速本題に行きましょう。
なお、今回、グッズは東京から送ったのですが、
まだ届いておらず、ここでも写真を使うことができません。
せめてパンフレットくらいは送る前に撮っておくべきだった。
それと、今回はこの次の4月27日の公演に弟が行ったので、
弟に聞いたその日の話も交えながら進めてゆきます。
●コンサートの前に・・・
当日、16時半開場のはずが、サウンドチェックに時間がかったようで、
大幅に遅れ、17時15分過ぎにようやく開場となりました。
これは何かあるのかな、とその時は期待しました。
その影響か、演奏が始まったのは開演時間とされていた18時半より
これまた大きく遅れ、19時25分過ぎにやっと曲が聴けました。
前振りのビデオは19時10分過ぎから流れていたと思います。
01:Eight Days A Week
ポールはバイオリンベースを抱き自然体でステージに登場。
開演が遅かっただけに、会場の盛り上がりは異様ともいえました。
「めざましテレビ」で観て聴いた1曲目はMagical Mystery Tour
でしたが、この日は一昨年と同じこの曲でした。
もしや・・・と思いましたが結論から先に書くと、僕は、
MMTをコンサートで体験することができませんでした。
弟が行った27日はテレビ同様1曲目だったとのこと。
正直いえば、ちょっとばかり残念。
ただもちろんこの曲自体を演奏してくれたのは嬉しかった。
ポールはこの曲に思い入れが強いんだなあ、もしかすると、ポールが
作曲家としてやってゆける確信を得たのがこの曲だったのかな。
1年5か月前と同じ曲で始まった。
その時のコンサートが既に思い出になっていることも実感しました。
1曲目が終わり、ポールが日本語で挨拶。
「カエッテキタヨ」で盛り上がった後、得意げな顔で
「ユウゲンジッコウ」と言い、会場大爆笑。
確かにポールは「有言実行」という言葉が似合う。
そう思わされた瞬間、外国語でも自分のイメージに合う言葉を
選ぶポールのセンスにあらためて感服しました。
スタッフが探したのかもしれない、きっとそうに違いないけれど、
ポールのセンスは言語の壁も越えている、だから世界中で
ポールの音楽が愛される、そんなことも思いました。
02:Save Us
今回も、ほんとうはこれを1曲目にしたかったんだろうな、と思った。
それにしてもこの曲は素晴らしい、何度目かの再認識。
僕はCDを買うと、ひと月から3か月くらい聴き込んで、まあ俗にいえば
そこで一度飽きて聴かなくなりますが、出て半年くらい経ってから
聴き直すと、そのアルバムが自分にとってどれだけの意味と価値がある
かが分かり、そこでまたよく聴くようになる、という心の動きがあります。
ポールのNEWは最初に既に半年ずっと聴き続けていた上に、
出て1年以上経った今年に入ってまたよく聴くようになりました。
つまり、それだけ僕にとっては大きな存在となったアルバム。
この曲のシンプルさが、内容の充実さを物語っていますね。
コンサートが終わって今日で3日目、今いちばんよく思い出して
口ずさんでいるのがこの曲です。
03:All My Loving
この曲は弟が行った4/27には演奏しなかったとのこと。
1曲目でも書きましたが、前回と同じ流れ、もう既に懐かしさで一杯。
気がつくと例の3連符を刻むギターの人ばかり追っていたのは、
僕もギター弾きの端くれなんだと、恥ずかしながら思いました。
04:Jet
来たぁ~!!
一昨年僕が聴かなかった曲がこれ。
しかも僕がポールのソロとして初めて聴いたうちの1曲だから、
嬉しさひとしお!
しかし、ここで「事件」が。
ポール間違えた!!
最後のコーダの入口、オリジナルのCDでいえば、3'43"のところ、
それまで2回繰り返していたイントロのフレーズと"Jet"というコーラスを
1回だけにする部分、ポールはそのまま2回続けてしまった。
そこだけベースの音が外れ、バンドの音が明らかにおかしかった。
スクリーンに写ったギターの人が困ったような顔をして
ポールの方を見ていたのが印象的でした。
ポールは間違いに気づき、何事もなかったかのように1小節後に復帰。
1990年の「初の」来日公演の時、僕が行った3回目の公演で、ポールが
Hey Judeの歌詞を間違ったのを今でも鮮明に思い出しますが、
今回またあらたな「伝説」ができてしまいました。
ところで、前回は4曲目がListen To What The Man Saidで、
今回はこれと入れ替わった形になりますが、弟が行った27日は
これではなくListen To...に戻っていたそうです。
もしかして間違ったのが嫌だったのかな。
僕は「あの娘におせっかい」が大好きでそれを聴きたかったけれど、
弟はJetが大好きなようで(今回判明した)、Jetを聴けなかったことを
残念がっていました。
05:Let Me Roll It
今回もポールがラメ入りのフラワー柄の派手なレス・ポールに。
全曲がJetになったことで、BAND ON THE RUNから
2曲続いたのは、そのアルバム「命」の僕には嬉しかった。
前回はまさかこの曲がコンサートで聴けるなんて、興奮状態でしたが、
冷静になった今回は、この曲のベースが僕は大好きなので、
ポールは、ギターもいいけど、ベースを弾いて欲しかったなあ、と。
人間、贅沢になるものですね(笑)。
一度曲が終わり、ジミ・ヘンドリックスのFoxy Ladyのような
ブルーズセッションになったのも前回と同じ。
06:Paperback Writer
50年ほど前に東京で演奏した曲として紹介。
ははあ、意識しているな。
オリジナルにはない「4番」を付け加えて長くしていましたが、
ビートルズの曲で構成を変えたのはこの曲だけでした。
07:My Valentine
ポールがグランドピアノに移動。
ナンシーに捧げた曲、というのも前回と同じ。
スクリーンで、ビデオクリップにあるジョニー・デップと
ナタリー・ポートマンの手話の映像が写るのですが、
2人の仕草が違う部分があって、それでは手話としては
通じないのではないか、と、ふと思いました。
僕は手話を習ったことがなく印象で話しているのが申し訳ないですが、
言葉よりもイメージに頼る部分も多いのかな、手話というのは。
僕はこの曲好きなのですが、一緒に行った友だちが、この曲だけ
コンサートの雰囲気が合わないと感じた、と話していました。
08:Ninety-Hundred And Eighty-Five 1985
曲の前に「これはウィングス・ファンのため」と英語でポールが言い、
両手の親指を合わせて翼のような仕草を見せて演奏開始。
僕は前回の流れは忘れていたし、そのMCもなかったと思い、
だから何が始まるかと思えばこれで、もう最高に。
前回、この曲がコンサートでこんなに盛り上がるとは!
と書きましたが、今回はその思いを強くしました。
この曲が持つ"crazy"な感覚がそうさせたのでしょう。
曲が終わってポールが立ち上がり、鳥のような仕草を見せて
笑いに包まれましたが、「この曲で飛んでくれ!」
という意味もあったのかな、と。
そして「ウィングスファン」とわざわざ名指しをしたのは、これは
ベスト盤には入っていない曲だからで、それは納得でした。
09:The Long And Winding Road
この曲では、1990年のコンサートのことを思い出していました。
一昨年の記事でもそのことを書いていたのですが、そうか、
あれからもう四半世紀が経ったんだって、あらためて思いました。
今回もキーボードはウィックス・ウィケンズで、90年の時から
まだいるのはウィックスだけで、それも懐かしさが増した部分です。
ウィックスとポールは馬が合うようで、 バンドメンバーで
名前を挙げて紹介していたのは彼だけでした。
ちょっと皮肉屋のいかにも英国紳士らしいウィックス、いいですね。
ポールが気に入るのも大納得です。
10:Maybe I'm Amazed
前回は「この曲はリンダのために書きました」と日本語で力を込めて
言った ポールでしたが、今回は普通に英語で話していました。
もしかして、ここで笑いを取りたいわけではなかったのかな・・・
それにしても、スクリーンに写された1970年頃のポールとリンダさんと
ご家族の写真、あらためて、ポールはやっぱり今でもリンダさんを
愛しているんだなあと、なんだか胸にしみてきました。
11:I've Just Seen A Face
ここからアコースティックのセットに。
ほんと、この曲はコンサートにはいいですね!
12:We Can Work It Out
やはりこの曲は「歌」として最高にいいですね。
13:Another Day
前回、それまで好きではなかったけど翻意した曲。
今回は「安定して」聴けました(笑)。
繰り返し、嫌いだったのはもう過去のこと。
14:Hope For The Future
前回演奏しなかったもう1曲。
例の、ビデオゲームに提供した曲。
実は聴いたことがなかったのですが、曲名やネットで見た
アートワークから想像した、ほぼその通りの曲でした。
ただ、僕はいつも言うように曲の覚えが悪すぎるので、
今こうして記事を書いていて、曲を思い出せないのですが・・・
これ、CD出てないんですよね、12インチレコードだけ。
レコードを出すのは昔のファンのためにはいいし、逆に
ゲーム世代の若者には新鮮に映る、ということでしょう。
しかし、僕はCD世代、それはないだろう、と・・・
ポールのファンの方申し訳ない。
そういうわけでこれは、CDとして世の中に出るまでは、
この曲は「知らない」ものとさせていただきます。
ボーナストラックでもベスト盤でも何でもいいから。
そして、なんだかこの曲への恨み節になってしまいますが・・・
この曲の代わりに落とされたのが、Everybody Out There。
僕はそれが大好きなんですよね、だから落とされたのは残念。
構成上、新しい曲を増やすわけにはゆかないのは分かりますが、
一昨年ステージが印象的だった曲なだけに。
なんて、もう恨み節はやめましょう。
15:And I Love Her
前回最も感動したこの曲をまた聴ける。
前回は、会場の反応が大きく印象的だった曲と書きました。
曲が始まり、そのことを思い出しましたが、今回は
僕が思っていたほど大きな反応ではなく、普通、でした。
1年半と間が短く、前回言った人が多いことは想像に難くないですが、
もうひとつ、そう感じた理由を思いつきました。
今回の席はアリーナの前から3ブロック目と、割と前の方で、
肉眼でなんとかポールの表情が見えるくらいでした。
しかし前回はアリーナでも真ん中より後ろで、自分より前方にいた人が
今回より多くてそう感じたのかもしれない。
あれだけ大きな会場だと、横からの歓声はよく聞こえても、
後ろからは意外と音が小さくなるんだ、と感じました。
いずれにせよ、この曲は僕がビートルズを聴き始めた頃を思い出し、
とりわけ思いが深くなる1曲だと分かりました。
16:Blackbird
前回、映像が印象的だった曲のひとつ。
今回はちょうど夏鳥が来る時期に歌ってくれて、感謝。
17:Here Today
今回も、次の曲はジョン・レノンのため、と言って始めました。
この曲は当時、Yesterdayを意識したと言われていましたが、
ひとりで弾き語りで歌う姿は、まさにそう映りました。
これが入ったアルバムTUG OF WARのインナースリーヴに
ポールがひとりで作曲する写真があるのですが、曲の間、
僕はその写真をずっと思い浮かべていました。
18:New
今回もここでポールは、『マジカル・ミステリー・ツアー』の
メロトロンを彷彿とさせるレインボーカラーのキーボードの前に座る。
実は僕、この曲は前回よりいいと思いました。
前回は普通にいい、くらいだったのが、今回はとてもいい、と。
最後にキーボードの上に肘を立てて会場を見る仕草は前回と
同じでしたが、今回のジェスチャーは控えめでした、これに限らず。
19:Queenie Eye
続いて「疑似メロトロン」の前でNEWからの曲、も同じ。
前回のコンサートで、この曲は歌詞は「分かる」けど「歌えない」
ことが分かり、歌詞をちゃんと「覚えて」臨み、歌えました(笑)。
ほんとうにこの曲は「ビートルズファン」へのプレゼントですね。
この曲は前回大好きでしたが、今はもっと好きです(笑)。
20:Lady Madonna
前回の記事を見ると、ここの流れは同じでしたが、前回はポールが
グランドピアノに移って歌ったのが、今回は「疑似メロトロン」で演奏。
オリジナルはMMTの後の1968年ですが、アップル前最後の曲でもあり、
その辺のサイケなイメージを踏襲したかったのかな。
今回は、昨年出たポールのトリビュートアルバムで、この曲を
アラン・トゥーサンが歌っているのを思い浮かべて聴いていました。
もちろん「ブーブー紙」コーラス、僕も歌いましたよ(笑)。
スクリーンの映像で、"See how they run?"の部分になると、
陸上競技の走者が写るのが面白かった。
21:All Together Now
またアコースティックギターを持ったポール。
今回は「子どものための曲」として紹介。
昔「ピンポンパン」で日本語の歌詞をつけて流れていたっけ。
小学生だった僕は当然それがビートルズの曲とは知らず、
中学生の時にオリジナルを聴いて驚いたことを思い出しました。
ゲームのキャラクターのようなアニメの映像も前回同様面白い。
22:Lovely Rita
この曲もポールは思い入れが深いんでしょうね。
曲が終わって、僕の頭の中で「コケコッコーッ」と鳴り出したのは
言うまでもない(笑)。
もちろんその曲を演奏するはずもないのですが。
23:Eleanor Rigby
実は、僕が今のところ最後にCDで聴いたビートルズの曲がこれ。
何がどうということもなく、ただ聴いて歌いたくなり、CDでリピート。
車の中の取り出しやすい場所に1のCDを積んでおいてよかった。
そしてこの曲、あらためて、、アコースティックで映えるものなのだと。
トリビュートでアリス・クーパーが歌っていることを思い出したのは、
前回との大きな違い。
24:Being For The Benefit Of Mr. Kite!
ジョンの曲はやはり今回もこれ。
間奏のワルツで会場が意外と盛り上がっていました。
25:Something
そして次、ウクレレを持ち出し、ジョージ・ハリスンに捧げると話す。
今ではコンサートの「名物」「名シーン」となっていますね。
後半はベースに持ち替え、他のメンバーも加わりバンドの音に。
今回、バンドの演奏がしっかりとしていい音を聴かせてくれる、というこ
いてやはりビートルズファンへの思いを感じました。
そして僕はそれを聴きながら、その演奏にはなかった
ポールのベースを頭の中で付け加えていました。
26:Ob-La-Di, Ob-La-Da
「みんな一緒に歌って」と。
この曲を歌うのはみんなほんとに楽しそうでした。
27:Band On The Run
この曲がこれほどまでにコンサートに合うなんて。
前回、そう思ったのが、今回はさらに強く思いました。
コンサートが終わった帰り道、どの曲がいちばん印象的だったかと
友だちと話していて、僕は、これを挙げました。
28:Back In The U.S.S.R.
気分爽快!
前回はギターソロをだいぶ変えていたのですが、
今回はオリジナルに近いものになっていました。
29:Let It Be
前回、なぜか僕はこの曲では歌いませんでしたと書きました。
今回もそうでした。
実は、会場でも歌う人は意外と少ないと感じました。
これはやっぱり「聴く」曲なのかな、と。
30:Live And Let Die
今回は「パイロ多めに燃やしております」状態でした(笑)。
やはりその熱が自分たちのところにも伝わってきました。
これは一種のコメディ、ギャク、漫画ですね。
ポールの人を喜ばせたいという気持ちが詰まっている。
エンターテイナーとしてのポールらしい曲といえるでしょう。
ポール熱そうだったけど(笑)。
そしてギターのひとりが、アンプでフィードバックさせたところ、
死んでしまった、という小芝居は今回も面白かった。
31:Hey Jude
前回は、この曲が最後じゃないと驚いたと書きましたが、もう慣れた。
今回ポールは「男子」「女子」と指名して会場で歌いましたが、そこで、
女性の客が多いことにあらためて気づきました。
僕が行ったコンサートの中で間違いなく、女性率No.1でしょうね。
32:Day Tripper
アンコール1曲目も前回と同じ。
ギターの音の鋭さが印象的でした。
33:Hi-Hi-Hi
この曲を外さないでくれたのは、ただただ嬉しい。
僕の中で最強のマッカートニーソングのひとつになりました。
曲が終わってポールが「もっと聴きたい?」と言ったのはここだったか・・・
忘れてしまいましたが、そう言ったのは確かです。
34:Can't Buy Me Love
前回演奏しなかったもう1曲で、代わりにGet Backが落ちました。
ポールがバイオリンベースを持っていたので、てっきりGet Backだと。
1990年の時に僕の前のブロックの最後列にいた夫婦が、この曲が
かかった瞬間に踊り出したのが印象的で、今回それを思い出しました。
この曲、実は、その1990年まであまり好きではなかったのですが、
今は一転して歌うのに最高にいい曲のひとつになっていて、
だからやっぱり嬉しかった。
ところで、27日のコンサートではこれを3曲目に演奏し、
All My Lovingはやらなかった、と弟情報。
さらにネットで見ると、23日もそうだったみたいですね。
つまり、All My Lovingを聴けたのは今回25日だけ。
しかし、その代わりに23日と27日にここで演奏されたのが、
I Saw Her Standing Thereだったとは!
十指に入るくらい好きな曲だけに、聴けなくてちょっとがっかり。
35:Yesterday
ポールがエピフォンの右用ギターを持って出てきた。
この曲にはふさわしい、これも演出といっていいでしょう。
少なくない人が携帯の画面を明るくしてペンライト代わりに
振っていたのが面白かった、しかもほとんどが男性。
この曲が終わり、ポールはもう疲れた表情で袖に帰ろうとしたところ、
バイオリンベースを持ったローディさんが出てきて、ポールは
もうやめようと言い、でもローディさんにあと2曲と言われる。
やっぱりこの小芝居は可笑しかった。
ポールは曲が終わる度に何か笑いをとらないと気が済まないのかと
友だちに言われ、きっとポールは関西系なんだと僕は答えました。
関西の方、違ったらごめんなさい・・・
36:Helter-Skelter
疲れているのにこの曲をやらさらるのかい(笑)。
心配にもなりましたが、もちろん演奏は絶好調。
ところで、ポールは日本の後で韓国公演が控えていますが、
この曲の映像、流して大丈夫なのかな、と心配に・・・
37:Golden Slumbers-Carry That Weight-The End
そろそろみんな帰る時間だよ、と会場に呼びかけたポール。
もう最後だと分かっていたけれど、今回は意外と冷静に迎えました。
Golden...は90年のコンサートから、"Sleep pretty darling do not cry"
の"pretty"を"little"に変えて歌っているのですが、確かにその方が
音の収まりがいいと思い、今では僕もそう歌っています。
逆にいえば、どうして当時は"pretty"にこだわったのだろうって。
そして、コンサートの最後、みんな家に帰るという気持ちの上に、
これほどまでに余韻を持たせる、そんな状況にぴったりの曲を
持っているポール・マッカートニーという人の強さを感じました。
そして最後はポールもギターを持って3人のギターバトル。
ベースはどうしたのか・・・キーボードの低音で代用したのかな。
確かにベースらしい音は聴こえていたから。
そうそう、この曲を聴くとドラムスをやりたいと思うのは今回もでした(笑)。
ああ、終わってしまった。
楽しかった、感動した、ありがとうポール!
「マタネ」と言ったその言葉を信じたいです。
02

最後の曲が終わって、紙吹雪が舞う。
桜吹雪のようできれい、思わず撮影。
今回も携帯での静止画撮影は許されていました。
さて、ポール、今回、声量というか歌のパフォーマンスは、
正直、前回よりやや落ちていた感はあります。
まあ、病気をしたわけだし、そこは仕方ないですね。
1曲減らしたとはいえ、72歳で2時間半も歌い続けるのだから。
セットリストについて、どれくらい曲が入れ替わるかと期待しましたが、
実際は僕が行った日は3曲ということになりました。
そこはは期待外れでしたが、でも映像を観ていて分かりました。
同じツアーで間隔も短く、映像をしっかりと作っているので、
演奏する曲を大幅には変えられないのだなあ、と納得。
いろいろ書きましたが、コンサートそのものは大満足でした。
逆に、同じ体験を短い間で2度できたのは幸せですね。
ビリー・ジョエルが、ニューヨークのMSGで毎月コンサートをしていて、
チケットは発売後すぐに完売になるほど人気があるそうです。
まあそれは地元だから可能であって、日本でいわゆる「外タレ」が
それをするのは難しいというかほぼ不可能でしょう。
でも、今後のコンサートのあり方として、同じような内容を、
短い間に観られるというのは意味や価値があるのではないか。
と、思いました。
つまり何を言いたいかというと・・・
ポール、またきっと来てくれる!
今はそう信じたいです。
03

札幌に帰ると、桜が咲いていました。
あの紙吹雪を思い出しました。
今日はしかし、全体的にもやっていて、
風景としてはあまり撮る気になれない朝でした。
PM2.5が来ていたという話ですが・・・
そして最後は今朝の犬たち。
5日振りで嬉しそうでした。
ポーラが自分から車を降りたくらいに。
04

でも、マーサ、それはないでしょ・・・(笑)。
2014年11月18日
エリック・クラプトン&スティーヴ・ウィンウッド札幌公演
01

エリック・クラプトン&スティーヴ・ウィンウッド札幌公演
2011年11月17日 札幌市「きたえーる」
早速、昨日のコンサートの話とセットリストの記事です。
この記事は昨日コンサートが始まった時刻の頃に上げています。
実は正確には見ていなかったのですが、19時には始まらず、
途中で時計を見た時刻から逆算したのですが、
雰囲気だけでもと思いまして(笑)。
エリック・クラプトン Eric Clapton
スティーヴ・ウィンウッド Steve Winwood
2人は最近は意気投合しているようで、フレンドリーな雰囲気の中、
全体としては余裕が感じられつつ、磨きがかかった演奏による
素晴らしいコンサートでした。
今回の僕の席は前から4列目で裸眼でステージの人の顔が
はっきり見えたのはよかった、もう感激。
僕は今年からスティーヴ・ウィンウッドを真剣に聴き始めたせいで
多分少数派(笑)、スティーヴが主な目当ての人間でした。
ステージに上がってきたスティーヴはGパンにチェックのシャツと
まったくカジュアルないでたちで、さっそうとしたなかにどこか
親しみやすさを感じさせる笑顔が印象的なカッコいい人でした。
ただスティーヴのハモンド・オルガンがある位置は僕の席とは反対の
ステージに向かって左側で少し遠かったのがちょっと残念。
ただそれでも顔ははっきり見えたのでよかったけど。
一方エリックは白系のシャツに黒いベストのウェスタン風の服装。
履いていた紺のズボンが一見Gパンのように見えたけど
よく見ると素材が違うようで、何だろう、軍服みたいな素材だった。
どこで売ってるんだろう、いくらだろうと思ったり(笑)。
髪はとても短く、角ばった眼鏡がとても似合っていました。
スティーヴ目当ての僕は基本はスティーヴを見ていたのですが、
やはり、コンサートが進むとエリックのほうが目立つというか、
目も心も吸い寄せられるようにエリックと彼のギターを見てしまい、
存在感がまるで違うことに気づきました、
結局はエリックとスティーヴは五分五分くらいに見ていたかな。
多分それでも僕はスティーヴの比率が高いほうだろうけど(笑)。
スティーヴが地味ということではなく、もしエリックがいなくても
スティーヴだけでも超一流のエンターテイナーとして満足したはず。
しかしエリックはさらにその上の存在で、大げさにいえば
70億いる人間の中でも何人しかいないという
本当に特別な人なのだと感じました。
エリックはまた演奏に際しても、周りの人には見えない自分だけの
世界が確かにあってそこを見て演奏している感じで、近寄り難い、
近寄ってはいけない人、オーラ以上の何かを感じました。
敢えて神々しいとは言わないのですが、そういうニュアンスかな。
演奏は確信に満ちていて間違うという言葉が存在しない。
僕はレコードからでは分からないその雰囲気を感じられただけでも
このコンサートの意味と価値は大きいと思いました。
エリックは声がとてもよく出ていて、
年を追うごとにほんとうに味がある歌手になったな感じました。
スティーヴは高音は出るけど年相応という感じでしたね。
エリックのギタープレイについてはもう何も言えません。
個人的には、やっぱりエリックのギター演奏を目の前で見ると、
自分ももっとギターが上手くなりたいと思いました。
これは前の札幌ドーム公演でもまったく同じく思いましたが、
やはり僕は下手でもギター弾きなんだなって安心した部分(笑)。
エリックが使っていたエレクトリック・ギターは
黒のストラトキャスターの指板がメイプルのもので、
「ブラッキー」の後継者ということでしょうか。
使っていたのはこれ1本だけでしたが、ステージの脇には
あと数本あったので、もう1本でもいいから見たかったな(笑)。
しかし今回驚いたというか感激したのが、
スティーヴも結構ギターが上手いことでした。
マルチプレイヤーですからね、CDのブックレットを読むと、
ギターも時々自分で演奏しているのは分かっていたのですが、
しかし実際に見て、これなら普通のバンドのリードギタリストとして
十分お金が取れるくらいだと思いました、上手いです。
でもここではエリックと比べられますからね(笑)。
逆にいえばエリックがいるのに堂々とギターを弾いていたのは、
この人やっぱり昔っから肝が据わった人なんだって思いました。
また肝が据われるだけの大きなユーモアの心がある人だとも。
まあギターについてはエリックも、スティーヴが弾くところは
スティーヴを立てて少し引いていた、そういう人でもありますからね。
ギターを弾く人間の端くれとしてはとっても感動したステージでした。
スティーヴのギターも同じストラトキャスターの指板メイプル、
薄い青緑に見えたのでFenderのHPのカラーチャート表で見ると、
「サーフ・グリーン」"Surf Green"という色だと思う。
スティーヴのギターについてもう少し続けると、スティーヴは
エレクトリックでもアコースティックでもピックを使って弾くんだけど、
手首が固そうというか、スナップを効かせず肘から下全体を動かし
肘を軸にしてワイパーみたいに腕が動かして弾くように見えました。
ぎこちないというほどじゃない、上手いんだから、でも見ていると
一生懸命頑張っているような印象を受ける弾き方で、ましてや
あのエリックの横で弾いているせいで、エリックになるべく近づこうと
頑張っているギター小僧のように見えたのは微笑ましくもありました。
セットリストについて、実は1曲だけ分からない曲がありました。
いつもの言い訳ですがでも事実だから言わせてもらえば、
僕は曲の覚えが人数倍悪いので1発で曲を覚えられないし、
買ったCDもある程度以上聴かないと全曲が頭に入りません。
分からない曲が当初は3曲あったのですが2曲については、
歌詞の一部や特徴をメモして家でCDを調べると分かり、
それらは自信があるので文中では触れませんが、
この1曲だけはどうしても分からず、いろいろ探してCDを聴く度に、
コンサートでの曲の印象が薄れてますます分からなくなりました。
なのでその曲だけは分からないと書いて話します、ご了承ください。
なお、曲名の右のアルファベットはリード・ヴォーカルをとった人で、
Eはエリック・クラプトン、Sはスティーヴ・ウィンウッドを意味します。
では行きます。
02

1.Hard To Cry Today - S
1曲目は多分これだろうと予想していました。
ブラインド・フェイスのアルバム1曲目でもあり、写真02の
09年のMSGのライヴでも1曲目に演奏しているから。
スティーヴはギターを持ってエリックと一緒にあの印象的な
ギターリフを弾いていて、こういう決まる曲はカッコいいですね。
2.Low Down - E&S
2曲目もMSGライヴと同じ、2人で歌う軽快にスウィングする曲。
肩慣らしにちょうどいい感じ、聴く側も、きっと演奏する側も。
3.After Midnight - E
エリックほどになると多くはレコードとはアレンジを変えているので
イントロを聴いても、あれほんとにこの曲だろうかとよく思う。
スタジオ録音の最初のヴァージョンほど速くはなく、2番目のほど
ゆっくりでもない自然体なリズム感のアレンジ。
4.Presence Of The Lord - S
この曲をこんなに早くやるとは思わなくて、腕時計を見ると
19:20頃、昨日記事で予告したよりだいぶ早かった(笑)。
一部でエリックもヴォーカルをとっていて、2人の声が
シンクロしないで交錯するのがまたカッコよかった。
スティーヴは本業のハモンドを心の底まで響かせてくれました。
ほんとうに感動した、これぞ名曲ですね。
5.Glad
ホンキートンク風の軽やかなインストゥロメンタル。
スティーヴはピアノを弾いていたけどあれはホンキートンクの
チューニングをしてあったのかな。
6.Well All Right - S
ブラインド・フェイスから早くも3曲目でバディ・ホリーのカバー。
5曲目がこの曲のイントロ的につながっていたのが効果的。
聴きながらこの曲は、数多あるロックのカバーソングの中でも
もしかしていちばんすごいのではないかと思った。
7.Hoochie Coochie Man - E
ブルーズに凝っていなくてもこれは知っていた(笑)。
ほんとこれは大好きで個人的にはエリックのこの夜のベスト。
見ているその場でギターを弾きたくなりましたね(笑)。
それにしてもエリックの声が究極なまでに渋くてかっこよく、
この曲がエリックの声に最も合っているとも思った。
8.While You See A Chance - S
この曲は僕が中学生時代に「ベスト・ヒットUSA」で見て耳にして
スティーヴ・ウィンウッドという人の名前を知った思い出の曲で、
ベスト盤は持っていて曲はもちろん知っているけど、
まだオリジナルアルバムを持っておらずHMVに注文中で、
聴きながら先にアルバム聴いておきたかったと後悔しました。
まあそんなこと言ってもしょうがない、来週届くので。
それはともかくアップテンポでポップで微妙に切なげな曲だけど、
とっても好きな曲を演奏してくれたのはうれしかった。
でも、会場での知名度は一桁台だっただろうなぁ・・・
9.Key To The Highway - E
この曲はもう無言でエリックを聴いて見るしかないでしょ(笑)。
10.No Face, No Name, No Number - S
トラフィックの1枚目の曲でMSGでも演奏されているけど、
スティーヴのハモンドはこうした荘厳な感じの曲では無敵ですね。
エリックのアルペジオも決まっている。
11.Crossroads - E
エリックはクロスロードで手に入れた魂を今や完全に
人間の魂として聴かせてくれる。
至芸、人間国宝、そんな言葉がいくらあっても足りない。
アレンジは年相応にゆったりとしたテンポでした。
12.Georgia On My Mind - S
この曲はスティーヴの声にも合うしバンドのイメージに合う。
エリックはここでいちばんリラックスしていたような気が(笑)。
13.Driftin' - E
ここからアンプラグドのスタイルで座って演奏。
客席も座り僕もようやく座ることができました(笑)。
ちなみに僕は基本は座って聴きたいほうです。
もちろん盛り上がる曲やアンコールは立っても構わないですが。
UNPLUGGEDに収められたオールド・ブルーズで、
エリックはこの曲を、僕が何度も演奏してきていた曲であり、
それ以上にたくさん演奏されている曲だと紹介しました。
14. - E
この曲が曲名が分かりませんでした。
オールドブルーズだと思います。
しかしエリックのギタープレイはがこの曲が最高で、演奏後に
後ろの席から「まさに神様だ」と誰かが呟くのが聞こえました。
僕もこの曲の時はエリックのプレイをじっと見ていましたが、
フィンガー・ピッキングで弦を弾く右手の指の使い方がもう、
すごいとかうまいとかではなく、真似してみたいけど僕には無理、
ただただ見つめているしかできませんでした。
でも参考にはなりました(笑)。
エリックの1/25でもいいから弾けるようになりたい。
15.Layla - E
エリックのギターのすごさはスティーヴももちろん分かっていて、
この曲が始まる前にスティーヴが椅子に座ってエリックを見る
目つきがなんだかこの人近寄り難いという雰囲気を発していて、
会場にもそれが使って一部で笑い起こっていたのが面白かった。
エリックが何かスティーヴに語りかけた後で始まったのがこの曲。
やはりこれは演奏するんだな。
でも僕の感触では会場の反応が思ったほど大きくなくて、
やっぱりアンプラグドではないほうでやってほしかったのかな。
僕はどちらでももちろん構わないんだけど。
しかしこの曲での注目はスティーヴがギターソロを弾いたこと。
スティーヴがギターが上手いと書いたけど、エレクトリックだけなら
まあ普通かなくらいにしか思わなかったと思う。
スティーヴはアコースティック・ギターでもしっかり音が出ていました。
2人ともマーティンを使っていたと思うけど、会場の席の上に、
エリックのシグネイチャー・モデルのマーティンのチラシが置いてあり
やっぱりマーティンいいよなって思うだけ思っていました(笑)。
16.Can't Find My Way Home - S
アンプラグドの最後はブラインド・フェイスの曲。
こうして演奏するとトラッド色が濃く出ていてなかなかいい。
2人のギターの息がぴったりでとってもよかった。
この曲は元々好きだけど昨夜聴いて大好きな曲になりました。
17.Gimme Some Lovin' - S
エレクトリック・セットに戻り最後に向けて盛り上がってゆく。
スペンサー・デイヴィス・グループのこれを演奏してくれたのは
僕としてはうれしく、いちばん声を出して歌った曲でした。
ヴォーカルに入る前に「おぃっ」と大きな掛け声が入るのですが、
それを言っていたのは僕だけで微妙にこっ恥ずかしかった・・・
それにしても齢17にしてこんな曲を作っていたなんてあらためて
スティーヴは天才ミュージシャンなのだと思いました。
エリックのギターはバッキングプレイもさすがに聴かせてくれて、
イントロが終わって(掛け声が終わって)歌に入るところで、
声が入る前のギターの音が残る部分にはしびれました。
この曲はギターよりもキーボードの曲だと思っていたけど、
エリックが弾くとまったくもってギターの曲だと分かりました。
18.Voodoo Chile - S
もうすごいとしか言いようがない。
演奏のハイライトで、音の威力がこの夜でいちばんすごかった。
僕の右側にスピーカーが天井から吊り下げられていて、
右耳が聞こえにくくなっていたのが、この曲の音の大きさが
僕の耳には決定打となった感じでした(笑)。
エリックのギターはもちろんすべての楽器の音があまりにすごく、
スティーヴの声がほとんど聞こえなくなっていたのは残念だけど、
「ライヴ」という言葉の意味を心の底から感じ取った1曲でした。
19.Cocaine - E
本編最後はエリックのコンサートには欠かせないこの曲。
この曲は最後の"Cocaine"を客も歌うというか叫ぶんだけど、
よくよく考えると「コカイン」と唱和するのはいかがなものかと(笑)。
まあそれは冗談、半分くらいの人だったかな、唱和していたのは。
そこでふと思ったのは、曲自体の話からは離れますが、昨夜の
コンサートの客の多くは「体験」として参加するというよりは
エリックの職人芸を「鑑賞」するという感じだったのかもしれない。
別にどちらがいいというつもりではないけど、LaylaとCocaine、
ついでにGimme Some Lovn'への反応でそんなことを感じました。
この後バンドメンバーはみなそそくさと裏に歩いてゆきましたが、
エリックとスティーヴが肩を寄せて話していたのが印象的でした。
一見、先輩エリックが後輩スティーヴを諭しているという感じだけど、
実はそれも演出だったのかもしれない、とも(笑)。
会場はアンコールの拍手に包まれ、すぐにまた全員出てきました。
20.Dear Mr. Fantasy - S
最後はトラフィックの代表曲。
ここで意外だったのがスティーヴがギターを持っていたこと。
僕はこの曲はキーボードで聴かせる曲だと思っていたし
トラフィックの曲なのでなおのこととスティーヴはハモンドと
決めてかかっていたのでした。
ギターバトルもなかなかでしたね。
スティーヴが上手いと思ったもうひとつが、エリックとのバトルも
無難にこなしていた、それ以上に聴かせてくれたことでした。
スティーヴは"Dear Mr. Fantasy"と歌う部分の"Fan"の音が
高くなる部分で1か所だけ音が外れていたのはご愛嬌。
この曲を聴けたのはにわかスティーヴにわかトラフィック・ファン
としてはうれしくて、にわかを卒業するであろう今後の人生において
むしろこれが聴けたのはよかったと思うでしょうね。
ここでメンバーが横一列に並んで肩を組み
客席に向かって深く3回おじぎをして会場が盛り上がり、
そのままメンバーは裏に消えました。
当然またアンコールを求める拍手が起こり、僕はきっと
もう1回出てくるはずだと思っていました。
というのも昨夜はメンバー紹介を一切していなくて、これはおかしい、
そうかもう一度出てくるということだなと思っていたから。
しかし残念ながら客電が明るくなりウグイス嬢の場内放送が入り、
コンサートはほんとうに終わったようでした、残念。
なんだか昨夜は今まで以上にそこで終わったのが残念でした。
ということで2人以外のメンバーを紹介します。
クリス・ステイントン Chris Stainton (Key)
ウィリー・ウィークス Willie Weeks (Bs)
スティーヴ・ガッド Steve Gadd (Ds)
ミシェル・ジョン Michelle John (BV)
シャロン・ホワイト Sharon White (BV)
おなじみのメンバー。
スティーヴ・ガッドが見られたのは付加価値大ありかな。
ウィリーのベースは普通のプレシジョンだと思うんだけど、
なんだかネックが短めに見えたのは、きっと大きい人なんだ、
気のせいでしょうね(笑)。
03

今回が日本公演の初日ということで、まだ調整段階かな
と思わなくもないけどでもそういうことは一切感じさせない
本気で真剣でかつ余裕があるステージでした。
エリックの声がよく出ていたのは逆に初日だからかもしれないし。
しかしセットリストは変わっていくだろうし曲も増えるかもしれない。
僕としては大好きなForever Manをやらなかったのが残念だけど、
でもそれは不満ということではありません。
とっても素晴らしいコンサートでほんとうによかった。
あらためて、札幌に来てくれてありがとう!
最後の写真は本文でも触れたマーティンのチラシ。
マーティンのギター、欲しいですよね、憧れますよね。
でも。
これはあくまでも僕の感じ方、考え方、思いですが書きます。
ギブソンのギターは僕のように上手くはなくても、
ものとして欲しいし持っていたいという憧れがあって、
その憧れの上で買っても許されるんじゃないかな、と思う。
しかしマーティンの場合は上手い人ではないと
持ってはいけないようなイメージがありますね。
だから買えない、買おうと思うのもおこがましいです、僕には。
コンサートは一度行くとまた行きたくなるものだけど、
次はまったく予定もなにもないのが残念なところです。
エリック・クラプトンとスティーヴ・ウィンウッドのCDは
この先暫くは聴く機会が増えるのは確実ですね。
特にスティーヴは2枚がすぐに届くから。
エリックも今まであまり聴いてこなかったアルバムを
また聴き返して聴き込むとするかな。
最後は昨夜のコンサートの基になったというか内容が近い
LIVE FROM MADISON SQUARE GARDEN
のAmazonのリンクを施して終わります。
あ、これ、僕はまだDVD買ってないので買わなきゃ。

エリック・クラプトン&スティーヴ・ウィンウッド札幌公演
2011年11月17日 札幌市「きたえーる」
早速、昨日のコンサートの話とセットリストの記事です。
この記事は昨日コンサートが始まった時刻の頃に上げています。
実は正確には見ていなかったのですが、19時には始まらず、
途中で時計を見た時刻から逆算したのですが、
雰囲気だけでもと思いまして(笑)。
エリック・クラプトン Eric Clapton
スティーヴ・ウィンウッド Steve Winwood
2人は最近は意気投合しているようで、フレンドリーな雰囲気の中、
全体としては余裕が感じられつつ、磨きがかかった演奏による
素晴らしいコンサートでした。
今回の僕の席は前から4列目で裸眼でステージの人の顔が
はっきり見えたのはよかった、もう感激。
僕は今年からスティーヴ・ウィンウッドを真剣に聴き始めたせいで
多分少数派(笑)、スティーヴが主な目当ての人間でした。
ステージに上がってきたスティーヴはGパンにチェックのシャツと
まったくカジュアルないでたちで、さっそうとしたなかにどこか
親しみやすさを感じさせる笑顔が印象的なカッコいい人でした。
ただスティーヴのハモンド・オルガンがある位置は僕の席とは反対の
ステージに向かって左側で少し遠かったのがちょっと残念。
ただそれでも顔ははっきり見えたのでよかったけど。
一方エリックは白系のシャツに黒いベストのウェスタン風の服装。
履いていた紺のズボンが一見Gパンのように見えたけど
よく見ると素材が違うようで、何だろう、軍服みたいな素材だった。
どこで売ってるんだろう、いくらだろうと思ったり(笑)。
髪はとても短く、角ばった眼鏡がとても似合っていました。
スティーヴ目当ての僕は基本はスティーヴを見ていたのですが、
やはり、コンサートが進むとエリックのほうが目立つというか、
目も心も吸い寄せられるようにエリックと彼のギターを見てしまい、
存在感がまるで違うことに気づきました、
結局はエリックとスティーヴは五分五分くらいに見ていたかな。
多分それでも僕はスティーヴの比率が高いほうだろうけど(笑)。
スティーヴが地味ということではなく、もしエリックがいなくても
スティーヴだけでも超一流のエンターテイナーとして満足したはず。
しかしエリックはさらにその上の存在で、大げさにいえば
70億いる人間の中でも何人しかいないという
本当に特別な人なのだと感じました。
エリックはまた演奏に際しても、周りの人には見えない自分だけの
世界が確かにあってそこを見て演奏している感じで、近寄り難い、
近寄ってはいけない人、オーラ以上の何かを感じました。
敢えて神々しいとは言わないのですが、そういうニュアンスかな。
演奏は確信に満ちていて間違うという言葉が存在しない。
僕はレコードからでは分からないその雰囲気を感じられただけでも
このコンサートの意味と価値は大きいと思いました。
エリックは声がとてもよく出ていて、
年を追うごとにほんとうに味がある歌手になったな感じました。
スティーヴは高音は出るけど年相応という感じでしたね。
エリックのギタープレイについてはもう何も言えません。
個人的には、やっぱりエリックのギター演奏を目の前で見ると、
自分ももっとギターが上手くなりたいと思いました。
これは前の札幌ドーム公演でもまったく同じく思いましたが、
やはり僕は下手でもギター弾きなんだなって安心した部分(笑)。
エリックが使っていたエレクトリック・ギターは
黒のストラトキャスターの指板がメイプルのもので、
「ブラッキー」の後継者ということでしょうか。
使っていたのはこれ1本だけでしたが、ステージの脇には
あと数本あったので、もう1本でもいいから見たかったな(笑)。
しかし今回驚いたというか感激したのが、
スティーヴも結構ギターが上手いことでした。
マルチプレイヤーですからね、CDのブックレットを読むと、
ギターも時々自分で演奏しているのは分かっていたのですが、
しかし実際に見て、これなら普通のバンドのリードギタリストとして
十分お金が取れるくらいだと思いました、上手いです。
でもここではエリックと比べられますからね(笑)。
逆にいえばエリックがいるのに堂々とギターを弾いていたのは、
この人やっぱり昔っから肝が据わった人なんだって思いました。
また肝が据われるだけの大きなユーモアの心がある人だとも。
まあギターについてはエリックも、スティーヴが弾くところは
スティーヴを立てて少し引いていた、そういう人でもありますからね。
ギターを弾く人間の端くれとしてはとっても感動したステージでした。
スティーヴのギターも同じストラトキャスターの指板メイプル、
薄い青緑に見えたのでFenderのHPのカラーチャート表で見ると、
「サーフ・グリーン」"Surf Green"という色だと思う。
スティーヴのギターについてもう少し続けると、スティーヴは
エレクトリックでもアコースティックでもピックを使って弾くんだけど、
手首が固そうというか、スナップを効かせず肘から下全体を動かし
肘を軸にしてワイパーみたいに腕が動かして弾くように見えました。
ぎこちないというほどじゃない、上手いんだから、でも見ていると
一生懸命頑張っているような印象を受ける弾き方で、ましてや
あのエリックの横で弾いているせいで、エリックになるべく近づこうと
頑張っているギター小僧のように見えたのは微笑ましくもありました。
セットリストについて、実は1曲だけ分からない曲がありました。
いつもの言い訳ですがでも事実だから言わせてもらえば、
僕は曲の覚えが人数倍悪いので1発で曲を覚えられないし、
買ったCDもある程度以上聴かないと全曲が頭に入りません。
分からない曲が当初は3曲あったのですが2曲については、
歌詞の一部や特徴をメモして家でCDを調べると分かり、
それらは自信があるので文中では触れませんが、
この1曲だけはどうしても分からず、いろいろ探してCDを聴く度に、
コンサートでの曲の印象が薄れてますます分からなくなりました。
なのでその曲だけは分からないと書いて話します、ご了承ください。
なお、曲名の右のアルファベットはリード・ヴォーカルをとった人で、
Eはエリック・クラプトン、Sはスティーヴ・ウィンウッドを意味します。
では行きます。
02

1.Hard To Cry Today - S
1曲目は多分これだろうと予想していました。
ブラインド・フェイスのアルバム1曲目でもあり、写真02の
09年のMSGのライヴでも1曲目に演奏しているから。
スティーヴはギターを持ってエリックと一緒にあの印象的な
ギターリフを弾いていて、こういう決まる曲はカッコいいですね。
2.Low Down - E&S
2曲目もMSGライヴと同じ、2人で歌う軽快にスウィングする曲。
肩慣らしにちょうどいい感じ、聴く側も、きっと演奏する側も。
3.After Midnight - E
エリックほどになると多くはレコードとはアレンジを変えているので
イントロを聴いても、あれほんとにこの曲だろうかとよく思う。
スタジオ録音の最初のヴァージョンほど速くはなく、2番目のほど
ゆっくりでもない自然体なリズム感のアレンジ。
4.Presence Of The Lord - S
この曲をこんなに早くやるとは思わなくて、腕時計を見ると
19:20頃、昨日記事で予告したよりだいぶ早かった(笑)。
一部でエリックもヴォーカルをとっていて、2人の声が
シンクロしないで交錯するのがまたカッコよかった。
スティーヴは本業のハモンドを心の底まで響かせてくれました。
ほんとうに感動した、これぞ名曲ですね。
5.Glad
ホンキートンク風の軽やかなインストゥロメンタル。
スティーヴはピアノを弾いていたけどあれはホンキートンクの
チューニングをしてあったのかな。
6.Well All Right - S
ブラインド・フェイスから早くも3曲目でバディ・ホリーのカバー。
5曲目がこの曲のイントロ的につながっていたのが効果的。
聴きながらこの曲は、数多あるロックのカバーソングの中でも
もしかしていちばんすごいのではないかと思った。
7.Hoochie Coochie Man - E
ブルーズに凝っていなくてもこれは知っていた(笑)。
ほんとこれは大好きで個人的にはエリックのこの夜のベスト。
見ているその場でギターを弾きたくなりましたね(笑)。
それにしてもエリックの声が究極なまでに渋くてかっこよく、
この曲がエリックの声に最も合っているとも思った。
8.While You See A Chance - S
この曲は僕が中学生時代に「ベスト・ヒットUSA」で見て耳にして
スティーヴ・ウィンウッドという人の名前を知った思い出の曲で、
ベスト盤は持っていて曲はもちろん知っているけど、
まだオリジナルアルバムを持っておらずHMVに注文中で、
聴きながら先にアルバム聴いておきたかったと後悔しました。
まあそんなこと言ってもしょうがない、来週届くので。
それはともかくアップテンポでポップで微妙に切なげな曲だけど、
とっても好きな曲を演奏してくれたのはうれしかった。
でも、会場での知名度は一桁台だっただろうなぁ・・・
9.Key To The Highway - E
この曲はもう無言でエリックを聴いて見るしかないでしょ(笑)。
10.No Face, No Name, No Number - S
トラフィックの1枚目の曲でMSGでも演奏されているけど、
スティーヴのハモンドはこうした荘厳な感じの曲では無敵ですね。
エリックのアルペジオも決まっている。
11.Crossroads - E
エリックはクロスロードで手に入れた魂を今や完全に
人間の魂として聴かせてくれる。
至芸、人間国宝、そんな言葉がいくらあっても足りない。
アレンジは年相応にゆったりとしたテンポでした。
12.Georgia On My Mind - S
この曲はスティーヴの声にも合うしバンドのイメージに合う。
エリックはここでいちばんリラックスしていたような気が(笑)。
13.Driftin' - E
ここからアンプラグドのスタイルで座って演奏。
客席も座り僕もようやく座ることができました(笑)。
ちなみに僕は基本は座って聴きたいほうです。
もちろん盛り上がる曲やアンコールは立っても構わないですが。
UNPLUGGEDに収められたオールド・ブルーズで、
エリックはこの曲を、僕が何度も演奏してきていた曲であり、
それ以上にたくさん演奏されている曲だと紹介しました。
14. - E
この曲が曲名が分かりませんでした。
オールドブルーズだと思います。
しかしエリックのギタープレイはがこの曲が最高で、演奏後に
後ろの席から「まさに神様だ」と誰かが呟くのが聞こえました。
僕もこの曲の時はエリックのプレイをじっと見ていましたが、
フィンガー・ピッキングで弦を弾く右手の指の使い方がもう、
すごいとかうまいとかではなく、真似してみたいけど僕には無理、
ただただ見つめているしかできませんでした。
でも参考にはなりました(笑)。
エリックの1/25でもいいから弾けるようになりたい。
15.Layla - E
エリックのギターのすごさはスティーヴももちろん分かっていて、
この曲が始まる前にスティーヴが椅子に座ってエリックを見る
目つきがなんだかこの人近寄り難いという雰囲気を発していて、
会場にもそれが使って一部で笑い起こっていたのが面白かった。
エリックが何かスティーヴに語りかけた後で始まったのがこの曲。
やはりこれは演奏するんだな。
でも僕の感触では会場の反応が思ったほど大きくなくて、
やっぱりアンプラグドではないほうでやってほしかったのかな。
僕はどちらでももちろん構わないんだけど。
しかしこの曲での注目はスティーヴがギターソロを弾いたこと。
スティーヴがギターが上手いと書いたけど、エレクトリックだけなら
まあ普通かなくらいにしか思わなかったと思う。
スティーヴはアコースティック・ギターでもしっかり音が出ていました。
2人ともマーティンを使っていたと思うけど、会場の席の上に、
エリックのシグネイチャー・モデルのマーティンのチラシが置いてあり
やっぱりマーティンいいよなって思うだけ思っていました(笑)。
16.Can't Find My Way Home - S
アンプラグドの最後はブラインド・フェイスの曲。
こうして演奏するとトラッド色が濃く出ていてなかなかいい。
2人のギターの息がぴったりでとってもよかった。
この曲は元々好きだけど昨夜聴いて大好きな曲になりました。
17.Gimme Some Lovin' - S
エレクトリック・セットに戻り最後に向けて盛り上がってゆく。
スペンサー・デイヴィス・グループのこれを演奏してくれたのは
僕としてはうれしく、いちばん声を出して歌った曲でした。
ヴォーカルに入る前に「おぃっ」と大きな掛け声が入るのですが、
それを言っていたのは僕だけで微妙にこっ恥ずかしかった・・・
それにしても齢17にしてこんな曲を作っていたなんてあらためて
スティーヴは天才ミュージシャンなのだと思いました。
エリックのギターはバッキングプレイもさすがに聴かせてくれて、
イントロが終わって(掛け声が終わって)歌に入るところで、
声が入る前のギターの音が残る部分にはしびれました。
この曲はギターよりもキーボードの曲だと思っていたけど、
エリックが弾くとまったくもってギターの曲だと分かりました。
18.Voodoo Chile - S
もうすごいとしか言いようがない。
演奏のハイライトで、音の威力がこの夜でいちばんすごかった。
僕の右側にスピーカーが天井から吊り下げられていて、
右耳が聞こえにくくなっていたのが、この曲の音の大きさが
僕の耳には決定打となった感じでした(笑)。
エリックのギターはもちろんすべての楽器の音があまりにすごく、
スティーヴの声がほとんど聞こえなくなっていたのは残念だけど、
「ライヴ」という言葉の意味を心の底から感じ取った1曲でした。
19.Cocaine - E
本編最後はエリックのコンサートには欠かせないこの曲。
この曲は最後の"Cocaine"を客も歌うというか叫ぶんだけど、
よくよく考えると「コカイン」と唱和するのはいかがなものかと(笑)。
まあそれは冗談、半分くらいの人だったかな、唱和していたのは。
そこでふと思ったのは、曲自体の話からは離れますが、昨夜の
コンサートの客の多くは「体験」として参加するというよりは
エリックの職人芸を「鑑賞」するという感じだったのかもしれない。
別にどちらがいいというつもりではないけど、LaylaとCocaine、
ついでにGimme Some Lovn'への反応でそんなことを感じました。
この後バンドメンバーはみなそそくさと裏に歩いてゆきましたが、
エリックとスティーヴが肩を寄せて話していたのが印象的でした。
一見、先輩エリックが後輩スティーヴを諭しているという感じだけど、
実はそれも演出だったのかもしれない、とも(笑)。
会場はアンコールの拍手に包まれ、すぐにまた全員出てきました。
20.Dear Mr. Fantasy - S
最後はトラフィックの代表曲。
ここで意外だったのがスティーヴがギターを持っていたこと。
僕はこの曲はキーボードで聴かせる曲だと思っていたし
トラフィックの曲なのでなおのこととスティーヴはハモンドと
決めてかかっていたのでした。
ギターバトルもなかなかでしたね。
スティーヴが上手いと思ったもうひとつが、エリックとのバトルも
無難にこなしていた、それ以上に聴かせてくれたことでした。
スティーヴは"Dear Mr. Fantasy"と歌う部分の"Fan"の音が
高くなる部分で1か所だけ音が外れていたのはご愛嬌。
この曲を聴けたのはにわかスティーヴにわかトラフィック・ファン
としてはうれしくて、にわかを卒業するであろう今後の人生において
むしろこれが聴けたのはよかったと思うでしょうね。
ここでメンバーが横一列に並んで肩を組み
客席に向かって深く3回おじぎをして会場が盛り上がり、
そのままメンバーは裏に消えました。
当然またアンコールを求める拍手が起こり、僕はきっと
もう1回出てくるはずだと思っていました。
というのも昨夜はメンバー紹介を一切していなくて、これはおかしい、
そうかもう一度出てくるということだなと思っていたから。
しかし残念ながら客電が明るくなりウグイス嬢の場内放送が入り、
コンサートはほんとうに終わったようでした、残念。
なんだか昨夜は今まで以上にそこで終わったのが残念でした。
ということで2人以外のメンバーを紹介します。
クリス・ステイントン Chris Stainton (Key)
ウィリー・ウィークス Willie Weeks (Bs)
スティーヴ・ガッド Steve Gadd (Ds)
ミシェル・ジョン Michelle John (BV)
シャロン・ホワイト Sharon White (BV)
おなじみのメンバー。
スティーヴ・ガッドが見られたのは付加価値大ありかな。
ウィリーのベースは普通のプレシジョンだと思うんだけど、
なんだかネックが短めに見えたのは、きっと大きい人なんだ、
気のせいでしょうね(笑)。
03

今回が日本公演の初日ということで、まだ調整段階かな
と思わなくもないけどでもそういうことは一切感じさせない
本気で真剣でかつ余裕があるステージでした。
エリックの声がよく出ていたのは逆に初日だからかもしれないし。
しかしセットリストは変わっていくだろうし曲も増えるかもしれない。
僕としては大好きなForever Manをやらなかったのが残念だけど、
でもそれは不満ということではありません。
とっても素晴らしいコンサートでほんとうによかった。
あらためて、札幌に来てくれてありがとう!
最後の写真は本文でも触れたマーティンのチラシ。
マーティンのギター、欲しいですよね、憧れますよね。
でも。
これはあくまでも僕の感じ方、考え方、思いですが書きます。
ギブソンのギターは僕のように上手くはなくても、
ものとして欲しいし持っていたいという憧れがあって、
その憧れの上で買っても許されるんじゃないかな、と思う。
しかしマーティンの場合は上手い人ではないと
持ってはいけないようなイメージがありますね。
だから買えない、買おうと思うのもおこがましいです、僕には。
コンサートは一度行くとまた行きたくなるものだけど、
次はまったく予定もなにもないのが残念なところです。
エリック・クラプトンとスティーヴ・ウィンウッドのCDは
この先暫くは聴く機会が増えるのは確実ですね。
特にスティーヴは2枚がすぐに届くから。
エリックも今まであまり聴いてこなかったアルバムを
また聴き返して聴き込むとするかな。
最後は昨夜のコンサートの基になったというか内容が近い
LIVE FROM MADISON SQUARE GARDEN
のAmazonのリンクを施して終わります。
あ、これ、僕はまだDVD買ってないので買わなきゃ。
2014年04月15日
ボブ・ディラン札幌公演4月14日
01

さて、予告通り、ボブ・ディラン札幌公演4月14日のお話。
グッズ紹介も済んでいるので、早速進めます。
今回は、すべての曲をそらでは分からなかったので、
この記事もセットリストというかたちは取らず、
その中から印象的な曲について話してゆくことにしました。
なお、セットリストは、SONYのLegacy Recordings JPから
引用させていただいたものを巻末に付しました。
本題の前に、会場について。
今回の会場は1000人くらいの小さな「箱」、ライヴハウス、
Zepp Sapporoでしたが、僕はここは初めてであり、僕が今まで
見たコンサート会場ではいちばん小さい「箱」でした。
僕は2階の指定席を取りましたが、上から見ると下の立見は
ぎゅうぎゅう詰めに見えたけれど、実際は割と空間があったのかな。
全体の幅がもう少し広ければいいと思った、両側あと2mくらいずつ。
僕の席が壁から2つ目のせいか、音があまり広がっていない感じがして
音響としてはやや窮屈に感じました。
真ん中辺なら違ったのかもしれないですが。
それとドラムスの音が少し強すぎたかな、他が消えるほどでは
ないんだけど、特にハイハットのシャリシャリ感が強すぎたような。
2階には転落防止柵がありますが、僕の席は、柵の間の棒がないところに
ちょうどステージが収まって真ん中に見えたのは運がよかった。
でも左右どちらの人も、柵の支柱棒が邪魔になっただろうし、
上の列の人は横棒がやはりちょうどボブの顔辺りになったように思い、
その点では運がいい席でした。
しかし、ひとつ大きな不満。
喫煙スペースを通らないと2階に上がれない。
正面から入り、フロアのドリンク交換所とグッズ売り場の間の
狭い通路を抜けて横の階段から上るのですが、
その曲がり角辺りが喫煙所になっていました。
僕はクレイマー的な無差別禁煙主義者では決してないし、
友だちや知り合いなどにマナーよく吸う人がたくさんいますが、
これはいくらなんでも配慮してほしかった。
Zeppはドリンク500円が必須のようで、入り口で専用コインを
もらいましたが、最後まで混んでいて交換せずに帰りました。
まあ、言ってしまえば、損をした気分、いや実際損してますね。
グッズ売り場も狭くて混み合っていましたが、これについては
つくづく先に買っておいてよかった、これはいい制度だと。
会場の客層ですが、20代と思しき人はほとんど見なかった。
女性は1割もいなかった。
60歳以上と思われる人も意外と少なく、平均年齢は55歳くらいかな。
僕の席は入場がいちばん最後で、僕は列の前の方で待っていて
入口が見えたので、入る人をほとんど見ていての感想です。
まあでも、最後まで立たないで観られたのはよかったのですが(笑)。
ボブ・ディランについて思ったことは追って少しずつと最後に書きます。
では曲行きます。
02 ただ何となくカラスの写真

1曲目Things Have Changed
客電が落ちて、まだ暗いステージの中央にボブが登場。
明るくなると、DESIREのジャケットのような「カンカン帽」を被り、
マイクに向かってすっと立ちながら歌い始めるボブが見えてきました。
これは映画『ウォーターボーイズ』の挿入歌として作られた2001年の曲。
僕はその映画の監督カーティス・ハンソンを『L.A.コンフィデンシャル』で
好きになり、これは劇場で観て、この曲は最初から好きでしたが、
コンサートで歌うほど本人も気に入った自信作なのかな。
Times They Are A-Changin'の続編ともとれそうですね。
ボブ・ディランはライヴではレコードと大幅に演奏を変える人で、
これはオリジナルの「んっぱっ」というリズムが印象的でしたが、
今回はTombstone Bluesのリズムで演奏していました。
ところで、オリジナルと違うので、歌詞を注意して聴いていないと、
ほんとうにその曲かいまいち自信がないのが困りますね(笑)。
ボブの歌声について先に書きます。
生で聴くと意外としゃがれた感じがしなくて、特に低音が強く伸びていて
地声が強い人だとあらためて思いました。
さらに言ってしまえば、いい声だなあ、と。
かといって自分の声に酔うという感じでは決してなく、もっと心の奥底の
歌を聴いてほしいという思いがよく伝わってきました。
2曲目She Belongs To Me
貴重な60年代の3曲のひとつ。
BRINGING IT ALL BACK HOMEから、よりによってこの曲か
というのが驚いたというか意外でした。
先に言っておくと、今回は残念ながら、そのアルバムに収められた
僕がいちばん好きなMr Tambourine Manは演奏しませんでした。
仕方ない、でもそれがボブ・ディランという人なのだから。
ハーモニカをさっと出して吹いたところで会場が盛り上がりました。
3曲目Beyond Here Lies Nothin'
最新作のひとつ前TOGETHER THROUGH LIFEから。
ゲイリー・ムーアもカヴァーしたブルーズのAll The Loveに
似ている曲ですぐに覚えましたが、そのアルバムを聴いた時、
今回はカヴァー集なのかと思ったほど、何かに似た曲が多くて
ディランはどうしてしまったんだろうと思いました。
でも、そのアルバムの制作経緯を先日本で読みましたが、
50年代をテーマにした映画のサントラとして依頼されて曲作りを
したそうで、意図的にそういう雰囲気にしたかったのだと知って納得。
そのような曲をコンサートで満足そうに演奏するボブがいい。
なお、このアルバムから他にもう1曲、さらにこの前の
MODERN TIMESからも1曲を演奏しました。
6曲目Duquesne Whistle
最新作TEMPESTから、僕が好きな12曲に選んだこれは演奏しました。
うれしい、感動。
しかし新しい曲なのにキィを変え、リズムも大きく変えていて、
オリジナルよりもタテノリ要素が減り、横に大きく揺れる曲になっていました。
ボブはピアノに向かって歌いましたが、途中の部分で他のメンバーが
すべて手を止めピアノソロのようになったところで大きな拍手が。
そこの音が独特な響きで、ピアノという楽器の音というよりは、
ピアノを通したボブの声のように聞こえてきました。
さすが、ピアノでも個性が発揮されるんですね。
8曲目Tangled Up in Blue
70年代の名盤BLOOD ON THE TRACKSからのこれが盛り上がった。
やはり相対的に古い曲であり、本人も好きな曲だからでしょう。
ボブが"...Tangles up in blue"と歌う度に拍手が起こったくらいで、
ほんとうに待ちわびた曲だったのでしょう、僕もそうでした。
でいつもの邪推(笑)、邦題が「ブルーにこんがらがって」ですが、
今のボブはBlues=ブルーズにこんがらがっているのかな、
だとすればこれは自明な曲であり、本人が好きなのも頷けますね。
9曲目Love Sick
グラミー最優秀アルバム賞を受賞した1997年のアルバム
TIME OUT O MINDの冒頭を飾る曲。
これが盛り上がったのは意外な気がしましたが、でもやはりこれも
新しめとはいっても15年以上前の曲でもあるし、売れて話題になったし。
そして何より、サビというよりは曲の「決め」の部分の前に入る
「ジャラーッン」というギターの強い音が印象的だから、曲そのものよりも
その音に反応していたのかもしれない、とも思いました。
勝手な仮説を進めていくと、そうであるなら、今回のコンサートの聴衆は、
曲の聴きどころをよく知っている人が多いんだな、とも思いました。
知らない曲でもやっぱりそのギターの音は印象的ですから。
曲が終わってボブが「アリガト」と言うとまた盛り上がりました。
その後、またすぐに戻ってくるという主旨のことをしゃべりましたが、
話はかなり早口で、イメージ通りでした。
ここで前半終了、20分の休憩が入ります。
11曲目Simple Twist of Fate
BLOOD ON THE TRACKSから2曲目。
70年代の曲は結局ここからしか演奏しなかったことになりますが、
ボブにとっても重要なアルバムであることがよく分かりました。
この曲は歌が始まって9小節目のコード進行がとってもいいのですが、
アレンジは変えてもコード進行の良さはそのまま生きると分かりました。
この曲も大盛り上がり、というか、うれしい、という人が多かった。
15曲目Scarlet Town
TEMPESTからの曲ですが、驚いたことにこの曲だけ
アレンジがアルバムとほとんど変わらなかった。
歌い方は違いますが、それ以前のアレンジという意味で、
この曲に関してはボブの中でもこれが完成形なのかな。
まあでも、レコードと同じで驚くというのはディランらしいか(笑)。
マイナー調の響きで、どことなくうら寂しい、或いは後ろめたい
そんな雰囲気を持った曲、西部劇的でもあるかな。
残り2曲もTEMPESTからの曲であり、結局TEMPESTからは
アルバムの過半の6曲が演奏されました。
最新アルバムからの曲が多いのは僕はうれしいです。
ただし、10分以上ある表題曲は演奏しませんでした。
そして17曲でコンサートの本編が終わりました。
アンコール
18曲目All Along the Watchtower
アコースティックギターの強いカッティングで大盛り上がり。
オリジナルよりも早口で何かを突き付けるように歌うボブ。
そうですね、気をつけないといけない世の中になりましたね・・・
そんなメッセージなのかもしれない。
19曲目Blowin in the wind
最後は「風に吹かれて」。
コンサートのCMがこちらではラジオやテレビで流れていたのですが、
そこには当然のごとくこの曲のオリジナルが使われていました。
でも、やっぱり、まるで印象が違う曲に。
ピアノとともにまだまだ突っ走る、そんな勢いのボブ。
あ、突っ走るとはいってもテンポはミドルですが、気持ちとして。
ピーター・ポール&マリーよりも柔らかい雰囲気の仕上がり。
もしかしてボブはピアノの名曲が欲しいのかな、と思ったり。
オリジナルとアレンジを変えることに違和感がある人もいるでしょう。
というか、僕自身、この曲はオリジナルが大好きなだけに、そうでした。
でも、2時間近くコンサートでボブ・ディランという人に接してきて、
やっぱりこれでいいんだ、と僕は思いました。
曲が終わって全員が一列に並んで会場に向かって一礼。
そういえばメンバー紹介もなかったな。
誰かが黄色い花の花束を投げ込んでボブの足元に落ちたのを
ボブが拾いあげて花を抱え上げてまた一礼。
その後花を食べん勢いで匂いをかいでいたのが面白かったけれど、
ボブの感謝の気持ちもよく伝わってきて感動しました。
03 見張り塔からずっと・・・

感想、先ずはひとこと。
ボブはギターを一度も弾かなかった!
これは意外中の意外で、意外を通り越して驚きました。
映像のイメージとしてはやはりギターを持ってひとりで歌う
というものが多くの人にあるかと思いますが、ギターは弾かない。
その代りピアノにご執心のようで、半分くらいの曲でグランドピアノに
向かっていましたが、でも、ピアノでも個性的な音を出していました。
上手いとか下手ではなく、とにかく音が独特なセンスで納得でした。
ピアノ以外ではマイクに向かって歌っていたのですが、手の仕草は
あまり行わずく、時々手を胸に当てたり前にかざしたりという程度。
でも、何曲かで曲が終わってから、両手を顔の高さに上げて肩幅よりも
大きく広げる仕草をしましたが、それは聴衆の拍手をそこで受け止めて
自分に反射させるといった感じに見えたのがよかった。
あのポーズは真似しそう(笑)。
それではどんな表情をしていたかというと、ボブの顔に
正面からライトが当たることがなくてよく見えませんでした。
今回、双眼鏡を持って行かなかったのは大失敗でした。
小さな会場でもちろんスクリーンがなく、僕の席は30mほど離れていて
僕の眼鏡が要らない視力でも顔までは見えなかった。
かなり後悔、鳥見をする人間で双眼鏡には慣れているだけに(笑)。
話は前後しますが、ボブ・ディランは思っていたより大きな人でした。
まあ西洋人には普通なのだと思うけれど、僕は何となく、それほど
大きくはない人と勝手にイメージしていたので、ははなるほどと。
いかん、さっきから勝手にイメージしすぎている(笑)。
特に、その手を広げる仕草の手の大きさが印象的でした。
服を着た上ではまったく太っているということはなくて、
こちらは想像していた通りでした。
でも、お腹は出ているのかな、ぼてっとした服装だったから分からないけど。
ボブ・ディランのコンサートは、いってみれば
ポール・マッカートニーと正反対。
選曲はヒット曲オンパレードではなく、過半がここ3作からのもので、
60年代の曲は3曲、70年代も2曲しかも同じアルバムから、というもの。
僕の後ろにいたグループの男性が、休憩時間に、曲が分からない、
と話していたのが聞こえましたが、ヒット曲や有名な曲が少なく、広く
一般受けするものではないので、人によっては楽しめないかもしれない。
しかし、新しいの曲が多いのは、ディランらさだと強く思いました。
彼は、過去を振り返るのではなく、前に進みたいのです。
特に還暦を迎えてからは、アルバムを通してその姿勢が伝わってきます。
ボブは1941年生まれ、今年で73歳です。
また、ポールが話や仕草で人を楽しませようという姿勢であるのに対し、
ボブは、喩えていうなら木工職人であり、自身の工房を公開していて、
ボブは自分の仕事をするだけ、興味がある人は見てください、という感じ。
そう、MCがほぼまったくなく、前述のように前半の最後に「アリガト」と
言ったくらいで、もっと喋る人だと想像していたのでこれまた意外でした。
何よりバンド演奏をしている姿、そしてボブがバンドを見つめる姿が
いかにも楽しそうで、音楽を自分の体で表現することこそが
自分の役割であると悟りきったようなボブにはすがすがしさがありました。
ボブ・ディランくらいの人であれば、途中いろいろあって音楽なんて嫌だと
思う時期もあったことは想像に難くないですが、それらを乗り越えて、
今はほんとうに音楽を楽しむことができるようになった。
その上で、自分が楽しむ姿を見せることこそが
最高のファンサービスと分かっていて、敢えてお喋りや仕草で
人を楽しませようとはしないのではないか。
それは、自分自身の「芸」に対する確固たる自信があってこそ出来ること。
別の言い方をすると、ポールの場合は曲が好きであれば誰でも
楽しめるけれど、ボブ・ディランはその人自身が好きであって初めて
コンサートを楽しめるのではないかとも思いました。
そうしたことから、ボブ・ディランは小さな「箱」で行う、
コンサートというよりは「ライヴ」が似合う人だと分かりました。
そうですね、札幌ドームで演奏する姿は似合わなそうです。
でも、だから、ということは、また札幌に来てくれるかもしれない。
コンサートが終わってから、そんなことを漠然と思いました。
断っておきますが、だからといってポールのやり方は違うなんてことは
さらさら言う気はない、あくまでも人それぞれ魅力があるということで、
2人とも自分の魅力をほぼ完璧に分かった上でのコンサートなのでしょう。
でも、ほんとうに札幌に来てくれたんだなあ。
そこはなんというか言葉に表し切れない感動があります。
そして、実際に会ったボブ・ディランは人間臭い人間だった。
決して神様じゃないし、「レジェンド」でもないかもしれない。
ただ、現在(いま)を生きる人間、それがボブ・ディラン。
そんなディランをますます好きになったのは、言うまでもない。
僕なりの結論。
ボブ・ディランは既成概念を打ち破ることの大切さを訴えたいのだ。
既成概念がいかに危ういものかを、ディランは身をもって表したのでした。
さて、今回取り上げられた曲が入った前のアルバムを、
今度はじっくりと、聴いてゆくことにしました。
先ずはMODERN TIMESとTOGETHER THROUGH LIFEが
連装CDプレイヤーに入りっ放し状態になっています。
最後の写真、なぜかひとりだけお尻で失礼します・・・
04

ボブ・ディラン札幌公演4月14日Zepp Sapporoセットリスト
1.Things Have Changed シングス・ハヴ・チェンジド
(『Wonder Boys"(OST)』 2001/『DYLAN(2007)』他)
2.She Belongs to Me シー・ビロングズ・トゥ・ミー
(『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム/Bringing It All Back Home』 1965)
3.Beyond Here Lies Nothin' ビヨンド・ヒア・ライズ・ナッシング
(『トゥゲザー・スルー・ライフ/Together Through Life』2009)
4.What Good Am I? ホワット・グッド・アム・アイ?
(『オー・マーシー/Oh Mercy』1989)
5.Waiting for youウェイティング・フォー・ユー
(『ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密 Divine Secrets of the Ya-Ya Sisterhood)
6.Duquesne Whistle デューケイン・ホイッスル
(『テンペスト/Tempest』 2012)
7.Pay in Blood ペイ・イン・ブラッド
(『テンペスト/Tempest』 2012)
8.Tangled Up in Blue ブルーにこんがらがって
(『血の轍/Blood on the Tracks』1975)
9.Love Sick ラヴ・シック
(『タイム・アウト・オブ・マインド/Time Out of Mind』 1997)
休憩
10.High Water (For Charley Patton) ハイ・ウォーター(フォー・チャーリー・パットン)
(『ラヴ・アンド・セフト/Love and Theft』2001)
11.Simple Twist of Fate 運命のひとひねり
(『血の轍/Blood on the Tracks』1975)
12.Early Roman Kings アーリー・ローマン・キングズ
(『テンペスト/Tempest』 2012)
13.Forgetful Heart フォゲットフル・ハート
(『トゥゲザー・スルー・ライフ/Together Through Life』2009)
14.Spirit on the Water スピリット・オン・ザ・ウォーター
(『モダン・タイムス/Modern Times』2006)
15.Scarlet Town スカーレット・タウン
(『テンペスト/Tempest』 2012)
16.Soon after Midnight スーン・アフター・ミッドナイト
(『テンペスト/Tempest』 2012)
17.Long and Wasted Years ロング・アンド・ウェイステッド・イヤーズ
(『テンペスト/Tempest』 2012)
Encore:
18.All Along the Watchtower 見張塔からずっと
(『ジョン・ウェズリー・ハーディング/John Wesley Harding』1967年)
19.Blowin in the wind/風に吹かれて
(『フリーホイーリン・ボブ・ディラン)

さて、予告通り、ボブ・ディラン札幌公演4月14日のお話。
グッズ紹介も済んでいるので、早速進めます。
今回は、すべての曲をそらでは分からなかったので、
この記事もセットリストというかたちは取らず、
その中から印象的な曲について話してゆくことにしました。
なお、セットリストは、SONYのLegacy Recordings JPから
引用させていただいたものを巻末に付しました。
本題の前に、会場について。
今回の会場は1000人くらいの小さな「箱」、ライヴハウス、
Zepp Sapporoでしたが、僕はここは初めてであり、僕が今まで
見たコンサート会場ではいちばん小さい「箱」でした。
僕は2階の指定席を取りましたが、上から見ると下の立見は
ぎゅうぎゅう詰めに見えたけれど、実際は割と空間があったのかな。
全体の幅がもう少し広ければいいと思った、両側あと2mくらいずつ。
僕の席が壁から2つ目のせいか、音があまり広がっていない感じがして
音響としてはやや窮屈に感じました。
真ん中辺なら違ったのかもしれないですが。
それとドラムスの音が少し強すぎたかな、他が消えるほどでは
ないんだけど、特にハイハットのシャリシャリ感が強すぎたような。
2階には転落防止柵がありますが、僕の席は、柵の間の棒がないところに
ちょうどステージが収まって真ん中に見えたのは運がよかった。
でも左右どちらの人も、柵の支柱棒が邪魔になっただろうし、
上の列の人は横棒がやはりちょうどボブの顔辺りになったように思い、
その点では運がいい席でした。
しかし、ひとつ大きな不満。
喫煙スペースを通らないと2階に上がれない。
正面から入り、フロアのドリンク交換所とグッズ売り場の間の
狭い通路を抜けて横の階段から上るのですが、
その曲がり角辺りが喫煙所になっていました。
僕はクレイマー的な無差別禁煙主義者では決してないし、
友だちや知り合いなどにマナーよく吸う人がたくさんいますが、
これはいくらなんでも配慮してほしかった。
Zeppはドリンク500円が必須のようで、入り口で専用コインを
もらいましたが、最後まで混んでいて交換せずに帰りました。
まあ、言ってしまえば、損をした気分、いや実際損してますね。
グッズ売り場も狭くて混み合っていましたが、これについては
つくづく先に買っておいてよかった、これはいい制度だと。
会場の客層ですが、20代と思しき人はほとんど見なかった。
女性は1割もいなかった。
60歳以上と思われる人も意外と少なく、平均年齢は55歳くらいかな。
僕の席は入場がいちばん最後で、僕は列の前の方で待っていて
入口が見えたので、入る人をほとんど見ていての感想です。
まあでも、最後まで立たないで観られたのはよかったのですが(笑)。
ボブ・ディランについて思ったことは追って少しずつと最後に書きます。
では曲行きます。
02 ただ何となくカラスの写真

1曲目Things Have Changed
客電が落ちて、まだ暗いステージの中央にボブが登場。
明るくなると、DESIREのジャケットのような「カンカン帽」を被り、
マイクに向かってすっと立ちながら歌い始めるボブが見えてきました。
これは映画『ウォーターボーイズ』の挿入歌として作られた2001年の曲。
僕はその映画の監督カーティス・ハンソンを『L.A.コンフィデンシャル』で
好きになり、これは劇場で観て、この曲は最初から好きでしたが、
コンサートで歌うほど本人も気に入った自信作なのかな。
Times They Are A-Changin'の続編ともとれそうですね。
ボブ・ディランはライヴではレコードと大幅に演奏を変える人で、
これはオリジナルの「んっぱっ」というリズムが印象的でしたが、
今回はTombstone Bluesのリズムで演奏していました。
ところで、オリジナルと違うので、歌詞を注意して聴いていないと、
ほんとうにその曲かいまいち自信がないのが困りますね(笑)。
ボブの歌声について先に書きます。
生で聴くと意外としゃがれた感じがしなくて、特に低音が強く伸びていて
地声が強い人だとあらためて思いました。
さらに言ってしまえば、いい声だなあ、と。
かといって自分の声に酔うという感じでは決してなく、もっと心の奥底の
歌を聴いてほしいという思いがよく伝わってきました。
2曲目She Belongs To Me
貴重な60年代の3曲のひとつ。
BRINGING IT ALL BACK HOMEから、よりによってこの曲か
というのが驚いたというか意外でした。
先に言っておくと、今回は残念ながら、そのアルバムに収められた
僕がいちばん好きなMr Tambourine Manは演奏しませんでした。
仕方ない、でもそれがボブ・ディランという人なのだから。
ハーモニカをさっと出して吹いたところで会場が盛り上がりました。
3曲目Beyond Here Lies Nothin'
最新作のひとつ前TOGETHER THROUGH LIFEから。
ゲイリー・ムーアもカヴァーしたブルーズのAll The Loveに
似ている曲ですぐに覚えましたが、そのアルバムを聴いた時、
今回はカヴァー集なのかと思ったほど、何かに似た曲が多くて
ディランはどうしてしまったんだろうと思いました。
でも、そのアルバムの制作経緯を先日本で読みましたが、
50年代をテーマにした映画のサントラとして依頼されて曲作りを
したそうで、意図的にそういう雰囲気にしたかったのだと知って納得。
そのような曲をコンサートで満足そうに演奏するボブがいい。
なお、このアルバムから他にもう1曲、さらにこの前の
MODERN TIMESからも1曲を演奏しました。
6曲目Duquesne Whistle
最新作TEMPESTから、僕が好きな12曲に選んだこれは演奏しました。
うれしい、感動。
しかし新しい曲なのにキィを変え、リズムも大きく変えていて、
オリジナルよりもタテノリ要素が減り、横に大きく揺れる曲になっていました。
ボブはピアノに向かって歌いましたが、途中の部分で他のメンバーが
すべて手を止めピアノソロのようになったところで大きな拍手が。
そこの音が独特な響きで、ピアノという楽器の音というよりは、
ピアノを通したボブの声のように聞こえてきました。
さすが、ピアノでも個性が発揮されるんですね。
8曲目Tangled Up in Blue
70年代の名盤BLOOD ON THE TRACKSからのこれが盛り上がった。
やはり相対的に古い曲であり、本人も好きな曲だからでしょう。
ボブが"...Tangles up in blue"と歌う度に拍手が起こったくらいで、
ほんとうに待ちわびた曲だったのでしょう、僕もそうでした。
でいつもの邪推(笑)、邦題が「ブルーにこんがらがって」ですが、
今のボブはBlues=ブルーズにこんがらがっているのかな、
だとすればこれは自明な曲であり、本人が好きなのも頷けますね。
9曲目Love Sick
グラミー最優秀アルバム賞を受賞した1997年のアルバム
TIME OUT O MINDの冒頭を飾る曲。
これが盛り上がったのは意外な気がしましたが、でもやはりこれも
新しめとはいっても15年以上前の曲でもあるし、売れて話題になったし。
そして何より、サビというよりは曲の「決め」の部分の前に入る
「ジャラーッン」というギターの強い音が印象的だから、曲そのものよりも
その音に反応していたのかもしれない、とも思いました。
勝手な仮説を進めていくと、そうであるなら、今回のコンサートの聴衆は、
曲の聴きどころをよく知っている人が多いんだな、とも思いました。
知らない曲でもやっぱりそのギターの音は印象的ですから。
曲が終わってボブが「アリガト」と言うとまた盛り上がりました。
その後、またすぐに戻ってくるという主旨のことをしゃべりましたが、
話はかなり早口で、イメージ通りでした。
ここで前半終了、20分の休憩が入ります。
11曲目Simple Twist of Fate
BLOOD ON THE TRACKSから2曲目。
70年代の曲は結局ここからしか演奏しなかったことになりますが、
ボブにとっても重要なアルバムであることがよく分かりました。
この曲は歌が始まって9小節目のコード進行がとってもいいのですが、
アレンジは変えてもコード進行の良さはそのまま生きると分かりました。
この曲も大盛り上がり、というか、うれしい、という人が多かった。
15曲目Scarlet Town
TEMPESTからの曲ですが、驚いたことにこの曲だけ
アレンジがアルバムとほとんど変わらなかった。
歌い方は違いますが、それ以前のアレンジという意味で、
この曲に関してはボブの中でもこれが完成形なのかな。
まあでも、レコードと同じで驚くというのはディランらしいか(笑)。
マイナー調の響きで、どことなくうら寂しい、或いは後ろめたい
そんな雰囲気を持った曲、西部劇的でもあるかな。
残り2曲もTEMPESTからの曲であり、結局TEMPESTからは
アルバムの過半の6曲が演奏されました。
最新アルバムからの曲が多いのは僕はうれしいです。
ただし、10分以上ある表題曲は演奏しませんでした。
そして17曲でコンサートの本編が終わりました。
アンコール
18曲目All Along the Watchtower
アコースティックギターの強いカッティングで大盛り上がり。
オリジナルよりも早口で何かを突き付けるように歌うボブ。
そうですね、気をつけないといけない世の中になりましたね・・・
そんなメッセージなのかもしれない。
19曲目Blowin in the wind
最後は「風に吹かれて」。
コンサートのCMがこちらではラジオやテレビで流れていたのですが、
そこには当然のごとくこの曲のオリジナルが使われていました。
でも、やっぱり、まるで印象が違う曲に。
ピアノとともにまだまだ突っ走る、そんな勢いのボブ。
あ、突っ走るとはいってもテンポはミドルですが、気持ちとして。
ピーター・ポール&マリーよりも柔らかい雰囲気の仕上がり。
もしかしてボブはピアノの名曲が欲しいのかな、と思ったり。
オリジナルとアレンジを変えることに違和感がある人もいるでしょう。
というか、僕自身、この曲はオリジナルが大好きなだけに、そうでした。
でも、2時間近くコンサートでボブ・ディランという人に接してきて、
やっぱりこれでいいんだ、と僕は思いました。
曲が終わって全員が一列に並んで会場に向かって一礼。
そういえばメンバー紹介もなかったな。
誰かが黄色い花の花束を投げ込んでボブの足元に落ちたのを
ボブが拾いあげて花を抱え上げてまた一礼。
その後花を食べん勢いで匂いをかいでいたのが面白かったけれど、
ボブの感謝の気持ちもよく伝わってきて感動しました。
03 見張り塔からずっと・・・

感想、先ずはひとこと。
ボブはギターを一度も弾かなかった!
これは意外中の意外で、意外を通り越して驚きました。
映像のイメージとしてはやはりギターを持ってひとりで歌う
というものが多くの人にあるかと思いますが、ギターは弾かない。
その代りピアノにご執心のようで、半分くらいの曲でグランドピアノに
向かっていましたが、でも、ピアノでも個性的な音を出していました。
上手いとか下手ではなく、とにかく音が独特なセンスで納得でした。
ピアノ以外ではマイクに向かって歌っていたのですが、手の仕草は
あまり行わずく、時々手を胸に当てたり前にかざしたりという程度。
でも、何曲かで曲が終わってから、両手を顔の高さに上げて肩幅よりも
大きく広げる仕草をしましたが、それは聴衆の拍手をそこで受け止めて
自分に反射させるといった感じに見えたのがよかった。
あのポーズは真似しそう(笑)。
それではどんな表情をしていたかというと、ボブの顔に
正面からライトが当たることがなくてよく見えませんでした。
今回、双眼鏡を持って行かなかったのは大失敗でした。
小さな会場でもちろんスクリーンがなく、僕の席は30mほど離れていて
僕の眼鏡が要らない視力でも顔までは見えなかった。
かなり後悔、鳥見をする人間で双眼鏡には慣れているだけに(笑)。
話は前後しますが、ボブ・ディランは思っていたより大きな人でした。
まあ西洋人には普通なのだと思うけれど、僕は何となく、それほど
大きくはない人と勝手にイメージしていたので、ははなるほどと。
いかん、さっきから勝手にイメージしすぎている(笑)。
特に、その手を広げる仕草の手の大きさが印象的でした。
服を着た上ではまったく太っているということはなくて、
こちらは想像していた通りでした。
でも、お腹は出ているのかな、ぼてっとした服装だったから分からないけど。
ボブ・ディランのコンサートは、いってみれば
ポール・マッカートニーと正反対。
選曲はヒット曲オンパレードではなく、過半がここ3作からのもので、
60年代の曲は3曲、70年代も2曲しかも同じアルバムから、というもの。
僕の後ろにいたグループの男性が、休憩時間に、曲が分からない、
と話していたのが聞こえましたが、ヒット曲や有名な曲が少なく、広く
一般受けするものではないので、人によっては楽しめないかもしれない。
しかし、新しいの曲が多いのは、ディランらさだと強く思いました。
彼は、過去を振り返るのではなく、前に進みたいのです。
特に還暦を迎えてからは、アルバムを通してその姿勢が伝わってきます。
ボブは1941年生まれ、今年で73歳です。
また、ポールが話や仕草で人を楽しませようという姿勢であるのに対し、
ボブは、喩えていうなら木工職人であり、自身の工房を公開していて、
ボブは自分の仕事をするだけ、興味がある人は見てください、という感じ。
そう、MCがほぼまったくなく、前述のように前半の最後に「アリガト」と
言ったくらいで、もっと喋る人だと想像していたのでこれまた意外でした。
何よりバンド演奏をしている姿、そしてボブがバンドを見つめる姿が
いかにも楽しそうで、音楽を自分の体で表現することこそが
自分の役割であると悟りきったようなボブにはすがすがしさがありました。
ボブ・ディランくらいの人であれば、途中いろいろあって音楽なんて嫌だと
思う時期もあったことは想像に難くないですが、それらを乗り越えて、
今はほんとうに音楽を楽しむことができるようになった。
その上で、自分が楽しむ姿を見せることこそが
最高のファンサービスと分かっていて、敢えてお喋りや仕草で
人を楽しませようとはしないのではないか。
それは、自分自身の「芸」に対する確固たる自信があってこそ出来ること。
別の言い方をすると、ポールの場合は曲が好きであれば誰でも
楽しめるけれど、ボブ・ディランはその人自身が好きであって初めて
コンサートを楽しめるのではないかとも思いました。
そうしたことから、ボブ・ディランは小さな「箱」で行う、
コンサートというよりは「ライヴ」が似合う人だと分かりました。
そうですね、札幌ドームで演奏する姿は似合わなそうです。
でも、だから、ということは、また札幌に来てくれるかもしれない。
コンサートが終わってから、そんなことを漠然と思いました。
断っておきますが、だからといってポールのやり方は違うなんてことは
さらさら言う気はない、あくまでも人それぞれ魅力があるということで、
2人とも自分の魅力をほぼ完璧に分かった上でのコンサートなのでしょう。
でも、ほんとうに札幌に来てくれたんだなあ。
そこはなんというか言葉に表し切れない感動があります。
そして、実際に会ったボブ・ディランは人間臭い人間だった。
決して神様じゃないし、「レジェンド」でもないかもしれない。
ただ、現在(いま)を生きる人間、それがボブ・ディラン。
そんなディランをますます好きになったのは、言うまでもない。
僕なりの結論。
ボブ・ディランは既成概念を打ち破ることの大切さを訴えたいのだ。
既成概念がいかに危ういものかを、ディランは身をもって表したのでした。
さて、今回取り上げられた曲が入った前のアルバムを、
今度はじっくりと、聴いてゆくことにしました。
先ずはMODERN TIMESとTOGETHER THROUGH LIFEが
連装CDプレイヤーに入りっ放し状態になっています。
最後の写真、なぜかひとりだけお尻で失礼します・・・
04

ボブ・ディラン札幌公演4月14日Zepp Sapporoセットリスト
1.Things Have Changed シングス・ハヴ・チェンジド
(『Wonder Boys"(OST)』 2001/『DYLAN(2007)』他)
2.She Belongs to Me シー・ビロングズ・トゥ・ミー
(『ブリンギング・イット・オール・バック・ホーム/Bringing It All Back Home』 1965)
3.Beyond Here Lies Nothin' ビヨンド・ヒア・ライズ・ナッシング
(『トゥゲザー・スルー・ライフ/Together Through Life』2009)
4.What Good Am I? ホワット・グッド・アム・アイ?
(『オー・マーシー/Oh Mercy』1989)
5.Waiting for youウェイティング・フォー・ユー
(『ヤァヤァ・シスターズの聖なる秘密 Divine Secrets of the Ya-Ya Sisterhood)
6.Duquesne Whistle デューケイン・ホイッスル
(『テンペスト/Tempest』 2012)
7.Pay in Blood ペイ・イン・ブラッド
(『テンペスト/Tempest』 2012)
8.Tangled Up in Blue ブルーにこんがらがって
(『血の轍/Blood on the Tracks』1975)
9.Love Sick ラヴ・シック
(『タイム・アウト・オブ・マインド/Time Out of Mind』 1997)
休憩
10.High Water (For Charley Patton) ハイ・ウォーター(フォー・チャーリー・パットン)
(『ラヴ・アンド・セフト/Love and Theft』2001)
11.Simple Twist of Fate 運命のひとひねり
(『血の轍/Blood on the Tracks』1975)
12.Early Roman Kings アーリー・ローマン・キングズ
(『テンペスト/Tempest』 2012)
13.Forgetful Heart フォゲットフル・ハート
(『トゥゲザー・スルー・ライフ/Together Through Life』2009)
14.Spirit on the Water スピリット・オン・ザ・ウォーター
(『モダン・タイムス/Modern Times』2006)
15.Scarlet Town スカーレット・タウン
(『テンペスト/Tempest』 2012)
16.Soon after Midnight スーン・アフター・ミッドナイト
(『テンペスト/Tempest』 2012)
17.Long and Wasted Years ロング・アンド・ウェイステッド・イヤーズ
(『テンペスト/Tempest』 2012)
Encore:
18.All Along the Watchtower 見張塔からずっと
(『ジョン・ウェズリー・ハーディング/John Wesley Harding』1967年)
19.Blowin in the wind/風に吹かれて
(『フリーホイーリン・ボブ・ディラン)
2014年03月07日
ローリング・ストーンズ東京公演2014年3月6日
01

ローリング・ストーンズ東京公演
2014年3月6日のセットリスト
行きました、だから東京に来ていました。
本題の前に、ポール・マッカートニーの時に「問題」となった
グッズについて。
今回は16時半頃に並び、17時50分頃に買えました。
1時間半くらいということですが、ポールの経験があったので、
意外と早く買えたなと。
グッズも日本最終日だけあってさすがにTシャツのいくつかの
サイズなど数点の売り切れがありましたが、その他グッズは
僕が買った時点では売り切れは出なかった。
思えば、ポールの時は話題が話題を呼んだのかもしれない。
ともあれ、まあ1時間半は長いでしょうけど、FB友だちと並んで
話していたので、まあこんなもんかな。
買ったのは結局写真のTシャツ1枚とプログラムだけ。
トートバッグはあったのですが、ポールで買えなくて集める意味が
なくなってしまったので、買う気が起きなかった。
いずれ後悔するかもしれないけれど・・・(笑)・・・
Tシャツはツアーデイトが背中にプリントされたもので、
あくまでも記念のため、着ることはないですね。
そもそも僕はストーンズのベロマークは着るのが恥ずかしいです。
客層は思っていたよりも女性が多かった。
若い人は男女問わず逆に意外と少ないと感じました。
あと、革ジャンを含め黒い服を着た男性が多かったですね。
開演予定時刻は18時半、やはりすぐには始まらず、
19時が近くなった頃に始まりました。
ちなみに、この記事を上げた時間がその24時間後です。
客電が消えた時に会場から起こった男性の低い声の歓声が、
今までのどんなコンサートよりも男くさくてすごかった。
なお、今回は犬切れ症防止対策として、犬たちの写真を
織り込みながら進めます、ご了承ください。
02

1曲目Jumpin' Jack Flash
1曲目が何かはコンサートの話題のひとつですが、
ストーンズはあくまでもストーンズらしく始まりました。
ミックは60年代と変わらぬ動きで踊りながら歌う。
体の細さとシャープさはもはや化け物級。
こんな70代は、人類史上、いまだかつていたのだろうか?
キースはナチュラルのテレキャスターにカポをつけ、
歌の最後の「じゃららーん」で会場の歓声が大きくなる。
ロン・ウッドは地球儀のような青い半分の球体がブリッジの下に
埋め込まれた見たことがないギターを弾いていました。
そしてチャーリー、赤いTシャツでいつものすまし顔。
当然のごとくもう最初から熱気に包まれました。
2曲目You Got Me Rockin'
「カエッテキタゼ トーキョー」とミックが言った後に始まった90年代の
アルバムVOODOO LOUNGEからのこの選曲は意外でした。
でも、日本の場合、ストーンズはCDから入った人が多そうだから、
これはこれでありかな。
ただ、でも正直、微妙に会場の反応が鈍かった気も。
この曲のビデオクリップはMTVでよく流れていて、
映像は大きな会場のライヴで、ミックや会場が最初の辺りで
トマホークチョップの仕草をするのが印象的でしたが、
さすがにそれはなかったなあ。
3曲目It’s Only Rock ‘N’ Roll (But I Like It)
最近のライヴではチャック・ベリー風のイントロをつけていますが、
一緒に行ったFB友だちはそれで最初は分からなかったと。
そうですね、これはレコードと大幅に違いますね。
スクリーンの映像が60年代のストーンズに熱狂する若者の姿が
映し出されていて、それがなんだかすごくて、音楽以上に
そこが僕は印象に残ってしまいました。
ただ、よく見ると合間に今のそのコンサートの客席も
映し出されていてこれはうまい演出だと。
まあ結局、ライヴに行っても映像が気になるのでした(笑)。
映像ついでに、曲の最後はだいたいチャーリーがドラムスの
下のほうからのアングルで大写しになるのがよかった。
4曲目Tumbling Dice
ああ、この曲ってほんとうにいいんだなあ。
実感しました。
ストーンズらしさが自然ににじみ出た曲ですよね。
ロンがボディが黒で白い縁取りがあるテレキャスターで
ギターソロを演奏したのもよかった。
もちろん元々好きだけど、僕の中で2014年3月6日の
ストーンズといえば今後この曲になるかもしれない。
5曲目Ruby Tuesday
この曲は始まった時の歓声がいちばん大きかったかな。
コンサートに来る前にインターネットでセットリストを調べる人って、
今は結構いらっしゃるのかな。
というのも、僕は終わってからネットで過去2日のセットリストを
見たのですが、この曲をやったのは6日だけだったようで、
なるほど、だからか、歓声の大きさには大いに納得しました。
僕自身も、彼らでも特に好きな曲だから、うれしかった。
今も記事を書きながら口ずさんでいます(笑)。
ただ、スクリーンを見ていると、ガットギターを弾くキースが、
途中でステージの外の誰かに向かって何か話しているところが
写し出され、その影響か、最初のサビの部分の低音コーラスが
入らなかったのは、何か不調だったのかな。
6曲目Doom And Gloom
「シンキョクデッス」とミックがギターを持ちながら始まった曲。
新曲なのでセットリスト調べて曲名を書きましたが、一応、
今回もメモを取りながら見ていました、念のため。
ロックンロール愛にあふれた60年代っぽいまっすぐな曲でしたが、
新曲があるということは、アルバムは近いのかな。
で、アルバムを出したらまた来るのかな・・・などと妄想が。
7曲目Respectable
この曲は事前にネットで日本公演で演奏してほしい曲の
リクエストを募った中から選ばれたもので、スクリーンでも
そのことが写し出されていました。
そしてここでスペシャルゲストをミックが紹介。
ネットでニュースを見た方も多いかもしれないですが、
そのゲストは布袋寅泰。
彼がステージに出てくるとどよめきにも似た歓声が起こりました。
ただ、彼を紹介するミックがお得意の(!?)ロンドン訛りで、
「ホタイ」と聞こえたので僕もなんのことか分からず、おそらく
多くの人も、写し出されたところで状況を理解したようでした。
もうひとつ、今回はミック・テイラーがゲスト出演することは
事前に知らされていたので、ミックじゃないのか、という意外性も
どのどよめきの中にはあったと思います。
一緒に行った人は彼の大ファンで一生の思い出になると。
8曲目Honky Tonk Women
この曲は僕が行った過去2回とも、巨大なインフレータブルの
女性のビニール人形がステージに出てきてだんだん膨らんでゆく
という仕掛けでしたが、今回はそれはなくて残念。
代わりに、『キングコング』に見立てた女性がニューヨークを
闊歩してビルに登ってゴリラが操縦する飛行機と戦うという
イメージビデオが流れていました。
ところで僕は、ここでミック・テイラーが出てくるのかと
予想していましたが、違いました。
ここでバンドメンバーの紹介。
おかしかったのが、ミックがチャーリーを紹介した時。
チャーリーは控えめにあまり前に行きたくない様子だったのを、
ミックが引っ張って前のほうに連れ出し、チャーリー戸惑い顔。
でも、いかにミックがチャーリーを信頼し尊敬しているかが
よく分かる、心温まるシーンでした。
そしてサックスは旧友のボビー・キーズ。
9曲目Slipping Away
ここから2曲はキースタイム!!
キースは何を歌うかはいつもストーンズファンの話題の的ですが、
最初はCDの時代になったSTEEL WHEELSからのこれでした。
いいね、これ、いや元々好きだけど、今回のコンサートで
僕の中では存在感が一気に高まりました。
サビで声が高くなるところでキースが歌いにくそうだったけれど、
それもまた彼らしいと思わせるところがさすが。
ミック・テイラーはここで登場。
会場からは「おおっ」というような声も上がりましたが、まあ
他の人たちに比べると貫禄十分ですからね・・・
赤紫と黒のチェック模様のマフラーが印象的で似合っていて、
同じのどこかで売ってないかな、と(笑)。
そうそう、キースは曲の前に挨拶をしたのですが、照れ笑いを
浮かべ、何を言おうかと戸惑いつつ発した言葉
"Good evening ladies and gentlemen"に会場は大爆笑。
なんだろう、それだけのことなのに、自然な可笑しさがありました。
そう、キースの笑顔がとってもよかった日でした。
10曲目Before They Make Me Run
キースのもう1曲はSOME GIRLSのこれ。
一緒に行った人はHappyじゃないのと言ってましたが、
まあそうですよね、今回は少し変化球でしたね。
キースはミックと逆で年相応のおじいさんという感じがしましたが、
それでも、ミックはこの2曲の間は休んでいたのに、
キースはずっと出ていて、やっぱりすごい人だなあと。
11曲目Midnight Rambler
ここでふたたびミック・テイラー登場。
今回のハイライトはおそらく10分以上に及ぶこれでしょう!
僕はこの曲をHOT ROCKSのライヴテイクで最初に聴き、
あまりにもかっこよくてすぐにギターで弾いていましたが、
ここでそれが映像つきで再現されたように感じました。
最初は暗闇の中、ミック・ジャガーのブルーズハープの音だけが響く。
ミックが前に進み出て曲が始まる、もうそれだけでぞくぞくっときました。
ミックのブルーズハープは音の響きが強くてきれいですね。
途中でシャッフルからタイトなリズムに変わるところは、
チャーリーのドラムスが引っ張っているのがよく分かった。
ギターソロに入る部分で、一瞬、キースとロンとミック・テイラー
誰が弾くのかというようなアイコンタクトをしてからミック・テイラー
が前に出てきてレス・ポールでソロを引き始めたところは
もうほんとうに鳥肌もの、感涙もの。
中間部の演奏が止まってミックが語る演劇的な部分も、
ミックは怖さすら感じさせるヴォーカルと仕草で魅了する。
そこに入るチャーリーの強いドラムスの一発がたまらない。
僕のストーンズの原点のような曲でもあり、ギターバンドとしての
ストーンズの魅力が最大限に発揮されていて、感動しました。
ただ、ひとつだけ気になったのは、彼ら自身についてではなく、
中間部に入る前に曲が終わったかと思って拍手をした人が
結構いたことでした。
僕はそれ自身について非難をするつもりはないけれど、
そうではなくこの曲は意外と知らない人が多いのかな、と。
まあでも、それも含めて僕にはいい思い出になりました。
ところで、ミック・テイラーの足がミック・ジャガーの2倍くらい
太かったのが妙に印象的・・・あくまでもミックが細いのです(笑)。
12曲目Miss You
ミックが黒のローズウッド指板のストラトキャスターを持って
マイクの前に立ち「イッショニ ウタッテ クダサイ」と。
あ、この曲だ、僕は確信しました。
ミックは何曲かでギターを弾きながら歌っていましたが、
ギターへの思いが強いんだなとあらためて思いました。
そしてこの黒のストラトは8年前の札幌ドームでも印象的だった
ので、なんだか旧友に再会したように感じました。
途中でミックが「ベースを聴きたくないか」というようなことを言い、
ダリル・ジョーンズのベースソロが始まったのがいい演出でした。
で、僕は曲の間ずっと、ミックに言われたように
「ふっふ~うっふふふっ」と歌っていました(笑)。
ちなみにミックはステージ上のやりとりなどでちょっと可笑しな
ことがあっても決して笑わないのがクールでした。
13曲目Paint It Black
ロンが半月のような形の見たことがないギターを持って、
あのシタールのようなフレーズを弾いていました。
この曲も気がつくとずっと「ははは~は~は~は~は~」と
最後まで口ずさみっぱなしでしたが、ストーンズにはハミングが
印象的で歌いやすい曲が多いこともあらためて思いました。
それにしてもこの曲はいたってシンプルなのに引き込まれますね。
ところでロンは他の3人に比べると若くて動きも幾分シャープで、
引き立て役、引き締め役としていい味を出していました。
14曲目Gimme Shelter
バックコーラスのリサ・フィッシャーが途中から前にせり出した
ステージに進んで力唱する姿が颯爽としていてよかった。
ミックも彼女に絡んで一触即発状態を演出。
6年前にシェリル・クロウも歌っていたことを思い出しました。
で、この曲もミック・テイラーに出てほしかったなあ。
まあそれはともかく、コンサートでも映える曲だと再認識しました。
15曲目Start Me Up
僕にとってはストーンズとの出会いの大切な曲。
今回うれしかったのは、リズムがオリジナルとほぼ同じ、
ちょっと間のあるリズムだったこと。
前のコンサートは2回とももっとまっすぐなロックンロールに
なっていて正直ちょっとがっかりだったのですが、今回は
最後だからか、オリジナルを意識したのかなと。
大好きな曲だけに、今までの思いが晴らされてよかった。
16曲目Sympathy For The Devil
いやー、すごいっ!
ストーンズの曲のできとしての最高傑作はこれだと確信。
ミックは赤いマントを羽織ってステージに歩み出てきて、
途中でそれを抜いて独特の手つきの妖艶な踊りに入り込む。
歌、曲、というよりこれはもう場の力がすごかった。
何よりすごかったのは、曲のイントロが始まったところで、
スタンド席のほうから「ふっふーっ」と声が上がったこと。
待っていた人が多かったのでしょう、こんな体験は初めて。
曲としては、Bメロの"Please to meet you"のところで初めて
キースが「ガツン」とテレキャスターの音を強く入れるのがよかった。
そしてキースのギターソロ、もうこれは至芸ですね。
スクリーンの映像が真っ赤に染まっていたのですが、そのせいか
実際に温度が上がったようにも感じました。
いやー、ほんとうにすごい曲だ!
17曲目Brown Sugar
僕がいちばん好きなストーンズの曲が本編最後。
やはりこれもリズムがオリジナルとほぼ同じでよかった。
オリジナルもボビー・キーズがサックスを吹いていますが、
あらためて、34年の月日が凝縮された曲なのだと。
そしてやっぱりミックに歌えといわれたので、最後はずっと
「イェーイ イェーイ イェーイ フーッ」と歌っていました。
本編最後はもうこの曲しかないですね。
ENCORE
18曲目You Can’t Always Get What You Want
日本の大学か何かの男女混声コーラスが歌い始めて、
ああ、この曲だ、と。
コーラスに続いてミックがギブソンのハミングバードを持って
弾きながら歌い始めましたが、実はですね、個人的な話で、
コンサートの前に御茶ノ水でアコースティックギターの店に入って
少し眺めていた時に、今買うならハミングバードがいいなと
思っていたので、その偶然に驚きました。
僕は死ぬまでにいいアコを1本買いたいのですが、やはりこれで
ハミングバードにしようかな、と(笑)。
この曲も好きな10指に入るので、コンサートで聴けてうれしい。
アンコールの1曲目という場所が絶妙でよかった。
この曲もまたよりいっそう好きになりましたね。
ところで下世話な話ですが、コーラスに参加していた人たちは
きっと、ストーンズのコンサートに出ることをツイッターなどで
事前には絶対に口外しないようになどと言われていたのかな、
それはおろか誰にも話すなと、などと想像しました。
19曲目 (I Can’t Get No) Satisfaction
もうこれしかないでしょ!!!
会場が熱狂の渦に巻き込まれたことはいうまでもない。
1曲の力が桁違いですね。
ミック・テイラーも控え目にステージに出てきて、
最後は4人の列に入り、ミック・ミックで並びながら肩を組んで
挨拶していたのが印象的でした。
もちろん「マタアオウ」と言いましたが、ポールもそうでした、
その瞬間はそれを信じたい気持ちでいっぱいでした。
ありがとう!
ミックキースチャーリーロンそしてミック!!
03

ああ、まだワイルドに枝をかじっている・・・
さて、ほんとうに「満足」したコンサートでした。
安部首相も来ていたそうですが、今朝ネットのニュースで見て、
やはりSatisfactionにかけたコメントを出していて、
そういう日本の首相は初めてだ、と。
ところで、ひとつだけ、僕は残念だったことが。
コンサート初日の後、弟がネットでセットリストを見ていて、
「ひとりぼっちの世界」て何だ? と僕に言いました。
普段は邦題で接することはないので分からなかったようで、
それはGet Off Of My Cloudのことだと僕は答えました。
ということは、Get Off Of My Cloudをやるんだ!!
僕はすごく期待しました、大好きだから。
ところがそれは演奏しなかった、残念です。
まあ、代わりにRuby Tuesdayがあったからいいじゃないか、
といわれればそれまでですが、仕方ないですね。
コンサートが終わって3日分のセットリストを見ると、
3曲ほど日によって入れ替わっていたようですね。
僕が行かなかった日ではEmotinal Rescueも聴きたかったかな。
あとはBeast Of Burdenも演奏してほしかった。
とまあ、セットリストのことを言ってもしょうがないのですが、
逆にいえば、ローリング・ストーンズというバンドはそれだけ
歌としていい曲が多いということはあらためて分かりました。
それにしても今回は、来日公演が決まってからが早かった。
実際に他に比べるとチケット販売開始からコンサートまでが
短かったのですが、それにしても、日々流されて早かった。
でも逆に、ポールの時のように妙な緊張感がなかったので、
コンサートまですんなりと入って当たり前に盛り上がれました。
ほんとうに最後なのかな?
そうではないことを願って。
04

そして今日最後の写真は、歌うポーラ第2弾でした(笑)。

ローリング・ストーンズ東京公演
2014年3月6日のセットリスト
行きました、だから東京に来ていました。
本題の前に、ポール・マッカートニーの時に「問題」となった
グッズについて。
今回は16時半頃に並び、17時50分頃に買えました。
1時間半くらいということですが、ポールの経験があったので、
意外と早く買えたなと。
グッズも日本最終日だけあってさすがにTシャツのいくつかの
サイズなど数点の売り切れがありましたが、その他グッズは
僕が買った時点では売り切れは出なかった。
思えば、ポールの時は話題が話題を呼んだのかもしれない。
ともあれ、まあ1時間半は長いでしょうけど、FB友だちと並んで
話していたので、まあこんなもんかな。
買ったのは結局写真のTシャツ1枚とプログラムだけ。
トートバッグはあったのですが、ポールで買えなくて集める意味が
なくなってしまったので、買う気が起きなかった。
いずれ後悔するかもしれないけれど・・・(笑)・・・
Tシャツはツアーデイトが背中にプリントされたもので、
あくまでも記念のため、着ることはないですね。
そもそも僕はストーンズのベロマークは着るのが恥ずかしいです。
客層は思っていたよりも女性が多かった。
若い人は男女問わず逆に意外と少ないと感じました。
あと、革ジャンを含め黒い服を着た男性が多かったですね。
開演予定時刻は18時半、やはりすぐには始まらず、
19時が近くなった頃に始まりました。
ちなみに、この記事を上げた時間がその24時間後です。
客電が消えた時に会場から起こった男性の低い声の歓声が、
今までのどんなコンサートよりも男くさくてすごかった。
なお、今回は犬切れ症防止対策として、犬たちの写真を
織り込みながら進めます、ご了承ください。
02

1曲目Jumpin' Jack Flash
1曲目が何かはコンサートの話題のひとつですが、
ストーンズはあくまでもストーンズらしく始まりました。
ミックは60年代と変わらぬ動きで踊りながら歌う。
体の細さとシャープさはもはや化け物級。
こんな70代は、人類史上、いまだかつていたのだろうか?
キースはナチュラルのテレキャスターにカポをつけ、
歌の最後の「じゃららーん」で会場の歓声が大きくなる。
ロン・ウッドは地球儀のような青い半分の球体がブリッジの下に
埋め込まれた見たことがないギターを弾いていました。
そしてチャーリー、赤いTシャツでいつものすまし顔。
当然のごとくもう最初から熱気に包まれました。
2曲目You Got Me Rockin'
「カエッテキタゼ トーキョー」とミックが言った後に始まった90年代の
アルバムVOODOO LOUNGEからのこの選曲は意外でした。
でも、日本の場合、ストーンズはCDから入った人が多そうだから、
これはこれでありかな。
ただ、でも正直、微妙に会場の反応が鈍かった気も。
この曲のビデオクリップはMTVでよく流れていて、
映像は大きな会場のライヴで、ミックや会場が最初の辺りで
トマホークチョップの仕草をするのが印象的でしたが、
さすがにそれはなかったなあ。
3曲目It’s Only Rock ‘N’ Roll (But I Like It)
最近のライヴではチャック・ベリー風のイントロをつけていますが、
一緒に行ったFB友だちはそれで最初は分からなかったと。
そうですね、これはレコードと大幅に違いますね。
スクリーンの映像が60年代のストーンズに熱狂する若者の姿が
映し出されていて、それがなんだかすごくて、音楽以上に
そこが僕は印象に残ってしまいました。
ただ、よく見ると合間に今のそのコンサートの客席も
映し出されていてこれはうまい演出だと。
まあ結局、ライヴに行っても映像が気になるのでした(笑)。
映像ついでに、曲の最後はだいたいチャーリーがドラムスの
下のほうからのアングルで大写しになるのがよかった。
4曲目Tumbling Dice
ああ、この曲ってほんとうにいいんだなあ。
実感しました。
ストーンズらしさが自然ににじみ出た曲ですよね。
ロンがボディが黒で白い縁取りがあるテレキャスターで
ギターソロを演奏したのもよかった。
もちろん元々好きだけど、僕の中で2014年3月6日の
ストーンズといえば今後この曲になるかもしれない。
5曲目Ruby Tuesday
この曲は始まった時の歓声がいちばん大きかったかな。
コンサートに来る前にインターネットでセットリストを調べる人って、
今は結構いらっしゃるのかな。
というのも、僕は終わってからネットで過去2日のセットリストを
見たのですが、この曲をやったのは6日だけだったようで、
なるほど、だからか、歓声の大きさには大いに納得しました。
僕自身も、彼らでも特に好きな曲だから、うれしかった。
今も記事を書きながら口ずさんでいます(笑)。
ただ、スクリーンを見ていると、ガットギターを弾くキースが、
途中でステージの外の誰かに向かって何か話しているところが
写し出され、その影響か、最初のサビの部分の低音コーラスが
入らなかったのは、何か不調だったのかな。
6曲目Doom And Gloom
「シンキョクデッス」とミックがギターを持ちながら始まった曲。
新曲なのでセットリスト調べて曲名を書きましたが、一応、
今回もメモを取りながら見ていました、念のため。
ロックンロール愛にあふれた60年代っぽいまっすぐな曲でしたが、
新曲があるということは、アルバムは近いのかな。
で、アルバムを出したらまた来るのかな・・・などと妄想が。
7曲目Respectable
この曲は事前にネットで日本公演で演奏してほしい曲の
リクエストを募った中から選ばれたもので、スクリーンでも
そのことが写し出されていました。
そしてここでスペシャルゲストをミックが紹介。
ネットでニュースを見た方も多いかもしれないですが、
そのゲストは布袋寅泰。
彼がステージに出てくるとどよめきにも似た歓声が起こりました。
ただ、彼を紹介するミックがお得意の(!?)ロンドン訛りで、
「ホタイ」と聞こえたので僕もなんのことか分からず、おそらく
多くの人も、写し出されたところで状況を理解したようでした。
もうひとつ、今回はミック・テイラーがゲスト出演することは
事前に知らされていたので、ミックじゃないのか、という意外性も
どのどよめきの中にはあったと思います。
一緒に行った人は彼の大ファンで一生の思い出になると。
8曲目Honky Tonk Women
この曲は僕が行った過去2回とも、巨大なインフレータブルの
女性のビニール人形がステージに出てきてだんだん膨らんでゆく
という仕掛けでしたが、今回はそれはなくて残念。
代わりに、『キングコング』に見立てた女性がニューヨークを
闊歩してビルに登ってゴリラが操縦する飛行機と戦うという
イメージビデオが流れていました。
ところで僕は、ここでミック・テイラーが出てくるのかと
予想していましたが、違いました。
ここでバンドメンバーの紹介。
おかしかったのが、ミックがチャーリーを紹介した時。
チャーリーは控えめにあまり前に行きたくない様子だったのを、
ミックが引っ張って前のほうに連れ出し、チャーリー戸惑い顔。
でも、いかにミックがチャーリーを信頼し尊敬しているかが
よく分かる、心温まるシーンでした。
そしてサックスは旧友のボビー・キーズ。
9曲目Slipping Away
ここから2曲はキースタイム!!
キースは何を歌うかはいつもストーンズファンの話題の的ですが、
最初はCDの時代になったSTEEL WHEELSからのこれでした。
いいね、これ、いや元々好きだけど、今回のコンサートで
僕の中では存在感が一気に高まりました。
サビで声が高くなるところでキースが歌いにくそうだったけれど、
それもまた彼らしいと思わせるところがさすが。
ミック・テイラーはここで登場。
会場からは「おおっ」というような声も上がりましたが、まあ
他の人たちに比べると貫禄十分ですからね・・・
赤紫と黒のチェック模様のマフラーが印象的で似合っていて、
同じのどこかで売ってないかな、と(笑)。
そうそう、キースは曲の前に挨拶をしたのですが、照れ笑いを
浮かべ、何を言おうかと戸惑いつつ発した言葉
"Good evening ladies and gentlemen"に会場は大爆笑。
なんだろう、それだけのことなのに、自然な可笑しさがありました。
そう、キースの笑顔がとってもよかった日でした。
10曲目Before They Make Me Run
キースのもう1曲はSOME GIRLSのこれ。
一緒に行った人はHappyじゃないのと言ってましたが、
まあそうですよね、今回は少し変化球でしたね。
キースはミックと逆で年相応のおじいさんという感じがしましたが、
それでも、ミックはこの2曲の間は休んでいたのに、
キースはずっと出ていて、やっぱりすごい人だなあと。
11曲目Midnight Rambler
ここでふたたびミック・テイラー登場。
今回のハイライトはおそらく10分以上に及ぶこれでしょう!
僕はこの曲をHOT ROCKSのライヴテイクで最初に聴き、
あまりにもかっこよくてすぐにギターで弾いていましたが、
ここでそれが映像つきで再現されたように感じました。
最初は暗闇の中、ミック・ジャガーのブルーズハープの音だけが響く。
ミックが前に進み出て曲が始まる、もうそれだけでぞくぞくっときました。
ミックのブルーズハープは音の響きが強くてきれいですね。
途中でシャッフルからタイトなリズムに変わるところは、
チャーリーのドラムスが引っ張っているのがよく分かった。
ギターソロに入る部分で、一瞬、キースとロンとミック・テイラー
誰が弾くのかというようなアイコンタクトをしてからミック・テイラー
が前に出てきてレス・ポールでソロを引き始めたところは
もうほんとうに鳥肌もの、感涙もの。
中間部の演奏が止まってミックが語る演劇的な部分も、
ミックは怖さすら感じさせるヴォーカルと仕草で魅了する。
そこに入るチャーリーの強いドラムスの一発がたまらない。
僕のストーンズの原点のような曲でもあり、ギターバンドとしての
ストーンズの魅力が最大限に発揮されていて、感動しました。
ただ、ひとつだけ気になったのは、彼ら自身についてではなく、
中間部に入る前に曲が終わったかと思って拍手をした人が
結構いたことでした。
僕はそれ自身について非難をするつもりはないけれど、
そうではなくこの曲は意外と知らない人が多いのかな、と。
まあでも、それも含めて僕にはいい思い出になりました。
ところで、ミック・テイラーの足がミック・ジャガーの2倍くらい
太かったのが妙に印象的・・・あくまでもミックが細いのです(笑)。
12曲目Miss You
ミックが黒のローズウッド指板のストラトキャスターを持って
マイクの前に立ち「イッショニ ウタッテ クダサイ」と。
あ、この曲だ、僕は確信しました。
ミックは何曲かでギターを弾きながら歌っていましたが、
ギターへの思いが強いんだなとあらためて思いました。
そしてこの黒のストラトは8年前の札幌ドームでも印象的だった
ので、なんだか旧友に再会したように感じました。
途中でミックが「ベースを聴きたくないか」というようなことを言い、
ダリル・ジョーンズのベースソロが始まったのがいい演出でした。
で、僕は曲の間ずっと、ミックに言われたように
「ふっふ~うっふふふっ」と歌っていました(笑)。
ちなみにミックはステージ上のやりとりなどでちょっと可笑しな
ことがあっても決して笑わないのがクールでした。
13曲目Paint It Black
ロンが半月のような形の見たことがないギターを持って、
あのシタールのようなフレーズを弾いていました。
この曲も気がつくとずっと「ははは~は~は~は~は~」と
最後まで口ずさみっぱなしでしたが、ストーンズにはハミングが
印象的で歌いやすい曲が多いこともあらためて思いました。
それにしてもこの曲はいたってシンプルなのに引き込まれますね。
ところでロンは他の3人に比べると若くて動きも幾分シャープで、
引き立て役、引き締め役としていい味を出していました。
14曲目Gimme Shelter
バックコーラスのリサ・フィッシャーが途中から前にせり出した
ステージに進んで力唱する姿が颯爽としていてよかった。
ミックも彼女に絡んで一触即発状態を演出。
6年前にシェリル・クロウも歌っていたことを思い出しました。
で、この曲もミック・テイラーに出てほしかったなあ。
まあそれはともかく、コンサートでも映える曲だと再認識しました。
15曲目Start Me Up
僕にとってはストーンズとの出会いの大切な曲。
今回うれしかったのは、リズムがオリジナルとほぼ同じ、
ちょっと間のあるリズムだったこと。
前のコンサートは2回とももっとまっすぐなロックンロールに
なっていて正直ちょっとがっかりだったのですが、今回は
最後だからか、オリジナルを意識したのかなと。
大好きな曲だけに、今までの思いが晴らされてよかった。
16曲目Sympathy For The Devil
いやー、すごいっ!
ストーンズの曲のできとしての最高傑作はこれだと確信。
ミックは赤いマントを羽織ってステージに歩み出てきて、
途中でそれを抜いて独特の手つきの妖艶な踊りに入り込む。
歌、曲、というよりこれはもう場の力がすごかった。
何よりすごかったのは、曲のイントロが始まったところで、
スタンド席のほうから「ふっふーっ」と声が上がったこと。
待っていた人が多かったのでしょう、こんな体験は初めて。
曲としては、Bメロの"Please to meet you"のところで初めて
キースが「ガツン」とテレキャスターの音を強く入れるのがよかった。
そしてキースのギターソロ、もうこれは至芸ですね。
スクリーンの映像が真っ赤に染まっていたのですが、そのせいか
実際に温度が上がったようにも感じました。
いやー、ほんとうにすごい曲だ!
17曲目Brown Sugar
僕がいちばん好きなストーンズの曲が本編最後。
やはりこれもリズムがオリジナルとほぼ同じでよかった。
オリジナルもボビー・キーズがサックスを吹いていますが、
あらためて、34年の月日が凝縮された曲なのだと。
そしてやっぱりミックに歌えといわれたので、最後はずっと
「イェーイ イェーイ イェーイ フーッ」と歌っていました。
本編最後はもうこの曲しかないですね。
ENCORE
18曲目You Can’t Always Get What You Want
日本の大学か何かの男女混声コーラスが歌い始めて、
ああ、この曲だ、と。
コーラスに続いてミックがギブソンのハミングバードを持って
弾きながら歌い始めましたが、実はですね、個人的な話で、
コンサートの前に御茶ノ水でアコースティックギターの店に入って
少し眺めていた時に、今買うならハミングバードがいいなと
思っていたので、その偶然に驚きました。
僕は死ぬまでにいいアコを1本買いたいのですが、やはりこれで
ハミングバードにしようかな、と(笑)。
この曲も好きな10指に入るので、コンサートで聴けてうれしい。
アンコールの1曲目という場所が絶妙でよかった。
この曲もまたよりいっそう好きになりましたね。
ところで下世話な話ですが、コーラスに参加していた人たちは
きっと、ストーンズのコンサートに出ることをツイッターなどで
事前には絶対に口外しないようになどと言われていたのかな、
それはおろか誰にも話すなと、などと想像しました。
19曲目 (I Can’t Get No) Satisfaction
もうこれしかないでしょ!!!
会場が熱狂の渦に巻き込まれたことはいうまでもない。
1曲の力が桁違いですね。
ミック・テイラーも控え目にステージに出てきて、
最後は4人の列に入り、ミック・ミックで並びながら肩を組んで
挨拶していたのが印象的でした。
もちろん「マタアオウ」と言いましたが、ポールもそうでした、
その瞬間はそれを信じたい気持ちでいっぱいでした。
ありがとう!
ミックキースチャーリーロンそしてミック!!
03

ああ、まだワイルドに枝をかじっている・・・
さて、ほんとうに「満足」したコンサートでした。
安部首相も来ていたそうですが、今朝ネットのニュースで見て、
やはりSatisfactionにかけたコメントを出していて、
そういう日本の首相は初めてだ、と。
ところで、ひとつだけ、僕は残念だったことが。
コンサート初日の後、弟がネットでセットリストを見ていて、
「ひとりぼっちの世界」て何だ? と僕に言いました。
普段は邦題で接することはないので分からなかったようで、
それはGet Off Of My Cloudのことだと僕は答えました。
ということは、Get Off Of My Cloudをやるんだ!!
僕はすごく期待しました、大好きだから。
ところがそれは演奏しなかった、残念です。
まあ、代わりにRuby Tuesdayがあったからいいじゃないか、
といわれればそれまでですが、仕方ないですね。
コンサートが終わって3日分のセットリストを見ると、
3曲ほど日によって入れ替わっていたようですね。
僕が行かなかった日ではEmotinal Rescueも聴きたかったかな。
あとはBeast Of Burdenも演奏してほしかった。
とまあ、セットリストのことを言ってもしょうがないのですが、
逆にいえば、ローリング・ストーンズというバンドはそれだけ
歌としていい曲が多いということはあらためて分かりました。
それにしても今回は、来日公演が決まってからが早かった。
実際に他に比べるとチケット販売開始からコンサートまでが
短かったのですが、それにしても、日々流されて早かった。
でも逆に、ポールの時のように妙な緊張感がなかったので、
コンサートまですんなりと入って当たり前に盛り上がれました。
ほんとうに最後なのかな?
そうではないことを願って。
04

そして今日最後の写真は、歌うポーラ第2弾でした(笑)。
2014年02月17日
アイアン・メイデン日本公演のセットリスト
01

「ある意味てっちゃん」の弟が、「巡礼」から帰ってきました。
早速、アイアン・メイデン日本公演のセットリストを。
ちなみに、弟は、横浜と千葉の2公演に行きましたが、
どちらも曲は同じだったということです。
なお、曲名の後ろの(序数)は、
その曲が収録されているアルバムで、以下を意味します。
1st:IRON MAIDEN
3rd:THE NUMBER OF THE BEAST
4th:PIECE OF MIND
5th:POWERSLAVE
6th:SOMEWHERE IN TIME
7th:SEVENTH SON OF THE SEVENTH SON
9th:FEAR OF THE DARK
Iron Maiden Japan Tour 2008
01:Aces High (5th)
02:2 Minutes To Midnight (5th)
03:Revelations (4th)
04:The Trooper (4th)
05:The Number Of The Beast (3rd)
06:Wasted Years (6th)
07:Can I Play With Madness (7th)
08:Rime Of The Ancient Mariner (5th)
09:Powerslave (5th)
10:Heaven Can Wait (6th)
11:Run To The HIlls (3rd)
12:Fear Of The Dark (9th)
13:Iron Maiden (1st)
encore
14:Moonchild (7th)
15:The Clairvoyant (7th)
16:Hallowed Be Thy Name (3rd)
以上です。
かに座の僕としては、14を演奏したのがうれしいですね(笑)。
余談。
ヴォーカルのブルース・ディキンソンは、公演中に何度も
「Scream for me 何々!」と、
何々のところにその公演の土地の名前を入れて叫びます。
その様子は、ライヴCDやDVDでも聞くことができます。
今回、横浜では「Scream for me Yokohama!」と言ったものの、
千葉ではずっと「Tokyo」と言っていたそうです・・・
02

いつものTシャツ、今回は2種類を購入。
弟の感想を。
今回は、3枚目から7枚目までの曲を中心としたツアーで、
現時点での最新作A MATTER OF LIFE AND DEATH
からの曲は演奏されませんでした。
前回、一昨年のツアーでは、最新作を全曲演奏し、
一方で過去の名曲が少なかったことに対して、
一部のファンが不満を漏らしていたということですが、
今回はそんなことはないでしょう(笑)。
(ただ、前回は新譜のツアーなのでそれに意味がある、
と、メイデンマニアである弟は力説していますが)。
ただ、今回は3枚目から7枚目までのツアーでありながら、
6枚目からの曲が2曲しかなかったのが残念であり、
さらに、定番となっていて盛り上がる曲だとはいえ、
今回に限っては、9thからの12は要らなかったのではないか、
ということです。
これは僕も同感ですね。
Stranger In A Strange LandかCaught Somewhere In Time
の6thからの2曲を、どちらかでも演奏してほしかったと。残念。
また、7thからの超名曲であるThe Evil That Men Do
を演奏しなかったのですが、これについては
いつもコンサートでやっているので今回はなくてもいいかな、
と思う反面、だったらやはり12を抜くべきではないか、とも。
断っておきますが、Fear Of The Darkも超名曲で、
僕も大好きですが、今回に限っては、という意味です。
まあ、それをいうなら、たまたま3枚目に入っている16が
コンサートではもはや不可欠な曲であるように、
この曲も外せないと判断したのでしょうね。
また、1stからのIron Maidenも演奏してますし。
これはでも演奏しないとバンドのアイデンティティが、
という問題もありますが(笑)、ともかく、それはそれで支持はします。
それから僕としては、4thの
Where Eagles Dare、Flight Of Icarus、
Die With Your Boots Onのどれかもやってほしかったなぁ。
行ってない人間が言うのもなんですが(笑)。
まあ、彼らくらいの大物になると、
期間を絞ったとしても、これが完璧というセットリストは
なかなか組みにくいのは事実だと思いますが。
曲についてはこれくらいにして、他にも弟は、
グッズ、特にTシャツがあまりいいものがなかった、
いつも買うサッカージャージがすぐに売切れて買えなかった、
という不満も口にしていました。
そして何より、パンフレットが、
広げるとポスターになるというアイディアものです。
しかし、弟と一緒に行った友達が、
「これはないだろ」と言っていたそうです。
リストバンドをgetしたくせに文句を言うな・・・(笑)・・・
というわけで、
4ヶ月前から準備してきた弟の「巡礼」も、無事に終了しました。
お菓子のお土産ももらいましたし(笑)。
◇
ところで、最後に、アイアン・メイデンに関する
ネットで見つけた面白いニュースを紹介します。
アイアン・メイデン、ボーカル自らボーイング操縦し来日
2月16日8時2分配信 サンケイスポーツ
英ヘヴィメタルバンド、アイアン・メイデンの世界ツアー日本公演が
15日、横浜市のパシフィコ横浜で開幕した。
来日は1年4カ月ぶり12回目だが、今ツアーの“足”は、
チャーターしたボーイング757だ。バンドのロゴを塗装し、
ボーカルのブルース・ディッキンソン(49)が自ら操縦している。
飛行機好きのブルースは、趣味が高じて
90年に旅客機操縦免許を取得。今ツアーでは
他のメンバーや70人のスタッフ、12トンもの機材を載せ、
欧米、インドなど10カ国、約7万キロの空を飛ぶ。
ブルースは映画「オーメン」の不吉な数字にかけて
「ボーイング666、だぜ」と命名するなど上機嫌で、
この日夜の初日を迎えた。
ライブは、演奏曲を80年のデビュー盤から7作目までの
アルバム内に限定。「魔力の刻印」など、
日本では14日にDVD化されたばかりの、85年のライブビデオ
「死霊復活」の曲目に準じた、代表曲ばかり17曲を披露。
超満員4500人のファンを感激させた。
16日は千葉・幕張メッセで公演、当日券は午後3時から発売する
(改行は引用者が施す、他は原文ママ)
僕としては、この飛行機の写真を
ぜひぜひ撮りたかったです・・・

「ある意味てっちゃん」の弟が、「巡礼」から帰ってきました。
早速、アイアン・メイデン日本公演のセットリストを。
ちなみに、弟は、横浜と千葉の2公演に行きましたが、
どちらも曲は同じだったということです。
なお、曲名の後ろの(序数)は、
その曲が収録されているアルバムで、以下を意味します。
1st:IRON MAIDEN
3rd:THE NUMBER OF THE BEAST
4th:PIECE OF MIND
5th:POWERSLAVE
6th:SOMEWHERE IN TIME
7th:SEVENTH SON OF THE SEVENTH SON
9th:FEAR OF THE DARK
Iron Maiden Japan Tour 2008
01:Aces High (5th)
02:2 Minutes To Midnight (5th)
03:Revelations (4th)
04:The Trooper (4th)
05:The Number Of The Beast (3rd)
06:Wasted Years (6th)
07:Can I Play With Madness (7th)
08:Rime Of The Ancient Mariner (5th)
09:Powerslave (5th)
10:Heaven Can Wait (6th)
11:Run To The HIlls (3rd)
12:Fear Of The Dark (9th)
13:Iron Maiden (1st)
encore
14:Moonchild (7th)
15:The Clairvoyant (7th)
16:Hallowed Be Thy Name (3rd)
以上です。
かに座の僕としては、14を演奏したのがうれしいですね(笑)。
余談。
ヴォーカルのブルース・ディキンソンは、公演中に何度も
「Scream for me 何々!」と、
何々のところにその公演の土地の名前を入れて叫びます。
その様子は、ライヴCDやDVDでも聞くことができます。
今回、横浜では「Scream for me Yokohama!」と言ったものの、
千葉ではずっと「Tokyo」と言っていたそうです・・・
02

いつものTシャツ、今回は2種類を購入。
弟の感想を。
今回は、3枚目から7枚目までの曲を中心としたツアーで、
現時点での最新作A MATTER OF LIFE AND DEATH
からの曲は演奏されませんでした。
前回、一昨年のツアーでは、最新作を全曲演奏し、
一方で過去の名曲が少なかったことに対して、
一部のファンが不満を漏らしていたということですが、
今回はそんなことはないでしょう(笑)。
(ただ、前回は新譜のツアーなのでそれに意味がある、
と、メイデンマニアである弟は力説していますが)。
ただ、今回は3枚目から7枚目までのツアーでありながら、
6枚目からの曲が2曲しかなかったのが残念であり、
さらに、定番となっていて盛り上がる曲だとはいえ、
今回に限っては、9thからの12は要らなかったのではないか、
ということです。
これは僕も同感ですね。
Stranger In A Strange LandかCaught Somewhere In Time
の6thからの2曲を、どちらかでも演奏してほしかったと。残念。
また、7thからの超名曲であるThe Evil That Men Do
を演奏しなかったのですが、これについては
いつもコンサートでやっているので今回はなくてもいいかな、
と思う反面、だったらやはり12を抜くべきではないか、とも。
断っておきますが、Fear Of The Darkも超名曲で、
僕も大好きですが、今回に限っては、という意味です。
まあ、それをいうなら、たまたま3枚目に入っている16が
コンサートではもはや不可欠な曲であるように、
この曲も外せないと判断したのでしょうね。
また、1stからのIron Maidenも演奏してますし。
これはでも演奏しないとバンドのアイデンティティが、
という問題もありますが(笑)、ともかく、それはそれで支持はします。
それから僕としては、4thの
Where Eagles Dare、Flight Of Icarus、
Die With Your Boots Onのどれかもやってほしかったなぁ。
行ってない人間が言うのもなんですが(笑)。
まあ、彼らくらいの大物になると、
期間を絞ったとしても、これが完璧というセットリストは
なかなか組みにくいのは事実だと思いますが。
曲についてはこれくらいにして、他にも弟は、
グッズ、特にTシャツがあまりいいものがなかった、
いつも買うサッカージャージがすぐに売切れて買えなかった、
という不満も口にしていました。
そして何より、パンフレットが、
広げるとポスターになるというアイディアものです。
しかし、弟と一緒に行った友達が、
「これはないだろ」と言っていたそうです。
リストバンドをgetしたくせに文句を言うな・・・(笑)・・・
というわけで、
4ヶ月前から準備してきた弟の「巡礼」も、無事に終了しました。
お菓子のお土産ももらいましたし(笑)。
◇
ところで、最後に、アイアン・メイデンに関する
ネットで見つけた面白いニュースを紹介します。
アイアン・メイデン、ボーカル自らボーイング操縦し来日
2月16日8時2分配信 サンケイスポーツ
英ヘヴィメタルバンド、アイアン・メイデンの世界ツアー日本公演が
15日、横浜市のパシフィコ横浜で開幕した。
来日は1年4カ月ぶり12回目だが、今ツアーの“足”は、
チャーターしたボーイング757だ。バンドのロゴを塗装し、
ボーカルのブルース・ディッキンソン(49)が自ら操縦している。
飛行機好きのブルースは、趣味が高じて
90年に旅客機操縦免許を取得。今ツアーでは
他のメンバーや70人のスタッフ、12トンもの機材を載せ、
欧米、インドなど10カ国、約7万キロの空を飛ぶ。
ブルースは映画「オーメン」の不吉な数字にかけて
「ボーイング666、だぜ」と命名するなど上機嫌で、
この日夜の初日を迎えた。
ライブは、演奏曲を80年のデビュー盤から7作目までの
アルバム内に限定。「魔力の刻印」など、
日本では14日にDVD化されたばかりの、85年のライブビデオ
「死霊復活」の曲目に準じた、代表曲ばかり17曲を披露。
超満員4500人のファンを感激させた。
16日は千葉・幕張メッセで公演、当日券は午後3時から発売する
(改行は引用者が施す、他は原文ママ)
僕としては、この飛行機の写真を
ぜひぜひ撮りたかったです・・・
2013年07月19日
サイモン&ガーファンクル札幌ドーム公演で思ったこと
01 コンサートのパンフレットとハウ

7/18(土)
サイモン&ガーファンクル札幌ドーム公演
行ってきました。
今回は、セットリストを記すことができません。
僕は、ポール・サイモンのソロは結構好きでよく聴きますが、
アート・ガーファンクルは、アルバム1枚しか聴いたことがなく、
アートのソロ曲も何曲か演奏したのですが、
それが分からなかったからです。
調べればいいのかもしれないですが、
それでは、僕のBLOGにはならないので。
そこで、印象的だったこと、
ぜんぜん関係ないけど観ていて思いだしたことなどを
つらつらと書いてゆくことにしました。
なお、一応、お断り。
僕は、このBLOG上ではいつも、「ポール」とだけ書いた場合は
「ポール・マッカートニー」のことを指しているのですが、
この記事に限っては、
「ポール・サイモン」のことを指しています。
その1:僕は若い方・・・
演奏の前に、会場の様子ですが、
僕が今まで行ったコンサートではいちばん平均年齢が高く、
僕はきっと、平均より下だったと思います(笑)。
また、男女比もほぼ1:1だったでしょうか。
その2:アートの声が・・・
ポールとアートが2人で歌うと、アートの声が負けていました。
アートは元々高音なので響きという点では不利でしょうしね。
最初は、アートのマイクのレベルが低いのかとすら思いましたが、
アートのマイクのレベルを上げると、それはそれでよくないのかな・・・
まあ、仕方のないことですね。
それと、アートは喋りの地声が実はとっても低く、
高い歌声とのギャップに、会場から笑い声が漏れてきました。
その3:ポールの声は素晴らしい、しかし・・・
一方のポールは、驚くほど声がよく出ていました。
まあ、ずっと第一線でやってきていましたからね。
しかし、喉の調子が良くないのか、一度は曲の途中で咳込み、
他に咳込んで歌い出しが遅れたこともありました。
まあ、しかし、とってもよく声が出ていました。
その4:ポールはやっぱりギターが上手い!
いまさら言うなという話でしょうけど、あらためて、
ポールのギターの上手さを実感し、再認識ました。
開放弦に指2本のハンマリング・オンとプリング・オフを多用し、
印象的なフレーズを次々と繰り広げてゆくかと思えば、
曲の最後にハーモニクスを入れて終わらせる。
そしてピッキングはしっかりと強く音を出す。
いや、ほんと、ギターを堪能しました。
使っていたマーティンのギターもきれいでしたし。
コンサート翌日、市内でどれくらいギターが売れるだろう、
などと思ってしまいました(笑)。
その5:しかし、弘法も筆のなんとやら・・・
3曲目のI Am A Rockのイントロだったかな、
ポールがギターでイントロを弾いたところ、
カポダストがきちんとはまっていなくて、軋んだ音が出てきました。
ポールは、sorryと言って演奏を止め、
カポをきちんと締め直してまた最初から演奏を始めました。
プロでもこんなことがあるんですね。
ミスしたポールには申し訳ないけど、
心温まるというか、ほっとする出来事でした(笑)。
02 今回買ったTシャツ

その6:「冬の散歩道」はロックンロールだ!
Hazy Shade Of Winterは
まったくもって素晴らしいロックンロール・ソングだ!
一緒に行った友達のトニーさんと、その思いを強くしました。
何か文句ありますか(笑)。
その7:昔の曲をもっと演奏して欲しかった・・・
前半の最後くらいで、アートが、
ポールとの長い付き合いを語り始めたパートがあり、そこでまず、
Tom & Jerryの名義で出したHey School Girlを演奏しました。
ポールは、エヴァリー・ブラザースに影響を受けた曲だと話す一方、
アートは、ジーン・ヴィンセントのBe Bop A Lulaだと話し、
その曲をいきなり演奏し始め、これが面白かったんです。
僕はそのまま2人が影響を受けた曲を幾つか演奏してくれるのかな、
と楽しみにしたのですが、でも、その1曲で終わりました。
これがあと数曲あれば、とっても楽しかったのですが。
その8:Not Fade Awayは定番中の定番
Mrs. Robinsonを演奏していた時のこと。
間奏で、バンドがジャングルビートを奏でたところで
2人が歌い始めたのが・・・
バディ・ホリーのNot Fade Away。
これ、昨年のビリー・ジョエルの東京公演でも、ビリーは、
Don't Ask Me Whyの前に、同じビートだからか演奏していて、
アメリカ人にはこの曲は定番中の定番だんだな、と実感しました。
その9:ポールの心はGRACELANDにあり
今回、密かに最大の楽しみにしていたのが、
「ポールのソロの曲は演奏するのか、するとすれば何か!?」
でした。
演奏しました、4曲。
うち1曲、Slip Sliding Awayは、
アートと2人で歌い、曲の前にポールがこう紹介しました。
「S&Gとしては録音されなかった曲」
これは、セントラル・パークでも歌っていただけに、
違和感なくS&Gの曲になっていました。
途中、アートとポールがひとりで3曲ずつ歌い、
そのアートの曲が分からなかったのですが、
ポールの他の3曲は以下の通りです。
The Boy In The Bubble
That Was Your Mother
Diamonds On The Soles Of Her Shoes
これはすべて、86年のグラミー獲得作GRACELANDの曲。
実際、アフリカのミュージシャンを何人かバンドに引き連れていて、
今のポールの心は、Gracelandにあるのかな、と思いました。
というわけで僕は、帰ってから先ず、S&Gではなく、
ポールのGRACELANDを聴きました。
なんといっても、僕がリアルタイムで最初に聴いた
ポールのアルバムで、思い入れも思い出もありますし(笑)。
ただ、でも、少し正直言えば、
Kodachromeや50 Ways To Leave Your Lover、
Something's So Right、それにLove Me Like A Rock
など、聴きたかったなぁ・・・
今度はポール・サイモンのソロコンサートがないかなぁ、
と、僕は思い始めていたのでした・・・(笑)。
03 Graceland, in Memphis, Tennessee

その10:謎のエレクトリックギター!?!?
ポールが、
Diamonds On The Soles Of Her Shoesを演奏する際に、
エレクトリックギターを持ってマイクの前に立ちました。
しかし、そのギター、何かがおかしい・・・
なんと、そのギター、弦が張られていないのです!
故に音が出ているはずもなく。
ポールは、何も持たないで歌うのが恥ずかしかったのか、
あるいは、曲の意味にかけたものなのか・・・
最初は弾いているものだと・・・すっかり騙されました(笑)。
しかし、そういう茶目っ気もまた、いいですね。
今回、いちばん笑えたことでした。
その11:あらためて気づいた民族音楽の要素
今回、アンコールが2回あって、最後の最後は
Ceciliaで大いに盛り上がりました。
そして、CeciliaやEl Condor Pasaなどを聴き、あらためて、
ポールは民族音楽的要素を早くからポップスに取り入れていた、
そのことの意味、先見の明、偉大さを感じました。
だから、ポールの心が今はGracelandにあるのは
当然のことなのだろうなと納得しました。
そしてGracelandというのは、
エルヴィス・プレスリーの「聖地」であり、また、
アフリカの豊穣な大地をも指す言葉、
ダブルミーニングとして使っているのだと思いますし。
その12:僕がいちばん感動した曲
The Only Living Boy In New York。
ポールが、アルバムからの曲だと紹介して、
ギターを弾き、1人、スポットライトを浴びて歌い始めました。
この曲は、最後のBRIDGE OVER TROUBLED WATER
に収められていますが、この頃はアートが好き放題に振る舞い、
ポールのことには構わずどこかに行ってしまい、
ポールは、レコーディングが進まないイライラを曲として表わし、
アートへの「あてつけ」とした歌った、そんな曲。
曲自体は、感傷的に広がるバラード風の曲ですが、
僕は、こんな曲を演奏するはずがない、と思っていました。
しかし、演奏したんです!
僕はこの曲、実は、S&Gで5指に入るくらい大好きで、
それを演奏しただけでも感動したのですが、さらにいえば、
今の2人にはもうわだかまりはなく「和解」したのかな、
そう思うと、胸にこみ上げてくるものがありました。
アルバムでは目立たない地味な曲ですが、うん、僕はこれで、
この曲がS&Gでいちばん好きになった気がしています。
その13:だけどやっぱり「明日に架ける橋」
Bridge Over Troubled Water、素直に感動しましたね。
この曲は、彼らのみならず、ポピュラー音楽史上でも
屈指の名曲ですが、それを生で聴けたことにまず感動。
歌は、1stをアートが、2ndをポールが交互にひとりで歌い、
中間部の後は2人で歌いました。
そして最後のクライマックスの部分。
それまで一緒に歌っていたポールが、さっと後ろに下がり、
アートの独り舞台となりました。
アートは、先述のごとく、声はもう衰えていましたが、
それでもあのクライマックスをひとりで歌い切り、
会場は、それこそ感動の渦に包まれました。
その時の、後ろで見ていたポールの顔が、
とっても穏やかで、フレンドリーというより「親心」。
アートは、近年もクスリで逮捕されたりといろいろあり、
声も衰えている中で、よく独りで歌えた、と誉めている、
ほっとしている、そして何よりよかった、そんな表情を見せ、
仲間って、友達っていいな、と思いました。
それにしても、生で聴くとやっぱり、あまりにも素晴らしい曲!
その11:アートは憎めないやつ
そうです。
アートは、なんというか、
人間的にはアラがたくさんありそうだけど・・・
いたずらっ子的な憎めない部分がある人で、
それが好きな人は、力になってあげたいと思うんだろな、と。
その12:ポールは「やっと」おじいさんになった
ポールは、昔から、年の割には老けた印象がありましたが、
60を過ぎて、にこやかにステージに立ち、ギターを弾く。
その姿がほんとうに絵になる人だと思いました。
そして、その姿は、昔と変わらないのではないか、と(笑)。
これからも「いいおじいさん」でいてほしいです!
その13:そんな2人はやっぱりいいコンビだ!
その14:余談、終演後に会場に流れた曲が・・・
ジョージ・ハリスンのWhat Is Life。
これがなぜか、とってもいい雰囲気でした。
でも、どうしてS&Gとジョージ・ハリスン・・・
つながりがあるとすれば、「サタディ・ナイト・ライヴ」において、
ジョージとポールが、
Homeward Boundを共演したことくらいですかね。
まあ、同じ時代というつながりはありますが。
誰の選曲なんだろう、最後の最後で、僕は、歌いながら、
またひとつ楽しい気分が一段上にゆきました!
その15:最後にひとこと・・・
白状します。
今回のコンサート、僕は、生まれて初めて、
予習をまったくしないで臨みました。
ほんと、ものの1回もCDを聴きませんでした。
それは、何か考えがあってのことではなく、
ただ単に、予習する気分にはならなかったからです。
しかし、予習しなかったからか、かえって、
まったく普通の気持ちで緊張せずに臨めました。
そうすると、こちの思いが入り込みすぎることもなく、
演奏を楽しく観て聴くことができたように思います。
コンサートは、もちろん、とても楽しかった、よかった。
彼らの人柄に少しでも触れられたのも、よかった。
そして、終わってから、彼らのCDをまた聴いています。
アートのソロのベスト盤も買わないとなぁ・・・
04 OLD FRIENDS ボックスセット

というわけで、コンサートで「予習」をして(笑)、
S&GのCDも聴きましょう。
だけど、今回は、アルバム単位ではなく、
OLD FRIENDSと題されたこのボックスセットを聴きたい気分です。
コンサートの1曲目がOld Friendsだったことだし。

7/18(土)
サイモン&ガーファンクル札幌ドーム公演
行ってきました。
今回は、セットリストを記すことができません。
僕は、ポール・サイモンのソロは結構好きでよく聴きますが、
アート・ガーファンクルは、アルバム1枚しか聴いたことがなく、
アートのソロ曲も何曲か演奏したのですが、
それが分からなかったからです。
調べればいいのかもしれないですが、
それでは、僕のBLOGにはならないので。
そこで、印象的だったこと、
ぜんぜん関係ないけど観ていて思いだしたことなどを
つらつらと書いてゆくことにしました。
なお、一応、お断り。
僕は、このBLOG上ではいつも、「ポール」とだけ書いた場合は
「ポール・マッカートニー」のことを指しているのですが、
この記事に限っては、
「ポール・サイモン」のことを指しています。
その1:僕は若い方・・・
演奏の前に、会場の様子ですが、
僕が今まで行ったコンサートではいちばん平均年齢が高く、
僕はきっと、平均より下だったと思います(笑)。
また、男女比もほぼ1:1だったでしょうか。
その2:アートの声が・・・
ポールとアートが2人で歌うと、アートの声が負けていました。
アートは元々高音なので響きという点では不利でしょうしね。
最初は、アートのマイクのレベルが低いのかとすら思いましたが、
アートのマイクのレベルを上げると、それはそれでよくないのかな・・・
まあ、仕方のないことですね。
それと、アートは喋りの地声が実はとっても低く、
高い歌声とのギャップに、会場から笑い声が漏れてきました。
その3:ポールの声は素晴らしい、しかし・・・
一方のポールは、驚くほど声がよく出ていました。
まあ、ずっと第一線でやってきていましたからね。
しかし、喉の調子が良くないのか、一度は曲の途中で咳込み、
他に咳込んで歌い出しが遅れたこともありました。
まあ、しかし、とってもよく声が出ていました。
その4:ポールはやっぱりギターが上手い!
いまさら言うなという話でしょうけど、あらためて、
ポールのギターの上手さを実感し、再認識ました。
開放弦に指2本のハンマリング・オンとプリング・オフを多用し、
印象的なフレーズを次々と繰り広げてゆくかと思えば、
曲の最後にハーモニクスを入れて終わらせる。
そしてピッキングはしっかりと強く音を出す。
いや、ほんと、ギターを堪能しました。
使っていたマーティンのギターもきれいでしたし。
コンサート翌日、市内でどれくらいギターが売れるだろう、
などと思ってしまいました(笑)。
その5:しかし、弘法も筆のなんとやら・・・
3曲目のI Am A Rockのイントロだったかな、
ポールがギターでイントロを弾いたところ、
カポダストがきちんとはまっていなくて、軋んだ音が出てきました。
ポールは、sorryと言って演奏を止め、
カポをきちんと締め直してまた最初から演奏を始めました。
プロでもこんなことがあるんですね。
ミスしたポールには申し訳ないけど、
心温まるというか、ほっとする出来事でした(笑)。
02 今回買ったTシャツ

その6:「冬の散歩道」はロックンロールだ!
Hazy Shade Of Winterは
まったくもって素晴らしいロックンロール・ソングだ!
一緒に行った友達のトニーさんと、その思いを強くしました。
何か文句ありますか(笑)。
その7:昔の曲をもっと演奏して欲しかった・・・
前半の最後くらいで、アートが、
ポールとの長い付き合いを語り始めたパートがあり、そこでまず、
Tom & Jerryの名義で出したHey School Girlを演奏しました。
ポールは、エヴァリー・ブラザースに影響を受けた曲だと話す一方、
アートは、ジーン・ヴィンセントのBe Bop A Lulaだと話し、
その曲をいきなり演奏し始め、これが面白かったんです。
僕はそのまま2人が影響を受けた曲を幾つか演奏してくれるのかな、
と楽しみにしたのですが、でも、その1曲で終わりました。
これがあと数曲あれば、とっても楽しかったのですが。
その8:Not Fade Awayは定番中の定番
Mrs. Robinsonを演奏していた時のこと。
間奏で、バンドがジャングルビートを奏でたところで
2人が歌い始めたのが・・・
バディ・ホリーのNot Fade Away。
これ、昨年のビリー・ジョエルの東京公演でも、ビリーは、
Don't Ask Me Whyの前に、同じビートだからか演奏していて、
アメリカ人にはこの曲は定番中の定番だんだな、と実感しました。
その9:ポールの心はGRACELANDにあり
今回、密かに最大の楽しみにしていたのが、
「ポールのソロの曲は演奏するのか、するとすれば何か!?」
でした。
演奏しました、4曲。
うち1曲、Slip Sliding Awayは、
アートと2人で歌い、曲の前にポールがこう紹介しました。
「S&Gとしては録音されなかった曲」
これは、セントラル・パークでも歌っていただけに、
違和感なくS&Gの曲になっていました。
途中、アートとポールがひとりで3曲ずつ歌い、
そのアートの曲が分からなかったのですが、
ポールの他の3曲は以下の通りです。
The Boy In The Bubble
That Was Your Mother
Diamonds On The Soles Of Her Shoes
これはすべて、86年のグラミー獲得作GRACELANDの曲。
実際、アフリカのミュージシャンを何人かバンドに引き連れていて、
今のポールの心は、Gracelandにあるのかな、と思いました。
というわけで僕は、帰ってから先ず、S&Gではなく、
ポールのGRACELANDを聴きました。
なんといっても、僕がリアルタイムで最初に聴いた
ポールのアルバムで、思い入れも思い出もありますし(笑)。
ただ、でも、少し正直言えば、
Kodachromeや50 Ways To Leave Your Lover、
Something's So Right、それにLove Me Like A Rock
など、聴きたかったなぁ・・・
今度はポール・サイモンのソロコンサートがないかなぁ、
と、僕は思い始めていたのでした・・・(笑)。
03 Graceland, in Memphis, Tennessee

その10:謎のエレクトリックギター!?!?
ポールが、
Diamonds On The Soles Of Her Shoesを演奏する際に、
エレクトリックギターを持ってマイクの前に立ちました。
しかし、そのギター、何かがおかしい・・・
なんと、そのギター、弦が張られていないのです!
故に音が出ているはずもなく。
ポールは、何も持たないで歌うのが恥ずかしかったのか、
あるいは、曲の意味にかけたものなのか・・・
最初は弾いているものだと・・・すっかり騙されました(笑)。
しかし、そういう茶目っ気もまた、いいですね。
今回、いちばん笑えたことでした。
その11:あらためて気づいた民族音楽の要素
今回、アンコールが2回あって、最後の最後は
Ceciliaで大いに盛り上がりました。
そして、CeciliaやEl Condor Pasaなどを聴き、あらためて、
ポールは民族音楽的要素を早くからポップスに取り入れていた、
そのことの意味、先見の明、偉大さを感じました。
だから、ポールの心が今はGracelandにあるのは
当然のことなのだろうなと納得しました。
そしてGracelandというのは、
エルヴィス・プレスリーの「聖地」であり、また、
アフリカの豊穣な大地をも指す言葉、
ダブルミーニングとして使っているのだと思いますし。
その12:僕がいちばん感動した曲
The Only Living Boy In New York。
ポールが、アルバムからの曲だと紹介して、
ギターを弾き、1人、スポットライトを浴びて歌い始めました。
この曲は、最後のBRIDGE OVER TROUBLED WATER
に収められていますが、この頃はアートが好き放題に振る舞い、
ポールのことには構わずどこかに行ってしまい、
ポールは、レコーディングが進まないイライラを曲として表わし、
アートへの「あてつけ」とした歌った、そんな曲。
曲自体は、感傷的に広がるバラード風の曲ですが、
僕は、こんな曲を演奏するはずがない、と思っていました。
しかし、演奏したんです!
僕はこの曲、実は、S&Gで5指に入るくらい大好きで、
それを演奏しただけでも感動したのですが、さらにいえば、
今の2人にはもうわだかまりはなく「和解」したのかな、
そう思うと、胸にこみ上げてくるものがありました。
アルバムでは目立たない地味な曲ですが、うん、僕はこれで、
この曲がS&Gでいちばん好きになった気がしています。
その13:だけどやっぱり「明日に架ける橋」
Bridge Over Troubled Water、素直に感動しましたね。
この曲は、彼らのみならず、ポピュラー音楽史上でも
屈指の名曲ですが、それを生で聴けたことにまず感動。
歌は、1stをアートが、2ndをポールが交互にひとりで歌い、
中間部の後は2人で歌いました。
そして最後のクライマックスの部分。
それまで一緒に歌っていたポールが、さっと後ろに下がり、
アートの独り舞台となりました。
アートは、先述のごとく、声はもう衰えていましたが、
それでもあのクライマックスをひとりで歌い切り、
会場は、それこそ感動の渦に包まれました。
その時の、後ろで見ていたポールの顔が、
とっても穏やかで、フレンドリーというより「親心」。
アートは、近年もクスリで逮捕されたりといろいろあり、
声も衰えている中で、よく独りで歌えた、と誉めている、
ほっとしている、そして何よりよかった、そんな表情を見せ、
仲間って、友達っていいな、と思いました。
それにしても、生で聴くとやっぱり、あまりにも素晴らしい曲!
その11:アートは憎めないやつ
そうです。
アートは、なんというか、
人間的にはアラがたくさんありそうだけど・・・
いたずらっ子的な憎めない部分がある人で、
それが好きな人は、力になってあげたいと思うんだろな、と。
その12:ポールは「やっと」おじいさんになった
ポールは、昔から、年の割には老けた印象がありましたが、
60を過ぎて、にこやかにステージに立ち、ギターを弾く。
その姿がほんとうに絵になる人だと思いました。
そして、その姿は、昔と変わらないのではないか、と(笑)。
これからも「いいおじいさん」でいてほしいです!
その13:そんな2人はやっぱりいいコンビだ!
その14:余談、終演後に会場に流れた曲が・・・
ジョージ・ハリスンのWhat Is Life。
これがなぜか、とってもいい雰囲気でした。
でも、どうしてS&Gとジョージ・ハリスン・・・
つながりがあるとすれば、「サタディ・ナイト・ライヴ」において、
ジョージとポールが、
Homeward Boundを共演したことくらいですかね。
まあ、同じ時代というつながりはありますが。
誰の選曲なんだろう、最後の最後で、僕は、歌いながら、
またひとつ楽しい気分が一段上にゆきました!
その15:最後にひとこと・・・
白状します。
今回のコンサート、僕は、生まれて初めて、
予習をまったくしないで臨みました。
ほんと、ものの1回もCDを聴きませんでした。
それは、何か考えがあってのことではなく、
ただ単に、予習する気分にはならなかったからです。
しかし、予習しなかったからか、かえって、
まったく普通の気持ちで緊張せずに臨めました。
そうすると、こちの思いが入り込みすぎることもなく、
演奏を楽しく観て聴くことができたように思います。
コンサートは、もちろん、とても楽しかった、よかった。
彼らの人柄に少しでも触れられたのも、よかった。
そして、終わってから、彼らのCDをまた聴いています。
アートのソロのベスト盤も買わないとなぁ・・・
04 OLD FRIENDS ボックスセット

というわけで、コンサートで「予習」をして(笑)、
S&GのCDも聴きましょう。
だけど、今回は、アルバム単位ではなく、
OLD FRIENDSと題されたこのボックスセットを聴きたい気分です。
コンサートの1曲目がOld Friendsだったことだし。
2013年01月14日
ノラ・ジョーンズが札幌に来てくれた
01 コンサートのパンフレットとポーラ

ノラ・ジョーンズ札幌公演に行ってきました!
コンサートの記事はいつもはセットリストを上げていますが、
ノラ・ジョーンズの曲ははそらでは分からないものが多いので、
今回は、セットリストではなく、コンサートに添った
感想記とさせていただきす、ご了承ください。
◎コンサートが始まるまで
☆会場はニトリ文化ホール
旧厚生年金ホール、名前が変わってからは初めて行きました。
前回は2004年のアイアン・メイデンでした。
☆グッズ「先行販売」
開場が18時半、開演が19時、30分でグッズが買えるか心配で
僕は早めに行きましたが、着くと、グッズの場所だけ開けて、
「先行販売」をしていて、余裕で買うことができました。
札幌のコンサートはいつもグッズが混むので、少しは考えたか。
無事にパンフレットとトートバッグを購入、ひとまずうれしい驚き。
☆CDも買った
コンサートではCDも販売していますが、今回は1枚買いました。
COVERS、カヴァー曲を集めた企画盤、出たのは知っていたけれど
「クリアファイル付きます」という店員さんの声に、つい(笑)。
まあ、いいんですけどね、どのみち買うつもりだったから。
☆30分前に20人
18時頃に会場に着いたところ、まだ外に20人くらいしかいなくて、
もしかして自分は日付を間違った、と思ったくらい。
平日だからというのもあるけど、東京よりはのんびりしてるなあ。
☆客層は
客層についてふたつほど。
ひとつは、女性の割合がやはり高くて、僕が今まで行った
コンサートの中では間違いなく女性の比率がいちばん高かった。
もうひとつ、年齢層も高めで、若い人ももちろん多いんだけど、
ばらけていて、僕は年齢が平均かちょっと上くらいという感じでした。
なお、僕の席は真ん中辺で、後ろは振り返らなかったけれど、
おそらく満員だったと思います。
02 トートバッグとハウ

◎コンサートが始まって
☆ノラ・ジョーンズ登場!
19時5分過ぎ、客電が暗くなり、ノラ・ジョーンズとバンドが登場。
普通に歩いてきて、普通にピアノに座って挨拶して歌い始める。
ナチュラルな感じがいい。
服装は白地に黒い縞が入ったワンピースの膝上10cmくらいか、
イメージ通りのかわいらしい感じだったけど、もし間近で会って
話すのであればちょっとこちらが恥ずかしいかも。
まあ、そんなことあり得ないけど(笑)。
1曲目はCold Cold Heartでした。
☆"Far away"
2曲目Out On The Road、新譜でいちばん好きな曲が始まる前に
"Thank you"「アリガト」と話して、次に"Far far away"と呟きながら、
手で何かを払うような仕草をしました。
ここのホールは客席の最前列から舞台の端まで間があいていて、
8mくらいあるかな、そこがノラは不満だったのかもしれません。
【追記】
もしかしてノラは、「札幌は遠い」と言いたかったのかもしれない。
ただ、表情などを見て、僕は、客席が遠いことを
言いたかったのだと感じました(多分そうです)。
☆ギター2本の曲はどうするか
バンドは、ピアノのノラ、ギター、ベース、キーボード、ドラムスの5人。
ギター2本の曲の場合はどうするかな、キーボードの人がギターかな、
と思ったら3曲目Little Broken Heartsはノラがピアノを離れ、
ギターを持ち、マイクの前に立って演奏して歌い始めました。
そうか、ノラはギターも弾けるのか。
録音では弾いていないとは思うし、コンサートの映像も観たことがなく、
これはちょっと驚きました、もちろんギター人間にはうれしかったけど。
☆ノラはやはり小さい
ノラが最初に持っていたギターはGibson SGで、ノラが持つと、
あれっ、SGってこんなに大きかったのか、と、目の錯覚・・・
☆ノラは意外と声が大きそう
レコードでは分からなかったけど、声が意外と大きそう。
意外と、というのは僕の認識不足かもしれないけれど。
☆最新作の曲も違和感がない
最新作LITTLE BROKEN HEARTSは音が作り込み過ぎていて、
それまでの彼女のイメージとはちょっと違う音だけど、
コンサートで5人で演奏すると特に違和感なく聴けてほっとしました。
☆ベースレス
5曲目Say Goodbyeはベースの人もギターを演奏していて、
ギター3本、ベースレスというちょっと変わった演奏形態でした。
☆ロカビリー風
8曲目Creepin' Inは2ndアルバムの曲で、ドリー・パートンを招いた
アップテンポのカントリーだけど、コンサートではテンポを落として
ロカビリー風のアレンジになっていました。
レコードとアレンジが大きく違うのは2曲だけでちょっと驚いた。
☆ステージに折り鶴36羽
ステージのセットは極めてシンプルだけど、天井から吊り下げで、
3羽の折り鶴が12本、合計36羽の折り鶴が飾られていました。
和の心というのか、昨年の東日本大震災のチャリティアルバムにも
曲を提供していたように日本のことが好きなのかな。
うれしい、ちょっと感動しました。
☆ピアノ弾き語り
途中でバンドの他の4人が引っ込んで、ノラひとりが残り
ピアノ弾き語りで2曲を歌いました。
その最初はPainter Song
今回、実は、武道館公演のセットリストを調べていたのですが、
武道館ではここがThe Nearness Of Youでした。
僕は...Painterのほうが好きなのでとてもうれしかった。
☆やっぱり最高の曲!
そして弾き語り2曲目がDon't Know Why。
感動した、涙が出そうになった。
曲自体が素晴らしいけれど、弾き語りでテンポを落として、
周りの人に、そして自分に語りりかけるように歌うノラ。
細くて白いスポットライトを浴びる姿は最高に感動しました。
音楽ってすごい力があるんだなって、当たり前のことも思った。
あの素晴らしい感動に対して、これっぽっちのことも書けない
自分がもどかしくもなるので、もうこの曲の話は書かない。
コンサートは行った人だけができる経験だから、 ここはひとつ、
僕がどれだけ感動したか、想像してください(笑)。
そして今日からこの曲は僕の大切な曲になりました。
☆ゲゲゲ
やりましたよ、ゲゲゲの鬼太郎の曲みたいなSinkin' Soon。
意外と盛り上がる曲でした。
☆ピアノはやっぱりうまい
前にも書きましたが、僕はピアノが弾けないので詳しくはないけど、
やっぱりノラはピアノもうまいのだと思った。
繰り返しになるけど、オブリガートの入れ方のセンスがよく、それは
エリック・クラプトンのギターに通じるものがあると感じました。
☆最後はギターバンド
歌メロが大好きなMiriamまでをピアノで歌った後、ノラは
赤いFender Mustangを持ち、ギターバンドスタイルで
本編最後のLonestarまでを歌いました。
ノラはピアノというイメージが強いけれど、ギターに対しての意識が
僕が思っていたよりも強い人なんだと分かりました。
なお、Happy Pillsではサビの部分をレコードにはない旋律を
入れて少し力むように歌っていたのが印象的でした。
(この曲ではノラはエレピを弾いていました)。
☆アンコール
もちろんありました。
ノラはギターを持ち、ドラムスはマーチングドラム、
ベースはアップライト、キーボードはアコーディオン、
そしてギターの5人がステージ中央の1本のマイクの前に
こじんまりと集まって並んで歌い始めました。
☆アンコール1曲目はSunrise
東日本大震災のチャリティーCDに収録された曲だけど、
ピアノのイメージが強かったのが、ギターでもやっぱりいい。
☆マイクが遠かったけど
5人で1本のマイクの前に集まると、ノラがマイクから少し遠くなり
声もそれまでほど大きく拾えていなくて、でもだから余計に
ノラは地声が強くて大きいことが分かりました。
下手するとマイクなしで後ろまで聴こえたんじゃないかな。
☆ギターは何だろう
ノラが持っていたアコースティックギターは、ピックガードの形から
Gibsonだと思うんだけど、なんだろう、ボディが小型のものだった。
アコースティックギターをもっとよく知りたい・・・
☆アンコール2曲目が最後の曲
そして最後はCome Away With Me。
この曲もピアノのイメージが強いだけに、ギターで歌うのが斬新。
そしてコンサートは終わり。
1時間半と短めだけど、不満は何もありません。
いや、もちろんもっと聴いていたかったけど(笑)。
03 CDとクリアファイルと眠たいポーラ

◎コンサートが終わって
☆コンサート後に会場で流れた曲
最近、コンサートに行くと、終わってから会場に流れる曲が
何かが密かな楽しみとなっていますが、今回の曲は
Down By The Seaside / Led Zeppelin
ノラとの直接の関係はなさそうですが、トラディショナル風の
この曲はなぜか不思議と雰囲気が合っていました。
大きな音で聴くとゆらゆら揺れるギターの音が印象的でした。
☆ノラ・ジョーンズは自然体の人
ノラの「アリガト」という言い方が自然でまたよかったのですが、
飾らない奢らない、自然体で、なおかつ泰然とした人でした。
ほんとはどうか分からないけど、太っているという意味ではなく、
無理にダイエットをしているような人でもない感じがして、
それもまた自然体と感じるところでした。
☆音楽が体に染み込んでいる人
自然体だから、奏でる音楽のすべてが、作ったというよりは、
体に染み込んだものがただ出てきているだけと感じました。
アメリカ音楽のエッセンスがすべてしみ込んでいるというか、
若いのにそれはやはりすごいことだなと再認識しました。
☆なんといっても声がいい!
どうしてあんなに素晴らしい、独特の声を持っているんだろう。
前にも書きましたが、僕自身は、今まで30年音楽を聴いてきて、
ノラ・ジョーンズの声が女性歌手ではいちばん好きです。
当たり前かもだけど、歌のみならず喋る声もやっぱり同じで、
"Thank you"というだけで素敵、その言い方も自然だし。
多少大げさかもだけど、彼女の声は奇跡じゃないかと思う。
若いけど人間国宝にすべきだ、とすら思う(笑)。
そんな彼女の声を間近で聴けて、ほんとうによかった。
☆いちばん若い
ノラ・ジョーンズは、僕が今まで行ったコンサートの中で
いちばん若い人だと思います。
年下の人も初めてじゃないかな、メインの人では。
☆耳
久しぶりに耳が痛くならないコンサートでした(笑)。
帰宅して、1stと最新作5thを聴きながらまとめました。
そして今はまたDon't Know Whyを聴きました。
ノラ・ジョーンズの日本ツアーは今日が最後と言っていました。
札幌に来てくれてありがとう!
今日の事は一生忘れません。

ノラ・ジョーンズ札幌公演に行ってきました!
コンサートの記事はいつもはセットリストを上げていますが、
ノラ・ジョーンズの曲ははそらでは分からないものが多いので、
今回は、セットリストではなく、コンサートに添った
感想記とさせていただきす、ご了承ください。
◎コンサートが始まるまで
☆会場はニトリ文化ホール
旧厚生年金ホール、名前が変わってからは初めて行きました。
前回は2004年のアイアン・メイデンでした。
☆グッズ「先行販売」
開場が18時半、開演が19時、30分でグッズが買えるか心配で
僕は早めに行きましたが、着くと、グッズの場所だけ開けて、
「先行販売」をしていて、余裕で買うことができました。
札幌のコンサートはいつもグッズが混むので、少しは考えたか。
無事にパンフレットとトートバッグを購入、ひとまずうれしい驚き。
☆CDも買った
コンサートではCDも販売していますが、今回は1枚買いました。
COVERS、カヴァー曲を集めた企画盤、出たのは知っていたけれど
「クリアファイル付きます」という店員さんの声に、つい(笑)。
まあ、いいんですけどね、どのみち買うつもりだったから。
☆30分前に20人
18時頃に会場に着いたところ、まだ外に20人くらいしかいなくて、
もしかして自分は日付を間違った、と思ったくらい。
平日だからというのもあるけど、東京よりはのんびりしてるなあ。
☆客層は
客層についてふたつほど。
ひとつは、女性の割合がやはり高くて、僕が今まで行った
コンサートの中では間違いなく女性の比率がいちばん高かった。
もうひとつ、年齢層も高めで、若い人ももちろん多いんだけど、
ばらけていて、僕は年齢が平均かちょっと上くらいという感じでした。
なお、僕の席は真ん中辺で、後ろは振り返らなかったけれど、
おそらく満員だったと思います。
02 トートバッグとハウ

◎コンサートが始まって
☆ノラ・ジョーンズ登場!
19時5分過ぎ、客電が暗くなり、ノラ・ジョーンズとバンドが登場。
普通に歩いてきて、普通にピアノに座って挨拶して歌い始める。
ナチュラルな感じがいい。
服装は白地に黒い縞が入ったワンピースの膝上10cmくらいか、
イメージ通りのかわいらしい感じだったけど、もし間近で会って
話すのであればちょっとこちらが恥ずかしいかも。
まあ、そんなことあり得ないけど(笑)。
1曲目はCold Cold Heartでした。
☆"Far away"
2曲目Out On The Road、新譜でいちばん好きな曲が始まる前に
"Thank you"「アリガト」と話して、次に"Far far away"と呟きながら、
手で何かを払うような仕草をしました。
ここのホールは客席の最前列から舞台の端まで間があいていて、
8mくらいあるかな、そこがノラは不満だったのかもしれません。
【追記】
もしかしてノラは、「札幌は遠い」と言いたかったのかもしれない。
ただ、表情などを見て、僕は、客席が遠いことを
言いたかったのだと感じました(多分そうです)。
☆ギター2本の曲はどうするか
バンドは、ピアノのノラ、ギター、ベース、キーボード、ドラムスの5人。
ギター2本の曲の場合はどうするかな、キーボードの人がギターかな、
と思ったら3曲目Little Broken Heartsはノラがピアノを離れ、
ギターを持ち、マイクの前に立って演奏して歌い始めました。
そうか、ノラはギターも弾けるのか。
録音では弾いていないとは思うし、コンサートの映像も観たことがなく、
これはちょっと驚きました、もちろんギター人間にはうれしかったけど。
☆ノラはやはり小さい
ノラが最初に持っていたギターはGibson SGで、ノラが持つと、
あれっ、SGってこんなに大きかったのか、と、目の錯覚・・・
☆ノラは意外と声が大きそう
レコードでは分からなかったけど、声が意外と大きそう。
意外と、というのは僕の認識不足かもしれないけれど。
☆最新作の曲も違和感がない
最新作LITTLE BROKEN HEARTSは音が作り込み過ぎていて、
それまでの彼女のイメージとはちょっと違う音だけど、
コンサートで5人で演奏すると特に違和感なく聴けてほっとしました。
☆ベースレス
5曲目Say Goodbyeはベースの人もギターを演奏していて、
ギター3本、ベースレスというちょっと変わった演奏形態でした。
☆ロカビリー風
8曲目Creepin' Inは2ndアルバムの曲で、ドリー・パートンを招いた
アップテンポのカントリーだけど、コンサートではテンポを落として
ロカビリー風のアレンジになっていました。
レコードとアレンジが大きく違うのは2曲だけでちょっと驚いた。
☆ステージに折り鶴36羽
ステージのセットは極めてシンプルだけど、天井から吊り下げで、
3羽の折り鶴が12本、合計36羽の折り鶴が飾られていました。
和の心というのか、昨年の東日本大震災のチャリティアルバムにも
曲を提供していたように日本のことが好きなのかな。
うれしい、ちょっと感動しました。
☆ピアノ弾き語り
途中でバンドの他の4人が引っ込んで、ノラひとりが残り
ピアノ弾き語りで2曲を歌いました。
その最初はPainter Song
今回、実は、武道館公演のセットリストを調べていたのですが、
武道館ではここがThe Nearness Of Youでした。
僕は...Painterのほうが好きなのでとてもうれしかった。
☆やっぱり最高の曲!
そして弾き語り2曲目がDon't Know Why。
感動した、涙が出そうになった。
曲自体が素晴らしいけれど、弾き語りでテンポを落として、
周りの人に、そして自分に語りりかけるように歌うノラ。
細くて白いスポットライトを浴びる姿は最高に感動しました。
音楽ってすごい力があるんだなって、当たり前のことも思った。
あの素晴らしい感動に対して、これっぽっちのことも書けない
自分がもどかしくもなるので、もうこの曲の話は書かない。
コンサートは行った人だけができる経験だから、 ここはひとつ、
僕がどれだけ感動したか、想像してください(笑)。
そして今日からこの曲は僕の大切な曲になりました。
☆ゲゲゲ
やりましたよ、ゲゲゲの鬼太郎の曲みたいなSinkin' Soon。
意外と盛り上がる曲でした。
☆ピアノはやっぱりうまい
前にも書きましたが、僕はピアノが弾けないので詳しくはないけど、
やっぱりノラはピアノもうまいのだと思った。
繰り返しになるけど、オブリガートの入れ方のセンスがよく、それは
エリック・クラプトンのギターに通じるものがあると感じました。
☆最後はギターバンド
歌メロが大好きなMiriamまでをピアノで歌った後、ノラは
赤いFender Mustangを持ち、ギターバンドスタイルで
本編最後のLonestarまでを歌いました。
ノラはピアノというイメージが強いけれど、ギターに対しての意識が
僕が思っていたよりも強い人なんだと分かりました。
なお、Happy Pillsではサビの部分をレコードにはない旋律を
入れて少し力むように歌っていたのが印象的でした。
(この曲ではノラはエレピを弾いていました)。
☆アンコール
もちろんありました。
ノラはギターを持ち、ドラムスはマーチングドラム、
ベースはアップライト、キーボードはアコーディオン、
そしてギターの5人がステージ中央の1本のマイクの前に
こじんまりと集まって並んで歌い始めました。
☆アンコール1曲目はSunrise
東日本大震災のチャリティーCDに収録された曲だけど、
ピアノのイメージが強かったのが、ギターでもやっぱりいい。
☆マイクが遠かったけど
5人で1本のマイクの前に集まると、ノラがマイクから少し遠くなり
声もそれまでほど大きく拾えていなくて、でもだから余計に
ノラは地声が強くて大きいことが分かりました。
下手するとマイクなしで後ろまで聴こえたんじゃないかな。
☆ギターは何だろう
ノラが持っていたアコースティックギターは、ピックガードの形から
Gibsonだと思うんだけど、なんだろう、ボディが小型のものだった。
アコースティックギターをもっとよく知りたい・・・
☆アンコール2曲目が最後の曲
そして最後はCome Away With Me。
この曲もピアノのイメージが強いだけに、ギターで歌うのが斬新。
そしてコンサートは終わり。
1時間半と短めだけど、不満は何もありません。
いや、もちろんもっと聴いていたかったけど(笑)。
03 CDとクリアファイルと眠たいポーラ

◎コンサートが終わって
☆コンサート後に会場で流れた曲
最近、コンサートに行くと、終わってから会場に流れる曲が
何かが密かな楽しみとなっていますが、今回の曲は
Down By The Seaside / Led Zeppelin
ノラとの直接の関係はなさそうですが、トラディショナル風の
この曲はなぜか不思議と雰囲気が合っていました。
大きな音で聴くとゆらゆら揺れるギターの音が印象的でした。
☆ノラ・ジョーンズは自然体の人
ノラの「アリガト」という言い方が自然でまたよかったのですが、
飾らない奢らない、自然体で、なおかつ泰然とした人でした。
ほんとはどうか分からないけど、太っているという意味ではなく、
無理にダイエットをしているような人でもない感じがして、
それもまた自然体と感じるところでした。
☆音楽が体に染み込んでいる人
自然体だから、奏でる音楽のすべてが、作ったというよりは、
体に染み込んだものがただ出てきているだけと感じました。
アメリカ音楽のエッセンスがすべてしみ込んでいるというか、
若いのにそれはやはりすごいことだなと再認識しました。
☆なんといっても声がいい!
どうしてあんなに素晴らしい、独特の声を持っているんだろう。
前にも書きましたが、僕自身は、今まで30年音楽を聴いてきて、
ノラ・ジョーンズの声が女性歌手ではいちばん好きです。
当たり前かもだけど、歌のみならず喋る声もやっぱり同じで、
"Thank you"というだけで素敵、その言い方も自然だし。
多少大げさかもだけど、彼女の声は奇跡じゃないかと思う。
若いけど人間国宝にすべきだ、とすら思う(笑)。
そんな彼女の声を間近で聴けて、ほんとうによかった。
☆いちばん若い
ノラ・ジョーンズは、僕が今まで行ったコンサートの中で
いちばん若い人だと思います。
年下の人も初めてじゃないかな、メインの人では。
☆耳
久しぶりに耳が痛くならないコンサートでした(笑)。
帰宅して、1stと最新作5thを聴きながらまとめました。
そして今はまたDon't Know Whyを聴きました。
ノラ・ジョーンズの日本ツアーは今日が最後と言っていました。
札幌に来てくれてありがとう!
今日の事は一生忘れません。