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2013年08月21日

フラミンゴの微笑みは

01
フラミンゴの微笑みは

フラミンゴといえば、これ・・・

旭川の旭山動物園のフラミンゴが逃げた話。
北海道では話題になっていますが、
北海道以外のかたはご存知ですか?

ひと月ほど前、旭山動物園で飼育されていた
フラミンゴの1羽が逃げ出しました。

フラミンゴは飛べないように翼の風切羽が切られた上で
飼育されていますが、逃げ出した1羽は羽が生え代わりの
時期であったことに飼育員が気づかず、羽が伸びてしまい、
或る日、空に向けて飛び立ちました。

逃げ出したフラミンゴ、初日は、旭川から120kmほど離れた
日本海側の小樽市銭函の海岸に現れました。
小樽市といっても札幌と隣接している地域ですが、
旭山動物園の飼育員が捕獲に来たところ、
飛んで逃げていなくなってしまいました。

翌日フラミンゴが現れたのは、銭函から200km以上離れた
オホーツク海側の紋別市の海岸近くにあるコムケ湖。
途中には大雪山系など山脈がありますが、このフラミンゴは
その山を越えて飛んだのでしょうかね。
北側を大きく迂回すれば山脈を越えなくても行けますが、でも、
そのほうがかえって距離が長くて大変そう。

コムケ湖は道内ではシギ・チドリ類がよく見られる場所として
鳥好きの間には知られている汽水湖です。
フラミンゴは本来汽水もしくは海水の湿地に生息する鳥ですが、
逃げたフラミンゴも野生の感覚がどこかに残っていたのか、
鳥にとっていい場所がちゃんと分かるんですね。

以降、そのフラミンゴはコムケ湖に落ち着いており、
8月21日現在、まだ捕獲されていません。

02
フラミンゴの微笑みは

オーデュボンのフラミンゴの絵、実はどこかが「不自然」・・・

旭山動物園は捕獲作戦に取り組んでいます。
先日まで行われていたのは、コムケ湖のフラミンゴがいる場所に
おりを設けて仲間のフラミンゴ数羽をおとりとして中に入れ、
近寄ってきたところで捕獲しようという作戦でした。

フラミンゴは本来群れで生活する鳥であり、
仲間を見ると近寄ってくるという読みで、その通り、
逃げたフラミンゴは関心は示して近くまでは来ましたが、
捕獲できるまで近くには寄ることがありませんでした。

しかし、数日前、悲劇が。
おとりのフラミンゴのうち2羽がキタキツネに襲われたらしく、
1羽は死体で発見され、1羽は行方不明になりました。

おとりのフラミンゴはかわいそう、と、
僕はニュースを見る度に思っていました。
逃げ出した1羽は自由にアオサギと群れて生活していますが、
おとりのフラミンゴは、広々とした自然の中でおりに入れられ
動くことができない。
その上、キタキツネにやられるなんて。
飛ぶことができれば逃れられたかもしれないのに・・・

僕は動物園自体に反対しているわけではなく、この場合、
同じ種類の鳥が、一方は自由でもう一方はおりに入れられる、
という絵的な問題としてのみ話しています、念のため。

旭山動物園の園長は、「生き物の命を預かる責任を持つ者として
逃げたフラミンゴはなんとしても捕獲する」と話しています。
人気も知名度も高くなった動物園として、社会的にいえば
イデオロギー的な発言を発することも大事でしょう。
でも、そのために2羽が犠牲になってしまった。

逃げ出したフラミンゴは、アオサギと行動を共にしていますが、
北海道では夏鳥であるアオサギが南に渡る秋になると、
一緒に渡って行ってしまう可能性も指摘されています。

コムケ湖は居心地がよいらしく、フラミンゴも今は落ち着いています。
おとり作戦が失敗した今、旭山動物園は、様子をうかがいながら、
秋までに次の作戦を練り直しているところです。

逃げ出したのはヨーロッパフラミンゴ、アフリカから南仏まで
広く生息している種類で、ワシントン条約にはかかっていません。
逃げ出した個体は、数年前に業者の飼育下で生まれたものを
旭山動物園が購入した1羽で、野生の経験はないとのこと。
アオサギについているうちに野生に目覚めるかもしれないし、
もしかして、うまく野外で生きてゆけるようになるかもしれない。
あるいは冬が耐えられなくて死んでしまうか。

一方で、鳥好きの僕としては、
自然の中で悠々とくらしているフラミンゴの姿も見てみたい。

20年ほど前、「南仏プロヴァンス」の本が流行りましたね。
僕は何冊か読みましたが、そこで描かれていた
フラミンゴがいる南仏の湿地海岸の風景に憧れ、
南仏に行ってフラミンゴを見てみたいと真剣に思ったことがあります。

そんなフラミンゴが北海道で見られるなんて。
テレビで見る映像がまたきれいなんですよ。
フラミンゴがたくさんいれば、まさに、
昔行きたいと思った南仏の湿地の風景のようで。
コムケ湖は車で高速を使って行くと5時間で行けるかな、
くらいの場所ですが、僕がほんとうに見たくて
行動力がある人間であれば、行くんだろうなあ・・・(笑)。
映像で見ていると、首の細さが日本で見られる他の鳥とは違い、
面白いというか、ある意味すごい生き物だなと思います。

動物園から逃げ出した鳥だから、捕まるべきでしょう。
でも、生き物好き、鳥好きとしては、野外で生きてゆけるなら
捕まらなくてもいいのかな、と思う部分は、正直、あります。

なんであれ、動向を見守ってゆきましょう。


03
フラミンゴの微笑みは

「フラミンゴの微笑」(上)(下)
スティーヴン・ジェイ・グールド(著) 新妻昭夫(訳)
早川書房

僕が進化論を好きになるきっかけが、グールド博士の
この一連のエッセイのシリーズでした。

その中にまさにフラミンゴが話題に上っている本があるので
久しぶりにページを開いてみました。
表紙のイラストにもフラミンゴが描かれていますね。

フラミンゴはユニークな鳥。
いかにユニークであるか、この本から引用します。
なお、引用者は一部表記を変更し、省略や改行を行っています。

フラミンゴは他の鳥類に例を見ない、
きわめて稀な採餌方式を進化させた。
フラミンゴの嘴は無数の角質の薄層が複雑に並び、
ヒゲクジラの鬚と同じようにフィルターとなっている。
フラミンゴが生息しているのは世界中でもっとも
苛酷な環境である浅い超塩湖である。
そのようなところに住めるものは、競合者がいないので
膨大な数まで増えることができる。
オオフラミンゴは動物園などでおなじみの大型の種類で、
主として数センチぐらいの小型の軟体動物や甲殻類、
あるいは昆虫の幼虫などをフィルターで濾しとって食べている。

フラミンゴが嘴のフィルターで水を濾すやりかたは2通りある。
ひとつは頭を前後に揺すって水が自然に流れ出るような方法で、
もうひとつはもっとよく見られる効率のよいやりかた、すなわち、
大きく力強い舌で水をポンプ式に押し出す方法である。
フラミンゴの舌は、下嘴の大きな溝に収まっている。
この舌を前後に、1秒に最高4回という素早さで動かし、
後ろに引き込む時に水を吸い込み、前に突き出す時に
フィルターを通して水を押し出す。
舌の表面には無数の歯状突起があって、
フィルターで集められた食べ物をかきとる。
これはヒゲクジラ類とまったく同じやり方である。

フラミンゴが餌をとるとき、頭をさかさにする。
浅い水の中に立って首を下げたフラミンゴは、S字状の首を
微妙に伸縮させて頭の位置を調節する。
この姿勢をとると頭は自然とさかさまとなり、当然ながら
餌をとるときの上下の嘴の役割も本来とは逆になる。
解剖学上の上嘴は下になり、機能的には下嘴として働く。



04
フラミンゴの微笑みは

02のオーデュボンの絵の「不自然」な部分を、
絵を切り貼りして修正したのがこちらの絵。
かなり見苦しい仕上がりになってしまい申し訳ないですが、
フラミンゴが餌をとるときは、頭がこのようになり、上述のような
水を嘴から濾しだす独特の採餌方法が可能となるわけです。

フラミンゴは嘴が途中で曲がった面白い形をしていますが、
それは、この採餌方法やりやすく進化したものです。

オーデュボンの絵が「不自然」と書きましたが、ここに至る
以前の段階を描いているのであれば「不自然」でもないですね。
ただ、その割には意味ありげな首の角度が気になるところ。

これから動物園でフラミンゴを見る時は、見方が変わりますね。
ただ、動物園では配合飼料などを食べているかもしれず、
そうなると上下逆さはなかなか披露してくれないかな。

ともあれ、
フラミンゴが銭函の海岸に現れ、コムケ湖に落ち着いたのは
それなりの理由があったということでしょう。

ところで、「フラミンゴの微笑」にはこんな逸話が紹介されています。
フラミンゴはその採餌方法により舌が肉厚に進化したがために、
ローマ時代には舌が食用として皇帝に献上されていたそうです。
きれいなフラミンゴにも悲しい歴史があったんですね。


05
フラミンゴの微笑みは

ANOTHER PAGE 
Christopher Cross
 (1983)

昨日の旧譜CDの記事で別に回すと話した1枚がこれ。

フラミンゴといえば僕は、クリストファー・クロスを思い出す。
フラミンゴ騒動が起こってから、1枚目は持っているけど
この2枚目はまだ買っていなかったので買いました。
今回は、ただそれだけのことで買いましたが、音楽には
いろんなきっかけがあるけれど、こんなきっかけは初めて(笑)。
まあ、一種の「ジャケット買い」と言えるのでしょうかね。

クリストファー・クロスは、僕が洋楽を聴き始めた頃は
1作目がグラミーを取ったばかりで、僕も関心がありました。
当時は映画のテーマ曲であるArthur's Theme 
「ニューヨーク・シティ・セレナーデ」がヒットしていた頃で、
これがまたえらく気に入り国内盤のドーナツ盤を買いました。
しかし僕は高校に入る頃にハードなロックが好きらしいと分かり、
このアルバムが出た頃にはもう気持ちがハードになっていたようで、
「ベストヒットUSA」などで曲は聴いたけれど、
買って聴こうとはまるで思わなった。
それでも、Think Of LauraとAll Rightは、
今回聴くとよく覚えていて自分でも驚きました。
いつも僕は、曲の覚えが人数倍悪いと話していますが、
若い頃はそんな僕でもやっぱり頭は多少は柔らかかったようで(笑)。
もちろん、この2曲がポップでキャッチーな佳曲ということでしょう。
今回聴いて、クリストファー・クロスは全体に陰りがあって、
それが日本では受けたのかもしれないと思いました。
もうひとつ、いかにも80年代のフュージョンを通り越した
心地よさ優先のサウンドで、AORなのでしょうけど、
この手のサウンドのひとつの完成形ではないかと。
今はいろんな音楽をいいと思えるようになったので、
これはこれで結構気に入り、買ってから何度も聴いています。

でも、ある程度以上の年齢の日本人にとって、
音楽とフラミンゴといえばやっぱり、
ピンク・レディーの「サウス・ポー」でしょうね。
うちにはレコードもCDもないので紹介できないですが。
王さんの一本足打法は「フラミンゴ打法」と呼ばれていたけど、
今思うと、別に「タンチョウ打法」でもよかったのではないか、
その方が日本らしいし・・・なんてことはないか(笑)。

などなど、脱走フラミンゴから思いついたことを
つらつらと書き重ねてみました。


06
フラミンゴの微笑みは

あいたた・・・

相変わらずインコの純につつかれています(笑)。

そういえばオウムやインコの仲間も、舌が肉厚ですね。

もちろん、食べませんよ。






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Posted by guitarbird at 20:41 │鳥情報板

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