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2013年07月11日

MASTER OF REALITY ブラック・サバス

いつものように
写真へのコメントも
大歓迎です!


今回は、ハードロックの大御所にして
ヘヴィメタルの「始祖」と呼ばれる70年代のバンド。

01
MASTER OF REALITY ブラック・サバス

MASTER OF REALITY Black Sabbath
マスター・オブ・リアリティ ブラック・サバス
 released in 1971

ブラック・サバスが大好きです。
時々、むしょうに聴きたくなります。
メンバーは、トニー・アイオミ(Gt)、ギーザー・バトラー(Bs)
ビル・ウォード(Ds)、そしてオジー・オスボーン(Vo)。

ブラック・サバスは、ハードロックかヘヴィメタルか・・・
それについて、自分が考えるところは、こうです。
「音はハードロック、コンセプトはヘヴィメタル」
音はまだまだへヴィというには軽いというか薄いですが、
悪魔信仰、ダークな雰囲気、破滅的、内省的な歌詞など、
コンセプトとしては後のヘヴィメタルに与えた影響は大きい、
というより、ヘヴィメタルの基礎を作ったともいえるかもしれません。
実際に「ヘヴィメタルの始祖」という言い方を聞いたことがあります。
始祖鳥みたいですが(笑)、しかしサバスは、
80年代中頃から失速して、半ば化石化していました。
僕も、80年代末のヘヴィメタルブームの際に出た新譜に接し、
「まだやってたのか・・・」と驚いた記憶があります。
当時オジー・オスボーンは第一線だっただけ、余計に。
しかし、1990年代のグランジブームの際に、
ブラック・サバスに影響されたというバンドが多数出てきて、
サバスは一気にまた表舞台に戻ってきた感があります。
ヘヴィメタルブームの際にもある程度再注目はされ、
「聴く人は聴く」=渋い存在にはなっていたのですが、
ヘヴィメタルブームの後に再評価熱が高まったというのが、
面白い部分です。
いずれにせよ、後世への影響が大きなバンドでしょう。
なお、断っておきますが、僕は、
ハードロックだから聴く、ヘヴィメタルだから聴かない、
という考えでは決してなく、表現者たちが、
どのような考えで表現をしているのかを考えるのが楽しい、
ただそれだけで、実際に僕はヘヴィメタルも大好きですし。

02 雲に覆われた羊蹄山
MASTER OF REALITY ブラック・サバス

サバスの音楽を一言で言えば
「ギターリフを味わう」
それ自体が印象的な旋律を奏でている上に、
曲の流れと一体化した見事なギターリフ。
ハードロック/ヘヴィメタルという音楽は特に
この「リフ」が大事で、これが出来れば曲が出来る
というくらいに曲のイメージを決定するものですが、
サバスはこのリフに関しては最高のバンドでしょう。
ギターリフの定義、一応は、このようなものです。
低音を中心とした印象的なギターのフレーズで、
イントロ及び(または)歌のバックに繰り返し演奏される音

まあ、聴けば分かるんですけどね(笑)、
ハードロック/ヘヴィメタルが好きな人は、
このリフを口ずさむことも多いですね。
リフで有名な曲は、
レッド・ツェッペリンWhole Lotta Love 
 ♪ででんででんでぇ~っ
ディープ・パープルSmoke On The Water
 ♪でっでっでぇ~でっでででぇ~でっでっでぇ~でっでぇ~
アイアン・メイデンThe Trooper
 ♪てててれれってててれれってててれれっででででっ
などなど、ギターリフは、
ハードロック/ヘヴィメタルを特徴づける要素のひとつですし、
それを味わうのが楽しいところです。
なお、もちろんHR/HM系以外でもリフが印象的な曲はあって、
ビートルズDay Tripperがその代表でしょうね。
(あえて歌いませんが・・・)

ブラック・サバスのギターは、音が「きれい」なんです。
「きれい」という表現は、黒魔術で、不吉でおどろおどろしいという
ブラック・サバスのイメージとは違うかもしれないし、
こうしたイメージのバンドに「きれい」などと形容をしてはいけない、
みたいな感じすらするかもしれません。
ハードロックらしい歪んだ重たいギターの音ではありますが、
そんな理屈や理論ではなく、ほんとうに「きれいな音」。
純粋に音楽として聴くと、このギターの音のきれいさは、
ブラック・サバスというイメージは逆に損をしているのでは、
といいたいくらいに、ほんとにきれいな音で、
ここはひとつ、サバスが大好きな者としては、
固定概念を取り払って聴いていただきたいところです。

このギターの音を操るのが、ギターのトニー・アイオミ
彼はレフティで、事故により右手の指先を切断してしまい、
義肢をはめているということですが、そんなハンデを
まったく感じさせない玄人はだしのプレイです。
彼が操るギターは、ギブソンSG
このギターを使っていることがまた、
サバスの音のイメージを決定づけているのでしょう。
なんというか、「重軽い音」がSGの特徴で、
イクイップメントはレス・ポールと同じものを使っていても、
SGはボディが薄くて軽いせいか、ずしん、とは響かない。
その代わり、音の横への広がりはレス・ポール以上、

そんなギターの音です。
ギターの音が「きれい」なのも、SGを使っているおかげでしょうけど、
だから、機材の長所を生かしきったギタリスト、ともいえますね。

もちろん、フロントマンであるヴォーカルの
オジー・オズボーンに触れないわけにはゆきません。
彼の、全身が震えるような、よたった、もたった歌い方は、
黒魔術というイメージにはぴったり。
ただ、ヘタウマの代表のような人で、サバスは好きでも
オジー時代は嫌いな人もいると聞きます。
しかし、間違いなく、ロック史でも稀有のヴォーカリストですね。
オジーについては、ソロもまた記事にしたいといつも思っています。


03 沢沿いのミミコウモリの葉(甘くないでしょうけど・・・)
MASTER OF REALITY ブラック・サバス
※コウモリ→オジーつながりもあります、念のため・・・


Tr1:Sweet Leaf
咳にエフェクトをかけた音で始まるアイディアが秀逸。
僕は、咳が出る度に、この曲を弾きたくなります(笑)。
そして、ほんと、まるで咳込んだ後に頭が痛くなるように、
脳天をタテに直撃し、まさに「襲われる」という
強烈なリフで曲が始まり、進んでゆきます。
歌メロは同じ部分をずっと歌っているだけですが、
違うギターリフで曲が展開するという具合に、
曲の流れに一体化したリフの代表曲でしょう。
なお、I love youと歌っているので、一応、ラブソングです・・・
ちょっとイメージ違うかもしれないですが(笑)。


Tr2:After Forever
広がりがあるやや明るいイントロのギターが流れ、
アップテンポだけど穏やかな雰囲気の曲かなと思ったところ、
強烈かつギターリフが平穏をぶち破る。
もうそれだけでカッコいい!
オジーも昔は、アップテンポの曲もちゃんと歌えたんだ(笑)。
それはともかく、ギターとヴォーカルでせり上がるような
気持ちの盛り上がりを演出している、扇情的な曲。
この曲は、中間部で展開してリズムが変わりますが、
サバスは中間部の小刻みな展開が特徴でもあります。


Tr3:Embryo
悪魔のひそひそ話のような、
不協和音による無気味な響きのギターのインストゥルメンタル曲。
なお、この曲の音が消える前にTr4のベースの音が始まり、
Tr4の後にもまたこの曲の1節が入っているので、
表記上は3曲目でも、この曲がTr4を挟んでいる、
そんな感じだと思います。


Tr4:Children Of The Grave
ブラック・サバスが凄いのは、この曲があるからです。
この曲には、ディスコのリズムを取り入れています。
1971年、世の中がディスコの時代になる少し前のことです。
だから、取り入れているというよりは、様々なリズムを追求する中で
独自にこのリズム・ビートにたどりついたのでしょう。
そして、ブラック・サバスというバンドは、ここから
ベースのギーザー・バトラーの貢献が大きいことが分かります。
彼のグルーヴ感は、アップでもスローでも
人々を熱くさせるグルーヴ感というよりは、一見手堅いけど、
じわじわと盛り上がりつつ気がつくと気持ちが高ぶっていた、
そんな不思議なグルーヴ感。
彼らはデビュー前にはジャズっぽいこともやっていたそうで、
ギーザーは聴かせるテクニックも抜群。
ベーシストとしてのギーザーはもっと評価されるべきだと思います。
ディスコの時代になると、ロックの多くの大物が
ディスコサウンドに走りましたが、それを見たギーザーは、
鼻で笑っていたかもしれないですね(笑)。
そしてこの曲は、もうそのリズム自体で聴かせるという姿勢で、
ギターリフもこの曲に限っては単純で目立たないし、
オジーのヴォーカルも、歌にあまり表情をつけておらずく、
だからこそ、この曲のすごさが伝わってくると思います。
得意のスローダウンする展開部は設けているものの、
この曲、ディスコで流れていても、違和感なく踊れるでしょう。
体が無条件で反応してしますノリを持った曲。
そして僕個人としては、ソウルとハードロックが、
ディスコを通してこんなところでつながっている、と感じます。


04 ラン(Orchid)じゃないけど・・・エゾノタツナミソウ(シソ科)
MASTER OF REALITY ブラック・サバス


Tr5:Orchid
英国トラッド風のアコースティックギターによるインストゥルメンタル。
これを聴くと、ジャズっぽいことをやっていたことも含め、
サバスとジェスロ・タルが、実はかなり近い位置から
出発していたことが推察されます。
その証拠にというか、ギターのトニー・アイオミは、
「1週間」だけジェスロ・タルのギターを務めたことがあり、
そのたった1週間に録画された映像が、かの有名な、
ローリング・ストーンズ「ロックンロール・サーカス」に収められ、
貴重な記録として残されています。


Tr6:Lord Of This World
これまたフォークダンス風の変わったリズムにリフが踊る。
しかし、オジーのもたったヴォーカルはそれに乗りきれず、
威厳を持たせようと張り切って歌っているのが、ある意味浮いていて、
しかしそれが、曲のダークな雰囲気を盛り立てています。
ここでも中間部でリズムが変わって展開し、
まるで雷に打たれているようなギターソロも聴きどころのひとつ。


Tr7:Solitude
荘重な雰囲気、夜の森にひとりでいるとこんな感じになるかな。
この曲はベースが印象的な旋律を奏でて曲を引っ張り、
ギターは装飾音に徹しています。
この曲は、ドラムスのビル・ウォードがぶつぶつと歌っていますが、
オジーの声では角が立ちすぎたのかもしれません。
あれ、ということは、オジーはこの曲で何をしているの・・・!?


Tr8:Into The Void
最後はギターのグリッサンドから重々しく音が立ち上がり、
まるでこねくり回すようなギターリフによる長いイントロを経て、
また別のリフを持って歌が始まるという、凝った曲。
中間部は、また別のリフによる素軽いロックンロールに展開し、
そして最後もまた別の印象的なリフが始まり、
まだまだ続くのかと思ったら、突然、曲が終わる。
その最後のギターにエコーがかかって終わる音が、カッコいい。
1つの曲でこれだけリフを使う、なんという贅沢な曲か!
アルバムも、ソフトな曲、インストゥルメンタル曲を挟み、
めりはりがあって素晴らしい流れになっています。


 

今回、このアルバムを記事にしたのは、
リンク右のおなじみDELUXE EDITIONがリリースされたから。
他に1st、2ndもDELUXE EDITIONが出ましたが、
気が向いたらまた記事にします。
なお、このデラックス・エディションのDisc1は、
アルバム本編のみが収められていますが、
僕は、アルバム本編とボーナスマテリアルは
ディスクを分けて欲しいので、これは大歓迎です。
ただ、その分、disc1は時間が短い、ともいえますが。

MASTER OF REALITYは、
僕が初めて聴いたブラック・サバスのアルバム。

神田で働いていた時、仕事帰りに、御茶ノ水の
ディスク・ユニオン「へヴィ・メタル館」に行ったところ、
首尾よく、これと5枚目の中古を1000円くらいで見つけて購入。
当時、時代はグランジ全盛の頃で、
僕はサバスを聴いたことがなく、どれどれと思い、
次の日に仕事が遅くなければ買おうと決めていたものです。
そしてこのアルバムは、その中でも特に聴きたい1枚で、
いざ聴くと、120%期待通り。
ウィッシュボーン・アッシュの記事(こちら)で僕は、
買う前から絶対にいいと確信するアルバムがあった
と話しましたが、これもまさにそうでした。
僕のサバスとの出会いは、運が良かったようですね。

05
MASTER OF REALITY ブラック・サバス

そもそも、
「マスター・オブ・リアリティ」って語感がカッコいいですよね。
ロックのカッコいいアルバムタイトルを挙げろと言われれば、
僕は間違いなくこれが浮かんできます。






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Posted by guitarbird at 21:29 │ロックA-B

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