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2014年09月30日

DARK SIDE OF THE MOON ピンク・フロイド

guitarbirdはただいま遠征に出ています。
この記事はタイマーで上げています。
お返事が遅れることがあります、予めご了承ください。


旅先音楽記事、今回は、急きょという感じですが、
先日亡くなられたリチャード・ライト氏に敬意を表して。

01
DARK SIDE OF THE MOON ピンク・フロイド

DARK SIDE OF THE MOON Pink Floyd
「狂気」 ピンク・フロイド
 released in 1973

ピンク・フロイドの代表作にして、
プログレッシヴ・ロックの頂点、そして
ロック界の至宝。

今回、前半は、このアルバムにまつわる逸話を
箇条書き形式で上げてゆくことにします。

・このアルバムは、かのアビィ・ロード・スタジオで録音される。
EMIのエンジニアとして携わったアラン・パーソンズ、
彼はABBEY ROADにも関わったが、彼は後に、
自分のアラン・パーソンズ・プロジェクトを立ち上げて成功。
しかし彼は、フロイドの音を勝手に流用したと非難された。

・レッド・ツェッペリンで僕がいちばん好きな曲
The Rover 「流浪の民」の歌詞の中に
My lover she is lying on the dark side of the globe
というくだりがあるのは、このタイトルをもじったものだろうなと。

・さらにはポール・マッカートニーも、ウィングスの
RED ROSE SPEEDWAY(記事はこちらへどうぞ)において、
プログレを茶化したインスト曲を披露しているが、
そのタイトルが、Loop (First Indian On The Moon)
と、思わせぶりなものになっている。

・ビルボードのアルバムチャートでは、
741週チャートインという不滅の記録をもっている。

・ジャケットの光のブリズムの角度が、
光学的には間違っているという話。

・タイトルにTHEがつくかつかないかで意見が分かれている。
リリースするものによってTHEをつけたりつけなかったりしているのが、
さらに混乱を招いている。
以下のリンクのものは、30周年記念ハイブリッドオーディオ盤で、
ジャケットのデザインもオリジナルとは違っていますが、
さらにこれはTHEがついていません。
なお、この記事では、タイトルの文字数制限に引っ掛かるので
THEを省いただけで、特に意味はありません(笑)。



こちらは、リリース30周年記念ハイブリッドCD盤。
ジャケットのデザインもオリジナルと変わっています。

音楽的なことについて触れましょう。

プログレッシヴ・ロックの最高傑作と言われているからには、
さぞかし音に隙がなく、綿密に計算され配置されていて、
音が詰まっているアルバム・・・と想像してしまいます。
無理もありません。
しかしこのアルバム、隙がないというよりは、隙だらけです。
詰め込むのではなく、土台=空間を広く持って、そこに
まったく自由な発想で音を配し、音を浮かばせてゆくような感じ。
ここでこの音が出てくるかぁ! みたいな、
予想外驚きと感動を味わうことができます。

そして、隙だらけな結果、音が「軽く」感じます。
もちろん、スタジオでの多重録音で音を重ねてはいますが、
あまりにも軽い響きで拍子抜けする可能性がありますし、また、
あまりにもあっさりと終わってしまうと感じるかもしれません。
事実、僕自身がそうだったんです。
これを初めて聴いたのは、まだかろうじて10代の頃で、
「ロック界の最高作」という触れ込みに期待して聴いたら、
「あれっ?」となりました。
経験者が言うので間違いありませんが(笑)、
それだけ、虚を突かれたような軽さでした。

でも、その「軽さ」もまた、このアルバムのもうひとつの魅力でしょう。
「軽く」BGMとしても聴けます。
プログレだから、ピンク・フロイドだからって難しそうだと考えずに、
何も考えないでかけると、そこには、
軽やかで心地よく響くサウンドが展開されてきます。

02 札幌の夜明け
DARK SIDE OF THE MOON ピンク・フロイド

しかし、軽いばかりではなく、真剣に聴き込むこともできます。
そこが、ムード音楽やイージーリスニングとは違うところ。
とてもシリアスなことを、さも軽くやってのけている感じで、
閉塞感や緊張感があまりなく、気持ちよく聴けます。
そして、流れるように曲がつながっているので、
気がつくとアルバムが終わっている、そんな感じ。

だけど、こちらが真面目に聴き込んでゆけばゆくほど、
緊張感が高まってきて、それが驚異に変わります。
この感覚はまったくもって不思議です。
そしてそこで、このアルバムはすごいんだ、と気づきます。

しかしもちろん、それとてすべて計算の上であって、
そこに、比類なきスケールのデカさを感じます。
気がつくと、ピンク・フロイドの掌の上で弄ばれていた・・・
これだけ世界、というより宇宙の広さを感じるアルバムも、
そうはない、というより、唯一無二に違いありません。


歌詞はすべてベースのロジャー・ウォーターズによるもの。
フロイドはほとんどがコンセプト・アルバムになるかと思いますが、
アルバムの思想的背景はすべて彼が牛耳っています。

デヴィッド・ギルモアのギターも、最高の仕事でしょうね。
基本的にはブルーズに影響を受けていますが、
特にTr2のふわふわしたスライドギターは、
ブルーグラスの影響を受けてるんじゃないかな、とも思います。
デヴィッド・ギルモアは、ギターの音色の表情の豊かさでは、
ロック界でも屈指のギタリストだと思います。

実際、英国のギター雑誌が行った読者アンケートで、
「ロック史上もっとも素晴らしいギターソロ」に選ばれたのが、
このアルバムの曲ではないですが、フロイドの
Comfortably Numbという曲だったそうですし。

ドラムスのニック・メイソン、上手いかどうか分からないのですが、
メリハリが効いたプレイで曲をしゃきっと立たせています。

そして、先日亡くなったキーボードのリチャード・ライト
こちらも、ギルモアに負けず劣らず、
楽器の「音色」に「表情」をつけるのがうまいですね。

なお、このアルバム、
LPでいうA面とB面の間はつながっていないですが、
各面に当たる曲は、すべて、曲間がなくつながっています。

03 「狂気」のLP、当時のおまけが全て付いて中古で1800円
DARK SIDE OF THE MOON ピンク・フロイド


Tr1:Speak To Me
タイトルこそついているものの、
心臓の鼓動のSEに少しの楽器が絡むだけ。
早くも「むむ、どうした」と思わせ、そのままTr2に。


Tr2:Breathe
苦悩の叫び声の後、ギルモアの浮遊感あるギターが
曲の、アルバムの始まりを告げる。
息をしていることのすがすがしさ、うれしさ、ありがたさ。
さらりとした、しかし感動的な生命賛歌。
この爽やかさが、「狂気」というタイトルからはほど遠いかも。
2ndコーラス最初に入るリチャードのキーボードが素晴らしい。


Tr3:On The Run
UFOが飛んでいるような(チープな)SEが基本で、
これも「曲」というよりは「つなぎ」。
そういえば、先ほどポール・マッカートニーの話をしましたが、
ポールがこのアルバムの後に出したアルバムタイトルが
BAND ON THE RUN、そしてそのタイトル曲には、
rabbits on the runという歌詞がありますが、
Tr2にもrun rabbit runという歌詞がある・・・
フロイドの話ではなくて申し訳ないですが、
意地っ張りなポールらしいな、と、今気づきました。
それだけ影響力が大きいアルバムだったということでしょう。


Tr4:Time
いろいろな時計が激しく時間を打ち鳴らす派手なSEで始まる曲。
これを最初に聴いた時、「あれだっ」と思いました。
かつて、僕が中高生時代、「ビートルズ復活祭」という、
ビートルズの曲や映画等の映像を見せる催し物がありましたが、
その開始の合図で会場内に流れたのが、この時計のSEでした。
僕はもちろん、ただの時計の音だと思っていたのですが、
ロックの曲の一部だったのか、と。
しかし、どうしてビートルズなのにピンク・フロイドの曲?
と、真面目なビートルズバカは少し悩みました。
でも、それは特に問題じゃないし、そして何より、
ビートルズもフロイドも東芝EMI(当時)だから(笑)。
もっとも、エンジニアも同じ人が関わっていたのは後で知りましたが。
曲は少し跳ねたリズムに切れのいいヴォーカルとギターが
次々と絡んでくるスリリングな曲。
ギターソロも素晴らしい。
この曲にはBreatheの旋律が歌詞を変えて再び出てきますが、
アルバムのトータル性を意識した配慮がなされています。


Tr5:The Great Gig In The Sky
「虚空のスキャット」という素敵な邦題がついていますが、
前後を彼らの代表曲に挟まれた、アルバムのハイライト。
なんといっても、いろいろなイメージをかきたててくれる、
このクレア・トリーという女性のスキャットが素晴らしい。
聴き惚れるとはまさにこのこと!
しかしこの曲はいろいろといわくつきなのです。
この素晴らしいスキャットは、彼女のアドリブなのですが、
彼女の名前がどこにもクレジットされていないどころか、
ギャラも払われなかった、ということです。
ただ、さすがにメンバーも申し訳なく感じたのか、
上記リンクの30周年盤には名前がクレジットされていて、
ギャラも幾らか払われた、という噂も聞きました。
曲のイメージを壊すような生々しい話で申し訳ないですが。


04 朝の風景
DARK SIDE OF THE MOON ピンク・フロイド


Tr6:Money
幻想的な雰囲気から一転、お金のSEで現実に引き戻される。
7拍子という変わったリズムをもつヘヴィな曲は、、
シングルとしてもヒットした彼らの代表曲のひとつ。
そして最大の見せ場はなんといっても、
サックスに導かれるように始まる間奏のギターソロ。
ギルモアのギター、凄い、という言葉しか浮かびません。
このアルバムのこの曲ほど凄いギターサウンドって、
うん、他には幾つあるかな、というくらい。
ギターが生きていて、血が通っているような音。
なお、さすがに変拍子では演奏しにくいのか(笑)、
間奏は4拍子ですが、その切り替えもまたかっこいい。
「カラカラカラ」って響くお金のようなギターの音も面白い。
いやぁ、凄い、という形容しかない、ほんとに凄い曲。


Tr7:Us And Them
サックスとヴォーカルがふわふわした感じに響く、
後のAORを予見させるようなソフトな曲。


Tr8:Any Colour You Like
これもつなぎの曲で、なんとなく聴いていると、
どこで前の曲から変わったのか、いまだに分かりません(笑)。
しかし、そういう曲がこのタイトル、にやっとさせられます。


Tr9:Brain Damage
これまたタイトルとは裏腹の、穏やかな曲。
アルバムのタイトルの言葉が、この曲の歌詞に出てきます。
ギターのアルペジオとオルガン、そしてクレアのスキャットに、
まるで包み込まれるような感触の曲。


Tr10:Eclipse
最後はドラムスが派手に打ち鳴らされ、
まさに「打ち止め」という感じ。
演奏も、スキャットも、名残惜しいかのように盛り上げる。
結局、Tr4、5、6以外は同じような旋律が繰り出され、
そして最後も心臓の鼓動の音で終わる。
見事な統一感。



このアルバム、1回終わると、またすぐに聴きたくなります。
車で聴く時などは、たいてい1度は繰り返して聴きますし。
もちろん、買ったばかりの新譜は誰でもそうなるとは思いますが、
そうではなく、昔から聴いてきているアルバムで
こんな感覚を受けるアルバムも、そうはありません。
なぜか。
つながっているからです。
レコードで聴く場合、物理的にも
最初と最後を設けないわけにはゆかなですが、
彼らの発想としては、始まりも終わりもなく、
頭の中で無限に広がったループ状の音楽を
どこかで始めてどこかで終わらせただけ、とう感じなのでしょう。

ただし、CDだとリピートをすれば永遠につながりますし、
彼らもこのCDというフォーマットを望んでいたのではないでしょうか。
とにかく、このアルバムは、そんな
「無限の音のループ」にはまってしまう危険性を秘めています。
そして、聴く度に違った表情を見せてくれます。

ただ、僕が思う、僕にとってのこのアルバムの唯一の難点は・・・
「短すぎる!」
当然、LP時代に制作されたものなので仕方ないですが、
それにしても、「あっさり終わる」と書きましたが、
あと10分くらい長ければな、と思うこともあります。

でも一方で、この長さだからいい面もあるのでしょうね。
これはまったく、聴く人の感じ方しだいです。

とにかく、「一家に1枚」、とは言いませんが(笑)、
ロック好きとしてはマストアイテムであると、
僕は信じている1枚ではあります。

05 うちにあるCD4種類
DARK SIDE OF THE MOON ピンク・フロイド

左上:1980年代に最初に出たCD
右上:1993年に出たリマスター盤、プリズムが大きくなっている
左下:アルバムリリース25周年記念ボックス仕様
右下:同30周年記念ハイブリッド盤(上記リンク)

あらためて、リチャード・ライト氏のご冥福をお祈りします。







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Posted by guitarbird at 06:29 │ロックK-P

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