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2015年07月26日

夏はジェームス・ブラウン!

01
夏はジェームス・ブラウン!

最近なぜか車でよく聴いているのが
ジェームス・ブラウン

このCDは車用ベスト盤としてずっと積んであるのですが、
先月の遠征の際に、聴いていたCDが終わり、目的地まで
アルバムもう1枚は聴けないくらいの時間だったので、
こま切れでもいいベスト盤の中からこれを取り出して聴いたところ、
もう抜け出せなくなりました(笑)。

夏に合うのでしょうね。
開放的で、自由で、野性味があって、カッコいい、
ある意味爽快さがある、そんな音楽だから。

ジェームス・ブラウンとの出会い。
僕の世代ではそういう人が多いかな、
「ロッキー4」のサントラのLiving In Americaでした。
その前に映画「ブルーズ・ブラザース」をテレビで見ていたのですが、
その曲のヒットにより、過去去の人から現在の人に戻ってきた、
僕の中ではそんな存在になりました。
「ロッキー4」では、ボクシングの試合の前の余興としてJB本人役で
ステージでショーを行い、伝説のマント・パフォーマンスも披露。
映画を劇場で観たのもいい思い出です。

「ロッキー4」はサントラのLPをすぐに買って聴きましたが、
JB自体はちょっと恐くてすぐには聴き始めませんでした。

CDの時代になり、収録時間が長くなった関係で、
いろいろな編集盤が企画され出回るようになりましたが、
このTHE CD OF JBは、選曲がすぐれた企画ものCDとして
当時話題になり、僕も買って聴きました。

このCDは、ジェームス・ブラウンという人がよく分かる
ほんとうに素晴らしい編集で気に入りまった。

1960年代を中心に1956年から1974年までの曲が集められていて、
足かけ18年の長きに及ぶわけで、それだけでも驚異的ですが、
通して聴くと、どの曲が古くてどれが新しいかが
にわかには分かりにくいことにもまた驚かされます。
編集のセンスが素晴らしい、もちろんですが、それ以前に
ロックに影響を与え、ロックからの影響が帰ってきても
彼自身は変わらなかったことを感じ取ることができます。

ジェームス・ブラウンは「リアルな人」、というのが僕の思い。

JBは奇声を雑音ではなく音楽に仕立て上げた人でもあるでしょう。
このCDを聴くと、普通にやると奇声にしか聴こえなかったり、
冷静に聴くと笑ってしまうような掛け声などがたくさん入っています。
奇声といえば、C.C.R.もカヴァーし映画「ストレンジャー・ザ・パラダイス」
でも注目されたI Put A Spell On Youを1956年に世に出した
スクリーミング・ジェイ・ホーキンスなどで既にレコードがありましたが、
当時は「きわもの」としてまともに扱ってもらえなかったのだとか。

しかしJBの奇声は訴えかけてくるものが違う。

なぜか。

JBはリアルな人であり、リアルな姿を通して
生きざま自体を音楽として聴かせる人だからでしょう。

それまでのポップスは「作り物」であって、きれいごとだけを歌い、
聴き手も演じ手もその考えを共有することで夢の世界が成り立っていた。
ロックが現れてもっと生々しいメッセージを発するようになり、
JBは「きれいごと」ではないリアルな姿を音楽にぶつけてさらけ出した。
「きれいごと」じゃないから、やっていることすべてがリアルであり、
聴く人はそのリアルさにひかれる。
リアルであることが表現者としてのJBの価値であるから、
奇声をそのまま受け入れることができるのだと、僕は思います。

そもそもJBは美声の持ち主ではないですよね。
でも、JBの場合は、だからこそワイルドでカッコいい。
これは一般的な概念というか感じ方として書いていますが、
JBはリアルであることにより、歌手としてのハンデともいえる部分を
魅力に変えてしまったのでしょう。
これはJBの天賦の才能というか、もちろん努力はあるに違いないけど、
それ以上は誰にも説明できない力があるとしか言いようがない。

THE CD OF JBは現在は廃盤となっているのですが、
今回は敢えてこのアルバムを聴いてゆきます。
どんな奇声が入っているか楽しみながら(笑)。


02
夏はジェームス・ブラウン!

Tr1:Doing It To Death (1973)
「死ぬまでやってやる」
曲の前にショーの司会の声が入って、軽やかで切れがいい
ギターのリズムが始まり、リアルなJBが歌い始めます。
この曲は最後のほうで"yeah"と言うのが、ガキが喧嘩して
勝ちほこっているみたいでなんとも面白い。
またJBはバンドに指示しながら曲を作り上げているのもリアルで、
ここではトロンボーンのフレッド・ウェズリーに「もっと高みへ」と
呼びかけてフレッドのソロが始まるのはぞくぞくしてしまう。

Tr2:Super Bad (1970)
いきなり"Watch me ! "と叫ぶんだけど、あれ、どこかで聴いたぞ。
そうだ、クイーンのThe Invisible Manの最後のほうで
ロジャー・テイラーがこれを真似して叫ぶんだ!
ロジャーは大のR&Bフリーク、つながりました。
それにしても「超悪」と自分で言ってしまうなんて。
この曲は最初のほうの"hey"という叫びが威圧的で恐いくらい。
一方でブリッジの最後の部分の高音の軋むような叫びが、
音がよく似たテナーサックスにつながるのがなともすごい芸当。
強く打ちつけるドラムスと躍動的なベースそれに
同じ音をくりかえす粘っこいギターリフからは
どこかしらアフリカにつながる響きを感じます。

Tr3:Soul Power (1971)
その通りソウルらしさを感じるミドルテンポの曲。
この頃はソウルがメインストリームになっていた頃で、
JBも真っ向勝負に出たのでしょうけど、何をやっても様になる人です。
歌詞の中で"Love me tender"と歌っているのは、
ソウル側からのロックへのメッセージでしょうかね。

Tr4:Think (1973)
"come on"と叫ぶのが激しく声が軋む。
ギターでいえばディストーションをかけたような不思議な、凄い声。
シンコペーションで入るラッパが印象的。
ちなみに、この曲は以前はそれほど響いてこなかったんだけど、
先月の遠征でこれを聴いて、今までと違ってよく聴こえたことが
今回のジェームス・ブラウン熱につながりました。

Tr5:It's A Man's World (1964)
JBのバラードサイドの代表曲のひとつでしょうね。
シールのソウルのカヴァーアルバムでも出来がよかった。
曲自体はオーソドックスなR&Bバラードだけど、迫力が桁違い。
ストリングスを使った大仰なアレンジも自然となじんでいて、
JBにはこんなロマンティックな面もあるんだって最初は驚いたけど、
JBの懐の深さを思い知らされる名曲ですね。

Tr6:Try Me (I Need You) (1958)
ビートルズ以前の曲、この曲だけ取り出すと古臭さを感じるけれど、
このCDはほんとうに曲の並びが良くて、通して聴いていると、
結果としてそれがメリハリをつけていて違和感がありません。
ただ古臭いとはいっても、後のモータウンやスタックスと比べても
既に独自色が強く出ているのはさすが。

Tr7:Bewildered (1959)
古い曲が続きますが、やはり他に比べると似た傾向にあります。
曲の最後で"be-wil-dered"と伸ばすところはシナトラなどの
古い歌の部分を受け継いでいて、JBがただの新しい人ではなく、
ショービジネスの伝統を受け継いだ人であるのも分かります。
これも「ワイルド」な曲(記事こちら)ですが、でも、発音が
「ワイルド」ではないのでそこから外しました(笑)。

Tr8:Out Of Sight (1964)
ヴァースを受けて決めのセリフとラッパが入る、JBの標準スタイルの曲。
あ、書いていることが短いけど、決めの部分をよく口ずさみますよ(笑)。

Tr9:I Got You (1964)
ものすごく当たり前の事なんだけど、僕はここまで
JBは奇声が特徴だとか美声じゃないなどと言ってきましたが、
JBはとっても歌が上手い、それは間違いのないことですね。
中でも、上手いという意味、ソウルシンガーとしてみた場合、
僕はJBの歌唱のベストはこの曲じゃないかなと思う。
声が微妙に裏返って切なさを出したり、切れがよかったり。
僕は、JBを知らない人に1曲だけ聴いてもらうなら、これを選びます。
曲もAメロとBメロに分かれていてそれぞれに魅力的な上に、
Aメロの最後にそれまでの流れとは違うラッパの音が入って
短い中で曲が劇的に展開するもの素晴らしい。

Tr10:Prisoner Of Love (1962)
「愛の囚人」、実体験という意味でもリアルな人・・・
割とオーソドックスなR&Bバラードで、やはりビートルズ以前の曲で、
ここに選ばれた曲がたまたまそうだというだけかもしれないけれど、
JBも最初はバラードシンガーとして売り出していたのかな。
前の曲に続いて、当たり前だけどこうした曲も飛び抜けて上手い。
歌が上手いからずっと聴き継がれていることが分かる。
声が引っくり返って泣きそうになるところがまたリアル。

Tr11:I Got The Feelin' (1968)
この曲で面白いのは、"Baby baby baby"とJBが歌うところで、
音が欠けたり波を打ったりするように音を出しているところ。
JBは、歌手として歌が目立つよりも、声もサウンドのひとつとして
音楽全体に目配せしながら作り上げていたのかも。

Tr12:Maybe The Last Time (1964)
これまた正調R&Bバラードで、ファンクとはまだ言えない段階。
でもこのCDで聴かされると、JBには前に出よう出ようとする意欲が
強くて、そこがファンクにつながっていったのかもしれない、と思う。

Tr13:Licking Stick-Licking Stick (1968)
「なめる棒」って、きっとアイスキャンディのことだな、うん、そうだ。
母ちゃんそれを早く持ってきて、なんて、いかにも夏らしい曲。
と書いてはみたけれど・・・敢えて以下省略。
最初に聴いて、なんというか、驚いて恥ずかしくなりました。
そんな曲があることからもJBがリアルであることが分かりました。
この曲は最初にファンクギターが入り、JBが歌い始めたところで
"horns"と呼びかけてホーンが入ってくるのもカッコいい。
多分、曲の中でこうして指示するのは他の人にはないことで、
それも特徴として打ち出していたのでしょうね。
最後もサックスのメイシオ・パーカーに呼びかけてサックスが入ります。
また歌詞の中で"James Brown"と自ら歌うのも、我が強いというか、
やっぱりリアルな人以外のなにものでもないと。

Tr14:Mother Popcorn (1969)
この曲はいかに"yeah yeah yeah"を個性的に言うかを
歌いながら探っていったのではないかと思うくらいそこが印象的。
この頃になるともう完全なファンクですね。

Tr15:Papa's Got A Brand New Bag (1965)
「パパが新しいバッグを買った」、離婚するのかな・・・
それが後にテンプテーションズのPapa Was A Rolling Stone
につながっていくのかな・・・
ジュエルのYes U Canという曲に以下のような歌詞があり
"Papa's got a brand new bag
 and Mama's got her hot pants on"
ここには入っていないけどJBにはHot Pantsという曲もあって、
ジュエルはそれを意識して家庭崩壊の図を描いたのかも。
まだ微妙にファンクではなくR&Bののりだけど、歌の最後に入る
カラカラカラというギターがとにかく印象的でカッコいい。

Tr16:Sex Machine
でたぁ~っ! ゲロンパ!
リアルであるというのは、その気がない聴き手にとっては
滑稽以外のなにものでもないのかもしれない。
しかしそれを真面目にやり通してしまう、すごいのひとこと。
体が勝手に乗ってしまう、条件反射以前に人間の感覚に
直接に訴えかけてくるすごい音楽。
やはりこの曲も途中で「ブリッジに行くぞ」みたいなことを言い、
最後は「頭に戻って終わりだ」とJBが指示を出しています。
この曲の枝葉の話がたくさんあって、まずはレッド・ツェッペリンの
The Crungeはこの曲のぱくりというかオマージュというか、でも、
そのままやるにはあまりにもオリジナルが強烈すぎるので、
Zepはわざと「ゲロッパ」のように目立つ部分を設けなかったのかな。
もこもこした音のキーボードの入れ方もぱくりに近く、傑作なのは、
最後の方でロバート・プラントが「ブリッジが見えるか?」と
問いかけたところ、「ブリッジは見たことがない」との呟きが入り
曲が急に終わってしまうこと。
上述のJBの「曲のブリッジに行くぞ」という部分のぱくりですね。
ちなみにブリッジとは、曲の中で一度しか出てこない部分、というのが
基本ですが、でも日本語の「サビ」のように使う人もいるようです。
もうひとつ、曲の後半で"Shake your money maker"と連呼しますが、
それはブラック・クロウズのデビューアルバムのタイトルですね。
ただ、この言葉はエルモア・ジェイムスの1961年の曲名であり、
JBもそこからいただいたのかな、後でそのことを知りましたが、
いずれにせよここでもソウル、ロック、ブルーズがつながっていますね。

Tr17:The Payback (1974)
この曲の最初のギターの部分は、ちょうど僕がこのCDを買った頃に、
大ヒットしたアン・ヴォーグのMy Lovin' (You're Never Gonna Get It)
で同じくイントロでサンプリングされてていました。
JBはサンプリングもたくさん使われているのでしょうけど、
僕ははっきりと分かるのはこれくらいしかないのが申し訳ない。
この曲はJBが黒人であることを強く感じる曲ですが、
黒人音楽がロックに与えたものが帰ってきた、ということかもしれない。

Tr18:Please, Please, Please (1956)
最後はなぜか僕がこのCDを買う前から知っていた古い代表曲。
やはり曲だけとると普通のR&Bでまだソウル黎明期でしょうけど、
同じ頃の他の音楽と比べる感覚で新しい。
だから、同じくらいの年代のオールディーズが流れている中で、
この曲がかかると逆に違和感があるかもしれない。
CDの最後に落ち着いた前向きの曲があるのがいい。
結局、今日も記事を書きながら聴き通してしまいました(笑)。



 

THE CD OF JBは現在は廃盤ですが、中古では買えて
あまり高くないので、一応リンクを施しておきました。

しかし、ジェームス・ブラウンのベスト盤で現行のものでは、
リンク右側の20 ALL TIME GREATEST HITS、
これがいちばんいい、僕も家ではこれを聴いています。
今回紹介した中には入っていない曲では
Say It Loud (I'm Black And I'm Proud), Pt.1
が、タイトルを見れば言いたいことが一目瞭然、
それをリアルなJBがやることで力のある曲になっています。
また先述のHot Pantsもこちらには収録されていますが、
残念ながらLiving In Americaは入っていません。

写真02は、先日、片づけ物をしていた際に見つけた
2006年の来日公演の2月の札幌公演のチラシです。
「祝 ソウルの帝王 50周年記念」と書いてあります。
当時はまだソウルを傾聴する前だったのですが、興味はあり
行ってみたいとは思ったけど、結局、行きませんでした。

今は、後悔に近い念が。

JBはその年の12月に亡くなっています。
その報に接したとき、あれ、つい最近札幌に来てたよな、
と驚いた記憶があります、もちろん、残念に。

亡くなった今も影響力が大きいJB。
その音楽があまりにもリアルな存在であるがために、かえって、
今でも亡くなったことが信じられない、そんな思いもあります。

なんて、しんみりしない、JBに怒られる。

夏はジェームス・ブラウンで乗り切りましょう!







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Posted by guitarbird at 20:24 │ソウル

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