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2014年06月01日

BORN AND RAISED ジョン・メイヤーの新譜

01
BORN AND RAISED ジョン・メイヤーの新譜

BORN AND RAISED John Mayer
ボーン・アンド・レイズド ジョン・メイヤー
 (2012)

ジョン・メイヤーの新譜が出ました。

僕の中では新しい人だけど、前作から大好きなアーティストの
ひとりに仲間入りした人だから、今回は独立した記事にしました。

前のアルバムBATTLE STUDIESの記事はこちらです。

そこでも書いたのですが、ジョン・メイヤーはクールさが持ち味で、
例えばクリームで有名なCrossroadsをやっても熱がこもっておらず、
昔の人が聴けばこんなんでいいのかと思うような軽い演奏を
さらりとクールに聴かせてしまう、そんな人です。

そんなジョン・メイヤー、今回はカントリー路線に打って出ました。
もっとも、正しくは、というか、あくまでも僕が感じた限りでいえば、
ピュアなカントリー風もあるけど、カントリー風のロック、もしくは、
曲はブルーズだけどジャンルはカントリーというカントリー・ブルーズ、
そんな路線でしょうか、とにかくカントリーっぽい音を聴かせてくれます。

これがいい、とってもいい!

僕はそもそもアメリカンロックが大好きな人間であり、
カントリー風味をまぶしたロックはいわば僕の真ん中だから、
このアルバムは最初からもう気持ちが入りまくっていました。

僕は、純然たるカントリーに分類されるアーティストも、一応だけど、
聴くのですが、でもやっぱり、ロック側に軸足がしっかりと残った上で
カントリーっぽい音を出す音楽こそが大好きであるのも再認識しました。
それは、多分、僕のデフォルトがビートルズだからでしょうね。
前に何かの記事でも書いたことですが、
「アメリカン・ロック」なるものを確立させたのは他でもないビートルズだ、
という主旨の本を書店で見かけてさらっと見たことがあって、
それはなんとなくそうじゃないかと前々から考えていたことだったので、
そうかやっぱり、と思ったものです、本は買わなかったけど・・・
まあ、「確立させた」は言い過ぎかもだけど、でも、カントリー音楽を、
アメリカ人ではない洗練された英国人の感覚でロックの中に入れ込んで
多くの人に聴かせたビートルズの功績は大きいのではないか、と。

あ、話が逸れましたね、そっちに行くのか、という方向に・・・(笑)・・・

ジョン・メイヤーはクールでと書きましたが、もうひとつの見方として、
このアルバムを聴きながらなんとなく思ったことを書きます。

ロックという音楽はブルーズの呪縛の中にあり、ロッカーたちは
ブルーズとの葛藤の中で自らを表現してきたという歴史があります。
ロックがブルーズを起源としている以上、それは仕方のないことだし、
それは演じ手のみならず聴き手側もそうであり、この僕自身もやはり、
これはブルーズっぽい、ブルーズを感じる、ブルージーだ、
などという表現を多投しながら記事を書いています。
それがうっとうしい人も結構いらっしゃるかもしれないと思いつつ、
僕自身は呪縛から解かれていないことを分かって書いています。

ジョン・メイヤーは1977年生まれ、僕より10歳年下ですが、
彼の年代は、ロックの歴史の中で初めて、
ブルーズの呪縛から解かれ始めた世代なのかもしれない。

ブルーズとはこうあるべきだ、ブルージーに演奏しなければいけない、
という考えは特になく、ただ自分が好きな音楽であるブルーズを、
自分なりにカッコよく演奏できればそれでいい、という考えがあり、
そんな皮膚感覚を持った人なんじゃないかな。

しかし、自分の気持ちを表すに及んで、歌でもギターでも、彼は彼なりに
ブルーな気持ちで歌って演奏しているのはよく伝わってきます。
ただ、それが、既成のブルーズの観念とは違うというだけの話でしょう。
いわば、ブルーズから距離を置いたところで自分らしさを発見し、
それを表現したところで結局はブルーズに近づいているかもしれない、
ということなのだと思います。
まあ、そういう人は彼が初めてじゃないでしょうけど。

もちろん、ブルーズの先達への尊敬の念は忘れていなくて、
ライヴではもっとブルーズっぽいことをやるのでしょうけど、
それはライヴであってレコードは別という意識かもしれないし、
それこそが自分の個性と認識しているのでしょう。

このアルバムに戻って、カントリーはブルーズほどの熱さはないので、
持ち味であるクールさがより素直に映し出されていると感じます。

写真02のブックレットの写真では、カントリー風に成りきっている
ジョン・メイヤーの姿を見ることができますが、でもその写真は、
前作の短髪でクールというイメージとは少し違って、
最初はなんだか意味もなくおかしかった。
微妙にジョニー・デップを意識しているようにも感じるし・・・
でも、もちろん、その気持ちは伝わってきます。

いいですよ。

バンドメンバーを紹介。
ジョン・メイヤー:歌、ギター、ハーモニカ、キーボード、パーカッション
アーロン・スターリング Aaron Sterling:ドラムス、パーカッション
ショーン・ハーリー Sean Hurley:ベース
チャック・リーヴェル Chuck Leavell:キーボード

曲はすべてジョン・メイヤーのペンによるものです。
(All songs written by John Mayer)


02 ブックレットの写真
BORN AND RAISED ジョン・メイヤーの新譜

Tr1:Queen Of California
1曲目からもう雰囲気どっぷり。
いきなり"Goodbye"と爽やかに歌うこの曲にはこんな歌詞が
"Looking for the sun that Neil Young hung
 After the Gold Rush of 1971"
もうなんだかうるうるしてきました(笑)。
さらに同じ部分の2番の歌詞はこうです。
"Joni wrote "Blue" in a house of the sea"
ジョニ・ミッチェルとニール・ヤング。
1曲目でこのアルバムの音楽世界を宣言しています。


Tr2:The Age Of Worry
ジョン・メイヤーは聴き始めてまだ浅いけど、この手の歌の旋律が
彼らしいといえるものなのだろうな、となんとなくつかめてきました。
ゆったりとしたワルツで基本的には音が上の方にありつつも、
ゆらゆらと気持ちよく流れていく、そんな歌。
またジョン・メイヤーの歌の基本には現代社会における不安があると
前のアルバムで感じたのですが、この曲も爽やかなようでいて、
どこか寂しいところにそれを感じます。
全体的に包み込まれるような音であるのも、抑圧的というか、
重たくはないけど何かが覆い被さっている、そんな気持ちになります。


Tr3:Shadow Days
サビで同じ抑揚で単語を次々と繰り出してゆくのが印象的で、
熱く訴えるのではなく静かに感情を重ねるのがまたクール。
それでも曲の最後のほうはじわじわと盛り上がります。
とってもいい雰囲気のペダルスティールは
グレッグ・リース Greg Leisz、他数曲にも参加しています。
そうそう、今回気づいたけど、僕はジョン・メイヤーの声も
実は結構、かなり好きかもしれない。
前作の記事では、そこそこかな、と書いていたけど(笑)。


Tr4:Speak For Me
速いアルペジオのカン・・・と、もう言わなくてもお分かりかと(笑)。
歌い出しが"Now the cover of Rolling Stone"、半自伝的な歌かな。
ひとり寂しくいるけれど今の自分の気持ちに合う音楽はないから、
誰かここに来て話しかけてほしい、という内容の曲だけど、でも
朝にはぴったりの爽やかな響き、でも途中のハミングはちょっと寂しげ。
"Some-one come speak (for) me"の部分で1音に対して1拍ずつ
区切って歌うのが印象的で、曲作り、フック作りが上手い人だなと。
そして僕はこんな感じでアコースティック・ギターを弾けるようになりたい。
といまだに思っている自分を発見して少しほっとしました(笑)。
言うだけではなくもっともっと練習しないと。


Tr5:Something Like Olivia
これはきっとスワンプ風なのだと思う。
僕はそちらはまだよく聴いていないのだけど・・・
つまり曲としてはソウルっぽいものも感じる。
でももちろんジョン・メイヤーはクールに歌う。
アメリカーナというべきかな、そんな1曲。
この曲のみジム・ケルトナー Jim Keltnerがドラムスだけど、
またいた、うれしい、まだ調べていないけどきっとうちにある中で
いちばん多くのCDに参加しているミュージシャンに違いない人。


Tr6:Born And Raised
そしてついにこの曲ではニール・ヤングが乗り移ってしまった!
もうそれに気づいた時に感動してうれしくなりました。
曲自体もいかにもニール・ヤングだし、ハーモニカの音色もそう。
もしこれをニール・ヤングが歌えば、知らない人であれば、
100%ニール・ヤングの曲だと思うに違いない。
おまけにこの曲は、手が込んでいるというか、コーラスにはなんと
デヴィッド・クロスビーグレアム・ナッシュが参加しているのです。
その通り、コーラスはまごうことなきデヴィッド&グレアム。
こんな曲が作れてしまうジョン・メイヤー、そして大胆にもこんな曲を
やってしまうジョン・メイヤーにはもう脱帽するしかないですね。
ほんとうに心の底からうれしくなる1曲に出会えました。


03 ある風景
BORN AND RAISED ジョン・メイヤーの新譜

Tr7:If I Ever Get Around To Living
ファルセットにはならないけど高音でのびやかに揺らぐように歌うのは
ブルーグラス風の高音のギターと呼応しているようできれいな響き。
そしてこの高音がますますクールに感じるところ。


Tr8:Love Is A Verb
「愛は棘」。
これは音楽スタイルとしてはピュアなカントリーだけど、
そこに行き切っていないところが僕の側の世界、かな(笑)。
そうですね、カントリーに分類される人のCDを聴いていると、
よその家にお邪魔したみたいな感覚がまだ僕の中にはあるんです。
これはきっとカントリー系の人がカヴァーすると映えるでしょうね。


Tr9:Walt Grace's Submarine Test, January 1967
クリス・ボッティ Chris Bottiのトランペットから入って
ちょっとジャズっぽいのかなと思わせておいてから、軽やかに
ギターとマーチングドラムが入る、やっぱり静かなカントリー風。
この曲はいろいろ思うところがあって、まずはタイトル、
ある男のちょっとした物語を回想したものだけど、"Submarine"
という単語が入っている時点で、普通のロック聴きであれば、
嫌が上にも思い出すことがありますよね(笑)。
ウォルト・グレイスという人物は「イエロー・サブマリン号」の
乗組員だったのかな、と、勝手な妄想が広がります。
しかも1967年というのが、ビートルズがYellow Submarineを
発表した翌年というのも、偶然とは思えない。
そして歌詞にはこんなくだりも出てきます。
"The operator connected the call from Tokyo"
日本人である以上は、どうしたって反応してしまう。
ジョン・メイヤーは日本で生活していたことがあったということを、
前作の記事を書いた後で知ったのですが、だから彼は昨年の
東日本大震災のチャリティ・アルバムにも曲を提供したのでしょう。
そして新作では分かりやすい部分に「東京」と入れたのは、
今でも日本を気遣ってくれていることのメッセージとして受け取れ、
その優しさに感動し、ますますジョン・メイヤーが好きになりました。


Tr10:Whiskey, Whiskey, Whiskey
あらま、酔いつぶれちゃったんだね・・・(笑)、サビはこうだから。
"Whiskey, whiskey, whiskey, water, water, wataer
  and sleep"
もうイントロのハーモニカからして酔ってますから(笑)。
もちろん曲全体ももったりとしてなかなか前に進めない感じ。
やっぱりロックと酒は切っても切れないもののようで、その点でも
彼がロックの継承者であることが分かってほっとします。
ただ、僕自身の生活ではロックと酒は切り離されているのですが・・・
でもそういう雰囲気の曲はそれはそれで好きですよ、ほんとに。
まあそれはともかく、この"Whiskey"は"e"が入っているので、
アメリカかアイルランドのウィスキーであってスコッチではない。
何を飲んだのかな、そんなにまで、フォア・ローゼズかな、JDかな、
それともワイルド・ターキー・・・
世の中のお酒が大好きな人の新たなアンセムとなり得るか。
でも、こんな楽しい曲を聴かせてくれるのもうれしいですね。
インパクトという点ではこのアルバムでいちばんかもしれない曲。


Tr11:A Face To Call Home
このゆらゆら感、広がり感がジョン・メイヤー。
僕は建築家だけどと歌い出すこの曲もやはり空虚な心を
歌っていて、でも自己憐憫にはならずに淡々とその時の気持ちを
歌ってゆく姿には、よくそこまで冷静でいられるなと思ってしまう。
誰かに頼りたいのか、女性に寄り添っていて欲しいのか、
そうしてはいけないと感じる部分があるのか、どっちかにして、
と言いたくもなるけど(笑)、そこがリアリティを感じる部分でもあります。
そんな彼にそっと寄り添うような優しい女性ヴォーカルとヴァイオリンは
セイラ・ワトキンス Sara Watlinsが務めています。


Tr12:Born And Raised (Reprise)
リプライスまで入っているのがうれしいですね。
しかもいかにも最後の曲という楽しげなブルーグラス風の響きの曲で、
ああ、この人はロックを継承してくれるんだなあ、と。
大げさかもだけど、ロックは死なないことを実感しました。
ところでこのアルバムは、リリース情報に接した時点で、タイトルから
カヴァーアルバムなのかと勘違いしちょっと心配になりました。
近年はポール・マッカートニーまでもがそうしたように、
大物アーティストのカヴァーアルバムが流行っているからだけど、
でも冷静に考えると、ジョン・メイヤーはまだまだそこまで趣味に
走るほどの年でもない、むしろ若者だからそんなことをするはずがない。
すべて自作の新曲というのは、ソングライターとしての自信のほども
うかがえ、それがまたこのアルバムの魅力ともいえるでしょう。
ただ、ジョン・メイヤーのカヴァーアルバムというのも、それはそれで
聴いてみたくはありますね、どんな人かをより強く感じられるだろうし。


 

リンクは左が国内盤、右が海外盤。
国内盤はボーナストラック1曲収録、でも僕が買ったのは海外盤。
気に入ったので国内盤を買い直すかな、いや、待てよ。

ジョン・メイヤーは日本が好きと書きましたが、新譜が出たということは、
来日公演も近いうちに行われると考えるのが自然ですよね。

このアルバムを聴いて、ジョン・メイヤーは、まだ決まっていない中では、
今いちばんコンサートに行きたいアーティストになりました。

来日するのであれば、レニー・クラヴィッツもそうだったように
来日記念盤が出ることも予想され、だからそれを買い直すかな。

札幌には来ないだろうなあ・・・
でもコンサートで東京に行くのはもはや僕の楽しみの一つだから、

もしかして、"Tokyo"とわざわざ歌詞に入れたのは、もうひとつ、
もうすぐ行くからね、というメッセージかもしれない(笑)。

ここはひとつ、来日を楽しみに待ちたいと思います。

その前に、ほんとうに僕の心の中に入り込んでくる曲ばかりで、
正直いえば、これだけいい曲を書ける人なんだと驚いた、
もちろんうれしい驚き、そういう感想を抱きました。

あらゆる意味でうれしくなる1枚ですね。

そうそう、もうひとつ大事なこと、この手の音楽は
北海道を車で走るとほんとうによく合いますね。
03や次の04のような、特に朝にはいいな。

そうか、だから僕はカントリー風味のロックが好きなのか(笑)。

04
BORN AND RAISED ジョン・メイヤーの新譜






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