2014年08月13日
AFTER HOURS ゲイリー・ムーア
01
AFTER HOURS Gary Moore
アフター・アワーズ ゲイリー・ムーア (1992)
お盆の札幌は普段より静かです。
静かな夜はブルーズでも聴きたい・・・というわけではないけど、
このところよく聴いているCDを今夜は記事にしました。
ブルーズといえばゲイリー・ムーア、と言ってしまうと、
ほんとうにブルーズがお好きな方には申し訳ないかなと思いつつ、
僕の場合は若い頃に接した2枚のアルバムが強烈だったがために
いまだにそうなってしまいます。
このアルバムは「新世代ブルーズ革命」を起こした名盤中の超名盤
STILL GOT THE BLUES(記事はこちら)の後を受け、
ブルーズアルバム第2弾として大きな期待を持ってリリースされました。
聴くと大きな期待その通り、ある意味それ以上の出来に満足しました。
「二番煎じ」「二匹目のどじょう」とはたいていよくないイメージですが、
このアルバムはその言葉を100%肯定的に受け取れる稀な例でしょう。
前作との違いという点に絞って話を進めると、本作は前作に比べ、
格段に聴きやすくなっていると感じました。
つまりそれはポピュラー音楽としては進化したということです。
具体的には曲もアレンジもアルバムの流れもロック的な「引っかかり」
が少なくスムースにアルバムが流れてゆく感じがします。
このロック的な「引っかかり」は裏を返せばロックの面白い部分であり、
その点では面白さが減じたともいえるのですが、でもそれ以上に
聴きやすくなっていて、構えなくても気軽にかけられる1枚です。
もちろんそのどちらがいいかは聴く人次第ですが。
当時はSTILL...の勢いそのままに進化したアルバムが出たとして
2枚は並ぶべきものという感じで僕も捉えていましたし、
実際にかけた回数はこちらが多いというくらいだったと思うし、
当初はSTILL...よりこっちのほうがいいと僕こそが思っていました。
まあそれは僕が元来ポップス人間だからでしょうね。
しかしおよそ20年が経ち、
STILL...が名盤として揺るぎない地位を確立した一方で、
本作はすっかりその影に隠れてしまったと僕は感じています。
いわば「二番煎じ」「二匹目のどじょう」という言葉が
本来のイメージ通りになったというのかな。
STILL...はロックが好きな人なら誰でも聴くけど、
本作はゲイリー・ムーアが好きな人なら誰でも・・・と、
対象が少し狭くなる感があります。
02 お盆だから、でもないけどポーラも紹介
僕がロックを聴き始めてから、過去のアルバムについては
同じバンドのAとBというアルバムで僕はAのほうがいいと思うのに、
当時はBのほうが売れたということがよくあって不思議でしたが、
ポピュラー音楽は時代とは切っても切り離せないものだから、
それはリアルタイムで体験していない者には分からない部分もある
ということなのだろうなと思うに至りました。
そのことがゲイリー・ムーアを通じて自分の身にも起こったのです。
つまり、音楽が時代による評価と、その後に聴き継がれることにより
評価が上がり、さらには時間という付加価値が増すことによりまた
別の評価が存在することをこの2枚で僕は体験したということで、
昔からの疑問を自らの体験を持って解決したというわけですね。
まあ別の言い方をすれば僕もそれだけ長くロックを聴いてきた、
つまり僕も年をとった・・・ということなのでしょうけど・・・
内容的には決してこちらが劣っているというのではなく、
STILL...のほうが僕の当初の予測をはるかにこえて名盤として
聴き継がれ広まっているということだと考えます、念のため。
そしてそれはゲイリーの死によって加速増幅された感も。
ただしそうなったのはやはりSTILL..が先に出たことが大きく、
またロック的「引っかかり」という観点からすると、音楽的面白さは
やはりSTILL...に軍配が上がるということでしょう。
生物である以上やはり先というのは意味が大きいのです。
しかし純粋に音楽として接すれば本作も負けず素晴らしいですよ。
ブルーズの道をとことん突き詰めるゲイリーの姿勢は求道的で、
荘厳さやすがすがしさそして潔さを感じます、もちろんカッコいい。
ただし焼き直しをやっているという意識はなくて、伝統は守りつつ
個性を最大限に発揮して次元の高い音楽を聴かせてくれます。
ギタープレイも冴えまくり切れまくっているのはいうまでもない。
彼のキャリアのいわば絶頂期で円熟味というにはまだ早すぎる、
若々しさとすご味が同居しているプレイを聴かせてくれます。
ほんとにすごいですよ。
ギターを弾く人でこれを聴いて何も感じない人は、悪いけど
いや悪くない、ギターを弾くのをやめるべきです。
そんな人はいないはずだと信じて書いているんですけどね(笑)。
曲もほとんどがゲイリー・ムーア自身のペンによるもので、
その部分も特筆されるべきだと思います。
自作の曲という点でいえば本作は彼のキャリアのハイライトでしょう。
なお作曲者についてはゲイリーひとりのもの以外は明示してゆきます。
(All songs written by Gary Moore except as noted)
03 8月2日の朝の雲にブルーズを感じる時
Tr1:Cold Day In Hell
ショッキングな短い音のギターとブラスで劇的にアルバムが始まります。
"So many times"という言葉とそれがのった旋律のフレーズがいかにも
ブルーズっぽいイディオムでゲイリーも曲作りに当たって完全に
ブルーズの心に成りきっていたことが感じとれます。
ギターも歌メロもホーンもこのつかみはすごすぎる。
Tr2:Don't You Lie To Me (I Get Evil)
(Hudson Whittaker)
この少し前にパット・ベネターがブルーズのカバーアルバムを出し
僕も結構気に入っていたのですがこれはそこで知った曲で
当時の僕は音楽の幅が広がったことを感じました。
ただしパットとは曲名の()の前と中を入れ替えています。
曲は明るいポップソングで、実はパットのそれが大好きだったので、
男性の声でこれを歌ったゲイリーが最初は違和感がありました。
そういえばパット・ベネターのそのアルバムもいいんだけどなぁ。
Tr3:Story Of The Blues
ソウルとブルーズの境界線にあるバラードで、アレンジはソウル、
ギターとゲイリーの歌い方はソウルじゃない。
ブルーズロックの真髄ともいえる曲じゃないかな。
ギタープレイはほんとうに凄くて3曲目でこんな曲が来るなんて
最後まで聴く体力が持たないのではと心配になるほど(笑)。
Tr4:Since I Met You Baby
「御大」B.B.キングを迎えホップしスウィングする楽しい曲。
"Since I met you baby, I'm happy as a man can be"
というくだりはもちろん単純にラヴソングとして解釈できるけど、
ゲイリーがB.Bのブルーズに出会ってからの気持ちを歌っている、
というのは考えすぎかな、だって、"Baby"を略すと"B.B."だし・・・
とにかく音楽することの楽しさが伝わってくる曲。
Tr5:Separate Ways
この曲のビデオクリップがMTVでかかりまくっていたので、
僕にとってはそこで見て聴いた体験は懐かしい曲です。
感傷的なバラードで歌メロもギターも鳴いています。
女性コーラス陣もゲイリーには新機軸の味わい深い1曲。
ブルーズの枠を少し飛び出したポップソングという感じ。
Tr6:Only A Fool In Town
ギターが吠えまくってすごいのなんの!
僕がよくいう「ロックの照れ隠し」、前であんなに気持ちを入れてしまい
罪滅ぼしの照れ隠し、アップテンポで勢いよくカッコつけている曲。
でもほんとカッコいい。
ゲイリーのギターはソロはすごいしバッキングは吠えているし、
ブラスがそれに負けじと迫力と切れで勝負に出ています。
04 夏の赤い落ち葉にブルーズを感じる時
Tr7:Key To Love
(John Mayall)
スタッカートが効いたジャンプナンバー、煽る、煽る。
ジョン・メイオールの曲であることはずっと後で知りましたが、そうか、
僕はこの頃はあまりブックレットを見ていなかったのか・・・
あっという間に終わってしまうこの曲は夏には爽快でいいかも。
Tr8:Jumpin' At The Shadows
(Duster Bennett)
続いてカバー曲、明るくて和やかな雰囲気のバラード。
この雰囲気は彼のブルーズ路線では異色ともいえるけど、
もちろん違和感はなく聴き応えたっぷりに仕上がっています。
僕はこの曲、海辺の日陰で魚が跳ねている感じがして
そうか夏が似合うと昔から感じていたようです(笑)。
Tr9:The Blues Is Alright
(Milton Campbell)
なぜこの曲を取り上げたかはタイトルを見れば明らか。
ブルーズの伝統は守られる、さらにこれからも進んでゆく。
ゲイリー自身がブルーズに身を投じてみてそれを確かに感じた、
ということでしょうね。
だから"Hey, Hey the blues is alright"と大声で歌ってみたかった。
そしてゲストはアルバート・コリンズ。
Tr10:The Hurt Inside
ゲイリー・ムーアのこの路線の標準という感じの曲。
もちろんいい意味で、曲もギターもアレンジも安心して聴ける
やはりブルーズというよりはブルージーなロック。
ギタープレイは抑えて音色を聴かせることに専念しています。
Tr11:Nothing's The Same
本編最後は思いっきり哀愁路線の泣きのバラード。
演奏もドラムレスで落ち着かない雰囲気を醸し出しています。
こういう救いようがない曲を聴く人間の心理ってなんだろうね。
自分でも好んで聴くのに自分でも分からない部分があります。
ああ、悲しい、でもひたってしまう・・・
もちろんそれも持ち味ということでアルバムは終わります。
なお、現行のCDには5曲のボーナストラックが入っていて、
ライヴなどもあり悲しいままでは終わらないのでご安心ください(笑)。
ゲイリー・ムーアが亡くなったのはいまだに信じ難い部分があります。
それはファンとして当然の心理でしょう。
ファンであれば、新譜や旧譜再発などで盛り上がることはあっても、
基本的にはその人の音楽や情報にずっと接しながら生活していて、
亡くならなくてもそれはさほど変わらないものだから。
でも、受け入れなければならないのでしょうね。
音楽は永遠だとしても。
そして日本風にいえば今年はゲイリーの新盆なんだなあ。
なんてしんみりするだけではなく音楽は聴き続けます。
こちら今日も真夏日になったようですが、でも一昨日くらいから
日が暮れた後のまさに"after hours"の冷え込みが強くなっていて、
窓を開けて寝ると風邪をひきそうなくらいです。
昼間の暑さも落ち着いた感があるかな。
明日明後日はお盆で人が少ない札幌を楽しみますかね(笑)。
最後にハウがもう1回アルバムを紹介して終わります。
森の家にあったシラカンバの丸太にCDを置いて撮りました。
05
AFTER HOURS Gary Moore
アフター・アワーズ ゲイリー・ムーア (1992)
お盆の札幌は普段より静かです。
静かな夜はブルーズでも聴きたい・・・というわけではないけど、
このところよく聴いているCDを今夜は記事にしました。
ブルーズといえばゲイリー・ムーア、と言ってしまうと、
ほんとうにブルーズがお好きな方には申し訳ないかなと思いつつ、
僕の場合は若い頃に接した2枚のアルバムが強烈だったがために
いまだにそうなってしまいます。
このアルバムは「新世代ブルーズ革命」を起こした名盤中の超名盤
STILL GOT THE BLUES(記事はこちら)の後を受け、
ブルーズアルバム第2弾として大きな期待を持ってリリースされました。
聴くと大きな期待その通り、ある意味それ以上の出来に満足しました。
「二番煎じ」「二匹目のどじょう」とはたいていよくないイメージですが、
このアルバムはその言葉を100%肯定的に受け取れる稀な例でしょう。
前作との違いという点に絞って話を進めると、本作は前作に比べ、
格段に聴きやすくなっていると感じました。
つまりそれはポピュラー音楽としては進化したということです。
具体的には曲もアレンジもアルバムの流れもロック的な「引っかかり」
が少なくスムースにアルバムが流れてゆく感じがします。
このロック的な「引っかかり」は裏を返せばロックの面白い部分であり、
その点では面白さが減じたともいえるのですが、でもそれ以上に
聴きやすくなっていて、構えなくても気軽にかけられる1枚です。
もちろんそのどちらがいいかは聴く人次第ですが。
当時はSTILL...の勢いそのままに進化したアルバムが出たとして
2枚は並ぶべきものという感じで僕も捉えていましたし、
実際にかけた回数はこちらが多いというくらいだったと思うし、
当初はSTILL...よりこっちのほうがいいと僕こそが思っていました。
まあそれは僕が元来ポップス人間だからでしょうね。
しかしおよそ20年が経ち、
STILL...が名盤として揺るぎない地位を確立した一方で、
本作はすっかりその影に隠れてしまったと僕は感じています。
いわば「二番煎じ」「二匹目のどじょう」という言葉が
本来のイメージ通りになったというのかな。
STILL...はロックが好きな人なら誰でも聴くけど、
本作はゲイリー・ムーアが好きな人なら誰でも・・・と、
対象が少し狭くなる感があります。
02 お盆だから、でもないけどポーラも紹介
僕がロックを聴き始めてから、過去のアルバムについては
同じバンドのAとBというアルバムで僕はAのほうがいいと思うのに、
当時はBのほうが売れたということがよくあって不思議でしたが、
ポピュラー音楽は時代とは切っても切り離せないものだから、
それはリアルタイムで体験していない者には分からない部分もある
ということなのだろうなと思うに至りました。
そのことがゲイリー・ムーアを通じて自分の身にも起こったのです。
つまり、音楽が時代による評価と、その後に聴き継がれることにより
評価が上がり、さらには時間という付加価値が増すことによりまた
別の評価が存在することをこの2枚で僕は体験したということで、
昔からの疑問を自らの体験を持って解決したというわけですね。
まあ別の言い方をすれば僕もそれだけ長くロックを聴いてきた、
つまり僕も年をとった・・・ということなのでしょうけど・・・
内容的には決してこちらが劣っているというのではなく、
STILL...のほうが僕の当初の予測をはるかにこえて名盤として
聴き継がれ広まっているということだと考えます、念のため。
そしてそれはゲイリーの死によって加速増幅された感も。
ただしそうなったのはやはりSTILL..が先に出たことが大きく、
またロック的「引っかかり」という観点からすると、音楽的面白さは
やはりSTILL...に軍配が上がるということでしょう。
生物である以上やはり先というのは意味が大きいのです。
しかし純粋に音楽として接すれば本作も負けず素晴らしいですよ。
ブルーズの道をとことん突き詰めるゲイリーの姿勢は求道的で、
荘厳さやすがすがしさそして潔さを感じます、もちろんカッコいい。
ただし焼き直しをやっているという意識はなくて、伝統は守りつつ
個性を最大限に発揮して次元の高い音楽を聴かせてくれます。
ギタープレイも冴えまくり切れまくっているのはいうまでもない。
彼のキャリアのいわば絶頂期で円熟味というにはまだ早すぎる、
若々しさとすご味が同居しているプレイを聴かせてくれます。
ほんとにすごいですよ。
ギターを弾く人でこれを聴いて何も感じない人は、悪いけど
いや悪くない、ギターを弾くのをやめるべきです。
そんな人はいないはずだと信じて書いているんですけどね(笑)。
曲もほとんどがゲイリー・ムーア自身のペンによるもので、
その部分も特筆されるべきだと思います。
自作の曲という点でいえば本作は彼のキャリアのハイライトでしょう。
なお作曲者についてはゲイリーひとりのもの以外は明示してゆきます。
(All songs written by Gary Moore except as noted)
03 8月2日の朝の雲にブルーズを感じる時
Tr1:Cold Day In Hell
ショッキングな短い音のギターとブラスで劇的にアルバムが始まります。
"So many times"という言葉とそれがのった旋律のフレーズがいかにも
ブルーズっぽいイディオムでゲイリーも曲作りに当たって完全に
ブルーズの心に成りきっていたことが感じとれます。
ギターも歌メロもホーンもこのつかみはすごすぎる。
Tr2:Don't You Lie To Me (I Get Evil)
(Hudson Whittaker)
この少し前にパット・ベネターがブルーズのカバーアルバムを出し
僕も結構気に入っていたのですがこれはそこで知った曲で
当時の僕は音楽の幅が広がったことを感じました。
ただしパットとは曲名の()の前と中を入れ替えています。
曲は明るいポップソングで、実はパットのそれが大好きだったので、
男性の声でこれを歌ったゲイリーが最初は違和感がありました。
そういえばパット・ベネターのそのアルバムもいいんだけどなぁ。
Tr3:Story Of The Blues
ソウルとブルーズの境界線にあるバラードで、アレンジはソウル、
ギターとゲイリーの歌い方はソウルじゃない。
ブルーズロックの真髄ともいえる曲じゃないかな。
ギタープレイはほんとうに凄くて3曲目でこんな曲が来るなんて
最後まで聴く体力が持たないのではと心配になるほど(笑)。
Tr4:Since I Met You Baby
「御大」B.B.キングを迎えホップしスウィングする楽しい曲。
"Since I met you baby, I'm happy as a man can be"
というくだりはもちろん単純にラヴソングとして解釈できるけど、
ゲイリーがB.Bのブルーズに出会ってからの気持ちを歌っている、
というのは考えすぎかな、だって、"Baby"を略すと"B.B."だし・・・
とにかく音楽することの楽しさが伝わってくる曲。
Tr5:Separate Ways
この曲のビデオクリップがMTVでかかりまくっていたので、
僕にとってはそこで見て聴いた体験は懐かしい曲です。
感傷的なバラードで歌メロもギターも鳴いています。
女性コーラス陣もゲイリーには新機軸の味わい深い1曲。
ブルーズの枠を少し飛び出したポップソングという感じ。
Tr6:Only A Fool In Town
ギターが吠えまくってすごいのなんの!
僕がよくいう「ロックの照れ隠し」、前であんなに気持ちを入れてしまい
罪滅ぼしの照れ隠し、アップテンポで勢いよくカッコつけている曲。
でもほんとカッコいい。
ゲイリーのギターはソロはすごいしバッキングは吠えているし、
ブラスがそれに負けじと迫力と切れで勝負に出ています。
04 夏の赤い落ち葉にブルーズを感じる時
Tr7:Key To Love
(John Mayall)
スタッカートが効いたジャンプナンバー、煽る、煽る。
ジョン・メイオールの曲であることはずっと後で知りましたが、そうか、
僕はこの頃はあまりブックレットを見ていなかったのか・・・
あっという間に終わってしまうこの曲は夏には爽快でいいかも。
Tr8:Jumpin' At The Shadows
(Duster Bennett)
続いてカバー曲、明るくて和やかな雰囲気のバラード。
この雰囲気は彼のブルーズ路線では異色ともいえるけど、
もちろん違和感はなく聴き応えたっぷりに仕上がっています。
僕はこの曲、海辺の日陰で魚が跳ねている感じがして
そうか夏が似合うと昔から感じていたようです(笑)。
Tr9:The Blues Is Alright
(Milton Campbell)
なぜこの曲を取り上げたかはタイトルを見れば明らか。
ブルーズの伝統は守られる、さらにこれからも進んでゆく。
ゲイリー自身がブルーズに身を投じてみてそれを確かに感じた、
ということでしょうね。
だから"Hey, Hey the blues is alright"と大声で歌ってみたかった。
そしてゲストはアルバート・コリンズ。
Tr10:The Hurt Inside
ゲイリー・ムーアのこの路線の標準という感じの曲。
もちろんいい意味で、曲もギターもアレンジも安心して聴ける
やはりブルーズというよりはブルージーなロック。
ギタープレイは抑えて音色を聴かせることに専念しています。
Tr11:Nothing's The Same
本編最後は思いっきり哀愁路線の泣きのバラード。
演奏もドラムレスで落ち着かない雰囲気を醸し出しています。
こういう救いようがない曲を聴く人間の心理ってなんだろうね。
自分でも好んで聴くのに自分でも分からない部分があります。
ああ、悲しい、でもひたってしまう・・・
もちろんそれも持ち味ということでアルバムは終わります。
なお、現行のCDには5曲のボーナストラックが入っていて、
ライヴなどもあり悲しいままでは終わらないのでご安心ください(笑)。
ゲイリー・ムーアが亡くなったのはいまだに信じ難い部分があります。
それはファンとして当然の心理でしょう。
ファンであれば、新譜や旧譜再発などで盛り上がることはあっても、
基本的にはその人の音楽や情報にずっと接しながら生活していて、
亡くならなくてもそれはさほど変わらないものだから。
でも、受け入れなければならないのでしょうね。
音楽は永遠だとしても。
そして日本風にいえば今年はゲイリーの新盆なんだなあ。
なんてしんみりするだけではなく音楽は聴き続けます。
こちら今日も真夏日になったようですが、でも一昨日くらいから
日が暮れた後のまさに"after hours"の冷え込みが強くなっていて、
窓を開けて寝ると風邪をひきそうなくらいです。
昼間の暑さも落ち着いた感があるかな。
明日明後日はお盆で人が少ない札幌を楽しみますかね(笑)。
最後にハウがもう1回アルバムを紹介して終わります。
森の家にあったシラカンバの丸太にCDを置いて撮りました。
05
Posted by guitarbird at 19:59
│ロックC-J