2013年01月08日
REVOLVER ザ・ビートルズ
01

REVOLVER The Beatles
リヴォルヴァー ザ・ビートルズ (1966)
今年最初のアルバム記事はビートルズにしました。
このアルバムは一度記事にしています。
その記事は、「ジョン・レノン・プレイボーイ・インタビュー」からの
ジョン・レノンの言葉の引用に僕が少しコメントを添えたもので、
僕の思いや考えはまたの機会にと書いていたことをふと思い出し、
それから2年11か月、この記事を上げようと思ったのはそんなところ。
REVOLVERのジョンの言葉の記事はこちらです。
僕はこのアルバムを、ビートルズのLPとしては4枚目、
スタジオ録音のオリジナルアルバムとしては2枚目に買いました。
1981年、中学2年のクリスマスの日に友だちと街に行き、
RUBBER SOULと一緒にステレオ盤LPを買いました。
だから4枚目/2枚目というのは競馬でいえば同着です(笑)。
ビートルズを一緒に聴いていた今でも友だちのO君と街に行き、
これを買って別れてからLPの袋を持って歩いていると雪が降ってきて、
袋の中に雪が入らないように上の口を折って脇の下に抱えて
歩きながら帰宅したことを覚えています。
そして帰宅後すぐにRUBBER SOULを先に聴きましたが、だから、
聴くという点では同着ではなくこちらは5枚目/3枚目となりますね。
曲は何曲か知っていましたが、アルバムとして通して聴くと、
変わった響きの音楽だなと、それが第一印象でした。
一緒に買った前作のRUBBER SOULが最初からすんなりと
心に入ってきたのとは正反対でしたが、考えてみれば、
たった半年かそこらでこれだけ違う響きの音楽を作れたというのも、
ビートルズの創作意欲が極限に向かって上がっていた証拠でしょう。
全体的に芯の強いギターの音がカラカラと鳴っている感じであり、
なんとなくインド風の不思議な響きを随所に感じました。
これをハードロックと言う人はいないと思うけど、ハードロックとは
違う類いのハードな手ごたえの音でした。
まあロックはそもそも内面的にはハードな音楽だと思うから、
そういう点ではロックの中のロックという音なのでしょう。
そんな音に僕は一発で魅了されたのですが、これを聴いて僕は、
元々ハードなロックが大好きな人間らしいことが分かり、それは
後に買ったホワイトアルバムのYer Bluesで決定的となりました。
このアルバムのサウンドは今の世の中においても独創的な響きで
それこそ唯一無二の1枚ではないかと思います。
そんなアルバムを特徴づけているのはやはりギターの音で、これは
ビートルズがギターバンドとして格好がついてきた、ということでしょう。
前作RUBBER SOULではカバー曲を排して、
ビートルズが作曲家集団として格好がついてきたことに続き、
ビートルズというバンドが自信を持ってさらに前に進み始めたのですね。
ギターによるサウンドの可能性を広げたという点でこのアルバムは
ロックの歴史の中でも重要な1枚に違いありません。
そんなサウンドにのせて、ここで聴かれる曲はそれまでの既成概念を
破るような大胆な曲が目白押しで、ロックという音楽の本質的な魅力、
面白さ、ユニークさ、独創性、アイディア、等を存分に楽しめます。
しかも歌がみな素晴らしい、まあ、ビートルズでは当たり前のことだけど。
このアルバムは80年代から評価が高かったと記憶していますが、
1990年代に、グランジというロックの大きな流れが起こり定着した後では
評価がさらに高くなったと僕は感じています。
これは、1990年代になって音楽がギターと歌に回帰したことと、
常識を打ち砕くという感覚がそうさせたのではないかと考えます。
このアルバムでまた感心するのは、ジョージ・マーティンの仕事ぶりです。
マーティンはビートルズにやりたいことをやらせていたけれど、
決して「羽目」は外させない、ある一定の秩序の中にまとめていて、
ビートルズはこうあるべきという確かなヴィジョンがあったのでしょう。
ビートルズの4人もマーティンを先生のように慕っていたということですが、
マーティンはマーティンで彼らのやりたいことと自分の考えの間で
妥協というかたちではなくうまい接点を必ず見つけ出すという姿勢であり、
マーティンの音楽プロデューサーとしての器の大きさを感じます。
つくづく、プロデューサーがジョージ・マーティンではなかったら、
ビートルズはもっと普通のバンドになっていたと思いますね。
ジョージ・マーティンは頭文字がGM、まさにGMの仕事ですね(笑)。
REVOLVERというタイトルは、ビートルズがアメリカ公演の際に
コンサートの警備の警察官が耳栓としてピストルの銃弾を耳に
詰めていたのを見たことからきたという話。
効き目はあるのかな、もちろん試したことなんかないけど。
でもそれがほんとうであれば、その警察官は、
日本であれば目的外使用か何かで処分されるでしょうね(笑)。
曲は明記したもの以外はレノンーマッカートニーの作曲です。
(All songs writtten by Lennon- McCartney execpt as noted)
02

Tr1:Taxman
(George Harrison)
ジョンいわく、ジョージ・ハリスンが「初めて」書いた曲。
実際はそれまで5曲を書いてビートルズとして発表していますが、
ジョンの頭の中ではこれが初めてジョージの「まともな曲」
として響いてきたということかもしれません。
サウンド的にいえばポール・マッカートニーが弾くギターソロがすごい。
インドの影響を受けたという複雑な旋律とリズムのこのソロは
ジョージにはまだまだ力量不足だったのでしょう。
僕はいまだにこれはきちんと弾けないですが、自己弁護すれば(笑)、
僕は普段はエレクトリック・ギターでもアンプをつないでおらず、それでは
音を伸ばす部分が感覚的にうまく再現できないのです。
それにしてもカッコよくてビートルズのギターソロでも屈指のものでしょう。
おまけにポールはベースでもメロディアスで刺激的なフレーズを弾き
曲をしゃきっと立たせています、さすがはポール。
ジョージの歌詞も皮肉屋の真骨頂で、面白い以上に感動しますね。
「君は1で僕は19だ」
その上歌メロが最高にいい、ぜいたくなことをさらっとやってのけた曲。
僕が好きなビートルズの10曲に最後で漏れた曲と書けば、
僕がどれだけこの曲が好きかがお分かりいただけるかと。
Tr2:Eleanor Rigby
ポールが当時付き合っていた彼女の影響でバロック音楽を聴いていて
その影響でクラシカルな演奏を施された曲。
最後はAメロとBメロの対位法で終わるのもクラシックの影響かな。
これは僕が最初にNHK-FMでエアチェックして聴いた1曲で、
ずいぶんと暗い歌だなと思いながらも引かれる部分がありました。
でもその後で洋楽をたくさん聴いて、暗くても案外さらっとしていて、
じとっとしたところがないのがビートルズの特徴かなとも思いました。
ジョンによればポールが「放り投げた」曲を埋め合わせしてなんとか
作った曲というのですが、そうであれば一見ポールらしいこの曲が
ジョンの色もかなり出ていることになり興味深いですね。
Tr3:I'm Only Sleeping
曲の雰囲気って面白くてこれはほんとに眠たくなりますね。
これもどことなくインド風ですね、ジョンの曲だけど、その辺の
イメージの統一感がこのアルバムにはありますね。
最後はギターソロをテープの逆回転で入れていますが、
それがまたインドっぽさに拍車をかけているんだけど、
そうするとインドっぽくなるのは偶然の発見なのかはたまた
意図してそうしたのか、そうだとすれば不思議でもあります。
これはBメロを歌っていると自分でもとろけそうでいいですね(笑)。
Tr4:Love You To
(George Harrison)
ジョージのインド趣味の本格的な出発点。
他の3人は不参加でインドのミュージシャンによる録音。
今考えるとこれはとんでもない大冒険だと思います。
売れっ子で絶頂期だったビートルズが4人とも参加していないのは、
もちろんアルバムの中の曲だからできたことでしょうけど。
まあでもうがった見方をすれば当時は忙しさのきわみで、3人も、
1曲くらいは休めると思って受け入れたのかもしれない(笑)。
いずれにせよそれを許したジョージ・マーティンはさすがですね。
ただし、ジョージのインド音楽についてはよく思っていない人が
世の中には結構いらっしゃるようであるので、この曲については
そこの見方で評価が180度変わるでしょうね。
ケーブルテレビで見た「サタデイ・ナイト・ライヴ」で、ビートルズが
再結成するというコントがあって、その中には各人への条件があり、
ジョージには「インド音楽をしないこと」という条件が付されていました。
でも僕はこの曲は最初から大好きでした。
何も考えずに聴くとものすごく単純に歌メロがいいから。
シタールの音やインド風の響きも僕は肯定派で、この曲は後半の
歌メロの後に入るシタールのフレーズもいつも口ずさんでいます。
「めいくらぁぶお~るでぃろぉんぐ (て~てれて~てれててて~)」
といった具合に(笑)。
ところでこれ、タイトルはLove You Toだけど歌の中では
Love To Youと歌っているのも一癖あるジョージらしいところ。
Tr5:Here, There And Everywhere
まるで埋め合わせのように珠玉のバラードが始まります。
ジョンもポールの中では好きな曲だと書いていたように、この曲は
嫌いという人はいないのではないかと思うくらい。
面白いのはこんなソフトなバラード、普通ならアコースティック・ギターで
演奏したくなりそうなところを、エレクトリック・ギターでやったこと。
いわば逆転の発想、やはりビートルズがビートルズらしいのは
曲を生かすアイディアの素晴らしさであることを実感するとともに、
このアルバムが前進的であることを物語る曲でしょう。
おそらくストラトキャスターを使っているのだと思われますが、彼らは
この少し前にストラトを手に入れて試行錯誤していた頃であるのも
この曲にとっては幸運だったのではないかと。
ポールのまろやかに歌おうとするダブルトラックのヴォーカルが
このギターの強い音に乗ると意思を感じるところが不思議で面白い。
ただしアコースティック・ギターで演奏してもいい感じなんですけどね、
要は曲そのものが素晴らしいということでしょう。
全体の雰囲気やコーラスの入れ方にはかすかに教会音楽の影響が。
でもそれを強いギターの音でいっぱしのロックに仕立て上げています。
Tr6:Yellow Submarine
知名度でいえばビートルズでもトップクラスの曲でしょうね。
ただしビートルズにしては凡庸だという意見も聞きましたが。
この曲はアコースティック・ギターのギターワークが面白くて、
コード進行を弾くだけでも旋律が浮かび上がってきます。
ただし半音下げチューニングが施されていて、レコードに合わせて
弾くのが手間であるのが泣き所かな。
凡庸かもしれないけどアイディア満載で歌メロがいいと、
ビートルズらしい曲であるのは間違いのないところでしょう。
そしてこれはリンゴ・スターが歌うからこそ味がありますね。
Tr7:She Said She Said
これまたイントロと歌の最後に入るギターリフがインド的な響き。
ジョンの曲だけど、このアルバムの頃はバンドとしてのインド音楽への
興味が最高点に達していたのかもしれないでですね。
ハードロック的な音の響きがそそられますね。
Aメロの後半は2つの旋律が絡み合っていてどちらもいい歌メロだし、
Bメロはひとりコーラスに展開するのはダブル・トラック・ヴォーカルの
ひとつの到達点ではないかと。
この曲はアメリカにいた時の休日にプールサイドにいたジョンのところに
ピーター・フォンダがやってきて「僕は死がどんなことかを知っている」
と何度もうるさく言いに来たという体験が基になっていますが、
ピーター・フォンダは男性だけど"She"であるのはその方が劇的に
響くというジョンの計算による脚色でしょう。
僕はこの曲がなぜか大好きでよく口ずさむ歌のひとつです。
フェイドアウトにも使われる歌メロはなぜか爽快感がありますね。
03 よい日の太陽、なのか・・・

Tr8:Good Day Sunshine
というよりいまだにB面1曲目、というほうが僕はしっくりきます(笑)。
それはともかく、ポップソング作曲家としてのポールの真骨頂。
この歌は大きな声で歌っているとひたすら気持ちよくって、
ポールの言葉と音の絡ませ方は天賦の才能であることが分かります。
マーティンによるピアノの小気味よい響きは歌の伴奏として最高で
途中のソロにすっと入って行って盛り上げるのがまた素晴らしい。
でも声だけが残ってフェイドアウトする最後は微妙にほの暗い音で
不安な気持ちになるのはなぜだろう、やはり芸が細かいですね。
僕はこの曲になぜか昔からフレンチポップ的なものを感じるのですが、
どうしてだろう、そういう意識はなかったと思うのですが。
このアルバムでポールはポップソング作曲家として
ひとつもふたつも高い次元に行ったといえるでしょうね。
Tr9:And Your Bird Can Sing
ギターリフのカッコよさではビートルズでもトップクラス!
でも、曲としては多分未完成の類いじゃないのかな。
というのもジョンは例のインタビューでこの曲には触れておらず、
それは、後ろめたいというと大げさだけど何か心に引っかかる
ものがあったのかなと思います。
Aメロ→Bメロ→イントロと同じ間奏の繰り返しで展開もないし。
ただ、だからといって魅力がないなんてとんでもない。
後半のAメロでジョンの歌に被さるポールのコーラス、そのセンス
そしてそのメロディの良さにはぞくぞくします。
ベースも音が遊びまくっていてメロディアスなのはさすがはポール。
鳥好きとしてはもちろん鳥がテーマなのもうれしい。
でもこの鳥は比喩だと思います。
Tr10:For No One
この曲にはちょっとした思い出があります。
まだこのLPを買う前にNHK-FMでビートルズのバラード系の
おとなしい曲が4曲流れたのでエアチェックして聴いていました。
順にIn My Life、Norwegian Wood、For No Oneと
She's Leaving Homeの4曲で、4曲とも気に入りましたが、
特にIn My Lifeがすぐに大好きになりました。
僕がクリスマスに買ったアルバムに4曲のうち3曲が入っているのは
決して偶然ではなく、これらの曲を聴きたかったからです。
先ほどRUBBER SOULを先に聴いたと書きましたが、その2曲目の
Norwegian Woodのところで流れてきた曲が、実は、僕が
For No Oneだと思っていた曲だったのです。
NHKに騙されました。
「FMファン」では2曲目と3曲目を逆に表記していたのです。
当時はまだビートルズ聴き始めでジョンの声もポールの声も
まだ完全には判別できずに聴いていましたから。
でもどうりで"for no one"と歌ってるな、とは思っていたのですが。
それはともかくこの曲もジョンが好きだとはっきりと言っていて、
ポールの魅力のひとつは小品にあると思うのですが、その先鞭
ともいうべき味わいがある小品に仕上がっていますね。
ホーンの響きが乾いた冷たさを感じさせて曲が生きているのも
ポールの楽器へのセンスの鋭さとマーティンの的確な助言に
よるところが大きいのでしょうね。
切ない曲は僕は大好きです。
Tr11:Dr. Robert
これは・・・あまり言いたくないけど認めざるを得ないクスリ関係の曲。
ずっと先にパブロックがありそうな小気味がよいこじゃれた曲で、
ビートルズの趣味の多彩さを物語っています。
演奏がブレイクしてゆっくりと歌うBメロが童謡みたいな旋律で
ここはすぐに口ずさんでいました。
この曲が面白いのは、最後はフェイドアウトしているようでいて、
よぉ~く聴くと最後まで残るギターの音で曲が終わっているように
聴こえるところですね。
Tr12:I Want To Tell You
(George Harrison)
このアルバムが画期的なのは、ジョージの曲が3曲入っていること。
それは素直にとればジョージが作曲家として成長したのでしょうけど、
先に書いたようにうがった見方をすれば、忙しくてマクレンの曲が
揃わなかった、かといってカバーは入れたくなかった、ということかな。
まあそれはともかくしかしこの曲はビートルズの水準には
十分すぎるくらいに達している魅力的な曲ではありますね。
思い出すのは1991年、ジョージが親友エリック・クラプトンを従えて
行った東京ドームののコンサートで1曲目として演奏されたことで、
僕は飛び上がってよろこびました。
これはあまり言われていないと思うんだけど、ジョージは実は
ギターリフを作るのがうまくて、この曲はその先駆けであり、
ほんとうに自分でギターで弾いていてもカッコいいリフだと思います。
そしてこのアルバムはジョージがギタリストとしてやってゆくための、
挫折と自信を同時に味わったアルバムといえるかもしれません。
Taxmanをポールが弾いた挫折、それを乗り越えるという意気込み。
ジョージは後にスワンプ趣味に走りますが、この曲がそうだとは
言わないけど、これはスワンプ風に演奏してもよさそうですね。
この曲の歌詞で興味深い部分があります。
"Sometimes I wish I new you well,
And I speak my mind and tell you"
高校時代に、"say" "speak" "talk" "tell"の違いを習いましたが、
これはまさにそれを説明している歌詞ですね。
ちなみに"say”は「言う」という一般動作、
"speak"は意味内容はひとまず関係なく言葉に出して話すこと
"talk"は内容があることを複数の人で語り合うこと、そして
"tell"は話すことで相手に分からせること、と習いました。
Tr13:Got To Get You Into My Life
ビートルズのソウルサイドの決定版。
といってビートルズは、周りがそうしていたのとは違い
黒人ぽさを敢えて排除していたのは前にも書きました。
それはマーティンの見識によるものだと思うのですが、
この曲のポールにはソウルはまるで感じません。
ブルーアイドソウルの走りのようなものかもしれないけど、
それにしてもソウルフルというのとは違うポールのがなり声は、
ロックの醍醐味ともいえるスリリングなものです。
アース・ウィンド&ファイアが後にカバーしたのは必然ですかね。
ジョンによれば、ポールもがんばれば歌詞が書けるという、
確かにこの歌詞はある種の哲学的なものを感じます。
まあ、それも言ってしまえばクスリの影響なのですが・・・
「僕は1人だった、ちょっといった、でも何を見つけたか分からない」
だからこの曲もまたビートルズの中でも僕には複雑ですね。
いろんな意味でぶっ飛んだゴキゲンな曲とは言えるでしょう。
Tr14:Tomorrow Never Knows
最後の最後に独特のリズムのきわめて独創的な歌が。
変わったリズムの強いドラムスにこれまたインド風のギターリフが入り、
カモメの声のような音が入った中でジョンが脱力系で歌い始める。
最初に聴いた時、こんな曲が世の中にあっていいのかと思いました。
いや、あるんですけどね(笑)、これはビートルズが真にセンスに
あふれた前進的音楽集団であることを物語る1曲でしょうね。
もう聞き飽きたでしょうけどこれまた歌メロが最高にいいし(笑)。
最後に入るピアノの音、こんな音が出せるのもまたすごい。
ジョンによれば元々は哲学的な重たいタイトルがついていたのが、
リンゴ風の角を取った面白い言い回しにタイトルを変えたのだとか。
この曲は特に今は評価が高いようですね。
写真02のLPジャケットに見える者は実は「はりぼて」で、高校時代に
いつもビートルズのLPを買っていたレコード店の人と仲良くなり、
その人からプレゼントされたものです。
そうそうこのジャケットはビートルズのハンブルグ時代からの友人で、
後にベーシストとしてジョンの片腕となるクラウス・フォアマンが
担当していることはよく知られた話ですね。
クラウスは、ベーシストとしてよりもこの仕事でロック史に
より大きな名前を残すことになるのではないでしょうか。
もうひとつどうでもいい余談。
REVOLVERは"L"と"V"の間に"O"を入れると
REVOLOVERで回文になるんですよね。
右から読んでも左から読んでもREVOLOVER。
でも「リヴォラヴァー」って、買い物をなんでもリボ払いにする人、
なわけなくて、意味がない言葉ですね(笑)。

REVOLVER The Beatles
リヴォルヴァー ザ・ビートルズ (1966)
今年最初のアルバム記事はビートルズにしました。
このアルバムは一度記事にしています。
その記事は、「ジョン・レノン・プレイボーイ・インタビュー」からの
ジョン・レノンの言葉の引用に僕が少しコメントを添えたもので、
僕の思いや考えはまたの機会にと書いていたことをふと思い出し、
それから2年11か月、この記事を上げようと思ったのはそんなところ。
REVOLVERのジョンの言葉の記事はこちらです。
僕はこのアルバムを、ビートルズのLPとしては4枚目、
スタジオ録音のオリジナルアルバムとしては2枚目に買いました。
1981年、中学2年のクリスマスの日に友だちと街に行き、
RUBBER SOULと一緒にステレオ盤LPを買いました。
だから4枚目/2枚目というのは競馬でいえば同着です(笑)。
ビートルズを一緒に聴いていた今でも友だちのO君と街に行き、
これを買って別れてからLPの袋を持って歩いていると雪が降ってきて、
袋の中に雪が入らないように上の口を折って脇の下に抱えて
歩きながら帰宅したことを覚えています。
そして帰宅後すぐにRUBBER SOULを先に聴きましたが、だから、
聴くという点では同着ではなくこちらは5枚目/3枚目となりますね。
曲は何曲か知っていましたが、アルバムとして通して聴くと、
変わった響きの音楽だなと、それが第一印象でした。
一緒に買った前作のRUBBER SOULが最初からすんなりと
心に入ってきたのとは正反対でしたが、考えてみれば、
たった半年かそこらでこれだけ違う響きの音楽を作れたというのも、
ビートルズの創作意欲が極限に向かって上がっていた証拠でしょう。
全体的に芯の強いギターの音がカラカラと鳴っている感じであり、
なんとなくインド風の不思議な響きを随所に感じました。
これをハードロックと言う人はいないと思うけど、ハードロックとは
違う類いのハードな手ごたえの音でした。
まあロックはそもそも内面的にはハードな音楽だと思うから、
そういう点ではロックの中のロックという音なのでしょう。
そんな音に僕は一発で魅了されたのですが、これを聴いて僕は、
元々ハードなロックが大好きな人間らしいことが分かり、それは
後に買ったホワイトアルバムのYer Bluesで決定的となりました。
このアルバムのサウンドは今の世の中においても独創的な響きで
それこそ唯一無二の1枚ではないかと思います。
そんなアルバムを特徴づけているのはやはりギターの音で、これは
ビートルズがギターバンドとして格好がついてきた、ということでしょう。
前作RUBBER SOULではカバー曲を排して、
ビートルズが作曲家集団として格好がついてきたことに続き、
ビートルズというバンドが自信を持ってさらに前に進み始めたのですね。
ギターによるサウンドの可能性を広げたという点でこのアルバムは
ロックの歴史の中でも重要な1枚に違いありません。
そんなサウンドにのせて、ここで聴かれる曲はそれまでの既成概念を
破るような大胆な曲が目白押しで、ロックという音楽の本質的な魅力、
面白さ、ユニークさ、独創性、アイディア、等を存分に楽しめます。
しかも歌がみな素晴らしい、まあ、ビートルズでは当たり前のことだけど。
このアルバムは80年代から評価が高かったと記憶していますが、
1990年代に、グランジというロックの大きな流れが起こり定着した後では
評価がさらに高くなったと僕は感じています。
これは、1990年代になって音楽がギターと歌に回帰したことと、
常識を打ち砕くという感覚がそうさせたのではないかと考えます。
このアルバムでまた感心するのは、ジョージ・マーティンの仕事ぶりです。
マーティンはビートルズにやりたいことをやらせていたけれど、
決して「羽目」は外させない、ある一定の秩序の中にまとめていて、
ビートルズはこうあるべきという確かなヴィジョンがあったのでしょう。
ビートルズの4人もマーティンを先生のように慕っていたということですが、
マーティンはマーティンで彼らのやりたいことと自分の考えの間で
妥協というかたちではなくうまい接点を必ず見つけ出すという姿勢であり、
マーティンの音楽プロデューサーとしての器の大きさを感じます。
つくづく、プロデューサーがジョージ・マーティンではなかったら、
ビートルズはもっと普通のバンドになっていたと思いますね。
ジョージ・マーティンは頭文字がGM、まさにGMの仕事ですね(笑)。
REVOLVERというタイトルは、ビートルズがアメリカ公演の際に
コンサートの警備の警察官が耳栓としてピストルの銃弾を耳に
詰めていたのを見たことからきたという話。
効き目はあるのかな、もちろん試したことなんかないけど。
でもそれがほんとうであれば、その警察官は、
日本であれば目的外使用か何かで処分されるでしょうね(笑)。
曲は明記したもの以外はレノンーマッカートニーの作曲です。
(All songs writtten by Lennon- McCartney execpt as noted)
02

Tr1:Taxman
(George Harrison)
ジョンいわく、ジョージ・ハリスンが「初めて」書いた曲。
実際はそれまで5曲を書いてビートルズとして発表していますが、
ジョンの頭の中ではこれが初めてジョージの「まともな曲」
として響いてきたということかもしれません。
サウンド的にいえばポール・マッカートニーが弾くギターソロがすごい。
インドの影響を受けたという複雑な旋律とリズムのこのソロは
ジョージにはまだまだ力量不足だったのでしょう。
僕はいまだにこれはきちんと弾けないですが、自己弁護すれば(笑)、
僕は普段はエレクトリック・ギターでもアンプをつないでおらず、それでは
音を伸ばす部分が感覚的にうまく再現できないのです。
それにしてもカッコよくてビートルズのギターソロでも屈指のものでしょう。
おまけにポールはベースでもメロディアスで刺激的なフレーズを弾き
曲をしゃきっと立たせています、さすがはポール。
ジョージの歌詞も皮肉屋の真骨頂で、面白い以上に感動しますね。
「君は1で僕は19だ」
その上歌メロが最高にいい、ぜいたくなことをさらっとやってのけた曲。
僕が好きなビートルズの10曲に最後で漏れた曲と書けば、
僕がどれだけこの曲が好きかがお分かりいただけるかと。
Tr2:Eleanor Rigby
ポールが当時付き合っていた彼女の影響でバロック音楽を聴いていて
その影響でクラシカルな演奏を施された曲。
最後はAメロとBメロの対位法で終わるのもクラシックの影響かな。
これは僕が最初にNHK-FMでエアチェックして聴いた1曲で、
ずいぶんと暗い歌だなと思いながらも引かれる部分がありました。
でもその後で洋楽をたくさん聴いて、暗くても案外さらっとしていて、
じとっとしたところがないのがビートルズの特徴かなとも思いました。
ジョンによればポールが「放り投げた」曲を埋め合わせしてなんとか
作った曲というのですが、そうであれば一見ポールらしいこの曲が
ジョンの色もかなり出ていることになり興味深いですね。
Tr3:I'm Only Sleeping
曲の雰囲気って面白くてこれはほんとに眠たくなりますね。
これもどことなくインド風ですね、ジョンの曲だけど、その辺の
イメージの統一感がこのアルバムにはありますね。
最後はギターソロをテープの逆回転で入れていますが、
それがまたインドっぽさに拍車をかけているんだけど、
そうするとインドっぽくなるのは偶然の発見なのかはたまた
意図してそうしたのか、そうだとすれば不思議でもあります。
これはBメロを歌っていると自分でもとろけそうでいいですね(笑)。
Tr4:Love You To
(George Harrison)
ジョージのインド趣味の本格的な出発点。
他の3人は不参加でインドのミュージシャンによる録音。
今考えるとこれはとんでもない大冒険だと思います。
売れっ子で絶頂期だったビートルズが4人とも参加していないのは、
もちろんアルバムの中の曲だからできたことでしょうけど。
まあでもうがった見方をすれば当時は忙しさのきわみで、3人も、
1曲くらいは休めると思って受け入れたのかもしれない(笑)。
いずれにせよそれを許したジョージ・マーティンはさすがですね。
ただし、ジョージのインド音楽についてはよく思っていない人が
世の中には結構いらっしゃるようであるので、この曲については
そこの見方で評価が180度変わるでしょうね。
ケーブルテレビで見た「サタデイ・ナイト・ライヴ」で、ビートルズが
再結成するというコントがあって、その中には各人への条件があり、
ジョージには「インド音楽をしないこと」という条件が付されていました。
でも僕はこの曲は最初から大好きでした。
何も考えずに聴くとものすごく単純に歌メロがいいから。
シタールの音やインド風の響きも僕は肯定派で、この曲は後半の
歌メロの後に入るシタールのフレーズもいつも口ずさんでいます。
「めいくらぁぶお~るでぃろぉんぐ (て~てれて~てれててて~)」
といった具合に(笑)。
ところでこれ、タイトルはLove You Toだけど歌の中では
Love To Youと歌っているのも一癖あるジョージらしいところ。
Tr5:Here, There And Everywhere
まるで埋め合わせのように珠玉のバラードが始まります。
ジョンもポールの中では好きな曲だと書いていたように、この曲は
嫌いという人はいないのではないかと思うくらい。
面白いのはこんなソフトなバラード、普通ならアコースティック・ギターで
演奏したくなりそうなところを、エレクトリック・ギターでやったこと。
いわば逆転の発想、やはりビートルズがビートルズらしいのは
曲を生かすアイディアの素晴らしさであることを実感するとともに、
このアルバムが前進的であることを物語る曲でしょう。
おそらくストラトキャスターを使っているのだと思われますが、彼らは
この少し前にストラトを手に入れて試行錯誤していた頃であるのも
この曲にとっては幸運だったのではないかと。
ポールのまろやかに歌おうとするダブルトラックのヴォーカルが
このギターの強い音に乗ると意思を感じるところが不思議で面白い。
ただしアコースティック・ギターで演奏してもいい感じなんですけどね、
要は曲そのものが素晴らしいということでしょう。
全体の雰囲気やコーラスの入れ方にはかすかに教会音楽の影響が。
でもそれを強いギターの音でいっぱしのロックに仕立て上げています。
Tr6:Yellow Submarine
知名度でいえばビートルズでもトップクラスの曲でしょうね。
ただしビートルズにしては凡庸だという意見も聞きましたが。
この曲はアコースティック・ギターのギターワークが面白くて、
コード進行を弾くだけでも旋律が浮かび上がってきます。
ただし半音下げチューニングが施されていて、レコードに合わせて
弾くのが手間であるのが泣き所かな。
凡庸かもしれないけどアイディア満載で歌メロがいいと、
ビートルズらしい曲であるのは間違いのないところでしょう。
そしてこれはリンゴ・スターが歌うからこそ味がありますね。
Tr7:She Said She Said
これまたイントロと歌の最後に入るギターリフがインド的な響き。
ジョンの曲だけど、このアルバムの頃はバンドとしてのインド音楽への
興味が最高点に達していたのかもしれないでですね。
ハードロック的な音の響きがそそられますね。
Aメロの後半は2つの旋律が絡み合っていてどちらもいい歌メロだし、
Bメロはひとりコーラスに展開するのはダブル・トラック・ヴォーカルの
ひとつの到達点ではないかと。
この曲はアメリカにいた時の休日にプールサイドにいたジョンのところに
ピーター・フォンダがやってきて「僕は死がどんなことかを知っている」
と何度もうるさく言いに来たという体験が基になっていますが、
ピーター・フォンダは男性だけど"She"であるのはその方が劇的に
響くというジョンの計算による脚色でしょう。
僕はこの曲がなぜか大好きでよく口ずさむ歌のひとつです。
フェイドアウトにも使われる歌メロはなぜか爽快感がありますね。
03 よい日の太陽、なのか・・・

Tr8:Good Day Sunshine
というよりいまだにB面1曲目、というほうが僕はしっくりきます(笑)。
それはともかく、ポップソング作曲家としてのポールの真骨頂。
この歌は大きな声で歌っているとひたすら気持ちよくって、
ポールの言葉と音の絡ませ方は天賦の才能であることが分かります。
マーティンによるピアノの小気味よい響きは歌の伴奏として最高で
途中のソロにすっと入って行って盛り上げるのがまた素晴らしい。
でも声だけが残ってフェイドアウトする最後は微妙にほの暗い音で
不安な気持ちになるのはなぜだろう、やはり芸が細かいですね。
僕はこの曲になぜか昔からフレンチポップ的なものを感じるのですが、
どうしてだろう、そういう意識はなかったと思うのですが。
このアルバムでポールはポップソング作曲家として
ひとつもふたつも高い次元に行ったといえるでしょうね。
Tr9:And Your Bird Can Sing
ギターリフのカッコよさではビートルズでもトップクラス!
でも、曲としては多分未完成の類いじゃないのかな。
というのもジョンは例のインタビューでこの曲には触れておらず、
それは、後ろめたいというと大げさだけど何か心に引っかかる
ものがあったのかなと思います。
Aメロ→Bメロ→イントロと同じ間奏の繰り返しで展開もないし。
ただ、だからといって魅力がないなんてとんでもない。
後半のAメロでジョンの歌に被さるポールのコーラス、そのセンス
そしてそのメロディの良さにはぞくぞくします。
ベースも音が遊びまくっていてメロディアスなのはさすがはポール。
鳥好きとしてはもちろん鳥がテーマなのもうれしい。
でもこの鳥は比喩だと思います。
Tr10:For No One
この曲にはちょっとした思い出があります。
まだこのLPを買う前にNHK-FMでビートルズのバラード系の
おとなしい曲が4曲流れたのでエアチェックして聴いていました。
順にIn My Life、Norwegian Wood、For No Oneと
She's Leaving Homeの4曲で、4曲とも気に入りましたが、
特にIn My Lifeがすぐに大好きになりました。
僕がクリスマスに買ったアルバムに4曲のうち3曲が入っているのは
決して偶然ではなく、これらの曲を聴きたかったからです。
先ほどRUBBER SOULを先に聴いたと書きましたが、その2曲目の
Norwegian Woodのところで流れてきた曲が、実は、僕が
For No Oneだと思っていた曲だったのです。
NHKに騙されました。
「FMファン」では2曲目と3曲目を逆に表記していたのです。
当時はまだビートルズ聴き始めでジョンの声もポールの声も
まだ完全には判別できずに聴いていましたから。
でもどうりで"for no one"と歌ってるな、とは思っていたのですが。
それはともかくこの曲もジョンが好きだとはっきりと言っていて、
ポールの魅力のひとつは小品にあると思うのですが、その先鞭
ともいうべき味わいがある小品に仕上がっていますね。
ホーンの響きが乾いた冷たさを感じさせて曲が生きているのも
ポールの楽器へのセンスの鋭さとマーティンの的確な助言に
よるところが大きいのでしょうね。
切ない曲は僕は大好きです。
Tr11:Dr. Robert
これは・・・あまり言いたくないけど認めざるを得ないクスリ関係の曲。
ずっと先にパブロックがありそうな小気味がよいこじゃれた曲で、
ビートルズの趣味の多彩さを物語っています。
演奏がブレイクしてゆっくりと歌うBメロが童謡みたいな旋律で
ここはすぐに口ずさんでいました。
この曲が面白いのは、最後はフェイドアウトしているようでいて、
よぉ~く聴くと最後まで残るギターの音で曲が終わっているように
聴こえるところですね。
Tr12:I Want To Tell You
(George Harrison)
このアルバムが画期的なのは、ジョージの曲が3曲入っていること。
それは素直にとればジョージが作曲家として成長したのでしょうけど、
先に書いたようにうがった見方をすれば、忙しくてマクレンの曲が
揃わなかった、かといってカバーは入れたくなかった、ということかな。
まあそれはともかくしかしこの曲はビートルズの水準には
十分すぎるくらいに達している魅力的な曲ではありますね。
思い出すのは1991年、ジョージが親友エリック・クラプトンを従えて
行った東京ドームののコンサートで1曲目として演奏されたことで、
僕は飛び上がってよろこびました。
これはあまり言われていないと思うんだけど、ジョージは実は
ギターリフを作るのがうまくて、この曲はその先駆けであり、
ほんとうに自分でギターで弾いていてもカッコいいリフだと思います。
そしてこのアルバムはジョージがギタリストとしてやってゆくための、
挫折と自信を同時に味わったアルバムといえるかもしれません。
Taxmanをポールが弾いた挫折、それを乗り越えるという意気込み。
ジョージは後にスワンプ趣味に走りますが、この曲がそうだとは
言わないけど、これはスワンプ風に演奏してもよさそうですね。
この曲の歌詞で興味深い部分があります。
"Sometimes I wish I new you well,
And I speak my mind and tell you"
高校時代に、"say" "speak" "talk" "tell"の違いを習いましたが、
これはまさにそれを説明している歌詞ですね。
ちなみに"say”は「言う」という一般動作、
"speak"は意味内容はひとまず関係なく言葉に出して話すこと
"talk"は内容があることを複数の人で語り合うこと、そして
"tell"は話すことで相手に分からせること、と習いました。
Tr13:Got To Get You Into My Life
ビートルズのソウルサイドの決定版。
といってビートルズは、周りがそうしていたのとは違い
黒人ぽさを敢えて排除していたのは前にも書きました。
それはマーティンの見識によるものだと思うのですが、
この曲のポールにはソウルはまるで感じません。
ブルーアイドソウルの走りのようなものかもしれないけど、
それにしてもソウルフルというのとは違うポールのがなり声は、
ロックの醍醐味ともいえるスリリングなものです。
アース・ウィンド&ファイアが後にカバーしたのは必然ですかね。
ジョンによれば、ポールもがんばれば歌詞が書けるという、
確かにこの歌詞はある種の哲学的なものを感じます。
まあ、それも言ってしまえばクスリの影響なのですが・・・
「僕は1人だった、ちょっといった、でも何を見つけたか分からない」
だからこの曲もまたビートルズの中でも僕には複雑ですね。
いろんな意味でぶっ飛んだゴキゲンな曲とは言えるでしょう。
Tr14:Tomorrow Never Knows
最後の最後に独特のリズムのきわめて独創的な歌が。
変わったリズムの強いドラムスにこれまたインド風のギターリフが入り、
カモメの声のような音が入った中でジョンが脱力系で歌い始める。
最初に聴いた時、こんな曲が世の中にあっていいのかと思いました。
いや、あるんですけどね(笑)、これはビートルズが真にセンスに
あふれた前進的音楽集団であることを物語る1曲でしょうね。
もう聞き飽きたでしょうけどこれまた歌メロが最高にいいし(笑)。
最後に入るピアノの音、こんな音が出せるのもまたすごい。
ジョンによれば元々は哲学的な重たいタイトルがついていたのが、
リンゴ風の角を取った面白い言い回しにタイトルを変えたのだとか。
この曲は特に今は評価が高いようですね。
写真02のLPジャケットに見える者は実は「はりぼて」で、高校時代に
いつもビートルズのLPを買っていたレコード店の人と仲良くなり、
その人からプレゼントされたものです。
そうそうこのジャケットはビートルズのハンブルグ時代からの友人で、
後にベーシストとしてジョンの片腕となるクラウス・フォアマンが
担当していることはよく知られた話ですね。
クラウスは、ベーシストとしてよりもこの仕事でロック史に
より大きな名前を残すことになるのではないでしょうか。
もうひとつどうでもいい余談。
REVOLVERは"L"と"V"の間に"O"を入れると
REVOLOVERで回文になるんですよね。
右から読んでも左から読んでもREVOLOVER。
でも「リヴォラヴァー」って、買い物をなんでもリボ払いにする人、
なわけなくて、意味がない言葉ですね(笑)。
Posted by guitarbird at 20:54
│Beatles