2015年07月01日
You Don't Know How It Feels トム・ペティ
01
You Don't Know How It Feels
Tom Petty
ユー・ドント・ノウ・ハウ・イット・フィールズ
トム・ペティ
released in 1994 from the album WILDFLOWERS
今日は1曲の話をします。
トム・ペティ You Don't Know How It Feels。
最近よく口ずさんでいる曲、先ずは映像から。
先日、MTVで、「1995年Top30」という番組を放送していました。
当時、アメリカのMTVでビデオクリップのTop20番組があり
(今でもあるのかな)、日本でも放送れていて、
ちょうど僕が帰宅した後の時間だったので、毎週観ていました。
今回の番組はその年のTop30を振り返るというもの。
トム・ペティのこの曲は24位で、そういえば当時ほぼ毎日MTVで
流れていたなあと懐かしく思い出しました。
と同時に、24位ってかなり高いなあ、と。
ビルボード誌のシングルチャートでは最高位13位と、大ヒットと
いえるかどうか微妙な位置までしか上がらなかったのですが、
ビデオは受けた、ということですね。
ビデオクリップの内容については後で話しますが、
曲はポップな上に、映像として面白いですよね。
久し振りに観てはまりました。
この曲のビデオクリップがそれだけ受けた流れを考えてみました。
ひとつ。
この前年に出たトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの
ベスト盤用の新曲Mary Jane's Last Danceの
ビデオクリップが受け、シングルも大ヒットしたこと。
トムが孤独な吸血鬼に扮し、キム・ベイシンガーを愛する
ホラー仕立てのあれですね。
これでトム達のビデオクリップは面白いと評判になった。
もっとも、それ以前に、トム達のMCAからの最後のアルバム
INTO THE GREAT WIDE OPENでもビデオクリップに
力を入れていたので、そういう流れはあったのでしょう。
余談ですが、以前、トム・ペティはなぜ日本では人気がないかを
考えた記事の際、Mary Jane's Last Danceはどうやら
日本でいちばん知名度が高い曲であることが分かりましたが、
それほどのインパクトが、アメリカのみならず日本でもあったようですね。
もうひとつ。
トム達はそのベスト盤を最後にWarner Brothersに移籍し、
この曲が入ったソロ名義のアルバムWILDFLOWERSは、
移籍後初めてリリースされたトム達のCDだった。
Warnerもトム達を迎えるに当たり、プロモーションに
力を入れたことは想像に難くない。
セールス活動のみならず、ビデオクリップの出来としても、
そのことが感じられます。
ここで一度話が逸れます。
02
03
04
05
今年も買いました、ブランド苗「ペティ」、4色。
上から、黄色、青紫、赤、赤紫。
僕の「ペティ」のイメージは黄色ですね。
トムのソロ作にFULL MOON FEVERがあるし、
今回取り上げた曲にも"moonlight ride"という歌詞がある。
花がしぼむと花を摘み取るを繰り返すと、
秋まで長く花が見られる、僕の密かな楽しみです。
さあ本題に戻って、そのクリップをここで観て聴いてください。
マイクに向かって歌うトム。
ハーモニカを首にさげ、モスグリーンのカウボーイハットを被り、
ギターを弾いてフォーク歌手気取り。
青いシャツが印象的、僕もこの色大好き。
胸から下が見えない。
トムはカメラを見つめ、微笑むでもなく、硬直するでもなく、
自然な表情で歌う。
映像はトムを中心にぐるぐると回っている。
トムの周りで世界が回っているかのように。
しかし、トムの後ろの世界がなんだかおかしい。
ジャグリングする人、鞭をふるう男性、宙吊りでぐるぐる回る女性、
大道芸人御一行でしょうか。
部屋でいちゃいちゃする若い男女、花に水を撒いて育てるように
女性を扱う老人、はたまた射撃練習場の風景。
退廃的な、でもどこか間の抜けた、そんなイメージ。
それらが、アウトフォーカスの上に狭い画角で、ちらりとしか見えない。
先ずこれら、想像力を掻き立てられてる。
この曲、明るい響きだけど、今の自分ではない自分を求めたい、
と、僕には解釈できます。
1番、2番、3番それぞれ別の情景描写になっているけれど、
それらはまるで俳句のように短く描かれるだけ。
サビではそれに対して何かしようと言いつつも、
僕の気持ちなんて分からないだろうね、とある種の厭世観が漂う。
だけどなぜか明るい。
ある男が「失恋」した話なのになぜだか明るくポジティヴなメッセージを
感じるイーグルスのNew Kid In Townにつながるものがあります。
ビデオクリップは、そんな内容にぴったり寄り添っています。
2'24"、間奏に入るとカメラが少し上を向く。
銀行のようだけど、ううん、これはいけないものを見てしまった・・・
少しだけ上に振るのが、飽きさせない見せ方でうまいですね。
2'34"、間奏のギターソロを弾くトム。
僕は当時、このシーンである意味衝撃を受けました。
話とは関係ない、トム自身について。
弾いているギターはなんと、ギブソン・ファイアーバードだった!
胸から下が見えない中、この曲のイメージからすると、
アコースティックギターを弾いていたのだと思い込んでいた、
ハーモニカも提げていることだし。
エレクトリックギターである、先ずそこが意表をついている。
さらにファイアーバードとは。
エレクトリックギターであるにしても、やはり曲やトム自身のイメージから、
ストラトキャスター、次にレスポール、テレキャスターもありかな、
くらいしかイメージできない。
ファイアーバードを使っている人を、当時の僕はほとんど知らなかった。
あの(申し訳ないけど)マイナーなギターを弾いていたなんて!
トム・ペティは、"I was born to rebel"、反骨心、
すかしたところがカッコいいですよね。
ギター青年だった僕は、とにかく目をむいて驚いたものでした。
よく見ると、2'05"のところでちらりと写るので、
この部分が初めてではないのですが、念のため。
このクリップを観て以来、ファイアーバードは
密かに欲しいギターの1本になりました。
数年前、近くの中古ギター屋さんに、あったんです、
ファイアーバード、Gibsonの、89000円で。
迷いました。
お財布と相談という意味もあるけれど、中古にしても安すぎないか
というかすかな不安もあって。
2日後、ファイアーバードはもうそこにいませんでした。
売れないだろうとタカをくくっていたのですが、見る人は見るんですね。
今回このクリップを久し振りに見て、ああ、買っておけばよかった、と・・・
さてこのクリップ、作り物だと分かっているのに、妙なライヴ感がある。
例えば1'23"の辺り、歌と歌の間にハーモニカが入る部分、
ちゃんとトムは吹いてから歌う。
2'40"、ギターソロの後ハーモニカを吹いて歌に入るところは、
ほとんど息継ぎなしで、無理してるなあと思いつつ、
そういうトムがなんだか愛おしい。
ギターソロは実際録音ではマイク・キャンベルが弾いている、
いわばトムは「エアギター」だ、なんてことも、言わない、言わない(笑)。
「ライヴ感」はトム達の魅力でもあるから、そういう意識はうれしい。
でも、その後、「背景」にいた背が高くて「姉御」風の美女が
トムに後ろから歩み寄る。
どうやら彼女は歌いたいらしい。
表情を変えないようん努めつつどこかびくびくしながら後退して
マイクを譲るトムが可笑しい。
そして彼女は歌い出す。
まあビデオクリップだから当たり前ですが、
口パクと分からせるのが親切というか。
口パクは違う、という部分と、そういう演出はそれはそれで
楽しんでいることも分かります
しかも彼女は大きく胸がはだけたドレス。
そこについつい目が行ってしまうが、谷間がちゃんと
マイクスタンドの陰に隠れている・・・ううん、残念(笑)。
ちょっとしたギミック、面白いですよね。
3'07"、曲がサビのコーラスになるとトムが
画面向かって左から急にコーラスをつけに入る。
その時のトムの嬉しそうな表情といったら、
ここでは初めて見せるものですね。
右から消えたのに左から戻ってくる、
このクリップはちょっとした演出が上手い。
で、で、トムが入ることにより女性が右にずれ、
彼女の谷間が見える、これはサービスか!?
3'21"、彼女が諦めたのか後ろに下がり、トムがまたひとりで歌う。
本当に嬉しそう。
3'31"、トムは戻って来てから画面に対し正対ではなく左肩を前に
歌っていたけれど、それはマイクより前側に入ったからであり、
ここでギターのネックを持ち上げてマイクをまたいで成体に戻る、
という動きも自然で説得力があります。
3'51"で銀行の壁が倒れ、カウンターで男女3人の客が待っている。
そうか、二階での行いは勤務中、二重にいけないことをしていたんだ。
長いアウトロは、トムの一人芸が堪能できる。
ファイアーバードも大サービス。
ハーモニカに入るのが相変わらず急すぎる(笑)。
4'34"、トムは画面左から消え、照明も落ち、
マイクだけが画面に残って終わる。
ビデオクリップって、大作風のものもあれば、
アーティストの何気ない姿を写すものもある。
これは何気ないものだけど、実は、かなり練り込んだアイディアが
投入されていることが分かる。
今観ても飽きない、新鮮。 僕がトムが大大大好きであることを
1万歩譲っても、これは、誰でも楽しめるクリップだと思います。
05
曲の話の補足も少し。
この曲、アコースティックギターで演奏されるイメージを受けるけれど、
実は、サビのところでアクセント程度にしか入っていない。
伝統的なフォークのスタイルではない、その感覚が新しい。
その結果、音に隙間があって印象に残りやすい。
スティーヴ・フェローンのドラムスが強いのも、
かえってその隙間を効果的に感じさせる。
そしてベンモント・テンチのエレピがいい。
特に、最後にその音だけ残るところが。
このアルバムの記事で書いたけれど、リック・ルービンの音作り、
強い音なのにまろやかに感じさせる「魔術」が活きた音。
いいなあ、やっぱり。
実は今回、このクリップをあらためて観て、この曲のシングルCDを
持っていないことを思い出し、欲しくなって中古で探しました。
ありました、31円、+送料で400円以下で手に入りました。
やっぱり、大好きな曲のシングルは持っていたいんだなあ。
シングルCDにはアルバム未収録曲が1曲。
Girl On L.S.D.、これは聴いたことがなかった、それも嬉しい。
イントロがちょっとだけAmerican Girlを彷彿とさせるもので、
跳ねたリズムだけど途中トーンダウンし、トムが独特の口調で
語るように歌う曲。
まあいかにも「B面曲」、アルバムに入らなかったのは分かる
というものですが、聴いた瞬間、アルバムの曲とは
音の響きそのものが違うと感じました。
リック・ルービンはこの曲にどこまで関わっているのか、
関わっていないんじゃないかな。
あらためてリック・ルービンの「魔術」が、この曲からもよく分かりました。
シングルCDのもう1曲はHouse In The Wood「森の家」ですね。
これもやっぱりいいなあ、特にアタックの強いギターのオブリガート、
それでいてやっぱり優しさとまろやかさを感じる響き。
クリップでいえばもうひとつ、今はこうしたベテランによる普通の
ロック系がシングルチャートでは上がって来ない世の中になったので、
この曲が、ビデオとはいえチャート上位に来ていた、
そんな時代のことも懐かしく思い出しました。
この曲が入ったアルバムWILDFLOWERS(記事こちら)も
僕はトム達のすべてのアルバムでいちばん好きなのです。
そしてこの曲、アルバム自体をたくさん聴き込んだ上に、
ビデオクリップもよく観ていたので、トム達の中では、
僕が今までいちばん多く聴いた曲でしょうね。
さて、アルバムの他の曲のシングルCDはどうしようかな、
というのが新たな悩みになりました(笑)。
07
今日はマーサが主役。
でも、そうか、この曲だから「ハウ」を中心にすべきでしたかね。
You Don't Know How It Feels
Tom Petty
ユー・ドント・ノウ・ハウ・イット・フィールズ
トム・ペティ
released in 1994 from the album WILDFLOWERS
今日は1曲の話をします。
トム・ペティ You Don't Know How It Feels。
最近よく口ずさんでいる曲、先ずは映像から。
先日、MTVで、「1995年Top30」という番組を放送していました。
当時、アメリカのMTVでビデオクリップのTop20番組があり
(今でもあるのかな)、日本でも放送れていて、
ちょうど僕が帰宅した後の時間だったので、毎週観ていました。
今回の番組はその年のTop30を振り返るというもの。
トム・ペティのこの曲は24位で、そういえば当時ほぼ毎日MTVで
流れていたなあと懐かしく思い出しました。
と同時に、24位ってかなり高いなあ、と。
ビルボード誌のシングルチャートでは最高位13位と、大ヒットと
いえるかどうか微妙な位置までしか上がらなかったのですが、
ビデオは受けた、ということですね。
ビデオクリップの内容については後で話しますが、
曲はポップな上に、映像として面白いですよね。
久し振りに観てはまりました。
この曲のビデオクリップがそれだけ受けた流れを考えてみました。
ひとつ。
この前年に出たトム・ペティ&ザ・ハートブレイカーズの
ベスト盤用の新曲Mary Jane's Last Danceの
ビデオクリップが受け、シングルも大ヒットしたこと。
トムが孤独な吸血鬼に扮し、キム・ベイシンガーを愛する
ホラー仕立てのあれですね。
これでトム達のビデオクリップは面白いと評判になった。
もっとも、それ以前に、トム達のMCAからの最後のアルバム
INTO THE GREAT WIDE OPENでもビデオクリップに
力を入れていたので、そういう流れはあったのでしょう。
余談ですが、以前、トム・ペティはなぜ日本では人気がないかを
考えた記事の際、Mary Jane's Last Danceはどうやら
日本でいちばん知名度が高い曲であることが分かりましたが、
それほどのインパクトが、アメリカのみならず日本でもあったようですね。
もうひとつ。
トム達はそのベスト盤を最後にWarner Brothersに移籍し、
この曲が入ったソロ名義のアルバムWILDFLOWERSは、
移籍後初めてリリースされたトム達のCDだった。
Warnerもトム達を迎えるに当たり、プロモーションに
力を入れたことは想像に難くない。
セールス活動のみならず、ビデオクリップの出来としても、
そのことが感じられます。
ここで一度話が逸れます。
02
03
04
05
今年も買いました、ブランド苗「ペティ」、4色。
上から、黄色、青紫、赤、赤紫。
僕の「ペティ」のイメージは黄色ですね。
トムのソロ作にFULL MOON FEVERがあるし、
今回取り上げた曲にも"moonlight ride"という歌詞がある。
花がしぼむと花を摘み取るを繰り返すと、
秋まで長く花が見られる、僕の密かな楽しみです。
さあ本題に戻って、そのクリップをここで観て聴いてください。
マイクに向かって歌うトム。
ハーモニカを首にさげ、モスグリーンのカウボーイハットを被り、
ギターを弾いてフォーク歌手気取り。
青いシャツが印象的、僕もこの色大好き。
胸から下が見えない。
トムはカメラを見つめ、微笑むでもなく、硬直するでもなく、
自然な表情で歌う。
映像はトムを中心にぐるぐると回っている。
トムの周りで世界が回っているかのように。
しかし、トムの後ろの世界がなんだかおかしい。
ジャグリングする人、鞭をふるう男性、宙吊りでぐるぐる回る女性、
大道芸人御一行でしょうか。
部屋でいちゃいちゃする若い男女、花に水を撒いて育てるように
女性を扱う老人、はたまた射撃練習場の風景。
退廃的な、でもどこか間の抜けた、そんなイメージ。
それらが、アウトフォーカスの上に狭い画角で、ちらりとしか見えない。
先ずこれら、想像力を掻き立てられてる。
この曲、明るい響きだけど、今の自分ではない自分を求めたい、
と、僕には解釈できます。
1番、2番、3番それぞれ別の情景描写になっているけれど、
それらはまるで俳句のように短く描かれるだけ。
サビではそれに対して何かしようと言いつつも、
僕の気持ちなんて分からないだろうね、とある種の厭世観が漂う。
だけどなぜか明るい。
ある男が「失恋」した話なのになぜだか明るくポジティヴなメッセージを
感じるイーグルスのNew Kid In Townにつながるものがあります。
ビデオクリップは、そんな内容にぴったり寄り添っています。
2'24"、間奏に入るとカメラが少し上を向く。
銀行のようだけど、ううん、これはいけないものを見てしまった・・・
少しだけ上に振るのが、飽きさせない見せ方でうまいですね。
2'34"、間奏のギターソロを弾くトム。
僕は当時、このシーンである意味衝撃を受けました。
話とは関係ない、トム自身について。
弾いているギターはなんと、ギブソン・ファイアーバードだった!
胸から下が見えない中、この曲のイメージからすると、
アコースティックギターを弾いていたのだと思い込んでいた、
ハーモニカも提げていることだし。
エレクトリックギターである、先ずそこが意表をついている。
さらにファイアーバードとは。
エレクトリックギターであるにしても、やはり曲やトム自身のイメージから、
ストラトキャスター、次にレスポール、テレキャスターもありかな、
くらいしかイメージできない。
ファイアーバードを使っている人を、当時の僕はほとんど知らなかった。
あの(申し訳ないけど)マイナーなギターを弾いていたなんて!
トム・ペティは、"I was born to rebel"、反骨心、
すかしたところがカッコいいですよね。
ギター青年だった僕は、とにかく目をむいて驚いたものでした。
よく見ると、2'05"のところでちらりと写るので、
この部分が初めてではないのですが、念のため。
このクリップを観て以来、ファイアーバードは
密かに欲しいギターの1本になりました。
数年前、近くの中古ギター屋さんに、あったんです、
ファイアーバード、Gibsonの、89000円で。
迷いました。
お財布と相談という意味もあるけれど、中古にしても安すぎないか
というかすかな不安もあって。
2日後、ファイアーバードはもうそこにいませんでした。
売れないだろうとタカをくくっていたのですが、見る人は見るんですね。
今回このクリップを久し振りに見て、ああ、買っておけばよかった、と・・・
さてこのクリップ、作り物だと分かっているのに、妙なライヴ感がある。
例えば1'23"の辺り、歌と歌の間にハーモニカが入る部分、
ちゃんとトムは吹いてから歌う。
2'40"、ギターソロの後ハーモニカを吹いて歌に入るところは、
ほとんど息継ぎなしで、無理してるなあと思いつつ、
そういうトムがなんだか愛おしい。
ギターソロは実際録音ではマイク・キャンベルが弾いている、
いわばトムは「エアギター」だ、なんてことも、言わない、言わない(笑)。
「ライヴ感」はトム達の魅力でもあるから、そういう意識はうれしい。
でも、その後、「背景」にいた背が高くて「姉御」風の美女が
トムに後ろから歩み寄る。
どうやら彼女は歌いたいらしい。
表情を変えないようん努めつつどこかびくびくしながら後退して
マイクを譲るトムが可笑しい。
そして彼女は歌い出す。
まあビデオクリップだから当たり前ですが、
口パクと分からせるのが親切というか。
口パクは違う、という部分と、そういう演出はそれはそれで
楽しんでいることも分かります
しかも彼女は大きく胸がはだけたドレス。
そこについつい目が行ってしまうが、谷間がちゃんと
マイクスタンドの陰に隠れている・・・ううん、残念(笑)。
ちょっとしたギミック、面白いですよね。
3'07"、曲がサビのコーラスになるとトムが
画面向かって左から急にコーラスをつけに入る。
その時のトムの嬉しそうな表情といったら、
ここでは初めて見せるものですね。
右から消えたのに左から戻ってくる、
このクリップはちょっとした演出が上手い。
で、で、トムが入ることにより女性が右にずれ、
彼女の谷間が見える、これはサービスか!?
3'21"、彼女が諦めたのか後ろに下がり、トムがまたひとりで歌う。
本当に嬉しそう。
3'31"、トムは戻って来てから画面に対し正対ではなく左肩を前に
歌っていたけれど、それはマイクより前側に入ったからであり、
ここでギターのネックを持ち上げてマイクをまたいで成体に戻る、
という動きも自然で説得力があります。
3'51"で銀行の壁が倒れ、カウンターで男女3人の客が待っている。
そうか、二階での行いは勤務中、二重にいけないことをしていたんだ。
長いアウトロは、トムの一人芸が堪能できる。
ファイアーバードも大サービス。
ハーモニカに入るのが相変わらず急すぎる(笑)。
4'34"、トムは画面左から消え、照明も落ち、
マイクだけが画面に残って終わる。
ビデオクリップって、大作風のものもあれば、
アーティストの何気ない姿を写すものもある。
これは何気ないものだけど、実は、かなり練り込んだアイディアが
投入されていることが分かる。
今観ても飽きない、新鮮。 僕がトムが大大大好きであることを
1万歩譲っても、これは、誰でも楽しめるクリップだと思います。
05
曲の話の補足も少し。
この曲、アコースティックギターで演奏されるイメージを受けるけれど、
実は、サビのところでアクセント程度にしか入っていない。
伝統的なフォークのスタイルではない、その感覚が新しい。
その結果、音に隙間があって印象に残りやすい。
スティーヴ・フェローンのドラムスが強いのも、
かえってその隙間を効果的に感じさせる。
そしてベンモント・テンチのエレピがいい。
特に、最後にその音だけ残るところが。
このアルバムの記事で書いたけれど、リック・ルービンの音作り、
強い音なのにまろやかに感じさせる「魔術」が活きた音。
いいなあ、やっぱり。
実は今回、このクリップをあらためて観て、この曲のシングルCDを
持っていないことを思い出し、欲しくなって中古で探しました。
ありました、31円、+送料で400円以下で手に入りました。
やっぱり、大好きな曲のシングルは持っていたいんだなあ。
シングルCDにはアルバム未収録曲が1曲。
Girl On L.S.D.、これは聴いたことがなかった、それも嬉しい。
イントロがちょっとだけAmerican Girlを彷彿とさせるもので、
跳ねたリズムだけど途中トーンダウンし、トムが独特の口調で
語るように歌う曲。
まあいかにも「B面曲」、アルバムに入らなかったのは分かる
というものですが、聴いた瞬間、アルバムの曲とは
音の響きそのものが違うと感じました。
リック・ルービンはこの曲にどこまで関わっているのか、
関わっていないんじゃないかな。
あらためてリック・ルービンの「魔術」が、この曲からもよく分かりました。
シングルCDのもう1曲はHouse In The Wood「森の家」ですね。
これもやっぱりいいなあ、特にアタックの強いギターのオブリガート、
それでいてやっぱり優しさとまろやかさを感じる響き。
クリップでいえばもうひとつ、今はこうしたベテランによる普通の
ロック系がシングルチャートでは上がって来ない世の中になったので、
この曲が、ビデオとはいえチャート上位に来ていた、
そんな時代のことも懐かしく思い出しました。
この曲が入ったアルバムWILDFLOWERS(記事こちら)も
僕はトム達のすべてのアルバムでいちばん好きなのです。
そしてこの曲、アルバム自体をたくさん聴き込んだ上に、
ビデオクリップもよく観ていたので、トム達の中では、
僕が今までいちばん多く聴いた曲でしょうね。
さて、アルバムの他の曲のシングルCDはどうしようかな、
というのが新たな悩みになりました(笑)。
07
今日はマーサが主役。
でも、そうか、この曲だから「ハウ」を中心にすべきでしたかね。
この記事へのコメント
私もテレキャスターとばかっかり思ってましたる(≧∇≦)
私にはレスポールのイメージさえ無いでするよ(^。^)
懐かしいビデオクリップでするね(^。^)
保存版でするよ(^。^)
私にはレスポールのイメージさえ無いでするよ(^。^)
懐かしいビデオクリップでするね(^。^)
保存版でするよ(^。^)
Posted by slowlife at 2015年07月01日 22:25
slowlifeさん、こんばんわ
やっぱりそうですよね!
レス・ポールは確かにあまりイメージないですが、それでも
意表を突くとすればそこまでかな、と当時思いました。
やられましたね(笑)。
このビデオクリップほんといいですよね、名作と言っていいかと。
やっぱりそうですよね!
レス・ポールは確かにあまりイメージないですが、それでも
意表を突くとすればそこまでかな、と当時思いました。
やられましたね(笑)。
このビデオクリップほんといいですよね、名作と言っていいかと。
Posted by guitarbird at 2015年07月01日 22:34
guitar birdさん、こんばんは。
ご無沙汰してます。
あれは遡ること、先月のお話になりますが…
ブラックサンダーのホワイトバージョン!
何と、有楽製菓の札幌工場があるらしく、道内では新千歳空港などで販売されてるらしいです。
こちらの都合で、伝達が遅くなってしまいましたm(_ _)m
話は変わって、先週末にデニーロが主演のザ・ファンという映画をみたのですが、作品内でストーンズの曲が4曲も使用されてましたよ。
その次の日に、FMを聴いていたらまたまた些細な偶然で、タクシードライバーのメインテーマが流れていたので、先週の土日はデニーロ三昧の週末でした(笑)
ちなみに、映画での使用曲は
1 SYMATHY FOR DEVIL
2 START ME UP
3 GIMME SHELTER
4 SHAT TERED
何でも、主人公がストーンズが好きな設定らしいので。
残念ながら、彼らの曲だけは大人の事情とやらで、サントラには入っていないそうですが…。
追伸:ハウちゃんのショットがなかなか出てこなかったので、どうしたのかと思っていたら最後にあったので安心しました。
ピッチは、長期で楽しめる種類なんですね。
ハウちゃん達もかわいいですが、お花もかわいくて癒やされますね。
ご無沙汰してます。
あれは遡ること、先月のお話になりますが…
ブラックサンダーのホワイトバージョン!
何と、有楽製菓の札幌工場があるらしく、道内では新千歳空港などで販売されてるらしいです。
こちらの都合で、伝達が遅くなってしまいましたm(_ _)m
話は変わって、先週末にデニーロが主演のザ・ファンという映画をみたのですが、作品内でストーンズの曲が4曲も使用されてましたよ。
その次の日に、FMを聴いていたらまたまた些細な偶然で、タクシードライバーのメインテーマが流れていたので、先週の土日はデニーロ三昧の週末でした(笑)
ちなみに、映画での使用曲は
1 SYMATHY FOR DEVIL
2 START ME UP
3 GIMME SHELTER
4 SHAT TERED
何でも、主人公がストーンズが好きな設定らしいので。
残念ながら、彼らの曲だけは大人の事情とやらで、サントラには入っていないそうですが…。
追伸:ハウちゃんのショットがなかなか出てこなかったので、どうしたのかと思っていたら最後にあったので安心しました。
ピッチは、長期で楽しめる種類なんですね。
ハウちゃん達もかわいいですが、お花もかわいくて癒やされますね。
Posted by 一関西人 at 2015年07月02日 00:00
何かディラン風の演奏スタイルとリズムも懐かしくて自然に惹き込まれるも
自分なりの表現に徹してて、思わずニンマリです。
いい意味で頑固ですよね。トム・ぺティは。
珍しくハウ母さんも、まっすぐ見てくれてますね。
自分なりの表現に徹してて、思わずニンマリです。
いい意味で頑固ですよね。トム・ぺティは。
珍しくハウ母さんも、まっすぐ見てくれてますね。
Posted by matsu at 2015年07月02日 19:31
一関西人さん、こんばんわ
ブラックサンダーのホワイト版の情報ありがとうございます。
空港は自分が東京に行った時以外も年に1度か2度行きますが、
探せば市内のお土産店でもあるかもしれないと思いました。
ちなみに、あの記事を上げた後、本物の「ブラックサンダー」を
遅ればせながら初めて食べました(笑)。
デ・ニーロ主演の「ザ・ファン」は私も観たことがあります。
が、申し訳ない、ストーンズの曲を使っていたことは
まったく忘れていました・・・
でも、リストを見て、Shatteredが使われていたのは思い出しました。
実は私は、その映画でいちばん印象に残っているのが、
アーロン・ネヴィルの国歌斉唱のシーンなのです。
あのハイトーンで国家を歌う、というのが、私がアーロンの
大ファンであることも含めて嬉しかったです。
ハウはいい表情が撮れると後になることが多いのですよ(笑)。
まあでも、出てくる順番はいろいろ考えています。
今日上げた記事はマーサを最後にしました。
花は確かに、朝起きた後、帰宅した時花を見ると、
家だなあ、としみじみ思います。
ペティは宿根ではないのが残念ですが、今のところ
毎年買えているので、毎年の楽しみです。
ブラックサンダーのホワイト版の情報ありがとうございます。
空港は自分が東京に行った時以外も年に1度か2度行きますが、
探せば市内のお土産店でもあるかもしれないと思いました。
ちなみに、あの記事を上げた後、本物の「ブラックサンダー」を
遅ればせながら初めて食べました(笑)。
デ・ニーロ主演の「ザ・ファン」は私も観たことがあります。
が、申し訳ない、ストーンズの曲を使っていたことは
まったく忘れていました・・・
でも、リストを見て、Shatteredが使われていたのは思い出しました。
実は私は、その映画でいちばん印象に残っているのが、
アーロン・ネヴィルの国歌斉唱のシーンなのです。
あのハイトーンで国家を歌う、というのが、私がアーロンの
大ファンであることも含めて嬉しかったです。
ハウはいい表情が撮れると後になることが多いのですよ(笑)。
まあでも、出てくる順番はいろいろ考えています。
今日上げた記事はマーサを最後にしました。
花は確かに、朝起きた後、帰宅した時花を見ると、
家だなあ、としみじみ思います。
ペティは宿根ではないのが残念ですが、今のところ
毎年買えているので、毎年の楽しみです。
Posted by guitarbird at 2015年07月02日 22:16
matsuさん、こんばんわ
そうですねトムはいい意味で頑固。
そこは人間としても見習っている私です(笑)。
それとトムは「人を喰う」という表現がこれほどぴったりくる
人はいない、というキャラクターでもありますね。
ハウは、撮る側がもう少し根気があれば、もっと正面を
向いた写真が増えるのですが(笑)。
そうですねトムはいい意味で頑固。
そこは人間としても見習っている私です(笑)。
それとトムは「人を喰う」という表現がこれほどぴったりくる
人はいない、というキャラクターでもありますね。
ハウは、撮る側がもう少し根気があれば、もっと正面を
向いた写真が増えるのですが(笑)。
Posted by guitarbird at 2015年07月02日 22:18