2013年04月30日
最近買った新譜CDをさらりと2013年4月
01

新譜さらりと紹介記事です。
今月は5枚、早速いきます。
☆1枚目
WHAT ABOUT NOW
Bon Jovi
ボン・ジョヴィの新譜は、「どこかで聴いたことある感」が
ますます強化され、もはや芸の域に達しているといっていい。
こんな曲どこかにあったよなあ、でも絶対に思い出せない、
心の中のそんな場所にアプローチしてくる音。
だからもちろん曲が覚えやすくすぐに親しめる。
それはアップでもスロウでもまったく変わらない。
もはや安心印、いい意味で、なんだかほっとする。
カントリーを経験したことが色濃く反映されていて、ある意味
今のアメリカンロックの真ん中辺りにいるのかもしれない音。
実際、アコーティックでカントリー調の曲もあるし。
Amenは感動的な曲で、これを歌えるジョンもまた素晴らしい。
僕の場合は、何かをする合間や出かける前などに
小一時間ほど時間がある時にさらっとかけるといい感じです。
あ、ボーナストラック全部聴くと1時間では終わらないけれど(笑)。
でも、ひとつだけ個人的に残念なのは、アートワーク。
いろいろなメッセージを読み取ることはできるんだけど、
黄土色を基調とした色使いが僕はちょっと、と、思いました。
ただ、あまりない色使いだから個性的ともいえるのでしょうけど。
☆2枚目
Anthems
Anthrax
アンスラックスのこれはカヴァー曲6曲とオリジナル2曲の
EP扱いですが、これが気に入ったので取り上げました。
カヴァー曲を書きだします。
Anthem ラッシュ
T.N.T. AC/DC
Smokin' ボストン
Keep On Runnin' ジャーニー
Big Eyes チープ・トリック
Jailbreak シン・リジィ
ジャーニーだけ80年代に入っているけれど他は70年代。
チープ・トリックの曲だけよく覚えていなかったけど他はおなじみ。
どれもアンスラックスの色に合っていてタイトな演奏が素晴らしい。
特にボストンのSmokin'は、あまり取り上げられない曲だけど、
こんなにいい曲だったかとオリジナルを再評価もしました。
ジャーニーも、かの名盤Escapeから、やはり有名どころではない
この曲を持ってきたセンスがいい。
AC/DCとシン・リジィはオリジナルに割と忠実だけど、
そもそも曲をどうこうする曲じゃないからこれでいい。
ラッシュの曲も、ハードロックな部分を最大限に引き出しています。
そしてオリジナルのCrawl、前作に入っていたものを入れ直した
ものだけど、この中にあってもひけをとらないくらいのいい曲で、
それがいちばん驚きました、彼らもいい曲書くんだなあって。
予想外、想定外ともいっていい素晴らしい内容でした。
☆3枚目
HEAVEN IN THIS HELL
Orianthi
オリアンティ、そろそろ、あのマイケル・ジャクソンの、という
枕詞が取れてきているのかな。
3枚目のアルバム、最初から買って聴いているけれど、
今回は歌が上手くなったと感じました。
別に最初は下手だったとは思わないけれど、声の出し方が
安定してきたというか、ただカッコつけるだけ以上になったというか。
多分これは年齢的なものも考えると当たり前のことなのでしょうね。
ギタープレイは相変わらず、というかこちらも進化しているようで、
タイミングよく飛び込んできて曲を支配してしまう力はすごい。
さすがにこの年代は1990年代を経て音が整理されているとはいえ、
1980年代の贅肉たっぷりのHR/HMの系統に立ったこの手の音楽を
今に聴かせてくれるのは、その年代の人間にはうれしい限り。
曲もハードからスロウから、もはや王道路線といっていい。
若くしてあまり安定されても困るけど、でもそういう路線で
ひとまずは進めるだけ進んで欲しい、そんな人です。
あとは曲作り、名曲クラスの曲を作れるかどうかでしょう。
ところで、オリアンティを聴くと、P.R.S.のギターが欲しくなる(笑)。
☆4枚目
LIKE A ROSE
Ashley Monroe
アシュリー・モンローという人のこのアルバムを知ったのは、
シェリル・クロウがFacebookでいいねしていたからでした。
僕は以前、雪のジャケット写真集の記事(こちら)を上げた際に、
雨のジャケットは難しいと書いたのですが、これはまさに雨の情景。
傘を持って立っているのは珍しいジャケット写真だなあと。
音楽も、からっと明るいというよりは、お湿り程度の雨の中で
物語が繰り広げられるような雰囲気。
僕がいつも聴くにはしっとりしすぎているけれど、
時々聴くのはまさに気持ちが洗われるようでいい。
クリスティーナ・アギレラで知ったブレイク・シェルトンが客演し、
男臭くてまっすぐでかっこいいヴォーカルを聴かせてくれます。
ただ、シェリルが参加しているのかとちょっと期待していたんだけど、
それはないのが残念、テレビでは共演したそうですが。
ところで、これを聴いてふと、カントリーは曲にもひな形のような
ものがあるのかもしれない、と考えるの至りました。
AメロはこうきたらBメロは何度上がってこうとか、サビに
入るところはこうして歌メロをつなげてゆくとか、簡単にいえば
曲の展開が読みやすく、よくあるような感じの曲が多いということ。
否定的な意味はほぼまったく込めないつもりで言ってますが、
シェリル・クロウの曲が、音や全体の感覚がいくらカントリーに
近くても、カントリーそのものには聞こえないのはその辺のこと
に関係するのかな、と。
そして、そのノウハウに気づいて体現できる人だけが
カントリーという音楽をやっているかな。
などなど、なんとなく思ったので付記しました。
☆5枚目
OLD SOCK
Eric Clapton
エリック・クラプトンの新譜は、ひとことでいえば緩い路線で、
1970年代レイドバックをフラッシュバックした、というところかな。
レゲェがほんとうに好きなんだなあって。
ところでこれを聴いて、エリック・クラプトンはほんとうは
ロックなんかやりたくなかったのかもしれない、と思いました。
性格というか気持ち的に元来はもっと気持ちが引いている人で、
でも1960年代に音楽シーンに出てきて、ビートルズとも近しくなって
しまったおかげで、ロックをやらざるを得ない状況に置かれ、
そのまま流れに乗っただけだったのでは、と。
まあそんなこと今からどうでもいい、ロックギタリストとしての地位を
築き上げたのはもはや歴史的事実だから、とは思うんだけど、でも、
人間性のそもそもの部分を考えるのは、音楽に限らず人として
意味があると思うので、敢えてこんなことを書きました。
今回の新譜、実は、最初はどちらかといえばがっかりしました。
僕はそもそもエリック・クラプトンが好きなのだろうか、と思ったり。
ただ、何回目かに聴いて、上述のようなことを考えるに至り、自分で
納得してからは、割と、以上にいいなと思えるようになりました。
ブルーズにこだわらずスタンダード的なことをやっているのは、
今のエリックらしく、かつ、生来のエリックらしさなのだろうと。
実際に、僕の中ではアメスタの中のアメスタという曲である
All Of Meを演奏しているのはすっと腑に落ちるものがあります。
ただ、かなり元気でおしとやかではないのですが、それもまたいい。
しかし僕としての聴きものはなんといってもStill Got The Blues。
ゲイリー・ムーアへ思いを寄せた録音ですが、アコースティックな
雰囲気に再構築して、声の端々から感情をこぼしながら歌っている。
ハモンドがスティーヴ・ウィンウッドであるのも涙もののうれしさ。
エリックは、鋭いロックはやらなくても、広義のロック音楽の中で
しっかりとした存在感を放ち続けてほしい、と思いました。
02

いかがでしたか!
来月は待ちに待った人の新譜が出ますが、
それは独立した記事にする予定です。
それにしてもこのところ寒い。
最高気温は10度に達していないと思われ、
昨日あたりは昼間でもストーブつけていました。
庭の雪も漸くこれだけになりましたが、こうなったら、
寒くてもいいからいっそのことまた大雨で解けてほしい。

新譜さらりと紹介記事です。
今月は5枚、早速いきます。
☆1枚目
WHAT ABOUT NOW
Bon Jovi
ボン・ジョヴィの新譜は、「どこかで聴いたことある感」が
ますます強化され、もはや芸の域に達しているといっていい。
こんな曲どこかにあったよなあ、でも絶対に思い出せない、
心の中のそんな場所にアプローチしてくる音。
だからもちろん曲が覚えやすくすぐに親しめる。
それはアップでもスロウでもまったく変わらない。
もはや安心印、いい意味で、なんだかほっとする。
カントリーを経験したことが色濃く反映されていて、ある意味
今のアメリカンロックの真ん中辺りにいるのかもしれない音。
実際、アコーティックでカントリー調の曲もあるし。
Amenは感動的な曲で、これを歌えるジョンもまた素晴らしい。
僕の場合は、何かをする合間や出かける前などに
小一時間ほど時間がある時にさらっとかけるといい感じです。
あ、ボーナストラック全部聴くと1時間では終わらないけれど(笑)。
でも、ひとつだけ個人的に残念なのは、アートワーク。
いろいろなメッセージを読み取ることはできるんだけど、
黄土色を基調とした色使いが僕はちょっと、と、思いました。
ただ、あまりない色使いだから個性的ともいえるのでしょうけど。
☆2枚目
Anthems
Anthrax
アンスラックスのこれはカヴァー曲6曲とオリジナル2曲の
EP扱いですが、これが気に入ったので取り上げました。
カヴァー曲を書きだします。
Anthem ラッシュ
T.N.T. AC/DC
Smokin' ボストン
Keep On Runnin' ジャーニー
Big Eyes チープ・トリック
Jailbreak シン・リジィ
ジャーニーだけ80年代に入っているけれど他は70年代。
チープ・トリックの曲だけよく覚えていなかったけど他はおなじみ。
どれもアンスラックスの色に合っていてタイトな演奏が素晴らしい。
特にボストンのSmokin'は、あまり取り上げられない曲だけど、
こんなにいい曲だったかとオリジナルを再評価もしました。
ジャーニーも、かの名盤Escapeから、やはり有名どころではない
この曲を持ってきたセンスがいい。
AC/DCとシン・リジィはオリジナルに割と忠実だけど、
そもそも曲をどうこうする曲じゃないからこれでいい。
ラッシュの曲も、ハードロックな部分を最大限に引き出しています。
そしてオリジナルのCrawl、前作に入っていたものを入れ直した
ものだけど、この中にあってもひけをとらないくらいのいい曲で、
それがいちばん驚きました、彼らもいい曲書くんだなあって。
予想外、想定外ともいっていい素晴らしい内容でした。
☆3枚目
HEAVEN IN THIS HELL
Orianthi
オリアンティ、そろそろ、あのマイケル・ジャクソンの、という
枕詞が取れてきているのかな。
3枚目のアルバム、最初から買って聴いているけれど、
今回は歌が上手くなったと感じました。
別に最初は下手だったとは思わないけれど、声の出し方が
安定してきたというか、ただカッコつけるだけ以上になったというか。
多分これは年齢的なものも考えると当たり前のことなのでしょうね。
ギタープレイは相変わらず、というかこちらも進化しているようで、
タイミングよく飛び込んできて曲を支配してしまう力はすごい。
さすがにこの年代は1990年代を経て音が整理されているとはいえ、
1980年代の贅肉たっぷりのHR/HMの系統に立ったこの手の音楽を
今に聴かせてくれるのは、その年代の人間にはうれしい限り。
曲もハードからスロウから、もはや王道路線といっていい。
若くしてあまり安定されても困るけど、でもそういう路線で
ひとまずは進めるだけ進んで欲しい、そんな人です。
あとは曲作り、名曲クラスの曲を作れるかどうかでしょう。
ところで、オリアンティを聴くと、P.R.S.のギターが欲しくなる(笑)。
☆4枚目
LIKE A ROSE
Ashley Monroe
アシュリー・モンローという人のこのアルバムを知ったのは、
シェリル・クロウがFacebookでいいねしていたからでした。
僕は以前、雪のジャケット写真集の記事(こちら)を上げた際に、
雨のジャケットは難しいと書いたのですが、これはまさに雨の情景。
傘を持って立っているのは珍しいジャケット写真だなあと。
音楽も、からっと明るいというよりは、お湿り程度の雨の中で
物語が繰り広げられるような雰囲気。
僕がいつも聴くにはしっとりしすぎているけれど、
時々聴くのはまさに気持ちが洗われるようでいい。
クリスティーナ・アギレラで知ったブレイク・シェルトンが客演し、
男臭くてまっすぐでかっこいいヴォーカルを聴かせてくれます。
ただ、シェリルが参加しているのかとちょっと期待していたんだけど、
それはないのが残念、テレビでは共演したそうですが。
ところで、これを聴いてふと、カントリーは曲にもひな形のような
ものがあるのかもしれない、と考えるの至りました。
AメロはこうきたらBメロは何度上がってこうとか、サビに
入るところはこうして歌メロをつなげてゆくとか、簡単にいえば
曲の展開が読みやすく、よくあるような感じの曲が多いということ。
否定的な意味はほぼまったく込めないつもりで言ってますが、
シェリル・クロウの曲が、音や全体の感覚がいくらカントリーに
近くても、カントリーそのものには聞こえないのはその辺のこと
に関係するのかな、と。
そして、そのノウハウに気づいて体現できる人だけが
カントリーという音楽をやっているかな。
などなど、なんとなく思ったので付記しました。
☆5枚目
OLD SOCK
Eric Clapton
エリック・クラプトンの新譜は、ひとことでいえば緩い路線で、
1970年代レイドバックをフラッシュバックした、というところかな。
レゲェがほんとうに好きなんだなあって。
ところでこれを聴いて、エリック・クラプトンはほんとうは
ロックなんかやりたくなかったのかもしれない、と思いました。
性格というか気持ち的に元来はもっと気持ちが引いている人で、
でも1960年代に音楽シーンに出てきて、ビートルズとも近しくなって
しまったおかげで、ロックをやらざるを得ない状況に置かれ、
そのまま流れに乗っただけだったのでは、と。
まあそんなこと今からどうでもいい、ロックギタリストとしての地位を
築き上げたのはもはや歴史的事実だから、とは思うんだけど、でも、
人間性のそもそもの部分を考えるのは、音楽に限らず人として
意味があると思うので、敢えてこんなことを書きました。
今回の新譜、実は、最初はどちらかといえばがっかりしました。
僕はそもそもエリック・クラプトンが好きなのだろうか、と思ったり。
ただ、何回目かに聴いて、上述のようなことを考えるに至り、自分で
納得してからは、割と、以上にいいなと思えるようになりました。
ブルーズにこだわらずスタンダード的なことをやっているのは、
今のエリックらしく、かつ、生来のエリックらしさなのだろうと。
実際に、僕の中ではアメスタの中のアメスタという曲である
All Of Meを演奏しているのはすっと腑に落ちるものがあります。
ただ、かなり元気でおしとやかではないのですが、それもまたいい。
しかし僕としての聴きものはなんといってもStill Got The Blues。
ゲイリー・ムーアへ思いを寄せた録音ですが、アコースティックな
雰囲気に再構築して、声の端々から感情をこぼしながら歌っている。
ハモンドがスティーヴ・ウィンウッドであるのも涙もののうれしさ。
エリックは、鋭いロックはやらなくても、広義のロック音楽の中で
しっかりとした存在感を放ち続けてほしい、と思いました。
02

いかがでしたか!
来月は待ちに待った人の新譜が出ますが、
それは独立した記事にする予定です。
それにしてもこのところ寒い。
最高気温は10度に達していないと思われ、
昨日あたりは昼間でもストーブつけていました。
庭の雪も漸くこれだけになりましたが、こうなったら、
寒くてもいいからいっそのことまた大雨で解けてほしい。
Posted by guitarbird at 19:54
│CDさらりと紹介