2013年05月06日
これはいい! ビートルズのカバー12曲
01
GW最終日とはひとまず関係はないけれど(笑)、今夜は、
何年か前からずっと考えてきた記事を上げます。
ビートルズの曲をカバーした中で、僕がとりわけ、
これはいい! と思う12曲を集めてみました。
ビートルズには少しの強いこだわりがある僕だから、
ここで選んだものの多くは、どちらかというとあまり知られてない
曲でありカバーでありを取り上げました、いや、へそ曲がりの
僕だから、選んでいくと自然とそうなりました(笑)。
長いので早速行きます。
02
◎1曲目
Come Together The Neville Brothers
ネヴィル・ブラザースの「カム・トゥゲザー」
from WOODSTOCK 94
originally from ABBEY ROAD
この曲は単独で記事(こちら)を上げましたが、そこでも触れた
ジョン・レノンの言葉によると、この曲は踊ることもできるし
黒っぽさがあってお気に入りで買いだね、ということ。
僕はその発言を本で読んでからずっとそう思ってきたので、
ネヴィル・ブラザースのこれを聴いて、ジョンが求めていたのは
これだったのか! と溜飲を下げる思いでした。
マイケル・ジャクソンも歌っていましたがそれも、
ここまでではないけど同様に感じたものでした。
ロックがブルーズをはじめとした黒人音楽を基にしたもので
あることがよく分かる曲であり演奏であります。
◎2曲目
Day Tripper Otis Redding
オーティス・レディングの「デイ・トリッパー」
from LIVE IN EUROPE
originally from B-Side of single "We Can Work It Out"
オーティス・レディングは当時まだビートルズをよく知らなくて、
ブッカーT&ジ・MG'sのメンバーがテープで聴かせたところ
オーティスが気に入って録音することになったという話。
だからオーティスには特にビートルズへの思い入れもなく、
ただ単に強烈な曲として響いてきたのであって、だから
これだけ自分の色に染めてしまうことができたのでしょうね。
しかしふと思ったのが、実はこれ、MG'sのメンバーが
オーティスのそういう性格を「利用」して、自分たちが演奏したい曲を
正当に演奏し改変してみたかったのかもしれない、と。
いずれにせよ音楽が大好きな人たちだったというわけですね。
スタジオヴァージョンもありますが、よりオーティスの魂が伝わる
ライヴの名盤から今回は選びました。
なおこれ、ローリング・ストーンズのSatisfactionも同じく名演。
03
◎3曲目
Don't Pass Me By The Georgia Satellites
ジョージア・サテライツの「ドント・パス・ミー・バイ」
from LET IT ROCK THE BEST OF
originally from THE BEATLES
サザンロックの新星だった(当時)ジョージア・サテライツが
ベスト盤で録音したのはなんとリンゴ・スターの曲。
僕は元々この曲は大好きでしたが、リンゴの曲ということで
ビートルズが好きな人の間でも人気が低そうだったのが、
こうしてカバーしてくれた、もうそれがとってもうれしくて、
はっきり言ってこれは選んだ理由はそれだけです(笑)。
なんて、でもリンゴがカントリー系の音楽が大好きなのは
よく知られていますが、その精神を南部まで引っ張っていった
GSの演奏もまた素晴らしく、強烈なブギー、酔いどれ系の
いかにも楽しいロックンロールに仕上がっています。
なお、この2曲は写真と順序が逆になっていますが、
単なる撮り間違いです、ご了承ください。
◎4曲目
Eleanor Rigby Aretha Franklin
アレサ・フランクリンの「エリナー・リグビー」
from THE GIRL'S IN LOVE WITH YOU
originally from REVOLVER
アレサ・フランクリンのこの曲の何がすごいって、
弟が、CDを買って数回聴くまで何の曲か分からなかった、
それくらい大きく変わっていることです。
この曲は教会が舞台ですが、もうここまで来るとカバーではなく、
オリジナルのイメージを借りて再構築したと言っていいくらい。
アレサは、「ちょっとお兄さんたち、これはちょっと違うわよ」
とでも言いたげに本格的な教会風の曲に仕立て上げています。
ただしこの曲の歌メロが大好きな僕は、それはそれですごいけど
歌としての楽しみが半減以下になったのがちょっと残念。
でも、これはこれで取り上げるべきだと思いました。
04
◎5曲目
Every Little Thing Yes
イエスの「エヴリー・リトル・シング」
from YES
originally from BEATLES FOR SALE
ビートルズがプログレになってしまったというイエスの
デビューアルバムのこれも最初に聴いて驚きました。
そもそもこれはイエスというバンドがこの曲をカバーしている
という情報を中学時代から知っていたのですが、はっきりいって、
どちらかというと有名な曲ではないこれを取り上げた人たちに
僕はずっと興味がありました。
でも実際にCDを買って聴いたのは大学生になってからでしたが。
こちらは演奏形態は完全にイエスといえる長尺ものですが、
歌の旋律はそれほど変えていないのがうれしいところ。
ビートルズでは珍しくほぼ100%ハッピーなこの曲が、この演奏と
ジョン・アンダーソンの声でとてもハッピーに聴こえます。
なおイエスはサイモン&ガーファンクルのAmericaも
同じように長くして聴きどころたっぷりに演奏していました。
◎6曲目
Get Back Rod Stewart
ロッド・スチュワートの「ゲット・バック」
(Single)
originally from LET IT BE
人の歌を歌わせると右に出る者はいないロッド・スチュワート。
この曲の持つ能天気な部分を最大限に拡大して、
まるでお祭りのように陽気で楽しいアレンジになっています。
サビの"Get back to where you once blong"の部分で
独自の旋律をつけていたり、最後にバラード風に歌うのも
変幻自在に自分のものにしてしまうロッドらしくていい。
またこの曲は歌詞に"Tucson, Arizona"と出てくるところも
南部指向があったロッドにはよかったのかもしれない。
直接的にはロッドのHot Legsにつながる感じの音ですね。
05
◎7曲目
Hello Gooodbye Milton Nascimento
ミルトン・ナシメントの「ハロー・グッドバイ」
from ANGELUS
originally from A-side of single
ミルトン・ナシメントはブラジルの国民的歌手と言われる人で、
音楽はサンバとかボサノヴァとかではなく、ブラジルの音楽。
僕はそうした音楽はそれまで聴いたことがなかったけど、
聴いてみて驚いたのが、ビートルズのこの曲。
バラードではないけどゆったりとした穏やかな雰囲気のこの曲、
最初はそうだと知らなくて、歌詞を聴いてもしやと思い
CDケースを手に取って見るとその通りでした。
ポールが寂しい部分を強がろうとしているのと(そういう人だから)、
こちらは寂しさを出したいけど抑えたいという複雑な気持ちが、
聴き終るとじわっとしみてきます。
やっぱりカバー曲は自分のものにどれだけできるかであって、
これはもうポールの影がほぼ消えている(笑)、そんな出来です。
◎8曲目
I'm Down Aerosmith
エアロスミスの「アイム・ダウン」
from PERMANENT VACATION
originally from the B-side of single "Help!"
この曲はビートルズよりもエアロスミスに合っていると思う。
ビートルズは何でもできてしかも器用貧乏的ではなく、
すべてが上手くできるのであり、ポール・マッカートニーが敬愛する
リトル・リチャード風のロックンロールを作ったのがこの曲ですが、
「餅は餅屋」、熱いロックンロール系に命脈がある
エアロスミスのほうが演奏に関しては1枚上手。
しかもこれ、ほとんどコピーといえる忠実な演奏だけど、でもそれは
結局ビートルズの音楽が幅広いことを証明しているのでしょうね。
エアロスミスはCome Togetherでも素晴らしい演奏を披露していて、
ビートルズのロックンロール系には強いところを見せてくれています。
またこれはエアロスミスが復活したアルバムに入っていて、
リアルタイムでアルバムを買って聴いてこれが入っていて驚いた
という思い出も僕の強い思い入れにつながっています。
正直言うと、この中でいちばん好きなのはこれともう1曲です。
06
◎9曲目
Sexy Sadie Paul Weller
ポール・ウェラーの「セクシー・セイディ」
(Single)
originally from THE BEATLES
ポール・ウェラーは僕は大好きとではなくあまり聴いていなくて、
正直言えばどういう人かよく分からない部分があるのですが、
その彼がビートルズでも渋すぎるくらいのこの曲を選んだのは、
よく分からない人というイメージにぴったりで驚きました。
シングルのB面曲だったということで、さらっと演奏して録音した
という感じが余計にこの曲の不気味で不可解なイメージに合うし、
それが僕のポール・ウェラーのイメージにもなってしまいました(笑)。
なお、ポール・ウェラーは後にチャリティのプロジェクトバンドで
Come Togetherを歌い、ポール・マッカートニーも参加して、
マッカートニーがレノンの歌を歌ったとして話題にもなりました。
あっ、Come Togetherが話に出てくるのはこれで3度目だ(笑)。
◎10曲目
With A Little Help From My Friends
Joe Cocker
ジョー・コッカーの
「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」
from WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS
originally from
SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND
ジョー・コッカーのこれ、好きかどうか、オリジナルを重視するかどうか
を抜きにすると、単純に音楽としていちばん素晴らしいカヴァーで、
ある意味、この演奏はオリジナルを凌駕していますね。
ワルツにしたこと、ギターによる印象的なイントロを付したこと、
そしてゴスペル風にアレンジしたことなどなど。
ただ、「ちょっと助けてほしい」という感じではもはやなくて、
助ける方も命がけみたいな大仰さがあって、それはともすれば、
オリジナルのテーマとは相容れない部分かもしれません。
ともあれ、これはほんとにすごいと最初に聴いて思いました。
ギターがジミー・ペイジなのもうれしいところ。
なお、このアルバムの記事はこちらへどうぞ。
07
◎11曲目
Yes It Is Don Henley
ドン・ヘンリーの「イエス・イット・イズ」
from THE BRIDGE SCHOOL CONCERTS
originally from the B-side of single "Ticket To Ride"
ドン・ヘンリーのこれは、ニール・ヤングが主催する、
障害を持つ子どもたちの教育の支援をする活動である
「ブリッジ・スクール・ベネフィット」のチャリティライヴから。
ビートルズの中でも1、2を争うソウルフルなこの曲を、
ドン・ヘンリーのあの声で歌われては、これはもう感涙もの。
基本的にオリジナルに忠実ですが、この場合は選曲と歌手、
それがすべてという感じがします。
エアロスミスと並んで僕が最も好きなカヴァーの2曲の1つ。
◎12曲目
You Won't See Me Anne Murray
アン・マレーの「ユー・ウォント・シー・ミー」
from LOVE SONG (写真はベスト盤)
originally from RUBBER SOUL
最後はアン・マレーのこれ、紹介しないわけにはゆかない。
この曲はシングルとして8位になる大ヒットを記録しましたが、
1975年のグラミー賞の授賞式、それはジョン・レノンが最後に
公式の場で人前に出た機会でしたが、ジョンは楽屋にいた
アン・マレーを自ら直接訪ねてこう言ったそうです。
「あなたが歌うYou Won't See Meは、僕が今まで聴いた
ビートルズのカヴァーの中でもいちばん好きです」
ジョンが本人に直接そう言った、しかも自ら訪ねて行った、
もうそれだけで言葉にならないほど感動します。
コーラスが面白いこの曲、ひとりで歌うに当たりコーラスは
整理されているのですが、逆にいえばコーラスに邪魔されていた
曲そのものの魅力を彼女が引き出して感動を呼んだのでしょうね。
ジョンも自らのコーラスがやり過ぎた、と思っていたとか(笑)。
08
いかがでしたか!
有名な曲ほどやりにくいというのは、アーティストにも
あるかもしれないな、とふと思いました。
でも一方で、Yesterdayは特にソウル系で歌う人がたくさんいますが、
それは、最近気づいた、ちょっとしたことが関係すると思われ、
近いうちにその曲だけで記事にしてゆきたいと今は思っています。
ビートルズのカバーは今でもどんどん増え続けていますが、
それだけ、歌として人の心に響くのでしょうね。
★
さて、今朝のA公園の桜。
09
今朝は漸く雨があがり、雲が厚くて時折太陽が顔をのぞかせる、
久しぶりに太陽を見た日でしたが、桜はもう盛りを過ぎていました。
この木も赤い葉が花の間に増えてきました。
10
風が強く、桜の花びらもたくさん散っていました。
ハウもこの時、桜吹雪を浴びていました(笑)。
桜を楽しめるのはほんと、1年のうちわずかな間。
でも、それが毎年楽しみでもありますね。
GW最終日とはひとまず関係はないけれど(笑)、今夜は、
何年か前からずっと考えてきた記事を上げます。
ビートルズの曲をカバーした中で、僕がとりわけ、
これはいい! と思う12曲を集めてみました。
ビートルズには少しの強いこだわりがある僕だから、
ここで選んだものの多くは、どちらかというとあまり知られてない
曲でありカバーでありを取り上げました、いや、へそ曲がりの
僕だから、選んでいくと自然とそうなりました(笑)。
長いので早速行きます。
02
◎1曲目
Come Together The Neville Brothers
ネヴィル・ブラザースの「カム・トゥゲザー」
from WOODSTOCK 94
originally from ABBEY ROAD
この曲は単独で記事(こちら)を上げましたが、そこでも触れた
ジョン・レノンの言葉によると、この曲は踊ることもできるし
黒っぽさがあってお気に入りで買いだね、ということ。
僕はその発言を本で読んでからずっとそう思ってきたので、
ネヴィル・ブラザースのこれを聴いて、ジョンが求めていたのは
これだったのか! と溜飲を下げる思いでした。
マイケル・ジャクソンも歌っていましたがそれも、
ここまでではないけど同様に感じたものでした。
ロックがブルーズをはじめとした黒人音楽を基にしたもので
あることがよく分かる曲であり演奏であります。
◎2曲目
Day Tripper Otis Redding
オーティス・レディングの「デイ・トリッパー」
from LIVE IN EUROPE
originally from B-Side of single "We Can Work It Out"
オーティス・レディングは当時まだビートルズをよく知らなくて、
ブッカーT&ジ・MG'sのメンバーがテープで聴かせたところ
オーティスが気に入って録音することになったという話。
だからオーティスには特にビートルズへの思い入れもなく、
ただ単に強烈な曲として響いてきたのであって、だから
これだけ自分の色に染めてしまうことができたのでしょうね。
しかしふと思ったのが、実はこれ、MG'sのメンバーが
オーティスのそういう性格を「利用」して、自分たちが演奏したい曲を
正当に演奏し改変してみたかったのかもしれない、と。
いずれにせよ音楽が大好きな人たちだったというわけですね。
スタジオヴァージョンもありますが、よりオーティスの魂が伝わる
ライヴの名盤から今回は選びました。
なおこれ、ローリング・ストーンズのSatisfactionも同じく名演。
03
◎3曲目
Don't Pass Me By The Georgia Satellites
ジョージア・サテライツの「ドント・パス・ミー・バイ」
from LET IT ROCK THE BEST OF
originally from THE BEATLES
サザンロックの新星だった(当時)ジョージア・サテライツが
ベスト盤で録音したのはなんとリンゴ・スターの曲。
僕は元々この曲は大好きでしたが、リンゴの曲ということで
ビートルズが好きな人の間でも人気が低そうだったのが、
こうしてカバーしてくれた、もうそれがとってもうれしくて、
はっきり言ってこれは選んだ理由はそれだけです(笑)。
なんて、でもリンゴがカントリー系の音楽が大好きなのは
よく知られていますが、その精神を南部まで引っ張っていった
GSの演奏もまた素晴らしく、強烈なブギー、酔いどれ系の
いかにも楽しいロックンロールに仕上がっています。
なお、この2曲は写真と順序が逆になっていますが、
単なる撮り間違いです、ご了承ください。
◎4曲目
Eleanor Rigby Aretha Franklin
アレサ・フランクリンの「エリナー・リグビー」
from THE GIRL'S IN LOVE WITH YOU
originally from REVOLVER
アレサ・フランクリンのこの曲の何がすごいって、
弟が、CDを買って数回聴くまで何の曲か分からなかった、
それくらい大きく変わっていることです。
この曲は教会が舞台ですが、もうここまで来るとカバーではなく、
オリジナルのイメージを借りて再構築したと言っていいくらい。
アレサは、「ちょっとお兄さんたち、これはちょっと違うわよ」
とでも言いたげに本格的な教会風の曲に仕立て上げています。
ただしこの曲の歌メロが大好きな僕は、それはそれですごいけど
歌としての楽しみが半減以下になったのがちょっと残念。
でも、これはこれで取り上げるべきだと思いました。
04
◎5曲目
Every Little Thing Yes
イエスの「エヴリー・リトル・シング」
from YES
originally from BEATLES FOR SALE
ビートルズがプログレになってしまったというイエスの
デビューアルバムのこれも最初に聴いて驚きました。
そもそもこれはイエスというバンドがこの曲をカバーしている
という情報を中学時代から知っていたのですが、はっきりいって、
どちらかというと有名な曲ではないこれを取り上げた人たちに
僕はずっと興味がありました。
でも実際にCDを買って聴いたのは大学生になってからでしたが。
こちらは演奏形態は完全にイエスといえる長尺ものですが、
歌の旋律はそれほど変えていないのがうれしいところ。
ビートルズでは珍しくほぼ100%ハッピーなこの曲が、この演奏と
ジョン・アンダーソンの声でとてもハッピーに聴こえます。
なおイエスはサイモン&ガーファンクルのAmericaも
同じように長くして聴きどころたっぷりに演奏していました。
◎6曲目
Get Back Rod Stewart
ロッド・スチュワートの「ゲット・バック」
(Single)
originally from LET IT BE
人の歌を歌わせると右に出る者はいないロッド・スチュワート。
この曲の持つ能天気な部分を最大限に拡大して、
まるでお祭りのように陽気で楽しいアレンジになっています。
サビの"Get back to where you once blong"の部分で
独自の旋律をつけていたり、最後にバラード風に歌うのも
変幻自在に自分のものにしてしまうロッドらしくていい。
またこの曲は歌詞に"Tucson, Arizona"と出てくるところも
南部指向があったロッドにはよかったのかもしれない。
直接的にはロッドのHot Legsにつながる感じの音ですね。
05
◎7曲目
Hello Gooodbye Milton Nascimento
ミルトン・ナシメントの「ハロー・グッドバイ」
from ANGELUS
originally from A-side of single
ミルトン・ナシメントはブラジルの国民的歌手と言われる人で、
音楽はサンバとかボサノヴァとかではなく、ブラジルの音楽。
僕はそうした音楽はそれまで聴いたことがなかったけど、
聴いてみて驚いたのが、ビートルズのこの曲。
バラードではないけどゆったりとした穏やかな雰囲気のこの曲、
最初はそうだと知らなくて、歌詞を聴いてもしやと思い
CDケースを手に取って見るとその通りでした。
ポールが寂しい部分を強がろうとしているのと(そういう人だから)、
こちらは寂しさを出したいけど抑えたいという複雑な気持ちが、
聴き終るとじわっとしみてきます。
やっぱりカバー曲は自分のものにどれだけできるかであって、
これはもうポールの影がほぼ消えている(笑)、そんな出来です。
◎8曲目
I'm Down Aerosmith
エアロスミスの「アイム・ダウン」
from PERMANENT VACATION
originally from the B-side of single "Help!"
この曲はビートルズよりもエアロスミスに合っていると思う。
ビートルズは何でもできてしかも器用貧乏的ではなく、
すべてが上手くできるのであり、ポール・マッカートニーが敬愛する
リトル・リチャード風のロックンロールを作ったのがこの曲ですが、
「餅は餅屋」、熱いロックンロール系に命脈がある
エアロスミスのほうが演奏に関しては1枚上手。
しかもこれ、ほとんどコピーといえる忠実な演奏だけど、でもそれは
結局ビートルズの音楽が幅広いことを証明しているのでしょうね。
エアロスミスはCome Togetherでも素晴らしい演奏を披露していて、
ビートルズのロックンロール系には強いところを見せてくれています。
またこれはエアロスミスが復活したアルバムに入っていて、
リアルタイムでアルバムを買って聴いてこれが入っていて驚いた
という思い出も僕の強い思い入れにつながっています。
正直言うと、この中でいちばん好きなのはこれともう1曲です。
06
◎9曲目
Sexy Sadie Paul Weller
ポール・ウェラーの「セクシー・セイディ」
(Single)
originally from THE BEATLES
ポール・ウェラーは僕は大好きとではなくあまり聴いていなくて、
正直言えばどういう人かよく分からない部分があるのですが、
その彼がビートルズでも渋すぎるくらいのこの曲を選んだのは、
よく分からない人というイメージにぴったりで驚きました。
シングルのB面曲だったということで、さらっと演奏して録音した
という感じが余計にこの曲の不気味で不可解なイメージに合うし、
それが僕のポール・ウェラーのイメージにもなってしまいました(笑)。
なお、ポール・ウェラーは後にチャリティのプロジェクトバンドで
Come Togetherを歌い、ポール・マッカートニーも参加して、
マッカートニーがレノンの歌を歌ったとして話題にもなりました。
あっ、Come Togetherが話に出てくるのはこれで3度目だ(笑)。
◎10曲目
With A Little Help From My Friends
Joe Cocker
ジョー・コッカーの
「ウィズ・ア・リトル・ヘルプ・フロム・マイ・フレンズ」
from WITH A LITTLE HELP FROM MY FRIENDS
originally from
SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND
ジョー・コッカーのこれ、好きかどうか、オリジナルを重視するかどうか
を抜きにすると、単純に音楽としていちばん素晴らしいカヴァーで、
ある意味、この演奏はオリジナルを凌駕していますね。
ワルツにしたこと、ギターによる印象的なイントロを付したこと、
そしてゴスペル風にアレンジしたことなどなど。
ただ、「ちょっと助けてほしい」という感じではもはやなくて、
助ける方も命がけみたいな大仰さがあって、それはともすれば、
オリジナルのテーマとは相容れない部分かもしれません。
ともあれ、これはほんとにすごいと最初に聴いて思いました。
ギターがジミー・ペイジなのもうれしいところ。
なお、このアルバムの記事はこちらへどうぞ。
07
◎11曲目
Yes It Is Don Henley
ドン・ヘンリーの「イエス・イット・イズ」
from THE BRIDGE SCHOOL CONCERTS
originally from the B-side of single "Ticket To Ride"
ドン・ヘンリーのこれは、ニール・ヤングが主催する、
障害を持つ子どもたちの教育の支援をする活動である
「ブリッジ・スクール・ベネフィット」のチャリティライヴから。
ビートルズの中でも1、2を争うソウルフルなこの曲を、
ドン・ヘンリーのあの声で歌われては、これはもう感涙もの。
基本的にオリジナルに忠実ですが、この場合は選曲と歌手、
それがすべてという感じがします。
エアロスミスと並んで僕が最も好きなカヴァーの2曲の1つ。
◎12曲目
You Won't See Me Anne Murray
アン・マレーの「ユー・ウォント・シー・ミー」
from LOVE SONG (写真はベスト盤)
originally from RUBBER SOUL
最後はアン・マレーのこれ、紹介しないわけにはゆかない。
この曲はシングルとして8位になる大ヒットを記録しましたが、
1975年のグラミー賞の授賞式、それはジョン・レノンが最後に
公式の場で人前に出た機会でしたが、ジョンは楽屋にいた
アン・マレーを自ら直接訪ねてこう言ったそうです。
「あなたが歌うYou Won't See Meは、僕が今まで聴いた
ビートルズのカヴァーの中でもいちばん好きです」
ジョンが本人に直接そう言った、しかも自ら訪ねて行った、
もうそれだけで言葉にならないほど感動します。
コーラスが面白いこの曲、ひとりで歌うに当たりコーラスは
整理されているのですが、逆にいえばコーラスに邪魔されていた
曲そのものの魅力を彼女が引き出して感動を呼んだのでしょうね。
ジョンも自らのコーラスがやり過ぎた、と思っていたとか(笑)。
08
いかがでしたか!
有名な曲ほどやりにくいというのは、アーティストにも
あるかもしれないな、とふと思いました。
でも一方で、Yesterdayは特にソウル系で歌う人がたくさんいますが、
それは、最近気づいた、ちょっとしたことが関係すると思われ、
近いうちにその曲だけで記事にしてゆきたいと今は思っています。
ビートルズのカバーは今でもどんどん増え続けていますが、
それだけ、歌として人の心に響くのでしょうね。
★
さて、今朝のA公園の桜。
09
今朝は漸く雨があがり、雲が厚くて時折太陽が顔をのぞかせる、
久しぶりに太陽を見た日でしたが、桜はもう盛りを過ぎていました。
この木も赤い葉が花の間に増えてきました。
10
風が強く、桜の花びらもたくさん散っていました。
ハウもこの時、桜吹雪を浴びていました(笑)。
桜を楽しめるのはほんと、1年のうちわずかな間。
でも、それが毎年楽しみでもありますね。
Posted by guitarbird at 19:54
│曲の詰め合わせ