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2012年12月08日

Jealous Guy ジョン・レノン

01
Jealous Guy ジョン・レノン

今年も12月8日、ジョン・レノンの日がきました。

日本でいえば、もう三十三回忌、ということになるのか。

今日は、ジョン・レノンの曲の話をします。

Jealous Guy
John Lennon
IMAGINE
 (1971)
written by John Lennon


02
Jealous Guy ジョン・レノン

The Playboy Intervies with John Lennon & Yoko Ono

本題の前に、Masterさんから、1冊の洋書をいただきました。
ありがとうございます!

僕は、集英社から出ている翻訳本を持っていて、BLOGでも
今までにそこから多くを引用して記事を書いてきましたが、
原書には、翻訳本では触れられていない曲がたくさんあります。
僕は、もう31年間、翻訳本で触れられているのものですべてだと
思い込んで生きてきたので、他にもあったということに驚くと同時に、
ちょっとだけ、集英社に騙され続けていたのか、と思ったり。

Jealous Guyも、翻訳本には載っていません。
というわけで早速、いただいた洋書を役立たせていただき、
Jealous Guyについてのジョンのコメントを紹介します。
なお、日本語訳は引用者が行っています。

JL:ぼくの曲、メロディはインドで書いた。
歌詞は自明のものだね。
ぼくはとても嫉妬深く、所有欲が大きい人間だった。
不安だらけの男だった。
自分の女性を小さな箱の中に入れ、閉じ込めておき、
相手をしてほしい時だけ箱から出したい、そんな奴だ。
彼女は外界とコミュニケーションをとることは許されていない。
ぼく以外とは。
なぜなら、そうすることでぼくが不安になるからだ。


Jealous Guyはそもそもインドで、つまり1968年に作られており、
世の中に出るまで3年ほどがかかっているのですね。
歌詞は後から書かれたものということですが、未完成のテイクを
LET IT BE...NAKEDのボーナスディスクに収められた、
1969年のリハーサルの模様の中で聴くことができます。
CDの6'31"辺りから、ポールの言葉に続いてフェイドインして始まり、
40秒かそこらで、なんとなく他の曲に移って終わるものですが、
そこではBメロが歌われていて、歌詞はこうなっています。
"I'm just a child of nature,
I don't need much to set me free
I'm just a child of narure..."
最初は、自由を謳歌する、むしろ開放する曲だったのですね。

ジョンがインドで作った曲といえば僕は、
Dear Prudence(記事こちら)を真っ先に思い浮かべますが、
それは閉じこもってしまったひとりの女性を開放しようとする曲。
一方こちらは、最初は同じように開放する曲だったのが、
後にヨーコへの思いに重ね合わせて歌詞が書き換えられたものが、
逆に女性を閉じ込めてしまう曲になったのは、皮肉というか。
この2曲は、ジョンの心の裏表を表した対の曲なのかもしれない。
しかしいずれも、ジョンの優しさがにじみ出ている曲ではありますね。

ところで、ビートルズ時代にリハーサルまでしていたこの曲を、
結果としてビートルズ時代には録音せずお蔵入りにしたのは、
ポールがMother Nature's Sonを作曲して歌ったことにより、
Child Of Natureでは二番煎じと思われるのが嫌だったのかな、
と邪推もしてしまいます(笑)。


03 2012年12月8日最初の1枚、今朝の空
Jealous Guy ジョン・レノン

この曲は今では、ジョン・レノンの曲の人気投票をすると
常にTop10入りは固いというくらい人気がある曲となりましたが、
僕がビートルズを聴き始めた頃はまだ、アルバムの中の1曲で、
僕が初めて買ったジョンのLPであり、ジョンの生前に出た唯一の
ベスト盤でもあるSHAVED FISHには収められていません。
しかし、ジョンの死後に当時のレーベルを超えて編集された
ベスト盤THE JOHN LENNON COLLECTIONには収録され、
僕が初めて聴いたのはそのLPでした。

また、ジョン自身がナレーションを務める伝記映画「イマジン」の
公開時にリリースされたシングルCDにも収録されました。
写真01にあるジョンの顔のイラストの白いCDがそれです。

なお、その写真のIMAGINEのLPは、EMI100周年を記念した
へヴィヴィニール盤ですが、まだ聴いたことがありません・・・

この曲は、あくまでも僕の感じで、僕が大学生になる頃までは、
アルバムの中の1曲で、好きな人は大好きだけど、多くの人が
ジョンの好きな曲の上位に挙げるわけでもなかった記憶があります。

それが変わったのは、やはりCDの時代になったからでしょうね。
ここから書くことはこの曲に限ったことではないですが、
考えられる要因を幾つか挙げてみます。

先ずは、CDという新しい媒体により、過去の音楽が、
魅力的な新しい商品として世の中に出ることにより、
それらを知らなかった若い世代が大量に、しかも気軽に
古い音楽に接する機会が得られるようになったこと。

CDは頭出しが容易で1曲1曲を聴きやすくなったのも、
曲に対しての思い入れができやすい部分でしょう。
ただし、アルバムを飛ばして聴く人も増えたかもしれないけれど。

CDで出直すことにより、リリース当時のことが切り離されて
曲だけで語られるようになったことも大きいですね。
大ヒット曲であろうがアルバムの中の曲であろうが、時間が経つと
忘れ去られるというか関係なくなり、余計な情報もなくなって、
流行りとは関係なく聴くことにより曲の良さだけで判断する。

そしてもうひとつ、ネットで思いを共有しやすくなったこと。
ネット社会になる前は、著名人ではない一般人が世の中に向けて
自分の思いを発信するのは結構大変でした。
出来ても、地域限定もしくは同好の志の仲間内くらいなもの。
それが今では、ネット環境さえあれば誰でも簡単に、
世界に向けて思いを発信することが可能な社会となっていて、
同じ思いの人を見つけてつながりやすくなっていますね。
逆に、情報が振れ過ぎて同じ思いの人もなかなかつながりにくい
ということはあるにしても、それは状況の問題ですから。

僕は、偉そうな言い方に聞こえるとは思いますが、
Jealous Guyという曲が、隠れた名曲から真の名曲へと
いわば「成長」してゆく過程を見てきたことになるんですよね。
僕はもちろんこの曲は大好きでしたが、自分自身のそうした
「体験」も重ね合わせ、特に思い入れが強い1曲にもなりました。

04 今朝の月
Jealous Guy ジョン・レノン

曲についてよくいわれることですが、不器用な男の生き様を、
これほどまでにうまく表した曲もそうはないでしょうね。
どちらかというと男性により支持が多い曲かもしれません。
昔、高倉健さんの「不器用ですから」というCMがありましたが、
それ以降、不器用であることにもなにがしかの美点がある、
というような意識が世の中に広まったような気もしています。
そうか、それもこの曲の人気には関係あるのかな。

歌詞はまったく持ってバカ正直で、レコードを通して聴いて、
アーティストの心の在り方がこれほどまでにリアルに伝わるのは、
やはりジョン・レノンならでは。

僕は特に次の部分の歌詞でそれを強く感じます。
"I was swallowing my pain"
「僕は苦痛をのみ込もうとしていた」
苦痛を飲み込んでも、その場は凌げるかもしれないけれど、
体の中に残ってしまいますよね。
苦痛を吐き出すことはしかし、別の大変な苦痛を伴うことにもなり、
その時のジョンにはそれができなかったのかもしれない。
そこまでする覚悟がない、そんなことするくらいだったら、
今だけ凌げればそれでいい。
常に物事を深く考えようとするジョンとしては刹那的というか、
いずれにせよ、苦悶の時代を象徴する曲でもありますね。

録音には多数の著名ミュージシャンが参加。
ピアノは英国の一流セッションマンのニッキー・ホプキンス、
ギターにバッドフィンガーのトム・エヴァンズ、
ヴァイブラフォンにイエスのアラン・ホワイト、
ドラムスには僕のCD10枚に1枚はいるであろうジム・ケルトナー、
そしてベースは朋友クラウス・フォアマン。
"I didn't mean to hurt you"の後に入るベースラインがいいですね。

歌メロは最高によくてよく口ずさみ、歌いますが、
歌手ではない僕でも気持ちが入りやすい曲だと感じます。
まあ、悪酔い、自己陶酔ですけどね(笑)。

歌メロで注目はBメロ、不器用さを表しているかのように、
音が落ち着かない感じがするところですね。
特に、"I'm sorry that I'll make you cry"の部分の後半、
音が不安定にふっと跳ね上がる、こんな旋律ありかって、
僕は初めて聴いた時に思いました。
そういう点でもきわめて個性的な曲といえるでしょうね。

さて後半は、この曲の僕が好きなカヴァーを4曲紹介します。

05
Jealous Guy ジョン・レノン

Jealous Guy
Donny Hathaway
LIVE
 (1972)

ダニー・ハサウェイ、ライヴの名盤中の名盤から。
ホンキートンク調の素っ頓狂ともいえる高い音のピアノで始まり、
ダニーは、軽く、しかし言葉を選ぶようにしっかりと歌う。
2番以降で歌メロを崩すと、思いのほか本格的なソウルに。
まあ、ソウルは曲は関係ないですからね、あくまでも歌い手の心。
3分ほどであっさりと歌うのですが、ジョンのオリジナルが出てから
すぐに自分のものにしているところに、ダニーの思いを感じます。
音楽を通して人間としての理想を求めてゆきたいという思い。


06
Jealous Guy ジョン・レノン

Jealous Guy
(Rod Stewart &) Faces
COAST TO COAST : OVERTURE AND BEGINNERS
 (1974)

ロッド・スチュワートもライヴ盤で歌っています。
当然のことながら、これもまたロッド自身のものにしていますね。
特に2番の歌い出し"I was feeling insecure"という部分の
エモーショナルに歌い上げるロッドにはぞくぞくっときてしまう。
フェイシズというバンドで歌うことにより、歌手も含めて、
不器用な男の塊のようなパワーを感じますね。
でも、ロッドはどちらかというと不器用じゃないかな(笑)。
今日久しぶりにこのCDを聴いてとてもよかった、暫く聴くかな。

ところで、このアルバムはちょっとしたいわくつきなのです。
ロッド・スチュワートは当時はフェイシズのメンバーでしたが、
ソロ名義で出したMaggie MayがNo.1ヒットとなり人気爆発、
バンドとソロで並行して活動するようになりました。
ロッドは当時ソロアーティストとしてはMercuryと契約、一方
フェイシズはWarner Brothersとの契約で、このアルバムを出す際、
アメリカではロッドのMercuryが、それ以外はフェイシズのWarnerが
レコードを出すというかたちになりました。
しかし結局ロッドはその後でWarnerと契約します。
そんな経緯が今でも尾を引いているかどうかは分からないですが、
ロッドやフェイシズの他のアルバムは今ではリマスター盤CDが
出ているけれど、これだけCDの時代の最初に一度出たきり。
今では中古市場で新品以上の値段がついています。
いい加減、リマスター盤が出てくれないかな。
でも、音質があまりよくなくて、リマスター盤が出ていないのは、
過去の経緯とは関係なく、単にそのせいかもしれないですが。


07
Jealous Guy ジョン・レノン

Jealous Guy
Roxy Music 
(1981)

ロキシー・ミュージックのこの曲は、一昨年に一度、
「ジョン・レノンを想う曲」の記事(こちら)で取り上げました。
今回は、その部分をもう一度掲載させていただきます。
ロキシー・ミュージックとジョン・レノン。
僕は最初にその話を聞いて、変わった組み合わせだなと思いました。
でも、ブライアン・フェリーがカバーアルバムを出していることを知り、
彼の音楽の趣向の広さを知った今はもう納得しています。
この曲は、ジョンの追悼のために録音してシングル化され、
話題が話題を呼んで英国でNo.1になったそうです。
音楽は、演奏も歌い方もロキシーそのものなのですが、この曲は、
素朴だからこそ、ロキシーの色にもうまく染まっています。
この曲、今ではすっかりジョン・レノンの名曲として親しまれていますが、
当時はまだアルバムの中の1曲に過ぎなかったという渋い選曲が、
彼らのセンスのよさと音楽への愛情を感じずにはいられません。
寂しいんだけど、悲しいんだけど、虚しいんだけど、
でも立ち上がろうよというメッセージを感じる好演奏ですね。


08
Jealous Guy ジョン・レノン

Jealous Guy
Youssou N'Dour
MAKE SOME NOISE
THE AMNESTY INTERNATIONAL CAMPAIGN TO
SAVE DARFUR
 (2007)

最後はセネガルの星、ユッスー・ンドゥール
西スーダンのダルフール紛争により人権を抑圧されている人々の
窮状を訴えようというアムネスティのキャンペーンの一環として、
豪華アーティストが大挙してジョンの曲をカヴァーした2枚組CDから。
ユッスー・ンドゥールはいわばアフリカ大陸を代表して参加している
わけですが、そんな彼が選んだのがこの曲。
注目すべきは、Aメロの部分を英語ではなく、何語か分からない、
おそらくアフリカの、本人もしくはスーダンの言語で歌っていること。
紛争のキャンペーンにしては明るく楽観的な響きを感じ取れますが、
それは、ジョンのような考えをみんなが持てば紛争はなくなる、
ジョンは敢えてこの歌では醜い姿をさらけ出しているだけだ、
ジョンでもそうなんだからみんな大丈夫、という意味かもしれない。
ユッスー・ンドゥールは少しずつ聴いて行っている人ですが、
歌にメッセージを込めて普通に聴かせるのが上手い人ですね。
だから、ジョンとつながってゆくのだと思う。


09 Imagine...何を想像する・・・
Jealous Guy ジョン・レノン

いかがでしたか。

書くまでは、今回はそれほど長くならないかなと思っていたのですが、
いざ始めると、やっぱり普通に長くなりました・・・(笑)・・・

08のCDは他にも大好きなアーティスト、素晴らしいカヴァーが
まだまだあって、その話もしたかったのですが、もはや長すぎ。
来年以降にまた話ができれば、と思います。

ところで最後に、この曲自体ではなく、この曲を通して思ったこと。

口笛って不思議ですよね。

Jealous Guyは口笛が印象的なロックの楽曲のひとつですよね。
僕も、この曲を聴くと大抵は口笛を一緒に吹きます。
もっとも夜は、蛇が出てくるのでやらないですが(笑)。
それはともかく、今日も一緒に吹いていたけど、口笛っていったい、
どのようなメカニズムで音程を決めて出すことができるんだろう、と、
自分で吹きながらとっても不思議に思いました。
まあしかし、それをいうなら、声だってそうですけどね、
人間の体って、自分のものでありながら不思議なことも多いですね。

ちなみに僕が口笛を吹けるようになったのは、やはりというか
ビートルズを聴くようになってからで、小学生時代はできなかった。
ただもちろんうまくなはくて、ビリー・ジョエルのThe Strangerの
いちばん高い音は出せません。
そこが来たら、その音だけ出さないでごまかします(笑)。


僕はもうジョンよりも長く生きていることになりますが、
こうなったらまだまだ生きてゆきたいと思いますね。

毎年言いますが、
僕は別に今日だからジョンのことを考えているわけではなく、
毎日、日常生活のひとつとして普通に考えています。

では、また

10
Jealous Guy ジョン・レノン






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Posted by guitarbird at 19:54 │John&Yoko

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