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2013年06月23日

ARGUS ウィッシュボーン・アッシュ

いつものように
写真へのコメントも
大歓迎です!


今回の写真は、アルバムのジャケットにちなんだ
「A公園の小風景」を集めてみました。

題してA公園の「甲」たち

01
ARGUS ウィッシュボーン・アッシュ

ARGUS Wishbone Ash released in 1972
「百眼の巨人アーガス」 ウィッシュボーン・アッシュ

ロックを聴くようになってもう長い僕ですが、
買う前から、聴く前から、「これは絶対にいいアルバムに違いない」と、
なぜか確信してしまうアルバムというものに、時々、出会います。
自分が初めて聴いた年代は10代から30代までありますが、
覚えているものでぱっと思い浮かぶものを例として挙げると、
ニール・ヤングAFTER THE GOLD RUSH
デヴィッド・ボウイZIGGY STARDUST
キンクスVILLAGE GREEN PRESERVATION SOCIETY
グランド・ファンクWE'RE AN AMERICAN BAND
ジェスロ・タルSONGS FROM THE WOOD
そしてLYNYRD SKYNYRDなど。
これらは、実際に聴いてみると、「確信」が120%その通りで、
しかも、僕が好きな100枚に入るであろうアルバムです。
もちろん外すこともありますが、そういうものは覚えていないので・・・
ちなみに、ほとんどが1970年代のものであるのは、
この際、気にしないでいただければ(笑)。

今回のこのウィッシュボーン・アッシュARGUSも、
まさにそのパターンでした。

先ず初めにお断りですが、僕はまだ、
ウィッシュボーン・アッシュのアルバムは、
これ1枚しか聴いたことがありません。
1枚しか聴いてないのに語るなと言われそうですが、
このアルバムに関しては大好きだと胸を張って言えます。
そして、このバンド自体も、
他のアルバムもきっといいに違いないという「確信」があるので、
紹介しても自分でも恥ずかしくない、そんな思いがあります。

02 「甲」のようなものといえば・・・カタツムリ
ARGUS ウィッシュボーン・アッシュ

ウィッシュボーン・アッシュを聴くきっかけは、
アイアン・メイデンでした。
そしてこのタイミングで記事にしたのもやはり、
アイアン・メイデンの新譜(記事はこちら)が出て
メイデンのことに頭が回っているからです。

数年前のことですが、
アイアン・メイデンの中心人物であるスティーヴ・ハリスが、
どんなバンドが好きかを語っているインタビューに接し、
その好きなバンド中のひとつとして
ウィッシュボーン・アッシュを挙げていました。
当時はWAはまったく聴いたことがなくて、
すぐにCDを買おうとAmazonで調べたところ、
まったくもってすごく不思議な偶然の巡り合わせ、この、
今回紹介する30周年記念リマスター盤が近々リリースされる
という情報に接し、それが出るのを待って買いました。
今思うと、ほんとにすごい偶然でした。
余談ですが、スティーヴ・ハリスが好きなバンドは他に、
ピーター・ガブリエル時代のジェネシスジェスロ・タル
ということで、なるほどと思わせるものはある一方で、
自身はそれほどハードなものは聴かないのかな、とも思いました。

さて、CD、いざ買って聴くと・・・
すごい、予想していたよりもはるかにすごい!
あ、いや、それじゃ話にならないですかね・・・(笑)。
どうすごいかは、長くなるので、曲の中で追って話してゆきます。

ウィッシュボーン・アッシュは、誤解を恐れずに大胆に言うと、
「ハードにして英国風味を強めたクロスビー、スティルス&ナッシュ
という感じの音だと僕は思っています。
曲の感じもですし、コーラスワークは明らかにCSN風。
しかし基本はしっかりとしたブリティッシュ・ハード・ロック。
世間ではどう言われているのか分からないですが、
僕は、そうだと思って愛情を持って接しています。

03 「甲」のようなもの・・・きのこもそうだ
ARGUS ウィッシュボーン・アッシュ

このアルバムは、
「百眼の巨人アーガス」なる仰々しい邦題がついているように、
ひとつのコンセプト・アルバムとなっています。
そのコンセプトは、「戦い」。
そうして考えてゆくと、
朝起きて(Tr1)、
世界のちょっとした異変に気づき(Tr2)、
最初はのんきに構えていたところ(Tr3)、
王様が来ることになり(Tr4)、
身の周りの自然ともしばしのお別れ(Tr5)、
男は戦士となり(Tr6)、
しかし最後は剣を捨てる(Tr7)、
そのようなひとつの物語になっていると解釈出来ます。
これを聴いていると、レッド・ツェッペリン
Battle Of EvermoreAchilles Last Stand
戦場にテーマをとった曲が多いアイアン・メイデン
そして映画ではメル・ギブソン『ブレイヴ・ハート』など、
一連の英国の戦記ものが思い出されます。

そして、聴いてゆくと、このジャケット写真は
ロック史に残る名作と言っていいくらい、
見事に内容を1枚の写真でダイジェストしています。
もし、僕が聴こうとした時にこのリマスターCDが出ていなくて、
でもひとまず何か1枚は聴いてみようと思った場合でも、
僕は、ジャケットでこれを選んでいたに違いありません。
その点、「ジャケット買い」しても大成功するアルバムでしょうね。
そのアートワークは、Zepやピンク・フロイドでも有名な
ヒプノシスが手掛けていて、なるほど、と思わせるものです。

そのジャケットの「百眼の巨人アーガス」なる人物が、
『スター・ウォーズ』ダース・ベイダーのモデルだというのは、
単なる噂話ではないかと・・・(笑)。

ウィッシュボーン・アッシュのこのアルバムでのメンバーは
スティーヴ・アプトン(ds)
マーティン・ターナー(Bs)
アンディ・パウエル(Gt)
テッド・ターナー(Gt)
の4人で、ヴォーカルはメインがマーティンです。


04 「甲」のようなもの・・・この時期はやはりエンレイソウの実
ARGUS ウィッシュボーン・アッシュ


Tr1:Time Was
朝をイメージさせるアコースティックギターのアルペジオでスタート。
このギターの音が、強くて大きいんです。
大きいのはミキシングなどで処理できることだと思いますが、
強いというのはピッキングがしっかりしていないと出ません。
最初に聴いてまず、その音の強さに驚きました。
そして音色がまた美しい(何のギターを使ってるのかな・・・)
やがて曲はテンポアップしてエレクトリック中心となり、
印象的なギターリフが出てきて繰り返され、でも、
軽やかさ爽やかさは失われない曲となっていきます。
途中で一瞬だけマイナー調に変わるのかなという部分があるものの、
この曲ではそれが一瞬だけで終わり、また元の明るさに戻ります。
ただ、その一瞬が、一度聴き終ってみると、
実はこの壮大なアルバムのダイジェストの
ほんの一部であることに後から気づかされ、舌を巻きます。
最後のギターバトルの盛り上がりも最高。


Tr2:Sometime World
軽やかに盛り上がったところで、突然の雷雨に打たれたかのような
ずっしりと重たい曲へと変わります。
イントロのとろけるようなギターの音からして、もうノックアウト。
そうなんです、僕は、ブルーズを基調として英国ハードロックには
ほんとに弱いんです、もうお手上げ状態です(笑)。
曲自体も憂いを帯びた歌メロを感傷的に歌いこなし、
ブリティッシュハードの世界に浸りきれます。
後半、唸りを上げながら旋律を奏でるベースに導かれてテンポアップし、
クロストークのヴォーカルにギターが絡んでいくスリリングさ、
まさにハードロックの世界をぐいぐいと押し進めます。


Tr3:Blowin' Free
この曲がまさにCSN風ハードロック。
シングルとしてヒットし、その通り、ポップで親しみやすい曲。
やはりギターリフが印象的、やっぱりギターは上手い。
イントロのシンコペーションがのせてくれる、
美しさとノリが両立したなかなかの佳曲。
よく聴くと、ベースの音の出し方に、
スティーヴ・ハリスが影響を受けた部分があるのかな、
という感じもしてきます。


Tr4:The King Will Come
前の曲がまるで嘘だったかのようにマイナー調に転じ、
感傷的というよりはやるせないヴォーカルとコーラス、
それをいたぶるように動き回るギターがまた聴かせてくれる。
サビの歌メロとギターのフレーズがとにかく印象的。
ギターソロも、ともすればやりすぎてくどくなりそうなところを、
まだまだ聴いていたいと思わせる演奏になっています。
これもまた大作といえる充実した曲。


05 「甲」虫の仲間・・・シナカミキリ
ARGUS ウィッシュボーン・アッシュ


Tr5:Leaf And Stream
叙情的な美しさに浸る曲に感動。
 Find myself beside the stream of empty fall
 Like a leaf it's falling to the ground

タイトルからして、歌い出しからして、歌の世界がイメージできます。
イントロは、印象的な旋律があるわけでもない、
ただのギターのアルペジオで始まるんだけど、
とにかくギターの音をしっかりと美しく聴かせることに
執心していることがうかがわれ、ギターには心を奪われます。
この曲を黙って集中して聴いていると、ほんと、
ギターの音に引きずり込まれて別の世界に行ってしまうのでは、
そんな不思議な感覚に囚われます。
そして、ヴォーカルのマーティ、
地声がそもそも哀愁を帯びた響きを持っていて、
歌詞の行間も表し切っているような味があります。
何か時空を超えた存在のような曲で、
映画の回想のシーンなどにはうってつけの曲でしょう。
僕が選ぶこのアルバムのベストチューンはこれですね。


Tr6:Warrior
イメージは踏襲され、哀愁を帯びつつも力強い
ギターのカッティングで曲は幕を開け、
そこに扇情的なギターのフレーズが絡みまくります。
 Tomorrow the plough becomes the sword
 Make us stronger in our danger

もう、男は、農具を捨ててこの地を去り、
武器を手に取って闘うしかないわけですからね。
この状態にまで来ると、虚しい、無情、寂寥感、
いろいろな感情が理性を超えて襲ってくるのでしょうけど、
それがほんとにうまく表現されています。
煽るようなサビがぐぐっと胸に迫ってきて、泣ける曲ですね、
こんな曲はめったにない。
そしてこれは、アイアン・メイデンにも直接つながる大作風の曲。
これを聴いた時、そうか、と、頭の中でつながりました。


Tr7:Throw Down THe Sword
前の曲が終わってそのまま音が残った中で、最後の曲が始まる。
悲しげなマーチに導かれて、曲が徐々に盛り上がり、
最後はもう無情の嵐に巻き込まれるような世界。
やっぱり、ヴォーカルの声自体が、この世界を表現するのには、
これ以上はないという効果を上げています。
最後に大作2曲を並べたところが、このアルバムのすごさであり、
圧倒されたままアルバムが終わります。
そしてこのギターワークもやはり、
アイアン・メイデンがインスピレーションを受けたことが分かり、
音楽がつながってきます。


なお、30周年記念盤には、
当時のプロモーション用EPに収録されていた
3曲のライヴの曲が収録されています。

Tr8:Jail Bait

Tr9:The Pilgrim

Tr10:Phoenix

これがまたすごくて、おまけ以上の価値があり、
アルバム以上に1枚のCDとして聴くと、
この3曲があることで、より引き締まり、すごいCDだなと実感します。

そう思わせるのが、曲のタイトルですよね。
戦争が終わって捕らえられ(Tr8)、
その後に巡礼して(Tr9)、不死鳥のごとく蘇る(Tr10)、
と、つながっているというわけです。


 


左が現行の通常盤である
30th Anniversary Expanded Edition、
右がこのBLOGでおなじみDeluxe Editionのリンク。
しかし、通常盤が、なんと今は980円!

とにかくすごいアルバムです。
ギターワークにはただただ圧倒されるばかりですが、
このコンセプトは、そのギターのすごさを表現するのには、
最高のかたちであると思います。

「至宝」と呼ぶにふさわしいアルバムであって、
「究極のギターアルバム」のひとつですね。


06 デラックス・エディションとアイーダと
ARGUS ウィッシュボーン・アッシュ

ところで。
なぜ僕はこれ1枚しか聴いていないかというと、ことは至極簡単、
他のアルバムは、まだリマスター盤がまだ出ていないからです。
今年の春に、ついに何枚かデラックス・エディションというかたちで、
リマスター盤が出るという情報があり、HMVにも出たのですが、
何かがあってそれが中止になってしまい、
以降も動きがないようで、残念でなりません。
こうなったら仕方ない、リマスター盤じゃないのを買うかな・・・

しかし、非リマスター盤を買わなかったもうひとつの理由が・・・
これだけいいバンド、ちょっといいじゃなく、とってもいいバンドで、
まだ僕が聴いていないバンドというのは
もうそろそろ少なくなってきていて、
だから未開拓のバンドも幾つか、楽しみとして残しておきたい、
いわば「資源の枯渇を防ぎたい」、
そんなちょっと切ない気持があるからです(笑)。







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Posted by guitarbird at 21:45 │ロックQ-Z

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