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Posted by naturum at

2016年07月21日

弦楽四重奏曲がおもしろい

01


昨夜、クラシックのコンサートに行って来ました。
クラシックはもう5年以上行ってなかった。

札幌では今PMF Pacific Music Festivalが行われています。
レナード・バーンスタインが提唱し1990年に始まった音楽祭で、
世界中の有能な若手が札幌に集い、技量を磨き、
コンサートを通して人々が音楽に親しむというもの。
以前はよくコンサートに行っていたのですが、最近は
チケットが取れないこともあって行っていませんでした。

今回は無料コンサートの整理券をいただくという幸運に恵まれ、
ほんとうに久し振りに行くことができました。

100人くらいの小さな会場で行われる室内楽のコンサートですが、
僕は室内楽や器楽曲のコンサートは初めて。
それまで行ったのはすべてオーケストラによる
交響曲が含まれたプログラムでした。

今回は
ハイドン:弦楽四重奏曲ヘ短調 作品20-5
を特に楽しみにしていました。

ハイドンの弦楽四重奏曲が好きなんです。
例えば「ベートーヴェンの交響曲」「ブラームスのピアノ協奏曲」
という括りで、クラシックの誰の何それで好きなものを挙げて、
と言われたら僕は「ハイドンの弦楽四重奏曲」と答えるくらいに。
楽しいし、旋律がいいし、気分がよくなることこの上ない。

コンサートの曲は最初曲目だけでは分からなかったのですが、
実際に聴くと以前CDで聴いたことがある曲で、
「太陽四重奏曲」の中の1曲でした。

もちろん他の曲も楽しく聴くことができ、例えば
テレマンの4台のヴァイオリンのための協奏曲など、
ヴァイオリンだけ4台という曲は聴いたことがなかったので
ちょっと驚きつつ聴き入っていました。

生の楽器の音もやはりいいですね。
当然のことながら音がより立体的に広がってくることと、
弦の音の艶やかさはオーディオでは再現できない。
いや、高いオーディオならできるのかな。
家の2万のアンプと30年前のスピーカーでは無理というだけで(笑)。
(ただ30年前に片方5万したスピーカーで安物ではないのですが)。


02


ハイドンの弦楽四重奏曲を楽しみにしていた理由はもうひとつ。
先月、この写真のCDを買ってずっと聴いているから。

エマーソン弦楽四重奏団がドイツグラモフォンに残した録音
計52枚のCDを集めたボックスセットが6月にリリースされました。
僕は彼らがいちばん好きなクァルテットでよく聴いていて、
何枚かCDを持っていましたが、全部集めるにはどうしたらいいか、
もう廃盤のもあるし、と考えていたところちょうどボックスセットが出た
というわけ。
もちろんだから1/4ほどはだぶるのですが、それでも、これから
全てを中古で集める苦労とお金のことを考えると、
だぶりがあっても何ら問題はない、即決で注文しました。

しかし、52枚を聴くのは意外と大変。
もちろん他の音楽も聴きたいし、少しずつ聴き進め、
すべて聴き終るのに4週間ほどかかりました。
もし後ろの方で不良品があった場合返品応じてくれるのかな
という不安もありましたが、さいわいなことに不良品はなかった。

僕は、エレーヌ・グリモー様を聴くようになって、
ピアノが入った室内楽曲が好きになりました。
弦楽器だけだと音が鋭すぎて寝る前に聴くには落ち着かない。
ピアノが入るとまろやかになっていい、というのがその理由。
しかしこれを買い、ひとまず不良品がないか聴かなければばならない
という義務感とプレッシャーがあって聴き続けていましたが、
やはりそうすると耳も心も慣れて、今はもう普通に聴いています。

さて、ここでエマーソン弦楽四重奏団についてウィキペディアより。

***

エマーソン弦楽四重奏団(Emerson String Quartet)は、
1976年に結成されたアメリカ合衆国の弦楽四重奏団。
創設以来ニューヨーク州を拠点として活動を続ける。
ドイツ・グラモフォン・レーベルと専属契約を結び、
これまで20枚以上のアルバムのうち6枚が
グラミー賞(最優秀室内楽録音賞)を受賞している。
陰影に富んだ表現と軽やかなリズム感を特徴とし、
ドビュッシーやラヴェル、アイヴズ、バルトーク、グリーグ、
ショスタコーヴィチ、バーバーなどの近現代作品を得意とする。
第1と第2のヴァイオリンが曲によって交代するのが大きな特徴。
カルテットの名前は、アメリカの詩人・哲学者
ラルフ・ワルド・エマーソンに因んでいる。

団員[
ユージーン・ドラッカー(1952年生れ):ヴァイオリン
フィリップ・セッツァー(1951年生れ):同

ローレンス・ダットン(1954年生れ):ヴィオラ(第2代、1977年~)
グィルエルモ・フィグエロン(同 初代)

デイヴィッド・フィンケル(1951年生れ):チェロ (1979年~)
エリック・ウィルソン(同 初代)


***

僕が思う彼らの特徴はなんといっても「ユーモア」

真面目そうなおじさんたちなのですが、いざ曲を演奏すると、
作曲者のユーモアの部分がよく感じられる。
ハイドンのようにきっと面白い人だっただろうという音楽はもちろん、
ベートーヴェンみたいなやはり真面目そうな人の音楽でも、
音楽の基本のひとつがユーモアであることを伝えてくれる。
ボックスセットで通して聴くと、最初の頃の演奏にはやはりというか
かなり真面目な印象を受けましたが、後半になるにつれ、
それを包み込む余裕が感じられ、ユーモアが際立ってきた、
と感じました。

引用文でもあるようにリズム感がいいのも特徴。

03



この写真のTHE HAYDN PROJECTが、
僕がいちばん好きなCDですが、この写真を見るだけで
ハイドンのユーモアを音楽のみならず気持ちで表しているのが
分かっていただけるかと思います。

PMFコンサートで演奏した曲はここには入っていないですが、
「ひばり」「皇帝」「騎士」など標題付きの有名曲が入っていて、
ハイドンの弦楽四重奏曲入門には最適と思います。

ボックスセットで聴いたことがなかったものでは
グリーグ・ニールセン・シベリウスの北欧組のディスクがよかった。
研ぎ澄まされたという言葉がまさにぴったりの精緻さがいい。


04


エマーソン弦楽四重奏団のボックスセットが出たのは、
ドイツ・グラモフォンとの契約が満了したことによるもの。
デビューからずっとDGで出ていたので寂しいといえば寂しいですが、
新たにソニー・クラシカルと契約し、既に2枚出ています。

うち1枚のモーツァルトの方は買って今毎日聴いていますが、
もう1枚はこれから買います。

さてここで、ソニーから出たモーツァルトのトレイラー映像です。



すべて聴くには今後は新たに出るものを買ってゆけばいいわけで、
ボックスセットを買って楽になりました、よかった。



一応リンクも施しておきました。

弦楽四重奏曲はおもしろいですよ!

クラシックのコンサートもまた行きたいですね。
オーケストラでも、室内楽でも。

とここで一句

満月にハイドン弾(はじ)く若人よ 樹翔

昨夜、コンサートが終わって外に出ると満月に迎えられた。
でもこの句は素直すぎますかね(笑)。

最後は3ショット。

06


うちのはトリオ、クァルテットには1頭足りない・・・

あ、だからもう1頭とか、今は考えていないですよ、念のため。




  


Posted by guitarbird at 21:26クラシック

2016年02月04日

ベートーヴェン ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.61

01


Beethoven : Violin Concerto in D major op.61
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 op.61

今クラシックでよく聴いているのがこの曲です。

きっかけは、ニコラウス・アーノンクール指揮
ヨーロッパ室内管弦楽団演奏による、オペラを除いた
ベートーヴェンのオーケストラを用いた曲全集を買ったこと。

その中にはギドン・クレーメルをソロイストに迎えた
ヴァイオリン協奏曲も収録されていて、これが大きく響いてきた。

ちょうど昨秋ヴァイオリニストのヒラリー・ハーンの
SONY時代の音源を集めた全集も買っていて、そこにも
収められているので、2枚続けて聴いています。
(指揮デヴィッド・ジンマン、演奏ボルチモア交響楽団)

前者のクレーメルは男性ヴァイオリニストの第一人者ですが、
僕はアーノンクールのファンなので、こちらは指揮者というか
オーケストラ中心で聴く。

一方後者はヒラリー・ハーンのヴァイオリンが中心。

アーノンクールの演奏は基本的にテンポが速く、音の減衰も速い。
すぱすぱっと切れながら進む感じで、好き嫌いが出やすいかな。
これは、音の減衰が速いピリオド楽器=古楽器の演奏手法を
モダン楽器にも取り入れたからだとのこと。

僕は、テンポが速い方がいい、遅い方がというのは決まっていなくて、
演奏によりけりですが、アーノンクールの演奏についていえば、
ベートーヴェンはいいけどブラームスはもう少し落ち着いた方がいい。

クレーメルのヴァイオリンについては、僕がクラシックを聴き始めた頃、
この世でいちばんみたいな扱いだったので、最初から「すごい人」
というアタマで接している、すごいに決まっている、と。
クレーメルのヴァイオリン、僕がクラシックを聴き始めた頃、
この世でいちばんみたいな扱いだったので、
最初から「すごい人」というアタマで接している、すごいに決まっている、と。
しかしクレーメルは、僕が本などで吹き込まれた情報によれば、
「正統派」というよりは「意趣を凝らす人」らしいので、
アーノンクールと組むのはいい意味で「曲者どうし」といったところかな。

ヒラリー・ハーンの演奏は清潔感があって鋭く切れがいい。
しかし一方で若さに似合わぬ幅の広さ、懐の深さもあって、
自信たっぷりに構えている、そんな演奏と感じています。

ベートーヴェンのヴァイオリン協奏曲は1曲しかないですが、そういえば
ベートーヴェン以降の作曲家はだいたいヴァイオリン協奏曲が
1曲しかないですね。


今回は、クレーメル演奏のYou-Tube映像映像がありました。




 Beethoven : Violin Concerto in D major op.61
 Gidon Kremer ,
 Conductor:Kazuyoshi Akiyama
 NHK Symphony Orchestra
 NHK Hall 1986

ヴァイオリン協奏曲の場合は、ピアノと違い
オーケストラと楽器が重なるので、明確に分ける部分がないと
ソロイストが目立たないよなあ、と、CDで音だけ聴いて思いましたが、
やはりソロだけの部分がしっかりとあるんですね、て当たり前か。


第1楽章

ベートーヴェンの曲は結局のところ「ポップな旋律の宝庫」ですね。
この出だしの美しい旋律はどうでしょう。
結局「歌」なんですよね、だってこの旋律をよく口ずさむから。

5'20"のところで舞踊風になるのが面白いし、
そこのクレーメルは本当に踊っていて気持ち伝わってきます。


第2楽章

ゆったりとしたテンポ、ポップスでいえばバラードといった趣き。
これは歌といいですね。
ドヴォルザーク「新世界」も第2楽章に歌詞が付けられ
「家路」という歌曲になっていますが、そんな味わい。
「家路」を例に出したのは、強烈な懐かしさを感じる旋律のせい。
嬉しいけどちょっとくすぐったい思い出。
もしくは、何かを反省しているような、そんな旋律に浸ります。

映像で34分過ぎからヴァイオリンのソロが始まり
そのまま第3楽章に続いてゆきます。


第3楽章
ベートーヴェンの楽曲は、演奏形式は何であれ、
最終楽章を聴くと胸を張って歩きたくなる曲が多いですね。
旋律がホップするこの曲はまさにマーチングにぴったり。
ブラスバンドなどで編曲して使ったりしないのかな。

そもそもベートーヴェンは、少し偉そうに胸を張り後ろ手に組んで歩く
というイメージがある、そこから来ているのかな。
今いちばんよく口ずさんでいるのはこの旋律なのです。
状況が許せば口笛を吹くこともあって、それも気持ちいい。

02



これほどまでにポップな曲だったなんて。
結局のところ、クラシックだけが特別な音楽というわけではない、
そんな思いが最近ますます強くなってきました。



ヒラリー・ハーンのヴァイオリン協奏曲集です。
今はベートーヴェンばかり聴いていますが、
買ってからその時の気分で1枚ずつ聴いてきています。


本日は立春。
明日から「さっぽろ雪まつり」が始まります。

この曲の華やいだ雰囲気は、なとなく、
雪まつりを迎える今の気分に合うように感じています。
この曲には暖かさも感じるし。
でも、まだ寒いんですけどね(笑)。

ここで一句

立春やベートーヴェンもホップして 樹翔


最後は3ショット。

03


  


Posted by guitarbird at 18:29クラシック

2015年09月19日

ベートーヴェン ピアノソナタ第12番 変イ長調「葬送」 Op.26

01


◎Sonata in A Flat Major
▼ピアノソナタ第12番 変イ長調「葬送」
☆Beethoven
★ベートーヴェン

本日の1曲、ベートーヴェン:ピアノソナタ第12番

You-Tube映像は4つの楽章が分かれており、すべて貼り付けましたが、
通しで聴きたい方は少々ご面倒をおかけすることになるかと思います。

先に曲です。


★第1楽章



★第2楽章



★第3楽章



★第4楽章



実は今ベートーヴェンに凝っています。
昔の流行り言葉でいえば「マイブーム」(笑)。
BLOGにも新たに"Beethoven"のカテゴリを作りました。

交響曲とピアノソナタのCD合わせて5枚を
25枚連装CDプレイヤーに入れっ放しで聴いています。
交響曲の方はまた別の機会に話します。

ピアノソナタは、マウリツィオ・ポリーニの
「ベートーヴェン・ピアノソナタ全集」8枚組ボックスから聴いています。
ポリーニは30年近くかけて32曲すべてのピアノソナタを
録音したわけですが、録音した年代はまちまち。
しかしこのボックスセットは、1番から順に並べられており、
初心者には都合がいい。
ネットでレビューを見ると、そうではなくポリーニが録音した順に
並べるべきだという声もあったのですが、そこは難しいところですね。

ベートーヴェンのピアノソナタはかつて、ダニエル・バレンボイムが
録音した「月光」「悲愴」「熱情」が入ったCDを買って聴いていました。
それを買ったのはごく単純なことでした。

ビートルズのBecauseは、ジョン・レノンが言うには、
ヨーコ・オノが弾いていたベートーヴェンの「月光」を聴いて
曲想のヒントを得た、という。
「月光」は3拍子でBecauseは4拍子、なんてことは抜きにして、
確かに雰囲気は似ている、天才作曲家とはそういうものなのだろうなと。

ビリー・ジョエルのThis NightのBメロ=サビは、
ベートーヴェンの「悲愴」第2楽章から旋律を引用し歌詞をつけたものだ、
というのはリリース当時に知りました。
その2曲が入っているのでそれを買ったというわけ。
 
しかし、それ以外は知らなかった。

ポリーニのCDを買い、少しずつ聴き進めてゆくと、
この12番が最も強く印象に残りました。
やがて、第一楽章を聴いてこう思うようになりました。

「自分の葬式でこの曲をかけてほしい」

魂が体から抜け出し、宙を舞いながら地上を振り返る。
そんな感じを受けたのです。

僕は、ろくに調べずにCDを聴きます。
ブックレットは読むけれど、読まないことも。
今回は後者でしたが、読まなかったのは、とにかく
聴くだけ聴いて分かってきたところで読もうと思ったから。
もうひとつ、ベートーヴェンというよりポリーニのことを
主に書いてあるのだろうと考えたから。

いずれにせよこの曲が気に入り、そうだ今日はこれを記事にしようと、
初めてネットでいろいろ調べました。

すると驚いた。
この曲には「葬送」というタイトルがつけられているのです。
まさに僕が感じた通り、ある意味、恐かった。

だけどやっぱり、音楽って、歌詞がなくても伝わるものが
大きいんだなあって、子供じみたことをあらためて思いました。
ベートーヴェンがことのほかすごいのだろうな、ということも。

そう言われて聴くと、重々しい響きの第3楽章は
ショパンの有名な「葬送行進曲」に雰囲気が似ていて、まさに「葬送」。 
 
でも、第3楽章は「送る側」の人の心情に添った音に、僕には聴こえます。
僕が第1楽章を聴いて自分の葬式で流して欲しいと感じたのは、
「送られる側」としての感覚でした。

それもそのはず、ウィキペディアで見ると、このような説明がありました。

***

第3楽章に置かれた「ある英雄の死を悼む葬送行進曲」と副題の
つけられたマエストーソ・アンダンテはこの作品中の圧巻であり、
ここから《葬送》の通称で親しまれている。


***

実際にそうだったんですね。

では、他の楽章は「葬送」とは関係ないのかな。

落ち着いていながらも明るくホップする第2楽章は、
「送る側」が亡くなった人の想い出話で楽しく盛り上がっている。
犬たちはしかし変わらずに楽し気に過ごしている。
だけどやっぱり犬たちも、何か、何かが違うことには気づいている。
「送られる側」はそんな雰囲気に後ろ髪を引かれながらもほっとして
旅立つことができる、と僕にはとれます。

第4楽章はピアノを弾けない僕には超絶技巧に聴こえる賑やかな響き。
葬儀が終わって日常に戻り、また明るく前に進んでゆく。
ニューオーリンズの葬送の「セカンドライン」と同じ。 
行きは重々しく、帰りは明るいマーチで、周りの人も巻き込んで盛り上がる。

遡って第1楽章は先に書いた通り。
僕は死んだんだ、これから天国に旅立つんだ。
自分から自分へ贈る曲。

などと勝手に解釈。
ロックの歌詞は聴き手が勝手に解釈するから楽しい、
とよく言われますが、クラシックの曲はどうなのだろう?
勝手に解釈すると怒る人がいそうですが・・・
 
何であれば僕は、音楽を聴いて感じたことを話すのが好き、
ただそれだけのことです。

とここまで書いてもう一度You-Tubeを見ると、静止画ですが、
ポリーニの演奏が上がっていたので、追加で貼り付けました。
なんだか意地悪したみたいで申し訳ないですが。




ところで僕は、ピアノも弾けないしクラシックは初心者のようなものだから、
ポリーニのこの演奏がどう素晴らしいとかはまだ言えないですね。
今回はひたすら曲に着目したということで。




全集のリンクがなぜか見つからなかったので、
第12番が入ったポリーニの演奏のCDです。

こうして、僕が死んだ時にかけて欲しい曲が1曲増えました。
 ポール・マッカートニーのTake It Awayに、
ベートーヴェン・ピアノソナタ第12番。
 
今朝からなぜか風邪気味、熱はなく喉風邪ですが、
明日も明後日もその次そしてもひとつ仕事なので、
今日は短くこの辺で。

 
02





  


Posted by guitarbird at 22:29クラシック

2015年09月14日

J.S.バッハ「無伴奏チェロ組曲」のCDを「発見」

01


Suites For Violonchello Solo, BWV1007  J.S.Bach
無伴奏チェロ組曲第1番 ヨハン・セバスチャン・バッハ

今日はまた1曲の話を。
J.S.バッハ「無伴奏チェロ組曲」から第1番。
アンナー・ビルスマの演奏によるものです。

先ずはYou-Tube映像、第1番だけですが、観て聴いてください。





NFLが開幕、という話は先日もしました。
開幕戦は1試合だけ先に木曜日(日本の金曜日)に行うのが定例ですが、
本来は日曜の夜に試合があり、日本では月曜の朝。
月曜日が忙しくて楽しい日々が始まりました。

今日は仕事が休みで、朝からNFLの生中継を3試合、
途切れ途切れだけど観て、ネットでその他の試合の経過や結果を
追って過ごしていました。
途切れ途切れというか、最初の試合は2時開始、その時間に起きて
ちらと観て、気づいた時は2試合目が始まっていましたが(笑)。
KCは勝ちました、生中継がなかったのは残念でしたが。

という話はまた別の機会として、せっかくの休みだから、
合間に家の中の片づけものをしていました。
 
今回は、普段は使わない部屋の棚の中を整理することに。
ウーロン茶などのペットボトルの箱が幾つかあり、中は主に
録画したビデオテープ、βもVHSもありました。
断捨離が目的で、後にDVDを買った映画はためらうことなく
捨てることにしましたが、でもほとんどはテレビ番組を録画したもの。
こちらの方がむしろ貴重ですよね。
多いのは生物関係の番組で、そういうものを昔からよく
録画していたからですが、これらは資料的価値があるかもしれない。
昔のCMが入っているかもしれず、それもまた楽しい。

何を録画したかはだいたいラベルに書いてありましたが、
スーパーボウルを録画したテープが2本ありました。
1997年XXX回
「ニューイングランド・ペイトリオッツ対グリーンベイ・パッカーズ」
1998年XXXI回
「グリーンベイ・パッカーズ対デンヴァー・ブロンコス」の試合でした。
最近はCSで試合自体の映像は放送され、それを録画しましたが、
やっぱり当時録画したこれはこれで懐かしい。
 
でも、今は時間がなくて、中味を確認できない。
もしかしてもうテープがだめになっているのもあるかもしれない。
いつか時間ができたら確認しよう、と、まあ結局は後回しということで、
今回は屋外の物置に移動しました。
ビデオデッキが動かなくなる前に何とかしたいですね、特にβの方(笑)。


02


今朝のA公園。

こんなにいい天気だったのに、昼前に土砂降り、その後雨。
降る前に外の物置に移す作業を終えていてよかった。


ビデオテープと本がほとんどでしたが、1つだけCDがありました。
その中に、今回紹介したアンナー・ビルスマの
「バッハ無伴奏チェロ」のCDがあったのです。
クラシックのCDは全部で15枚ほどあった、その中の1枚。
他は、アバド指揮のマーラー交響曲が幾つか、
アルバン・ベルク・クアルテットのが数枚、
それとギュンター・ヴァントのブルックナー。
なぜこれだけよけてあったのか。
よけてあったせいで、買ったことすら忘れていました。

その箱がですね、実は、それら以外はすべて
ハードロック・ヘヴィメタル系のCDだった。
もう定番ばかりで語る必要すらないと思いつつ書くと(笑)、
ディープ・パープル、ブラック・サバス、オジー・オズボーン、
ジューダス・プリースト、デフ・レパード、メタリカ、
ガンズ&ローゼズといった面々。
笑っちゃうくらいにコテコテでしょ。

メタルとクラシック、この箱はいったい・・・思い出せない。
可能性としては、リマスターが出て買い直した古いものを集めた、
僕が東京にいた頃に弟と僕で別々に買ったものが結果として
ダブったのでそれをよけた、のいずれかかな。
 
しかしそこに15枚ほどのクラシックが混ざっていたのは、まったくの謎。
謎というか、その取り合わせがなんだか自分でも可笑しくなってきました。

ともあれ、クラシックのCDを新たに15枚も一気に買ったような
錯覚に陥り、今日はなんだか幸せな気分でした(笑)。


今日はその中から、バッハのこれを聴いているというわけ。

演奏者のアンナー・ビルスマについて、ウィキペディアから引用します。

***

アンナー・ビルスマ
(Anner BijlsmaまたはBylsma, 1934年2月17日 - )
はオランダのチェロ奏者。
バロック・チェロの先駆者かつ世界的な名手として知られる。
「アネル・バイルスマ」また「ベイルスマ」と表記することもある。

略歴
オランダのハーグ生まれ。
ハーグ王立音楽院でカレル・ファン・レーウェン・ボームカンプに師事。
1957年に最優秀賞を得て卒業。
1959年、パブロ・カザルス国際コンクール([メキシコ])で優勝。
1962年から1968年までアムステルダム・コンセルトヘボウ管弦楽団
首席チェロ奏者。
この間、グスタフ・レオンハルト、フランス・ブリュッヘンらと親交を深め、
バロック・チェロ奏法を追究・確立する。
1982年にハーヴァード大学で学究生活を送る。

古楽器演奏の第一人者
ビルスマは、バロック・チェロと使用されるガット弦の特徴を活かし、
親密で語るようなフレージング、多彩なニュアンスを聴かせる。
1979年に録音した最初のバッハ無伴奏チェロ組曲は、
モダン・チェロによる従来のロマンティックな表現とは一線を画した、
素朴な語り口と元来の舞曲としての性格を
前面に打ち出したものであった。
この録音は、ビルスマに影響されたバロック・チェロ奏者の輩出を
促しただけでなく、1978年のロジャー・ノリントンによる
ロンドン・クラシカル・プレイヤーズ設立、1981年のブリュッヘンによる
「18世紀オーケストラ」創立などとともに、クラシック音楽界に
古楽器演奏の旋風を巻き起こし、モダン楽器の表現にも
大きな影響を与えることになった。
また、室内楽分野では、ガット弦を使用した弦楽アンサンブル
『ラルキブデッリ(L'Archbudelli)』を主宰、
夫人のヴェラ・ベス(ヴァイオリン)、ユルゲン・クスマウル(ヴィオラ)
らとともに、バロック時代からロマン派までの
室内楽作品を幅広く取り上げて演奏している。


***

このCDはまさにここで紹介されている1979年の録音。
代表作として紹介されるほどのものなんだ、そう思うと嬉しいし、
ありがたい。
 
「バッハ無伴奏チェロ」といえば、パブロ・カザルスの戦前の古い録音が
デジタル時代の今でもリファレンスとなっていて(もちろんモノーラル)、
僕もそれを持っていますが、カザルスとつながっているのもなるほどなと。

03


エゾゴマナ、今年は花期が長いように感じています。


久し振りに聴くと、月並みだけど、心が和みますね。
演奏がどうというのは僕にはまるで分からないけれど、音の響きがいい。

チェロの音って、人間の言葉に近いのかもしれない。
穏やかに語りかけてくるような安心感があるのかもしれない。
しかも、お喋りとは違って音楽的秩序がある音だから、邪魔にならない。
バッハはもしかして人の語りを音楽で再現したかったのかもしれない、
なんて思ったり。

メロディというか旋律もまた素晴らしい。
僕は正直、ずっと気合い入れて聴き続けるわけではない、
例えば今まさにこの記事を書きながら聴いていて、
音楽に気持ちが向かっていたりいなかったりですが、
時々心地よい旋律に気持ちが引き寄せられます。

「バッハ無伴奏チェロ」を最初に聴いた時、これはクラシックを
聴かない人でもすんなりと入ってゆけるのではないか、と思いました。
今回もその思いは同じ。
アイアン・メイデンを聴いて、これを聴いて、さらにヴァン・モリソンと
続いても違和感がない。
いい音楽って、「バッハ無伴奏チェロ」のような音楽のことを
いうのだろうなあ、と。

これからしばらくはCDプレイヤーに入れっ放しです。



チェロは一度弾いてみたいし、家にあるといいなあと思います。
しかし、家の中にそれを置く場所がないのは言うまでもない・・・

断捨離は進まず、家の中の作業とはいえ結構体力を使いましたが、
こんな素晴らしいCDを発見し、聴くことができて、
それなりに充実した休日になりました。

さあ、日本時間明日の朝はいよいよ
わがフィラデルフィア・イーグルス開幕戦。
仕事で生中継は観られないけれど。
今年は行けるかな。

と、結局バッハとは関係なく終わるのでした(笑)。

最後は犬たち、今朝のA公園の3ショットにて

04


  


Posted by guitarbird at 21:29クラシック

2015年07月15日

シューベルト交響曲「未完成」D759と「ハミング」の話

01


シューベルト交響曲第7(8)番ロ短調「未完成」D759

最近密かによく聴き、口ずさんでいる曲です。

本題の前に、この曲は以前は「第8番」として知られていましたが、
現在では、かつての「第7番」が抜けて番号がひとつ繰り上がり、
この「未完成」が「第7番」となったようです。
ようです、というのも実は今回僕も初めて知ったからで、僕も
昨年まで5年ほどはクラシックの情報を追っていなかったので。
ウィキペディアによれば、旧「第7番」は、交響曲としては未完だが
ピアノ譜は最後まで完成、とのことで外されたのでしょう
「未完成」もその通り未完でしたが、この頃のシューベルトは
性格かその他もろもろ、飽きっぽかったのでしょうかね。

本題、「未完成」。

この曲は小学生の頃から知っていました。
音楽の時間に習った中で、まずシューベルトという人を知り、
その人には「未完成」交響曲があると知りました。
曲もなんとなくこんな感じというのはその時に覚えましたが、
30歳を過ぎて自分でCDを買ってクラシックを聴くようになり、
この曲は特に懐かしさを感じたものでした。
そもそも旋律がノスタルジックな部分がありますよね。
それと、小学校時代の音楽の先生を僕は大好きで、
高校卒業まで年賀状で交流が続いていたのですが、
「未完成」を聴き、先生は今どうしておられるかな、とも。

僕は思う。
この曲の第一楽章は、この世で最も美しい旋律である。

「未完成」のテーマは「失恋」だと僕は感じます。
甘いようで、苦いようで、伝えたいけれど伝えられない。
シューベルトは早世しましたが、恋多き男だったようで、
でもそれにしては切なすぎるような気もしないでもないけれど、
ひとつの恋に集中し熱が高まる人だったのかもしれない。
少なくとも、この曲を聴いて、一人の女性しか想像できない。
と思いながら第一楽章が終わる。

第二楽章は一転してどこか明るくひょうきんですらある。
その恋がうまくいったか、いや「未完成」だからそんなはずはない、
うまくいった夢をみたのか、気持ちがずいぶんと軽くなっている。
思いつめてしまった自分への照れ隠しなのか。
僕はよく「ロックの照れ隠し」といいます。
ロックは真面目な顔して思いつめたようなことをするけれど、
それはあくまでも曲の間だけで、終わるとけろっとしている。
「未完成」の第二楽章には、それと同じものを感じる。
つまり、ロックだけではなく、音楽ってそういうものなのだと。

第二楽章も旋律は美しい。
しかし、第一楽章のような「威厳」ではなく、親近感を覚える。
随所に口ずさんでしまう旋律が散りばめられている。
第一楽章で思いつめてしまった心を解放してくれる。
ほっとする、安らぎが訪れる、それが第二楽章でしょう。

「失恋」がテーマだから「未完成」でよかった。
第三楽章もスケッチだけ残っているそうですが、結果論として、
未完のまま第二楽章で終わったことがよかったのでしょう。
未完であるがゆえに、その先を想像することの楽しみや
スリルを味わうこともできる。

以上、曲について僕が思い感じて考えることでした。





さて、ここで曲です。
テンシュテット指揮・ロンドンフィルハーモニー
静止画ですが、これを選んだ理由は最後に書きます。







さて、話を大きく方向転換します。

クラシックをはじめ、歌のない曲を口ずさむ時、
どんな音、どのような声で口ずさみますか?

「ララララ」「テテテ」「ムムム」「フフフ」いろいろあると思いますが、
曲により、使われる楽器により違ってきますよね。

例えば、ベートーヴェン交響曲第5番いわゆる「運命」の冒頭、
あまりにも有名なあの旋律を多くの人は
「ジャジャジャジャーン」、と口ずさむのではないかと。
これは、ウグイスの囀り「ホーホケキョ」並みに、
擬声語として定着しているかもしれない(笑)。

でもそういう例は少ないでしょうね。
人それぞれ、思い思いにハミングするのではないかと。
映画やドラマでも、クラシックやジャズの歌ではない旋律を
ハミングするシーンを目にしますが、人により、場合により、
へえそういう音なんだと思うこともあります。

ハミングの音(声)を決める要素としては楽器が重要かな。
ジャズでいえば、アート・ブレイキーのMoanin'は
「タッタターラララタッタ (ジャーンジャ)」
前半はサックス、後半()内はそれ以外のバンドの音と、
同じ曲でも音(声)が違ってきます。

シューベルト「未完成」第一楽章は、
今僕がもっともよく口ずさんでいる曲。
そのハミングの音、僕は、口を閉じ喉元で音を出す、
「ムームームムム」もしくは「ンーンー」、こんな感じ。
この場合は声というより音ですね。
口を開けないのが、思いが出せないことにつながっているのかも。
いや、それ以前に僕の感覚では音としてそれが最も近いのです。
ただ、これ、ひとつ小さな問題がありまして。
貼り付けたYou-Tube映像でいえば1'22"からの曲が展開する部分、
チェロが奏でる旋律の音が高くなると、口を開けないハミングでは
うまく音が出せず、特に立ち上がりで音が外れがちになります。
「ターァーラータララ」であれば口を開けるので音が外れることは
ないのですが、人間の声、喉、声帯も不思議なものだと。

であれば「ターラー」でハミングすればいいのではないか。
悪くない、でも、やっぱり「フーフー」の方がこの曲には合う。

こんな感じで、自分の出す「音」で遊んでいます。


02


もうひとつ、「未完成」をハミングしていると、
歌としていいこと=歌メロがいいことと、旋律がいいことは、
同じようで実は違うということが分かります。

例えばですが、そうですここで出てきます(笑)ビートルズの曲、
Hey Judeは、歌詞をつけて歌うにはもちろん最高にいい曲ですが、
歌メロだけをハミングしてもやっぱり素晴らしい旋律だと感じます。
「歌メロ」はそもそも略語だけあって砕けた表現ですが、
Hey Judeの場合、「旋律」と表現する方が適切だと感じます。
スーパーのBGMで歌詞がないイージーリスニングのものが
流れていることがありますが、それを聴いてもそう感じます。

何が違うかといえば、歌としていいのは、旋律とリズムの絡みに
歌詞がうまく乗っていて気持ちがいい、ということであり、
一方旋律がいいのはもっと気持ちの底まで素直に伝わってくる。
どちらがいい、とは言わないし、そもそも僕は「歌メロ人間」であり、
「歌メロ」側に立っているので、それはそれで大好きなのですが、
「旋律がいい」というのはそういうことか、と気付かされます。
別の解釈をすれば、歌は「音」という自然の要素に「言葉」という
人間的な要素が加わることで起こるマジック、ということでしょう。

話は長くなりましたが、クラシックでもよく口ずさんでおります。
別の曲を別の音=声で口ずさんだ時は、
また報告させていただきたいと思います(笑)。





ところで、なぜ今この曲か。

よく聴いているのはカルロス・クライバー指揮ウィーンフィルの演奏で、
名盤としてよく取り上げられるレコード(CD)のひとつです。
この「未完成」自体は、カルロス・クライバー追悼盤(記事こちら)
収録されており、そこで聴きなじんだものですが、この度
新たに第3番が併録されたCDを入手しました。
ちなみに、第3番もやはり素晴らしい曲、演奏です。

先日、Amazonで、カルロス・クライバーがドイツ・グラモフォンに遺した
すべての公式録音をまとめたボックスセットがお薦めに出てきました。
新品16000円か、欲しいけどいつか、と思ったところ、
中古品4000円台があることが分かり、クリックして見ました。
状態「良」、出品者が御茶ノ水のディスクユニオン、即注文しました。
御茶ノ水大好き人間ですから(笑)。
届いてみると確かに「良」、ものすごく得した気分。
いや、1/4の値段で買え、実際に得したことになるのか。
ベートーヴェン交響曲5&7番も、『椿姫』も『魔弾の射手』も入って、
4000円というのは、あまりにも安すぎ!
逆に、新品が1万以上でも売れるものがどうしてその値段、
買い取りはおそらく3000円以下だったのか、そこが疑問です。
ユニオンは中古の値段の付け方が良心的なのかな、そうでしょうね。

ひとつだけ残念なのは、オリジナル発売当時のアートワークが
再現されておらず、CDが統一したデザインの紙に入っていること。
オリジナルのアートワークは上のAmazonリンクにあるもの。
まあでも、これは仕方のないことですね。
2015年上半期CDTop10の記事(こちら)を上げましたが、
買い物という点では今年上半期でいちばんはこれでした。

「未完成」、僕は数人の指揮者のものしか聴いていないけれど、
カルロス・クライバーの演奏を早くに聴いてしまったがために、
もうそれ以外はない、というほどイメージが出来上がってしまいました。
クラシックは「聴き比べ」にはまってしまうと資金不足になりますが、
だから、「決定盤」に出会うと嬉しくもありますね。
クライバーの曲に対する徹底ぶりもそのひとつでしょうけど、
気が向かないと録音しない、脆さ、危うさ、といった
クライバーの気性が「未完成」に結びつきやすいのかもしれない。
豪華だけど派手ではない、内面がしっかりしているからこそ立派、
しっかししていながらも遊び心に満ちていてすぐに引きつけられる。
クライバーの「未完成」は、そんな演奏だと思います。

ところで、You-Tube映像について。
クライバーのこの演奏は、静止画のものでも上がっていませんでした。
そうなると他の指揮者とオケの演奏を選ぶしかないのですが、
他の人のライヴものは使うのが申し訳ないし、BLOG運営者としては
「ダシ」に使うようでもったいない気もします。
そこで静止画のものを選びましたが、どうせなら僕がCDで
あまり聴いたことがない指揮者のを、ということでこれになりました。
演奏はどうかというのは、PCで聴く以上は分かりません。
つくづく、音楽はステレオで聴きたいと思いましたね(笑)。

最後に、昨夜この曲をハミングして寝て起きた今朝の一句

寝冷えする小暑の夢や未完成 樹翔

今日は最高気温21度。
昨日は真夏日、夜まで家の中が蒸し暑く窓を開けて寝たところ、
朝は寒くて目が覚めました。
夢の話は、まあ、置いておきましょう(笑)。


最後は犬たちの3ショットで、この記事も未完成のまま終わります。

03


  


Posted by guitarbird at 20:54クラシック

2014年06月15日

「女心の歌」 ヴェルディ作曲 歌劇『リゴレット』より

01


◎La Donna E Mobile
   from the opera RIGOLETTO by Verdi
▼「女心の歌」
  ヴェルディ作曲 歌劇『リゴレット』より

ワールドカップ2014ブラジル大会が始まりました。

僕は普段はサッカーを観ないけれど、W杯は、
通常起きている時間に放送する試合は観るという人間です。
「にわか」、というより、「4年に1度」ファン、と呼んでください(笑)。
 
日本はコートジボワールに1-2で負けてしまいました。
先制したので少し期待したのですが、先制しただけで勝てるほど
W杯は甘くはなかったですね。
勝1敗で予選を乗り切るその1敗目がたまたま初戦だった、
というくらいの割り切りであと2試合に臨んでほしいです。
もちろん応援します(割とひっそりと)。



今日は日本戦の前に、イングランド対イタリアの試合がありました。
同じ日に、しかも続けて試合があるなんて。
サッカーの試合を熱心に観たのはほんとに4年振りかな。

僕は、父と弟がイタリア人で、とうのはもちろん嘘(笑)。
亡くなった父が仕事の関係でイタリア語が話せたので、
小さい頃からイタリアを好きになるようにしむけられました。
実際、好きですけどね。
でも、弟のようにイタリア語を習得するまでには至っていません。

僕が中3の年にW杯スペイン大会があり、イタリアが
ブラジルとアルゼンチンを倒して決勝トーナメントに進み、
ポーランド、西ドイツと倒して優勝しました。
当時NHKで試合の生中継をしていて、ポーランド戦からは
生で観ていたのですが、あれよあれよという間に勝ってしまった。
僕はそれまでサッカー自体にも興味がなかったのですが、
何事も最初の衝撃が大きくて重要、僕はそれから
イタリアの応援をするようになりました。
2006年にもイタリアは4度目の優勝をしましたが、
父がその翌年に亡くなったので、今となってはより一層思い出深いです。

というわけで、わが家ではイタリアを熱烈応援しています。 
弟は昨夜、イタリア代表のレプリカジャージを着ていたくらい。

試合は2-1でイタリアが勝利!!!

予選リーグはいつもぎりぎり通過、でも前回はその戦略が外れて
決勝トーナメントに進めないとう大失態を演じてくれましたが、
そんなだし相手も相手だから、期待していなかったので、
予想外の勝利の喜びに針が大きく振れました。
その後日本が負けて、針が振れ戻ったのですが・・・

イタリアがいるグループDは「死の組」と呼ばれ、4か国中3か国、
この2つとウルグアイが優勝経験があるという組ですが、
そのウルグアイがコスタリカに負けるという事態になり、
イタリアの希望の芽は大きくなってきた感もあります。

ただ逆に、負けたイングランドも、ウルグアイが負けたことで、
初戦のイタリアに負けたことが当初ほど大きなダメージではなくなった
ともいえるかもしれないですね。
さらにいえば、イタリアにとっても、1つ勝ったからといって
リードしたともいえない、と言えるのでしょうけど。

ところで、ビートルズばかを自称する僕なのに、
イングランドは応援しないのか、と言われそうですが、イングランドは、
イタリア、日本がいない状況では最初に応援する、くらいかなあ。
 
僕は、サッカーの代表としてのイングランドと言われると、
音楽ではアイアン・メイデンを象徴として思い浮かべます。 
やはりビートルズじゃないのかと言われそうですが、ビートルズは
「英国」で最初に思い浮かべるもので、いわばビートルズは「国家全体」、
メイデンは「そのいち地方イングランド」といったところ。
メイデンは、ステージでもユニオンジャックではなくイングランドの旗を
振ったり、Maiden Englandという編集盤をリリースしたりしていて、
イングランドだけに限ればイメージが強いです。
ただ、メンバーはひとりだけスコットランド人なのですが・・・

弟がメイデンの英国ファンクラブ会員だと何度か言いましたが、
弟も、サッカーのイングランド代表はそれほど応援していない、
少なくとも今日イタリアが勝って喜んでいた、くらいのものです。
そんなことをスティーヴ・ハリスやブルース・ディッキンソンが聞くと
怒りそうですが(笑)。
 

02


閑話休題、今日は珍しく日曜が休みで
テレビで試合を観ることができました。

しかし雨で、朝のA公園の散歩も短めに。
エゾマイマイの幼生くらいしか撮れませんでした。


さて、話はイタリアの話題。

サッカーの戦術や技術はよく分からないのですが、
ピルロのパス回しやボールタッチの柔らかさは
素人の僕でも感じられるくらい素晴らしかった。
1点目のスルーパス、のそのそと動いているようで来たボールを
さっと飛び越す、なんて人だと。
ロック的にいえばまるでインド帰りのような濃いひげ面ですが(笑)、
画面を見ていてついついピルロがどこにいるか探してしまう。
観ていて楽しい選手、いや、人ですね。

バロテッリはやんちゃぶりを発揮することなくきっちりと仕事をして、
安全策のために(!?)交代していましたが、これから伝説が始まる
その最初のゴールを見たのかもしれない。
と書きましたが、実は、前半が終わったところでうとうとしてしまい、
意識が戻ると誰かがバロテッリにパスを出したところで、
目を開ける寸前に「ゴール!」という声が聞こえた。
つまりは彼のW杯最初のゴールの瞬間は見逃しました(笑)。
でも、我ながらすごいタイミングで意識が戻ったな、と妙に感心もしました。

GKのブッフォンが昨日けがをしたとかで今日は出ていなかった、残念。
ブッフォンは近年、素顔のアリス・クーパーにますます似てきたなあ(笑)、
けがは軽傷とイタリア側は主張しているそうで、それを信じて、
次の試合では姿を観たい。

4年に一度男で間は追っていないので、今回は知らない選手がほとんどでした。
(バロテッリはユーロで観ました、つまり、他の試合もたまに観ています)。
他に知っている中では、デ・ロッシが後半の終わり近くにペナルティエリアの
すぐ外でファウルして相手にFKを与えてしまいましたが、
確か前の大会でもレッドカード退場になっていたはずで、
ううんやっぱり暴走癖は治っていないのか、と、今後心配に。
 
20番の選手(敢えて名前は書かない)の「頭」、
上から撮るとかなり衝撃的だった・・・

いろいろと印象的な試合でした。



僕は今日、試合の途中から、或る曲が
頭の中で鳴り出して止まらなくなりました。

「女心の歌」 ヴェルディ作曲 歌劇『リゴレット』より

なぜかといえば、これが駄洒落でして・・・

バロテッリと交代したのが、今年のセリエAの得点王、
インモービレ Immobile。
この曲は原題La Donna E Mobile、歌い出しもそのまま歌いますが、
♪らどんなえもーびれ、 が、 ♪らどんないもーびれ に聴こえる、
ただそれだけのことでして・・・お粗末でした。

試合が終わってもまだ頭の中で鳴っていて落ち着かないので、
ついに先ほど、『リゴレット』のオペラのCDを聴き始めてしまいました。

今回はYou-Tube映像も貼り付けました。

ひとつめはルチアーノ・パヴァロッティが、ニューヨークの
メトロポリタン歌劇場で『リゴレット』に出演した時のもの。
冒頭の写真のCDはその曲(同じヴァージョンではない)が入った
パヴァロッティのベスト盤ですが、そういえばパヴァロッティも
イタリアが優勝した翌2007年に亡くなりましたね。
 
もうひとつのYou-Tube映像はそのドミンゴとカレーラスも参加した
おなじみ「3大テノール」のもの。
冒頭でアーノルド・シュワルツェネッガーが写っていますが、1994年に
ロサンゼルスで収録された、サッカーW杯アメリカ大会記念コンサートのもの。


 
「女心の歌」、タイトルをご存知なくても、
聴けば「ああこの曲ね」という人が多いのではないかと。
かくなる僕も、クラシックを聴くようになって最初に聴いた時、
「ああこれか」と思い、そこで誰の何という曲かを知りました。 
ヴェルディのアリアとして日本でもよく知られた曲のひとつだと思います。

「女性(の心)とは移ろうものだ」、恋愛の過程で歌われるもの。
曲名の"mobile"は英語の「モバイル」ですが、選手のインモービレの場合は
打消しの"im-"がついていて、実は意味が正反対、女性は心が動かない、
ということになり、いかにも今風かもしれない。

ということは、選手のインモービレはあまり動かないのかと思いきや、
守備に攻撃に動き回っていました。
心が不動、ということにしてきましょう。

まあとにかく ♪らどんないんもーびれ、などと口ずさんでおります(笑)。

サッカー絡みの余談、ヴェルディの曲で日本でいちばん知られているのは、
『アイーダ』の「凱旋行進曲」でしょう。
その昔、フジテレビの「セリエAダイジェスト」のテーマ曲として使われ、
イタリアではサッカーファンが歌う歌として定着していたものが、中田氏が
セリエAに行った頃から日本でも知られるようになったと記憶しています。
以降CMでもよく使われていますが、これについてはまた別の機会に。


03


イタリア代表の今大会のレプリカジャージ。

ところで、今日のイタリア戦の解説は早野さんでしたが、
実は僕、早野さんのファンなのです。
よく響く低音の中、時々、何の予兆もなく駄洒落を入れてくるのがたまらない。
真面目なサッカーファンのかたにとっては、まるでバカにされているようで
お嫌いかもしれないですが・・・
解説が早野さんと分かって、朝からテンション上がりました(笑)。

以前、いつの大会だったか、ブラジルのスコラーリ監督を僕は
俳優のジーン・ハックマンに似ていると思いながら観ていたところ、
ブラジル戦の解説の早野さんが「ジーン・ハックマン似」と言ったのを聞き、
この人とは感じ方が似ているんだと思い、それからのファンです。

今日は、イングランドのGKがハートで、バロテッリに点を入れられて
「ハートブレイク」だとか、彼はリーグ戦の頃一時期不調だったのが
立ち直ってきたとアナウンサーが話を振ったところで
「ハートが強いんじゃないですか」とさらりと言ったり、と。
 
今日は、イタリアの監督はブランデッリ、まずそれを頭に入れて、
後半に(守備をしない)バロテッリを(守備にも汗を流す)インモービレに
変えたことで守備が強化されたのを見て、
「監督の「プラン通り」、ブランデッリ」とハイパー駄洒落も炸裂していました。
アナウンサーは駄洒落だと気づかなかったのか、もっと他の理由で(笑)、
何事もなかったかのように無視して話を進めていたのが笑えました。

このように、いわゆる「親父ギャグ」より少しひねっているのがいいところ。
といって、「親父ギャグ」並みのもたまに(よく?)入れてますけどね。

もちろん解説も分かりやすくて、今日はイタリアとイングランドの選手の
高度なプレイにいち個人として感心しまくっていたのには共感を覚えました。

早野さんが次はどの試合を開設するのか、
それもまた今大会の楽しみになりました。
まあ、好き嫌いが分かれるので、日本戦では出ないでしょうけど。

04


最後は車の中のマーサとハウ。
4日前の写真ですが、このところ雨続きで、
写真があまり変わり映えがしなくなりました(笑)。

結局のところ、今日は駄洒落で話がまとまってしまいましたが、
こんな日もある、ということでさらりとお読みいただければ、
そして曲を聴いていただければと思います。

W杯は始まったばかりですが、寝不足で日常生活に
支障をきたさない程度に観て楽しんで時々応援したいですね。

ところで、イタリアと日本は、決勝トーナメントの
最初に当たる可能性があるそうで。
イタリアが1位で日本が2位、或いはその逆だとそうなるみたいですが、
本当に当たるとすれば、さて、どうしよう。
なんとなく、日本のザッケローニ監督がイタリア人だから、
トーナメントで当たるという「運命の筋書き」のようなものが
ありそうな気がしてならないのですが・・・








  


Posted by guitarbird at 21:29クラシック