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2015年01月25日

TRUTH ジェフ・ベック

01
TRUTH ジェフ・ベック

TRUTH Jeff Beck 
トゥルース ジェフ・ベック
 (1968)

今日はジェフ・ベックいきます。
ジェフは一応、ソロ以降の全アルバムが家にあるのですが、
よく聴いているかというと、正直、はいとはいえない人です。
嫌いな理由は何もなく、むしろ尊敬しているギタリストですが、
端的にいえば尊敬が大きすぎてなかなか近寄れない、
そんな存在かもしれません、現在進行形で。
だからジェフのプレイがどうのこうのは話せないのですが、
音楽にも情報にもずっと接してきている人ではあって、そんな中、
このアルバムは唯一、そらで曲が思い浮かぶくらいの愛聴盤。
年末から、きっかけは特になく目に留ったので突然また聴き始め、
以前は気づかなかったことを感じたので、記事にしてみました。

僕がこれを初めて聴いたのは大学生の頃、当時はCD時代の初期で、
これと次のBECK-OLAのCD化を楽しみに待っていました。
もちろんそれは、ロッド・スチュワートがいるからです。
ロッドは高校時代から大好きで、遡ってたどり着いたのですが、
ロッドがジェフ・ベックからキャリアをスタートさせたことを
最初に話として聞いた時、僕は違和感のようなものを覚えました。

実際に聴くと、ロッドが歌っているだけでうれしかった(笑)。
声があまり変わっていない、やはり歌メロをつかみやすく歌う人だ、
などなど感心しきりでした。
ただし、やはり多少の違和感はありました。
ハードな音ととのミスマッチ感覚がそうさせたのかなと。
ロッドが2枚で辞めてしまったことも、なんとなく、
分かったとはいわないけど、想像はできました。
ただし、このアルバム自体は音楽としてあまりにも素晴らしく、
すぐに大好きになりました。

このところ聴いていて、気づいたというか新たに感じたこと。

ひとつ、昔思っていたよりも音がうんと土臭い。
音が粘っこくて、もっというとアメリカ南部っぽさがあって
レッド・ツェッペリンのように良くも悪くもスマートではない。
リズム隊がそう感じさせるのかな。
また、クリームのように、個性のぶつかり合いの中から
マジックが生まれてくるというわけでもなくて、
あくまでもジェフが全てを支配し統制をとっているようで、
音楽全体は整っていて、意外と涼しさを感じます。
土臭いけど、あまり気温が高くなく、蒸してもいない。
アメリカのオールマン・ブラザース・バンドに英国っぽい
要素があると言われますが、逆にジェフ・ベックは
英国側からアメリカにアプローチしてったところ、
大西洋上の同じ辺りでオールマンと交錯したという感じかな。
ただ、次のBECK-OLAのほうがより南部っぽいと感じましたが、
今回はこのアルバムだけに絞って話をします。

もうひとつ、僕はロッドから遡って聴いたと書きましたが、
今さら冷静になって聴いてみると、ロッドのヴォーカルの存在感は、
まさに唯一無二、誰も真似できない世界を持った人なんだなと。
こんな声の人はいないですからね。
そりゃプロのヴォーカリストのしかも第一線でやっていく人は、
唯一無二の声を持っているに違いないのですが、しかしロッドは、
声の質というよりは、そもそも世界が違うように感じます。
これが世に出た時に、なんだこの声の持ち主は、と驚いた人が
多かったのではないかと勝手に想像しました。
声はまさに最大の楽器ですね。

このアルバムはよく、ヘヴィメタルのルーツの1枚
のような言い方をされています。
ブルーズ基調で重たくハードなギターの音という点で、
見た目はそうなのかもしれません、そう思う部分はあります。
でも、コンセプト的にはまだまだヘヴィメタルには遠いですね。
ブルーズを感じなくなったところがヘヴィメタル、
と僕は思います、すべてがそうとも限らないですが。

2005年のリマスター盤にはボーナストラックが8曲収録され、
中には、ジェフが歌う最初のシングルHi Ho Silver Lining
次のシングルのTallymanや、ポール・モーリアで有名な
「恋はみずいろ」 Love Is Blueも収録されています。
ただし今回はあくまでもアルバム本編だけに触れてゆきます。

そのCDのブックレットの裏は、写真03、
おそらくLPの裏面がそのまま使われていると思いますが、
そこにはジェフ自身の曲への短いコメントが記されています。
そうした例は多くはないとは思いますが、ジェフはそれだけ
力を入れてこのアルバムを作り、自信があったのでしょうね。
面白いので、今回は、それを紹介しながら進めます。
JBと記した青文字の文章がジェフ・ベックのコメントです。
なお、翻訳は引用者によるもので、一部補足も加えています。
そしてリマスター盤には、Charles Shaar Murrayなる人物の
解説があって、そこに書かれていることにも少し触れます。

このアルバムのバンドのメンバーは以下の4人ですが、
ジェフ・ベック Jeff Beck (Gt)(Tr5のベース)
ロッド・スチュワート Rod Stewart (Vo)
ロン・ウッド Ron Wood (Bs)
ミッキー・ウォラー Micky Waller (Ds)
このアルバムは参加メンバーが豪華であり、
英国ロック躍動期の縮図ともいうべく興味深いので、
先に名前を挙げて紹介してゆきます。
キース・ムーン Keith Moon
 →Tr8のドラムスとTr5のティンパニー
ジミー・ペイジ Jimmy Page 
 →Tr8の12弦ギター
ジョン・ポール・ジョーンズ John Paul Jones
 →Tr4、5のオルガンとTr8のベース
ニッキー・ホプキンス Nicky Hopkins 
 →Tr3、4、8、9のピアノ、彼はサブメンバー的役割の模様
またTr3のバグパイプはMyserious Scottish Blokeと記されています。
ジェフはGibson Les PaulとMarshallのアンプを使用と記され、
ブックレットにはジェフがレス・ポールを弾く写真もあります。

いつものように作曲者は各曲の下に示してゆきますが、今回は、
ブックレットに書いてある通りに記し、本文で補足してきます。

02 2005年リマスター盤CDブックレットの裏面
TRUTH ジェフ・ベック

Tr1:Shapes Of Things
(Sammuel-Smith / Relf / McCarty)
JB:アレンジし直したけどヤードバーズのヒット曲だ。
この曲は何を使って聴くのでも最大音量で聴いてくれ。
もし君が教会の牧師をお茶の時間に呼ぶのなら、
これは最高のBMGになるだろうな。


元々ヤードバーズの曲で、ジェフ自身には再録音になる曲。
イントロのベースとドラムスが真っ直ぐに入ってくるけど、
ヴォーカルとギターが始まったところで横の流れもできて
音が立体的に広がる、最初の5秒で圧倒されること間違いなし。
このアルバムはそれとベースが歌いながら激しく動いていますが、
ロン・ウッドは最初はリズム・ギターとしてジェフに迎えられ、
ベースは他の人を考えていたのが、彼のイメージに合う人がおらず、
ロンをベースにコンバートすることを思いついたそうです。
そしてロンはFender Jazz Bassを弾いているとも書かれています。
ヤードバーズには悪いけどこの曲は「ジェフ・ベックの曲」、かな。


Tr2:Let Me Love You
(Jeffery Rod)
JB:ヘヴィな曲、素晴らしいタンバリンは
ミッキー・モストによるものだ。
ロッドの曲。いろんな状況で映える曲だよ。


作曲者の「ジェフリー・ロッド」とは
ジェフとロッドのことだと思われますが、
オリジナルLPの裏面部分には(Rod)としか記されておらず、
リマスター盤のブックレットにはこのよう書かれています。
なぜだろう、ちょっと不思議、ロッドへの感謝の念からかな。
ただしこれはモチーフをバディ・ガイの曲からいただいている、
と解説にありますが、当時の英国は、ブルーズの名曲に手を加えて
自作の曲として歌う悪しき流行があったようで、これもそうかな。
この曲は歌うには最高によいのですが・・・
ロッドは、歌に感情はこもっているけど、取り乱すこともなく
悠然と歌い続け、若くして既に凄味を感じます。
なお、ミッキー・モスト Micky Mostはプロデューサー。


Tr3:Morning Dew
(Rose - Dobson)
JB:ティム(・ローズ)のこの曲の素晴らしさはみんな知ってる。
だけど僕たちのもなかなか良くないかい。


作曲者のひとりでもあるティム・ローズのヒット曲で、
ジェフは彼への賛辞を送っています。
ただしこれは調べると、ジャンルとしてはフォークであるらしく、
ロッドのその後のカバー曲の選曲との共通性を考えると興味深い。
この空気感を表現できるロッドの素晴らしさに感動しますね。
ロッドの執拗なヴォーカルは、歩いても歩いても足に朝露が着く
草原を進まざるを得ないような感覚に陥ります(笑)。
ジェフの跳ねるようなギターの音もカッコいい。


Tr4:You Shook Me
(Dixon)
JB:むしゃくしゃした時に聴くための曲としてこれはおそらく、
最も適当かついいかげんに録音された曲じゃないかな。
最後の音は僕のギターだけど、きみたちが調子がよくない時に、
この2分28秒でやる気をくじいてくれたまえ。


これはレッド・ツェッペリンで先に聴きましたが、
Zepのそれを最初に聴いて僕は大爆笑してしまいました。
ここはジェフの話なのでそのことには触れないとして、
ジェフのこれは妙に小ぎれいにまとまっていると感じました。
オルガンはジョン・ポール・ジョーンズ。
ニッキーのピアノの高音の連弾も印象に残ります。
ウィリー・ディクソンはブルーズ系のロッカーから
最大限の尊敬の念を集めていた人ですね。


Tr5:O'l Man River
(Kern - Hammerstein II)
JB:アレンジは僕だけど、クレジットはみんなのもので、
ロッド・スチュワートはとりわけ素晴らしい。
これもまた最大音量で聴いてくれ。


白状します。
僕はずっと、オーティス・レディングのO'l Man Troubleと
この曲を混同していました、同じだと思っていました。
しかも、それをオーティスを真面目に聴くまでずっと、
だからつまり、昨年まで、そう思っていたのです・・・
調べるとこれは1920年代のミュージカルの中の曲ということで、
そんなに古い曲だったんだ。
じわじわと迫ってくる演奏が迫力ありますね。
キース・ムーンがわざわざティンパニーをやるだけあります。
これ、ほとんどソウルと言っていい雰囲気もあって、
ソウルっぽさを感じさせるのはロッドの持ち味かな。
今回、かなり奥深い曲だと再認識、再発見しました。



03 CDとハウのアウトテイク写真
TRUTH ジェフ・ベック


Tr6:Greensleeves
(Trad arr. Jeffery Rod)
JB:ミッキー・モストのギターで演奏している。
エルヴィスとも同じものなんだ。


解説にはそのギターはGibson J-200と書いてあります。
ところで、ポール・マッカートニーはこれを聴いて、
Junkを作ることを思いついたのかなと思うことがあります。
違うかもしれないけど、雰囲気が似ています。
特に、McCARTNEYに収録されたオリジナルではなく、
UNPLUGGEDのバージョンは、メドレーで1曲にしたいくらい、
雰囲気以上に演奏も似ています。
なんて、結局はビートルズに言及するのか・・・(笑)・・・
話は逸れましたが、この曲はロックを聴く前から知っていて、
こうしたトラッドをロックで演奏しているのを聴くと、
若い頃は特にうれしくなりました。


Tr7:Rock My Primsoul
(Jeffery Rod)
JB:"Tallyman"のB面として録音していたが、こちらのほうが
オリジナルよりナチュラルな雰囲気でよくできている。


これも一応はオリジナルでも、B.B.キングのRock Me Baby
からいただいているということで、やはりちょっと複雑。
まあしかしこれは歌メロもいいし、素晴らしい曲ですね。
若い頃からよく口ずさんでいました。
ロッドも後にライヴで歌っています。
この曲のロッドのヴォーカルでひとつ思ったのは、
ハスキーヴォイスと言われますが、それと関係あるのかどうか、
ロッドは歌うと声がいい具合に微妙に欠けていることかな。
音が揺れるというべきか、声がただ伸びているのではなく、
作為的というよりは自然とそういう声になっている感じ。


Tr8:Beck's Bolero
(Page)
JB:これについてあまり多くは語れないな。
"(Hi Ho) Silver Lining"のB面と同じテイクで、言い訳になるが、
それ以上に良くすることはできなかったんだ。


トラッドに続いてクラシックの要素まであるなんて、
若い僕はこれを聴いてほんとに楽しかった(笑)。
ジミー・ペイジが作ったこの曲はインストゥルメンタルで、
ギターによるオーケストラといった趣の壮大な響きに
心をかきむしられ、引き込まれます。
ただこれ、音質がもう少し良ければもっと透明感があるのにな
と、昔から思っています。
逆にこの音質だから、喧騒を、時代を感じるのでしょうけど。


Tr9:Blues De Luxe
(Jeffery Rod)
JB:バートとスタンに感謝だ。
僕たちは、やろうとしていた「ライヴ」演奏のブルーズの
完璧なモデルを作ることができたが、ピアノソロについては
言わせてもらいたいことがある。


すいません、バートとスタンが誰かが分かりませんでした。
ピアノソロはニッキーで、ジェフの文章はここまでですが、
これは聴衆の拍手が入っていてライヴのように聴こえるけど、
実際はスタジオ録音で拍手は後から被せたものだそうです。
この曲もまた一応はオリジナルですが、やはり
B.B.キングのGambler's Bluesとよく似ている、ということ。
この辺りのルーツ感覚はジェフもロッドも同じだったのかな。
普通に演奏すればこの半分の時間で終わりそうなほど(笑)、
とにかくゆったりとした、とろい曲。
ロッドはやはり何を歌わせてもさまになっている、うん。
この曲の歌はこの中ではいちばん気持ちが入っていますね。


Tr10:I Ain't Superstitious
(Dixon)
JB:ハウリン・ウルフの古い曲からリフをいただいているけど、
彼は気にしていないよ、だって僕は彼に話をつけたから。
この曲はめくるめくギターが炸裂している、そのための曲だね。
これらの愛すべき曲が僕らの最初のLP、TRUTHさ。


ウィリー・ディクソンの曲にハウリン・ウルフのリフと
凝っているといえば凝っていますね。
ワウペダルを多投したまさにめくるめくギターワークには、
自然と気持ちが高揚してきます、ナチュラル・ハイ。
サイケデリックの影響もあるのでしょうか、時代ですね。
でも、アルバム全体ではそれほどサイケの影響は感じません。
だから僕が大好き、ともいえます。
実は最近、僕は、サイケがやや苦手だと分かってきました。
つまらない人間ですから、僕は(笑)。
この曲はもはやロックのマスターピースのひとつでしょう。
ジェフ・ベックの曲として語り継がれてゆくであろう曲。
アルバムの最後を、緊張感を持ってびしっと締めてくれます。



ううん、ギタリストのジェフ・ベックのアルバムで、
僕自身も一応はギターを弾く人間だというのに、
ロッドの話ばかりで終わってしまった感が・・・
ギターについては、ソロももちろんすごいけど、僕はやはり
バックの特に低音弦の音の動かし方がカッコいいと思います。
なんて、取ってつけたように感じられるかも・・・

1968年といえば、このアルバムの他に、
ジミ・ヘンドリックスのELECTRIC LADYLAND、
クリームのWHEELS OF FIREと、
ブルーズに大きく影響を受けたロックの名盤が
リリースされた年として記されています。
さらにはレッド・ツェッペリンもこの年に結成され、
1stが発表されたのは翌年ですがでも1月にリリースだから
この年に録音されていたわけで、考えてみればすごいですね、
こんなすごいアルバムが4枚も作られたなんて。
ちなみに僕が1歳の年ですね、覚えているわけがない(笑)。

こう書いていると、それらのアルバムも
記事に取り上げたくなってきましたよ。







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