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2010年09月17日

WILDFLOWERS トム・ペティ

01
WILDFLOWERS トム・ペティ

WILDFLOWERS Tom Petty
ワイルドフラワーズ トム・ペティ
 released in 1994

トム・ペティの、僕が大好きなアルバム。

先日、「タモリ倶楽部」で、日本のレコード業界における
ミキサーの第一人者のところにタモリ他出演者が訪れて、
音楽のミキシングの勉強をするという話が放送されました。
「タモリ倶楽部」は、僕が欠かさず見ている
3つしかない民放の地上波のテレビ番組のひとつですが、
それはタモリの物事へのこだわりがBLOG的で面白いのと、
「空耳アワー」をはじめとして洋楽ネタが多いからです。
もちろん、地理ネタ、鉄道ネタ、食ネタなども好きですが、
その回はだからいつにもまして真剣に観て話を聞いていました。
特にドラムスの録音技術にこだわって紹介していて、
同じに録音されたドラムスの音をミックスの違いで聞かせて、
これはヒュー・パジャム風、これはパワー・ステーション風と
こと細かく説明していたのが、楽しくてためになりました。
なんであれ、地上波の番組で洋楽に関わる名前を聞くだけで、
僕はうれしくなってしまうたちですから(笑)。

トム・ペティのこのアルバムは最近ちょっとしたきっかけで
また聴き始めていて、いいアルバムなので記事にしたいと思いつつ、
トムは新譜が出たのに記事がおざなり(なおざり)になっていて、
順序としてどうしよう、やはり新譜が先かなと、保留にしていました。

しかし、その「タモリ倶楽部」を観て、この記事の主題が浮かび、
これはもう自分の心の中の流れとしても抗えないものなので、
順序を無視して先にこちらを上げることにしました。

このアルバムは、音楽界の「鬼才」
リック・ルービン Rick Rubinがプロデュースしています。
リック・ルービンは、ビースティー・ボーイズ、ランDMCをはじめとした
ラップ系のアーティストのプロデュースで売れっ子となり、後に
スレイヤー、ブラック・クロウズ、レッド・ホット・チリ・ペッパーズ
といったジャンルを問わないアーティストを次々と成功させ、
90年代前半には時の人となっていました。
トム・ペティのソロ2枚目が出ると聞いたのは1994年後半。
僕は当時、例えばクロウズなどは既に聴いていましたが、
あのリック・ルービンが大好きなトム・ペティをプロデュースすると聞いて、
正直、何かとんでもない違和感のようなものを抱きました。
どうなっちゃうんだろう、みたいに。
しかしいざ出たこのアルバム、店頭で見た最初の日に買いましたが、
一聴してその世界のとりことなり、心配は杞憂に終わりました。
ルービンは以降、シェリル・クロウ、ディクシー・チックス
ジョニー・キャッシュそしてニール・ダイアモンドと、
カントリーからアメリカン・ロック系にかけても手がけることになり、
そういう点で見れば、トムのこのアルバムの成功が、
彼の仕事をより広げたのかもしれません。
それにしても、ここに挙げたアーティストの名前を見ただけでも
なんというか、節操がないですよね(笑)。
しかしこれはもちろんほめ言葉で、彼は、幅広い音楽について
造形が深いだけではなく、本当に大好きなのでしょうね。
そうじゃなければ、アーティストにも聴き手にも、
ここまで信頼されることはないと思います。

02 森を歩くと足元にはカナヘビがよく見られる季節
WILDFLOWERS トム・ペティ

さて、「タモリ倶楽部」のミキシングの話。
プロデューサーがミキシングまで手がけるかというと、そうではない、
違うことが多いのかと思い、具体的にこのアルバムのブックレットには
Mixed by Richard Doddと記され、別の人が行っていますが、
こういう音にしてほしいと要求を出したり、逆に、出来上った音を
最終的に判断するのはプロデューサーの役目でしょうから、
ここはプロデューサーに着目して話を進めます。

トム・ペティのこのアルバムにおけるリック・ルービンの音の特徴は、
当たりは強いけどまろやかで柔らかい印象が残る音
曲によって強調されている楽器が1つか2つあって、その楽器の音は
とにかくメリハリがあってアタックが強い音を出していて、かつ、
強調されていない楽器も含めてとってもクリアに聴こえてきます。
かといって全体のバランスが悪いわけではまったくなく、まとまっていて、
耳に硬質な感触が残ったり、うるさいという印象もありません。
それどころか、曲を、アルバムを聴き通すと、むしろ柔らかい、
まろやかな感触が後味として残っていることに気づきます。
エレクトリック・ギターの音が強調されている曲が多いですが、
全体としてはむしろアコースティックな響きだと感じさせる音。
これは、当時のUnpluggedのブームからのフィードバックでしょうか。

ここまで書いてこんなこと言うのもなんですが、しかし僕には、
聴こえてくる音を「現象」として捉えて話すことはなんとかできても、
それがどうしてなのかを説明することはできません。
今言えるのは、しかしこれは確かなことだと思いつつ話すと、
そこがリック・ルービンの独特の感覚である、ということ。
感覚というのは時として超人的なものを生み出すものなのでしょう。
いずれにせよ、物理的な音の良さという点で特筆すべきアルバムです。

僕は、このアルバム、ほんとに買ってすぐに大好きになりました。
当時は東京にいて、友だちと釣りやキャンプによく行っていましたが、
その時にこのCDを車でかけたことがありました。
94年は車のオーディオがようやくCDになった頃でした。
しかし、友だち2人に次々とこれを聴かせたところ、
2人とも異口同音に「暗い」という印象を口にしました。
ひとりはそれとは別に「歌としてこれっというのがない」と言い、
もうひとり、僕の友だちの中でも口が悪いHさんは、
「朝からこんな暗い音楽を聴かせるな」とまで言いました。
まあ、はっきり言ってくれるのは友だちのありがたいところですが、
さすがにこれはショックでしたね(笑)。
「暗い」ということについては、曲の話の中でまた触れますが、
前者の「歌としてこれっというのがない」というのは、
ある意味、僕も分かる部分があります。
というのも、シングルとして「中ヒット」した曲はありますが、それ以上の、
嫌でも耳について離れないような強く印象に残るポップソングは、
確かに、ここにはないと言えるからです。
しかし、このアルバムを僕はこう思っています。
「平均85点、最高88点、最低82点の曲が集まったアルバム」
つまり、ばらつきがないけど突出した曲もない、ということです。
95点の曲が1曲あって他は75点の「一芸タイプ」がいいか、
80点台にほぼすべてが固まっている「平均タイプ」がいいか、
アルバムの評価は人それぞれ好き好きでしょうけど、
これは典型的な「平均タイプ」のアルバムだと昔から思っています。
でも、じっくりと聴けばみんなとっても素晴らしい曲ですけどね。
ちなみに僕はどちらのタイプも好きですが(笑)、強いて言えば後者、
つまり、このアルバムのような「平均タイプ」が好きです。

ソロアルバム名義ですが、ハートブレイカーズの朋友、
マイク・キャンベル Mike Campbell (Gtなど)は全曲に参加、
ベンモント・テンチ Benmont Tench (Keyなど)
もほとんどの曲に参加してますし、この後に脱退する
スティーヴ・フェローン Steve Ferrone (Dsなど)、
ハウイー・エブスタイン Howey Epstein (Bsなど)
も参加していて、ファミリー的バンドの温かさはそのままです。


04 僕がいちばん好きな野の花エゾノコンギク
WILDFLOWERS トム・ペティ

Tr1:Wildflowers
(Tom Petty)
なんてきれいな曲なんだろう。
この曲には最初から引き込まれました。
♪ You belong among the wildflowers
  You belong in a boat out at sea

歌い出しから舞い上がるような軽やかな響き。
繊細さと力強さを感じさせるきれいな旋律。
この曲については、もうとにかくきれいな曲としか
書くことが思い浮かびません、困ったものです(笑)。
ほんと、言葉を失うくらいにきれいな曲です。


Tr2:You Don't Know How It Feels
(Tom Petty)
このアルバムの最初のシングルカット曲、ビルボード最高13位。
当時は僕のMTV全盛期、このPVは毎日のように観ていました。
トムがひとりで演奏しているものでしたが、僕が興味深かったのは、
トムが持っているギターがGibsonのFirebirdだったことです。
あまり使う人がいないこのギターを選んだのは、渋いというか、
人と違うことをしたいというトムの心意気と茶目っ気を感じました。
それ以来僕はファイアーバードが密かに欲しいギターなのですが、
いつもの近くの中古屋さんに10万円を切って出ていたことがあって、
3日くらい本気で悩んで諦め、折よくすぐに売れてなくなりました。
今思うと、買っておけばよかった・・・まあいつでもそう思いますが(笑)。
この曲ではドラムスの音が強調されていて、僕は最初は、
明るくてのびやかで緩い曲にこのドラムスは違和感があったのですが、
慣れてゆくとむしろこれじゃないといけないと思うようになりました。
ひとりで歌ってきてサビで多重録音の自分の声がコーラスで被さるのも、
単純だけどはっとさせられて効果的ですね。
僕は、ひとりで演奏していたビデオクリップのイメージがあるのでしょう、
この曲、ギターを抱え、バスドラムを背負って足でペダルを踏み鳴らし、
ハーモニカを首にかけて演奏する大道芸人を想起します。


Tr3:Time To Move On
(Tom Petty)
小川を流れる葉のようなさらさらと流れる軽やかな曲。
どちらかというと歌メロに抑揚がないところが余計にそう感じます。
ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ「春」みたいな雰囲気、かな。


Tr4:You Wreck Me
(Tom Petty / Mile Campbell)
静かだった前の曲を打ち破るように派手なギターで始まる。
このギターの音の強さに、はっと目が覚め、心が壊されます。
アップテンポの曲をさらに勢いづけてゆくかのように
スコンスコンと鳴るスネアは、チャーリー・ワッツ風かな。
アルバムの中では元気一発の曲ですね。
この曲の歌詞の中に"Corduroy pants"と出てくるのですが、
コーデュロイ・パンツ、僕は以前から名前は耳にしていたものの、
それが何であるかは、27歳にして聴いたこの曲で初めて認識しました。
そして小さい頃に履かされて、変な肌触りのズボンと思っていたことも
思い出しました(笑)。


Tr5:It's Good To Be King
(Tom Petty)
ほの暗い、しっとりとしたしかし虚しい響きの内省的な曲。
王様になるということは、そういうことなのか。
最後のピアノ、もちろんベンモント・テンチの演奏ですが、
狂おしい思いを必死に抑え込みつつどうしたらよいか分からない、
そんな情緒あふれる素晴らしい演奏です。
またこの曲の歌詞には"velvet"が出てきて、前の曲に続いて、
同じ繊維、肌の感覚に訴えるアルバムだなということも感じました。
この曲はとっても重たくて暗いのですが、僕は、
最初に聴いた時に、3曲目以降では最も印象に残りました。


04 まだまだ緑が鮮やかなミズナラの葉
WILDFLOWERS トム・ペティ

Tr6:Only A Broken Heart
ジョン・レノンの曲みたいな響き。
アコースティック・ギターを前面に出し、やはり少し暗くて内省的、
メランコリックな響きで不安を抱えたまま歌うようなこの曲。
ヴォーカルはどうやらダブルトラックで録音しているらしく、
声がふわっと膨らんだ不思議な響きで聴こえてきます。
ダブルトラックはビートルズが得意中の得意としていた録音技術で、
当時は2回歌って別のトラックに録音してミックスしていましたが、
ジョンは時々歌詞や歌い回しが微妙に違ってしまうのが面白い。
今は同じものを別のトラックを使って同様に処理できるという話ですが、
いずれにせよ、音的にもジョンを想起させるものがあります。
もしかしてトム自身も、この曲が出来た時に、
ジョン・レノンみたいだと感じてそうしたのかもしれないですね。
違うかもしれないけど、そう思うとうれしい曲です。
曲の響きは寂しんだけど。
♪ I know your weakness, you see my dark side
という歌詞も、いかにもジョンが好きそうなくだりだし。
このアルバムでいちばんしみてくる曲だな。
アコースティック・ギターを演奏する時に発せられる
「キュッ」という音まで、まるでもどかしさを表現している
重要な楽器のように聴こえてきます。
しかし、ずっと不安を募ったまま最後まで進んだところで、
割と急に終わるのですが、その部分のコードが明るい響きで、
不安の向こうにかすかに光明が見出せた、と感じます。
そうですよね、だってこの曲は、歌詞をみると、
励まして勇気づけている曲なのだから。


Tr7:Honey Bee
(Tom Petty)
ぼろぼろと崩れ落ちるような暗くて重たいギターで始まる曲。
内容はどちらかといえば軽く歌いたくなるもののように思うけど、
この重たさは、どうしたらよいか分からないのかな。
クロスズメバチのアタックのような深刻さだな(笑)。


Tr8:Don't Fade On Me
(Tom Petty / Mike Campbell)
初期のディランを思い起こさせるフォークソング。
トムも、アメリカのフォークの、ひいてはアメリカ音楽の伝統を
しっかりと受け継いでいる人なんだなと実感します。
この曲は歌い方がカッコいいですね。
サビの前の「タッタッターッ」というギターの3音が印象的。


Tr9:Hard On Me
(Tom Petty)
このアルバムは、全体の流れがあるようでない、と思います。
何かひとつの終幕に向かって進んでいくというよりは、
ただ歩んでゆく中で感じたことを断片的に歌って並べたという感じ。
この曲は、最初に聴いた時に、これで終わりかと思ったくらい。
しかし、このアルバムは少し長いので、それが逆に、
ここで一度心の区切りがついていいと僕は思っています。
またこのアルバムは、曲の中で一度しか出てこない部分が多く、
この曲のそこの歌メロとトム声を絞り出すような歌い方がしみてきます。
このアルバムは、トムの歌唱力、歌の説得力も、
それまでにない境地に達していて引き込まれるところです。


05 A公園とAの森の風景、9月中旬
WILDFLOWERS トム・ペティ

Tr10:Cabin Down Below
(Tom Petty)
先述の友だちの「暗い」という感想は、やはりTr5、6とこの辺りの
重たくて暗い曲が続くところがそういうイメージになりやすいのかな。
何かが壊れていく瞬間のような割れる重たいギターの音と、
低音を強調したピアノの中、押し殺したような声で歌うトム。
でも、これ、歌詞を見ると、彼女を誘っているんだよね。
トムにはオカルトチックな趣味があるのかな。
そういえばMary Jane's Last DanceのPVもそうだったっけ・・・
そうか、そのPVの体験がヒントになった曲かも、と思ったり。
僕は、最初から強く印象に残った曲でしたが、ということは、
「暗い」と言った友だちも、やっぱりそうだったのかな。
♪ Baby let's go to the cabin down below
の"let's go"の後にタイミングよく入る強烈なシンバルの音が好き。


Tr11:To Find A Friend
(Tom Petty)
でもご安心ください、3曲目やこのようなフォークの軽い曲もあります。
フォークと言うか、これはカントリーっぽい曲ですね。
僕はこのアルバム、重たい曲と軽い曲のバランスが絶妙であって、
どちらかだけでもつまらないし、重たい曲と軽い曲がこうして並んでも
違和感なく最後まで自然に聴き通せるのが素晴らしいと思っています。
これも風を感じる系の曲ですね。
リンゴ・スター Ringo Starrがドラムスで参加しています。
リンゴは、トムの前のソロアルバムである
FULL MOON FEVER(記事はこちら)のシングルカット曲、
I Won't Back Downにおいて、録音には参加していないのに、
なぜかビデオクリップには顔を出していました。
その曲にはジョージ・ハリスン George Harrisonが参加していて、
PVにも出ているのでその関係だとは思うのですが、トムはだから、
今度はリンゴに演奏にもきちんと参加してもらいたかったのかな。
リンゴはカントリーが大好きだから、なおのこと。
曲名と絡めて考えるても、なかなかしゃれてますね。
ラグタイム風のピアノの間奏もしゃれた味わい。


Tr12:A Higher Place
(Tom Petty)
タイトルの通り、とにかく心が気持ちよく高みに上ってゆく。
この曲を聴いているだけで、自分も飛べるかもしれないと錯覚する!
歌の旋律もトムの歌い方も、切れのよいギターも、ドラムスも、
すべての楽器がふわっと舞い上がった感覚で聴こえてきますが、
印象的なのは、4小節に1回出てくるベースのホップする3音のフレーズ。
すべての感覚が解放された、爽やかで気持ちよさこの上ない曲!
このアルバムはほんとうに、曲名に出てくる単語を、
音として感じられる演奏やアレンジそして録音が素晴らしい。



Tr13:House In The Woods
(Tom Petty)
「森の家」ですね(笑)。
高揚した気持ちを今度は地に足をつけて振り返ってみると、
やっぱりまだまだ気持ちは高ぶったままだった。
比較的単純なブルーズ調の曲ですが、こういう曲でワルツは
やはり、音の、心の広がりを感じさせます。
同時に、揺れながら力強く響くエレクトリック・ギターの音に、
まるで樵のような力強さと切れも感じます。
そしてやはり自然を意識した単語がよく曲名に出てきますね。


Tr14:Crawling Back To You
(Tom Petty) 
しかし、そんな高ぶった気持ちのままでいてはいけないと
自分を諭すような内省的な響きの曲が始まります。
心のあやというか、日々の気持ちの流れを表しているようで、
特に曲の中で一度しか出てこない部分で、
それまでは押さえていた気持ちが切れてしまったかのように
狂おしく歌うトムの姿には、気持ちが入ってゆきます。


Tr15:Wake Up Time
(Tom Petty) 
今までのことはすべて夢だったのか。
最後はゴスペルの影響が感じられる重たいピアノで曲が起こり、
ワルツにのって語りかけるように歌うトム。
どちらかというと軽い曲の中に、重たい生へのメッセージが貫き、
決して夢ではないことを感じ取れます。
壮大な、そして無限に続くようなオーケストラのアレンジは
マイケル・ケイメン Michael Camenが担当し、
ブックレットには彼の写真も載っています。
その壮大なストリングスが盛り上げるだけ盛り上げるのかな、
と思いつつ聴いていると、トムが"shine"と語ったところで、
巨木が倒れ落ちるように唐突に終わるのが、逆に余韻残しまくり。
まさにアルバムの最後を飾るにふさわしい曲。




このリンクを作成した時点でのAmazonの順位は
105,841位、あまり意味がないデータですかね(笑)。

このアルバムは、僕なりの「自然賛歌」の1枚です。
先ほど、流れがないと書きましたが、このアルバムは、
目的を定めずに自然観察で歩いている時の感興に似ています。
自然観察とは、生命の営みを感じることです。
歩きながら、さまざまな生物の生命の営みを感じますが、
それらの生物は影響しあっても、目的が一緒というわけではありません。
しかし、歩き終ると、確かに「自然」を感じていたことに満足します。
このアルバムを聴き通すと、それぞれ独自のことが歌われている曲が
積み重なることにより、ひとつの大きなものが確かに残る。
そのように感じられます。

このアルバム、実は、10年くらい聴いていなかったのです。
僕は、大好きなアルバムでも、聴く時の気分によっては
よくないと感じることが「恐い」ので、時々、このように
聴かないアルバムがあって、大好きであればあるほどそうなりやすい。
でも、ちょっとしたきっかけで10年振りくらいに聴いてみると、
以前よりももっともっと自分の心に近づいて響いてきて、そうなると、
前のように何度も何度も繰り返し、今は聴いています。
これは真面目な話、R.E.M.AUTOMATIC FOR THE PEOPLE
シェリル・クロウの2枚目SHERYL CROWと並んで、
90年代で最も好きなアルバム3枚の1枚であると再認識しました。

とにかく、全曲、歌として素晴らしい。
そして自然は素晴らしい。
そんなことを思わざるを得ないアルバムですね。

06 車のアンテナにとまったアキアカネ
WILDFLOWERS トム・ペティ



追伸
新譜は、書くことが浮かばなくても、そろそろ上げますかね・・・






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Posted by guitarbird at 12:45 │Tom Petty

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