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2015年09月29日

今月の読書2015年9月号

01
今月の読書2015年9月号

今月の読書2015年9月号

今月は6冊
絵本なしで6冊いきました、まあ写真集はあるのですが。

新規購入未読本も含め、「読書の秋」に向け多めに紹介します。


☆1冊目


田口護の珈琲大全
田口護
NHK出版


著者の田口護さんは、台東区日本堤で「バッハ」を営む人。
先日、NHKで放送された
「プロフェッショナル 仕事の流儀小さな名店スペシャル」
で田口さんと「バッハ」が取り上げられていたのを見て、うちに
この本があることを思い出し、封筒から取り出して読み始めました。
先ずは帯の文句を書き出します。
(表)
コーヒーの焙煎は名人上手の専売特許ではなく、
職人的なカンの世界などでもない。
理詰めの数学であり論理学の世界なのである。
(裏)
コーヒーは昔から職人的なカンの世界といわれ、
焙煎もその奥の院には厚いヴェールに覆われているのが常だった。
が、こうした神秘主義は何者をも生み出さない。
ものづくりに求められるのは冷徹な論理性であって、
論理性を欠いた思わせぶりの技術論など何の役にも立たないからだ。

後半は本文からの引用ですが、これを読んだ瞬間、
田口さんは信頼できる人だと思いました。
珈琲店を志す人への指導も熱心に行っていることがテレビ番組でも
分かりましたが、このような考えであることが分かりそれも納得でした。
読み始めてすぐに「がってん」の連発。
コーヒーという植物はアカネ科だったんだ!
身の周りにあるのはクルマバソウの類ですが、この本を読んでから
クルマバソウの見方が変りました(笑)。
珈琲豆の品種は「アラビカ種」「ロブスタ種」「リベリカ種」の3種がある。
そのうち「リベリカ種」はリベリアなどアフリカの幾つかの国において
地元だけで流通し少なくとも日本には入ってきていない。
世界流通量のうち7割ほどが「アラビカ種」であり、豆の形が細長い
この種は、南北回帰線に挟まれた「コーヒーベルト」の中でも、
湿度が低く昼間は霧が出るような高地での栽培が適しており、
珈琲豆の格付けも、基本は産される土地の高度が影響してくる。
ただし「アラビカ種」は病気に弱い(品種改良されているものもある)。
一方「ロブスタ種」は豆が丸っこく、低地に産し病虫害には強いものの、
苦味が強く、インスタント(ソリュブル)コーヒーや缶コーヒーに
主に使われる、といった基礎知識がもう面白くてたまらない。
そうか、缶コーヒーの風味はそもそも豆の違いなのか。
僕は珈琲は基本は好きですが、日常的には飲みません。
缶コーヒーもたまにカフェオレ系の甘いのを飲むだけ。
でも、好きなんです、たまに友だちと会うと必ず飲む。
東京に行くと「バッハ」にもだいたい毎回行っています。
ほんとはうちでうまいのをいれて飲みたい、とは思う。
そういう憧れとして読めた。
でも自分で珈琲店を開店するつもりはないので、技術の部分は、
なるほどそういうものなんだと思いました。
この本をほぼ100%覚えると本当に珈琲店を開業できる。
想像で話してますが、冗談ではなくほんとうにそれくらい細かく手厚く
指導がなされていて、田口さんの思いを強く感じました。
炒り方などは趣味にも応用できる間口の広い書き方でもあります。
僕自身、これから外でコーヒーを飲む時は、どんなコーヒーであるか
思いを馳せながら飲んでみたいし、東京ではもちろん「バッハ」に行き、
カフェオレなどという無粋なものではなく、銘柄指定のブラックで
コーヒーそのものを味わって楽しみたいと強く思いました。
ところで、この本を封筒から取り出してと書きました。
父が生前、職場から歩いて3分の「バッハ」に毎日のように通っていて
田口さんとは知り合いで、僕が読んだ本は田口さんのサインが
入っているのです。
田口さんは札幌出身で僕の家と中学校の校区が同じ地元の人で、
父も生前はよく話していたのだそうです。
父が死んでから僕は直接田口さんに会ったことはないですが、
そのうちお話できればと思います。



☆2冊目


カバに会う
坪内稔典
岩波書店


坪内稔典、「ネンテン」さんは河馬が大好き。
河馬好きが極まり、ついに全国のすべての河馬に会うことに。
もちろん一度の旅ですべて廻ったわけではないですが、この本は
各動物園の河馬顛末を短くまとめた紀行文。
主に雑誌「俳句研究」への連載、それと「岩波」に寄せた
カバ関係の文章からこの本は成り立っています。

恋情が河馬になるころ桜散る
桜散るあなたも河馬になりなさい
水中の河馬が燃えます牡丹雪


ネンテンさんがなぜ河馬に引かれるか。
ひとつ、幼少時に「カバヤのキャラメル」の車を追いかけていた。
カバの絵が描かれたこの車が全国を巡っていたそうですが、
僕はそのことは初めて知りました。
僕の年代ではもう走っていなかったかな、でも幼少時のネンテンさんは
カバというよりキおまけの本に引かれて追いかけていたそうで、
その思いがカバ自体につながった。
もうひとつ、カバは現在では動物園でも人気者ではなくなっており、
時代遅れ感があることへの共感のようなものがある、という。
僕は、この本でも紹介されている宮嶋康彦『日本カバ物語』をずっと以前
読んでいて、カバの日本における状況はある程度知っていましたが、
それより後に著されたネンテンさんの本でもそれはあまり変わっておらず、
多くの動物園のカバ舎は施設も簡素で人気も少ない。
そんな中を1時間も粘るネンテンさん、そしてカバに共感を抱き、
この本が終わる頃にはカバとはもう会えないのか、と思ったくらい。
カバ自体の描写、周りの情景がよく伝わってきました。
僕も次に東京に行った時、次こそは上野動物園に行こう。
ところで、前から薄々感じつつ今回気づいたのですが、ネンテンさん、
人間性の部分にほのかな「危うさ」を感じます。
誰が見ても「いい人」というタイプではないかな、と。
むろん人徳や人望はある人とお見受けするし人の道は外さないけれど、
なんというのかな、優等生タイプでは決してない。
特に文章の中でひとりになった時にそれがちらと散見されました。
もちろん僕はそれが悪いことだと言うつもりはありません。
むしろそういう人の文章であり俳句だから面白いのだろうし、
僕が引かれる部分に違いない、と今回は感じたのでした。
そうそう、ネンテンさんんはあんぱんを毎朝食べているほど大好きで、
そうした「凝り性」の部分も僕は積極的に大好きです。
まだ買って読んでいないネンテンさんの本を読まなければ。



☆3冊目


NHK俳句 俳句文法心得帖
中岡毅雄
NHK出版


今月の俳句の本は少々硬めのこれ。
ネンテンさんの本も俳句の本といえばそうですが。
俳句を作る際、やはり文語文法で悩みます。
己の不勉強を思い知らされます。
そういう人は多いらしく、というかそれが俳句の道のひとつのようで、
文語文法を説明した本は何冊か出ていることが分かり、
ネット古本も探していちばん良さそうなこれを買いました。
読み物というよりは解説本でもあり、一度読み通してから、
傍らに置いておいてつねに引いて確認することもできる本でもあるし。
そして俳句指南書の例に漏れず、古今東西の例句がその都度
紹介されていて、俳句を読みたいという欲求も満たしてくれます。
坪内稔典「ネンテン」さんが、口語文法で作る俳人の代表として
ここに紹介されているのは何というか面白い。
文語文法が分からないのであれば口語文法で作ればいいのに、
と自分でも思わなくもないんだけど、やっぱり、俳句というひとつの
「カタ」がある以上、表現として口語ではしっくりこないこともある。
逆にいえば口語と割り切ったネンテンさんはそれはそれで
志のある偉い人なんだなあ、と分かったりもしました。
そしてこの本を読んで、そうだ古語辞典も買わなければ、と・・・
僕は(できもしないのに)フランス語イタリア語ドイツ語の辞書は
持っているのですが、古語辞典は今はないんですよね。
高校時代のトラウマから逃れたくて捨てたのかな・・・(笑)。
だけど、学生時代には苦手というか嫌いだったことに今は真面目に
向き合っているというのは、人間、齢を取ると変わるもんだな、と。



☆4冊目


騎手の一分(いちぶん) 競馬会の真実
藤田伸二
講談社現代新書


JRA藤田伸二騎手電撃引退。
9月に入りそのニュースに接して驚きました。
ネットの記事を読むと、一昨年本を出していたことを書き込みで知り、
すぐに古本で注文し買って読み始めました。
読むと、2012年の段階でもういつやめてもいいと考えていたことが
分かり、電撃、というのは少し違うのかな、と思いました。
辞めるなら潔くやめ、引退式も要らない、と。
あとがきには、現在札幌のマンションに住んでいると書いてあり、
札幌で辞めたのも当然と納得がいきました。
藤田騎手は好きな騎手上から何番目、くらいに好きでしたね。
北海道出身ということももちろんですが騎手インタビューなどで見ると
真面目で浮ついたところがない、信頼できる人だと思っていました。
その真面目さ、人によっては近寄り難いのかなとも思っていましたが、
フェアプレイ精神、周りに迷惑をかけたくないという信条がまずあって、
そこからどうしたら勝てるかを考えてゆく人だと分かって納得しました。
家は北海道で牧場をしていたけれど、中卒で家で牧場の仕事を
体験してからJRA騎手学校に入学し騎手になったという人。
僕は、家が牧場であるのは知っていたので、つてというか、流れの
ようなものがあってエリートのような人だと思っていたのですが、
そうではなく叩き上げの人であることが分かり、申し訳なく思いました。
藤田騎手がこの本で言いたかったのは、これから先の競馬界は、
とにかく勝つこと最優先になってしまうのは危険だ、ということ。
騎手のエージェント制度が出来てからその傾向が強くなり、
乗り方が荒い騎手が増え、一方藤田騎手は騎乗機会が減ってきた。
武豊騎手の勝ち鞍が減り大レースで勝てなくなったのも、
そのことが影響している、という。
それらはすべて、エージェントや馬主のやりたい放題を黙認している
JRAに問題がある、と公に表さずにはいられなくなったのでしょう。
曲がったことが嫌いな藤田騎手は、本としてそれを表すからには、
自らの首をかけ、いつでもやめていいと考えるようになった。
ほんと、実名も出てくるし、読んでいてこちらがはらはらするようなことを
平気で書いているのですが、結果としてこの本を著したことが、
騎手引退を早めてしまったのかな、というものも感じました。
文章はどこまで自分が書いたものか分からないのですが、
語り口はソフトで、決して相手を責めるような口調にはならず、
理路整然と書き進めているのが意外といえば意外でした。
しかしだから真実の重みがよく伝わって来る、ともいえますね。
藤田騎手はJRAで様々な記録を打ち立てていて、そのことからくる
自信も見てとれますが、でも決して天狗になっていないのがいい。
逆に、それだけしてきた人間だからこそ僕には言うべきことがある
という姿勢はすがすがしく、ほんとうに信頼できる人だなあと。
ただ、藤田騎手にはもう会えないけれど、藤田伸二氏とは
この先どこかで会うかもしれないと思うと少しは救われました。



☆5冊目


ビートルズ写真集 ~映画『HELP! 』の撮影現場から~
エミリオ・ラーリ
ヤマハミュージックメディア


ビートルズ主演映画2作目『ヘルプ! 4人はアイドル』の撮影の際に
宣材用スティル写真を撮影することになったイタリア人のカメラマン
であるのエミリオ・ラーリの写真を集めた写真集。
冒頭には映画の監督であるリチャード・レスターが一筆書いています。
ひとつ先に行っておくと、この本の出版を知って注文し手元に届くまで、
僕は、バハマやアルプスなどのロケの写真もあるものと期待しましたが、
ラーリ氏は英国内のロケだけに帯同したのでそれらはなかったのが、
まあ残念といえば残念でした。
ただ、そうだと知っていても映画が好きなので買ったでしょうけど。
映画でThe Night Beforeを歌う野外のシーンの写真と逸話が印象的。
敵が迫って来る中戦車の前で歌うものですが、実際に英国陸軍の協力の
元に撮影が行われていたのは、当時のビートルズの勢いが分かります。
兵士がサインを求めたり写真を撮ったりしたというのは、兵士もやっぱり
ただの人間なんだなあとほっとしたり。
しかし、戦車にぶら下がって遊ぶジョージの写真、あれまあ、と。
ひとつ興味深いことが。
ラーリ氏の回想で、4人は疲れて居眠りしてしまうこともあり、
疲れを取るためにいつも「煙」の臭いがした、という。
「葉っぱ」ですね。
僕はビートルズの全てを肯定はしない、やはりよくないものはよくない。
ただ、少しだけ弁護すると、彼らは睡眠時間3時間という毎日で
疲れていて、疲れを忘れるためにそうしていたのだろう、ということ。
この問題はこれ以上話しても堂々巡りになってしまうのでやめますが、
ビートルズも「葉っぱ」をやっていたことをさらりと書いたこの本、
やはりよくないものはよくないとして他の部分を認めてゆこうと考える、
いたずらに神格化しない人が増えてきたのかな、と思い、
その部分はほっとしました。
彼らも人間ですからね。
ともかく、この本は傍らに置いておいてちょくちょく眺めようと思います。



☆6冊目


さらば新宿赤マント
椎名誠
文春文庫


椎名誠の本、久し振り、おそらく17年振りである。
読むとやっぱり文体が影響されてしまうのである(笑)。
それはともかく、東京にいた頃は熱を上げて読んでいた椎名さん。
週刊文春の「赤マント」の連載が終わったことは耳にしていたけど、
それがまとめて文庫本として出て、久し振りに読んでみたくなりました。
実は、週刊誌で読んだことは片手に余るほどしかないのですが、
最初5年くらいは単行本を買って読んでいた、懐かしさもあって。
なお、連載当初は「新宿赤マント」というタイトルだったものが、
週刊文春の連載コラムのタイトルをすべて変えるという、本人曰く
「不思議な」経緯があって、後半は「風まかせ赤マント」にタイトルが
変っていたことを今回のあとがきで知りました。
そうか、だから小林信彦さんのエッセイも「人生は五十一から」から
「本音を申せば」に変わったんだ、と納得。
読んでみて、さすがに前より人間が柔らかくなった、と感じました。
椎名さんも70歳を超えた(確かジョージ・ハリスンと同い年)のだから、
40代の頃にように、いつも怒ったような顔つきでしたいことをしている
わけにもゆかない、当たり前といえば当たり前でしょうけど。
それができなくなったのか、しなくなったのかは分からない。
相変わらず怒っているのかな、と読む前は少々恐かったのですが、
ひとまずいつも怒っているわけではないことが分かってほっとしました。
もちろん、不平不満は言うんだけど、言い方が柔らかくなっていて、
読んでいるこっちがストレスを感じなくなっているのは積極的によかった。
正直、僕も若かった頃は怒るシーナさんが頼もしくもあったんだけど、
あのまま老人になったら椎名さんちょっとまずいのではないか、
と思う部分もあり、それが強くなったのも読むのをやめた理由で、
だから年相応に柔らかくなっていてほっとしました。
以前は周りの人だけに優しいという印象だったけど、今回は、
東日本大震災もあり、人に対して優しくなっている気もしました。
驚いたのが、奥さんのことによく触れるようになっていたこと。
昔は奥さんのことなんてほとんど出てこなかった印象がある。
内容は、多くの旅を経験し、自然環境や地球そして地域のことを
実はというと失礼だけど、よく考えている人だと分かりました。
この部分は、経験値が増えただけで基本は変わってないのかな。
僕の方がむしろそういうことを意識するようになったのでしょう。
もっとも僕は旅はほとんどしない人間ですが。
SF好きで自らも書く人だけあって自然科学的なネタが多いのがいい。
そうか、僕が東京にいた頃は、自然と僕をつないでいてくれたのか。
ではなぜ読まなくなったかというと、おそらく、僕が札幌に帰り、
自分自身で自然に積極的に触れるようになったからではないか。
もちろん椎名さん自身への反発のようなものもあったんだけど、
自分で自然をみるようになって、椎名さんの本を愛読することと
反発は表裏一体だったのだ、ということが分かってきました。
もうひとつ印象的なのは、自らの本を「粗製乱造」と言っていること。
しかも一度ではなくこの本の中では定型句のようになっていた。
そうか、自覚のようなものはあったんだ。
それをさらりと言ってのける辺りの肝の太さがあるのでしょうけど、
なぜ「粗製乱造」するかというと、椎名さんはそもそも文章を書くのが
好きであり、それを生業としている以上仕方ないという思いもあるようで、
書くことが好きで続けられるのはある意味幸せな人なんだなあと。
話では若い頃は街中で人と目が合うと喧嘩ばかりしていて、
留置場に3日間×2回入ったことがあるというのは、喧嘩していたのは
知っていたけどその詳しい話を読んであらためてショックでした。
椎名さんの場合はそういうことがあって人間的に優しくなったのかな。
あとは「校正」の話が本好きとして興味深かった。
旅ものや自然科学系の本で、素人が書いて表現がこなれていないと
感じる本が多い、校正をちゃんとしていないのではないかと椎名さんが
指摘していたけれど、まさに同じことを僕もよく思います。
書き手の癖は仕方ないとして、組み立てなどでそう感じることがあり、
そうかなるほどと納得がいったのでした。
以前余市に家を持っていた時の話も道民としては興味深かった。
椎名さんでも、生活するという視点でいえば、北海道の雪を
多少は舐めてかかっていたことが分かり、とてもリアルな話でした。
最後ということでこちらも思いがいろいろ交錯しました。
最初の方ではまだ終わることが決まっていなかったらしく、
プロ野球の「戦力外」の話が自らにも及んでいたりして、
この先いつどういう形で「打ち切り」というより「終了」となったのか、
椎名さんの心境も想像しながら読んでもいました。
最後に近くなると、「店じまいの準備」というタイトルの話があって、
内容は違うけれど、今から見ればその頃に連載終了が決まったのかな、
とか、今までの人生で本や映画や音楽で一番良かったものを挙げたりと、
いろいろ勘繰って読んだりもしていました。
一方で、最後の前に突然来週終わりですと告げるのも椎名さんらしい。
しかし何より、俺ももっと本を読みたい、と。
その部分に強く影響を受けました。
だから今月は結構読めたのではないかと(笑)。
僕は基本的に人が怒っているのが嫌いで、それは特に文章で
その傾向が強いのですが、椎名さんあまり怒っていないのであれば、
この先遡ってこのシリーズ読んでみてもいいと思いました。
そうそう、沢野ひとしのイラスト、相変わらず面白い。
絵そのものもだけど、添えられたコメントが爆笑もので、
この人のセンスは天然記念物級だな、とあらためて思いました(笑)。


02
今月の読書2015年9月号

この15分前は小雨、30分後は土砂降り。
以降今日は晴れたり土砂降りだったり時々雷の繰り返し。
大気が不安定な1日でした。


さて、guitarbirdの書棚から1冊。




日本最末端真実紀行
椎名誠
角川文庫


書棚の1冊も椎名誠にしました。
大学1年の秋、この本を大学生協で手に取って電車の中で読みました。
椎名誠は名前だけ知っていたので、どういう人か読んでみようと。
面白い。
普通の旅行書では書かれてないことを鋭く追及する、すごい書き手だと。
以降、片道2時間の通学電車、ひとりの時は読書(か仮眠)の時間に。
その頃までは、例えばビートルズの本はよく買って読んでいたけれど、
学校で必要になったものの延長とか、たまに引かれる本があれば
読んでいただけで、正直、読書家ではなかった。
この本との出会いにより、それこそ椎名さんのような「活字中毒者」に。
そういう意味では僕の中で最も大切な1冊といえるでしょうね。
ところで、僕は一浪で大学1年の秋は既に二十歳になっていましたが、
10代の頃に熱心に読書をしてこなかったことが、読書速度が遅いことに
つながっているのでは、と勘繰っています。
自慢じゃないけど、僕は友だちの中で最も読書速度が遅いのです。



続いて未読の新刊を紹介。




NFL2015カラー写真名鑑
ベースボールマガジン社


今年もこの季節がやって来てしまいました。
既に3試合終わっていますが、これは選手のチェックに欠かせない
ちなみに僕が応援するチームのこれまでを。
フィラデルフィア・イーグルス=1勝2敗
 ※チームをいじり過ぎ、そう、今のところ「過ぎ」、悪い方に出ているか
カンザスシティ・チーフス=1勝2敗
 ※プレシーズン全勝で期待しましたが、結局例年通りか・・・
デンヴァー・ブロンコス=3勝0敗
 ※意外にも守備がリーグトップクラスでマニングの衰えを補う
セントルイス・ラムズ=1勝2敗
 ※毎年上位に勝ち下位にとりこぼす、今年もそうなるかな・・・
シアトル・シーホークス=1勝2敗
 ※ラムズには取りこぼし、GBに負けたけど、まだ13試合ある
グリーンベイ・パッカーズ=3勝0敗
 ※下馬評高く今のところその通り、守備を整備すればSB行けそう
ニューオーリンズ・セインツ=0勝3敗
 ※ここがダメそうなのは予想してました、今年は諦めかな・・・
今年はアトランタ・ファルコンズとバッファロー・ビルズが面白そうで、
カロライナ・パンサーズもいいし、その3チームを応援に追加しました。
ああそれと密かにミネソタ・バイキングスもずっと応援してます。






プリンス論
西寺郷太
新潮新書


ミネソタつながり(!?)、プリンスの本が出るというので
地元郊外型書店で予約購入しました。
これは休みの日に一気に読んでしまいたい、でも今月はその日がなく、
来月読んでご報告できればと思います。
(予想通り買ってすぐに読めなかった・・・)






THE DIG Special Edition B・B・キング
シンコー・ミュージックMOOK


B.B.キングを1冊にまとめた本(ムック)が出ました。
今年はヴァン・モリソン、ボズ・スキャッグスと、この手の本は3冊目。
僕自身、以前よりも、音楽そのものだけではなく周りの状況を
知りたいと思うようになったのでしょうね。
この本もディスコグラフィありますが、すべて集めるのは無理、
というくらい、やっぱりたくさんレコード出してますね。
ひとまず最新作は来月にでも買う予定でいます。






お食辞解
金田一秀穂
文春文庫


著者の金田一秀穂は金田一春彦さんの次男。
お父さんの本は何冊か読んだけど息子さんのは今回初めて買いました。
店頭で見つけ、食も言葉も好きな僕は早々に読み始めるつもりでしたが、
椎名誠の本を先にしたため来月(以降)に先送りとなりました。
でもこれは割と早く読めそうな気がしています。



03
今月の読書2015年9月号

もう1枚、今朝のA公園風景。

読む本が増えたのは、時間のやりくりができるようになったからです。
僕は、基本2、3冊を併読し少しずつ進めてゆきます。
時々、1日で読んでしまいたい本があるのですが、併読すると、
例えば、食事前に45分とかこま切れに読む時間が出来た場合に、
少しずつ読むことができるのが僕にはいいのです。
そもそも、2時間とか集中力が続かないタイプですから(笑)。

来月ももう併読を始めている本があるので、また5冊はいけそう。

最後はまた犬たちの3ショットにて。


04
今月の読書2015年9月号








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この記事へのコメント
毎年のことですが、私も「NFL2015カラー写真名鑑」を買いました。以前は「Touchdown Pro」版も手元に置いていましたが、情報が多いので、今はこっちのみです。
ハクトウワシは前途多難ですね。QBを変えなくてもよかったのに。
私の方は、グリーンベイは順調ですが、セインツはやはりグラハムがいないので難しそうです。
Posted by fagus06 at 2015年09月30日 08:29
日本最末端真実紀行は好きです。椎名さんは著書が多いので、一部しか読んでいませんが、旅エッセーものは結構読みました。
パタゴニアは椎名さんらしくないシリアスな文体だし、家族の事(当時病んでおられた奥さんのこと)が書いてあったりと、賛否両論の評価ですがわたしはわりと好きです。

旅エッセーは好きで読みます。鉄道好きなguitarbirdさんが読まれてそうな内田百閒「阿房列車」、
動物&自然ものでは星野道夫さん、野田知佑さん、開口健さん、司馬遼太郎「街道をゆく」などなど。
わたしの読む本って妙齢の男性向け(というかおじさま向け?笑)の本が多いですね〜
Posted by Kinks girl at 2015年09月30日 10:41
fagus06さん、こんにちわ
Touchdown ProはオードリーのNFL番組でプレゼントしていて
応募しましたが外れました。
かといって買うまでもいかないかな、店頭で考えてみます。

ハクトウワシはそうですよね。
ブラッドフォード自体はどちらかというといいQBだと思いますが、
HCのチップ・ケリーがとにかく自分が好きな選手を集めたいらしく、
批評家の間では過去のドラフトでせっかく取った人は
意味がないのではないか、と言われ始めていますね・・・
ただ弱いだけなら同情する余地はあるのですが、まあでも
ずっと応援しているのでもう少し様子をみましょう。

セインツはディフェンスがまるで改善されていないようで・・・
ブリーズも怪我して、来週は戻れますが、どうだろう・・・

GBはまだ2週終わった時点でラン守備31位というのが
気になるところですが、そこが修正されるか、オフェンスが
それを気にしないくらい爆発すれば、SB行けそうだと思います。
Posted by guitarbirdguitarbird at 2015年09月30日 11:36
Kinks girlさん、こんにちわ
椎名さんは私もですが弟がそれ以上にはまって、1997年くらいまでは
すべての本を買って読んだようです。
私はすべてではなかったけれど、小説では『岳物語』は好きでした。
東京にいた頃に2回ほど講演会、今で言うトークライヴに行きました。
(そういえば当時トークライヴなんて言葉なかったなあ)。
野田さんも20世紀の間に出た本はすべて読みました、
椎名さんより作品数が圧倒的に少ないので(笑)。
あと沢野ひとしの絵も面白いけど文章も面白くてよく読みました。

内田百閒のそれ、実はまだ読んでいないのです。
今まで何度も手に取って読み進めたのですが、なぜかいつも挫折。
いや挫折というか、なんでだろう、いつも止まってしまいます(笑)。
開高健は「パニック・裸の王様」と魚のを読んだだけですが、
ディープ・パープルのFlight Of The Ratsという曲を聴くと、
その「パニック」という短編をいつも思い出します。
「街道」は北海道2つと台湾だけ読んだことがあります。
紀行ものは昔は好きでしたが、今は気持ちの余裕がないのか、
あまり読まなくなりました。
どちらかというと東京の歴史ものの方が好きかな。
あと私は30歳過ぎくらいまでは切らさずミステリ系を
読んでいましたが、今はそれもほとんど読まなくなりました。
時々読みたくなりますが、一気に読むのが苦手なので躊躇します。
星野道夫さんは写真集1冊持ってますが、文章は
読んだことがないです。
悲惨な最期を迎えられましたよね、当時すごくショックでした。

読書の傾向ですが、アウトドアがお好きという点でなるほどと思います。
Posted by guitarbirdguitarbird at 2015年09月30日 11:54
先ほど挙げたものは旅というジャンルで選んだので、
実際は乱読というか節操なくいろいろなものを読みます。
(ミステリーもルポルタージュも小説も自然科学も難しくない物であれあれば何でも)
とは言ってもたぶんguitarbirdさんの読書っぷり?にはかないませんが(笑)

わたしには難しそうな本を読まれている印象なので、マンガとか読まなそうなイメージですけど…。
もし、未読でしたらはた万次郎さんの「ウッシーとの日々」を推薦したいです!
北海道に犬と猫と暮らし、自然と旅と孤独を愛するエッセーです。
マンガというより沢野画伯の画&エッセーに近い世界で、何度も読み返す大好きな本です♥
すでにご存知でしたらすいません〜
Posted by Kinks girl at 2015年09月30日 12:22
Kinks girlさん、ふたたびこんにちわ
読書する人は割といろいろな本を読みますよね。
椎名誠もそうでしたが、だから書き足していただいたものを見て納得です。
自然科学系は読むのに時間がかかるものが多いので、
もっとたくさん読めたら、と思いつつよく買います。
つまり「積読」が多いわけです、そのジャンルは特に・・・(笑)。
私が読まないジャンルは近年のベストセラー系の小説です。
宮部みゆきだけ一時期読んでいましたが(『火車』は好きです)、
一昨年かな、この記事を始めた後に1冊読んで、それがもう
10年振りくらいでした。

マンガですが、実はその通りで読まないです。
今まで『サザエさん』しか読んだことがありません・・・
最近テレビで「妖怪ウォッチ」たまに観てますが(笑)。
あああと、「レコードコレクターズ」の漫画は好きで本買いました。
でもはた万次郎さんの本は読もうと思ったことがあります。
「アブラコの朝」でしたか、でもその本は知りませんでした。
ご紹介いただきありがとうございます。
そういう傾向でいえば南伸坊さんの本やイラストは好きです。
Posted by guitarbirdguitarbird at 2015年09月30日 17:42
珈琲をサイホンで入れて、ゆったり好きな本をお気に入りのクラシック音楽が低く流れる空間で読むなんて、秋には似合いますね!

競馬も秋のG1が始まり、騎手目線の解説は楽しい。困った時は外国人騎手?

椎名誠は、エッセイはほとんど読んでますが、写真集もなかなか良いですね。

私は今読んでる文庫本、雲霧仁左衛門他の池波正太郎が、多いです。

確かに読書に良い季節になりました。

明日はそちらは台風の影響をうけて風が強いらしくて気をつけて下さい。
Posted by matsu at 2015年10月07日 06:13
matsuさん、こんにちわ
珈琲は本にも合いますね。
うちは、豆からいれるのは今は道具がいつも使える場所に
出ていないので手間ですが、たまに飲む時はそうしたいです。

競馬は私は最近はご無沙汰になっています。
基本的に土日が仕事であることが影響していると思います。
新しくなった札幌競馬場も結局行けなかったですし。
matsuさんは当たるといいですね。

椎名誠は写真の話も今回結構出てきました。
アサヒカメラは20年ほど前は購読していたのですが、
札幌に来てやめました。
雑誌の購読って、雑誌を置く場所に困りますね・・・
かといってすぐに捨てるのもなんだし、悩ましいところです。
そういえばmatsuさんにいただいた週刊文春を見て、そうだ椎名は
もう連載終わったって話だったかって思ったことを思い出しました。

池波正太郎はやはり食関係の本でよく名前が出てきますね。

こちら明日明後日と天気が悪いようです。
明日は休みですが、最近休みの日は天気が悪く、
鳥の写真がなかなか撮れません・・・
Posted by guitarbirdguitarbird at 2015年10月07日 13:37

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今月の読書2015年9月号