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2015年08月03日

「炎のランナー」 ヴァンゲリス

01
「炎のランナー」 ヴァンゲリス

Chariots Of Fire Vagelis
「炎のランナー」 ヴァンゲリス
 (1981)

ロンドン五輪も盛り上がってきましたね。

ポール・マッカートニーが開会式でHey Judeを歌った話は
今回はここだけにしておきますが(笑)、マイク・オールドフィールドなど
出演した人のギャラが1ポンドであったことが判明しました。
ポールも含めみな最初は無償でと考えていたところ、なんでも
法律上の問題かな、報酬が発生しないと契約が結べないために、
仕方なく1ポンドに設定した、とのこと。
どこの国でもお役所の頭は固いな、と思わなくもないですが(笑)、
おかげでよい話題を提供してもらえましたね。

英国はサマータイムで日本との時差が8時間。
日本では夕方に現地の朝の競技開始、夕食、入浴して寝て翌朝起きて、
まだ競技が終わりきっていないというのはなんだか不思議で面白い。

僕は、朝にA公園に行くことをやめるわけにはゆかないし、
生活のリズムを崩したくなく、22時以降は五輪のテレビは見ていません。
逆に、寝て起きると日本がたくさんメダルを取っているのは、
このところの毎日の楽しみ、それはそれで朝から気分いいですね。
内村航平の金メダルは、うれしいけどそれ以上にほっとしました。

僕が大好きな女子バレーは今のところ早い時間に試合があるので、
それは寝る前に生で見られているのもうれしい(笑)。
でも、勝ち進むと日本では未明の試合になるのだろうから、
見られるのも今のうちかな(情けない応援隊ですが・・・)
逆に早く起きて見る、ということはあるかもしれない。

五輪で僕はやっぱり陸上競技が好きですね、
トラックもフィールドもマラソンも。
でも陸上は間違いなく寝ている時間帯だろうなあ。



五輪の表彰式の映像をニュースなどで見ている時、
よく耳を澄ますと、アナウンサーの声の向こうから、
現地の会場に流れている曲が聴こえてきます。

それが今日のお題、
ヴァンゲリス 「炎のランナー」 Chariots Of Fire
です。

この曲は、ちょうど僕がビートルズ以外の洋楽を聴き始めた頃に
大ヒットしていた曲で、思い出も思い入れもたくさんあります。



「炎のランナー」は、同名の英国映画のテーマ曲として
ヴァンゲリスが作曲し1981年にリリースされました。

映画についてはここでは短く触れるだけにしますが、
「炎のランナー」は、英国の五輪の陸上選手にテーマをとった映画で、
第54回アカデミー賞において最高の栄誉である作品賞を受賞し、
ヴァンゲリスのサウンドトラックも同時にオスカーを受賞しました。

英国は映画の国でもあり、一時期は低迷していましたが、
その英国のオスカー受賞作が陸上競技の映画というからには、
これはもう五輪で使わないわけにはゆかないですよね。
僕も初めてニュースで見て聞いて、当然のことと感じました。

僕はニュースでしか見ないので、逆にこの曲が流れている
表彰式を繰り返し何度も見るがゆえ余計に印象に残ります(笑)。



ヴァンゲリスは、名前だけはよく知っているとうアーティストで、
カルト的人気の映画「ブレード・ランナー」の音楽も手掛けていますが、
ここはおさらいというか勉強ついでに、ヴァンゲリスについて
「ビルボード・ナンバー1・ヒット」(下巻) (音楽之友社)
から、ヴァンゲリスやこの曲について引用しながら話します。
なお、引用者は一部表記変更や補足を行い、改行を施しています。



ヴァンゲリスの本名はヴァンゲリス・ロ・パパサナシュー。
これは「よい知らせを伝える天使」という意味だが、
彼は、オスカーを受賞した時、前夜の誕生日パーティの後で
ぐっすり眠っていた。
早朝4時の友達からの電話でこのいい知らせを受け取った。
「誕生日の遅いお祝いだったね。
電話を切ってからテレビをつけたんだけど、ぼくはベッドの中だって
いうのに、信じられないことが起こっていたんだ」

アテネで生まれたギリシア人のこの天才音楽家は、
4歳で作曲をはじめ、6歳でコンサートを開いている。
’60年代にはフォアミンクスを結成した。

本国の政治情勢のため彼はロンドンに逃れ、さらにパリへ渡り、
同じギリシア人のデミス・ルソスとアフロディテス・チャイルドを組んだ。
1969年、彼らはたちまち「雨と涙」でヨーロッパを席巻した。

バンドは’70年代初めに解散し、それからヴァンゲリスの
作曲家・演奏家としての今日のキャリアが始まる。
最初の映画音楽は「動物の黙示録」

1974年にロンドンへ行き、マーブル・アーチの傍らに穴ぐらのような
シンセサイザーのスタジオを作った。
初めの頃は、彼独特のサウンドも、かえり見る人がいなかったが、
「天国と地獄」(カール・セーガンの「コスモス」に使われている)、
「反射率0.39」「螺旋」「霊感の館」「チャイナ」などのアルバムで
地味な活動を続けた。

「ぼくは楽譜が分からないんだ。
作曲もオーケストラの編曲も、全部耳でやる。
そういう技術を学校でも教えるけど、創造する、というのは
習えることじゃない」

1980年にはイエスのヴォーカルのジョン・アンダーソンと組み、
ジョン&ヴァンゲリスとして、「ショート・ストーリーズ」
「プライヴェイト・コレクション」「フレンズ・オヴ・ミスター・カイロ」
の3枚のアルバムを出した。

大きな映画の仕事は「炎のランナー」が最初だった。
「1924年のオリンピック・パリ大会に青春をかけた
2人のランナーの本当にいい話だったから、
プロデューサーのデヴィッド・パットナムと契約した。
オリンピックは好きだし、楽しい仕事だった」
と彼は言っている。

映画の最初のタイトルバックに流れた曲は
「タイトルズ」と名付けられてシングルになったが、
ヒットにはならなかった。
それが1981年12月12日、HOT100の94位に入った。
8週目には、タイトルもChariots Of Fireに変えられ、
1982年5月8日についにNo.1に輝いた。

この曲は、1位になるまで最も長く時間がかかった
No.1ヒット曲であり、チャートインから21週を要している。

(注)

また、インストゥルメンタルとしては23番目のNo.1ヒット曲であり、
この曲以降はインストでNo.1になった曲はない。

(注)

(注):データは本が刊行された1988年4月時点でのもの。
ただし、以降は僕も把握していません、あしからず。



この曲がヒットしていた当時の僕はまだ洋楽聴き始めの頃で、
FMでヒット曲を熱心にエアチェックして聴いていました。
この曲はインストゥロメンタルでNo.1になったということで、
どれだけすごい曲なんだろうと期待していたら、その期待を
遥かに上回る素晴らしい曲でした。
もう1年僕が洋楽を聴くのが早ければ、間違いなく
ドーナツ盤を買っていたと思うのですが、少し遅かったので、
エアチェックしたのを聴くだけで終わり、CDの時代になって
ベスト盤を漸く買って聴きました。

ヴァンゲリスって聞いて、最初はグループ名かと思いましたが、
この本を買って読んで個人名であることを知りました。

ギリシア人の彼はロンドンに渡りさらにパリに渡ったわけですが、
そんな彼がパリ五輪の英国人選手の映画の音楽を手掛けるとは、
出来すぎた話、というより、運命だったのかもしれません。

この曲のヒットに至る背景を考えると興味深いですね。
初登場が1981年12月というのは、アカデミー賞候補が秋に発表され、
それを受けてアメリカで映画が再上映されるなどで話題性が高まり、
つられて曲も注目されヒットし始めたのでしょうね。

No.1になったのは5月8日、この年のオスカー授賞式は3月29日。
5月8日付というのは週刊誌だから日付が1週早く、実際には
5月1日にNo.1になっているということで、オスカー受賞を受けて
曲が注目され、ほぼひと月でヒットした、ということでしょうね。
当時はネットもないしアメリカは広いので、話題が全米に広まるのが
今よりもうんと遅かったという時代背景もありました。

ところで、ヴァンゲリスはオスカー授賞式に参加しなかったんですね。
残念というか、もったいないことをしましたね。

もうひとつ、カール・セーガンの「コスモス」は、
僕が中学生時代に話題になり、僕もテレビを見ていました。
天文学が特に好きとかそういうわけではなかったのですが、
潜在的には昔から興味があったようで、それが分かったのがその時。
しかしもちろん、そこにヴァンゲリスの音楽が使われていたことは
まったく知らず、この本は20年近く前に買っていましたが、そのことは
今この記事を書くのに読み直して初めて気づきました。
なんだかいろんなところでつながっているなあ。



この曲はアレンジとかそういう次元ではなく、
純粋に曲そのものが素晴らしい!


8小節のイントロから始まり、
4小節のフレーズを2度繰り返すAメロに続いて、
同じく4小節のフレーズを2度繰り返すBメロ、
それが都合3回繰り返されるだけでブリッジも展開もない。
最後はAメロが少し変わってコーダが4小節つくけれど、
たったそれだけの至ってシンプルな曲。

シンプルだからこそ素晴らしく、シンプルだからこそ奥が深い。

この曲の旋律は、誰かが作曲したというよりは、僕がよくいう、
天使の声をヴァンゲリスが人間に聴こえるよう翻訳したとしか思えない。
彼の名前が天使が関係しているのも、やはり運命かもしれない。
図らずも、今回はサウンドトラック盤を聴いているのですが、
同じ作曲者の他の曲はこれほどまでに輝いていなくて、この曲は
創作能力を超えた領域に到達していることが証明されています。

その上で、アレンジが素晴らしい!
夜明けをイメージさせる勇壮な響きのイントロから、
主旋律を1番はピアノ、2番はシンセサイザーと管楽器と弦楽器が奏で
間に「でんでん太鼓」みたいなパチパチとした音が鳴り続ける。
広がりがある、先に確かに光の筋が見える音。
まるで心身ともに包まれるような、勇気を与えてくれる音。

でも基本はやっぱりピアノの曲なのでしょうね。
僕はピアノは弾けないのですが、今からでも習えないかと思い、
弾けるようになるならこの曲は弾いてみたい曲の筆頭ですね。

インストゥロメンタルだけど確かな旋律があって、
口ずさむことができるのもヒットした要因でしょうね。
しかも、旋律がこれ以上ないほど感情や魂をなぞっているがために、
かえって歌詞がないほうが伝わるものが大きい。

ところで、インストゥロメンタルの曲を口ずさむ時、
どんな音で表現しますか?
僕は、この曲の場合、
ピアノの部分は「タンタタタタンタ」で「タ」で表し、
2番のシンセサイザーと管楽器と弦楽器の部分は
「ファンファファファファンファ」と「ファ」で表します。
でも、他の人が聞くと間違いなく間抜けでしょうね(笑)。



今の若い人は、この曲をどう感じるんだろう。

今のところ日本人のメダリストはみな20代以下だから、
この曲がヒットしていた頃はまだ生まれてもいないし、
有名な曲だから耳にしたことはあっても、
知っている人はあまりいないかもしれない。

でも、表彰式で聴いたこの曲にはきっと何かを感じたのではないかな。
それはメダリストのみならず、会場に応援に行った人、
そしてテレビで中継を見ていた人。
音楽を愛する者としては、このような名曲が聴継がれていくのは
うれしい限りですね。
ましてや、僕のリアルタイムで出てきた曲であるだけに。

「よい知らせを伝える天使」の曲だなんて、
メダル授与式にこれ以上ふさわしい曲はないかもしれない。

真に感動する曲。
涙が出るほど心が動かされる曲。
そんな曲はこの世の中にもそうはないでしょうけど、
その中でも「炎のランナー」はとりわけ輝く真の名曲ですね。

 

僕が聴いているのは2006年に出た25周年記念リマスター盤。
通常盤も出ていますがリンクはこちらだけにしました。
もうひとつのリンクがヴァンゲリスのベスト盤2枚組。

この曲は、「ロッキー」のテーマ曲Gonna Fly Nowと並んで
僕が最も好きな映画のテーマ曲のひとつです。
もちろんビートルズは除くのですが(笑)。


最後に余談。

記事を書くのに「ビルボード・ナンバー1・ヒット」を見ていて、
面白いことに気づきました。

「炎のランナー」の次にNo.1に輝いたのが、
あのポール・マッカートニーとスティーヴィー・ワンダーの
Ebony And Ivoryであるのもまたよい偶然ですね。

ついでだから、80年代洋楽で生まれ育った者としては、
その前後のNo.1ヒット曲も書いておきましょう。

Ebony...の次がヒューマン・リーグのDon't You Want Me、
その次がサヴァイヴァーのEye Of The TIger、「ロッキー3」のテーマ、
次がスティーヴ・ミラーのAbracadabra、
その次がシカゴのHard To Say I'm Sorry 「素直になれなくて」

一方、遡ってみると、ヴァンゲリスの前が
ジョーン・ジェット&ザ・ブラックハーツのI Love Rock And Roll、
その前がJ・ガイルズ・バンドのCenterfold 「堕ちた天使」
その前がダリル・ホール&ジョン・オーツのI Can't Go For That、
さらに前がオリヴィア・ニュートン・ジョンのPhysical

長くなるのでもうやめますが(笑)、それにしても懐かしい!


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「炎のランナー」 ヴァンゲリス







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