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2013年06月22日

AMERICANA ニール・ヤングの新譜

01
AMERICANA ニール・ヤングの新譜

AMERICANA Neil Young with Crazy Horse
アメリカーナ ニール・ヤングwithクレイジー・ホース
 (2012)

ニール・ヤングの新譜が出ました!

これは記事にしないわけにはゆかない。

今回はクレイジー・ホースを従えてのものですが、
アメリカのフォークソング、ドラディショナルソングを歌っていて、
つまりはカヴァーアルバムということになります。

最初にその情報に接した時、今やポール・マッカートニーまでが
カヴァーアルバムを出したように(オリジナル曲もあったけど)、
またもやヴェテランがカヴァーアルバムを出すのか、と、
正直言えばちょっとだけ残念に思いました。

でも、ニール・ヤングは、新作も過去の音源ものも含めて
ほんとにここのところ毎年何か新しいものをリリースしているし、
一昨年の新曲だけの新譜も素晴らしかったし(記事はこちら)
ニール・ヤングならまたすぐに新曲のアルバムを出すだろう、
だから今回はこれでいいんだと、むしろ期待が高まりました。

アメリカーナというタイトルでアメリカのフォークソングを歌うのは、
自らの音楽及び人間的なルーツを衆目の下に確認しようという
考えであることは分かります。
ニール・ヤングはカナダ人ですが、彼の音楽を聴いていると、
国籍よりはアメリカ大陸という土地やそこに暮らす人々への
こだわりや思いが強く感じられ、「アメリカーナ」というタイトルも
極めて自然に納得することができます。
まあ、現実問題として、アメリカが主な活動場所でもあるし。

やっぱりニール・ヤングはニール・ヤングである。
ひとことでいえばそれがこのアルバムの感想。
もちろん、とっても素晴らしい!

クレイジー・ホースとのバンド形態ということで、
ニール・ヤングのハードで荒々しい面が出た音作りは
ロックがデフォルトの人間としてはますます聴きやすい。
そういえばニール・ヤングは、「ワイルドな曲」の記事(こちら)
取り上げなかったけど、このアルバムのイメージとしては、
まだ人々が自分たちの手で生きようとしていた昔のアメリカの
人々の気概を表すにはこれ以上ない音だと思います。
「ロック界の樵」ですからね(笑)。

ニール・ヤングは歌で伝えたい思いがたくさんある、
歌で伝えることが生きる動機づけのような人であって、
歌うことは呼吸と同じであり、それをしなければ生活ができない
という人なのでしょう。

ニール・ヤングの歌は、曲の覚えが人数倍悪い僕でも覚えやすくて、
これはきっとニール・ヤングが歌の旋律を作る才能に長けているのだ
と僕は思ってきました。

でも、これを聴いて、基本的には他の人が作った歌でも同じように
響いてくると分かり、だから、ニール・ヤングの歌が覚えやすいのは、
旋律以前に、ニール・ヤングの歌がいいということなのでしょう。

つまり、ニール・ヤングは、歌として伝える才能に長けている人。
もちろん旋律を作る才能もあるのでしょうけど、
やっぱりニール・ヤングは素晴らしい「歌手」なんだと強く思いました。
今回は特に、「語り部」、というべきかもしれない。


02
AMERICANA ニール・ヤングの新譜

Tr1:Oh Susannah
フォスターのあまりにも有名な曲。
ざくざく鳴るギターでもったいぶるかのように始まり、タイトルを
連呼するコーラスが入り、始まった歌は、あれ、聴いたことがない・・・
ブックレットには各曲の短い解説があるのですが、それを読むと、
1963年に発表されたTim Roseによる新しい旋律を施された
ヴァージョンを基にしているということ。
最後の部分のAメロを展開する部分がロックでしびれます。
ところで、この曲は小学生の頃に日本語の歌詞で聞いて
歌っていたと思うんだけど、その歌詞が思い出せません。

Tr2:Clementine
アメリカ唱歌として小学生の頃から一応知っていた曲だけど、
「雪山賛歌」の旋律としてのほうがおなじみかもしれない、
こちらも、新たな旋律を乗せたということ。
"Clementine"と2回繰り返すサビはニール・ヤングそのもの。
これはなんだかカッコいいんですよ、クセになるというか。

Tr3:Tom Dula
19世紀の、妻を殺された(殺した)男の話ということだけど、
西部劇の世界と現代をつなぐようなモチーフかな。
これまたほんとうにニール・ヤングの歌でしかないという感じ。
"Tom Dula"というコーラスが恐いくらいにずっと入っているのが
耳にこびりついて、嫌でも口ずさんでしまう。
このようにこのアルバムにはコーラスが印象的な曲が多く、
クレイジー・ホースとの一体感を味わえて楽しいですね。
そしてフォークソングもそうして人々が歌っていたのでしょうね。

Tr4:Gallow's Pole
レッド・ツェッペリンもおそらく同じトラディショナルソングを
3枚目でアレンジして歌っているものだと思うけど、解説よれば
この曲はフィンランドが起源ではないかということ。
歌い出しの"Hangman,hangman stack you rope"
の部分のヴォーカルとコーラスの絡みがぞくぞくします。
そしてこれはニールの歌い方が上手いというか、味があるというか、
あらためて歌手としての声や表現力の良さにしびれました。

Tr5:Get A Job
フォー・シーズンズとかその辺のオールディーズ風の
コーラスのアレンジがとにかく楽しい。
仕事を探そうとしない夫に妻が文句を言うという歌ですが、
そのモチーフが今でも、今でこそ通じるものがある興味深い選曲。
そういう曲が底抜けに明るいのがいかにもアメリカなのかな。

03 ブックレット
AMERICANA ニール・ヤングの新譜

Tr6:Travel On
英国のトラッドを1958年にBilly Grammerが録音し発表したもので、
そうか、このアルバムはフォークソングを探ると同時に、
ニール・ヤングの10代の頃の音楽の追体験するというのが
もうひとつの図式、いわば二重構造になっているんだな。
そう思うと楽しみが2倍かそれ以上に膨らみます。
この曲はいい意味でちょっと間の抜けた気楽な雰囲気がいい。
もちろんニール・ヤングらしさにあふれつつ。

Tr7:High Flyin' Bird
イントロの重たいギターリフとソロは誰が聴いてもニール・ヤング。
ニールもBirdsのような曲があって、それも感動的な曲だけど、
鳥は祈りを捧げる対象になりやすいのでしょうね。
なおこれ、興味深いのは、1964年のThe Companyというバンドも
録音していおり、そのバンドのリーダーがかの
スティーヴン・スティルスだったということで、もしかすると、
スティーヴンへ敬意を表したかったのかな。

Tr8:Jesus Chariot
ああこれカッコいい!
ギターが「ザッザッザッザッ」と低音で刻み続ける中で
英雄的な響きの歌が繰り広げられます。
ネイティヴアメリカンの霊歌のような曲だとのことだけど、
ニール・ヤングはそういう精神を大切にし継承しようと
していることがあらためてよく分かります。

Tr9:This Land Is Your Land
ピーター・ポール&マリーで有名なウディ・ガスリーのこの曲は、
リズムやテンポ演奏が違うだけで歌はそのまま、ほっとした(笑)。
僕がきわめてよく口ずさむ歌だけど、ニールのこのヴァージョンは
PPMのに慣れているとちょっと遅すぎて、僕の歌が先走ってしまう・・・

Tr10:Wayfarin' Stranger
アコースティック・ギターが静かに響くほの暗くておとなしい、
しかしなんとなく急いているような切迫感がある曲。
昔のサントリー・オールドのCMで流れていた
「だんだんだだ~だでぃでぃだで」という曲のような雰囲気。
そういえば「フォークソング」といいながらアコースティックで
演奏し通したのはこれが初めてだな。
まあ、「フォークソング」といっても意味は違うのでしょうけど。

Tr11:God Save The Queen
いわずとしれた英国国歌、クイーンで有名ですね。
なぜ「星条旗よ永遠なれ」ではないのか、それはニール・ヤングが
英国連邦であるカナダ人だからと最初は単純に思っていたんだけど、
ブックレットを読むと、1776年より前には北米でも広く歌われていた
ということで納得。
ワルツに仕立て上げていて、アンセムとしての重々しさはなくて、
みんなで一緒に歌うというよりは、何かの作業をしながら元気づけるのに
ひとりで口ずさむようなアレンジ、これぞフォークソングという感じがします。


 

リンクは左が国内盤、右が海外盤。

ところでこれ、ブックレットの形がちょっと変わっていて、写真03、
普通は、CDのケース(これは紙ジャケット形式だけど)に沿った
正方形に近い形だけれど、これは、高さは同じで幅が半分強くらい、
タテ横比3:2くらいのタテ長の普通の本の形をしています。
ニール・ヤングは、物語を伝えるには正方形では不自然であり、
本の形をしているべきだと感じたのでしょうね。
単に紙の使用量を減らしたいだけではないと思う(笑)。

正直いえば、ここまで素晴らしいとは思っていなかったし、
既成の曲がこんなにまでもニール・ヤング色に染まっているのも
想像をはるかに超えていました。

普通のニール・ヤングの新譜として楽しめるし聴き込めます。
むしろ、前作の「エレクトリック・ギターの弾き語り」という
変わった趣向のアルバムよりも、普通にニール・ヤングらしくて
ほっとする部分が大きいと思います。

でも。

新しいオリジナル曲の新作も、できれば早く出して欲しい、
というのはファン以上の人間の勝手な願いです(笑)。


ところで、この6月は新譜ラッシュで、僕と弟合わせて、
今月だけでもう10枚くらいの新譜を買って聴いています。
ニール・ヤングはもちろん単独で記事にしていますが、
それ以外もまとめて記事を上げるにしても、2回になってしまう。

うれしい悲鳴ですね。

このところ雨が続いて、音楽ネタが続いた感がありますが、
札幌は明日も雨の予報です。

今日の最後は、特に雨が嫌いなポーラ。


04
AMERICANA ニール・ヤングの新譜






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Posted by guitarbird at 21:29 │ロックK-P

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