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2014年10月05日

NEW ADVENTURES IN HI-FI R.E.M.

01
NEW ADVENTURES IN HI-FI R.E.M.

NEW ADVENTURES IN HI-FI R.E.M.
ニュー・アドヴェンチャーズ・イン・ハイ・ファイ R.E.M.
 (1996)

R.E.M.が解散してから2週間。
その間僕は、常にといっていいくらいに彼らが解散したことが
頭の中から離れることなく生きてきました。
彼らの解散を現実として受け入れたとは言えるのですが、
でもやはりまだ残念な思いばかりであることは否定しません。

しかし後ろ向きにばかり生きてゆくわけにもゆかない、
そろそろ前向きにと、今日は敢えてR.E.M.を記事にしました。

実は、解散してからR.E.M.を聴くのはこれがまったくの初めて。
今はMTVも見ていないしラジオも聴いていないので、
自分の意志ではないかたちですらR.E.M.を耳にしていなかった。
日本では街中で流れることもめったにないだろうから(笑)。

このアルバムを選んだのはちょっとしたわけがあります。
僕はWarnerに移籍してから彼らのファンになったのですが、
Warner時代のスタジオアルバムでは、これだけを
まだ記事にしていないからです。
僕だっていつBLOGを辞めるか分からないので、
これを上げておかないと心残りかなと思って(笑)。

このアルバムはオルタナティヴの時代がそろそろ終わりという
1996年にリリースされました。
オルタナティヴが何かという話はひとまず置いておくとして、
このアルバムを聴いた当時の僕の素直な感想はこうでした。
「彼らは時代と関係なく生きていくことにしたのかな」

R.E.M.は常に時代の先を行く音を作ってきましたが、
この前作のMONSTERでグランジ風の重たい音を出して
ついに時代に飲み込まれたという印象を受けました。
亡くなったカート・コバーンへの思いがそうさせたのかもしれないし、
実際リリース当時はその前作はカッコいいと思ったものですが、
後になって時代から離れると彼らのアルバムには珍しく
時代の匂いが強すぎるアルバムと思うようになりました。

このアルバムは全体の作りが緩いと感じます。
ツアーの間に録りためたものを基礎にして作り上げていて、
"Seattle Studio"などとブックレットには曲ごとに記されていますが、
いい意味でいえばそうした張りつめたスタジオの空気感ではなく
ツアーの合間の息抜き的な部分が緩さにつながっているのでしょう。
また、重大なメッセージを時代に発してやろうという意気込みは
さらさらなくて、ただ音楽を聴いてくれればという態度にも思えます。

02 ハウチワカエデが色づいてきた
NEW ADVENTURES IN HI-FI R.E.M.

このアルバムは音が面白い。
アコースティック・ギターで基礎を作りエレクトリック・ギターで
上っ面を装飾しているというのが基本ですが、両者の間に
妙な空間があるように感じるのです。
真ん中辺りの音がすこっと抜けているというか。
聴いていない時にこのアルバムの音について思い出して話すと
アコースティック・ギターの印象が強いのですが、でも実際に聴くと
エレクトリック・ギターが思いのほか目立っているという感じ。
まったくもって不思議な印象の音です。
その中で曲によりピアノ、ギター、コーラスなどの音が出てくる
タイミングとフレーズのセンスの良さが際立っています。
彼らのいうところの「ハイファイによる新しい冒険」なのでしょうか。
音として印象に残る個性的なアルバムといえるでしょう。

曲だってよくないわけではありません。
ただ、ヒット曲狙いのインパクトが大きい曲というよりは
アルバムを通して聴いてこその曲が並んでいると思います。
先ほど作りが緩いと書きましたが、そこから考えると
これも意図的なものかもしれません。
と同時に当時はロック系のシングルはもう売れなくなってきていたので
シングルという概念を取り払ってみたのかもしれない。
しかしそういう点で見れば時代を意識してはいたのでしょうけど。
断っておきますが曲は素晴らしくいいものばかりですよ。
ただ、インパクトの大きさでは彼らの中でも目立たないほうかなと。

音楽的な面を見ても、ロックンロールとかカントリーっぽいとか、
そういう程度のスタイル的な部分はもちろん感じますが、
でももはやこれはどう聴いてもR.E.M.の音でしかありません。
彼らが到達したのはまさにそこですが、それは前作で一度
時代の音に染まってみてたどり着いたのだと考えます。

しかしそのことで僕は当時、まだベテランというほどでもないのに、
趣味の世界に入ってしまったのかと少しがっかりした記憶があります。
やっぱりR.E.M.には先を行っていてほしかったのです。
なんだか取り残されたような気分にもなりました。

だけど今になって思うのは、時代の中にいることは楽だし、
先を行くことだって能力がある人であれば難しくないのだろうけど、
時代を超越するというのは誰にでもできるものでもありません。
その点でやっぱりR.E.M.は卓越した眼を持っていたんだなと思います。

そうです、このアルバムで彼らは時代を超越してしまったのです。
古くもなく新しくもなく、流行り廃りとは関係ない次元に
彼らはついに到達してしまったといっていいのかもしれません。
まったくもって不思議なアルバムであり、R.E.M.は不思議なバンドです。

でした、ですね、悲しいことに・・・

作曲者のクレジットはすべてメンバー4人の連名になっています。
(All songs written by Berry, Buck, Mills, Stipe)


03 おなじみ限定盤はシングルレコードサイズの箱入り
NEW ADVENTURES IN HI-FI R.E.M.

01:How The West Was Won And Where It Got Us
ゆったりとしたドラムスと緩いギターで曲が始まり、
マイケル・スタイプがずっと低音でくぐもって歌い続け、
最後に「あー」と無表情に声を伸ばして1コーラスが終わる。
その間に漂うようにピアノが時々入る。
R.E.M.は1曲目がセオリーを無視した入り方が多いんだけど、
これを最初に聴いた時僕は信じられない思いすらありました。
人を食っている、まさにその通り。
曲名の前半は映画「西部開拓史」の原題そのままであって、
そう考えるとこれはカントリーなのかなと思うんだけど
そういうカタにははまっていない不思議な曲。

02:Wake-Up Bomb
と思ったらガラスを割ったように超速のロックンロールが始まる。
そうだよ普通はこっちを1曲目にするだろと当時は思った。
歌メロは彼ららしくくねくねしているけど(笑)、素直にカッコいい。

03:New Test Leper
ワルツのフォークソングで軽やかな歌メロは彼ららしいところ。

04:Undertow
壁が崩れるみたいな大がかりなギターサウンドで
アルバムの中ではダイナミックな1曲。
最後は嵐が静まって風だけが残ったくかのように終わり、
次の曲にうまくつながっていきます。

05:E-Bow The Letter
パティ・スミスをゲストに招き話題を呼んだ最初のシングル曲。
これもカントリーっぽいといえばそうかもしれない。
E-Bowとは曲の中でも音が聞こえる「ぼわ~ん」という音を鳴らす
ギターのアタッチメントのことで曲の中でも大活躍しています。
この曲はですね、実は、当時は好きではなく、R.E.M.の新譜だから
当然ものすごく期待するわけですが、この曲が最初のシングル
というのは正直面喰らいました。
ヴァースの部分が歌メロがなくて喋りなのが主な理由かな。
パティ・スミスの歌声は雰囲気がとってもいいんだけど、でも当時は
このアルバムのサウンドの良さや緩さが理解できていなかったわけで、
3年くらい前からようやく普通に好きな曲になってきました。

06:Leave
狂おしいギターのイントロに哀愁を帯びた歌メロ。
R.E.M.お得意の自己憐憫ソング。
この曲こそが歌だけならアコースティックで通せるところをそこに
エレクトリックの音を加えて印象的な音に仕立てている曲。

07:Departure
「去る」そして「出発する」。
ハードロック調のギターリフで始まるこちらはひときわ明るい曲。
ヴァースのマイケルの喋りは言葉の生きがあまりにもよくて
口の中から飛び出してきてしまっているような勢いがあって、
サビの"Here it comes"という部分の爽快さははちきれんばかり。


04 今年のハウチワカエデは色づきがいいかも
NEW ADVENTURES IN HI-FI R.E.M.

08:Bittersweet Me
僕がこのアルバムでいちばん好きな曲はこれかな。
ちょっと懐かしい80年代風のポップロックソング。
サビに入るまでの特に直前の歌メロの流れが最高にいいんだけど、
惜しむらくはサビがばさっと切ったみたいに終わってしまうこと。
ただし曲の最後がそれであっさり終わってしまうのが逆に
余韻が残るので、彼らの狙い通り、それでいいんでしょうけどね。
いずれにせよ歌メロがとってもいい曲で、
ピーター・バックのエレクトリック・ギターもよく語っている。

09:Be Mine
エレクトリック・ギターのバッキングが印象的で、
高音でオルゴールのように鳴らしたり低音でザクザク刻んだり。
それがマイケルの声にかぶさると不思議とまろやかな響き。
マイケルはちょっと自信がないのかな、そんな感じがする。
でも曲の最後は手から風船を放したみたいに気持ちが
ふわっとなるような盛り上がりでほっとします。

10:Binky The Doormat
エレクトリック・ギターのアルペジオとドラムスが扇情的。
サビのマイク・ミルズのコーラスがいつも通り何かこう
間が抜けた感じがしてそれもいかにもR.E.M.らしいところ。

11:Zither
これまたオルゴール系のギターを中心としたインストゥルメンタル。
エレクトリック・ギターで強いけどまろやかな音を出すのは
ピーター・バックの得意技。
ところで彼らの曲はあまり使わない単語が多いなぁ。

12:So Fast, So Numb
英雄的な響きのカッコいい曲。
この曲のマイケルの声は言葉が口の中でチューインガムのように
粘つきつつも弾け飛んでいるかのような不思議な発声ですね。
このアルバムの曲はみんなサビが何か急に終わってしまうようで、
それもやっぱり狙ったものなのかな。
途中でアコースティック・ギターだけが残るところがカッコよくて
音づかいのセンスの良さを感じずにはいられません。

13:Low Desert
無理やりこじつければブルーズっぽい響きの重たい曲。
ずっと低く歌ってきたマイケルが突然高い声を出したところで
ギターが決めのリフを低音で入れくる、ここがしびれる。
ただアルバムがあと2曲で終わるという感じの響きではなくて、
その辺もやはり敢えてセオリー無視の姿勢を感じます。
そうか、だから終わりは突然やって来るように感じるのか・・・

14:Electrolite
最後が来てしまいました。
ドラムスのビル・ベリーはこのアルバムを最後に脱退します。
つまりこの曲はビル・ベリーの最後の曲です。
この曲のビデオクリップでビルがいつもより目立つのが面白くて
例えば野外でドラムスを叩いていたビルがだんだんと大きくなって
ビルくらいの高さになってしまってマイケルを見下ろしたり、
でもその後でビルの脱退を知ってもしかしてそれは彼らの
シークレットメッセージだったのかなと当時は勘ぐったりもしました。
この曲は、やっぱりこっちがこの中でいちばん好きかな(笑)、
歌メロがすっごくいいというわけではないんだけどとても印象的で、
かつなぜかこうぐっと胸にしみるものがあるのが不思議な響き。
間奏のフィドルの音ももはやあっちの世界という感じもする響きで、
このアルバムは結局最後まで不思議なまま終わりますね。
本人たちも気に入っているようで、ベスト盤に収録されたのみならず、
I.R.S.時代の曲を中心としたライヴ盤LIVE AT THE OLYMPIA
にも収録されていたのはファンとしてもうれしかった。
これはきっとビルも一緒にいてほしかったということだなと思って。
アルバムの最後はなんとなくしんみりして終わるのが心に残り
また聴きたいと思う部分でしょうね。

それにしてもこの曲の最後にマイケルがつぶやく言葉、
"I'm not scared, I'm out of here"
「恐くないよ、僕はここにいないんだから」
まさか解散したその時にこのアルバムを取り上げるなんて・・・

そして、ビルはいつか戻るかなとずっと期待していたけど、
ついに戻らないまま解散してしまったんだなぁ。



R.E.M.のマイケル・スタイプは「歌手100人」には入っていません。
そうですよね、ネイティヴの人でも何を言っているか分からない
という歌い方だから、それは僕もそうだろうなと思います。
むしろ、入っていないことが彼ららしいと言えるでしょうね。
あ、これは決して強がりじゃなくって、冷静に考えてもそう。

時代を超越したと書きましたが、このアルバムは1つだけ
時代に乗った部分があって、それは14曲で66分弱という長さです。
ただ彼らはCDの時代になってからもこの前までの4作で
せいぜい50分までの普通のLPの長さを作ってきていたので、
60分を越える長いアルバムはこれが初めてでした。
しかし1996年頃になると長いアルバムをたるみなく聴かせることが
難しいと分かった人が多かったのか、世の中では再び
50分を切るアルバムが増えてきていた頃でもありました。
そんな中敢えて逆に長くしたのは彼ららしいところですが、それを
可能にしたのはやはり超越してしまったという自信からでしょうね。
実際にこのアルバムは決して冗長には感じません。
インパクトが大きい曲がない割には、これができるのも芸でしょうね。

僕はR.E.M.のアルバムは買った時のことを覚えています。
このアルバムは、書店員だった頃に休みの日に新宿の
タワーレコードに行って買いました。
リリースがそろそろだと聞いていたのでそろそろないかと思い、
秋葉原から総武線に乗って行ったのですが、不思議というか、
その前後のことはまったく覚えていません。

さて、R.E.M.を記事にしたことで、少しは立ち直れるかな(笑)
本日は、個人的な精神的リハビリ記事におつきあいいただき
ありがとうございます。

お礼とお詫びのしるしに、犬たちをもう1枚で今日は終わります。

05
NEW ADVENTURES IN HI-FI R.E.M.

こちらを先に撮ったのですが、CDを正面向きに撮り直したのが
01というわけです。

ハウとポーラ、いつも協力ありがとう。







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Posted by guitarbird at 19:54 │R.E.M.

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