酉年はトリで音楽を

guitarbird

2017年01月02日 17:54

01


毎年お正月2日恒例、干支で洋楽を語る記事です。

今年は酉年にまつわるものを集めてみました。

なお、昨年までの記事は以下のリンクからどうぞ。
2016年「申年」の記事
2015年「未年」の記事
2014年「午年」の記事
2013年「巳年」の記事
2012年「辰年」の記事
2011年「卯年」の記事
2010年「寅年」の記事

ついでといってはなんですが、十二支から外れた猫のリンクも。
猫とネコ科で音楽をの記事

鳥は当然のごとくあまりにも多くてキリがないので、
曲名編と歌詞編それぞれ数点、ジャケット編10点ほどの
厳選で臨みたいと思います。

参考までに、これまでの関連記事のリンクです。

Birds(の単語が曲名に入った曲)の記事はこちら
鳥の名前の曲たちの記事はこちら



曲名編

先ずは特定の鳥の名前ではない4曲から。

☆1曲目


Free As A Bird
The Beatles
(1995)

何事も先ずはビートルズからということでこれを選びましたが、
ジョン・レノンのデモに他の3人が演奏をつけた曲であって、
へそ曲がりの僕はいまだに1/3くらいはビートルズの曲とは
認めたくないものがあったりします・・・(笑)・・・
でも、映像にあるジョンが描いたシングルジャケットのイラストは
面白くていいですね。

なお、ビートルズで曲名に鳥が出てくるのは以下の3曲。

Norwegian Wood (This Birds Has Flown)
And Your Bird Can Sing
Blackbird

うちBlackbirdはヒタキ科のツグミの仲間クロウタドリの英名で、
つまりは種名ということになります、ただの黒い鳥ではなく。
真ん中の曲については今年最初の213曲の記事として
上げる予定ですので、もうしばらくお待ちください。

また、Blue Jay Wayの"blue jay"は北米大陸に生息する
アオカケスのことですが(トロント・ブルージェイズのあれ)、
この曲では特に鳥のことを指しているとは思えないので、
ここでさらっと触れておくだけにします(の割に長いけど)。



☆2曲目


Bird On A Wire
The Neville Brothers
(1990)

メル・ギブソンとゴールディ・ホーンが共演した映画
『バード・オン・ワイヤー』の主題歌として
ネヴィル・ブラザースが録音した曲で、
昨年亡くなられたレナード・コーエンがオリジナル。
大学時代、J-WAVEでこの曲を聴いてCDを買ったのが
僕とネヴィルズの出会いとなった思い入れ深い曲です。



☆3曲目


Freebird
Lynyrd Skynyrd
(1973)

ロックで"bird"の曲といえばレイナード・スキナードのこれが
真っ先に思い浮かぶ人も多いでしょうね。
歌もいいけどギターの演奏がスリリングでたまらない。
この映像もロックの歴史もののテレビで観た記憶があり、
アメリカにはすごい音楽があるんだなあと思ったものです。



☆4曲目


Birds
Neil Young
(1970)

ニール・ヤングの名盤AFTER THE GOLD RUSHからの曲。
これがね、ほんと、泣けてくるんですよ。
聴いていても泣けるけれど、自分で口ずさむと、もっと。
そう遠くないうちに独立した記事で上げたいので、
今回はそれだけ短く書いて進みます。


続いて鳥の種名(総称)が曲名に入っているもの。

なお、ここは種の分類系統順に並べています。

☆5曲目


Swan Swan H
R.E.M.
(1986)

※swan=カモ目カモ科ハクチョウ類の総称

R.E.M.のこの曲、よく聴くと
"Swan swan, hummingbird"と歌っています。
つまり"swan"の他にもうひとつ鳥が出てきますが、
"hummingbird"はアマツバメ目ハチドリ科ハチドリ類の総称。
つまり曲名の"H"は"hummingbird"だったんですね。
ではなぜこの2種かといえば、
空を飛ぶことが出来る一般的な鳥類で
最も体重が重いハクチョウと最も軽いハチドリを
対比させているのでしょう。

なお、R.E.M.にはもうひとつ
Disturbance At The Heron House
という曲があって、"heron"は大型サギ類の総称ですが、
アメリカ南部に"Heron House"という有名な何かがあるそうな。



☆6曲目


Single Pigeon
Paul McCartney & Wings
(1973)

※pigeon=ハト目ハト科ハト類の総称

アルバムRED ROSE SPEEDWAYの中の小品。
でも僕は大好き、ぜひ取り上げたかった。
小品でありながら特にホーンに凝ったアレンジはさすが。
でもこの鳩は小さな幸せが逃げてしまったようでなんだか寂しそう。

なお、ポール・マッカートニーは鳥が大好きなようで、他に
Bluebird、Morse Moose & Grey Goose、Jenny Wren
といった鳥の名前が入った曲を書いています。
ちなみにGooseはガチョウ(ガン)でGrey Gooseだとハイイロガン
Wrenはミソサザイです。



☆7曲目


When Doves Cry
Prince & The Revolution
(1984)

※dove=ハト目ハト科ハト類の総称

昨年急逝したプリンス(いまだ信じられないのですが・・・)
彼の最初のNo.1ヒット曲ですが、亡くなった後のネットなどでは
この曲が語られることはほとんどなかったような・・・
そうですよね、「プリンスらしい」ちょっと恐い曲ですからね。
でも僕はこれを聴いて翌日タワレコにLP買いに走った、
リアルタイムで経験した中でも最も思い入れが強い曲。
というようなことを昨年記事(こちら)に書きました。

ところで、日本語でハトで表される鳥が英語では
"pigeon""dove"と2つの単語があります。
これ、何か違いがあるのかといろいろ調べたのですが、
どうらやら「こうだからこう」という決まりはない模様。
例えば、日本でおなじみの身近なハトの仲間のうち
キジバトはOriental Turtle Dove
アオバトはJapanese Green Pigeon
と、ハトに充てられる単語が違います。
余談が長くなりそうなので今回はこの辺で。



☆8曲目


Albatross
Fleetwood Mac
(1968)

※albatross=ミズナギドリ目アホウドリ科アホウドリ類の総称

フリートウッド・マックのこれはインストゥルメンタル曲ですが
シングル発売され英国ではヒットを記録しました。
映像ではピーター・グリーンがギターを弾いていますが、
なんだか風呂上りみたいな緩い雰囲気がいいですね。
なお、これは後でもう一度出てきますので、その時にまた。



☆9曲目


Seagull
Bad Company
(1975)

※seagull=チドリ目カモメ科カモメ類の総称

バッド・カンパニーのアコースティックな名曲。
海辺でひとり佇み、周りにカモメが舞っている、
そんなのどかな光景が想像できますね。
決してヒッチコックみたいのではない・・・
(そういえばHitchcockの中にニワトリ"cock”がいる・・・)



☆10曲目


El Condor Pasa(If I Could)
Simon & Garfunkel

※condor=タカ目コンドル科の仲間の総称

サイモン&ガーファンクルのこれはあまりにも有名ですね。
ここは割と近年のライヴ映像でお送りします。
(ポール・サイモンの頭が気になりますが・・・)



☆11曲目


Fly Like An Eagle
Steve Miller Band
(1976)

※eagle=タカ目タカ科ワシ類の総称

スティーヴ・ミラー・バンドの名曲中の超名曲。
この中ではニール・ヤングと並んでいちばん好きだなあ。
鷲のように空を飛ぶためには勇気も必要と説いている、
というのは僕の解釈ですが、どこかほの暗いものがあるのは
飛び立つことの不安なのかもしれない。

eagle=鷲は結構曲名に出てきますね。
サミー・ヘイガー When The Eagles Fly
アイアン・メイデン Where Eagles Dare
ハロウィン Eagles Fly Free
アバ Eagle
などなど、ハードロック系が多いですが。




☆12曲目

(欠番)



☆13曲目


Rockin' Robin
Jackson 5
(1972)

※robin=スズメ目ヒタキ科旧ツグミ科コマドリ類の総称

ジャクソン5のこれ、最初の♪でぃりりりり でぃりりりりっ
というのはロビンの鳴き真似なのかなあと。
ちなみに日本にいるコマドリとは別の種です。





☆15曲目


Canary In The Coalmine
The Police
(1980)

※canary=スズメ目アトリ科カナリア類の総称

ポリスのこれ、炭鉱にカナリアの入った籠を持って行き
鳴かなくなったら空気が淀んでいて危ないことが分かるというもの。
つまりは危険を察知する何かの比喩ということでしょう。
ところで、カナリアってアトリ科であることを、
リンク先のオリジナルの記事を書いた時に知りました。
外国の飼い鳥まではなかなか手が回らない・・・(笑)。


なお、ジョン・レノンのCold Turkeyについて、
"turkey"は「七面鳥」という意味もありますが、
そもそも「トルコの」という意味であって鳥ではないし、
この曲は七面鳥とはひとまず関係ないので除外しました。
"cold turkey"とは薬の助けを借りずに薬を断つことだそうでして。



歌詞編

もう既に長いので2曲だけ

☆16曲目


Til There Was You
The Beatles
(1963)

ビートルズの曲として有名ですがアニタ・ブライアントが元曲。
歌詞にこんなくだりがあります。

There were birds in the sky, but I never saw them winging.

この曲はビートルズのカヴァーの中でいちばん好きかも。
ポール・マッカートニーらしいですよね。



☆17曲目


Close To You
Carpenters
(1970)

カーペンターズのあまりにも有名なこの曲の歌い出しはこうです。

Why do birds suddenly appear every time you are near

鳥を呼んでしまう人なんですね。
なんていうとおちゃらけみたいですね、反省。
それだけ魅力がある人という喩えでしょう。

なおカーペンターズはTop Of The Worldの歌詞にも
"birds"が出てきます。


02


ここで中休み、毎年買っている「干支鈴」。



では後半いきます。


ジャケット編

鳥のCDジャケット写真集については2009年に
記事としてまとめましたので、ご興味のある方はこちらをどうぞ。

今回は、それ以降にリリースされたもの、買ったもの、
そしてその記事からの厳選10アーティスト11枚を集めました。

◎1枚目


BACHELOR NO.2 or the last remains of the dodo
Aimee Mann 
(1999)

エイミー・マンの愛聴盤、愛鳥ではなくて(笑)。
ジャケットに描かれているのは絶滅したドードー。
「不思議の国のアリス」には架空の鳥として出てきますが、
実はそれが書かれた時既に絶滅していた実在の鳥。
ハト目ドードー科で今は科自体が存在していません。
アルバムの副題は「最後に残ったドードー」となっていますが、
独身貴族に対する皮肉と受け取れますね。



◎2枚目


CHRISTOPHER CROSS
Christopher Cross
(1979)

クリストファー・クロスのグラミーを総なめしたデビュー作。
ジャケットに描かれているのはフラミンゴの1種。
彼は外見に自信がなかったそうですね。



◎3枚目


ON THE BORDER
Eagles
(1974)

イーグルスといいつつジャケットに鷲がいるのはこの3枚目だけ。
しかしですね、僕にはこれ、鷲ではなく鷹にしか見えない。
顔の目にかかる黒い線と尾羽の黒い横縞、これはオオタカだ。
つまりイーグルスはこの時点でまだ「鷲」になり切れていなかった
なんて裏読みしてしまいたくなりますね(笑)。



☆4枚目


EMERSON, LAKE & PALMER
Emerson, Lake & Palmer
(1970)

昨年3人のうち2人が亡くなってしまったELP。
彼らのデビュー作のジャケット、これ、ハトですよね。
僕はずっとそうだと思っていたのですが、元記事を書く際に、
よく見ると顔が見えないので違うかもしれない、と。
いや、うん、やっぱりハトだと思うな、これ。
アートワークとして素晴らしいですよね。



☆5枚目


THE PIOUS BIRD OF GOOD OMEN 
Fleetwood Mac
(1969)

フリートウッド・マックのピーター・グリーン在籍時の編集盤。
尼僧のようなこの女性、手にはなんとアホウドリを持っている。
こんなことして爪で肌が傷ついたり出血しないかと心配で・・・
それにしてもアホウドリは大きい。
ちなみに日本では「阿呆」などという名前が付けられていますが、
欧米で"albatross"は「英知の象徴」なのだそうです。



☆6枚目


EMOTION & COMMOTION
Jeff Beck
(2010)

上記リンクの記事の後に出たジェフ・ベックのこのアルバム。
ハクトウワシがギターを抱えて飛んでいますが、ううん、
夢のない話をすると少々重くて飛べないのではと・・・
それはともかく、ハクトウワシ Bald Eagleはアメリカの国鳥。
ジェフは英国人ですが・・・なんてこと言いっこなしで。



◎7枚目


ZUMA 
Neil Young 
(1975)

ニール・ヤングのこれはネイティヴアメリカンの昔話を
モチーフにしているのでしょうか。
女性を掴んで飛ぼうとしているのはコンドルと思われますが、
こんなおじさん街中に普通にいそうでちょっと面白い。



◎8枚目


FLY BY NIGHT 
Rush 
(1975)

ラッシュ2枚目のこのジャケットにいるのはシロフクロウか。
それにしては体に黒い縞がないのが気になりますが、
これはLP探して家に飾りたい1枚ですね。



◎9枚目


BELLA DONNA 
Stevie Nicks 
(1981)

スティーヴィー・ニックスのソロデビュー作。
手にはなぜかオウム、正確にはキバタンと思われる鳥が
とまっていますが、妖艶で怪しい雰囲気の中、
どこかユーモアがありますね。
彼女はどちらかというとユーモアを自分では発しないタイプ
のように見えますが、だから余計に面白い。



◎10枚目


AVALON SUNSET 
Van Morrison 
(1989)

ヴァン・モリソン、Have I Told You Lately収録の中期の名盤。
ジャケットに写るはコブハクチョウ。
日本でも皇居の御堀を始め全国で飼育され一部野生化している
おなじみの鳥ですが、ヨーロッパには野生分布しています。
優雅な雰囲気ですね。



◎11枚目


KEEP ME SINGING
Van Morrison
(2016)

最後ヴァン・モリソンからもう1枚、昨年の新譜。
この鳥、歌っているのでスズメ目に違いないですが、
家にある英国の野鳥図鑑やオーデュボンの鳥の図集を見ても、
これに該当する鳥が見つかりませんでした。
色、頭や嘴の形、羽の模様など、いろいろな科の鳥の特徴が
混じっているので、架空の鳥かもしれないですね。
それこそヴァン・モリソンという歌わずにはいられない鳥、か。

03


酉年鳥撮り初めはゴジュウカラ。


今年は酉年だから、曲を聴きながら鳥が出てくると
より敏感に反応しそうです。

今年も音楽ネタよろしくお願いします。





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