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2014年09月15日

PET SOUNDS ザ・ビーチ・ボーイズ

いつものように
写真へのコメントも
大歓迎です!


今日は、土曜に海辺に行ったからというのでもなく、
ましてや別に夏だ(った)からというのでもないけど、
最近、僕がよく聴いているアルバム。

でも、せっかくだから、
石狩市「はまなすの丘公園」で撮った写真を使います(笑)。

01 これは家の庭で撮りましたが・・・
PET SOUNDS ザ・ビーチ・ボーイズ

PET SOUNDS The Beach Boys released in 1966
ペット・サウンズ ザ・ビーチ・ボーイズ

僕の手元に、1冊の雑誌があります。
レコード・コレクターズ 2007年5月号
この号は、創刊25周年を記念し、
60年代ロック・アルバム・ベスト100
という特集が組まれていますが、
栄えある第1位に選ばれているのがこの
PET SOUNDS ザ・ビーチ・ボーイズです。

僕のような単純なビートルズバカは、
SGT.PEPPER'Sが1位じゃないの? 
RUBBER SOUL、ABBEY ROAD、REVOLVERは?
また、そうじゃなくても、他にもあるっしょ、
キング・クリムゾンの「宮殿」とか、ディランの61とか・・・!? 
と思いたくもなりましたが(笑)、
評論家とはやはりいろいろなところを聴いているんだなぁ、と。
もしくは、ビートルズを1位にはしたくないのかも・・・
それはともかく、ここでは(いつもですが)、
評論家や雑誌がどうしたという話ではないので、先に進みます。

僕は正直、このアルバム、ちょっと前までは、
特に好きでもありませんでした。

このアルバム自体は20代の頃から聴いてきていますが、
「普通の」ビーチ・ボーイズの良いアルバムで、まあ聴けるし、
時々ちょっと聴いてみるか、という程度でした。
もちろん、たまには純粋に聴いてみたくなることもありましたが、
多くは、このアルバムがどうしてそれだけ評価が高いのか、
それを分かりたかった
、というきっかけで聴きました。
だから、純粋に音楽に対峙していたわけではないと言えます。
事実、この雑誌が出た頃にもそう思って少し聴きましたが、
でも、やはり、前と印象はあまり変わりませんでした。

しかし、先日、ちょっとしたことがきっかけで
このアルバムを真面目に聴くようになり、そしてついに、
心からほんとにいいアルバムだ、と思えるようになりました。
そのきっかけが、これ、



遠征中に読む本を探すのに、斜里の書店に入ったところ
この本を見つけ、ほとんど衝動買いしそうになりました。
がしかし、結局、買いませんでした。
なぜか。
ひとつは、
本を読むほどにこのアルバムが好きなわけでもないのに、
本を読むのはおこがましいというか、申し訳なかったこと。
もうひとつは、
自分でこのアルバムが良いと思える前に本を読んでしまうと、
そこに書かれている通りにしか聴こえなくなる可能性があること。

しかし、音楽とひとまず離れた「本好き人間」としての部分でも、
この本は魅力的に映ったので、とりあえず少し立ち読みしました。
僕は、本屋で立ち読みするのは3分が限度という人間ですが、
そんな僕が15分くらい読んでいたのは、珍しいことです(笑)。
(暑さ負けで外では何もする気がなかっただけかも、ですが)。

もちろん、その本を立ち読みする前から、
ある程度の予備知識はあったのですが、
ひとまずその本で分かったこととして書き出すと、
このアルバムは、ポップアルバムでは初めて
ひとりの人間の心情を吐露したものであること、

そのブライアン・ウィルソンは、内向的で、気難しくて、
他のメンバーがツアーに出ている間もスタジオにこもって
黙々と音楽を作り続ける求道的な人であること、
また、ポップアルバムの曲にこれだけ個人の思いを
反映させられることができるという部分が画期的だった

などという記述に行き当たりました。

その本がきっかけとなり、
遠征から帰って早速、このアルバムを聴き始めました。
遠征中は、うちにCDがあるにもかかわらず、
買ってしまおうかと思ったくらいに待ち遠しかったです(笑)。

02 山のような雲が海の向こうに
PET SOUNDS ザ・ビーチ・ボーイズ

その前に、ビーチ・ボーイズは記事にするのは初めてなので、
このアルバムに限らず、思うところを少し。

僕が若い頃は、彼らの音楽を
サーフィン、女の子、車、ハンバーガーにコーラと、
「陽気なアメリカ大量消費文化の象徴」と受け止めていました。
外面的には、それは間違いではないと思います。
例えば映画「アメリカン・グラフィティ」に見られるような
1950年代の古き良きアメリカへのノスタルジックな想いを、
1960年代に早くも音楽として完成させ、さらには、
1960年代から先には進んでいない音、という感じ。

しかし、30歳を過ぎて、まずはベスト盤が愛聴盤になり、
アルバムも聴くようになって、音楽的な面でのさること、
具体的に、彼らの音楽は「教会音楽を基調とした音」
であることに気づき、少し、いや、かなり見方が変わりました。
「賛美歌とロックンロールの華麗なる融合」
あの独特の美しいハーモニー、コーラスワークは、
きっと、取ってつけたような情報や知識ではなく、
小さい頃からそういう音楽に慣れ親しんできていたからこそ
自分たちで具現化出来たんだろうな、ということ。
そして、そういう下地があるからこそ、ちょっと間違うと
ただのお気楽で能天気な音楽になりそうなところを、
しっかりとした「信条」が下支えしていて、良心的であり、
気持ちよく響いてくるのではないかな、と。

このアルバムに戻って、これだけの作品を記事にするのは、
やっぱり、心構えが必要でした。
ビートルズのようによく知っているのであれば、
それこそ自分が思った通りに書けるのですが、
ロック史でも1位かもしれないというこのアルバムの場合、
それをする勇気がありませんでした。

しかし、僕は評論家じゃないし、これは個人のBLOGだし、
だから結局、いつものように感じたことを書くことにしました。
そして、土曜に、海辺に行ったことがきっかけとなったのか、
帰ってから一気に記事を書き上げる作業をしました。

03 海辺の花といえば・・・時期遅れのハマナスの花
PET SOUNDS ザ・ビーチ・ボーイズ


Tr1:Wouldn't It Be Nice
これは彼らの代表曲のひとつで、ベスト盤にも必ず入る曲。
さすがにこれは昔からよく聴いてきていました。
いかにも彼ららしい爽やかな曲。
ポップアルバムである以上、一般受けする曲はやはり必要・・・
と考えるのは、うがちすぎかも(笑)。


Tr2:You Still Believe In Me
この曲は、今回、ぐっと大好きになりました。
絞り出すような切なげなヴォーカルに乗った旋律は、
彼らのルーツのひとつが賛美歌であるのがよく分かります。
美しいコーラスワークは彼らの専売特許。


Tr3:That's Not Me
イントロなしに焦ったように歌い始める。
ほとんど同じように感じる部分を繰り返し、
どう展開するのか待っているうちにいつの間にか終わった・・・
みたいな、ちょっと人を喰った感じの曲。


Tr4:Don't Talk (Put Your Head On My Shoulder)
これはもろ賛美歌の雰囲気。
突然ヴォーカルで始まり、なんとなく終わる。
タイトルの如く、こちら側のつけ入る隙を作らせないくらいに。
ファルセットで歌われる美しい曲。


Tr5:I'm Waiting For The Day
狂おしくも勇ましい打楽器群で派手に始まる、煽るような曲。
最後、虚しく終わるかな、と思わせておいて、
勇ましい打楽器が再び起こるさまはまるで、
自分で自分を元気づけているような感じ。


Tr6:Let's Go Away For Awhile
インストゥルメンタル曲。
デニス・ウィルソン(多分)のティンパニーが壮大な感じを醸し出し、
何も考えないで聴けば、大きな波に挑む直前の一時の平静、
という感じに聴こえてきます。


Tr7:Sloop John B
Tr1と並び、いかにもヒットメイカーらしいポップな曲で、
実際にシングルカットされ、Top10ヒットとなっています。
こうした曲を聴くと、ヴォーカルをとる人が多いということは、
バンドにとって最大の武器であることを実感します。
コーラスワークも最高!
口ずさみやすい歌メロの、素晴らしい曲。
ちなみに、sloopって何かと調べると、
「1本マストの帆船」という意味でした。


04 海辺の鳥といえば・・・ウミネコ
PET SOUNDS ザ・ビーチ・ボーイズ


Tr8:God Only Knows
彼らの代表曲のひとつ。
僕がこの曲を知ったのは、デヴィッド・ボウイが、
僕が高校時代にLPを買ったアルバムTONIGHT
カバーしていたのを聴いてです。
ボウイのヴァージョンは、大仰な、もろ賛美歌風になっていますが、
僕はそれが結構好きだったので、後年、大学に入ってから、
このオリジナルを聴いて、ずいぶんと軽い雰囲気だなぁと。
しかし今では逆に、ボウイはやり過ぎ、と思いますね(笑)。
年齢によって音楽の趣向が変わるのはほんとだと思います。
軽いと書きましたが、そこに幾重にも織り込まれた感情を、
今の僕なら、ある程度は解きほぐして聴くことができます。
淡々としているだけ余計に、じわじわと効いてくる感じ。
たたみかけるような最後のヴォーカルの美しさといったら!
なお、後述する、このアルバムのブックレットにある、
ブライアン・ウィルソンのコメントによれば、この曲は、
ポップソングで初めてGodという言葉を使った曲であるらしいです。
そして何よりこの曲、そしてこれに限らず、
カール・ウィルソンのファルセット・ヴォイス、最高ですね。
もう、ロック界で最高のファルセットと言ってしまいたい。
もし、彼の透明感あふれるこの声がなければ、
彼らの音楽も随分と違ったものになっていたでしょう。


Tr9:I Know There's An Answer
このアルバムには幾つかのCDのバージョンがあって、
僕がここでリンクを紹介しているものは、
発売当初のオリジナル・モノーラル盤と、
後に出たステレオ・リミックスが収録され、つまり、
アルバムがまるまる2回聴けることになります。
ただ、1曲だけボーナストラックとして、
Tr14:Hang On To Your Ego
という曲が収録されています。
しかしよく聴くとその曲は、この曲の歌詞が違うだけです。
ブライアンは、Tr14の最初の歌詞が気に入らないか何かで、
歌詞を書き換えて、ヴォーカルトラックだけを録り直したのが、
この曲、ということのようです。
そう言われれば、エゴよりもこっちのほうがいいですね。
結構な盛り上がりを見せる、彼ららしい明るい曲。
なお、このアルバムは、
トニー・アッシャーなる人物が主に歌詞を書いています。


Tr10:Here Today
ドラマティックな流れの曲。
この曲は、マイク・ラヴのちょっとキザっぽい歌い方が
上手くフィットしていると思います。
ベースでヴェンチャーズの「テケテケ」を演奏するのが面白い!


Tr11:I Just Wasn't Made For These Times
なにか、ちょっとしたことだけど大事なことを、
それこそ大事に大事に扱うような雰囲気。
このアルバムは、フェイドアウトが多く、
しかも長く引っ張らないでさらっと終わる曲が多いのが、
独特の統一感を持たせているように感じます。


Tr12:Pet Sounds
タイトル曲はインストゥルメンタル。
サントラでもない、売れなければいけない「ポップアルバム」で、
インスト2曲というのは、当時としては挑戦だったんじゃないか、
と、ふと思いました。
ところで、「ペットのサウンドってなんぞや?」
と思ったのですが、なんてことない、
petとは「お気に入りの」という意味もあるのでした・・・(笑)。


Tr13:Caroline No
僕はこの曲が、このアルバムではいちばん好きですね。
Tr2とまあ同じような傾向の、賛美歌の影響があるバラード。
きわめて美しく、その秘めたる思いに胸を締め付けられるような、
気分によっては涙が出るくらいの感動的な曲。
Tr2とTr13の良さが分かって、僕はようやく、
このアルバムが大好きだと人前で言えるようになった気がします。
この曲の透明感あふれるサウンドには、切なさを強く感じます。
しかも、このままアルバムが終わってしまうなんて・・・
CDのブックレットのブライアンのコメントで、彼自身は
このアルバムではこの曲がいちばん好きだ、とも語っています。



先にも少し触れた、このCDのブックレットにある
ブライアン・ウィルソン本人のコメントの一部、
大変興味深い部分を紹介します。
(日本語訳は引用者)

1965年12月に、僕は、
ザ・ビートルズのアルバムRUBBER SOULを聞きました。
僕はそれで、ものすごく創作意欲をかきたてられました。
曲のすべての部分がとても芸術的であり、
興味深くもあり、また刺激的でありました。
僕はすぐに「ペット・サウンズ」の仕事にとりかかりました。


これはその冒頭部分ですが、この後をかいつまんで紹介すると、
ブライアンはいかに自分の心や魂を歌を通して伝えたらいいか、
いろいろ試した末に出来上がったものが自分は大好きであり、
他のメンバーもいい仕事をしていると感じる、などと語っています。

ひとまず音的な面だけをいうと、何も考えずに聴けば、
さらっとした感触の湿り気がない聴きやすい音に聴こえ、
特に夏のドライブにはかなりいい感じです。
実際に僕も、8月の遠征でずっと聴いていましたし。

ただ、じっくり聴くと、さらっとした感触の先に、
そう表現することしか出来ないもどかしさ、
みないなものも見えてきました。

そして、それに気がついた時に初めて、
ザ・ビーチ・ボーイズという、当時既に完成していた
「ポピュラー音楽のひとつのスタイル」を変えることなく、
個人の感情を表現し得た、その部分の素晴らしさ
が、
分かったような気がしました。
要するに、音はビーチ・ボーイズらしいけど、何かが違う・・・

ただし、まだ、分かったような「気がした」という段階であって、
ほんとうにブライアンが何を表現したかったかと聞かれると、
ブライアンのことは、ポール・マッカートニーの1/1000も知らないし、
歌詞もつぶさに読んではいないので、正直、分かりません。
ただ、ブライアンの「気持ち」は伝わってきましたし、ゆえに、
なぜ評価が高いかは、やはり、分かってきた「気がします」。
これからさらに聴き続けてゆくと、
また違った何かが見えてくることでしょう。

ひとまず今、はっきりと言えるのは、
このアルバムがほんとに素晴らしいと感じるようになった
死ぬまで聴き続けられるアルバムであると感じた、そして
音楽はやはりいいと思える年齢や時期がある
ということです。

なお、ビートルズRUBBER SOULの記事はこちらへどうぞ。

05 今はもう使われていない灯台
PET SOUNDS ザ・ビーチ・ボーイズ

最後ですが、
レコードコレクターズが選ぶ1960年代Top10アルバムが
気になるかたもおられるかと思うので、ここに列記します。

1st:PET SOUNDS / The Beach Boys
2nd:HIGHWAY 61 REVISITED / Bob Dylan
3rd:MUSIC FROM BIG PINK / The Band
4th:LET IT BLEED / The Rolling Stones
5th:IN THE COURT OF THE CRIMSON KING
/ King Crimson
6th:LED ZEPPELIN (I) / Led Zeppelin
7th:SGT.PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND
/ The Beatles
8th:REVOLVER / The Beatles
9th:BEGGARS BANQUET / The Rolling Stones
10th:ELECTRIC LADYLAND / Jimi Hendrix

今回、1stが大好きになったので、これで、
大好きとは言えないアルバムは、
3rdだけだ・・・(笑)。



そしてもうひとつ付記。

ブライアン・ウィルソンは、ソロアルバムが出たばかり。

こちら、僕ももちろん購入しますが、
聴いていって記事に出来そうであれば、
記事にしたいと思っております。









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Posted by guitarbird at 21:29 │ロックA-B

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