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2013年01月09日

COME AWAY WITH ME ノラ・ジョーンズ

01
COME AWAY WITH ME ノラ・ジョーンズ

COME AWAY WITH ME Norah Jones
カム・アウェイ・ウィズ・ミー ノラ・ジョーンズ
 (2002)

先ずはおことわり。
これはコンサートの記事ではありません、
悪しからずご了承ください。

ノラ・ジョーンズが今、日本公演を行っています。
今朝の「めざましテレビ」では昨日の武道館公演の様子が
紹介されていましたが、1万人来たということで、
あらためて日本では人気があることが分かりました。

ノラ・ジョーンズは今回は札幌にも来てくれるんですよね。
いよいよ来週、コンサートがほんとに楽しみ。

そこで今夜は、コンサートへの期待も込めて、
ノラ・ジョーンズのデビューアルバムの話をします。

1990年代に入り、音楽の趣味が多様化する中で、
歌に力を入れたヴォーカルものが注目されるようになりました。
それまでは普通のロックと思われていた人ですら歌が注目されたり。
「歌姫」という言葉が普通に使われるようになったのも90年代。
ただし当時は、ロックなりソウルなりカントリーなりジャズなりといった
音楽ジャンルの中の歌を強化したひとつのカテゴリという感じでした。

しかし、今世紀に入ってデビューしたノラ・ジョーンズは、
1作目のいきなりの大成功により、
「歌もの」という新しい「ジャンル」を確立させました。

彼女が先駆者というわけではなく、1990年代は僕も
MTVを見たりJ-WAVEを聴いていて、今のノラ・ジョーンズのような
音楽があったことは分かっていましたが、扱いとしてはだいたいが
「ジャズヴォーカル」の範囲内であったように思います。
ナタリー・コールのUNFORGETTABLEもその例で、これは売れて
グラミー賞も取ったのですが、でも孤高の存在というか、
キャリアが長くてほんとうに上手い彼女だからこそできた、
敷居の高さみたいなものは感じていました。
これは「ジャズヴォーカル」ものには概ね当てはまり、それらは、
当時の(音楽の幅が狭い)僕からすれば異様に評価が高くて、
敷居の高さが大ヒットにはつながらない部分でした。
ただ、当時はまだジャンルで分けないと、メディアでは
取り上げられにくかったのかもしれないけれど。

ノラ・ジョーンズはそこにポップなセンスを大量に注ぎ込んで、
肩肘張らずに普通に聴ける「歌もの」を展開し始めました。

ポピュラー音楽の歴史は「すき間」を狙い成長し拡大していった
ものであり、ノラ・ジョーンズもこの点では当てはまるでしょう。
でも、ノラ・ジョーンズの「すき間」は、業界人も一般人も
誰もが思ってもみなかったほど大きかった。
そのことは、次々と「歌もの」の新しい人が出てきて成功し
ジャンルとして定着したことから分かります。
そうですよね、ポピュラー音楽はあくまでも歌が基本だから。
「歌もの」が求められる中で出てきたノラ・ジョーンズは、
いわば、時代の申し子であり、音楽と時代の奇妙な符号、
その中で出てきた時代を象徴するスターといえます。
また、90年代以降はジャズそのものも敷居が以前ほどは
高くなくなったことも追い風になったのではないかと。

僕の中では、ノラ・ジョーンズはキャロル・キングの後継者というか
系譜のひとりという感じですが(もちろんいい意味で敬意を表して)、
そのキャロルは1980年代以降は売れなくなりました。
しかしCDの時代になりTAPESTRYを聴く人がまた増えて見直され、
それもまた「歌もの」が注目された流れの中のひとつでしょう。
ノラが売れたこととキャロルの復権はきっと無関係ではないはず。

ノラ・ジョーンズのこのアルバムは全米で1000万枚以上を売りました。
先日、アデルの21が1000万枚を超えたそうですが、それは、
このノラ・ジョーンズ以来、9年振りでいいのかな、のこと。
昔はもっとあった、やっぱり音楽ソフトは売れなくなっているんだな。
それはともかく、この2枚で比べてみて思ったことは、
10年前はテロや戦争などで世の中が殺伐とした中で、
穏やかで優しい響きのものが求められていた一方で、
今は先行きが不透明な世の中で人々も自信を失いつつある中で、
強くてしっかりした音が求められているのかな、と。
まあ、たった2つの事例でそこまでは言い切れないでしょうけど、
アデルの成功も、音楽の形態は少し(かなり)違いますが、
ノラ・ジョーンズが切り開いた先にあるものなのでしょう。
どんな音楽が好きと聞かれて、「歌もの」と答える人もいるくらい、
「歌もの」は今ではすっかり定着し認識されていますから。

02 秋限定、パールモンドールのイタリアンモンブラン
COME AWAY WITH ME ノラ・ジョーンズ

ノラ・ジョーンズの音楽自体は、確かにジャズっぽい雰囲気で、
タワーレコードでもジャズのコーナーにも棚があるくらい。
ブルーノートから出ていることが直接の理由でしょうけど、でも、
じゃあ、ジャズかといわれると、やっぱり微妙に違う。
ピーター・バラカンさんの「魂(ソウル)のゆくえ」でも、
ソウルを感じるアーティストとして取り上げられているように、
やはりジャンルではくくれない魅力があります。
まあ、ジャズだって曲はR&Bですからね。
小さい頃からいろんな音楽を聴いて育った彼女のことだから、
彼女の音楽には、頭で考えるというよりは、感覚が体を通して
自然と表現された、きわめてナチュラルな響きを感じます。
とどのつまり、いい音楽にジャンルは関係ないということでしょう。

ノラ・ジョーンズは声も、声こそが大きな魅力、魔力といっていい。
ハスキーヴォイスを通り越して「スモーキーヴォイス」などとも
言われているそうですが、正直、僕は、今まで聴いてきた
女性ヴォーカリストの中ではいちばん声が好きな人です。
なんてお上品に言ってみたけど、要は彼女の声にメロメロ(笑)。
その上彼女は歌もうまいし(うまいと思う、そういわれているようだし)、
「歌もの」を切り開いたのはその音楽や曲であるのはもちろん、
その声も大きな要素でしょう。
演奏はある程度は作ることはできても、声を作ることはできないから、
やっぱり音楽の世界は声という基本も再認識させてくれます。

ところが僕は、このアルバムは、グラミー賞で
年間最優秀アルバムAlbum of The Yearを受賞してから、
限定盤が出たところで初めて買いました。
知らなかったわけではないのですが、2002年頃は既にMTVを
見なくなった上に、クラシックを熱心に聴いていた頃でもあり、
ネットのニュースくらいしか情報に接していなかったのです。
あとはめざましテレビとタワレコの無料情報紙もあったけど。
買うには買ったのですが、まともに聴き込むことなく時は過ぎ、
実は、来日が決まってから漸く真面目に聴き始めました。
「最近買った旧譜CD10月号」にもあったのはそのため。
2枚目以降はリアルタイムで買って聴いてきていたのですが、
なぜか1枚目に戻ることなく進んできたツケが回ってきました。

でも、それは、あまりに売れたものだから構えていたのかな。
良くなかったらどうしようとすら思いましたが、実際に聴くと
それはまったくバカげたこと、純粋にとっても素晴らしい。
僕は、普通に聴ける「歌もの」と書きましたが、実は僕こそが
そうした音楽に対して過剰に意識していたようです。

そんなわけで僕にとっては新しい音でもあるんだけど、
やっぱり、10年前を通り越して、もっと前から普通にある音楽
とすら感じる、スタンダードともいえる響きが素晴らしい。

さて、聴いてゆきますか。


03 一緒に遠くへ Come Away With me
COME AWAY WITH ME ノラ・ジョーンズ

Tr1:Don't Know Why
21世紀最初の名曲。
グラミー賞最優秀歌曲賞、最優秀レコード賞受賞。
僕は最初から聴いていなかったと書きましたが、この曲を
初めてラジオやMTVで聴いた時に、どんなことを思ったかな。
その体験ができなかったのは今となっては残念ですね。
せっかくリアルタイムで経験できたというのに。
まあでも、後追いだから余計に気持ちが追いつきたいという
思いもあって、今はこんなに好きなのかもしれないけれど(笑)。
余談ですがこの曲はスモーキー・ロビンソンが歌っていたけれど、
スモーキーは"Why"を「ホワイ」と発音していました。
当たり前じゃないか、と言われそうですが、でも実際には
"wh"は普通は「ワ」で発音されるそうで、ノラも「ワイ」と言っています。
ともあれこの曲は、最初の♪ あ~ぃ と一言入るだけでもう
彼女が他のヴォーカリストとは違うことがすぐに伝わってきます。
新しいのにスタンダード、まさに名曲中の名曲。


Tr2:Seven Years
ノラ・ジョーンズの歌い方は、歌と喋りの中間的な感覚かな。
旋律は確かにあるんだけど、歌を通り越して語りかけてくる。
それは身近さにも通じていて親しみが持てるのでしょう。
歌メロも強弱があって目立つところは目立つのも曲としていい。


Tr3:Cold Cold Heart
この曲はジャズといっていいのでしょうね。
彼女にとってこの辺りがメインのフィールドだったのかな。
彼女は1979年生まれ、この時まだ22、3歳。
この落ち着きは何だ、と思うけど、そういう部分も
持って生まれた天性のものなのでしょうね。
ちなみに1979年生まれということは、僕のちょうど一回り下、
同じ未年、でもアメリカには干支はないのか(笑)。


Tr4:Feelin' The Same Way
この曲にはカントリーっぽさを感じます。
Bメロの切々と流れていく歌メロが胸にじんとしみますね。
静かなアルバムの中では動きがある曲です。
ところで彼女は、同じ歌メロの部分が出てきたところで
節を少し変えて歌うのが得意で、センスがよくて、
いつ聴いても、その変わる部分がくる度にわくわくしてきます。


Tr5:Come Away With Me
この表題曲こそが、ジャズともソウルともとれる、それでいて
中途半端ではない、完全にひとつの世界を築き上げている。
まさに彼女のナチュラルさが凝縮された曲。


Tr6:Shoot The Moon
彼女はピアノもうまいのだと思う。
ピアノは弾けないので、ここがどうとは言えないんだけど、
ギターでいうオブリガート、ピアノでもいうのか、の入れ方、
フレーズとタイミングの良さは気持ちがひきつけられます。
夜空を見上げてさらっと歌う感覚がどこまでも自然体。


Tr7:Turn Me On
ポール・マッカートニーのトリビュートコンサートにおいて
ノラ・ジョーンズはビートルズのOh! Darlingを歌いましたが、
そうか、なるほど、R&Bっぽいこの曲はつながりますね。
ポールみたいに暑苦しくない(笑)、スマートに歌いますが、
でもこの中ではいちばん力が入った歌い方をしていますね。


04 月を、撮る Shoot The Moon
COME AWAY WITH ME ノラ・ジョーンズ

Tr8:Lonestar
彼女は星を歌った曲が好きなのかな。
確かに彼女の声は、流れ落ちる星のような響き。
さぁーっと流れてぱっと輝いてすっと消えていく。
なんて、擬音ばかりの稚拙な文章表現ですが(笑)。


Tr9:I've Got To See You Again
ほの暗くて切ない、これはいかにも夜の酒場というイメージ。
スティングの「バーボン・ストリートの月」に通じる雰囲気、
つまり、ニューオーリンズ的な響きを強く感じます。


Tr10:Painter Song
途中のメロディが少し無理しているのが面白く、
だから気持ちが伝わってくる。
アコーディオンの優しい流れ、そうですね、この中では
最も芸術という言葉を意識させる響きの曲ですね。


Tr11:One Flight Down
切なさ満点のこの曲はとってもとっても胸にしみてきます。
そもそも歌メロが素晴らしい。
”Now you know, now you know"という部分の歌い方、
あまりにも切なくて、こちらの心までもが壊されてしまう。
でも、歌メロの進み方が、どこかで聴いたことがあるような、
懐かしさに通じるところもさらに気持ちが動かされます。
個人的にはいちばん好きな曲、コンサートで演奏しないかな。
それにしても、何の曲に似ているのだろう、思い出せない・・・
思い出したらBLOGのどこかで報告します(笑)。


Tr12:Nightingale
鳥好きにはたまらない(笑)。
小さな鳥の曲はなぜかアコースティックギターがよく似合う。
途中からピアノが装飾的に入ってきて全体が盛り上がるのは、
小さいながらも頑張っている渡り鳥の生き様を表しているかのよう。
"Was your journey far too long?"と囁くように歌う部分には
彼女の優しさ、自然への尊敬の念を感じずにはいられません。


Tr13:The Long Day Is Over
ゆらゆらと揺れるエレクトリックギターの音が印象的。
いろいろあった1日も終わる、その人なりの1日がある。
ワルツにのせて1日を振り返ってみる、そんな日があってもいい。


Tr14:The Nearness Of You
最後はアメリカン・スタンダード。
ピアノからこぼれる音にのって静かに切々と歌う。
ここまで聴いてきて、このアルバムは秋に似合いますね。
小春日和の昼間に森の中にいる感じかな。
だから風景写真も、今のところ最後に晴れた日である
11月5日に撮ったものを選びました。


 

それまでのポピュラー音楽の概念からいってしまえば、
このアルバムは特に盛り上がりがないまま終わる感じがします。
でもそれは僕の頭が固いだけで、小さな波を感じながら
少しずつ前に進んでいくのもまたいい、と思いを新たにしました。
実際に各曲のクオリティは高いし、自然と流れていくのがいい。

14曲あるけれど、45分しかない、その流れがまたいい。
大仰ではなく身の丈の音楽を繰り広げているのも
今の時代には合っているのかもしれません。

余談ですが、14曲というのは、ビートルズのアルバムの
3枚目を除いた1枚目から7枚目までと同じだから、
僕にとっては14曲というのは意味があり、うれしいことです。

そもそもノラ・ジョーンズは父があのラヴィ・シャンカール。
インド音楽の生ける伝説、ジョージ・ハリスンの師匠とも呼べる人。
だから、勝手な解釈を許していただけるのであれば、
ノラ・ジョーンズもビートルズ人脈と言える人であり、
だから余計に僕も気持ちが入るところなのです。
ただ、ノラ自身は、そのことは今はどう思っているのか、
もしかしてあまり触れられたくないのかもしれないけれど。

ともあれ、コンサートがますます楽しみになってきました。

最後はポーラのCD写真で、今夜はこの辺にて。

05
COME AWAY WITH ME ノラ・ジョーンズ






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Posted by guitarbird at 20:41 │ロックK-P

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