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2015年08月16日

HOT SPACE クイーン

01
HOT SPACE クイーン

HOT SPACE Queen
ホット・スペース クイーン
 (1982)

今回はやや唐突にクイーンのアルバムを。
でもよく考えると、ロンドン五輪閉会式において、クイーンという名の
ブライアン・メイとロジャー・テイラーが演奏していたので、
やっぱり狭い頭の中のどこかつながっているのでしょうね(笑)。

これは、僕が初めてリアルタイムで接したクイーンのアルバムです。
この話はもう何度目か(笑)、当時父が購読していた隔週刊誌
「FMファン」は話題の新譜のジャケットを表紙にしていましたが、
クイーンのこれもそこで見ました。
印象に残る絵、アートワークですよね。
ただ、クイーンは当時は「落ち目」だったと、洋楽聴き始めの僕は
感じていて、聴こうとは思いませんでした。
「落ち目」とは、あくまでもレコードセールス上のことですが、
その後にMTV番組を見るようになり、Bohemian Rhapsodyを知り、
リアルタイムのものにも興味が出て買うようになってからは、
そんなことを思ったことが申し訳なく思ったのです。
でも、事実としてはやっぱり、少なくとも日本では「落ち目」でした。

このアルバムをリアルタイムで聴かなかったもうひとつの大きな理由。
シングル曲であるBody Languageが中学生には過激すぎた。
エロいサウンドにエロい歌詞、僕はちょっと恥ずかしかった。
でも、10代の男子はそういうことに興味が出始める頃だから
クラスには「せっくすぃ~」とわざと区切って発音する人がいたりで、
そんな音楽を聴いていると分かったら囃し立てられそうで恐かった。
とまあ、いいんだかよくないんだか分からない、いずれにせよ
若い頃の思い出がこのアルバムにはあります(笑)。

僕が初めてこのアルバムを聴いたのは、最初に英国で
CD化された時だから1989年、22歳の頃ですね。
その頃はもう大人だし(笑)、こっぱずかしくはなかったけど、
予想通り「妙な」音楽だなと思う反面、何か面白いなと。

HOT SPACEを僕はこう思います。
「素晴らしいとは言い切れないけれど、たまらなく面白い」
当時のブラック・ミュージックの要素を大胆に採り入れたのですが、
それはAnother One Bites The Dustの大ヒットで
勢いに(調子に?)乗った、というところでしょう。
そこではまだ片鱗くらいだったものをここで本格的にやってみた。

これがまた、すっごくへたっぴなのです。
だけど、だから、そこがいい!

ロックはそもそも「黒人音楽の下手な真似」と言っていたのは
渋谷陽一でしたが、これはまさにそれを実践しています。
しかも、そんじょそこらの若者ではなく、業界でも地位を築いた
ビッグバンドのクイーンがこんなことをやるなんて、
これは暴挙ともいえる挑戦だと思います。
この挑戦こそが本物であり、ロックにおける暴挙は面白いのです。
クイーンがここで真似ているのはディスコからブラコンあたり
そしてファンクの音、もはやソウルは死にかけていた頃に、です。

僕は2008年からソウルを真面目に聴き始めましたが、
それ以前はファンクは常識程度のものしか知りませんでした。
2008年以降はりファンクも少し好んで聴くようになったり、
ジェイムス・ブラウンはもちろん、テンプテーションズ、ジャクソン5
それにコモドアーズなど、ファンク寄りと呼ばれるものから、
Pファンクもかじるだけかじった。
さらにはレニー・クラヴィッツがファンクのいい部分を継承し
自分のものとして表現していることに気づいて、漸くというか
ファンクがだいぶ身近なものと感じられるようになりました。

そうなると、このアルバムも聴こえ方が少し違ってきました。

へたっぴな白人のロック的なファンクと本物の黒人との違いは、
音と音の「間(ま)」、ということなのでしょうね。
へたっぴとはもちろん、愛情を込めた上でのレトリックであって、
ブライアン・メイもジョン・ディーコンもロジャー・テイラーも
決して下手ではないですが、「間(ま)」という黒人独特のものを
自分のものとして表現するまでには至っていないように感じます。
音符に書いていない部分、まあ音符は読まないかもしれないけれど、
音符と音符の間の「間(ま)」が、やっぱりロック的にまっすぐで、
ためがないというか、粘つきがないですね。
ジョン・レノンもパンクの前の時代にファンクに挑戦していたけれど、
もっとまっすぐなまま終わっていました。
でもクイーンはさすがは芸達者集団というか、
ジョンに比べれば本格的ではありますね。
余談ですが、クラシックのように作曲当時の録音が残っておらず、
楽譜しか現存しないものは、今の常識では考えられないような
違う「間(ま)」があったのかもしれないですね。
ともかく、ファンクというにはあまり「間(ま)」のないロックだけど、
ロックは元々がブルーズやR&Bの下手な真似だから、
ロックの原初パワーを取り戻したともいえるでしょう。
だから、もしかしてこれはパンクの間接的な影響かもしれません。

クイーン流のブルーアイドソウルということになるのかな。
こんなこともできる懐の深さ、音楽を楽しむ姿勢が評価できますが
それは大物になってヒットにとらわれなくなったことにより
可能となったのではないかとも思います。
実際これはあまりヒットせず当時は評価もよくなかったようですが、
今となってはこのようなユニーク、独創的なアルバムを
残してくれたことの意味は非常に大きいですね。
まあ、今でも評価はそれほど高くないのかもしれないけれど・・・
でも僕は大好きですね。

作曲者は曲ごとに記してゆきます。

02
HOT SPACE クイーン

Tr1:Stayin' Power
(Freddie Mercury)
はじめっからもう爆発しまくっていて、当時聴いた人は、
あららどうしちゃったんだろうって思ったのではないかな。
この曲は笑えます、いい意味で笑えます。
フレディの歌は気持ち入ってるなって伝わりまくり。
前作ですっかり大物感を出した反面、そこで失ってしまった
まさにパワーを取り戻したことの宣言であり、
アルバム1曲目としてこれほどふさわしい曲もないでしょう。
なお、ブックレットには、ホーンのアレンジは
アリフ・マーディン Arif Mardinであることが明記されています。
余談ですが、ファイターズのホフパワー選手のテーマ曲に、
ぜひこの曲を使ってほしいのですが・・・(笑)・・・

Tr2:Dancer
(Brian May)
ブライアンらしいギター中心の曲で、そういえば前作の
Dragon Attackから直接つながってくるファンクさがあって、
悪く言えば中途半端、よくいえばロックとファンクの折衷のような
微妙に跳ねたギターが面白い。
フレディのヴォーカルも途中でドラムス以外の演奏が止まって
フレディの声が残る部分が、微妙にエスニックな要素を感じるのも
表現力がある人だなと。
ロジャーのシンバルの音が妙に固いのが面白い。
なお、このアルバムのタイトルは、この曲の中でフレディが
"hot space"と叫んだところからとられたということです。

Tr3:Back Chat
(John Decon)
曲名を忘れたけど田原俊彦の曲で、この曲から「いただいている」
曲があって、僕はこちらを後で聴いたんだけど、そういえば似てる。
ジョン・ディーコンのこの曲の音作りはソウルへの回帰を狙った
いかにも80年代英国的なものであり、彼らが英国のバンドであるという
当たり前のことを再認識させられます。
最後のほうにフレディが「がんばれ!」と言う空耳もあります(笑)。

Tr4:Body Language
(Freddie Mercury)
なんといってもベースラインがエロい(笑)。
今思えばエロいところもまた大胆な挑戦なのでしょうけど、
ファンはきっと、クイーンにこれは求めていなかったんじゃないかな・・・
シングルでそこそこヒットしたのに後のグレイテスト・ヒッツ2に収録
されなかったのも、やはり本人たちも悪乗りしたと思っているのか。
途中、フレディが♪せくすぃ~と気持ちよさそうに歌った後、
♪せっくすぃ~ばっでぃ と爆発するところが(面白い)。
でも今は普通に好きな曲で、たまに口ずさみます。
人間、変われば変わるものですね(笑)。

Tr5:Action This Day
(Roger Taylor)
R&Bフリークのロジャー・テイラーはこの企画を
待ってましたと喜んだでしょうね(笑)。 
作曲家として遅咲きのロジャーは、このアルバムでもそこそこ以上に
いい曲を書いていて、本格化まであと一歩というところまで来ました。
でも、なんとなく流れる歌メロが、まだ微妙に中途半端かな。
これはフレディの高音ヴォーカルに味わいがあって、
ロジャー自身で歌わなかったのは正解かと。
でもロジャーは不満で、後の一時的不仲につながるのでしょうけど。


03 何かのパワーで久しぶりに髪が立ったポーラ・・・
HOT SPACE クイーン

Tr6:Put Out The Fire
(Brian May)
ブライアンお得意のロックチューンで、僕は曲としては
このアルバムではこれがいちばん好きです。
途中でロジャー・テイラーが超高音で歌うのがカッコいいんです。
ただこの曲でひとつ気になるのが、曲の最後のほうでフレディが
"Shoot, shoot"と叫ぶことで、それはなぜかというと・・・

Tr7:Life Is Real (Song For Lennon)
(Freddie Mercury)
ジョン・レノンへの哀悼の意を表した曲。
ほの暗くて落ち着いた曲だけど歌メロがトリッキーな展開を見せる
フレディにしか作れない曲。
歌詞も、フレディのスケッチブックを言葉にしたような断片的な思いや
描写がただ並べられているだけで、ジョンへの思いは
"Lennon is a genius"と1行出てくるだけ。
でも、フレディのその言い切った歌い方がいいんだけど。
僕は最初、変わった響きの曲だなと思っていました。
というか、変な歌、これがジョンを追悼した歌なのかと思うと、
なんだかなあと。
しかし何年か経って、フレディがその時に伝えたかったことは
理性では理解できず言葉では表しきれない大きな虚しさである
ということに気がづきました。
そう、虚しさなんです。
前の曲の最後にフレディが"Shoot"と叫ぶのは、最初は
悪いジョークかと思ったのですが、でもよく考えると、
前の曲のタイトルは「火を消せ」だから、クイーンはそこで、
ジョンを撃った人物や銃社会を批判しているのだなと
これまた少し経ってから気がつきました。
この曲だけ明らかに毛色が違うのですが、このアルバムの場合は
何でも挑戦だから、不思議と違和感はありません。
リズムに踊る曲ばかりが並ぶ中でこれがあるとアクセントにもなるし、
何よりレノンが倒れてから初めての彼らのアルバムだから
伝えたい思いは大きかったのでしょう。
クイーンにジョン・レノンを追悼した曲があるのは、今では割と
知られていないかもしれないけれど、個性的な佳曲です。

Tr8:Calling All Girls
(Roger Taylor)
ロジャーの2曲目で、これはキャッチーな口ずさめる部分があり、
ロジャーの中ではいい意味で割と普通のポップチューンかな。
これもほんとはロジャーが歌いたかったのだと思います(笑)。
フレディの低音コーラス、こんな魅力もあったんだって今更ながら。
なんとなく最後の1つ前に入っているといい感じがするのですが、
でもこのアルバムは曲順もちょっと捻りを入れているかもしれない。

Tr9:Las Palabras De Amour (The Words Of Love)
(Brian May)
ブライアンのバラードで前半はブライアンが歌っています。
いい曲だけど惜しいという感じで、曲名がスペイン語であること以外は
あまり特徴がないのが特徴で、インパクトよりは味わいの曲かな。
でも本人たちはかなり気に入っているようですね。
ただ、ファンキーな流れには不思議とフィットする曲かな、
リズムは跳ねていないのに。

Tr10:Cool Cat
(John Decon & Freddie Mercury)
その通りクールなサウンドにのってフレディがファルセット混じりに
気持ちよさそうに歌い上げるソウルバラード。
ブライアンのカラカラ鳴るギターも涼しげな響きで、
クイーンの芸の細かさを感じますね、これは素晴らしい。
フレディとジョンの共作は少ないけど、すべて素晴らしい曲で、
これはソウル大好きな2人の気持ちがぴったりと合った曲ですね。
あ、もちろんあくまでも音楽上で・・・
そしてこの歌はなぜか、次に出てくるデヴィッド・ボウイの
イメージにつながるものがあって、曲の並べ方が上手いですね。

Tr11:Under Pressure
(Queen & David Bowie)
デヴィッド・ボウイ David Bowieとの共演、もはやおなじみの曲。
外部アーティストをゲストに招くのはクイーン史上初。
それが「ソウル・トレイン」に初めて出た白人であるボウイであるのは、
このアルバムが最後までやる気を感じさせてくれる部分です。
クイーンらしくもありボウイらしくもあるけど、どの部分がクイーンで
どの部分がボウイというのではなく、全体として溶け込んでいるのが
不思議であり素晴らしい曲。
フレディの追悼コンサートでボウイがアニー・レノックスと
この歌を歌っていたのは怪演、凄かった。
ところで、このアルバムは多くの人にとっては、この曲が入っている
ことがハイライトかと思うのですが、僕はなぜか、アルバムを聴いて
最後に「ああこれが入ってたんだ」と、いまだによく思います。
この曲はオリジナルアルバムで聴く前からずっと好きだったので、
この流れにあるという意識が希薄なのかもしれない。
でもだから、最後にこれがあると得した気分になってうれしい(笑)。
それから余談、僕の大学時代の友だちSは、この曲のボウイの声を
僕が真似て歌うと、似ていて気持ち悪い、とよく言っていました(笑)。
(Sは元気かな・・・)



繰り返し、僕はこのアルバム、大好きですね。
深刻な部分がないし考え込むこともないので
クイーンの中でも気軽に聴ける1枚です。
そしてとびっきり面白くて楽しい!
その点でいえばクイーンいちばんかもしれません。
何でも1番はいい、と、ロンドン五輪で日本人初の金メダルを取った
女子柔道の松本選手が言っていたような(笑)。

ベスト盤を出して自らキャリアをひとくくりし再出発を目指した
クイーンのこの意欲作も、当時はあまり評価は芳しくなく、以降は
「落ち目」になったことは既に書きました。
しかし、時代と切り離して単に作品として聴くと、
これだけ見方が変わるアルバムも珍しいかもしれません。

こんな暴挙ともいえるアルバムを作ってしまった。
やっぱりクイーンは「さすが」なのです!







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Posted by guitarbird at 21:39 │Queen

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