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2014年03月09日

TUPELO HONEY ヴァン・モリソン

01
TUPELO HONEY ヴァン・モリソン

TUPELO HONEY Van Morrison
テュペロ・ハニー ヴァン・モリソン
 (1971)

今夜はヴァン・モリソンを記事にしました。
最近、ビートルズの10曲を続けざまに記事にしているせいで
ビートルズしか聴かない人なのかと思われるのもなんだし(笑)。
なんて、まあ、ビートルズならいいかな。
いや、よくない。
ビートルズ以外もたくさん聴けと、僕はビートルズに教わったから。

ヴァン・モリソンは、僕のBLOGの検索キーワードの第6位で、
昨日時点でこのキーワードから170のアクセスがあります。
ヴァン・モリソンでこちらにいらした方、ありがとうございます。
でも、これちょっとプレッシャーだな・・・
というのも僕は、ヴァン・モリソンを真面目に聴き始めてから
まだ10年も経っていないし、全部のアルバムを聴いていないし、
まあ大好きでくらいのもので、おまけに書くことは個人的な思い、
だから、コアな情報を求めていらした方には申し訳ないと。
とはいいつつ一方、BLOG運営者としては、ご要望にはお応えしたい
という思いもあるので、今日は久しぶりに書くことにしました。

今回、このアルバムを選んだのは、
「2011年国際森林年」にちなんだ記事(こちら)において、
このアルバムが樹木の名前であることから取り上げ、
せっかくだから聴き直したためです。
"Tupelo"は「アメリカヌマミズキ」で、「トゥペロ」として
日本でもクラフト用などで材を買うことができるそうですが、
僕は見たことがありません。
せっかく記事に上げるなら探せばよかったかな・・・

ヴァン・モリソンは、いつも言いますが、その時の精神状態や
彼自身が置かれた状況が色濃く作品に反映される人です。
もちろん人間がすることだから誰だって大なり小なりそうだけど、
彼の場合は出来不出来に直結しています。
一方で彼の作風、音楽的アプローチは基本的には不変だから、
別の言い方をすれば、ヴァン・モリソンのアルバムによる違いは、
状況の違いだけと言えるのかもしれません。

ではこのアルバムはどうか。
当時、よっぽど幸せだったことが120%伝わってきます。
ここで歌われているのは、至極簡単にいえば
新しい女性と出会い新しい生活を始める楽しさ。
事実、中ジャケットの写真には、どこかの牧場で、馬を背後に、
柵に腰かけて女性と一緒に撮った写真があるくらい。
まったくもって楽しそう、幸せ、こちらが照れてしまうくらいに、
臆面もなく日常生活の幸せをいかにも幸せに歌っています。
このアルバムについて言えることは、はい、それだけ(笑)。

なんて、でも、そういう状況だからか、曲が充実しています。
ヴァン・モリソンは時々難解な曲を仕立て上げてきますが、
このアルバムの曲はすべてキャッチーで聴きやすく、
ゆえに自然と口ずさんでしまう名曲傑作佳曲揃いですね。
おまけに、生活自体が楽しいもんだから、歌われているテーマも
生活に密着した身近なものばかり。
僕が、ヴァン・モリソンをあまり聴いたことがない人に
彼のアルバムをおすすめするとすれば、MOONDANCEかこれか、
もしくはAVALONかな、というくらいの充実ぶりです。

音楽的にいえば、全体的にカントリー色が濃いかな。
ホンキートンクと言ったらよいのか、とにかく、
アイルランドのトラッドというよりはアメリカの雰囲気。
ああ、そう書いて、ヴァン・モリソンも一応は、アルバムにより
音楽のスタイルも少しずつ違うんだなって(笑)。

とここまで書いていろいろ調べたところ、あることが分かりました。
"Tupelo"はエルヴィス・プレスリーの生誕地の地名なのだとか。
へえ、知らなかった。
ということはこのアルバム、アイルランドから出てきた若者が、
アメリカで成功を収めた上に理想の女性に出会うことができた、
アメリカといえばエルヴィス、素敵なアメリカ万歳、
という意味が隠されているのかもしれない。
ただし、この幸せもそれほど続かなかったのかな・・・
ミュージシャンはある意味残酷な仕事かもしれない。
幸せの絶頂を音に表したとして、それがずっと残るわけで、
後にその人と別れた場合は、聴きたくも演奏もしたくもないのかな。

書くことがあまりないので(笑)、曲を聴き進めましょうか。

なお、曲はすべてヴァン・モリソンひとりが書いています。
(all songs written by Van Morrison)

02 そんなに楽しければ観覧車にでもお乗りください・・・
TUPELO HONEY ヴァン・モリソン

Tr1:Wild Night
彼の代表曲のひとつでしょう。
印象的なリフに引っ張られてぐいぐいと心が前に進む曲で、
低音楽器がメロディアスに動く曲は僕は無条件で大好き。
歌メロも何かを突き破ったすがすがしさと分かりやすさがあって、
基本的にはずっとハイテンションで盛り上がったまま進み、
弾けるサビはもちろん、どこを歌っても気持ちがいい曲です。

これ、ジョン・メレンキャンプ John Mellencampが、
ミシェル・ンデゲオチェッロ Me'sell Ndegeochelloを迎えて
1993年にカバーして最高第3位の大ヒットを記録しました。
それは僕がMTVをよく観ていた頃で、僕はすぐに気に入りましたが、
ヴァン・モリソンの曲であることは、そのすぐ後に知りました。
ジョン・メレンキャンプのものは、ギター弾きの端くれとしていえば
リズムギターがカラカラと気持ちよく鳴り続けているのが好きだし、
ミシェルのベースのビブラートが凄くて真似したけどできなかった。
僕がリアルタイムで聴いたカバー曲の中でもとりわけ好きなものです。
それにしても、いきなり、野性的な夜、か・・・

Tr2:(Straight To Your Heart) Like A Cannonball
大砲の玉ように心を射抜くという比喩表現だけで、
あとはもう何も説明は要らないでしょう(笑)。
軽快なワルツ、いつものようにハミングが印象的。

Tr3:Old Old Woodstock
1971年ということで、ウッドストックの余波があったのかな。
今の平安さからみると、あの喧騒はなんだったんだろう、と。
ウッドストックを妻と子どもと訪ねて静かに歩く様子を描いた曲。
落ち着いた曲をじわじわ聴かせるのもヴァン・モリソンの得意技。

Tr4:Starting A New Life
歌詞の最初を書き出します。
♪ When I hear that robin sing
 Well I know it's coming on spring
 Ooo-we, and we're starting a new life

ロビンの声を聞いた、春だ、
僕たちは新しい生活を始めたところだ
もはや説明のしようがない・・・(笑)・・・
このアルバムはタイトルが樹木である上に鳥も出てきて、
僕にはこれが響かないはずがないですね。

Tr5:You're My Woman
タイトルをかみしめるように2回繰り返して歌い始め、
女性への感謝の念を綴ってゆくR&B風のバラードですが、
サビで♪ You are my sunshineなんて歌うのを聴くに及んで、
小難しくてへそ曲がりっぽい人そうなヴァン・モリソンが、
そんな手垢まみれのことを言うなんて、まるで思ってもみなかった。
よくも恥も外聞もなく大きな声で言えたものだなって驚いた(笑)。
どっしりと構えている人というイメージもあったから。
だけど、その時の精神状態や状況が素直に反映される人だから、
むしろ影響を受けやすい人なのでしょうね。
ゆったりと歌い進める中で奇声を上げるのにも驚きましたが、
ヴァン・モリソンって、街角で人前で平気でキッスできる人かな
なんて、この曲を聴いてまた思いました・・・

03 このアルバムの曲のカバーが入ったCD2枚
TUPELO HONEY ヴァン・モリソン

Tr6:Tupelo Honey
アルバムタイトル曲もゆったりとしたバラード。
この曲の少し前にCrazy Loveがあり、この曲のだいぶ先に
僕が大好きなHave I Told You Latelyがはっきりと見える曲。
間奏のアコースティック・ギターも後者に似てた雰囲気。
これはもちろん個性の範囲内でよいという意味ですよ。
♪ She's as sweet as Tupelo honey
 She's an angel for the first degree

と歌った後に入る"She's an angel"というコーラスがいい。
ところで、アメリカヌマミズキの蜂蜜は売ってないのかな。
樹木好きとしてはその辺も気になるところです(笑)。

Tr7:I Wanna Roo You (Scottish Derivative)
これも歌い出しを書きたいと思います。
♪ Twenty third of December, covered in snow
 You in the kitchen with the lights way down low
 I'm in the parlour playing my old guitar
 Speaking to you darling, find out how you are

12月23日、雪が積もり、きみはキッチン、僕はギター・・・
冗談ではなくほんとに幸せを絵に描いています。
この曲は写真03右の見目麗しきジャケットのアルバムで
ゴールディ・ホーン Goldie Hawnがカバーしていますが、
そこではタイトルがI Wanna Woo Youとなっています。
"Woo"とは「求愛する」という意味ですが、調べてみると
"Roo"は"Woo"のスコットランド訛りであって、だから
()内のサブタイトルがついているのだということでした。
ゴールディのそれは1972年ですが、彼女がこの曲を歌ったのは、
ヴァン・モリソンの友人が録音に参加していたからだそうです。
ワルツのこれはこの中では最もカントリー色が濃い曲。
ゴールディのそのアルバムも基本はカントリーです、念のため。

Tr8:When That Evening Sun Goes Down
ホンキートンク調の軽すぎるくらい軽やかな曲。
まったくもって夜になるのが楽しくてしょうがない、という感じ。
間奏のスライドギターが雰囲気煽っていますね。
ああ、あまりにも楽しそうでなんだか聴くのも疲れてきた(笑)。

Tr9:Moonshine Whiskey
そして月夜に、うまくアルバムは流れています。
ギターワークがブルーグラスっぽい滑らかなよい響き。
この場合、スペルに"Whiskey"と"e"が入るので、スコッチではなく、
アメリカかアイルランドのウイスキーを意味しますが、まさに
アイルランドからアメリカに来たことを表しているかのよう。
歌詞には"heart of Texas"とあって雰囲気満点。
早い部分とゆったりした部分が交互に繰り返されますが、
途中は終わると見せかけてまた始まるのが、この幸せな世界に
少しでも長くひたっていたいという思いの表れと感じます。
最後はしかし潔くすぱっと終わるのはメリハリがあっていいですね。
彼女がくれるのはどんな素敵なウイスキーなんだろう。
ヴァン・モリソンはお酒が好きな人は聴かなければならない、
と法律で定めてほしいくらいですね(笑)。
そしてヴァン・モリソンは月が大好きなんだなぁ。
まるでのろけを聴かされるような幸せなアルバムが終わります。



現行のリマスター盤には2曲のボーナストラック収録。

Tr10:Wild Night
こちらはTr1の別テイク。

Tr11:Down By The Riverside
(Traditional arranged by Van Morrison)
トラッドだけどいかにもヴァン・モリソンらしい曲。

のろけだの臆面もなくだのやっかみ気味に書いてきましたが、
音楽を聴いてとにかくハッピーになりたい人、
幸せのおすそ分けにご相伴預かり人にはうってつけの1枚です。
繰り返し、曲も口ずさめるものばかりで充実しています。

最後にどうでもいい話。
このアルバムのタイトルは邦題では「デュペロ・ハニー」ですが、
"tupelo"のように"tu-"で始まる単語は、"tube"=「チューブ」
"tune"=「チューン」"tulip"=「チューリップ」のように
「チュ」となることが日本語では多いというか慣例だと思います。
そこを「テュ」としたのは、特別なものという意識だったのかな。
しかし、他にも"tu="の例外を見つけましたよ。
"Tulio"は「トゥーリオ」で「闘莉王」ですね。
多分これは実際の発音に即したものだと思うのですが、
でも、あの闘莉王選手が「チューリオ」だったら、
なんかふにゃふにゃで弱そうでやわな男みたいじゃないですか・・・
「トゥー」で「闘」だからあんなに強いんじゃないかなって(笑)。

あ、そうか、「チュペロ」も同じことか。

ちなみに、木材は「トゥペロ」と表記されているようです。






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Posted by guitarbird at 20:54 │Van Morrison
この記事へのコメント
ギタバさん、こんばんは。
四日ほど前にやっとこさヴァンのTHE PHILOSOPHER'S STONEを手に入れました。

いや~全編ヴァンの歌声が生々しくて毎夜ひとりニヤけつつ黒ニッカ片手に聴いているのですが、特にワンダフル・リマーク(1973)が素晴らしすぎます。

なんだか前世で聴き馴染んでいたような懐かしさ満開のメロディにのせて、金属的な高域も全開でありながら甘美でしなやかで強靭な喉がとにかくいいです絶品です。

そこに春風のようにいい塩梅でフルートがからんではってほんま極楽的名曲に出会ってしまいましたよ!!

これをお蔵にするヴァンさん、あんさんほんまエグおまっせ~~σ(^◇^;;

そうそう、シンシアちゃんの「純潔」もええ唄でんな。
Posted by ぽちわかや at 2014年04月04日 02:17
ぽちわかやさん、こんばんわ
THE PHILOSOPHERE'S STONE買われましたか。
高かったのではないでしょうか、それとも格安で見つけた?
私は送料込み2500円くらいで、2枚組だし、その前までは
3000円以上だったので思い切って買いました、一昨年ですが。
確かに、これがお蔵入りだったのか、と思ったところが、
アルバムとして筋が通っているのが不思議で驚異的でした。
前世で聴き馴染んでいたような懐かしさ、とはまさにそうですね、
ヴァン・モリソンに引かれる人はそこが大きいですよね、私も。
私は残りあと1枚なのですが、その1枚は新し目のもので、
500円台まで中古が下がっているので、逆にいつでも
手に入りそうだから今は様子見です。
それを買ってしまうともう買えないのが寂しいですし(笑)。
Posted by guitarbirdguitarbird at 2014年04月04日 19:00
ギタバさんの「賢者の石」の購入談に何度もうなずき、そしてひと言「同志よ!」。

それとも格安~?マケプレで送料込みで1979円でゲット!!ではありますが、ケースにはヤケと擦れが目立ち、おっと盤面には円周に沿って4ミリほどのすり傷が・・・うっこれは危険だっ(;゜∀゜)ゝ”
おれは意を決して、車用のソフト99液体コンパウンド9800(超鏡面用)を取り出し、おもむろに磨きだした。

はたしてヴァン・モリソンさんはなにもなかったようにご機嫌に唄ってくれたのであった。

ヴァンさん、ポールさん、ディランさんのいまもっての素晴らしいご活躍、有り難いかぎりですよね。
Posted by ぽちわかや at 2014年04月04日 21:20
ぽちわかやさん、ふたたびこんばんわ
その値段なら少し安いかな、と思いました。
私が買ったのは初回のものではなく出し直したものでしたが、
音質は変わらないのではないかと思いました。
しかし出直したのも10年以上前でしたが。

ディスクにも傷がついていたんですね。
でも、ソフト99でCDを磨くのはやったことはないです。
ある程度は効果があるんですね。
ヴァンがゴキゲンに歌ってくれてよかったですね。

私は車で聴くこともあるせいか、ディスクに傷がつくことは
結構あるので、逆に再生可能な傷はほとんど気にしません。
でもブックレットの「カマボコ」=ケースのブックレットを抑える
半円形の部分がブックレットに食い込んでいるのは気にします。
ちなみに私のそのCDはブックレットは幸いにもきれいでした。
ほんと、60年代からやっている人がまだまだ元気なのは
ありがたいことですね、そしてまだまだ元気でいてほしいです。
Posted by guitarbirdguitarbird at 2014年04月04日 23:07

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TUPELO HONEY ヴァン・モリソン