最近買った旧譜CDをさらりと2014年7月

guitarbird

2014年07月17日 20:29

01


最近買った旧譜CDの記事です。

今回は8枚

8枚になったところで記事を上げてゆくつもりではありますが、
前回既に積み残しがあったこともあり、もう既に次回に持ち越しの
CDが出ています・・・

長いので早速。


☆1枚目


MYSTERY GIRL
Roy Orbison
 (1988)

ロイ・オービソンの「遺作」が25周年記念リイシュー盤として再発されました。
内容は、CDに本編+ボーナストラック、DVDは制作時のドキュメントです。
ロイ・オービソンの名前はビートルズを聴き始めてすぐに知り、ラジオで
数曲を耳にしましたが、僕のリアルタイムでヴァン・ヘイレンが
Oh Pretty Womanをカヴァーしてヒットさせたのが大きかった。
CDの時代になった1987年、確か「ポッパーズMTV」で、
ブルース・スプリングスティーンやエルヴィス・コステロなど、
豪華なメンバーを引き連れたOh Pretty Womanの最新ライヴ映像を観、
それが入ったライヴ盤BLACK & WHITE NIGHTSのCDを購入。
僕が初めて買った彼のCDでした。
そして1988年、ジョージ・ハリスン、ボブ・ディラン、トム・ペティ、
ジェフ・リンと組んだトラヴェリング・ウィルベリーズへの参加で
僕にとっては一気に身近な人になりました。
リアルタイムの経験を思い返すと、ヴァン・ヘイレンのヒットで、
より若い人に注目されたことがウィルベリーズにつながった、
という流れのようなものがあったように思います。
しかし、大復活を成し遂げた同じとし、ロイ・オービソンは
心臓発作であまりにも突然に天に召されました。
1936年生まれ、享年52歳、かなりショックでした。
その翌年に出た「遺作」がこのアルバム。
オリジナルのスタジオアルバムでは僕が初めて買ったCDです。
ウィルベリーズの朋友ジェフ・リン、Tボーン・バーネットや
マイク・キャンベルなどがプロデュースにあたっていますが、
ロイの「トレンブリング・ヴォイス」を最大限に生かしつつも、
しっかりとした強い響きのアコースティックギターサウンドを聴かせる。
強くて優しい、爽快な響きのロックアルバム。
でも、やはり、亡くなって割と早くに出たアルバムだけに、
僕は当時から、寂しい気持ちを持ちながらこのアルバムを聴いています。
1曲目You Got ItはOh Pretty Womanを意識したような、でも、どこか
かげりがあるポップソングで、四半世紀を経て、もはや名曲といっていい。
California Blue、ロイにはBlue Bayouという名曲もありますが、
"blue"という言葉がこんなにも似合うロック歌手はいない。
A Love So Beutiful、耽美的で憂いのあるファルセットに涙する。
他、極上の歌が並ぶアルバムで、もし彼がまだ生きていれば、
この先どれだけいい歌を聴かせてくれたかと思うと残念でならない。
思い出も思い入れも深いアルバム、ポップロックの一つの完成形。
今だからこそ、もっと多くの人に聴いてもらいたい1枚。
だから1枚目に持ってきました。



☆2枚目


NASHVILLE
Solomon Burke
 (2006)

ソウル界の「怪童」としてならし、ローリング・ストーンズもカヴァーした
ソロモン・バークの晩年のアルバム。
彼は2010年に亡くなりましたが、このアルバムは実は、その前から
ウィッシュリストに入っていました。
でも、その時は亡くなったからすぐに買うという思いにはならず、
それから3年強、漸く呼ばれたので買って聴きました。
ソロモン・バークは2002年のアルバムDON'T GIVE UP ON MEにおいて
ブルース・スプリングスティーンやエルヴィス・コステロなど(同じ人だ・・・)
ロック界の「若手」が曲を提供して参加した名盤がありますが、これは、
「ナッシュヴィル」という通り、そのカントリー版といったところ。
歌手として客演しているのは順に、ドリー・パートン、ギリアン・ウェルチ、
パティ・グリフィン、エミルー・ハリス、パティ・ラヴレス。
「ソウル」という音楽は「歌い方」「表現方法」であって、実は、
音楽として明確なかたちを持っているわけではないと僕は考えていますが、
カントリー系の曲をソウル歌手が歌ったこのアルバムを聴いて、
その考えを再確認しました。
そうですよね、レイ・チャールズのI Can't Stop Loving Youなんて、
歌を抜いて考えるとカントリーですからね。
しかしそれにしても、ソロモン・バークのヴォーカルは恐い。
彼のイメージも手伝い、恫喝されているような凄みや迫力があります。
だからうかうかと聴いていられない、しっかりと聴かないと・・・
実際、連装CDプレイヤーに入れっ放しにしていて、不意にこれが
かかると、なんだかほんとうに恐いのです、おおげさじゃなくて。
ところでこれ、弟に東京で買ってきてもらったものですが、ちょうど
弟が東京にいた時にネットで安くて良好そうな状態の中古が見つかり、
ディスクユニオン高田馬場店、弟に頼んで買ってきてもらうことに。
でも、弟は高田馬場には行ったことがない上に、僕自身も駅の改札を
出たことは確か2回しかなくて街の様子が分からない。
しょうがないので僕がグーグルマップを見ながら電話で弟に道を教え、
漸く弟は店に着き、まだ売れていなくて、めでたく購入できました。
グーグルマップて便利なんだなあ、と(笑)。



☆3枚目


I WAS WARNED
The Robert Cray Band
 (1992)

ロバート・クレイのアルバムは機会がある毎に買い進めていますが、
これも弟の東京土産、いつも行く渋谷のレコファンで見つけました。
あの店は僕も東京に行くとほぼ必ず行っていますが、なんだろう、
何かありそうな空気がいつも充満していて楽しい店です。
惜しむらくは棚と棚の間の通路が狭くて場所によっては、
人とすれ違えないことですが、まあそれも込みで雰囲気かな。
今回は2枚買ってきてもらいましたが、その1枚がこれ。
ロバート・クレイは作品ごとに毛色が違うのが面白いのですが、
このアルバムはブルーズロックをブルーズ側に戻した感じ、
なんてしちめんどくさいこと言わない、ロックっぽさが濃いアルバム。
もっというと、元来ロック人間の僕としては非常に聴きやすい。
流して聴いていると、あまりブルーズだとは思わないかもしれない。
ヴォーカリストとしてもソングライターとしても軌道に乗ってきた頃かな、
歌としていい曲が揃っているアルバム。
中でも表題曲I Was Warned、7分以上の長尺もので、
タンゴのリズムに乗った哀愁を帯びた歌メロの佳曲。
ギターソロも、闇夜の怪しさを感じる鬼気迫る演奏。
ナチュラルなストラトキャスターの音はやっぱりいいですね。
聴いていると気持ちを引きずってしまう強さもあって印象に残る。
結局僕は、この手の「ブルーズ側からロックに寄ってきた音楽」が
デフォルト的に好きなのだとあらためて思いました。
連装CDプレイヤーに入れっ放しで、かかるといつも聴いています。
その時買ったもう1枚は、1枚ずつ交互に聴いているので、
どう変わっているか、次回のこの記事で取り上げたいと思います、
ところで最後に本筋とは離れますが、このアルバムは1992年作で、
当時の物が中古として市場に残っていたものだと思われますが、
CDとしての音質がだいぶ良くなっていて今とそん色ないですね。
一概には言えないけれど、CDは一般的に、音質が良くなると
音も大きくなるもので、これは今のものと音の大きさがほとんど変わらない。
中古でも新品でも、古いCDを買う時は、1990年くらいまでは
音質がまだよくなっていないものが多いので気を付けていますが、
1992年だと、ほとんどもう大丈夫らしい、と分かりました。






02


閑話休題。

音楽の話題なので、今日はインドアなハウを。


☆5枚目


CACTUS
Cactus
 (1970)

カクタスは一度聴いてみたいと20年以上前から思っていましたが、
この度、漸く念願がかないました。
リマスター盤が出ていたことを知らなくて、ネットで見つけて慌てて購入。
なにも慌てる必要はないじゃないか、と思われるかもしれないですが、
Warner系の再発レーベルWounded BirdのCDは少量生産らしく、
すぐに在庫がなくなってしまうので慌てたのです。
まあ、でもこれは買った後も在庫あり商品のままでしたが(笑)。
実際に聴くと、予想通り、1968年「ブルーズロック大爆発」の後を受けた
70年代ハードロック拡散期らしい音作りですね。
元ヴァニラ・ファッジのティム・ボガートとカーマイン・アピスが中心となって
結成したバンドで、この2人は当時ジェフ・ベックから新しいバンドへの
誘いを受けていたのが、ティムの事故で断念し、新たなバンドを結成した、
というのはほとんどウィキペディアの受け売りですが、でも2人は後に
ベック・ボガート&アピスとして特に日本ではヒットしました。
で、ごめんなさい、僕はティム・ボガートのヴォーカルが苦手です・・・
端的にいえば荒削りなヴォーカルですが、でも、声自体が荒くて、
声が苦手というのは生理的な問題に帰することなので・・・
音楽全体としては割と気に入ったのですが。
ところで、このジャケット、サボテンと太陽って、その、あれですよね・・・
ロックの歌詞にはダブルミーニングを持たせているものが多いですが、
ジャケットでもダブルミーニングにしてしまったこれは、
秀逸なアートワークと言えるのでしょうね。
ただ、好きかどうかで言えば、僕はどうも、ですが・・・



☆6枚目


DUETS
Linda Ronstadt
 (2014)

リンダ・ロンシュタットが他の歌手とデュエットした曲を集めた企画ものCD。
1974年から2003年まで足かけ30年の音源から選ばれており、
彼女の音楽の足跡をデュエットを通して辿るという趣き。
ほとんどがリンダのアルバムの曲からとられていますが、
参加メンバーを順に書き出すと、アン・サヴォイ(3曲)、カール・ジャクソン、
ドリー・パートン、ローリー・ルイス、エミルー・ハリス、ドン・ヘンリー、
J.D.サウザー、アーロン・ネヴィル(2曲)、
ジェイムス・イングラム、ベット・ミドラー、フランク・シナトラ。
アーロンなど聴いたことがあるものも幾つかあります。
映画『アメリカ物語』のテーマとしてNo.1ヒットとなった
ジェイムス・イングラムとのSomewhere Out Thereもうれしい。
カントリー系のものが多いですが、やっぱりそういう歌も上手い。
というか、そちらが本分だったのかと再認識されます。
もちろんイーグルスのドン・ヘンリー、そして取り巻き(!?)のJDと
ロック寄りの曲にも彼女らしさがありますが。
アーロン・ネヴィルとの曲は2曲あるのは、聴いている側としても
息が合っていると感じたので、やはり相性がいいのでしょうね。
そして特筆すべきは、リマスター処理されて音質がいいこと。
80年代以降のはそもそも録音もよかったのでしょうけど、とりわけ
フィドルの音が艶やかで彼女の声によく合っています。
ところで彼女は昨年、自身がパーキンソン病を患っており、音楽活動を
やめたと発表されましたが、それを受けてのこのCD、彼女の
闘病生活を陰ながら応援する意味でも買いました。



☆7枚目


TENDERLY Solo Guitar Concert
Kenny Burrell
 (2011)

ケニー・バレルの近年のギター1本によるリサイタルのライブ盤。
そうなんです、コンサート、というよりは、リサイタル、といった趣き。
アルバムの副題はコンサートなのですが、そこは勝手に進めます(笑)。
自身の曲と有名な曲を織り交ぜながらリサイタルは淡々と進みますが、
申し訳ない、僕は彼の曲はまだほとんど知らないので、ここはやはり
Autumn Leaves、What A Wonderful Worldといった
超有名なカヴァー曲が印象に残りました。
映像は観たことがないですが、ジャケット写真からその場の雰囲気が
想像され、ケニーは、その曲を知らない人には優しく教えるように、
知っている人にはその思いに沿うように演奏するのが印象的で、
タイトル通り、優しくて懐の広い人なんだなと思いました。
しかしそれでいて演奏は堂々としていて説得力があります。
1931年生まれのケニー、このCDの年は80歳、傘寿ですね。
前回も書きましたが、ジャズの興隆期からずっと演奏を続けていて
まだご存命で元気であるというのが、何よりほっとします。
その生命力を、音楽を通じて手に入れたいのかもしれない、僕は。
落ち着きたい時、食事の時に特にいい音楽ですが、一方で、
音を聴いてギター上の運指を想像するのも楽しく刺激的な1枚です。



☆8枚目


ORIGINAL ALBUM SERIES
John Coltrane


ケニー・バレルとの共演作を買ったジョン・コルトレーン
その勢いで(笑)、Atlanticに残したアルバムを集めたWarner系の
例の(チープな)紙ジャケット5枚組を買いましたが、その5枚とは
GIANT STEPS
COLTRANE JAZZ
MY FAVORITE THINGS
COLTRANE PAYS THE BLUES
CORTRANE'S SOUND
中でもGIANT STEPSは名盤との誉れ高いアルバムで、僕がかつて
ジャズを熱心に聴いていた頃もかなり気に入っていた1枚でした。
ジャズはよく分からないのであくまでも感覚的に言わせてもらえば、
GIANT...は、攻めて攻めて攻めまくっている感じで、コルトレーンの
サックスの音色が恐くもあり、なんだか急いているように感じます。
食事の時には合わないかな、落ち着いた響きではない。
でも、どっしりと構えていて決して軽くはない、だから恐い、と。
あくまでも感覚で話させていただくと、そんな響き。
でも、音楽を「流す」のではなく「聴こう」と思った時は
今後いい選択肢になりそうです。
余談ですが、ポリスのWalking On The Moonの歌い出しが
"Giant steps are what you take"ですが、スティングのことだから
このアルバムが頭にあってのことなのでしょうね。
ところで、この5枚はジャズを熱心に聴いていた頃にすべて買いましたが、
ジャズを聴くのを一度辞めた時にすべてディスクユニオンに売りました。
今回5枚組で出て、懐かしさも手伝って買い直したのですが、
当時売れた金額の半分強くらいの値段で買えました。
つまり、元手を無視した「売り買い」の話でいえば黒字となったわけですが、
CDはほんと安くなったな、と実感させられますね。


03


いかがでしたか!

ポーラの窓の前の花を変えました(笑)。


ところで、残念なお知らせを。

ジョニー・ウィンター氏が亡くなられました。
享年70歳。
まだ速報段階で詳しい病名などは分かっていません。

僕は一昨年初めて聴いて感動し何枚かCDを買った「初心者」ですが、
今年4月には来日もしていて、まだまだ元気なのだと思っていたのが、
まさか、これほど急に亡くなられるとは。

こうしてまた、ひとつの音楽が遺されました。

ご冥福をお祈りします。





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