最近買った旧譜CDをさらりと2013年3月

guitarbird

2013年03月03日 20:29

01


旧譜CDさらりと紹介記事です。

今年に入ってたくさん買い、先月は紹介できないものもあって、
早く3月にならないかな、と(笑)。

今回は9枚、長くなるのでもういきます。


☆1枚目


☆1枚目
TELL ME SOMETHING
 THE SONGS OF MOSE ALLISON

Van Morrison, Georgie Fame, Mose Allison
 & Ben Sidran

テル・ミー・サムシング
 (1996)

ヴァン・モリソンがジャズピアニストのモーズ・アリソン
英国のジャズマンのジョージ・フェイムそして
アメリカのジャズマンのベン・シドランと録音した1枚。
音楽はその通りジャズ、だからこれはヴァン・モリソン流の
ジャズヴォーカルアルバムということになるでしょうか。
1日で1テイクか2テイクで録音されたそうで、生の音楽の
魅力が伝わってくる、そこもまたジャズらしいところでしょう。
ただ僕としてはポップスサイドではないので、時々思い出して
かけて雰囲気にひたるという感じかな。
もしくは、より年をとると良さがほんとうに分かるかもしれない。
ともあれ、ヴァン・モリソンがほんとうに好きな音楽を仲間と
楽しく演奏しているのを聴くだけでも、なんだかうれしいですね。
ところで、これを買ったことにより、ヴァン・モリソンの公式の
CDはついに残りあと1枚、王手がかかりました。
最後の1枚も悲しいことに現在は廃盤ですが、中古の価格が
1000円しない、割と最近のもので市場に出回っているらしく、
それならいつでも買えるしきれいなのが出るのを待っている、
もしくは自分で店で見つける楽しみとしてとってあります。
まあ正直、もう買うCDがなくなるのは寂しいですからね(笑)。



☆2枚目


ERIC BURDON DECLARES "WAR"
Eric Burdon and War
エリック・バードン・ディクレアーズ・”ウォー”
 (1970)

先月、代表作「世界はゲットーだ!」を取り上げたウォー
これは彼らのデビュー盤ですが、この変わったタイトルは、
アニマルズのエリック・バードンがデビューに尽力し、
当初はバンドのメンバーとしてヴォーカルもとっていた、
ということからきていて、バンド名も最初は違ったようです。
ひとことでいうとこれはロック的ソウル、ですね。
「ゲットー」で聴かれたワールドミュージック的な姿勢はまだ
ほとんど感じられない、真っ直ぐな、でも主流からは少し外れた
独特のロック的ソウルを聴かせてくれ、僕は気に入りました。
中途半端といえばそうかもしれないけれど、今の僕には
ロックへもソウルへも同じくらいの気持ちの線が伸びていて、
そこをひとまとめにして刺激してくれる感じですね。
正直、ここまでいいとは予想していなかった。
アニマルズはチャス・チャンドラーがジミ・ヘンドリックスの
デビューのきかっけを作った人でもあるから、彼らはまさに、
黒人と白人の音楽をつなぐ気持ちを行動でも表した、
いわば音楽界の目利き、大きな存在だったのでしょうね。
で、実は僕、アニマルズはベスト盤しか聴いたことがないので、
そろそろアルバムを聴いてゆかなければならないようですね。
それもだけどウォーもやっぱり僕はとっても気に入りました。
でも、現在入手困難のアルバムが何枚かあるのがもどかしい。



☆3枚目


ICE PICKIN'
Albert Collins
アイス・ピッキン
 (1978)

ブルーズからも1枚、アルバート・コリンズ
テレキャスターで鋭い音を聴かせるそのギター奏法から彼は
「アイスマン」と呼ばれましたが、このアルバムは、
氷を刺すアイスピックと氷のようなギターのピッキングをかけた
タイトル、ギターアンプの代わりにシールドをつないだ氷の中が
赤く燃え上がる写真と、アイディア秀逸で面白いですね。
そんなこのCD、ジャケット買いするときっと成功しますよ。
アルバート・コリンズは、すべての曲がそうではないけれど、
印象としてちょっと跳ねたリズム感が独特の音のイメージの人。
ゲイリー・ムーアに自ら客演し共演したToo Tiredが
僕としては聴きどころでしたが、ゲイリーのヴァージョンでは
イントロのフレーズを2人で交互にギターで弾き合っているところ、
こちらは後のほうはオルガンが奏でているのが特徴。
でもやっぱり僕は、ギター同士のほうがいいかな(笑)。
8曲目Avalancheでは、1弦21フレットつまりテレキャスターで
出せる最も高い音を20秒くらいずっとピッキングし続けているのは
まさにアイスピック、アイスを急いで食べてしまった時の
脳天への衝撃にも似た感触を味わえます。
オーソドックスなようでどこか弾けたところがあるのも、
この人独特の味わいでしょうか、つまり、安定しているようで、
心がかき乱されるブルーズ、それがまたいい。
アルバート・コリンズもまた他のアルバムを買いたいですね。



☆4枚目


☆4枚目
SOUL FINGER
Bar-Kays
ソウル・フィンガー
 (1967)

ここから3枚は例のAtlanticR&B1000円シリーズから。
バーケイズ、はてさて、まったく名前すら知りませんでした。
帯に書いてあるタタキ文句を書き出してみます。
オーティス・レディングとともに飛行機事故でメンバーの
ほとんどを失った悲劇のメンフィス・ソウル・バンド、
バーケイズがオリジナルメンバーで唯一残したアルバム。
R&Bチャート3位となったソウル・インストの金字塔
「ソウル・フィンガー」を筆頭に、
オーティスが自らのバックバンドに招いたのも納得の、
グルーヴィで歌心ある演奏が全編で聴かれる。
ハーモニカが吹き荒れる「ナックル・ヘッド」もスマッシュヒットした。

ううん、そうか、あの事故でオーティスと運命を共にしたのか。
それは聴かなければという衝動に駆られて買いました。
以前僕は、ブッカー・T・&・ジ・MGズを取り上げた際に、こうした
ソウルのインストゥロメンタルは今は珍しい、当時は流行ったのかな、
と書きましたが、そうだったんですね、他にもありました。
とにかく楽しくなる1枚ですね。
ところで、僕がこれをかけて1曲目を耳にした東京の弟が、
文化放送のグッチ裕三のラジオ番組のテーマ曲だと言いましたが、
なるほど、グッチ裕三は芸能界を代表するソウルマニアですからね。
ちなみにその曲の最初は「メリーさんの羊」の旋律を
軽快なラッパで演奏しているものなんですけどね。



☆5枚目


☆5枚目
MARGIE JOSEPH
Margie Joseph
マージー・ジョセフ
 (1973)

マージー・ジョセフも今回まで名前も知りませんでした。
こちらも帯のタタキ文句を書き出します。
可憐な歌声と見事なヴォイス・コントロールで、
ポップ風味も、ジャジーな苦みも自在に切り替えて
ソウルフルに歌いこなすマージー・ジョセフ。
彼女がアトランティックに移籍し放った本作は、
アル・グリーンの大ヒット曲をすばらしいレディ・ソウルへと
昇華した「レッツ・ステイ・トゥゲザー」を筆頭に、
コーネル・デュプリー、ジェリー・ジェモットら、
名セッションマンたちの本領が存分に発揮された
極上ソウル・グルーヴ名盤となった。

僕が聴いた感想は、ひとことでいえば、
艶っぽくしたアレサ・フランクリンという感じで、特に高音が
アレサの声に似ています、つまりかなりパワフル。
アレサは、100人の歌手で1位になるような大歌手ですが、
その彼女はセックスアピールが低いので万人に受け入れられる、
ということが逆説的によく分かりました。
引用文にあることは本当で、とにかく上手いと感じますが、
一方で、レコードよりは小さなジャズクラブで聴きたいような、
ポップスとは言い切れないソウルであるとも思います。
そんな人がヒットを飛ばしたのも、ソウルの時代だったのでしょうね。
音楽としてはかなりいいです、でも、通好みかな。



☆6枚目


☆6枚目
HERE IS BARBARA LYNNE
Barbara Lynne
ヒア・イズ・バーバラ・リン
 (1968)

1000円シリーズの最後、バーバラ・リンも知らない人でしたが、
そんなCDを割と気軽に買って聴けるこのシリーズはいいですね。
どうせだからこちらもタタキ文句の書き出しを。
ハスキーで切なげな歌声で世の男心をとらえて離さない、
テキサス出身のブルージー・ソウル娘が
アトランティックに残した唯一のアルバム。
1962年にR&Bチャート1位を記録した
「ユー・ルーズ・ア・グッド・シング」の円熟のリメイクの他、
代表作となったスマッシュ・ヒット
「(アンティル・ゼン・)アイル・サファー」などの
十八番バラードはもちろん、アップ・テンポ曲でも
本領を発揮したサザン・レディ・ソウルの傑作。

男心を離さない、ときたか(笑)。
当時は明確に男性をターゲットにしたソウルの市場があったのかな。
ただ、僕自身はマージー・ジョセフほど艶っぽいとは感じなくて、
おとなしくステディにしたダイアナ・ロスっぽいと思いました。
あ、よく分からないイメージですねきっと・・・
というのも、サザンソウルの傑作とあるけれど、音作りが
意外とモータウンに近いものがあると感じたからで、特に
Only You Know How To Love Meはもろスープリームス風。
ただ、このジャケット写真は、音のイメージとは少し違いました。
もっとシンガーソングライターっぽいものを予想していたので、
割と普通の(もちろんいい意味での)ソウルでした。
ともあれ、この2枚でセットでよくかけています。



☆7枚目


☆7枚目
HURRICANE
Eric Benet
ハリケーン
 (2005)

少しは新しめのR&Bも聴いてみようか(笑)、ということで、
名前だけ知っていたエリック・ベネイ、ブックオフ500円で入手。
聴いてみると、だいたい予想通りの音楽でした。
いかにも1990年代以降の落ち着いたまろやかな響き。
歌は感傷的だけど過ぎないのが僕には聴きやすいところ。
そしてこれはアコースティックギターを基調とした曲が多く、
地に足が着いたしっかりとした響きであるのがいい。
ただ、思ったほど、エキセントリックというかトリッキーというか、
押しが強い部分がなかったというか、しっかりと聴いていると
受け止められるけど、そうじゃなきゃ流れて行ってしまう感じかな。
なんとなく、レニー・クラヴィッツの押しの強さをなくしたうえで、
ソウルに特化した、という感じの人かな、と。
なんて、ファンのかた、失礼いたしました・・・
なかなかいいですね。
新譜が出るという話は聞かないけれど、出るなら買います。



☆8枚目


☆8枚目
TEASIN'
Cornell Dupree
ティージン


コーネル・デュプリー、奇しくも一度名前が出てきていますが、
ダニー・ハサウェイのライヴなど、ソウル系の名ギタリストの
これは最初のリーダー作。
昨年惜しくも亡くなられましたが、アルバムが出ていたのは
最近まで知らなくて、なんだか慌てたように購入。
これは、大くくりでいえばフュージョンになるのかな。
R&Bやソウル系のインストゥロメンタル、ということですが、
そうか、その流れがフュージョンにつながったのかな。
だからブッカー・Tやバーケイズのような音楽は、その後は
ジャンルとしては独立しなくなったのかもしれない。
コーネルのギターが、時には優しく時には力強く音色を奏でる、
気持ちよい音楽、というイメージがぴったりの1枚。
かけておくとなんだかいい気分になれる音楽ですね。
僕はフュージョンが苦手とよく話しますが、もしかして、
そろそろ聴けるようになってきたのかもしれない(笑)。
まあ、音楽の好みは年齢により変わるものでしょうからね。



☆9枚目


BLACK BYRD
Donald Byrd
ブラック・バード
 (1973)

ドナルド・バードは1950年代から活躍したジャズマンですが、
このアルバムは、ソウル華やかなりし頃、ジャズの側から、
R&Bを通してソウルにアプローチしてみたという1枚で、
これが見事に大ヒットを記録しました。
そのことは、バラカンさんの本「魂(ソウル)のゆくえ」で知り、
爾来ずっと聴きたかったのが、昨秋、EMIジャパンから
ジャズ名盤999円で出たことを知り、ついに買いました。
ところが、これが届いた翌日、ドナルド・バード氏が亡くなったと
ネットで知り、あまりのタイミングに驚き、残念な思いに。
でも、これはいいですね!
空を飛ぶような軽くて爽やかなイメージの音作りでアルバム進み、
それこそ「ジェットストリーム」の世界。
買う前に予想したほど本格的なジャズっぽくなく、むしろこれは
フュージョンと言える音作りかな。
特に最後のWhere Are We Going?はとても懐かしい響きで、
どこかで聴いたことがあるような、というか、ほんとうに小さい頃に
それと意識せずにラジオで聴いていたかもしれない。
この曲に出会えただけでも買ってよかった。
歌があるのですが、このアルバムの歌はソウルのそれではなく、
あくまでもサウンドの一部として音符を表現しているだけ。
だからかえってサウンド全体に気持ちが入ってゆきます。
おそらく、僕が初めて大好きになったフュージョンのCDですね。
もしかしてこれから、普通に聴けるようになるのかな・・・
ともあれ、今回のいちばんのおすすめはこれ!
なお、このアルバム、詳しくはこちらの記事をご覧ください。



☆おまけ


ORIGINAL ALBUM SERIES
R.E.M.


今回は気がつくとほとんどソウルやブルーズ系。
最後くらいは僕らしく記事をしめたいですね(笑)。
というわけでR.E.M.を。
例の(チープな)紙ジャケット5枚組が出ました。
11枚目のUP!から、REVEAL、AROUND THE SUN、
ACCELARATEそして最後のCOLLLAPSE INTO NOW
まで連続した5枚が収められています。
もちろん僕は既にそのすべてを複数枚持っているので、
まあこれはコレクションの一環ということですね。
実はまだ聴いていない、封を切ってっもいません(笑)。
R.E.M.が解散してしまった以上、やっぱり、何でもいいから
新しいものが出ると買いたくなるのです。
なんて書いていて、R.E.M.が解散してしまったことが
いまだに信じられない自分がいることに気づきました。


02


いかがでしたか!

昨日まで買った旧譜CD、これでもまだ積み残しがあるので、
4月も早々にこの記事が上がるかもしれません(笑)。





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