What Goes On  ザ・ビートルズ

guitarbird

2016年07月07日 18:54

01


What Goes On
The Beatles
(1965)
The Beatles 40/213

本日7月7日は
リンゴ・スターの誕生日
1940年生まれ
今年で76歳
リンゴおめでとう!


さて、リンゴの誕生日ということで、
「ビートルズの213曲」もリンゴ・スターの歌でいきます。

前回がMichelle、僕はビートルズの曲をひとつ思い出すと
アルバムで次の曲が自然と頭に浮かんでくる。
だから今回はこれなのですが、ちょうど誕生日に上げられました。

What Goes Onはビートルズ6枚目のアルバム
RUBBER SOULのB面1(=CD8)曲目として
1965年12月3日に世に出ました。
邦題「消えた恋」
作曲者はリンゴ・スターとレノン・マッカートニー、
Lennon-McCartney-Starkey、ヴォーカルもリンゴ。
リンゴが初めて書いた曲と僕がビートルズを聴き始めた頃には
言われていましたが、実際はレノン・マッカートニーの助けを受けた曲。
デビュー前にジョンが下地を書き、RUBBER...での録音に際し、
ポールとリンゴが協力して作り上げたものですが、
リンゴは歌メロをのせたくらいのものだという話も。

では曲、アルバムジャケットの静止画ですが。



 What Goes On
 The Beatles
 (1965)


先ずは『ビートルズ・レコーディング・セッションズ』から。

***

1965年11月4日(木)

いよいよ最終期限が近づいてきた。
ニューLPのリリース予定日まであと1か月もないというのに、
まだ半分弱の曲しか録音されていないばかりか、
これから書く曲さえあった。

これは2つの行為を促した。
そのひとつは、深夜のセッションがこれまでのように
偶発的なものではなく、予め計画されたものになったこと。
例えばこの日のセッションは、前もって午前3時までと
決められた(実際に終了したのは3時半)。
もうひとつは、少なくともこの日に限っていえば、
ビートルズがかつて放棄したアイディアを再び取り上げ、
2曲をよみがえらせたことだ。
うち1曲はまたもや放棄され、いまだに日の目を見ない。(注1)

ビートルズがWhat Goes Onのレコーディングを
最初に試みたのは、1963年3月5日。
(今回は)時間がないため、その時のテープを聴き返すことは
しなかったが、(初録音)当時でさえ相当古い
レノン・マッカートニー・ナンバーだった。
リンゴはこの曲で、LP1枚につき1曲を歌うというノルマを果たす。
彼はまた、コンポーザーのクレジットにもを連ねることになったが、
彼が曲作りの上でどんな貢献をしたのか、定かではない。

この曲は1テイクで録音され、リンゴのロカビリー・ヴォーカル及び
ジョンとポールのバック・ヴォーカルがオーバーダブされた。


***

ジョン・レノンの言葉はありません。

ビートルズって割とパターンみたいなものを決めていなくて、
その時々にベストと考える曲やアルバム作りをしていましたが、
そう考えると、前作HELP!に続いてこのRUBBER SOULでも
リンゴが歌う曲がB面1曲目(=CD8曲目)に収まっているのは、
単なる偶然なのかなと。
ただ、1枚に1曲しかないリンゴの歌を入れるとなると、
声が独特なだけ入れる場所が割と限られるのかもしれないですね。
ちなみに次作REVOLVERでリンゴが歌うYellow Submarineは
A面6曲目に入っています。
ああでもそうだ、リンゴ1曲目というのはさすがにないですね。
と思ったらあった、Yellow Submarineはサントラではそうですね。

さて、この話で思い浮かべるのは、ビートルズに限らず、
ヴォーカリストが主に歌メロを作ってゆく場合、
ヴォーカリストの名前がクレジットに入るか入らないか、ということ。
関わり方は様々で、ローリング・ストーンズはミック・ジャガーが
共作であっても曲作りをしていてクレジットがありますが、一方で
クレジットがなくてもほとんどヴォーカリストが歌メロを作る場合もあり、
これはとりわけほぼ専任のヴォーカリストがいるバンドにおいて
結構あるようですね。
後にインタビューで、あれはほとんど俺が作った、みたいな
発言を読むと、そうだったのかと思う反面がっかりだったり。

この曲の場合、資料を読んだりするに及んで、リンゴの貢献度は、
他のバンドならリンゴの名前が出ないことがあるかな、
というくらいかもしれないですね。

ただ、当時のビートルズはそれだけバンドとしての一体感を
大切にしていたことも察せられます。
ジョンもポールも、僕らはいいからここはリンゴを、
という思いがあったのかと。

もっとも、引用文からも分かるように、当時のビートルズは
多忙を極めていて、リンゴが1曲歌わなければならない、
さてどうしよう、となって古い曲を引っ張り出してきた。
それ以上ではないかもしれないですけどね(そんな気がする)。

この曲ですが、お誕生日にこんなこと言うのもなんだけど・・・
ビートルズの曲の人気投票をすると、もしかして200位台、
というくらいに下の方でしょうね。
人気があるとすればその要素は、リンゴの初めての曲であること、
一応はポピュラー音楽史上最高のソングライティングチームである
レノン・マッカートニーの作品であること、かな。

僕も正直、最初に聴いた時に、ジョンとポールが歌う曲から見ると
何かが足りない、と思ったものでした。
(ジョージ・ハリスンの歌はひとまず置いておくとして)。

歌メロがとってもいいわけではない、まあ普通にいいかな。
でも、僕は、リンゴがあの高くて大きな鼻にかかった声で
気持ちよさそうに歌っているのを聴くのが好きなので、
これはこれでいいですね(内容はまあ失恋のことだけど)。

僕が思うにこの曲の最大の聴きどころは、
大きくてよく通る声で歌うジョンとポールのコーラス。
作曲者自身もそれほどいい歌とは認めていないことを隠し、
その上でできる限りの努力をしてみたという感じ。
怪我の功名というべきか、だからこのサビの部分では
リンゴの主旋律よりコーラスが強く印象に残るし、期せずして
ビートルズはコーラスが面白いことを証明したともいえるでしょう。
僕も一応口ずさむことはあって、やっぱりコーラスが楽しくて
口ずさむことが多いですね、昔から。

もうひとり、ジョージ・ハリスンも、
カントリーっぽい曲ではギターを弾くのが楽しそう。
生き生きしたプレイを聴かせてくれますね。

3人とも「リンゴのため」という気持ちが伝わって来て、
その辺りはリンゴの人柄なのかなと思います。

もちろんアルバムの中で聴くといい感じで流れてくる。
特に、A面最後の重たいMichelleの後、レコード盤、
というより僕の場合LPを録音したカセットテープをひっくり返すと、
まるで毒消しのように軽い曲とリンゴの声が流れてくる。
その効果がいい。
CDだと続いていますが、その短い間(ま)で変わるのもまたいい。
しかも次にまたGirlという重たい曲が控えているだけに、
アルバムでの緩急のつけ方が上手いと、特にこのアルバムは思う。

なお、ステレオヴァージョンでは曲の終わりの部分に
ギターソロが入っていますが、モノーラルヴァージョンには
それが入っていないという明確な違いがあります。
僕はステレオを先に聴いたからか、入っている方が好きですね。

僕個人の思い出もひとつ。
歌詞の中の以下のくだり
"Did you mean to break my heart and watch me die"
なにも「死ぬ」まで言わなくても、と、このフレーズが
中学生には強烈でした。

リンゴといえばリンゴ・スター&ヒズ・オールスター・バンド
Wikipediaで調べると、この曲は2006年と2008年のツアーで
演奏されたようです。
きっと最初に演奏された時はかなり盛り上がったでしょうね。
でも、見る限り演奏されたのはその時だけで、
リンゴの中でもあまり大きな意味はない曲なのかな。
この曲の経緯を鑑み、ジョンとポールに遠慮しているという部分は、
リンゴのことだからあるかもしれないですが。


02


リンゴ・スター&ヒズ・オールスター・バンドは
今年の10月から11月にかけて来日します。
前回は2013年だったので、意外と短い間隔ですが、
メンバーもトッド・ラングレン、スティーヴ・ルカサーなど、
前回とあまり変わらないようなので、前回評判がよかったのでしょう。

今回の来日情報は、たまたまその2日くらい前に、
3年前は行けなかったので今度来たら行きたいな、
と思ったばかりのあまりにもいいタイミングで驚きました。
行きたい、でも時期的に難しそう。
札幌に来てくれればもちろん行くのですが。
3年前も行かなかったので、今回はぜひともと思いつつ、
近くになるともうチケットとれないかな。
なんとか、いろんな面でその方法を考えてみます。


さて。
213曲の記事、REVOLVERからは4曲連続で取り上げましたが、
RUBBER SOULはIn My LifeとMichelleしか
まだ記事にしていません。
特に理由はない、あくまでもきっかけがあったり思い浮かんだ曲を
記事にしていっているだけの話なのですが。


最後は3ショット。

実は02にもマーサが影のように写っているのですが・・・

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