史上最高かもしれない第51回スーパーボウル

guitarbird

2017年02月06日 18:55

01


今年も「スーパーマンディ」がやって来ました!

第51回スーパーボウル Super Bowl LI

NFLスーパーボウルが行われる2月第一日曜日、
アメリカでは"Super Sunday"と呼ばれていますが、
時差の関係で日本では「スーパーマンディ」。

今年もテレビ観戦。
僕はそういえば二十歳を過ぎてからほとんどの期間を
土日も勤務がある仕事に就いてきたので、
スーパーボウル生中継観戦はこれで26年連続になります。
土日が仕事であることが1年で最も嬉しい日でもありますね(笑)。

今年のカード
NFC          AFC      
アトランタ・ファルコンズ vs ニューイングランド・ペイトリオッツ

ペイトリオッツは昨年の覇者であり、スーパーボウル4度優勝は
全32チーム中4位タイ、8年連続AFC東地区優勝と、
常勝軍団であり、前評判も優勢と言われていました。
クォーターバックのトム・ブレイディはスーパーボウル4勝、
今年勝てば5勝で最多となり、史上最高のQBと呼ばれています。
チームは守備が今季リーグ1位であり、攻撃も3位と
バランスが取れた穴の少ないチーム。
まあ、21世紀に入ってからずっと常勝軍団であり続けている、
チームとしてももしかしてNFL史上最強かもしれない。

一方ファルコンズは球団創設51年で2度目のSB進出。
前回18年前はジョン・エルウェイ率いるデンバー・ブロンコスに
破れ、それ以来の出場となりました。
ファルコンズは攻撃・総得点が今季リーグ1位。
QBマット・ライアンは能力がありながらいまいち勝ちきれない、
という評価が固まりかけていましたが、今年はオフェンス爆発、
QBの優秀さを示すレーティングでも史上2位と才能開花。
ワイドレシーバーのフリオ・ジョーンズは速さ、巧さ、強さ、
すべてを兼ね備え現役No.1レシーバーと言われています。
守備はそこそこと言われていますが、どうなるか。

ここで今回のトリビア。
51回目を迎えるスーパーボウルにおいて、
背番号2のクォーターバックが出場するのは今回初めて。
ファルコンズのマット・ライアンが背番号2。
これはちょっとばかり驚くべきデータです。
というのも、NFLではクォーターバックは基本的に
1から19までの背番号をつけます。
スーパーボウルにスタメン控え含め一度でも出場した
クォーターバックは102人いたそうですが、その中に
背番号2の選手はひとりもいなかった。
確率的に考えれば5人は出ていてもおかしくないのに、
面白いというか不思議なデータですね。
しかしただの偶然より少し確率が低くなる要因がひとつだけ。
背番号2はキッカーかパンターがつけることが慣例的に多い、
ということはあるかと思います。

過去のSB、守備1位と攻撃1位の対戦は何度かありましたが、
攻撃1位が勝ったのは一度しかなかったと解説の森さんが
話していましたが、果たして。

僕は、鳥さんチームであることと、勝ったことがないチームが
出場した際には基本的に応援することにしているので、
今年は断然アトランタ・ファルコンズでした。
初めて勝つ、その歴史的瞬間を観られるのがいいじゃないですか。
それと、ペイトリオアッツのファンには申し訳ないですが、
常勝軍団が勝つのは正直ちょっとばかりつまらない。
常勝軍団を破るのを見るのも醍醐味ですから。


02


※すいませんそうは言いながらもポーラはアトランタのライバル
ニューオーリンズ・セインツの服を着ております・・・

試合開始。
第1クォーターは予想に反してディフェンスの試合となり、
どちらも得点できず。
特にファルコンズはここ8試合連続最初の攻撃を
タッチダウンに結びつけていたものが途切れ、流れが掴めない。

しかし第2クォーターにターンオーバーから攻撃を得た
ファルコンズがそのままタッチダウン、続いてもうひとつ、
さらに守備でインターセプトリターンタッチダウンを上げ、
ペイトリオッツの反撃をフィールドゴールの3点に抑え、
28-3と18点の大差がつく、これまた想定外の試合に。
ペイトリオッツのブレイディは今年28のタッチダウンパスに対して
インターセプトが2つしかなかったこと、そしてプレイオフでは
インターセプトリターンタッチダウンを浴びたことがなかった、
それがこうなった、もう流れはファルコンズで前半終了。

スーパーボウルでは10点以上差をつけられて
逆転勝利した例はかつてなかった。
どうなるかの。

レディ・ガガのハーフタイムショー。
演出が思ったほど派手ではなく、あくまでも歌とダンス中心。
よかった、感動しました。
やっぱり装置による演出に凝るのではなく、
ブルーノ・マーズみたいなショー的に魅せるものや、
今回のガガ様のように歌中心の方が僕は好きですね。
でも今回は逆に大人し過ぎて期待外れだった人も
結構いるかもしれないですが。

そして後半。
まさかまさかの・・・

後半はアトランタ1点も取れず。
特に後半に反則が多く、せっかくフィールドゴールの距離に
進んでも反則で罰退し得点に結びつけられなかったとか、
守備でいいプレイがあっても他の選手が反則したりと。
気になっていました、観ながら。
ちなみにNFLでは反則を犯したチームはその反則の内容に
より5ヤードから15ヤードの「罰退」つまり後退となります。

それにしてもトム・ブレイディのすごさ。
前半では落球が多かったレシーバー陣も奮起し、
パスが次々と決まり、タッチダウンをひとつ返す。
しかしここではポイントアフタータッチダウンのキックを失敗し、
取れるはずだった1点を取り逃すということもありましたが、
後から思えば自らハンディキャップを課したのかと思うくらい。

16点差、タッチダウンと2ポイントコンヴァージョンが
2回続けて成功して追いつくという展開。
2ポイントコンヴァージョンはポイントアフタータッチダウンより
難しいのですが、しかしペイトリオッツはそれをやり遂げ、
残り2分を切り、ついに試合は同点に!
特にワイドレシーバーのジュリアン・エデルマンの「神キャッチ」、
ファルコンズ守備選手に当たったパスのボールが
グラウンドに落ちる前に飛びついてキャッチしたプレイは、
今後長く語り継がれる驚異的なレシーブでした。

ファルコンズは最後の攻撃で前に進めず、
試合はオーバータイム、延長に。
ブレイディのすごさの反面、アトランタは後半の後半はいったい
何をしてたの? というくらいに印象が薄くなっていました。

ここで史上初の出来事に。
まずひとつ、スーパーボウルは今まで半世紀の50回において
オーバータイムになったことは一度もなかった。
意外な気もしますが、史上初、オーバータイムのSB。

コイントスでペイトリオッツは先攻を選択。

オーバータイムでは先攻のチームがタッチダウンを決めると
そこで試合が終わり、フィールドゴールもしくは無得点だと、
後攻のチームが攻撃し、得点を取ると終わり、取らなければ
そのまま試合がサドンデスで終わるまで続くという仕組み。

ペイトリオッツ、最初の攻撃であっさりタッチダウン。
一瞬にして試合は終わりました。
最後もアトランタの選手に反則がありましたが、
試合中に危惧した通り、アトランタは反則で負けたといっても
過言ではないかもしれない。

ふたつめのスーパーボウル史上初がここにて完結。
そう、10点差以上の逆転勝利。

ファルコンズ初優勝という「初」は見られなかったのですが、
それ以上のものを目撃してしまいましたね。

ファルコンズ応援していたし、実はこの記事の前半は、
ガガ様のハーフタイムショーを観ながらファルコンズが
勝つ前提で書いていただけに、落胆が大きかったです。
試合があっけなく終わって虚しかったし。
そうではなくても、スーパーボウルはNFLシーズンの
最後の試合で、終わると虚しさが残るものですが、それ以上に。

でも、やはり勝者を称えましょう!!
トム・ブレイディは史上最多5回目のスーパーボウル勝利。
今回もMVP。
既にレギュラーシーズンとプレイオフ合わせて208勝目というのは
NFL最多勝利記録というように、記録の上でも
ジョー・モンタナを抜いたわけですが、記録以上に
史上最高のクォーターバックと言っていいのではないかと。
そんなすごい選手を同時代に観ることができるのは
NFLファンとしては幸せですね。
僕は別にアンチではなく、ただ常勝チームに他のチームが
勝つことが楽しいと言っているだけで、ブレイディは素直に
あまりにもすごい選手だと常々思っています。

ブレイディの試合後のインタビューに興味深い話がありました。
「試合の前半ではこれをしてはいけないということを
ことごとく犯してきた」

諦めないことが勝利につながる、それはそうですが、
冷静な判断力と傲慢にならずに反省をすぐに修正できる能力も
ブレイディのすごさなのでしょう。

一方負けたアトランタのマット・ライアン。
史上初の背番号2、その記録は出場だけで終わってしまいました。
ううん、今回は勝てると思ったけど、やっぱり最後の最後で
「勝ちきれないQB」というレッテルを剥がせなかったことが
本人も残念でしょうし、応援していた身としても残念です。
来年はアトランタの攻撃を支えたオフェンスコーディネーターが
いなくなるかもしれないというので、持続できるかな。
とにかく守備を強くする、そして反則への意識を強くすることかな。

ファルコンズの守備も前半は大健闘しましたが、後半は
ペイトリオッツの攻撃つまりファルコンズの守備の時間が長くなり、
体力消耗が激しかった。
これもペイトリオッツの作戦勝ちなのかもしれないですが、
3サックを上げた守備ラインのグレイディ・ジャレットは、
勝っていれば間違いなくMVPだったでしょう。
結局守備が大事なのは昨年よく分かったことであり、
今年は守備があってこその攻撃であることが再認識されました。

今年のスーパーボウル、最高に面白い試合でした。
試合内容はもちろん、10点以上の差を逆転したことと
オーバータイムと、史上初が2つもあった第51回スーパーボウル、
これから先ずっと語り継がれる、もしかしると史上最高の試合と
言われるかもしれません。
歴史が今始まったのです。
その瞬間に立ち会えてよかった。


03


※ぽんちゃんは(今年はまだ)スーパーボウル観戦不参加でした。

※※遡って写真01に写っているペイトリオッツの長袖Tシャツは
一昨年のものです。

さて、「鳥さんチーム」のアトランタ・ファルコンズは負けたわけですが、
3年前の第48回は同じ鳥さんチームのシアトル・シーホークスが
初優勝、翌年はペイトリオッツに敗退したものの、さらに4年前は
ボルティモア・レイヴンズが勝っているので、「鳥さんチーム」は
ここ5年でスーパーボウルに4回出場しているんですね。

来年、ファルコンズもシーホークスも応援するけれど、今度は、
アリゾナ・カーディナルスとわがフィラデルフィア・イーグルスが
出るとさらに嬉しいかも。

とここまで書いてふと気づいた。
ニューイングランド・ペイトリオッツは
第39回でフィラデルフィア・イーグルス、
第49回でシアトル・シーホークス、
に勝利し、そして今年第51回でアトランタ・ファルコンズと、
これで「猛禽チーム」3つすべてにスーパーボウルで勝ったわけで、
猛禽にとってペイトリオッツは天敵ですね(笑)。

そのニューイングランド・ペイトリオッツがいるAFC、
来年こそカンザスシティ・チーフスがペイトリオッツを止めるぞ!

と、毎年ですが、早くも来シーズンに向けて楽しみが膨らんでくる、
そんな「スーパーマンディ」の夜なのでした。


最後は「スーパーマンディ」の朝の3ショットにて

04



あなたにおススメの記事
関連記事