ベスト・バラード・コレクション ロッド・スチュワート

guitarbird

2014年05月09日 22:45

※guitarbirdはただ今遠征に出ております
この記事はタイマーで上げています
お返事が遅れることがありますが、予めご了承ください


先日のAll For Loveの記事の際に決めた、このアルバム。
僕がいっちばん好きなヴォーカリスト。

01


IF WE FALL IN LOVE TONIGHT   Rod Stewart
ベスト・バラード・コレクション ロッド・スチュワート
 
released in 1996

その名の通り、
ロッド・スチュワートのバラードを集めた企画ものですが、
新録音・新曲も4曲含まれており、冒頭の4曲がそれ。

ロッド・スチュワートほど
他人の曲のカバーが上手い人はいません!

断言します!
作った人よりも曲の気持ちが分かっているんじゃないだろうか。
というのは言葉のあやですね。
ポップソング=ロックの楽曲は、歌詞は、
聴いた人が好きに解釈できるものでありますし。

しかし、それにしてもロッドの歌は説得力があります。

ひとつは、ロッド自身の感情はあまり反映されていない、
ここがポイントだと僕は考えています。
歌い手=演じ手の感情が色濃く反映されると、
それはもはやポップソングではなくなります。
メガショービジネスであるポピュラー音楽の世界では、
演じ手の私生活や私情は本来見せないものなのですし。

02 白い花の桜、夏にはサクランボがなる木


そしてさらに、聴き手があたかも自分が歌っているように感じる
そこがまたポピュラー音楽の特徴でもあると思います。
もっというなら、自分がこう歌えたら気持ちいいだろうなぁ。
カラオケはまさにそれを実践しているものにすぎません。
もし、歌い手の感情が色濃く反映されていれば、
多くの人が歌ってみたいとは思わないでしょう。
そうした音楽は、受け付ける人は大好きになるけど、
そうではない多くの人は、自分のものとして聴けない・・・

もちろん僕は、歌い手=演じ手の感情が色濃く反映される音楽を、
否定するものではありません。
ただ、自分はそうした音楽が苦手であり、
小さい頃からポピュラー音楽を聴き続けてきた、というまでです。
さらにいえば、僕は、
多くの人が聴く音楽の中に自分だけの解釈を見つけることが好き、
という面が強い、ただそれだけのつまらない人間です。

長くなりましたが、ロッドの説得力は、
決して「歌い手として歌唱力が優れている」というものではなく、
あくまでも、ポピュラー音楽という世界において、
多くの人に伝わりやすい気持ちを表すことが上手い

というものなのです。

でも、じゃあそれは何に起因するのかというと・・・
今の僕には、それこそがまさにロッドの個性である、
としか表現することができません。

ということで、ロッドのアルバムの記事を最初に上げる際に、
これは先ず言っておきたい、と思っていたことでした。

03 アオジ(露出オーバー)



Tr1:If We Fall In Love Tonight
ブラック系の名プロデューサーティームの
ジャム&ルイスと組み、彼らが作曲したまったくの新曲。
新し物好きのロッド、嗅覚が鈍っていないことを示した曲。
いかにも1曲目という、爽やかで、軽やかなバラード。
あ、このアルバムは「バラード・コレクション」だから、
みんなバラードなんだっけ(笑)。


Tr2:For The First Time
このアルバムで2番目にいいのはこの曲!
映画音楽で活躍するジェームス・ニュートン・ハワード作(共作)。
ここでは「新曲」となっていますが、同じ頃にこの曲を、
ケニー・ロギンスが、映画「素晴らしき日」のサントラで歌い、
そちらがグラミー賞などにノミネートされています。
というのは、この記事を書くのに調べて分かったことですが、
実は僕、この曲は、最初に聴いた頃からずっと、
オールディーズのカバーだと思い込んでいたんです。
勘違いもはなはだしいですが、だけど、
そういう古き良き時代の雰囲気を持った新しい名曲だと、
今回記事のために聴いて、思いました。
これは素晴らしい!
切なさの極み!
切ない曲が大好きですからね、僕は(笑)。
ちなみに映画「素晴らしき日」の主演は、ジョージ・クルーニーと、
僕が大好きなミシェル・ファイファーです(そいえば映画観たことある)。


Tr3:When I Need You
レオ・セイヤーのヒット曲で、
かつてアルバムを記事で紹介したアルバート・ハモンドが、
作詞家・作曲家のキャロル・ベイヤー・セイガーと組んだ曲。
そうか、レオ・セイヤーのこの曲自体は以前から知ってたけど、
そこで僕は既にアルバート・ハモンドに接していたんだ。
名曲、名バラード。
こちらもジャム&ルイスのプロデュース。
余談ですが、レオ・セイヤーと、キャロル・ベイヤー・セイガーって
紛らわしいですよね。
僕はずっと、キャロル・ベイカー・セイヤーだと思ってましたし・・・


Tr4:Someties When We Touch
そしてまたジェームス・ニュートン・ハワードに戻る。
羽のようにソフトで軽やかな感じの曲。
ここまでの新しい4曲も聴きどころ満載です!


04:落雷で折れて黒焦げになった樹木と新緑、常緑



Tr5:Tonight's The Night (Gonna Be Alright)
1976年のアルバムA NIGHT ON THE TOWNより。
ロッドがカバーの名手であることには何度も触れていますが、
いっぽうで、このような素晴らしい曲を1人で作ってもいます。
全米NO.1ヒットで、1977年の年間チャートNO.1曲でもあり、
ロッドを象徴する曲のひとつでしょう。
なお、オリジナルバージョンのエンディングに入っている
女性のエロティックな声がここでは、それが始まる前に
フェイドアウトされていますが、そうして正解だと僕は思います。


Tr6:I Don't Want To Talk About It
1975年のアルバムATLANTIC CROSSINGより。
この曲はこちらの記事をご参照ください。


Tr7:Have I Told You Lately (studio version remix)
1991年のアルバムVAGABOND HEARTより。
この曲は、ロッド・スチュワートでいちばん好きな曲です。
ロッドのみならず、僕がリアルタイムで聴いた
全てのロックの楽曲の中でも、間違いなく5指に入るくらい、
大切な、思い入れもたっぷりの曲。

だからこの曲は、また、いつか、バラードの記事にします。
ただ、すぐにそれが出来る自信や勇気が、今はないのですが・・・
でもやっぱりひとことだけ。
「普通の1日」の喜びを歌った歌です。


Tr8:Your Song
あのエルトン・ジョンの、ロック史上でも屈指の名曲のカバー。
ロッドとエルトンは若い頃から交流があり、
ロッドの1970年の名作GASOLINE ALLEYでも、
エルトンは自分の曲にヴォーカルでも参加しています。


05:春もみじとシラカンバ



Tr9:Forever Young (1996)
元デュラン・デュランのアンディ・テイラーをギターに迎え、
思い切ったロック路線に打って出た1988年のアルバム
OUT OF ORDERからのヒット曲。
ロッドとバンドメンバーの共作。
ボブ・ディランの名曲とは同名異曲。
元々、バラードというよりミドルテンポの落ち着いた曲ですが、
このアルバムのために、バラードに編曲して再録音しており、
それでタイトルが(1996)になっています。

が、ごめんなさい・・・
はっきり、意欲は買うのですが、僕は、元のバージョンが、
ロッドの中でも10指に入るかというくらいに大好きなので、
このバラードのバージョンは好きではありません。

ただ、ロッド自身がこの曲をそれだけ気に入っていることが分かり、
うれしかったことは確かです。
この曲のいいたいことはタイトル通り。
いつかこの曲も独立して記事に。


Tr10:You're In My Heart
1977年のアルバムFOOT LOOSE AND FANCE FREEより。
これもロッド1人で作曲。
まあ、ロッドの曲は、展開もなく単純な進行なのですが、
それだけに旋律のよさが際立っているともいえます。
この曲は、ヒット当時にテレビかラジオで耳にしていたらしく、
ロッドを聴くようになり自分でLPを買ってこの曲を聴いて、
あ、知ってる、と。
でも、僕個人のレベルを超えて、この曲には何か、
1970年代ノスタルジーを感じさせるものがあります。
そう、ビリー・ジョエルのThe Strangerなどのように。
余談、ロッド大好きな僕の友達は、この曲は
「まあいいけど・・・」と言ってあとは鼻で笑ってました(笑)。


Tr11:My Heart Can't Tell You No
これも先述OUT OF ORDERからの曲。
タイトルの語感、いわゆる「非生物主語」が、
日本人の僕には違和感がありました(今でもあります)。
もがき苦しみ、ためらうような、切なさにあふれた曲。
そのアルバムは、4枚のシングルが、
大ヒットはしなかったんだけどみなTop20くらいに売れ、
アルバムも最高位は低いんだけどじわじわと売れた
不思議なアルバムでもあります。


Tr12:First Cut Is The Deepest
再びアルバムA NIGHT ON THE TOWNより。
これはずっとロッドの曲だと思っていました。
年にシェリル・クロウがベスト盤を出す際に、
新録音としてこの曲をカバーしていましたが、それは、
ロッドの曲をカバーしたのだと思っていましたし・・・
しかしオリジナルは1970年代のシンガー・ソングライターである
キャット・スティーヴンス
ロッドのカバーのうまさを物語る1曲。
サビの歌い方はロッドにしか出せない味。
ただ、オリジナルは聴いたことがないのですが・・・


06:新緑の森



Tr13:Sailing
再びアルバムATLANTIC CROSSINGより。
この曲はこちらの記事をご参照ください。


Tr14:Downtown Train
1989年に出た4枚組ボックスセットSTORYTELLERより。
これ、僕の中ではいまだに最高のボックスセットです。
ロッドの歴史を、遺漏なく、というといいすぎですが、
最良の形で、各年代万遍なく曲を拾い上げ、
それこそ「ロッドの歴史」を物語る大作に仕上がっています。
ほんと、ロッドのことをある程度詳しくしかし早く知りたければ、
このボックスセットを聴けば理解できます。
これは、そのボックスセット用の新録音曲で、全米3位の大ヒット。
トム・ウェイツの曲。
夜を過ごして朝を迎えた、という雰囲気の曲で、
どこか寂しく、切なく、しかし明るさを絶やさない、そんな曲。


Tr15:Tom Traubert's Blues (Waltzing Matilda)
続いてトム・ウェイツのカバー。
これは、1993年に出た、LEAD VOCALISTという、
半分は過去の曲、半分はロックの名曲の新たなカバーという
まあ、中途半端なアルバムから。
ロッドの中では最も詩情溢れる、劇的な曲でしょう。
もちろんそれは、ロッドの表現力にしてなし得た技ですが、
しかし、それまでのロッドにしては凝りすぎという感じもします。
能天気ともいえる明るさが本来の彼の魅力であり、
重たいバラードをやっても、どこかにその匂いがした、
そんなロッドにしては、真面目すぎ、じめっとしすぎ、
きれいすぎ、きっちりとやりすぎ・・・というか。
それもまたしかし新境地を狙ったのかもしれませんが。
ただ、当時僕は、Tr14に続いてこの路線は少しくどいかな、
と思わなくもなかったです。
嫌いじゃない、好きな曲ですが。
ロッド大好きの友達も、この曲には、いいのかどうなのか、
答えに困っていた記憶があります。


Tr16:All For Love
これは、このアルバムの記事を上げるきっかけとなった、
一昨日のこちらの記事をご参照ください。
ちなみに、ロッドはどこを歌っているか、分かりますか(笑)。



なお、このアルバムは、
UK盤、インターナショナル盤、US盤、日本盤とあり、
それぞれ選曲と曲順が違うので、注意が必要です。
ここで紹介した、僕が持っているのは日本盤で、
Your Songが入っています。

このアルバム、ジャケットの写真もとってもいいなぁ、と思います。
ニュー・ヨークの摩天楼を背景に、ただ、ロッドが
ビルの屋上にいるだけ、しかも曇りで空が白い写真ですが、
それがなんとも、うまくこの切なさのようなものを表していると。
ロッドの青いスーツがまたカッコいいし!

正直、あの曲を入れてほしかった・・・というのはありますが、
それを言ったらキリがないですし、これはこれで素晴らしいです。

ところで。
これからの時期、バラードはどうなんでしょうね・・・
どちらかというと寒い時期、というイメージもしないでもないですが、
ま、いい曲ばかりで楽しめるアルバムではあります。

今回の写真は、ここ数日のA公園の風景写真でした。

さて、最後に問題。

次の写真07は、01とどこが違うでしょう!?

07


正解:CDが07は横、01はタテになっている

・・・ほんとは、これをたてで冒頭に使うつもりでしたが、
タテより横のほうが写真的に収まりがいいので、
CDの向きを変えて01を撮り直しました。

あ、ハウが目を開けている
も、不正解ではありません、念のため(笑)。




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