レオン・ラッセル

guitarbird

2016年11月15日 19:29

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昨日朝、レオン・ラッセルの訃報に接しました。
「帽子が印象的なCDジャケット写真集」の記事(こちら)で、
取り上げたばかりといこともあり、驚きました、そして悲しい。


先ずはRO69のネット記事を引用させていただきます。

***

レオン・ラッセルが他界。享年74

ゴスペル、ブルース、カントリーを融合した独自のスタイルで活躍した
レオン・ラッセルが11月13日の日曜日、
アメリカのテネシー州ナッシュビルで74歳の生涯を終えた。

レオン・ラッセルの公式サイトによれば
特定の死因は明らかにされていないが、
就寝中にそのまま逝去したという。

http://www.leonrussellrecords.com/news.shtml

ラッセル氏の健康状態は近年大幅に後退しており、
2010年には脳脊髄液漏のため手術を受けており、
心不全の治療も受けていたという。
また、彼の故郷であるオクラホマの
「historical society of Oklahoma」のニュースによれば、
今年7月に心臓発作を起こし更なる手術を予定していたという。


***

寝ていてそのまま亡くなったというのは、弱っていたのかな。
健康状態がよろしくなかったのですね。
外見のイメージ通りという感じがしてしまうのが、
余計に悲しいところです。


レオン・ラッセルは、ロックを聴き始めて割と早く、
いやCDの時代になって早くに初期のアルバム2枚買いましたが、
でも当時はA Song For You以外はあまり琴線に触れず。
やっぱりスワンプロックが苦手だったんだなあって。

ビートルズとの接点は、解散後のジョージ・ハリスンの
「バングラデシュ」があり、レオンの2枚目には
ジョージが参加しているというのでCDを買いました。
しかし、それはむしろジョージがそっちの世界に行ったような
感覚だから、僕には正直「アウェイ感」がありました。

その後はずっとその2枚をほぼオリンピック周期で
思い出したように聴いてきた、というくらい。


転機となったのは5年前、2011年9月。
CDも扱う古書店で、エルトン・ジョンとのアルバム
UNION(アルバム記事はこちら)を見つけて買ったことでした。
これが素晴らしい、ほんとうに素晴らしい。
このCDとの出会いがなければ今頃僕はいまだに、
レオン・ラッセルもエルトン・ジョンも聴いていなかったかもしれない。
この作品は、エルトンはエルトンらしく、レオンはレオンらしく歌う、
ただそれだけなのになぜか不思議な一体感があるんですよね。
ぜひ一度聴いていただきたいアルバムです。

あ、と思ったけど順序が違った、申し訳ない、遡って2011年8月、
LIVE IN JAPANを買ったことがそもそものきっかけでした。
1974年に日本だけで出た同名LPに曲を追加し、
新たなライヴ盤としてその頃に出たのをAmazonで知り、
買って聴いてみたのでした。
そのライヴも別BLOGで記事にしています、こちらです

それを買ってすぐに古書店でUNIONを見つけてはまった、
というのが正しい流れでした。

それがあって僕はいつもの(以前の?)悪い癖で(笑)、
レオン・ラッセルのアルバムを集め始めました。
でも彼は近年は自費出版のような形でリリースしていたようで、
そこまで手を広げると大変、結局UNIONが僕が持っている
レオンの最も新しいアルバムということになっています。

アルバムはだいたい気に入りました。
70年代のはみな素晴らしく、特にCARNEY(記事こちら)がいい。
ジャケットが「ブッチー武者」みたいなやつですね・・・

あと、車の中で犬を抱っこしたジャケットが悲し気な
AMERICANAも気に入りました。

ただ、よく聴き込んだかといわれれば自信はない。
最近、CDの棚を整理していますが、
その際にレオン・ラッセルのコーナーを見て、
ああもっと聴き込みたいと思っていたところでした。

それだけに悲しいですね。

02


レオン・ラッセル。
僕くらいの年代で洋楽を好んで聴く人は、
いつの間にか知っている、そんな人だと思います。
A Song For Youは日本における洋楽を象徴する1曲でもあるし。

僕は10代の浪人生の頃にラジオか何かでA Song For Youを知り、
すごい曲だなあ、こんな曲を作って歌える人がいるんだと
いたく感激したものでした。

大学に入り、ロッド・スチュワートが好きな友だちSと知り合い、
洋楽の話をいろいろするようになってから、
「レオン・ラッセルという人のA Song For Youという歌は知ってる?」
と聞くと、Sは知っていると答えました。
あれすごいよね、うん俺は声が好きじゃないけど、
といった会話をしたようなしないようなおぼろげな記憶がありますが、
やっぱりSもレオン・ラッセルとその曲を知ってたんですよね。




 A Song For You
 Leon Russell & Friends
 (1971)

スタジオライヴ。
やっぱりあの歌い方、真似できないですね。
レオン自身はおろか音楽界全般を見通しても、
これに似た曲はない、それほど個性的な名曲でしょう。
真似るとすぐにばれるだろうし。


もう1曲、CARNEYから。




 Queen Of A Roller Derby
 Leon Russell
 (1972)

軽やかだけど粘ついているって、こんな個性の人、他にはいない。
歌メロのうねうね感がまたある種の快感でもありますね。


20代の頃はレオン・ラッセルをまともに聴くことなく過ぎましたが、
カーペンターズのSuperstarがレオンの曲と知って驚きました。
でも、よく聴くと実はいかにもレオンっぽいと今は思う。
逆にカレンの歌い方が素晴らしいカヴァーなのでしょうね。




 Superstar
 Carpenters
 (1972)


レオン・ラッセルのカヴァーでもう1曲有名なのが
ジョージ・ベンソンのThis Masqueradeでしょう。
僕はこれ逆に、レオン・ラッセルの曲だと知ってから、
ジョージ・ベンソンのを聴きました。
でもレオンによるヴァージョンを初めて聴いたのはつい最近ですが。




 This Masquerade
 George Benson

この曲も今聴くとピアノの始まり方がいかにもレオン・ラッセル。
そしてこの曲もギターとのユニゾンなど、ジョージ・ベンソンらしい
アレンジに仕上がっている名曲ですね。


僕がレオン・ラッセルに大感謝しなければならないこと。
トム・ペティ。

トム・ペティ&ザ・ハートブレカーズのデビューアルバムは、
当時レオン・ラッセルが持っていたレコードレーベル
Shelterからリリースされました。

レオン・ラッセルはデビュー前のトム・ペティの才能に惚れ込み、
作曲方法からプロとしてやってゆくためのいろはを教え、
自らのレーベルからトム達をレコードデビューさせたという。
面倒見がいい人なのでしょうね、だから周りに多くの人がいた。
その仲間を"shelter people"=「隠された人々」と名乗るあたり、
やっぱりちょっと人を喰ったところがありますね。
トムもそれを受け継いでいるのが面白いところ。
あ、いや、トムのそれは持って生まれたものかな。




 Breakdown
 Tom Petty & The Heartbreakers
 (1978)


最後にもうひとつ僕がどこかで聞いた逸話。

エリック・クラプトンが最初のソロアルバムを作る時、
アメリカにすごい若造がいる、という話を聞きつけ、
スタジオに呼んで会うことにした。
そいつはアメリカ南部の音楽の知識が豊富でエリックは感激した。
それがレオン・ラッセルだったという。

そのアルバムから、クラプトンとレオン・ラッセルの共作のこれを。




 Blues Power
 Eric Clapton
 (1970)



アメリカ南部音楽、スワンプロックの生き字引。
ヒット曲の数とかそういうことではなく、
ロックミュージック全体に与えた影響、遺したものが
とてつもなく大きいミュージシャン。

レオン・ラッセル R.I.P.


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