Touch And Go エマーソン・レイク&パウエル ~追悼キース・エマーソン

guitarbird

2016年03月15日 18:44

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キース・エマーソンが亡くなりました。

今回は複数のネット上の記事をひとつにまとめて紹介します。

***

キース・エマーソンが3月10日、米カリフォルニア州の自宅で他界した。
享年71。
エマーソン・レイク・アンド・パーマーがバンドの
公式フェイスブックを通じて発表した声明は以下の通り。

「残念なことに、キース・エマーソンが昨晩、
ロサンゼルス・サンタモニカの自宅で亡くなったことを
お伝えしなければなりません。
71歳でした。
ご家族のプライヴァシーとご心痛にご配慮いただけますよう
お願い申し上げます」

キース・エマーソンは1970年、キング・クリムゾンのグレッグ・レイク、
そしてカール・パーマーと共にELPを結成。
彼らは同年8月のワイト島フェスティヴァルで華々しいデビューを飾り、
続けてデビュー・アルバム『エマーソン、レイク&パーマー』を発表した。
79年の活動休止までに7枚のアルバムをリリースし、
91年の再始動以降もアルバム2作を発表。
バンドは98年に再び活動休止を迎えたが、
結成40周年にあたる2010年には復活ライヴも行っていた。
また、ELPでの活動のほかにもソロ・アルバムや
映画音楽作品を数多く残し、4月には
「キース・エマーソン・バンド featuring マーク・ボニーラ」
として来日公演を予定していた。



ELPのベースでもありヴォーカルのグレッグ・レイクは
以下のような追悼文を発表している。

「世界中にいるELPの友人、ファンのみなさんへ 
この悲報に接し、僕は深い悲しみに包まれている。
みんなも知っている通り、キースと僕は長年に渡り、
人生の素晴らしいときを一緒に過ごしてきた。
彼の人生がこのような形で終わりを迎えるとは、
僕自身、そして彼を知る全ての人々にとって痛ましいことだ」

「キースの死は悲しく、痛みをともなうものではあるが、
僕はみんなにこればかりを記憶に留めておいて欲しくない。
僕がこの先ずっと、キース・エマーソンについて思い出すのは、
そのミュージシャン、作曲家としての素晴らしい才能と
エンターテイナーとしての生まれながらの素質と情熱だ。
音楽は彼の人生だった。
彼が困難に直面したとしても、僕は、
彼が作った音楽は永遠に生き続けると確信している」

ドラマーのカール・パーマーも、キースの死を悼んでいる。

「親友であり音楽的なブラザーでもあるキースが亡くなったと知り、
悲しみにたえません。
キースは優しい心の持ち主でした。
彼の音楽に対する愛やキーボード・プレイヤーとしての
パフォーマンスへの情熱はこれからもずっと
比類のないものであり続けることでしょう。
先駆者にして革新者であり、その音楽的な才能は、
ロックやクラシック、ジャズの世界にいる我々すべてを魅了しました」

「彼の温かい笑顔や、ユーモア・センスや、
人を惹きつけずにはおかないショウマンシップ、
音楽への献身を僕はずっと忘れません。
彼と出会い、共に音楽を作ることができたのは
とても幸運なことでした。
安らかに、キース」



キース・エマーソン(71)が亡くなったことに関し、サンタモニカ警察は
彼が頭部を自ら銃で撃ったことにより亡くなったとし、自殺と断定した。

また、同居するカリフォルニアの住まいでエマーソンの遺体を発見した
ガールフレンドのマリ・カワグチが、イギリスのタブロイド紙、
デイリー・メールに対して語り、同キーボーディストが
自ら命を絶つことになった理由にもなり得る事情を打ち明けた。

「彼はここ何年も右手に問題を抱えていました。
2、3年前に悪い筋肉を取り除く手術を受けましたが、
右手の痛みと神経の問題は更に悪化したのです。
彼は日本でのコンサートを控えており、サポートのための
バックアップ・キーボード・プレイヤーを雇っていましたが、
それでもキースは心配していたのです。
彼はネット上の批判を全て読み、繊細な心の持ち主でした。
昨年、彼がコンサートで演奏すると人々は、
“彼にプレイを止めてもらいたい”
といったような趣旨のコメントを投稿したのです。
彼は十分にできないのではとの心配に苦悩し、
日本公演の後に引退する予定でした。
ファンを失望させたくなかったのです。
彼は完璧主義者で、パーフェクトなプレイが出来ないとの思いが
自分を憂うつにさせ、ビクビクし、不安にさせたのです」


***

ヤフーのニュースで第一報に接し、またか、まだ続くのか、と。
しかもまだ71歳。

第一報では「死因は明らかにされていない」とありましたが、
時間を追うごとに情報が上がってきて、死因が分かりました。
拳銃による自殺。

ショックでした。
昨年秋から訃報を多く上げてきていますが、
今回のショックはまったく別のものでした。

今回は、特にファンの方、申し訳ないと先に言っておきます。

キース・エマーソン、エマーソン・レイク&パーマー、
僕は今まであまり聴いてきていません。
弟の収集癖のおかげで正規盤はすべて家にCDがあるのですが、
聴き込んだといえるアルバムは、正直、ありません。

鳩の1枚目、タルカス、展覧会の絵、トリロジー、恐怖の頭脳改革、
これらは20代前半に買って聴き、今でもたまに取り出し聴いています。
ファンには不評といわれるLOVE BEACHも加えておきますか。
僕の悪癖(!?)、「このアルバムを好きになりたい」という思いが
そうさせていますが、特に鳩のは挑戦してきた回数が多いですね。
タルカスと頭脳改革もそこそこ以上に気に入ってはいます。

でも、愛聴盤といえるものはない。
だから、彼らの音楽について話せることは何もありません。
かえすがえすも申し訳ないのですが。

そのようなわけで、キース・エマーソンの訃報に接し、
記事にするのをためらいました。

でも、
少なくとも「好きになろう」と思っているミュージシャンだから、
記事にしてもいいのではないか、と、自分なりに思うに至りました。
上げないともやもやしたものが残りそうというのもあって。


僕がキース・エマーソンでいちばん好きであり、
思い入れが強い曲が、実はこれなのでした。



 Touch & Go
 Emerson Lake & Powell
 (1986)

カール・パーマーがエイジアで活動していた1980年代、
故意か偶然か、同じ"P"ではじまるドラマー
コージー・パウエルを迎えて制作された唯一のアルバムから。
コージーは「神」でもあり、当時日本でも話題になりました。

この曲は当時まだあった朝日放送系の番組MTVで流れ、
そこで観て知った、というのがまず思い入れが強い部分。
貼り付けたYou-Tube映像には懐かしのMTVのロゴもあり、
夜中にテレビにかじりついていた当時を懐かしく思い出しました。

純粋に曲がいいですよね。
歌はもちろん、特にキーボードのイントロ。
体の中から勇気が湧いてくるような旋律が素晴らしい。
出た頃僕は浪人生だったけど、その後大学で東京に行き、
自分の気持ちが上昇機運にあったことと絡めて懐かしい。

個人的な思い出をもうひとつ。
僕は大学3年の頃、羽田空港でアルバイトをしていました。
週3回夜勤で、土曜は大学の授業の後で仕事、
日曜は帰って寝て起きてまた夜勤、
そして月曜は夜勤明けでそのまま大学へという日々でしたが、
ほんと、今考えるとよく体が持った、若かったんだなあと。

当時、空港では早朝、始発便が出る前に
パイロットの飛行訓練が行われていました。
滑走路に降りてきてギア(車輪)が着地した飛行機が、
そのまま再び離陸するという訓練でした。
その様子を見ていたところ、バイト先の人が
「タッチ&ゴーをやっているんだ」と説明してくれ、
もちろんその時、エマーソン・レイク&パウエルのこの曲が
頭の中で高らかに鳴り始めました。
"Touch & Go"とはそういう意味でもあったんだ、と。
だから僕は今でも、空港に行くとこの曲が頭をかすめます。
ついでにというか、これアルバムもなかなかよくて、
The Miracleはかなりいい曲だと思います。

まあ、そんな他愛のない話ですが、
僕は今でもこの曲が大好きであり、
好きであることについては負い目も何もありません。

ところで、肝心のこのCDが家庭内行方不明になっており、
代わりにその3人のライヴ盤を冒頭写真に使いました。
どこ行っちゃったんだろう・・・

もうひとつ、あまりにも他愛のない話。
NFLアリゾナ・カーディナルスの正QBはカーソン・パーマー。
わが家では、試合中継で彼が写ると
「エマーソン・レイク&カーソン・パーマーだ」と呼んでいます。
もちろん、どちらに対しても親しみを込めたつもりで。

さてこのまま終わるのも何なので、ここで鳩から1曲。



 Lucky Man
 Emerson, Lake & Palmer
 (1970)

この曲は好きですよ、最初から。

これ、グレッグ・レイクが
リンゴ・スター&ヒズ・オールスター・バンドに
参加した時にも歌っていました。



 Lucky Man
 Greg Lake - Ringo Starr & His All-Star Band
 (2001)

キース・エマーソンからは離れてしまいました・・・

あと3曲ほど好きな曲を。


 
 Love Beach
 Emerson, Lake & Palmer
 (1978)

彼らのみならずプログレの勢いが落ちてきた頃、
ELPもこんなことをやっていました、という例。
断っておきますが、僕は好きです、はい。


続いて



 Are You Ready Eddie ?
 Emerson, Lake & Palmer
 (1971)

僕が初めて買ったELPのアルバムはTARKUS。
大学時代、キング・クリムゾンのあれと一緒に買いました。
「プログレ四天王」のうち、それまで聴いていたピンク・フロイドと
イエス以外のあとふたつ制覇しようと思ってのことでしたが、
その最後にこれが入っていて驚きました。
「プログレの人でも普通のロックンロールやるんだあ」、と。
偏見みたいなものがあったのでしょうね(笑)。

コーラスがなんだかユーモラスですよね。
クイーンのCrazy Little Thing Called Loveの
"Ready Freddie"というコーラスはこれを意識した?! なんて。

ついでにいえば、アイアン・メイデンのマスコットキャラクター
「エディ」を連想する曲でもあります。


そしてもう1曲。



 Jerusalem
 Emerson, Lake & Palmer
 (1973)

このアルバムは最初、特殊デザインのCDを
中古で見つけて買ったのもちょっとした思い出。


自殺は決して肯定されるものではない。
でも、完璧主義というキース・エマーソンの話、
理解できる部分がないわけではない。
だけどやっぱり、生きてほしかったですね。
来日公演を控えていたというだけに。

もちろん僕は、これからELPを少しずつ聴いてゆきます。

安らかにお眠りください。


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