Best Of My Love イーグルス

guitarbird

2016年09月19日 22:58

01


 ◎Best Of My Love
 ▼我が至上の愛
 ☆The Eagles
 ★イーグルス
 released in 1975
 2016/9/19


"Every morning I wake up and worry,
 what's gonna happen today"

毎朝起きて不安になる、
今日はいったいどんなことが起るんだろうって



今日の1曲、Best Of My Love イーグルス。

先ずは曲から。




 Best Of My Love
 Eagles
 (1975)


今回も訳詞から。

***

毎晩君をこの手に抱く夢を見ながらベッドで寝る
僕たちが話したすべてのことを考えると
もうだめになってきているかもしれないと思う

話なんてしたくないけれど、言葉は勝手にあふれ出てくる
君は最高に愛してくれようとしているのは分かるんだけど


きれいな女性たち、にぎやかで意味もなく大きな部屋・・・
僕たちの生き方に思いを巡らせてみよう
その場しのぎの会話とワインがどれほどのものを残してくれたのか

いつもの人込みが暗くて重たい雲のようだ
僕たちはその雲より高いところには行けないのかもしれない

だけど今ここで僕は最高の愛を示すよ
スウィート・ダーリン、君は最高の愛を勝ち得るんだよ

いつしか気持ちが前に引き戻されてしまう
いい夢だったね
静かな夜、僕たちはきっと大丈夫
そう、眠り続けてさえいればね

毎朝起きて不安になる
今日はいったいどんなことが起るんだろうって
君は君の、僕は僕の道を見ているけれど
僕たちはどちらも空回りしているだけなんだ
そうだよ、僕たちはいつも一緒にいるんだ
でもそれだけでは足りなかったんだね

君には最高の愛をあげるよ
スウィート・ダーリン、最高の愛を

***
 
最近思う。
歌詞の意味ってほんとうに分かっているのだろうか? と。

特にラヴソングは。

もちろん読んで理解はできるし、音楽の場合はそこに音があって
感情をなぞってくれるので理解はしやすい。
 
理解。

でも、理解するのと「分かる」のとは違う。

 
イーグルスのBest Of My Love。
訳詞は書きましたが、大筋でいえばこういう曲。


ある恋人どうし、お互いに「好き」なのは分かっているけれど、
なんだか気持ちがかみ合っておらず擦れ違いの状態が続いている。
ここでお互いを見つめ直し、最も大切なもの、
お互いの愛を確認し合おう。


この曲は歌詞が好きです、昔からずっと。
そういう状況はいまだかつて経験したことがないけれど、
どういうことを伝えようとしているのかは昔から理解はしていました。

でもやっぱり、ラヴソングで歌われていることは、
まったく同じではなくても自分の実体験に即して理解しないと、
意味が分からないのではないかな。

逆をいえば、それまで何十年も聴き続けて理解してきたはずの曲が、
実体験を伴うことにより「そういうことだったのか!」と
「分かる」ようになる。
 
最近、そう思うようになりました。

ということは、歌で歌われているようなことを、
曲を作った人は大なり小なり実際に体験しているのだろうな、とも。

それを個人の枠に収めず多くの人に共感を得られる言葉で表す
ソングライターはやっぱり並ではない才能を持っているのだと、
この齢にしてもしかして初めて気づかされました。

 
Best Of My Loveはやっぱりサビの
♪うぉうおほぉ~~っ すうぃ~(と) だーりん
という部分の歌メロと言葉の響きが強く強く印象に残る。
ヒット曲として一級品、実際にビルボードNo.1に輝いていますからね。
 
しかし、イーグルスの曲としては存在が
あまり目立たないような気がしませんか?
それは日本だけのことかもしれないけれど。

まあ、イーグルスには有名な曲が多く、
これはただの比較の話に過ぎないのですが。

でも僕は、その、1位になったのにそれほど目立たないという
微妙な立ち位置が妙に好きで、この曲はずっと
イーグルスで2番目に好きな曲であり続けています。
ちょっとだけ斜め下から見るのが好きな人間ですからね、僕は(笑)。
 
ちなみに1位はNew Kid In Townで、それはイーグルスのみならず、
1970年代のビートルズとそのメンバーの曲を除いた
すべてのロックの楽曲の中でいちばん好きなのですから。


Best Of My Loveでは、3番目のヴァースの最初のくだりが特に好きです。

"Every morning I wake up and worry,
 what's gonna happen today"
 
毎朝起きて不安になる、
今日はいったいどんなことが起るのだろうって

朝起きると上手くいっているかもしれないし、
もっと悪くなっているかもしれない。
恋愛に限らず、このくだりはいろいろなことにあてはめることができる、
リアルな響きをもったくだりだと思います。

歌として好きなくだりはブリッジのこれ

"It was a quiet night and I will be all right
  if I could go on sleeping"
 
音がだんだん上がってゆくその旋律にこの言葉がぴったりで、
自分で歌っていてぞくぞくっときてしまう。
最近はサビとここだけよく口ずさんでいます。

恒例(?!)僕が妙に好きな部分ですが、
この"It was a"という発音が好きなんです。
ここは"It is"でも"That was"でもこうはきれいに響かない。
細かな言葉を選ぶソングライターのセンスでしょうけれど、
その辺にドン・ヘンリー、グレン・フライと共作した
JDサウザーらしさが出ているように感じます。
  

ということでJDのヴァージョンも。




 Best Of My Love
 JD Souther
 (2011)


イーグルスの「オリジナル」の音について最後に一つだけ。
ブルーグラス風のイントロに入るベースの上がって下がる
フレーズが大好きですね。
 
そう、僕は昔、大学のサークルでブルーグラスを演奏しているという
女性と話した時に、「イーグルスみたいなやつですか?」
と聞いたところ呆れられたという思い出があります。
まあ、今もブルーグラスがどういうものか
僕はよく分かってはいないですけどね、でも
この曲がブルーグラスではないことはなんとなく分かります(笑)。


でも、今の僕は、ブルーグラスの何たるかよりも、
この曲のほんとうの意味を「分かりたい」ですね。

 
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