木のスプーン作りとSpoonman

guitarbird

2016年07月11日 21:24

01


Spoonman Soundgarden
スプーンマン サウンドガーデン (1994)

今日は曲の前にひとつ。

今月、A公園で「カルチャーナイト」のイベントがあります。

「カルチャーナイト」とは、白夜の北欧スウェーデン発祥で、
夏の1日、公共施設や企業を夜間に一般開放し、
見学会やイベントを行うというもの。
札幌では今年で11年目、でも僕が知ったのは5年前、
少しずつ広まってきているかな、といったところ。
動物園やテレビ局も開放するところがあって、
それはそれで楽しそうですが、僕は行けない、残念。

A公園では今年「ウッド・カトラリー作製体験会」を行います。
「ウッド・カトラリー」とは木でできたスプーンなどの食器ですが、
そういう言い方があるのは知らなかった。

もちろん僕にそれを教える技能はない。
A公園の近くに木工作家さんが住んでいて、
その方に講師を依頼しています。
木材はホームセンターで売っている一般的な角材などではなく、
札幌近辺のオニグルミなどの自生樹種を使うのも楽しいところ。
角材から切り出すのは不慣れな方が多く時間がかかるだろうから、
ある程度の形までは講師の方が事前に彫ってくれます。

もし近隣にお住まいでイベントにご興味がある方は、
こちらのリンクをご覧ください(それ自体の記事はないですが)。


さて、そのイベントが決まってから、
僕の頭の中で毎日流れてくるのがこの曲。
 




 Spoonman
 Soundgarden
 (1994)

サウンドガーデンがヘヴィメタル的アプローチを極めた傑作
SUPERUNKOWNからの最初のシングル。

僕はMTVで最初に観て聴いてこう思いました。
 
結局みんなレッド・ツェッペリンが大好きなんだ

「みんな」というのはもちろんレトリックですが、この曲は、
僕のリアルタイムで出て来た中ではホワイトスネイクの
Still Of The Nightと並んで、最もZepっぽい曲ですね。
 
もちろん嬉しくなり、すぐにギターを手に取って音を拾い、
リフを弾き始めました。
しかしうまくゆかない。

弾いているうちに、いちばん低い音が"D"であると気づきました。
そこで、6弦だけ全音(1音)下げて"D"にしてみたところ、
うまくいきました。
当時1本しか持っていなかったエレクトリックギター、
すべての弦を下げてチューニングするのは面倒だったので・・・

サウンドガーデンが実際にどうチューニングしているのか
分からないけれど、それで合うので
僕はこの曲を弾く時は6弦だけ1音下げで弾いています。
 
6弦1音下げといえば、レッド・ツェッペリンの
Moby Dickも6弦を"D"に下げると弾けます。
実際にそうしているかは分からないですが。
でも、6弦だけ下げる曲がZepにもある、これはやっぱりZepを
意識しまくった曲なんだと思い、この曲はすぐに大好きになりました。

2'23"、ソロの入口のギターフレーズがこれまた
ツェッペリンぽくてぞくぞくきてしまう。

この曲はリズムも実はちょっと跳ねていてまっすぐじゃない。
タンツタ「タン」タッタンタ「タン」、2拍目と4拍目の「タン」が強いリズム、
いかにも90年代といったところでしょう。

フェイドアウトしない曲の終わらせ方って、バンドによりいろいろ
考えるところだと思うけれど、これはヴァース1回だけ入って終わる
というのが斬新でいい。


02


スプーンとは関係ない草喰う犬たち・・・

肝心の「スプーン男」とは、スプーンを使った芸をする
アメリカ(カナダだったかな)の大道芸人さんのこと。
ビデオクリップでもその芸を披露していますね、
特に冒頭部分はかっこいい。
クリップはバンドメンバーがすべて静止画であるのも
「スプーン男」の動きが際立っている。
その写真もメンバーのアップだったり、つぎはぎのバンド写真だったり、
缶に顔がえがかれていたりと、あらためて観るとクリップとして
かなりいアイディアだったんだと感心しました。

サウンドガーデンのクリス・コーネルによれば、
何かの機会にこの人を見て曲のヒントを得た、とのこと。

歌詞は特に物語もなく、ただこの人と周りの状況を描写するもの。
サビはこうです。

 Spoonman, come together with your hands
 Save me, I'm together with your plans
 
"hands"と"plans"の韻が効いてます。

でも、「スプーン男」に「救ってくれ」と懇願している。
正直「スプーン男」はそんな大それた人でもないのは
ビデオクリップを観ても分かるかと。
最後に「アッカンベー」までしている人だし・・・

そんな人に救ってほしいほど心がすさんでいる、疲れている。
でもよくよく考えると大したことじゃなかった、彼女と喧嘩したとか
(あまりひどくないもの)、仕事でちょっとミスしたとか、そういうこと。
そんな時には「スプーン男」でも観て憂さ晴らしをしようという
メッセージなのでしょう。

そのメッセージが、レッド・ツェッペリン風の
(ぱくり、とは敢えて言わない)曲に乗って出てくる。
この曲は、音楽自体がジョークである、気軽に聴けよ、楽しめよ、
ということを言いたいのだと僕はずっと思ってきました。
最後の「アッカンベー」も、俺なんかに頼らなくてもそれくらい
自分でなんとかなるだろ、と温かく突き放している感じがします。

実際、聴き終るとすかっとする曲ですね。
マイナー調の曲でクリス・コーネルも暗闇を引きずるような声と
歌い方をしているけれど、でもやっぱり大きなジョークであると感じる。

1990年代でも特に好きな曲のひとつ。
今回久しぶりに聴いて、また惚れ直しました。

アルバムSUPERUNKOWNも僕が90年代に
最もよく聴いたCDのひとつなのですが、それはまたいずれ。

 
最後にこの曲のライヴ映像があったのでそれも。



 Spoonman
 Soundgarden

ライヴを観ると、僕が抑えたのとは違うところで弾いてます。
ハイポジションで押さえてますね。
僕は開放弦交じりのロウポジションでした。
 
0'22"の辺りでクリス・コーネルがリフを弾くギターが
大きく写っていますが、9フレットまで見えます。
でも通常のチューニングのギターでハイポジションで弾いたところ、
9フレットを使うので7フレットから指で隠れて見えなくなります。
つまり音を下げているということでしょう。
 
0'37"のところではクリスが一瞬6弦から指を離しているように見え、
そうだとすれば一番低い音は"D"ということになります。

それらを考えると、やはり6弦すべて
全音下げてチューニングしているように思われます。
いわゆる「オープンD」ではなく、ですかね。

ライヴの時はこの曲だけチューニング下げたギターに変えるのかな、
そうだろうなあ。
続けてそのチューニングの曲を演奏する場合もあるかもしれないけれど。
ライヴでギターを頻繁に取り替えるといえば、
キース・リチャーズを思い出しますね。

 
ところで、「スプーン男」さんは、木で作ったスプーンでも
いい音を鳴らしてくれるのかな。
そうだよ我々が作るのは「木のスプーン」なんだよ、と、
記事をほとんど書き終わった今気づきました・・・(笑)。


最後の前に1枚。

03


今日のザ・マッカートニー・ローズ。
夕方に撮影したのでずいぶんと青みがかってしますが、
花びらはさらに大きく開きました。


そして今日の犬たち。

04


今朝は霧雨で(そんな予報ではなかったのに地域差かな)、
散歩の後早く家に入りたい3頭なのでした。




あなたにおススメの記事
関連記事