01
「レコード・ストア・デイ」
昨日の朝7時のNHKニュースで、
レコードの売り上げが増えているという話題を取り上げていました。
詳しい数字は忘れてしまったのですが、
日本国内で生産されたレコードの生産額が、
最低だった2010年には1億円強だったのが、
昨年は6億円強にまで増えたとのデータが紹介されていました。
これは、「日本で」「新たに」製造されたレコードの「生産」額であるため、
日本での「売上」金額とは直結していないかもしれません。
外国のレコード会社が日本に生産を委託する可能性もあります。
また、輸入盤と中古盤の売上も含まれていません。
しかし、それらを勘案しても、レコードの売上は
ここ5年で伸びていることが予想されます。
実際、感触としてそのようは話も聞きますし。
レコードの生産額が最高だったのは1980年の1812億円。
それから見ればまだ1/300ですが、割合でいえばここ5年の
延び方は大きいと言えるでしょうね。
ただし、その5年間で右肩上がりが続いていたかといえば
そうではなく、2013年だけ一度売り上げが落ちています。
さらにいえば、レコードの売り上げが最低を記録した年の11年前、
1999年には、生産額が約20倍の35億円ありました
音楽ソフトの生産金額自体もその間半分以下に減っていますが、
それにしてもレコードの落ち込みは大きかったようで、
レコード自体は長期凋落傾向が続いていたということでしょうか。
ただ、1999年の数値はその前年と後年の数値を足したくらいあるので、
もしかしてその年は外国からの特需があったのかもしれないですね。
なお、音楽ソフトの総売り上げの話が出たのでさらに触れると、
1980年が2900億円=レコード+カセットテープ、に対し
最大だった1998年が6074億円=それら+CD、となっており、
さらに2014年が2541億円となっています。
なお、ここで紹介しているデータは
「一般社団法人 日本レコード協会」のHPから引きましたが、
詳しくご覧になりたい方は
こちらのリンクをどうぞ。
そしてNHKのニュースでは、
オンキョーがこの度10何年振りの新機種として発売した
フルマニュアルのレコードプレイヤーが紹介されていました。
担当者が若い人でレコードプレイヤーを知らない世代であり、
設計図を見ながら開発したというのがいかにも今だなと思いましたが、
この動きはどうやら固まってきているようですね。
02 説明は後ほど
レコードと言えば、CDの時代になった1990年頃でしたか、
「レコード針が買えなくなる」と騒ぎになりましたね。
国内でのレコード針生産が一時されなくなった頃。
日本はいかに流行に流されやすいか、今となっては笑い話で、
僕も当時はその流れを冷めた目で見ていました。
今は当時に比べると、古いものに良さを見出す意識が
一般化していますね、よかった、というか。
この頃はまだレコードプレイヤーを出していて、たまに聴いていました。
大学の友だちがオーディオを処分した際に一式もらいうけた
ということもあって。
その後、レコードは最注目され、なんとか絶滅は逃れました。
直接のきっかけは、ラップ・ヒップホップ系が人気となって広まり、
彼らがレコードのスクラッチ音を出すのがクールだとされたこと。
これはさすがにCDではできないから。
ただ、当時この動きは、聴く側にはあまり広まらなかったような記憶が。
CDの売上がまだまだ伸びている頃でしたからね。
1995年頃かな、今度は一転して中古レコードが一部の若者に
注目されるようになった、ということもありました。
CDの値段がまだ高く、当時のヒットではなく1970年代60年代等の
古い音楽は中古LPで安く買って聴ける、というのがその理由。
この頃は僕ももうほとんどレコードを聴かなくなっていました。
その5年の間に引っ越してレコードプレイヤーを置く場所がなかった
というのが主な理由です。
2000年代に入って、CDの「デカジャケ」が一部で流行りました。
メディアはCDだけど、LPサイズのジャケットに入ったもの。
CDでは小さすぎてアートワークを楽しめないという人や、
レコード時代を懐かしむ人が主なターゲットでしたが、
でもこれはほんとに一部で終わった感が。
僕は「デカジャケ」は買わなかったなあ。
その代わり、札幌に帰った1997年頃から、CDで初めて聴いて
気に入ったアルバムは中古LPを買うようになりました。
1000円を切るもの、というのを条件にしていましたが、
バッド・カンパニー3枚目のオリジナルジャケット(銀じゃないやつ)など、
ものによっては1000円以上出しました。
写真02がそれ、左がUSA盤で1000円以下、右がUK盤で高かった。
この期間だけでLPを100枚くらいは買っていると思います。
「ジョンの魂」なんて、LPを初めて買ったのは5年くらい前のことで、
それまでにCDは2回買い足し、つまり3回買っていました。
もちろんというか音よりは大きなアートワークを楽しみたいからでしたが、
「デカジャケ」が出た時は、やっぱりそういう人は結構いるんだ
と思ったものでした。
アートワーク主体で買うため、レコードの盤質は正直どうでもよく、
ジャケットの傷み具合いが少ないもの、国内盤を買う際には帯付、
おまけつきなど、あくまでもアートワーク中心で買っています。
03
写真01、僕が中2の頃、1981年9月に初めて買ったLPが
HEY JUDE / The Beatlesでした。
NHK-FMでビートルズの曲を90分テープに録音して聴くようになり、
レコードも買い始めました。
最初に買ったのは「抱きしめたい」のシングル盤、LPはこれでした。
ここから先の話はもう聞き飽きたでしょうから(笑)、今回はこれだけ。
そして写真03、LIVE AT THE HOLLYWOOD BOWLは、公式に
リリースされたビートルズの音源で唯一CD化されていないレコード。
ただ、これ、いろいろあって、むしろなかったことにしたいのかな・・・
今聴くには、当然、レコードプレイヤーが必要です。
レコードについて。
NHKのそのニュースでは、今の音楽マニアの話も紹介しながら
「趣味」としての音楽のあり方を見せていました。
僕はそれを観てこう思いました。
果たして僕は音楽が「趣味」といえるのか?
僕は、僕自身「最後のLP世代かつ最初のCD世代」と常々言っています。
浪人生だった1986年まではLPを買い、
1987年からCDを買うようになりました。
LPを買った頃の思い出も大切だし、LPそのものも大切で、
CDを買い直したアルバムでも、LPは売らずに家に残っています。
(どうせそれほど高くならないでしょうけど)。
でも、じゃあ、聴くのはどうかといえば、やっぱりCDの方が便利でいい。
この辺は僕が妙に冷めていて、ロマンチストではない部分でしょう。
LPは片面ずつひっくり返さないと聴けないし、2枚以上続けても聴けない。
一方CDは、今は25枚連装CDプレイヤーを使っているせいもあって、
何時間もずっと違うものをかけ続けることができます。
また、その時期によく聴いているCDは入れっ放しにしておけば、
帰宅して電源を入れるだけで聴くこともできます。
料理や洗濯をしながらでも、途中でディスクを変えて聴くことも可能です。
レコードでそれをするのは大変でしょう、間違いなく。
「ホワイトアルバム」も、「アイーダ」も、「ビッチェズ・ブルー」も、
一度セットすれば何もしなくても最後まで聴き通すことができます。
サウンド面では、CDは2万ヘルツ以上の超音波がカットされていて
自然な音ではないというのは今は常識となっていますね。
でも僕は、中途半端なオーディオファンで、マニアでは決してなく、
それなりにいいものは欲しいけれど、それなり以上のものは求めない。
音よりも曲にお金をかけたいという人間です。
でもPCで音楽は聴かないし(You-Tube映像は仕方なくそうしている)、
それなりの音では聴きたい、というのが中途半端なゆえんです。
ちなみにCDプレイヤーはパイオニアの25枚連装で音は普通、
アンプはケンウッドの20年前のやつ、スピーカーは前述の友だちに
もらい受けたA&Dのものをまだ使っていて、最新ならそこそこの音、
といった感じでしょうか。
まあ、何をやるにも中途半端な人間ですからね、僕は(笑)。
もうひとつ、現状では、次々と買うCDを置く場所を確保するために、
レコードプレイヤーを出して置いておけないという
なんとも情けない事情があります。
昔、僕が中高生の頃に、ターンテーブルごと前にせり出してくるものが
あったと記憶していますが、普及することはなかった。
僕の場合、音楽は、「趣味」というよりは「日常の一部」という面が強い。
だからやっぱり、便利な方に流れる、ということになるのかな。
僕だって、古臭い考えの人間ではあるけれど(笑)、現代社会に
生きているわけだから、便利なものは便利だと素直に思う。
しかし、NHKのニュースを観て、「趣味」として聴くのもいいなあ、
と思い直しました。
それでなくてもここ数年、場所を確保してレコードプレイヤーを出して
レコードを聴くのもたまにはいいなあ、と思い始めてはいるので。
少し前に、PCに取り込んで聴くレコードプレイヤーを買いましたが、
三つ子の魂、それではやっぱり不満だったようで、その思いもあるかな。
しかし、「趣味」とするには、心の余裕が必要ですね。
今の僕はそこが大きく欠けている、とも思いました。
そしてまさにその心の部分が「趣味」なのでしょうね。
04
レコードとは関係ないハウの写真を。
ただ、今回の記事を書くに当たり、ネット上で、
ニール・ヤング大先生に関する面白い記事を見つけました。
ここに引用します(引用者は適宜手を加えています)。
***
ロックミュージシャンのニール・ヤングは業界でも屈指の
オーディオ愛好家として知られています。
低音質なMP3が支配する業界と音楽の聴き方を変えようと、
高音質の音楽配信サービス「Pono Music」をゼロから
立ち上げるほどこだわりを持っています。
しかし彼にとって不満に感じているのは、MP3だけではないようです。
近年世界中で巻き起こっているアナログレコードの人気復活は、
ただ「流行りものを自慢しているだけ」と酷評しています。
ニール・ヤングは
「今、大勢の人がアナログレコードを買っているが、
CDマスターの音質で聴いていることに気づいている人は少ない。
その理由は、レコード会社が消費者はアナログレコードを
購入したいことに気付いたからだ。
だからCD用のマスター音源をデジタルファイルで作っていているので、
アナログでリリースされる新作の多くは
CDをアナログにしているだけで、ただの流行に過ぎない。」
と南カリフォルニアのラジオ局「SCPR」の番組
「the FRAME」にゲスト出演して答えています。
しかしヤングはアナログの人気復活に対して
リスペクトは忘れていません。
「ニッチな領域だが素晴らしい市場でそれは素晴らしいことだ。
人々がこれからもアナログを楽しんでくれて、
今後も成長してくれることを望んでいる。
なぜならそれは素晴らしいからだよ」
***
ニール・ヤングがオーディオマニアであるというのは意外だった。
どちらかというと音は関係なく曲がよければいい、という
つまり僕と同じ人かと思った・・・失礼しました!
まあでも、ここはひとつ流行りに乗りましょうか。
中古レコード店に行くのも好きだし、最近では「ブックオフ」でも
レコードがたくさん売られている店もあるし。
それにはまず、家の中を片付けなければ・・・
最後の最後になりました、
「レコード・ストア・デイ」。
知らなかった。
そのニュースで知りました。
日本だけではなく、世界的に、4月の第3土曜日が
Record Store Dayと決められたのだそうです。
今年は4月18日でしたね。
NHKのニュースでは、昨年渋谷に開店したHMVのアナログ専門店の
4月18日土曜日の様子が写されていました。
開店前から50人くらい並んでいたかな、ほとんどが20代から50代の
男性でしたが、だから余計に身近に感じられました(笑)。
そうか。
来年の「レコード・ストア・デイ」は僕もレコード店に行きたい。
それまえに何とか家の中を片付けたい・・・
なお余談というか、今回この話題で、やっぱり僕にとって、
テレビを観るという行為は必要なことだと思いました。
そういえば、少し前に「タモリ倶楽部」で、日本唯一の
レコード製造工場である東洋化製でタモリたちがレコードの
カッティングを学ぶという特集をしていたのも、
今のレコードの流れの中にあるものだったんだなと。
そして今日はポール・マッカートニーが来日しましたね。
そんな日に、ちょうどいい話題だったかな。
最後は今朝の犬たち3ショット。
05
ああ、ポーラが「目に横線」状態になってしまいました・・・
別に悪いことしたわけではないけれど、申し訳ない。
今日は最後に1曲。
本文で触れたバッド・カンパニーの3枚目、
RUN WITH THA PACKから、The Youngbloodを。
コースターズのカヴァーですが、20位と中ヒットしました。
1976年のサウンドチェックということで、映像は静止画ですが、
曲は聴けます。
いいですね、この曲、グルーヴ感がこのバンドらしくて、
完全に自分たちのものになっています。