「子規庵」訪問

guitarbird

2015年04月25日 19:29

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「子規庵」を訪れました。

東京に来ています。

夏井いつき著「子規365日」を読んでいて、東京都台東区根岸に
「子規庵」があることを知り、早速訪れたものです。

僕は「勝手に台東区観光大使」を名乗っていますが、
まったくもってお恥ずかしいことに、「子規庵」の存在も、
それが台東区にあることも、知りませんでした。
以前は俳句をしていなかったというのはあるでしょうけど、でも、
かの正岡子規だから、やはり知らなかったのは恥ずかしい限り。

「大使」降格、「小間使い」がやっとかな。

しかも、東京の弟の家から歩いても15分の近さ。

鶯谷駅前交番で場所を聞くと、案内の紙が用意されていて、
それを手渡されて説明を受けました。
やはり訪れる人は少なくないようですね。

入庵料(というのか?)500円を払って、靴を脱ぎ中に入る。

館内は撮影禁止ということで、外の写真を。


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いきなりもう出てしまいました(笑)。

なんて、今は庭で藤が満開、躑躅と山吹も咲いていました。

館内ではまず5分ほどの案内のビデオを見せてくれます。
本郷にあった加賀藩の豪邸を今の根岸に移設し、
長屋として共用していた片方に子規が母と妹と3人で住み、
この地で亡くなった。
その後子規の弟子たちなどを中心に保存されることになり、
戦火で消失したものの再建されて今に至っている、とのこと。
今は東京都指定史跡となり、「子規庵保存会」が管理運営しています。

子規がまさにそこで亡くなった部屋は、やはり緊張しました。

痰一斗糸瓜の水も間に合はず 
糸瓜咲て痰のつまりの仏かな
をとといのへちまの水も取らざりき


事前のビデオで、子規の絶句三句が読まれていただけに。
病床の子規の写真も展示されていて、リアルに伝わってくる。
僕は霊感ゼロですが、でも、まだ何かがあるように感じられました。

資料を見た後、俳句の投句ポストがあり、
案内の女性に進められて一句投句しました。
集められた俳句は毎月松山の子規の会に送られ、
入選するとそこで出している雑誌に載るとのことです。
まあ、僕のは無理でしょう。
その雑誌を見ると、やはり、入選した句はみな素晴らしい。
僕のは俳句「らしくない」からなあ。


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ここの見所は、子規が愛でた庭ですね。

20坪くらいあるのかな、意外と広いと感じました。
背後にはもちろんビルが林立していますが、そこは緑が豊か。
躑躅が咲き、水引が「狐目」の葉を出し、金水引らしき葉もあり、
山吹も黄色い花を見せてくれていました。
その時は鳥はいなかったけれど、近くでキジバトが鳴いていました。

やはり俳句は自然との関わりが大切なのだと実感しました。
小さな庭は、予想以上に広い世界であり、病床の子規が
創作意欲を持ち続けることができたのも納得しました。


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庭にはお土産販売の建物があり、幾つか買いました。

写真04右は、庭の梅の木に来た目白。

加賀様を大家に持って梅の花 子規

子規のこの家への愛情のほどと感謝の念が分かる一句ですね。

木に林檎が刺してあるのは、まあここでは目を瞑りましょう(笑)。
メジロは実際に僕も近くで見たことがあります。
これをはじめ、この庭で撮った写真が絵葉書になっています。

左は、子規直筆の絵の絵葉書のセット。
買う時に、糸瓜と鶏頭の種子がついているけどどちらがいいか
と聞かれ、僕は鶏頭を選びました。
どちらも子規の句にゆかりの深い花で、これは洒落てますね。

鶏頭は僕も毎年ホームセンターで買って育てていてなじみがあるので、
選びましたが、鶏頭の方が育てやすいと言われました。
でも、絶句に詠まれた糸瓜を選ぶのは、何か、気が引けました。
北海道では育ちにくいかも、ということを抜きにしても。

鶏頭、今年はこの種子から育ててみましょう(うまくいくかな?)。


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他に本などを買ったので、オリジナルの袋に入れてくれました。
家に飾っておくかな。
鳥の絵は頬白に見えますが、ホオジロはこの辺りにはいないかな・・・
なんて、どうもそういうところばかり気になる・・・(笑)。

「子規365日」は先月から読んでいるのですが、
ちょうどこのタイミングでその情報に接してよかった。
来月に読んでいたら、行きたかったと後悔していたことでしょう。

また東京に来たら行こう、楽しみが増えました。


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「子規庵」に向かう途中に、風情のある建物が。
豆腐料理のお店「笹の雪」。
ここも「子規365日」で触れられていました。
死の前年には根岸から上野まで歩いたものの、
その頃はもう大変だった、という記述もありました。

つくづく、いい本にいいタイミングで巡り会いました。


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JR鶯谷駅南口。

この建物も意外と趣がありますね。

なお、「子規庵」に行くにはこちらではなく北口が近いです。
上野から出ると先頭車両側、ホームから降りる出口です。
同じ駅でもホームが200mあるので、駅の北口と南口は
様相がだいぶ違います。


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鶯谷駅は、山手線側のみホームドアが設置されていました。

昨年3月に来た時はまだでしたが、東京はこういうところも
動き出すと早いんだなあと思いました。


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鶯谷駅構内には、「梅に鶯」のタイルが随所に埋め込まれています。

ああ、だから誤解を受けるんだ、鶯も「鶯色」だし・・・
なんて、どうも僕は、鳥を見ると素直さがなくなりますね(笑)。

まあ、これはこれで楽しいですよ。


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鶯谷駅南口のランドマーク。
昔はキャバレー、今は東京キネマ倶楽部として
貸しホールになってます。
この時も、大学生かアマチュアバンドか何かの人たちが
楽器の搬出を行っていました。

サム・スミスが来日してミニライヴを行ったのがここ。
爾来、サム・スミスが妙に鶯谷界隈にイメージが合うなあ、と・・・

そのうち誰か僕が大好きなアーティストがここでライヴしないかな。

以上、鶯谷界隈散策でした。


さて犬たち。
「犬切れ対策」として札幌を出る前に撮りためたものから。

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いつもしかめっ面のマーサと、いつも横向くハウ。


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そしていつも何かしら表情を作るポーラなのでした。






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