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2014年03月20日

Getting Better ビートルズの僕の10曲

01
Getting Better ビートルズの僕の10曲

Getting Better 
The Beatles
ゲッティング・ベター
ザ・ビートルズ
from SGT. PEPPER'S LONELY HEARTS CLUB BAND
written by John Lennon - Paul McCartney


ビートルズの僕の10曲

今日はいつも通りにいきます。

まずは歌詞を読んでいただければと思います。
僕がだいぶ意訳しています、ご了承ください。

Getting Better

(これからずっとよくなっていくよ)

1st verse
学校の頃はバカばっかりやってたっけ
(ああ、文句は言えないね)
先生の話もつまらなかったしね
(だからその通りだって)
でも君は僕を大人しくさせ、僕を振り向かせてくれた
僕は君が望む人間になろうとしているんだ

Chorus
認めなきゃ、僕はよくなっているんだって
少しずつだけどね
僕はいい人になろうとしているんだよ
君が僕のものになってからは

2nd
僕は怒れる若者だった
砂に頭を突っ込んで周りが見えない人間だった
でも君が声をかけてくれてついに僕は分かったんだよ
ベストを尽くすことの意味が

Chorus Repeat

Passage
これからよくなっていくんだよ

Bridge
僕はかつて女性に冷たくて、彼女をぶったり
彼女が好きなものを遠ざけようとしていた
ああ、僕はさもしい男だったよ
でも今は違う
僕にやれるベストを尽くすだけさ

Chorus Repeat
僕はだんだんとよくなっているんだよ
少しずつだけどね
よくなっていることを認めたいのさ
だって君が僕のそばにいるのだから

Passage Repeat

僕は少しずつよくなっているのさ


ビートルズの僕の10曲、紹介する順番ではなく、
選ぶ段階で最後の1曲を数曲の中から悩んでいましたが、
震災復興の応援メッセージを込めてこれに決めました。
断っておきますが、無理やりこれに決めたわけではなく、
ほんとうに最後に残った数曲の1曲だったのです、念のため。

ビートルズが楽しいのは、曲を生かすアイディアが豊富なこと。
この曲はその最たるものだと思うのですが、だから
僕の10曲で取り上げるのは悪くはないかとも思いました。

言ってしまえばこれ、曲自体はどうってことない曲であり、
数々の名曲を生んできたビートルズの中にあって、
シングル曲でもないしベスト盤に収録されてもいない、
ビートルズの曲の人気投票では下から数えたほうが早そうな曲。
運がよかったのは、名盤SGT. PEPPER'Sに収録されていることで、
聴かれる機会は多そうだけど、でも、ああ、A面の真ん中辺りの
あのちょっと元気な曲ね、くらいの認識かもしれません。
作曲は主にポール・マッカートニーによるもので、まったくもって
いかにもポールらしいポップソングです。

しかし、アイディアが豊富なビートルズは、この
ごく普通のポップソングを、とても素敵な曲に仕上げました。

ここでいつものジョン・レノンのこの曲への言葉を引用します。
なお、引用者が文意を損なわない程度に手を加えています。

JL:あれは日記形式だよ。
Bridgeの部分は、すべて、ぼくのことだよ。
ぼくは昔、自分の女性に対して残酷だったんだ。
それも精神的な意味じゃなくてだよ。
どんな女性に対してもさ。
女性を殴りつけていたんだ。
自分の思っていることを言葉で表現できないと、
殴りつけたものだよ。
男とは争い、女は殴りつけてたんだ。
ぼくが常に平和が好きなのは、こういうことがあったからなんだ。
非常に暴力的な人間こそ、愛と平和を求めるものなんだよ。
何事も、実際には正反対なんだよ。
でも、ぼくは、心から、愛と平和は大事なものだと思ってるよ。
暴力をふるわないでいることを学び、
自分が暴力をふるったことを後悔している。
暴力的な人間がぼくなのさ。
他人の目の前で、若い頃に自分が女性をどういうふうに扱ったかを
糾弾されてもいいようになるには、
ずっと年をとらなくちゃだめだろうな。


つまりこの曲は、無理やりくっつけたのではなく、
2人で作った曲ということですが、そうした曲があるのは
このアルバムが最後というのが、寂しいところです。
(この後に出たBaby, You're A Rich Manは、ジョンとポールの
未完成の曲を無理やりくっつけてシングルB面曲とした。)

ジョンのこの話は、人によっては意外に感じるかもしれません。
でも僕は、10代の早い段階でこれを読んでいて、このことは
自分にとってのジョン・レノン像の形成に寄与しました。
僕がそうだったとは言わないけど(微妙かな)、だから余計に
ジョンには人間臭さと近しさを感じることになったのでしょう。

続いて、「ビートルズ・レコーディング・セッション」から
この曲の録音風景を引用します。
文章は同様に引用者が手を加えています。

Thursday 9 March, 1967
この日のレコーディングはポールの新曲であるこの曲で、
ベーシック・リズム・トラックが7テイク録音された。
編成はギター、ベース、ドラムス、それに
ジョージ・マーティンのピアノ。
ただし彼は鍵盤ではなく、ピアノの弦を叩いている。
4トラック・テープの内容を別のテープの1トラックに移し換える
リダクション・ミックスが5回行われ、第12テイクがベストとなった。

Friday 10 March, 1967
前日の作業によるテイクがトラック1にミックス・ダウンされた。
この日は、トラック4にジョージ・ハリスンのタンブーラ、
トラック3にポールのベース、トラック2にリンゴ・スターの
ドラムスをオーバーダブ。

Tuesday 21 March, 1967
この日はこの曲のリード及びバック・ヴォーカルのオーバーダブ。
1968年に刊行されたビートルズの伝記The Beatlesの著者である
ハンダー・デイヴィスは、この夜初めてアビィ・ロードを訪れた。
ここからはデイヴィスの言葉。
「ビートルズはもうバッキング・トラックを録り終えて、
ヴォーカルを録音するところだった」
「彼らはヘッドフォンでバックの音を聴きながら歌っていたけど、
僕に聴こえるのは彼らの歌声だけ。
それが単調で粗っぽくてしゃがれてて、
まるっきり魂が抜けちゃってるみたいに聴こえたんだ」
「僕は思ったね、『僕はなんでこんな連中がこんなに好きなんだ?
なんで彼らをいいシンガーだなんて思うんだ?
てんで調子っぱずれじゃないか!』てね」


そして1967年3月23日に、ヴォーカルの録り直しと
リンゴのボンゴがオーバーダブされて完成しました。
この曲で面白いのは、3月9日と10日に続けて録音作業をして、
それから2週間弱ほど放っておかれたことで、ポールはその間
アイディアを練り直していたのかもしれません。

3月21日の録音にまつわる逸話をもうひとつ、
引用ではなく僕がまとめて記します。
その日は当初コーラスだけを録音する予定だったので、
リンゴ・スターは参加する必要がなく自宅待機していたのが、
ポールがドラムスに手を加えたいと言い出したため、
リンゴは呼び出されることになり、リンゴに電話をかけたジョンは
「乾杯中のリンゴをお願いします」と電話口で語りかけたのだとか。
しかし録音済みのテープをチェックしたところ使えそうと判断し、
リンゴには来なくてもいいよと連絡を入れ直した、ということです。

それと、ハンター・デイヴィスが見て聞いた録音のシーンで、
ヴォーカルだけで録音すると歌だけだと調子っぱずれに聞こえる
というのは、僕もテレビやDVDなどでアーティストの録音風景を
見る機会がある度に思っていたことであり、アカペラで歌うのが
難しいことの証左ではないかとも思います。

02 2011年3月19日20時ちょうどの札幌の月
Getting Better ビートルズの僕の10曲

この曲に詰まったアイディアを僕なりにみてゆきます。

コーラスとマーチングドラム風のリンゴのドラムスを
受けて入ってくるポールの歌い出し、
"I used to get mad at my school"の部分では、"mad"という
いちばん強い母音が入った単語で音が急に上るのは、
ポールの音と歌詞へのセンスの鋭さを感じずにはいられません。
さらにそれに続くコーラスの"No I can't complain"の部分でも
同じ音の"can't"で韻を踏んで音が高いのは芸が細かい。
この強い言葉にのせられて曲がホップし進んでゆきます。

ポールのベースは不規則に動いている感じで、
真っ直ぐな曲に表現の幅を持たせています。
Verseの部分では強烈なグリッサンドが印象的な、
リフといえる一定の音で弾いていますが、Chorusの部分では
リフでも旋律でもない不思議なもこもこした音になります。

曲はシンプルだけど、Bridgeに入る前に
3段コーラスが入った短い部分が出てきますが、
この辺は彼らにしては朝飯前の芸当ですね。
というより逆に、最初のコーラスではこの短い部分がない
そこが後から響いてきて効果的でもあります。

Bridgeの部分でいきなりジョージ・ハリスンが演奏する
インド楽器のタンブーラが入ってきて、そこでもう、
あれあれこの曲はどうしちゃったのって戸惑います。

そのジョンが作ったというBridge部分は、急に重くなり、
普通に流れてきた曲の中ではやや唐突に変わる印象があります。
ここはジョンがドスを効かせたヴォーカルで前に出てきますが、
自らの体験だからか、ポールの甘い声よりも説得力があります。
まあ「分業体制」でのことでしょうけど、いずれにせよ効果的です。

その後はChorusを繰り返しますが、でもジョンの部分の後だけに
少し空元気に聴こえなくもないという揺らいだ雰囲気になり、
まだ自分に確信が持てないという印象を残して曲が終わります。
その先は自分次第。

イントロから鳴り続けるギターの高音のカッティングの音は、
まるで太宰治の「トカトントン」みたい。
何かをしようとするとその音が聞こえてきてやる気が失せる・・・
それじゃだめじゃん(笑)。
そうではなく、この音には気持ちが引っ張られてゆきます。
また、同じ音が続くのは祈りのような心持にもなります。

引用文中の、ジョージ・マーティンがピアノの弦を「叩いていた」
というピアノの音は、このギターのカッティングの音に被さって
高音を強調していますが、ほんとにすごいアイディア。
マーティンは途中では普通にピアノも弾いています。

そしてこの曲でも楽しいのはなんといってもコーラス。
ビートルズの魅力は、上手くなくても楽しくやればいいさ
というコーラスに対する姿勢だと再認識します。
1st Verseの()内のコーラスの裏声はしゃきっとしていなくて、
そこがなんだか人間味があって心が入りやすいですね。
ビートルズのポールが作った曲ではYou Won't See Meでも、
ただ歌メロがちょっとよいだけの普通のポップソングを、
まったくもって魅力的なコーラスの曲に仕上げています。
そしてこの曲はポールのソロ時代のひな型になった曲のひとつ
という感じもします。

とにかくこの曲は歌うとひたすら気持ちいい。

そして僕がこの曲が好きなのは、よくなろうとしていると
宣言し実行しようとしているその姿です。

少し気持ちが落ち込んだ時は、自分のテーマ曲にしています。

僕はもうかれこれ30年ほどロックを聴いていますが、
ビートルズのように、アイディアの秀逸さ、発想の豊かさが
持ち味というバンドは、他にはほとんど思いつきません。
曲に凝っているとかアレンジが素晴らしいというレベルではなく、
それ以前の、単に音楽が好きな人間の「アマチュア的発想」を
曲の中に生かすことができるという部分において、
ビートルズを凌駕するバンドはないと思います。
だからアマチュアバンドで演奏する人も多いのではないかと。

でも僕は、彼らだけがすごいといいたいのではありません。
アイディアを生かすのは誰にだって出来ることです。
多少のセンスと技術は必要な場合もあるかもしれないけれど、
それは乗り越えられない問題ではないでしょう。

震災のニュースに触れていると、
降った雪を集めて皿を洗ったりする水に利用したり、
電気が止まったガソリンスタンドの地下タンクから
石油類をくみ上げるのに農業や漁業の機械を使ったり、
子どもたちが避難所の作業のある部分を仕切ったりと、
アイディアを出し合って生活してゆく姿を見ると
感動し、こちらも勇気づけられます。

日本が、アイディアを自由に語り合いそれを
様々な場面で生かすことが出来る世の中であるならば、
必ず復興し、以前にも増してよい国になると信じています。
もう良くなるしかない、Getting Betterなのですから。


この曲は僕なりの応援のつもりで選びました。
奇しくも、引用したジョン・レノンの言葉にも、
人間を応援するメッセージを感じることができますし。

自分にできるだけのベストを尽くしてゆけば
少しずつ、よくなってゆきます。


03
Getting Better ビートルズの僕の10曲






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