FULL MOON FEVER トム・ペティ

guitarbird

2014年02月06日 23:29

いつものように
写真へのコメントも大歓迎です!


今回は、雪まつりで撮った写真にしました。

今夜は、急きょ、このアルバムを取り上げます。

01


FULL MOON FEVER Tom Petty
フル・ムーン・フィーバー トム・ペティ
 released in 1989

NFLスーパーボウルをご覧になったかた。
今年のハーフタイムショー(以降HTS)は、
トム・ペティ&ザ・ハートブレカーズ(以降TP&HB)でしたね。
いやぁ、よかったぁ。
今までのHTSでいちばんだったかもしれない。

でも、日本では「誰それ??」という感じなのかな、
ここ数年では最も地味なHTSと映ったかもしれません。
事実、僕の情報源のひとつである「めざましテレビ」でも、
今回はHTSのことについてはまったく触れていませんでした。
余談ですが、その番組の大塚キャスターは、
かつてNHK時代にNFL番組を担当していましたが、
ユーモア溢れるコメントが僕は大好きでした。
時々、放送を忘れて解説の人と遊んでいたのですが、
そうなると僕は「ほら来た!」といって喜んだものです(笑)。
いやぁ、また観たいなぁ。

それはともかく、視聴率が40%を超えるという
国民的スポーツイベントのHTSを任されるくらいに、
アメリカでのTP&HBの人気と尊敬度は高いのだと思います。

なんせ、最初のヒット曲がAmerican Girlですからね。
HTSの1曲目がその曲だったのも、頷けるというもの。

02


演奏が始まる前のイルミネーションのショーが、
このアルバムジャケットを模したもので、さすがに凝ってました。
今回はしかし、そのアルバムには触れずに、
HTSで演奏した他の曲が入った、僕がより親しんだ、そして
おそらく彼らの中で最も聴いたアルバム
FULL MOON FEVERを紹介します。

このアルバム、名義はトムひとりになっています。
キャリア14年目にして初のソロアルバム。

TP&HBは1976年にアルバムデビュー。
ボブ・ディランザ・バーズという「アメリカの心」を継承し、
さらに拡大させたような音楽で、
早くから注目され、尊敬される存在でした。

玄人受けというか、ミュージシャンにも人気で、
スティーヴィー・ニックスとの共作共演の
Stop Draggin' My Heart Aroundは大ヒット。
以降も、バンドで、メンバーソロで、ゲスト参加多数。
特にキーボードのベンモント・テンチは、
毎年必ず誰かのアルバムにゲスト参加しているんじゃないか
というくらいに引っ張りだこの、「ミュージシャンズ・ミュージシャン」。
昨年僕が買った新譜では、
ジョン・フォガティーREVIVALにもその名前が。

そしてギターのマイク・キャンベルもまた然り。
彼はなんと、ドン・ヘンリーのかの名曲中の超名曲、
The Boys Of Summerを、ドンと共作しています。

03 会場のスケートリンク


そんな彼らの、トムのひとつの転機が、あの、
トラヴェリング・ウィルベリーズへの参加。1987年のこと。
ここでさらに活動の、そして音楽の輪が広がり、
いよいよ出たソロアルバムは、そこで知り合った
「個人の思いを音楽に焼き付ける名人」
ジェフ・リンをプロデュースに迎えて1989年に制作されました。

なお、トラヴェリング・ウィルベリーズの記事は、
こちらと、 こちらへ。

音は、まさにジェフ・リンサウンド。
ポップでまろやかでかつダイナミックな響きの音。
ほんと、天才的な仕事ですね。

今回のHTSの4曲のうち3曲が、
このアルバムから演奏されました。


トムの場合、ソロとバンドの境目が明確ではないというか、
ファンとしてはどちらでも構わない、みたいな感じはあり、
だから、違和感はあまりありませんでした。
まあ、バンドの仲が良さそうなのは見ていて分かりますからね。
そして、ファンもそんな姿にほっとするのでしょう。
彼らは、ファミリーという感じすらしますし。

彼らについては、そのうちサブカテゴリを独立させるべく、
また少しずつ取り上げてゆきます。

はっきり、僕が最も尊敬するミュージシャンが、
トム・ペティです。
それは、音楽家として以上に、人間として。


04 雪像「ピサの斜塔」とNTTの鉄塔


Tr1:Free Fallin'
HTSでは最後の4曲目に演奏していた曲。
いきなり名曲。
最初にCD聴いた時に、1曲目で「これはいい」と直感。
そういうアルバムはなかなかないものですが。
ゆったりとした、広々感がある気持ちいい曲。
そして、勇気が湧いてくるような力強い曲でもあります。


Tr2:I Won't Back Down
HTSでは2曲目に演奏。
さらに名曲。
トムのすべてのキャリアでも1、2を争う名曲でしょうね。
とにかくカッコいいアメリカンロックンロール。
サビの前の展開の、えもいわれぬ開放感、
歌っていてこれほど気持ちいい曲も、そうざらにはないですね。
ウィルベリーズで知り合ったジョージ・ハリスン
コーラスとアコースティックギターでゲスト参加しているのも
うれしい限り。
ジョージは、ビートルズの頃からコーラスの声がカッコよくて
これは、久し振りにそれが聴けたのもうれしかったし。
ジョージはビデオクリップにも出ていて、ほんと、涙モノの大感激。
さらにビデオクリップには、レコーディングには参加していなかった
リンゴ・スターまで出ていました。
僕の思い入れたっぷりの曲。


Tr3:Love Is A Long Road
ピアノの叩きつけるようなイントロから引き込まれる、
前曲の勢いを引っ張ったようなパワフルな曲。
最後まで漂う緊張感は、この人の持ち味。
特にサビの部分のちょっと鼻につくような声は、
人により好き嫌いがありそう。



Tr4:A Face In The Crowd
いったい、いつになったら曲が展開するのだろう・・・
最初に聴いた時、真剣にそう思いながら聴いていて、
ついぞ最後まで展開がないまま終わりました(笑)。
切々と同じ感じで最後まで貫く、ある意味人を食った曲。


05 雪まつり会場のミニSL



Tr5:Runnin' Down A Dream
HTSでは3曲目に演奏。
これはなんというか、地響きというか、うなりというか、
曲全体で迫ってくるような、迫力満点の曲。
アジるようなイントロのギターがまた印象的。
エンディングには鬼気迫るものさえ感じます。
元気を出したい時、勇気が欲しい時にはぴったりの曲!


Tr6:Feel A Whole Lot Better
これは彼が敬愛するザ・バーズのカバー。
ということを知ったのは最初に聴いて少し経ってからでした。
先行シングルのTr2を除き、最初に気に入ったのがこの曲でした。
おかげでバーズも聴くようになったし、僕にとっては大切な曲。
イントロのsus4がかっこいい、シンプルでポップなR&R。
美しい、とさえいえるくらいのいいメロディ。
そして以前別の記事でも書いたように、
「最初に聴いたものがその人にとってのオリジナル」
僕は、トムの録音のほうがオリジナルより好きです。


Tr7:Yer So Bad
アコースティック弾き語りの強いメッセージソングは、
ボブ・ディラン直系という感じでもあり、彼の持ち味でもあります。
でも、yuppieって、今でも使うのかな・・・死語かなぁ・・・
ちなみにyuppieをwikipediaでみると

ヤッピー(yuppie, YUP)
都市住民たるエリートサラリーマンのこと。
語源は「young urban professionals 」の略であり、
ヒッピーをもじったもの。
おおむね 20代後半から 30代前半で、
大学院卒、専門職に就き、
収入はアッパーミドルというイメージである。
しばしば自己中心的、表面的というニュアンスで
軽蔑的に用いられる。


まあ、この曲があるので、僕の中では死語じゃないんですが(笑)。


06 氷像「旧札幌停車場」



Tr8:Depending On You
アップテンポでポップな曲。
こういう何気ない曲でも、ふと気がつくと口ずさんでいる
そんな歌メロはさすが。

Tr9:The Apartment Song
爽快なロックンロール、楽しいけどちょっと寂しげでもある曲。
でもやっぱり、思わず口ずさむいいメロディ。
どちらかというと平板な感じの曲を、
つらつらと進めて終わらせてしまうのもまた
トムの得意技のひとつ、か!?


Tr10:Alright For Now
アルバムでは唯一静かな、落ち着いた曲。
部屋でキャンドルを眺めているような雰囲気の
ゆらゆらとしたアコースティック弾き語りの曲。


Tr11:A Mind With A Heart Of Its Own
ギターの切れが抜群で、思わず体が動く激しい曲。
それにしても、ジェフ・リンのこの音はやっぱりいいなぁ。
スタジオでの録音が、さぞや楽しかっただろうなぁ。


Tr12:Zombie Zoo
ラストのゲストは、ロイ・オービスン
やはりウィルベリーズつながり。
でも、このアルバムがリリースされた頃、
既にロイはこの世にはなく(1988年に急死)、
それでこのタイトルは洒落がキツイ・・・と当時は思いました。

まあ、もちろん洒落でも予期していたわけではなく、
単なる偶然であるはずなのですが・・・・
それはともかく、揺れるようなイントロのキーボードが
いかにもゾンビーという感じで面白い。
アップテンポのポップな曲で(そればっかりだけど)、
ある意味、アルバムでいちばんインパクトが大きい曲。
そして最後を飾るにもふさわしい曲。
それにしても、最後まで人を食ったところがいやはやなんとも・・・



このアルバムを聴くのは何年か振りですが、
とにかく明るく楽しく前向きになれるアルバムだと
今回、あらためて、というより初めて気づきました。

少し冷静に聴くと、いい曲が前半(A面というべきか)に
固まりすぎているきらいはありますが、
前半で圧倒し後半は勢いを持続しつつ少しずつ抑えてゆき、
クールダウンしたと思ったら最後にオチがあった・・・
そんな感興のアルバムだと思います。

ところで、Full Moonとはいいながら、
月の写真を使えなかったのが、自分でも悔しいです。

なんせ、夜は写真をほとんど撮らないものでして・・・(笑)

07


今年は、大通公園の5丁目と6丁目の間は
車両通行止めになっていて、
道庁赤レンガもこのように撮ることができます。



ついしん
月の写真が撮れないがために、
いまだ記事に出来ないアルバムがあるんです・・・
記事になるのは、いつになることやら(笑)。



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