ナチュログ管理画面 エコロジーライフ エコロジーライフ 北海道・東北 アウトドア&フィッシングナチュラムアウトドア用品お買い得情報
ブログ作成はコチラ
あなたもナチュログでアウトドア生活を綴ってみませんか?
プロフィール
guitarbird
guitarbird
ゴジュウカラは、木の幹を下向きに歩ける唯一の鳥。 
ゴジュウカラを見習うと、違った視点が得られるかも・・・
僕が最も好きな鳥です。
これは北海道の亜種シロハラゴジュウカラ
読者登録
メールアドレスを入力して登録する事で、このブログの新着エントリーをメールでお届けいたします。解除は→こちら
現在の読者数 22人
Information
アウトドア用品の
ご購入なら!

QRコード
QRCODE


日本に生まれてよかった


鳥の名前と季節を追って


手軽な歳時記、改訂版


丸谷才一エッセイ傑作選


シェイクスピアに親しもう


4人は何を言ったのか


身の周りにある「遺産」


植物のすごさよ



友人著、「見る」とは・・・



写真による野鳥図鑑



これは使える!



野鳥の本のリンク



俳句の本のリンク



草思社の応援リンク



ちくま文庫のリンク


2013年02月04日

オオアカゲラ guitarbirdの鳥図鑑034

2月になると、雪の森から
「キョキョキョキョキョキョッー」
というけたたましくも奇妙な声が聞こえてきます。


2月は、アカゲラの恋の季節。
いつもは1羽か2羽で見られることが多いのですが、
この時期は、3羽を同時に見ることがよくあります。

今朝のAの森でも、この声が響き渡っていました。

しかし、よく見ると・・・

01 
オオアカゲラ guitarbirdの鳥図鑑034

オオアカゲラ

でした。

オオアカゲラは、住宅地に近いA公園とAの森においては
夏季はめったに見られないのですが(クマゲラより珍しいくらい)、
冬季は割合よく見かけます。

今朝は、オオアカゲラの写真を何枚か撮れたので、
鳥図鑑の記事にしました。

さて、恋の季節です。

3羽いるということは・・・

02※
オオアカゲラ guitarbirdの鳥図鑑034

2羽の雄が、1羽の雌をめぐって争っていました。

どうりで、いつにもまして声が大きいわけだ。

うまく2羽同時に撮ることができなかったのですが、
この写真の橙色で囲んだ部分、近くに2羽の雄がいました。
(後ろの個体は雄であることは目視確認しています)。

03
オオアカゲラ guitarbirdの鳥図鑑034

こちらは

2羽のオスの争いを、距離を置いて様子を見ていました。

或いは、まだそこまでいかない、無視しているのかな(笑)。

でも、すぐ近くにはいました。

04※
オオアカゲラ guitarbirdの鳥図鑑034

同じ2羽の雄が、また別の木に移動してとまりました。

どうやら、手前の雄のほうが優勢のように見えましたが、
しかし、まだ、勝負を決する時期には少し早い、
奥の雄にも逆転の余地があるはず。

最大で15mほどまで近づけましたが、
邪魔をするのも悪いので、すぐにこの2羽からは離れました。

さてここで、オオアカゲラとアカゲラの違いを見てゆきます。

まずは大きさ、
オオアカゲラはハトより少し小さいくらいの大きさ、に対し、
アカゲラはヒヨドリくらいの大きさ、です。
ただし、アカゲラはふっくらとした体格と、あまり長くない尾のせいか、
尾の長さも含んだ数値上の全長よりも大きく見えます。

続いて、雄の写真を2枚。

なお、05と06の2種の写真の大きさの比率は、
ほぼ、実際の体の大きさの比率になっています。

05OoakageraM              05AkageraM
オオアカゲラ guitarbirdの鳥図鑑034  オオアカゲラ guitarbirdの鳥図鑑034

赤丸1で囲んだ頭に注目してください。

オオアカゲラの雄は頭全体が赤いのに対して、
アカゲラの雄は後頭部のみが赤くなっています。

雌は両種とも頭に赤い部分はありません。

ただし、アカゲラもオオアカゲラモも、巣立ち幼鳥は、
その年の秋までは、頭部がオオアカゲラの雄のように赤く、
だからその時期には見間違うこともあります。

続いて横から見た写真で違いを説明します。

ただし、こちらは
条件が同様の同じ性の写真を用意できなかったのですが、
この違いは雌雄共通であるので、06については、
写真の個体の雄と雌の違いは無視してください。

06Ooakagera                  06Akagera
オオアカゲラ guitarbirdの鳥図鑑034  オオアカゲラ guitarbirdの鳥図鑑034

緑丸2で囲んだ背中(翼)の羽が
オオアカゲラには白くて大きな部分がない、のに対し
アカゲラには明らかに白くて大きな部分があります。

これ、写真05の緑丸のほうがより分かりやすいかと思いますが、
この違いは、遠くからでもよく分かります。

そして青丸3で囲んだ胸から下腹部にかけて、
オオアカゲラには黒い縦じまが入る、のに対し
アカゲラはしまがなく、白色かクリーム色の単一色、になっています。

07
オオアカゲラ guitarbirdの鳥図鑑034

これは頭が見えないので、雄か雌か、分からない・・・
(ヒントは、01と同じ個体です)。

オオアカゲラとアカゲラ、
「キョッ」という鳴き声、恋の争いの「キョキョキョッ」という声は
音としてはまったく同じで、声だけでは両種の識別はできません。


ただし、おそらく、声の大きさは、
より大きいオオアカゲラのほうが大きいと思われるのですが、
自分で比較してそれを感じたことはないですし、
具体的な数値となって表わされたデータに接したこともありません。

ドラミング=木をつつく音の大きさはかなり違い、
オオアカゲラのドラミングはクマゲラのそれと間違うこともありますが、
アカゲラのドラミングをクマゲラと間違うことはほぼありません。

しかし、ではオオアカゲラとアカゲラは
ドラミングの音だけで識別できるかというと、それも難しいでしょう。

要するに、目視できないと両種の識別は難しいのですが、
近くにいる場合は姿を見つけるのが割と容易な鳥なので、
あまり深刻な問題にはならないと思います。

08
オオアカゲラ guitarbirdの鳥図鑑034

オオアカゲラとアカゲラと同所的にいる場合は、
オオアカゲラのほうが少ない傾向にあるようです。

また、オオアカゲラは、正真正銘の「山林の鳥」であって、
アカゲラのように街や人里にはいません。
ただ、山間部のキャンプ場では見ることができます。

アカゲラのほうが、小回りが利くというか、器用そうですね(笑)。
札幌では大通公園や中島公園でも見られることがあるくらいで、
都会や都心部でも、まとまった林があれば生息しています。
これはしかし、北海道ならではともいえるのでしょうけど。

だから、住宅街に近いA公園とAの森のオオアカゲラは、
最も都会の近くに住んでいるものではないでしょうか。
そしてそれだけ余計に、
雌をめぐる争いが激しいのかもしれません。

09雄        
オオアカゲラ guitarbirdの鳥図鑑034

09雌
オオアカゲラ guitarbirdの鳥図鑑034

オオアカゲラ Dendrocopos leucotos キツツキ目キツツキ科 
28cm 北海道から奄美大島までで留鳥 山地の森林(深山)
奄美大島の亜種オーストンオオアカゲラは天然記念物

オオアカゲラは、北海道RDBの留意種になっています。
現状では絶滅の心配まではないが、この鳥を取り巻く環境が
今後悪化するようであれば、絶滅の恐れが生じる、というものです。

先ほど、アカゲラは器用だと書きましたが、
オオアカゲラは、体がより大きいことから、
より多くの食料を確保するために、より広いテリトリーが必要となり、
かつ、より大きな巣穴を穿つ必要があるものの、
それに十分な大きな木が減ってきている
、ということでしょう。

オオアカゲラの動向は、注意深く追ってゆく必要があります。

だから、声やドラミングの音だけからでは
アカゲラとの識別がなかなか出来ないというのがもどかしくもあり、
そのために、動向が見逃されてしまう可能性もあります。

10※
オオアカゲラ guitarbirdの鳥図鑑034

なお、
※がついた写真はノートリミング、
それ以外はトリミングをしています。

そして、写真撮影地はすべて札幌市中央区です。







同じカテゴリー(鳥図鑑)の記事画像
ジュウイチと申します
奥山のエゾライチョウ
「レイヴン」とはこれだ! ワタリガラス
亜種シマエナガ
同じカテゴリー(鳥図鑑)の記事
 ジュウイチと申します (2013-09-10 23:16)
 奥山のエゾライチョウ (2013-05-02 19:45)
 「レイヴン」とはこれだ! ワタリガラス (2013-02-20 20:47)
 亜種シマエナガ (2013-01-13 22:15)

Posted by guitarbird at 19:29 │鳥図鑑

削除
オオアカゲラ guitarbirdの鳥図鑑034