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2013年07月30日

今月の読書2013年7月号

01
今月の読書2013年7月号

今月の読書です。

毎月29日に記事を上げると先月宣言したばかりですが、
舌の根も乾かぬうちに、今月は1日遅れの30日に。
まあ、大の月が2か月続く、ということで。

今月は5冊、家の周りで撮った主に花の写真を
織り込みながら進めてゆきます。



☆1冊目


自然ガイド 藻岩山・円山
さっぽろ自然調査官(編)
北海道新聞社


札幌のローカルな話題。
僕がホームフィールドとしている旭山記念公園と「旭山の森」を含む、
藻岩山・円山の自然ガイド本が出ました。
編集されたかたが僕の知り合いですが、主に植物屋さんで、
植物を基本として視野を広げて自然を見ている、という感じです。
野生動物、野鳥から昆虫までそして植物と幅広く写真が掲載され、
藻岩山や円山の自然がより身近に感じられます。
その上で、入門編的なガイド本の割には各事象への説明が深く、
その筋の専門の人が読んでも唸らされる内容になっていますが、
さすがは地元の出版社、地元の人が編集した本です。
藻岩山は、モイワサナエ(トンボ)、モイワボダイジュ(樹木)など、
明治時代に北方の自然研究の場となったことで、ここで発見された
動植物に名前が冠されているように、身近でありながら自然が豊か
であることを、地元の僕も再認識しました。
ローカルな話題も、地元にこだわる者として紹介させていただきました。
もちろん、読んだからですが(笑)。



02 オオアマドコロの葉の間に咲いた赤系のユリ
今月の読書2013年7月号

☆2冊目


森繁さんの長い影 本音を申せば6
小林信彦
文春文庫


先月から読み始めた小林信彦、折よく文庫の新刊が出ました。
同じく「週刊文春」の連載を本にまとめたもので、4年前のもの。
ちょうど民主党政権が誕生した年で、小林信彦さんは自らリベラルと
称しているのですが、今読むと、何か空しいものを感じました。
丸谷さんとは違い割と政治的なことを挟み込んでくる人なだけに。
まあそれはいいとして(気になる人には嫌悪感があるでしょうけど)、
映画、東京、戦争から戦後と話の軸はぶれずに読みやすくはあった。
森繁さんとはもちろん、この年に亡くなられた森繁久彌のこと。
シリアスとコミカルを自由に行き来できる森繁さんの素晴らしさを、
2章(回)を割いて紹介していましたが、僕は、森繁さんは、
両親が見ていたドラマの主役ではな役回りを見たことがあるだけで、
映画は未見、どれほど素晴らしい俳優であるかが分からない。
これは近いうちに映画を観てみたいと。
他、妙に印象に残ったのが、貫地谷しほりを日本では珍しい
コメディエンヌができる人と評価したことで、僕は彼女もCMでしか
見たことがないので、ドラマか何かを見て見たいとも思いました。
丸谷さんのような文章を味わう文芸ものエッセイではないけれど、
取り上げる話題が好きでいろいろ考えたいので、これからも読みます。



03 庭のアジサイの一種
今月の読書2013年7月号

☆3冊目


おみやげと鉄道 名物で語る日本近代史
鈴木勇一郎
講談社


おみやげも鉄道も好きだから、Amazonの購買履歴おすすめで
この本が出てきた時にはすぐに注文しました。
その割に、買ってから読み始めるまでひと月かかったのですが(笑)。
ただ、読み始めてからは2週間で終わりました。
少しずつ読み進めたからですが、早い人なら2時間半で終わるかと。
旅行先の名物の菓子類をおみやげとして買うのは、世界中で見ても、
ほぼ日本人だけに特有の行動であり、海外の有名観光地には、
菓子類のお土産はほとんどない、というところから話が始まります。
おみやげを買うのは好きですね、仕事の遠征でもよく買います。
やはり食品が多いけれど小さなグッズ、工芸品の類も好きですが、
日本の「お土産」と海外の"souvenir"は違うことが説明されます。
海外の"souvenir"は、自分がそこに行った証しとして買うものであり、
記念として長く残る工芸品が主なものであり、一方、日本の
「お土産」は周りの人にあげるのが目的だからお菓子類なのだという。
これはそもそもの話で、今はどちらも買う人も増え、僕もそうですが、
ビリー・ジョエルのSouvenirを聴いて、何かこう日本人の感情のあり方
とは違うと感じたのが、なるほどと納得させられました。
この本ではお菓子類のお土産に絞って話が進められますが、
江戸時代の「お伊勢参り」から始まり、当初は食べ物よりは
工芸品の類がおみやげであったものが、近世になり、食品を
日持ちさせる技術が発達して菓子類がとって代わったという。
菓子類のおみやげが定着したのは、20世紀に入ってから、戦争により
全国から兵士として男性が軍隊に召集されたことがきっかけだった。
話の本質とは離れますが、小林信彦さんのエッセイともども、
今の日本は戦争によってもたらされた変化の影響からまだまだ
抜け出せていないことを思いました、ちょうど8月になりますし。
それはともかく、鉄道の発達によりおみやげを買うことが広がり、
近年はテレビなどマスコミによっても話題になったものが売れるという、
今までのおみやげを取り巻く事情がまとめられていて興味深かった。
広島の「もみじまんじゅう」は、B&Bの漫才がきっかけだったというのは、
同時代で見ていたものとしてはなるほどでした。
東京には目立ったお土産のお菓子がなかったところに、「東京ばな奈」
が平成になってから作り出され定着したことも興味深い話でした。
「ひよ子」を福岡と東京で売られている事情も納得。
本としては戦前までの歴史の部分が長くて多少重たいかな、とは
思いましたが、期待通りに面白い1冊でした。
そこが軽い新書とは違う、資料的価値がある部分でもありますが。
ただ、鉄道についてはあくまでもおみやげの普及を促したもの、
という程度で詳しくは触れられていないので、鉄道という言葉に
飛びつくと物足りない内容かもしれない、それだけは言っておきます。
さて、11月には、何をおみやげに買おうかな(笑)。



04 庭のラベンダーに来た、おそらくエゾオオマルハナバチ
今月の読書2013年7月号

☆4冊目


日本産マルハナバチ図鑑
木野田君公/高見澤今朝雄/伊藤誠夫
北海道大学出版会


マルハナバチが密かに好きなんです。
Facebookでマルハナバチのページに「いいね!」しているくらい。
丸っこい体でぶんぶんと言いながら花に寄ってくる姿は
なんというか、かわいらしい。
まあ、刺さないからそんなこと言えるのですが(笑)。
見ていると僕の周りにも何種類かいることが分かってきて、
種類を知りたいと思っていたところで、ちょうど、Facebookの
ページでこの本が出たことを知り、買い求めました。
基本は識別するための本ですが、生活環なども詳しく解説され、
読み物としても思いのほか面白くて楽しく読めました。
家の周りでもよく見る割に、巣にはまだ行き当たったことがなく、
どこにどんな巣があるかが気になってきました。
もちろん、他の刺す蜂の巣と混同しないように探したい。
そして僕がこの本を読んでここで取り上げたのはもちろん、
マルハナバチをもっと注目して欲しいからです。
繰り返し、人を刺すことはほぼまったくない蜂ですから。



05 お隣さんの黄色いユリに来たキアゲハ
今月の読書2013年7月号

☆5冊目


男もの女もの
丸谷才一
文春文庫


最後は結局丸谷さん。
今回はまたとても興味深いお話を紹介します。
「菜の葉に飽いたら桜にとまれ」という、お察しの通り蝶に関する話。
日本にはかつて蝶はいなかったのではないか、もちろんそれは
非科学的な発想だと分かってはいるとの書き出しから、どういうことだ
と思わせるあたりはさすが(なんていうのもおこがましいけれど)。
日本の王朝和歌で蝶が歌われないのはどうして、という話題で、
『古今集』『千載集』『新古今』そして『万葉』にも蝶は出てこないという。
丸谷さんはそれらを読み漁って自らの血肉としているので気づくのは
当たり前でしょうけど、そういえば僕も、学校で習った範囲内とその
ちょっと外側くらいを考えてみても、蝶を詠んだ和歌は思い出せない。
最初の時点でなるほどと思うと同時に謎が一気に深まってゆく。
先ずは、和歌は普通は「字音」(つまり音読み)を用いないと、
技巧的な問題としてはいとも簡単に解決を見て納得。
(例外として仏教用語は字音を用いていた)。
「蝶」=「チョウ」、「てふ」は字音である。
ではと考えると、そういえば「蝶」には訓読みがないことに気づく。
「蝶」は昔から日本にいたはずなのに、和語がない。
いや実際は和語があり、「カハヒラコ」と言っていたらしく、
その名残が方言として残って日本各地に点在している。
へえ、知らなかった。
話はそこから、大野晋さんの「日本語・タミル語説」に移る。
詳しくは僕には説明ができないのでそういうものとして読んでいただく
として、「蝶」の別の和語として「ハビル」があるとさらに話は展開する。
宣伝などに使う「ビラ」や(語源が不詳とのころ)、「札びら」「半ビラ」
それに「花びら」の「ビラ」は、蝶のようにひらひらと飛んでいくもの、
または蝶に似たものという意味の名残として今に残っているが、
「蝶」の和語はあったとしても滅んだまま今に至っている。
ううん、ここまで来ると納得を通り越して圧倒されてしまう。
しかし、滅んでしまったとしても和語があったというのに
和歌に詠まれていないことの説明がまだですね。
「蝶」は昔は人の魂の化身と信じられていたため忌避されていた、
というのが丸谷さんの結論、納得、大納得。
僕も蝶の写真はよく撮りますが、そう言われてみればなんとなく、
あの飛び方、行動様式は浮世離れしたものを感じないでもない。
松尾芭蕉は蝶の句を読んでいて、江戸時代になるとある程度それが
解かれはしたけれど、長いあいだ忌避として残っていたのは、
伝統を重んじる日本人らしいところだと思いました。
それを読んで思った。
丸谷さんと一緒にするのはあまりにもおこがましいとは分かりつつ、
どうして僕が丸谷さんのエッセイにこれほどまで引かれるかというと、
ちょっとしたことから考えを発展させるのが好きだからではないか、と。
ある意味、僕のこのBLOGの基本姿勢も、内容は薄っぺらいけれど、
方向性としては同じなんだな、と思うに至りました。
繰り返し、思考能力、探求心はまるで足元にも及ばないものであり、
おこがましいことは分かって敢えて言っていますが、まあつまり
僕のBLOGは「タモリ倶楽部」+「丸谷才一さん」ののり、
ということで今後もよろしくお付き合いいただければと思います(笑)。



☆読了していないけれどもう1冊紹介します。



日本の七十二候を楽しむ -旧暦のある暮らし-
白井明大(文) 有賀一広(絵)
東邦出版


かねてから二十四節気についてよく知りたいと思っていたところ、
杉並区で書店をしている友だちのBLOGでこの本を知りました。
残念ながら、そのお店ではなくHMVで買いましたが(笑)。
友だちのお店では昨年くらいから売れ続けているのだという。
読んでいないので、帯に書かれた文章を紹介します。
日本には二十四の節気と七十二もの季節が
あることを知っていますか?
鴬の谷渡り、蛍狩り、半夏雨、十三夜、落ち葉焚き、ふろふき大根、
旬の野菜や果物、魚、野鳥、草花、折々の風や雲の名前。
旧暦は心と体で感じる日々の楽しみに満ちています。

来月には感想のご報告ができるかと思います。


06
今月の読書2013年7月号

いかがでしたか!

今月は「読書」としては物足りないかもしれない。
文芸ものはいつもの2人だし(笑)。

マーサが来て、出かけることが減ったのですが、だからといって、
家で本を読む時間が増えた、ということもないかな(笑)。

どうやら僕は普通にしていて月5冊が自分のペースのようです。

ただ、来月は、お盆にまとまって休むので、その間に、
あまり読まない小説を1、2冊、とも思っています。

なんて、言ってしまっていいのだろうか・・・(笑)・・・







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